JP2004221411A - 素子評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子評価方法に関し、強誘電体キャパシタなど、素子の製造工程中であっても、強誘電体薄膜自体の分極分布を容易に求めることができるようにし、その結果に依って良品の判別を行ったり、又、その結果を製造工程にフィードバックできるようにする。
【解決手段】導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極分布状態を求め、この分極分布状態を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定する。
【選択図】 図2
【解決手段】導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極分布状態を求め、この分極分布状態を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスのうち、例えばFeRAM(ferroelectric random−access memory)など強誘電体薄膜をもつ素子を評価するのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種情報を記録する為、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ等の半導体装置が利用されているが、近年、高速動作、低消費電力、書き換え回数が多い等の特徴をもつFeRAMが注目されている。
【0003】
FeRAMは、強誘電体キャパシタ及びトランジスタから構成され、現在、2T/2C(2トランジスタ+2キャパシタ)型や1T/1C(1トランジスタ+1キャパシタ)型のFeRAMが量産されつつある。
【0004】
強誘電体キャパシタは、強誘電体薄膜が上下電極に依って挟まれた構造になっていて、強誘電体薄膜の分極の向きが上向き(プラス方向)であるか、又は、下向き(マイナス方向)であるかに依って、FeRAMは“0”又は“1”の情報として認識する。
【0005】
このように、FeRAMでは、強誘電体材料の分極現象を利用して情報の書き込み、読み出し、保持を行う為、強誘電体薄膜自体の分極特性の評価は極めて重要である。
【0006】
従来、FeRAMに於ける強誘電体キャパシタの特性評価は、上部電極と下部電極との間にパルス電圧を印加してヒステリシスカーブを測定することで行っていた。
【0007】
具体的には、FeRAMチップの中にモニタ用の50〔μm〕×50〔μm〕程度のキャパシタを作り込んでおき、強誘電体テスターを用いて上部電極と下部電極とにコンタクトして分極の電圧依存性、即ち、P−V特性を測定する。
【0008】
このP−V特性から分極率や抗電界等のパラメータを抽出したり、ヒステリシスカーブの形状からインプリント等の強誘電体キャパシタの劣化特性を評価することが行われている。
【0009】
前記したように、強誘電体キャパシタの静電特性評価は、キャパシタ構造、即ち、下部電極、強誘電体薄膜、上部電極を形成してから、上部電極と下部電極との間にパルス電圧を印加してヒステリシスカーブを測定することで行っている。
【0010】
この評価方法は、強誘電体薄膜のみの特性を評価しているわけではなく、上部電極及び下部電極と一体になった強誘電体キャパシタ全体としての特性を評価している為、キャパシタ製造工程に於いて、強誘電体薄膜が形成された時点で、強誘電体薄膜自体の性能は評価できない。
【0011】
即ち、形成した強誘電体薄膜が予め定められた基準値を満たす分極分布を有しているか、或いは、この分極分布の値がウエハ面内で均一であるか、或いは、同じロット内の他のウエハや他のロットのウエハとの間で分極特性に違いはないか等を判断する為には、強誘電体薄膜上に上部電極を形成してからでないと不可能であり、若し、強誘電体薄膜に何らかの異常が在って所期の性能が得られなかった場合、結果として、強誘電体薄膜を成膜してから上部電極を形成するまでの全ての工程が無駄になってしまう。
【0012】
然しながら、キャパシタ製造工程中の早期の段階で良品を判別したり、又、分極分布測定結果を製造工程へフィードバックすることができれば、製造歩留りは大幅に向上し、従って、製造コスト削減に結び付いてくる。
【0013】
ところで、強誘電体薄膜の評価方法を開示する文献が種々と知られていて、例えば、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy:AFM)を用いて強誘電体薄膜に直流バイアスをかけて分極させ、直流バイアス印加前後の差分解析を行うことに依って強誘電体特性を評価する方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0014】
特許文献1及び特許文献2に開示された発明は、強誘電体の圧電応答特性の原理に基づいて評価解消薄膜の伸縮を検出するものであって、電気的信号の一つである非線形誘電率という電気的パラメータを直接検出するものではない。
