JP2004220730A - ディジタル信号復号装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】時変構造を持つトレリスを用いてビタビ復号を行う際に時変構造の制御が正常に行えなくなった場合に生じる復号不能領域を最小限に抑えることが可能となるディジタル信号復号装置を提供する。
【解決手段】時刻によって状態数及び遷移の変化する時変トレリスを用いて復号器入力信号から復号系列を復号するにあたり、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を用いて時変トレリス上の時刻ずれを復号系列判定回路にて判定し、復号系列選択信号を得る。セレクタでは復号系列選択信号により、時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する。
【選択図】 図1
【解決手段】時刻によって状態数及び遷移の変化する時変トレリスを用いて復号器入力信号から復号系列を復号するにあたり、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を用いて時変トレリス上の時刻ずれを復号系列判定回路にて判定し、復号系列選択信号を得る。セレクタでは復号系列選択信号により、時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル信号復号装置(国際特許分類G11B 20/10)に関するものであり、特に時変構造を持つトレリスを用いるビタビ復号方法においてダメージのある記録媒体からの信号を効率よく復号する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号を用いて記録再生を行うディジタル記録再生装置などにおいて、できるだけデータ記録の高密度化を達成することが望まれている。ディジタル通信装置などにおいても同様である。このため、パーシャルレスポンス方式のような伝送路に適した波形等化と最尤復号を組み合わせることでデータ列を復号するPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式について近年盛んに研究がなされている。なお、最尤復号としては一般にビタビ復号が用いられる。
【0003】
このようなPRML方式のうち、雑音や波形ひずみに強い復号を行う方式として特定の制約を持つトレリスを用いて符号化を行い、さらに符号語に対応するトレリスを用いてビタビ復号を行うトレリス符号化PRML方式(以下、TCPR方式と記述する)を用いて記録再生を行う方式が提案されている。この方式によれば、復号時における符号間距離がトレリス符号化を行わないPRML方式に比べて大きくなり、雑音や波形ひずみに強い復号が可能となる。なお、トレリスに用いられる特定の制約として、状態数および遷移が時刻によって変化する時変トレリスが一般に用いられている。
【0004】
ディジタルデータを再生する際の信号処理の流れについて図9を用いて説明する。
【0005】
記録媒体901から読み出されたアナログ再生信号はA/D変換器902によりサンプリングされディジタル再生信号となり、波形等化器903に入力される。波形等化器903に入力されたディジタル再生信号は高域の雑音をカットされ、伝送路に適した波形等化が行われる。波形等化器903から得られる復号器入力信号は復号回路904によって復号され、復号系列が得られる。通常、復号系列は記録再生系に適した制約を持つ記録符号に符号化されたものであるため、復号系列は記録符号化前のビット列に変換するデコード回路(図示せず)によりデコードされた後、誤り訂正回路(図示せず)等によって誤り訂正が行われる。
【0006】
ここで、従来用いられている復号回路904の動作を図10を用いて説明する(例えば特許文献1参照)。復号器入力信号はPRビタビ復号器101および遅延回路103に入力される。PRビタビ復号器101に入力された復号器入力信号は復号が行われ、同期パターン検出回路102に入力される。同期パターン検出回路102では、データの区切りを示し、データ中に一定間隔で含まれている同期パターンを検出する。遅延回路103に入力された復号器入力信号は、PRビタビ復号器101および同期パターン検出回路102で復号および同期パターン検出に要する時間相当分の遅延が行われ、TCPRビタビ復号器104に入力される。同期パターン検出回路102から得られる同期パターン検出信号はTCPRビタビ復号器104に入力され、復号に必要な状態数および遷移を制御するトレリス長カウンタのリセットを行う。TCPRビタビ復号器104では同期パターンが検出されるたびにトレリス長カウンタのリセットが行われ、時変トレリスと復号器入力信号の同期が取れた状態で復号を行い復号系列を出力する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−134112号公報(第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の復号回路904では、図11に示されるように同期パターンを検出するたびにトレリス長カウンタのリセットを行うことで復号に必要とされる時変トレリス上の時刻合わせを行っている。(図11、A、D)。しかし、例えばドロップアウト等によって復号器入力信号のビット欠けが起こった場合にはトレリス長カウンタの値が本来の値に対してずれてしまうことになる。
【0009】
TCPRビタビ復号器104で用いられるトレリスの構造は1符号語単位で状態数および遷移が変化する時変構造となっており、復号を行うためには符号語の境界を認識する必要がある。トレリス長カウンタの値がずれた場合は符号語の境界を誤ってしまうため、同期パターン検出回路102で次の同期パターンを検出し(図11、D)、トレリス長カウンタをリセットした後、TCPRビタビ復号器104で最も確からしいパスを選択する演算時間とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間が経過するまで復号が行えなくなるといった課題があった(図11、B−E間)。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のディジタル信号復号装置は、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を比較することで時変トレリス上の時刻ずれを判定し、時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する構成とする。