【0015】
また、同じく強誘電体薄膜の評価方法として、強誘電体薄膜の膜厚変化の電圧依存性を利用することに依り、強誘電体微小キャパシタの強誘電特性を評価する方法も知られている(例えば特許文献3参照。)。
【0016】
特許文献3に開示された発明も、特許文献1及び特許文献2と同様、試料の伸縮を検出するものであり、電気的パラメータを検出するものではない。
【0017】
前記電気的信号の一つである非線形誘電率を検出するには、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3に開示されている非線形誘電率顕微鏡が用いられる。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−338957号公報
【特許文献2】
特開2000−214065号公報
【特許文献3】
特開2001−160575号公報
【非特許文献1】
Y.Cho,S.Kazuta and K.Matsuura, Appl.Phys.Lett.75(1999)2833
【非特許文献2】
Hiroyuki Odagawa and Yasuo Cho,Jpn.J.Appl.Phys.39(2000)5719
【非特許文献3】
Kaori Matsuura,Yasuo Cho and Hiroyuki Odagawa,Jpn.J.Appl.Phys.40(2001)3534
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、強誘電体キャパシタなどの素子を製造する工程中に於いても、強誘電体薄膜自体の分極分布を容易に求めることができるようにして、その結果に依って良品の判別を行ったり、又、その結果を製造工程にフィードバックすることができるようにする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る素子評価方法に於いては、導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極分布状態を求め、この分極分布状態を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定することが基本になっている。
【0021】
前記手段を採ることに依って、強誘電体キャパシタ製造工程の途中段階であっても評価を実施して良品判別を行うことができ、また、その評価結果を製造工程に迅速にフィードバックして製造工程を管理することが可能であり、更にまた、前記評価は、上部電極の形成前に実施することができる為、その段階で不良品を見つけることが可能となり、上部電極を形成する工程が無駄になることを回避することができ、製造時間やコストを削減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、評価に用いる測定装置の概略について説明する。
図1は測定装置を表す要部説明図であって、1は測定対象試料である強誘電体薄膜、2は原子間力顕微鏡と結ばれ強誘電体薄膜1の表面に接触して任意の面積を走査することができる導電性カンチレバー、3は高周波発信器、4はコイル、5はカンチレバー2と高周波発信器3とコイル4とを介して一体的に接続されている導電性リング、6は高周波発信器3から発信されたFM信号を復調するFM復調器、7はロックインアンプ、8は交流/直流電圧発生器、9は強誘電体薄膜1に接触する下部電極、10は原子間力顕微鏡のスキャナと一体となって動く導電性試料台、11は原子間力顕微鏡に於けるスキャナ、12はレーザ光、13はフォトディテクタ、14は原子間力顕微鏡制御コンピュータをそれぞれ示している。
【0023】
図示の測定装置を用いて測定を行う場合、下部電極9と導電性リング5との間に交番電界を印加し、強誘電体薄膜1の表面に於ける非線形誘電率をカンチレバー2をX−Y走査しながら測定し、カンチレバー2直下の強誘電体薄膜1表面の分極状態を二次元の分極分布像として取得し、この分極分布を予め定められた基準を満たしているか否かを判断することで良品の判別を行う。尚、ここで、交番電界を印加する一方を下部電極9としたが、具体的には、導電性試料台10或いは原子間力顕微鏡のスキャナ11であって良いことは勿論である。
【0024】
また、カンチレバー2と例えば下部電極9との間に正または負の直流電圧を印加し、カンチレバー2直下の強誘電体薄膜1の分極状態を変化させることに依って強誘電体薄膜1の分極反転特性を評価する。
【0025】
更にまた、強誘電体薄膜1の成膜直後、及び、成膜後に一定期間放置した後の分極分布を比較したり、ウエハ面内の複数の箇所で測定を行って、面内でのばらつきを調査したり、或いは、同じロット内の他のウエハや他のロットのウエハと比較し、良品の判別を行い、また、仮に異常があれば、製造工程へのフィードバックを行う。
【0026】
前記方法を採ると、上部電極を形成する前の段階に於ける強誘電体薄膜自体の分極特性を知得できることから、強誘電体キャパシタ製造工程の途中であっても迅速にキャパシタの性能を評価することが可能となる。
【0027】
次に、強誘電体キャパシタに用いられる強誘電体薄膜の一つであるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zrx Ti1−x )O3 :PZT)の分極特性を評価する実施例について説明する。
【0028】
ここで、用いる試料は、Siウエハ上に厚さ20〔nm〕のTi膜、該Ti膜の上に下部電極として厚さ150〔nm〕のPt膜を成膜し、該Pt膜の上にスパッタリング法を適用して厚さ200〔nm〕のPZT膜を成膜した後、温度720〔℃〕まで急速加熱してPZTを結晶化したものを用いる。
【0029】
実施例1
図2は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)は分極分布像をそれぞれ示している。
【0030】
図2はPZTを結晶化後に室温で本発明を適用して表面凹凸像と分極分布像とを同時に測定して得られた結果であり、図2の(A)と(B)とを比較すると、PZTの結晶粒(グレイン:grain)の表面形状に対応した分極分布像が観察される。
【0031】
図2(B)の分極分布像に於いて、黒色の部分がプラス方向に分極(試料表面側が正、下部電極側が負に分極)していて、また、白色の部分はマイナス方向に分極していることを表し、また、黒と白の中間のコントラストの部分は分極していないか、或いは、分極の向きが試料平面に対して平行な方向に向いている部分である。
【0032】
この測定結果から、PZT薄膜形成直後は分極の向きがプラス・マイナス混在していて、全体的には分極ドメインの大きさが揃った均一な分布をしていることが認識できる。
【0033】
このような測定をウエハ面内の複数の箇所で行ったり、同じロットの他のウエハや他のロットのウエハと比較することに依り、迅速に良品の判別を行うことができる。また、若し、予め定められた基準に満たない結果であれば、これを改善する為、情報を製造工程へ直ちにフィードバックすることができ、そして、その後工程を中止することで無駄な時間とコストを削減することができる。
【0034】
実施例2
図3は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)は分極分布像をそれぞれ示している。
【0035】
図3は実施例1で用いた試料と同じ試料を室温で大気中に1ヶ月放置した後、実施例1と同じ条件で測定した結果を表し、図3(A)に見られる凹凸像には、直径500〔nm〕程度の円形のドメインが多数形成されていることが判る。
【0036】
そこで、前記円形ドメインの分極状態を図3(B)に見られる分極分布像から調べると、この円形ドメインは、ほとんど分極していないことが看取される。
【0037】
このように、実施例1の試料と実施例2の試料とでは、PZT薄膜を成膜してからの時間が相違するのみで、表面凹凸形状やPZT薄膜の分極状態が大きく変化していることが判る。
【0038】
前記諸結果を踏まえて、前記円形ドメインについて詳細に分析したところ、X線測定の結果、円形ドメイン以外の部分では、PZT(111)配向の割合が約100〔%〕であるのに対し、円形ドメインでは、90〔%〕〜95〔%〕であることが判った。また、円形ドメインではPbの量が少なくなっていることも判った。
【0039】
このように、強誘電体薄膜を成膜した後の分極分布を時間経過と共に管理することで、品質の劣化を判別することが可能であることが知得できる。
【0040】
実施例3
図4及び図5は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)、(C)、(D)、は分極分布像をそれぞれ示し、また、図6は分極状態から想定されるヒステリシス曲線を表す線図である。
【0041】
実施例3では、実施例2で用いた試料と同じ試料に正負の符号を変えて別々に直流電圧を印加した後の分極状態の変化について調べた。尚、直流電圧の印加とは、強誘電体薄膜の分極状態を正又は負の状態に書き換えることを意味する。
【0042】
ここで、図4(A)及び(B)は、図3(A)及び(B)と同じであり、直流電圧を印加する前の初期状態であるとする。
【0043】
実施例2に於いて、さきに説明したように図3(B)の分極分布像を得た測定を行った後、実施例3では、下部電極に−5〔V〕の直流電圧を印加しながらカンチレバーの走査を行い、前記直流電圧を切った後、改めてカンチレバーの走査を行って分極分布を測定した結果が図4(C)に示されている。
【0044】
同様に、図4(C)の状態から、下部電極に+5〔V〕の直流電圧を印加し、その後、分極分布測定を行ったところ、図4(D)に見られる結果が得られた。
【0045】
まず、図4(B)から図4(C)への変化を考察すると、全体的にマイナス方向に分極した領域が増加していることが判る。然しながら、図4(B)の場合に分極していなかった円形のドメインは図4(C)に於いても殆ど分極していないことが判った。
【0046】