【0011】
これにより、特に時変構造を持つトレリスを用いてビタビ復号を行う際に時変構造の制御が正常に行えなくなった場合の復号不能領域を最小限に抑えることが可能となるディジタル信号復号装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記第一の復号手段の復号状態に応じて前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を切り替えることで復号不能領域を最小限に抑える作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段との出力を比較して第一の閾値以上の不一致がある場合には、前記第二の遅延手段の出力を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置であり、例えばドロップアウト等により前記第一の復号手段の時変構造をもつトレリスの制御が正常に行えなくなった場合に前記選択手段出力を前記第二の遅延手段の出力に切り替えることで復号不能領域を最小限に抑える作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して不一致数が前記第一の閾値より少ない場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置であり、一度復号不能に陥った前記第一の復号手段が復号可能となった場合に、再び前記第一の復号手段による復号結果を得ることが可能となる作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と前記同期パターン検出信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、特に前記選択手段において前記第二の復号系列を選択している状態で同期パターンが検出された場合に、同期パターン直後の領域において、より精度の高い復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、前記同期パターン検出手段において同期パターンが検出された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のディジタル信号復号装置であり、同期パターンが検出された場合に同期パターン直後のデータから前記第一の復号手段による復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と等化手段における等化誤差信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記等化誤差信号を前記復号系列判定手段における判定条件に加えることでより早急かつ正確な復号系列選択を行うことが可能となる作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、前記第一の設定値以下である第二の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較し、
第二の閾値以上の一致が有り、かつ前記等化誤差信号が第三の閾値以下である場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項6に記載のディジタル信号復号装置であり、例えばドロップアウト等により多値レベルを持つディジタル信号の品質が劣化したけれども時変構造をもつトレリスの制御を継続できる程度であった場合に前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に早急に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、前記第三の閾値は、前記第二の復号手段の復号誤りが発生しない等化誤差量であることを特徴とする請求項7に記載のディジタル信号復号装置であり、特に前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に切り替える際に確実に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段のトレリスを制御するトレリス長カウント値の変更を行うトレリス長カウンタ補正手段を備え、
前記第一の復号手段は、前記選択手段が前記第二の遅延手段の出力を選択している場合に、前記トレリス長カウンタ補正手段から出力されるトレリス長カウンタ補正信号により前記第一の復号手段における前記トレリス長カウント値を第三の設定値分ずらして復号を行い、
前記復号系列判定手段は、第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、第四の閾値以上の一致が確認された場合に前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記選択手段において前記第二の遅延回路の出力が選択されてから次の同期パターンが検出されるまでに再び復号精度の高い前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【0021】