同様に、図4(C)の状態から図4(D)の状態への変化を考察すると、図4(D)では、図4(C)の状態でマイナス方向に分極していた領域の分極状態が変化し、分極量がゼロ付近に変化したことが判った。尚、この場合も前記円形ドメインは分極していない。
【0047】
図4について説明した試料の測定箇所とは別の箇所について測定した初期状態が図5(A)及び(B)に示されていて、その後、直流電圧を印加する順序を逆に、即ち、下部電極に最初+5〔V〕の直流電圧を印加して分極分布を測定し、その後、−5〔V〕の直流電圧を印加して分極分布を測定した結果が図5(C)及び(D)に示してある。
【0048】
まず、図5(B)から図5(C)への変化を考察すると、本来、プラス方向への分極が予想されたが、実際には、マイナス方向へ分極した領域が初期状態よりも増加していることが判る。
【0049】
同様に、図5(C)から図5(D)への変化を考察すると、直流電圧の符号どおり、マイナス方向への分極が更に増加していることが判る。尚、初期状態で観察されている円形ドメインは、図4に示した結果と同様、何れの符号の直流電圧を印加しても分極状態は変化していないことが判った。
【0050】
図4及び図5について説明した結果から、大気中に長時間放置したPZT薄膜の表面には円形ドメインが形成され、このドメインは直流電圧を印加しても分極状態が全く変化しないことが判り、また、円形ドメイン以外の部分に於いては、直流電圧印加に依ってマイナス方向への分極が容易であるのに対し、プラス方向への分極が容易でないことなどが判明した。
【0051】
前記説明した現象が発生する原因については、未だ充分に解明されていないのであるが、図6に見られるようなヒステリシス曲線のプラス方向へのシフト現象(インプリント現象)に依って、ある程度は説明することができる。尚、図6は前記諸実験の結果を踏まえて予想した全測定領域の平均的な分極状態を表すヒステリシス曲線の線図である。図中、楕円の印は分極を示している。
【0052】
図6(A)に見られる初期状態では、分極値ゼロを中心にプラスとマイナスの分極が混在し、その状態で正又は負の直流電圧の書き込みを行うと、何れの場合も、ヒステリシスループがプラス方向にシフトし、書き込み後の分極値がゼロからマイナス方向に分布することが示されている。
【0053】
前記したように、強誘電体薄膜の成膜直後に分極分布を測定するのみでなく、符号を異にする直流電圧を印加したり、また、一定期間放置した後に測定したりすることで、どの程度劣化が進んでいるか、プラス方向或いはマイナス方向の何れへの分極が容易であるかなどの判別も可能となる。従って、予め良品に対して基準値を定めておくことで、前記手法を用いて迅速に良品の判別や製造工程の異常を発見して対応することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に依る素子評価法に於いては、導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極状態を二次元の分極分布像として求め、この分極分布像を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定することが基本になっている。
【0055】
前記構成を採ることに依って、強誘電体キャパシタ製造工程の途中段階であっても評価を実施して良品判別を行うことができ、また、その評価結果を製造工程に迅速にフィードバックして製造工程を管理することが可能であり、更にまた、前記評価は、上部電極の形成前に実施することができる為、その段階で不良品を見つけることが可能となり、上部電極を形成する工程が無駄になることを回避することができ、製造時間やコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定装置を表す要部説明図である。
【図2】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図3】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図4】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図5】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図6】実験の結果を踏まえて予想した全測定領域の平均的な分極状態を表すヒステリシス曲線の線図である。
【符号の説明】
1 強誘電体薄膜
2 導電性カンチレバー
3 高周波発信器
4 コイル
5 導電性リング
6 FM復調器
7 ロックインアンプ
8 交流/直流電圧発生器
9 下部電極
10 導電性試料台
11 スキャナ
12 レーザ光
13 フォトディテクタ