請求項10に記載の発明は、前記信号復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記トレリス長カウンタ補正信号により補正された前記トレリス長カウンタ値を用いて復号された前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が無い場合には前記トレリス長カウント値を第五の設定値分ずらして復号を行い、前記復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が確認された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力が選択されてから、次の同期パターンが検出されるまでに前記トレリス長カウント値の補正を繰り返し行うことで、再び前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【0022】
請求項11に記載の発明は、前記第三の設定値および第五の設定値は、前記時変構造をもつトレリスを用いて復号を行うビタビ復号手段のトレリス長以下であることを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記トレリス長カウント値の補正を効率良く行うことが可能となる作用を有する。
【0023】
請求項12に記載の発明は、前記第一の復号手段は、時刻によって構造が変化するトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記第二の復号手段に比べて精度の高い復号を行うことを可能とする作用を有する。
【0024】
請求項13に記載の発明は、前記第二の復号手段は、時刻によって構造が変化しないトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記第二の復号手段は時刻に関係なく復号を行うことができるため前記第一の復号手段における時変構造トレリスを制御し、復号可能とする作用を有する。
【0025】
請求項14に記載の発明は、前記第一の設定値および前記第二の設定値および前記第四の設定値は、同期パターン間のビット数以下であることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記復号系列判定回路における判定時間を効率よく設定することが可能となる作用を有する。
【0026】
請求項15に記載の発明は、前記第一の閾値および第二の閾値および第四の閾値は、前記第一の復号手段の誤り率特性と前記第二の復号手段の誤り率特性の関係により、誤り個数を比較することで決定されることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記復号系列判定回路における判定を効率よく行うことが可能となる作用を有する。
【0027】
(実施の形態1)
以下に、本発明の請求項1および請求項2および請求項3に記載された発明の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する。
【0028】
図1は本発明の実施の形態1におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図1において、101は復号器入力信号を復号する、時刻による状態数および遷移の制限がないPRビタビ復号器である。PRビタビ復号器101の出力は、同期パターン検出回路102と遅延回路105に入力される。同期パターン検出回路102ではPRビタビ復号器によって復号された系列中に含まれる同期パターンを検出する。一方、遅延回路103に入力された復号器入力信号はPRビタビ復号器101における復号遅延および同期パターン検出器102における検出遅延相当分遅延され、TCPRビタビ復号器104に入力される。TCPRビタビ復号器104では同期パターン検出器102から出力された同期パターン検出信号を用いて復号を行い、TCPRビタビ復号系列を出力する。遅延回路105ではPRビタビ復号器101によって復号された系列をTCPRビタビ復号器104に復号された系列との位相が等しくなるように遅延する。TCPRビタビ復号系列および遅延回路105より出力されたPRビタビ復号系列は復号系列判定回路106に入力されると共にセレクタ107に入力され、復号系列判定回路106より出力される復号系列選択信号によりセレクタ107の出力が切り替えられる。
【0029】
ここで、TCPRビタビ復号器104では同期パターン検出信号を用いて復号を行っているが、これは次のような理由によるためである。すなわち、TCPRビタビ復号器104では復号を行うトレリスが時刻によって状態数および遷移が変化する時変構造であるために、時刻によって用いるトレリスの状態数および遷移を変えなければいけない。トレリスの時変構造は記録符号語単位で変化するため、16/18変換符号を用いた場合、トレリス長は18となる。そのため、トレリス長カウンタは0から17を繰り返しカウントする。本実施の形態1では、同期パターン検出器102により検出された同期パターン検出信号を用いて、同期パターンが検出される度にトレリス長カウンタをリセットすることで時変構造トレリスの状態数および遷移を調整し、復号を行う。
【0030】
次に、復号系列判定回路106における判定条件について説明を行う。復号系列判定回路106にはそれぞれのビタビ復号器によって復号された復号系列が入力されるが、TCPRビタビ復号系列の誤り率はPRビタビ復号系列の誤り率に比べて低い。記録媒体からアナログ再生信号に加わる雑音量によっても変化するが、記録媒体に記録される記録系列と復号回路により復号された復号系列を比較した場合、後段の誤り訂正回路の訂正能力やディジタル復号装置に要求される復号性能によっても変化するものの、一般に1.0×10のマイナス4乗から1.0×10のマイナス5乗程度の誤り率性能が要求される。
【0031】
本発明のディジタル磁気記録復号装置の一例として、磁気テープを用いた記録再生系に対するディジタル磁気記録復号装置では、実用域であるSNRで比較するとTCPRビタビ復号系列の誤り率が1.0×10のマイナス5乗程度であるのに対して、PRビタビ復号系列の誤り率は1.0×10のマイナス4乗程度になる。一方、トレリス長カウントがずれた状態で復号を行った場合におけるTCPRビタビ復号系列の誤り率は5.0×10のマイナス2乗程度になる。すなわち、トレリス長カウントがずれてしまい復号不能に陥ったTCPRビタビ復号器はPRビタビ復号器に比べて誤り率性能が大幅に悪化する。そのため、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定区間比較し、不一致の個数をカウントすることでTCPRビタビ復号器のトレリス長カウンタの位相が復号系列の位相と合っているかを判断することができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態1においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図2を用いて説明する。Aは同期パターンが検出された時点である。Bはドロップアウト等により復号器入力系列のビットがずれた時点である。Cはセレクタ107によりPRビタビ復号系列が選択された時点である。Dは次の同期パターンが検出された時点である。Fはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0033】
復号系列判定回路106において、例えばそれぞれのビタビ復号結果を200ビット比較した場合、上述した誤り率性能からTCPRビタビ復号系列およびPRビタビ復号系列の誤り個数は0個である可能性が最も高く、誤り個数が10個になる可能性は極めて低い。一方、トレリス長カウントがずれた状態で復号を行ったTCPRビタビ復号系列の誤り個数は10個前後である可能性が最も高い。そこで、例えば復号系列判定回路106におけるPRビタビ復号結果を選択するための第一の閾値を6に設定し、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列の不一致数が第一の閾値以上になった場合にTCPRビタビ復号器におけるトレリス長カウンタがずれていると判断し、PRビタビ復号系列を選択する(図2、C)。PRビタビ復号結果は上述した誤り率からも分かるように、TCPRビタビ復号結果に比べて1桁の誤り率性能差があるが、トレリス長カウンタがずれた場合のTCPRビタビ復号結果に比べると2桁以上の誤り率性能改善効果があるため、PRビタビ復号系列を選択すると、従来のディジタル信号復号装置における復号不能領域(図11、B−E間)に比べて本実施の形態1における復号不能領域は大幅に減少する(図2、B−C間)。
【0034】
セレクタ107の出力がPRビタビ復号系列に切り替わった後、同期パターン検出器102により同期パターンが検出された場合はトレリス長カウンタがリセットされ、再びTCPRビタビ復号器104での復号が可能になる。その場合には、不一致数が第1の閾値より少ない場合にTCPRビタビ復号系列を選択するようにセレクタ107の出力を切り替える(図2、F)。
【0035】
また、ドロップアウトが発生したものの、ビットずれが発生せずトレリス長カウンタが正常に動作している場合は、復号系列判定回路106においてそれぞれのビタビ復号系列を比較し、不一致数が第1の閾値より少ない場合にTCPRビタビ復号系列を選択するようにセレクタ107の出力を切り替える。
【0036】
このように実施の形態1によれば、時変構造を持つトレリスを用いてビタビ復号を行う際の時変構造の制御が正常に行えなくなった場合にセレクタ出力をPRビタビ復号系列に切り替えるので復号不能領域を最小限に抑えることができる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明の請求項4および請求項5に記載された発明の実施の形態について、図3および図4を用いて説明する。
【0038】
なお、本発明の実施の形態2におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態2で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0039】
図3は本発明の実施の形態2におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図3において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、104はTCPRビタビ復号器である。復号系列判定回路306はTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列と同期後検出信号を入力として復号系列選択信号を出力し、セレクタ107においてそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかを選択する。
【0040】
以下、本発明の実施の形態2においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図4を用いて説明する。ここで、Eはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0041】
復号系列判定回路306では、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定期間比較し、不一致数によって復号系列をセレクタ107にて選択する。更に、同期パターン検出回路102によって同期パターンが検出された場合には不一致数をカウントしている途中であっても強制的にセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択する(図4、E)。
【0042】
ここで、トレリス長カウンタがリセットされてからTCPRビタビ復号系列が確定するまでの時間は最も確からしいパスを選択する演算時間とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間の和であり、80ビット程度あれば十分である。つまり本発明の実施の形態2によれば、それぞれのビタビ復号系列を比較するのに比べて(200ビット必要)、より早い時間でTCPRビタビ復号系列に切り替えることが可能となる。