14 原子間力顕微鏡制御コンピュータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスのうち、例えばFeRAM(ferroelectric random−access memory)など強誘電体薄膜をもつ素子を評価するのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種情報を記録する為、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ等の半導体装置が利用されているが、近年、高速動作、低消費電力、書き換え回数が多い等の特徴をもつFeRAMが注目されている。
【0003】
FeRAMは、強誘電体キャパシタ及びトランジスタから構成され、現在、2T/2C(2トランジスタ+2キャパシタ)型や1T/1C(1トランジスタ+1キャパシタ)型のFeRAMが量産されつつある。
【0004】
強誘電体キャパシタは、強誘電体薄膜が上下電極に依って挟まれた構造になっていて、強誘電体薄膜の分極の向きが上向き(プラス方向)であるか、又は、下向き(マイナス方向)であるかに依って、FeRAMは“0”又は“1”の情報として認識する。
【0005】
このように、FeRAMでは、強誘電体材料の分極現象を利用して情報の書き込み、読み出し、保持を行う為、強誘電体薄膜自体の分極特性の評価は極めて重要である。
【0006】
従来、FeRAMに於ける強誘電体キャパシタの特性評価は、上部電極と下部電極との間にパルス電圧を印加してヒステリシスカーブを測定することで行っていた。
【0007】
具体的には、FeRAMチップの中にモニタ用の50〔μm〕×50〔μm〕程度のキャパシタを作り込んでおき、強誘電体テスターを用いて上部電極と下部電極とにコンタクトして分極の電圧依存性、即ち、P−V特性を測定する。
【0008】
このP−V特性から分極率や抗電界等のパラメータを抽出したり、ヒステリシスカーブの形状からインプリント等の強誘電体キャパシタの劣化特性を評価することが行われている。
【0009】
前記したように、強誘電体キャパシタの静電特性評価は、キャパシタ構造、即ち、下部電極、強誘電体薄膜、上部電極を形成してから、上部電極と下部電極との間にパルス電圧を印加してヒステリシスカーブを測定することで行っている。
【0010】
この評価方法は、強誘電体薄膜のみの特性を評価しているわけではなく、上部電極及び下部電極と一体になった強誘電体キャパシタ全体としての特性を評価している為、キャパシタ製造工程に於いて、強誘電体薄膜が形成された時点で、強誘電体薄膜自体の性能は評価できない。
【0011】
即ち、形成した強誘電体薄膜が予め定められた基準値を満たす分極分布を有しているか、或いは、この分極分布の値がウエハ面内で均一であるか、或いは、同じロット内の他のウエハや他のロットのウエハとの間で分極特性に違いはないか等を判断する為には、強誘電体薄膜上に上部電極を形成してからでないと不可能であり、若し、強誘電体薄膜に何らかの異常が在って所期の性能が得られなかった場合、結果として、強誘電体薄膜を成膜してから上部電極を形成するまでの全ての工程が無駄になってしまう。
【0012】
然しながら、キャパシタ製造工程中の早期の段階で良品を判別したり、又、分極分布測定結果を製造工程へフィードバックすることができれば、製造歩留りは大幅に向上し、従って、製造コスト削減に結び付いてくる。
【0013】
ところで、強誘電体薄膜の評価方法を開示する文献が種々と知られていて、例えば、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy:AFM)を用いて強誘電体薄膜に直流バイアスをかけて分極させ、直流バイアス印加前後の差分解析を行うことに依って強誘電体特性を評価する方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0014】
特許文献1及び特許文献2に開示された発明は、強誘電体の圧電応答特性の原理に基づいて評価解消薄膜の伸縮を検出するものであって、電気的信号の一つである非線形誘電率という電気的パラメータを直接検出するものではない。
【0015】
また、同じく強誘電体薄膜の評価方法として、強誘電体薄膜の膜厚変化の電圧依存性を利用することに依り、強誘電体微小キャパシタの強誘電特性を評価する方法も知られている(例えば特許文献3参照。)。
【0016】
特許文献3に開示された発明も、特許文献1及び特許文献2と同様、試料の伸縮を検出するものであり、電気的パラメータを検出するものではない。
【0017】
前記電気的信号の一つである非線形誘電率を検出するには、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3に開示されている非線形誘電率顕微鏡が用いられる。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−338957号公報
【特許文献2】
特開2000−214065号公報
【特許文献3】
特開2001−160575号公報
【非特許文献1】
Y.Cho,S.Kazuta and K.Matsuura, Appl.Phys.Lett.75(1999)2833
【非特許文献2】