【0043】
誤り率性能の観点からは同期パターンが検出された結果、TCPRビタビ復号器104が正常な復号動作を行っているのであれば、セレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択するのが望ましい。
【0044】
以上より本発明の実施の形態2によれば、同期パターンが検出された場合にはセレクタ107において誤りの個数に関係なくTCPRビタビ復号系列を優先的に選択する。そのため、それぞれのビタビ復号系列を比較してセレクタ107の出力を切り替える場合に比べて早くTCPRビタビ復号系列に切り替えることができ、より復号精度の高いビタビ復号系列を得ることができる。
【0045】
(実施の形態3)
次に、本発明の請求項6および請求項7および請求項8に記載された発明の実施の形態について、図5および図6を用いて説明する。
【0046】
なお、本発明の実施の形態3におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態3で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0047】
図5は本発明の実施の形態3におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図5において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、104はTCPRビタビ復号器である。復号系列判定回路506はTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列と等化誤差信号を入力として復号系列選択信号を出力し、セレクタ107においてそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかを選択する。
【0048】
以下、本発明の実施の形態3においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図6を用いて説明する。ここで、Gはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0049】
例えばドロップアウト等によって復号器入力信号の品質が劣化した場合、それぞれのビタビ復号系列を比較すると不一致が発生する。閾値以上の不一致が発生するとセレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択されるが(図6、C)、このドロップアウトでSNRが一時的に悪くなるけれどもトレリス長カウンタがずれなかった場合において、TCPR復号器104では復号を継続することが可能である。しかしながら、セレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択されているためにセレクタ107の出力は、より早くTCPRビタビ復号系列に切り替わることが望ましい。
【0050】
ここで、本発明の実施の形態3におけるTCPRビタビ復号器104、復号系列判定回路506、セレクタ107の動作について説明する。
【0051】
復号系列判定回路506では、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定期間比較し、一致数が第二の閾値以上であり、かつ、等化誤差信号が第三の閾値以下であるときにセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択する。ここで第三の閾値は、等化器出力信号と等化目標値の誤差が小さい場合、つまり誤りが起こり得ない場合の等化誤差量に設定される。
【0052】
このように等化誤差信号が第三の閾値以下であるような誤りが発生しない条件下でそれぞれのビタビ復号系列の比較を行うと、誤りの発生数は0になる。そのため、誤りの発生が0となる確定要因があるために、短い比較期間でも等化誤差信号が第三の閾値より大きくなることがなければビタビ復号系列選択の判断が可能になる。
【0053】
以上より、それぞれのビタビ復号系列を比較する期間を短く設定することができるため、TCPRビタビ復号系列への切り替えを早急に行うことが可能となり、より精度の高い復号系列を得ることが可能となる。
【0054】
(実施の形態4)
次に、本発明の請求項9および請求項10および請求項11に記載された発明の実施の形態について、図7および図8を用いて説明する。
【0055】
なお、本発明の実施の形態4におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態4で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0056】
図7は本発明の実施の形態4におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図7において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、704はTCPRビタビ復号器である。TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を入力とする復号系列判定回路106からは復号系列選択信号が出力され、セレクタ107とトレリス長カウンタ補正回路708に入力される。トレリス長カウンタ補正回路708ではトレリス長カウンタの補正が行われ、トレリス長カウンタ補正信号が出力される。トレリス長カウンタ補正信号はTCPRビタビ復号器704に入力され、時変構造を有するトレリスの制御に用いられる。セレクタ107ではそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかが復号系列選択信号により選択される。
【0057】
ドロップアウト等によりTCPRビタビ復号器704におけるトレリス長カウンタがずれてしまった場合、セレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択される。一方、TCPRビタビ復号器704ではトレリス長カウンタがずれてしまうと復号を行うことが出来ないが、トレリス長カウンタを補正することで、再び復号を行うことが可能となる。つまり、TCPRビタビ復号器704のトレリス長カウンタが正常に動作するならばセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択することでより精度の高い復号系列を得ることができる。
【0058】
以下、本発明の実施の形態4においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図8を用いて説明する。ここで、Hはセレクタ107により次の同期パターンが検出される前にTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0059】
ここで、トレリス長カウンタ補正回路708、TCPRビタビ復号器704、復号系列判定回路106、セレクタ107の動作について説明する。
【0060】
セレクタ107にてPRビタビ復号系列が選択されると(図8、C)、復号系列選択信号を入力とするトレリス長カウンタ補正回路からはトレリス長カウンタ補正信号が出力される。TCPRビタビ復号器704ではトレリス長カウンタ補正信号を用いてトレリス長カウント値を補正し、復号を行う。補正を行ったトレリス長カウント値を用いたTCPRビタビ復号系列が確定した後、つまり最も確からしいパスを選択する演算とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間が経過した後にそれぞれのビタビ復号系列の比較を行い、一致数が第四の閾値以上である場合に、復号系列判定回路106から出力される復号系列選択信号によりセレクタ107の出力を再びTCPRビタビ復号系列に切り替える(図8、H)。
【0061】
トレリス長カウンタ補正回路708で補正されたトレリス長カウント値を用いて得られたTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を比較した結果、一致数が第四の閾値より少なかった場合、再度トレリス長カウンタの補正、復号を行い、それぞれのビタビ復号系列を比較する。ここで一度目のトレリス用カウンタの補正量を、補正を行わないときのトレリス長カウント値を基準として正方向に1ずらした値、2度目の補正は負方向に1ずらした値とする。さらに3度目の補正は正方向に2ずらした値とし、4度目以降はこれを繰り返す。これはドロップアウト等によるビット復号器入力信号のビットずれを考慮すると、ずれ量は0を基準として正方向、負方向の二方向に分布する。ずれ量を一方向にのみ増やして再補正を行うより、正方向および負方向のずれを考慮する方が望ましい。
【0062】
以上より、セレクタ107にてPRビタビ復号系列が選択されている間、トレリス長カウンタの補正を行うことでTCPRビタビ復号器704での復号が再度可能となり、より精度の高い復号系列を得ることが可能となる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態4ではトレリス長カウンタの補正を正方向および負方向を考慮した再補正を行う方法を取っているが、本発明のディジタル信号再生装置を採用するシステムによって、ビットずれが正方向あるいは負方向にのみ起こる特性であるならば、一方向のみに再補正を行ってもよい。
【0064】
また、トレリス長カウンタの補正は最大符号語長、つまり16/18変換の記録符号を用いた場合は18以上の補正を行わないことが望ましい。これは、TCPRビタビ復号器で復号を行う時に用いるトレリスが符号語単位で変化するため、18を超える補正を行っても一巡した状態およびパスの遷移に戻ってしまうからである。
【0065】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106におけるそれぞれのビタビ復号系列の比較を行う範囲は最大でも同期パターンから次の同期パターン間のビット数以下にするのが望ましい。これ以上の期間比較を行っても、次の同期パターンを検出してしまうからである。更に、ビタビ復号系列の切り替えを早くするためにも上述した条件を満足した上で、出来るだけ短く設定するのが望ましい。
【0066】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106、あるいは復号系列判定回路306、あるいは復号系列判定回路506において設定される各設定値は、ドロップアウトやその他復号器入力信号の品質を劣化させる原因となるもの、およびその場合におけるそれぞれのビタビ復号器の誤り率性能に起因して設定されるものであり、上述した各設定値はこれに限定されるものではない。
【0067】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106、あるいは復号系列判定回路306、あるいは復号系列判定回路506における判定方法が、ある一定のビット毎に(例えば200ビット)不一致数をカウントし、不一致数あるいは一致数と閾値を比較してビタビ復号系列の選択を行う方法であるが、例えばクロックごとに1ビットずつシフトするシフトレジスタを用いてそれぞれのビタビ復号系列を比較する方法を用いてもよい。
【0068】
なお、以上の説明では、復号器入力信号においてビットずれが生じたためにセレクタ107による復号結果選択が行われた場合には、復号結果もビットずれが起こった位相となっているために、後段にある復号系列を記録符号化前のビット列に変換するデコード回路において、復号結果が正解であったとしてもデコードされたビット列は記録符号化前のビット列と異なるものになってしまう。そのため、同期パターン間のビット数に相当するメモリを備え、セレクタ107により復号系列が切り替わった後のデータを後ろ詰にメモリに格納してから記録符号化前のビット列に変換することで正しくデコードされたビット列を得ることが可能となる。