Hiroyuki Odagawa and Yasuo Cho,Jpn.J.Appl.Phys.39(2000)5719
【非特許文献3】
Kaori Matsuura,Yasuo Cho and Hiroyuki Odagawa,Jpn.J.Appl.Phys.40(2001)3534
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、強誘電体キャパシタなどの素子を製造する工程中に於いても、強誘電体薄膜自体の分極分布を容易に求めることができるようにして、その結果に依って良品の判別を行ったり、又、その結果を製造工程にフィードバックすることができるようにする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る素子評価方法に於いては、導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極分布状態を求め、この分極分布状態を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定することが基本になっている。
【0021】
前記手段を採ることに依って、強誘電体キャパシタ製造工程の途中段階であっても評価を実施して良品判別を行うことができ、また、その評価結果を製造工程に迅速にフィードバックして製造工程を管理することが可能であり、更にまた、前記評価は、上部電極の形成前に実施することができる為、その段階で不良品を見つけることが可能となり、上部電極を形成する工程が無駄になることを回避することができ、製造時間やコストを削減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、評価に用いる測定装置の概略について説明する。
図1は測定装置を表す要部説明図であって、1は測定対象試料である強誘電体薄膜、2は原子間力顕微鏡と結ばれ強誘電体薄膜1の表面に接触して任意の面積を走査することができる導電性カンチレバー、3は高周波発信器、4はコイル、5はカンチレバー2と高周波発信器3とコイル4とを介して一体的に接続されている導電性リング、6は高周波発信器3から発信されたFM信号を復調するFM復調器、7はロックインアンプ、8は交流/直流電圧発生器、9は強誘電体薄膜1に接触する下部電極、10は原子間力顕微鏡のスキャナと一体となって動く導電性試料台、11は原子間力顕微鏡に於けるスキャナ、12はレーザ光、13はフォトディテクタ、14は原子間力顕微鏡制御コンピュータをそれぞれ示している。
【0023】
図示の測定装置を用いて測定を行う場合、下部電極9と導電性リング5との間に交番電界を印加し、強誘電体薄膜1の表面に於ける非線形誘電率をカンチレバー2をX−Y走査しながら測定し、カンチレバー2直下の強誘電体薄膜1表面の分極状態を二次元の分極分布像として取得し、この分極分布を予め定められた基準を満たしているか否かを判断することで良品の判別を行う。尚、ここで、交番電界を印加する一方を下部電極9としたが、具体的には、導電性試料台10或いは原子間力顕微鏡のスキャナ11であって良いことは勿論である。
【0024】
また、カンチレバー2と例えば下部電極9との間に正または負の直流電圧を印加し、カンチレバー2直下の強誘電体薄膜1の分極状態を変化させることに依って強誘電体薄膜1の分極反転特性を評価する。
【0025】
更にまた、強誘電体薄膜1の成膜直後、及び、成膜後に一定期間放置した後の分極分布を比較したり、ウエハ面内の複数の箇所で測定を行って、面内でのばらつきを調査したり、或いは、同じロット内の他のウエハや他のロットのウエハと比較し、良品の判別を行い、また、仮に異常があれば、製造工程へのフィードバックを行う。
【0026】
前記方法を採ると、上部電極を形成する前の段階に於ける強誘電体薄膜自体の分極特性を知得できることから、強誘電体キャパシタ製造工程の途中であっても迅速にキャパシタの性能を評価することが可能となる。
【0027】
次に、強誘電体キャパシタに用いられる強誘電体薄膜の一つであるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zrx Ti1−x )O3 :PZT)の分極特性を評価する実施例について説明する。
【0028】
ここで、用いる試料は、Siウエハ上に厚さ20〔nm〕のTi膜、該Ti膜の上に下部電極として厚さ150〔nm〕のPt膜を成膜し、該Pt膜の上にスパッタリング法を適用して厚さ200〔nm〕のPZT膜を成膜した後、温度720〔℃〕まで急速加熱してPZTを結晶化したものを用いる。
【0029】
実施例1
図2は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)は分極分布像をそれぞれ示している。
【0030】
図2はPZTを結晶化後に室温で本発明を適用して表面凹凸像と分極分布像とを同時に測定して得られた結果であり、図2の(A)と(B)とを比較すると、PZTの結晶粒(グレイン:grain)の表面形状に対応した分極分布像が観察される。
【0031】
図2(B)の分極分布像に於いて、黒色の部分がプラス方向に分極(試料表面側が正、下部電極側が負に分極)していて、また、白色の部分はマイナス方向に分極していることを表し、また、黒と白の中間のコントラストの部分は分極していないか、或いは、分極の向きが試料平面に対して平行な方向に向いている部分である。
【0032】
この測定結果から、PZT薄膜形成直後は分極の向きがプラス・マイナス混在していて、全体的には分極ドメインの大きさが揃った均一な分布をしていることが認識できる。
【0033】
このような測定をウエハ面内の複数の箇所で行ったり、同じロットの他のウエハや他のロットのウエハと比較することに依り、迅速に良品の判別を行うことができる。また、若し、予め定められた基準に満たない結果であれば、これを改善する為、情報を製造工程へ直ちにフィードバックすることができ、そして、その後工程を中止することで無駄な時間とコストを削減することができる。
【0034】
実施例2
図3は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)は分極分布像をそれぞれ示している。
【0035】
図3は実施例1で用いた試料と同じ試料を室温で大気中に1ヶ月放置した後、実施例1と同じ条件で測定した結果を表し、図3(A)に見られる凹凸像には、直径500〔nm〕程度の円形のドメインが多数形成されていることが判る。
【0036】
そこで、前記円形ドメインの分極状態を図3(B)に見られる分極分布像から調べると、この円形ドメインは、ほとんど分極していないことが看取される。
【0037】
このように、実施例1の試料と実施例2の試料とでは、PZT薄膜を成膜してからの時間が相違するのみで、表面凹凸形状やPZT薄膜の分極状態が大きく変化していることが判る。
【0038】
前記諸結果を踏まえて、前記円形ドメインについて詳細に分析したところ、X線測定の結果、円形ドメイン以外の部分では、PZT(111)配向の割合が約100〔%〕であるのに対し、円形ドメインでは、90〔%〕〜95〔%〕であることが判った。また、円形ドメインではPbの量が少なくなっていることも判った。
【0039】
このように、強誘電体薄膜を成膜した後の分極分布を時間経過と共に管理することで、品質の劣化を判別することが可能であることが知得できる。
【0040】
実施例3
図4及び図5は強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真であり、(A)は表面凹凸像、(B)、(C)、(D)、は分極分布像をそれぞれ示し、また、図6は分極状態から想定されるヒステリシス曲線を表す線図である。
【0041】
実施例3では、実施例2で用いた試料と同じ試料に正負の符号を変えて別々に直流電圧を印加した後の分極状態の変化について調べた。尚、直流電圧の印加とは、強誘電体薄膜の分極状態を正又は負の状態に書き換えることを意味する。
【0042】
ここで、図4(A)及び(B)は、図3(A)及び(B)と同じであり、直流電圧を印加する前の初期状態であるとする。
【0043】
実施例2に於いて、さきに説明したように図3(B)の分極分布像を得た測定を行った後、実施例3では、下部電極に−5〔V〕の直流電圧を印加しながらカンチレバーの走査を行い、前記直流電圧を切った後、改めてカンチレバーの走査を行って分極分布を測定した結果が図4(C)に示されている。
【0044】
同様に、図4(C)の状態から、下部電極に+5〔V〕の直流電圧を印加し、その後、分極分布測定を行ったところ、図4(D)に見られる結果が得られた。
【0045】
まず、図4(B)から図4(C)への変化を考察すると、全体的にマイナス方向に分極した領域が増加していることが判る。然しながら、図4(B)の場合に分極していなかった円形のドメインは図4(C)に於いても殆ど分極していないことが判った。
【0046】
同様に、図4(C)の状態から図4(D)の状態への変化を考察すると、図4(D)では、図4(C)の状態でマイナス方向に分極していた領域の分極状態が変化し、分極量がゼロ付近に変化したことが判った。尚、この場合も前記円形ドメインは分極していない。
【0047】
図4について説明した試料の測定箇所とは別の箇所について測定した初期状態が図5(A)及び(B)に示されていて、その後、直流電圧を印加する順序を逆に、即ち、下部電極に最初+5〔V〕の直流電圧を印加して分極分布を測定し、その後、−5〔V〕の直流電圧を印加して分極分布を測定した結果が図5(C)及び(D)に示してある。
【0048】
まず、図5(B)から図5(C)への変化を考察すると、本来、プラス方向への分極が予想されたが、実際には、マイナス方向へ分極した領域が初期状態よりも増加していることが判る。
【0049】
同様に、図5(C)から図5(D)への変化を考察すると、直流電圧の符号どおり、マイナス方向への分極が更に増加していることが判る。尚、初期状態で観察されている円形ドメインは、図4に示した結果と同様、何れの符号の直流電圧を印加しても分極状態は変化していないことが判った。
【0050】
図4及び図5について説明した結果から、大気中に長時間放置したPZT薄膜の表面には円形ドメインが形成され、このドメインは直流電圧を印加しても分極状態が全く変化しないことが判り、また、円形ドメイン以外の部分に於いては、直流電圧印加に依ってマイナス方向への分極が容易であるのに対し、プラス方向への分極が容易でないことなどが判明した。
【0051】
前記説明した現象が発生する原因については、未だ充分に解明されていないのであるが、図6に見られるようなヒステリシス曲線のプラス方向へのシフト現象(インプリント現象)に依って、ある程度は説明することができる。尚、図6は前記諸実験の結果を踏まえて予想した全測定領域の平均的な分極状態を表すヒステリシス曲線の線図である。図中、楕円の印は分極を示している。
【0052】
図6(A)に見られる初期状態では、分極値ゼロを中心にプラスとマイナスの分極が混在し、その状態で正又は負の直流電圧の書き込みを行うと、何れの場合も、ヒステリシスループがプラス方向にシフトし、書き込み後の分極値がゼロからマイナス方向に分布することが示されている。
【0053】
前記したように、強誘電体薄膜の成膜直後に分極分布を測定するのみでなく、符号を異にする直流電圧を印加したり、また、一定期間放置した後に測定したりすることで、どの程度劣化が進んでいるか、プラス方向或いはマイナス方向の何れへの分極が容易であるかなどの判別も可能となる。従って、予め良品に対して基準値を定めておくことで、前記手法を用いて迅速に良品の判別や製造工程の異常を発見して対応することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に依る素子評価法に於いては、導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極状態を二次元の分極分布像として求め、この分極分布像を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定することが基本になっている。
【0055】
前記構成を採ることに依って、強誘電体キャパシタ製造工程の途中段階であっても評価を実施して良品判別を行うことができ、また、その評価結果を製造工程に迅速にフィードバックして製造工程を管理することが可能であり、更にまた、前記評価は、上部電極の形成前に実施することができる為、その段階で不良品を見つけることが可能となり、上部電極を形成する工程が無駄になることを回避することができ、製造時間やコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定装置を表す要部説明図である。
【図2】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図3】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図4】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図5】強誘電体薄膜に於ける各種像を表す顕微鏡写真である。
【図6】実験の結果を踏まえて予想した全測定領域の平均的な分極状態を表すヒステリシス曲線の線図である。
【符号の説明】
1 強誘電体薄膜
2 導電性カンチレバー
3 高周波発信器
4 コイル
5 導電性リング
6 FM復調器
7 ロックインアンプ
8 交流/直流電圧発生器
9 下部電極
10 導電性試料台
11 スキャナ
12 レーザ光
13 フォトディテクタ
14 原子間力顕微鏡制御コンピュータ
Claims (5)
- 導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定して該表面の分極分布状態を求め、
この分極分布状態を予め定めてある基準と比較して該強誘電体薄膜の良否を判定すること
を特徴とする素子評価方法。 - 強誘電体薄膜に符号を異にする直流電圧を別々に印加して該強誘電体薄膜の分極分布状態を変化させ、該強誘電体薄膜の正方向又は負方向への分極の容易性を判定すること
を特徴とする請求項1記載の素子評価方法。 - 導電性カンチレバーを備えた原子間力顕微鏡を用い強誘電体薄膜表面の非線形誘電率を測定し、
強誘電体薄膜が予め定められた基準値以上の分極値をもつか否かを知得し、
或いは、ウエハ面内での分極値の分布を知得し、
或いは、同じロット内の他のウエハ、又は、他のロットのウエハとの間で分極値に差異が在るか否かを知得して強誘電体薄膜の良否を判別すること
を特徴とする素子評価方法。 - 強誘電体薄膜表面の分極状態を強誘電体薄膜の形成直後及び形成して一定期間放置した後に測定し分極状態の変化を比較して良否を判別すること
を特徴とする請求項1記載の素子評価方法。 - FeRAM或いは強誘電体キャパシタに於ける強誘電体薄膜が評価対象であること
を特徴とする請求項1記載の素子評価方法。
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