【0069】
なお、本発明の各構成要素は組み合わせ回路と記憶保持回路等のハードウェア回路で実現しても良いし、コンピュータを利用してソフトウェア的に実現しても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を比較することで時変トレリス上の時刻ずれを判定し、選択手段において時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する構成にしたことにより、記録媒体上のダメージ等により時変構造の制御が正常に行えなくなった場合の復号不能領域を最小限に抑えることが可能となるディジタル信号復号装置を提供することができる。
【0071】
また、選択手段でPRビタビ復号系列を選択している状態のときに同期パターンが検出された場合、TCPRビタビ復号系列を優先的に選択する構成にしたことにより同期パターン直後の領域において、より精度の高い復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0072】
また、復号系列判定手段において、PRビタビ復号系列とTCPRビタビ復号系列と等化誤差信号を比較して復号系列選択信号を出力することで、例えばドロップアウト等により多値レベルを持つディジタル信号の品質が劣化したけれども時変構造をもつトレリスの制御を継続できる程度であった場合に選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に早急に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0073】
また、選択手段においてPRビタビ復号系列が選択されている間、前記トレリス長カウンタを補正して再度復号することで次の同期パターンが検出されるまでに選択手段において再び復号精度の高い前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図3】本発明の実施の形態2における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図5】本発明の実施の形態3における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図7】本発明の実施の形態4における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図9】従来のディジタルデータを再生する際の信号処理を示すブロック図
【図10】従来の復号回路の信号処理を示すブロック図
【図11】従来の復号回路における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【符号の説明】
101 PRビタビ復号器
102 同期パターン検出回路
103 遅延回路
104 実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3におけるTCPRビタビ復号器
105 遅延回路
106 実施の形態1における復号系列判定回路
107 セレクタ
306 実施の形態2における復号系列判定回路
506 実施の形態3における復号系列判定回路
704 実施の形態4におけるTCPRビタビ復号器
901 記録媒体
902 A/D変換器
903 波形等化器
904 復号回路
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル信号復号装置(国際特許分類G11B 20/10)に関するものであり、特に時変構造を持つトレリスを用いるビタビ復号方法においてダメージのある記録媒体からの信号を効率よく復号する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号を用いて記録再生を行うディジタル記録再生装置などにおいて、できるだけデータ記録の高密度化を達成することが望まれている。ディジタル通信装置などにおいても同様である。このため、パーシャルレスポンス方式のような伝送路に適した波形等化と最尤復号を組み合わせることでデータ列を復号するPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式について近年盛んに研究がなされている。なお、最尤復号としては一般にビタビ復号が用いられる。
【0003】
このようなPRML方式のうち、雑音や波形ひずみに強い復号を行う方式として特定の制約を持つトレリスを用いて符号化を行い、さらに符号語に対応するトレリスを用いてビタビ復号を行うトレリス符号化PRML方式(以下、TCPR方式と記述する)を用いて記録再生を行う方式が提案されている。この方式によれば、復号時における符号間距離がトレリス符号化を行わないPRML方式に比べて大きくなり、雑音や波形ひずみに強い復号が可能となる。なお、トレリスに用いられる特定の制約として、状態数および遷移が時刻によって変化する時変トレリスが一般に用いられている。
【0004】
ディジタルデータを再生する際の信号処理の流れについて図9を用いて説明する。
【0005】
記録媒体901から読み出されたアナログ再生信号はA/D変換器902によりサンプリングされディジタル再生信号となり、波形等化器903に入力される。波形等化器903に入力されたディジタル再生信号は高域の雑音をカットされ、伝送路に適した波形等化が行われる。波形等化器903から得られる復号器入力信号は復号回路904によって復号され、復号系列が得られる。通常、復号系列は記録再生系に適した制約を持つ記録符号に符号化されたものであるため、復号系列は記録符号化前のビット列に変換するデコード回路(図示せず)によりデコードされた後、誤り訂正回路(図示せず)等によって誤り訂正が行われる。
【0006】
ここで、従来用いられている復号回路904の動作を図10を用いて説明する(例えば特許文献1参照)。復号器入力信号はPRビタビ復号器101および遅延回路103に入力される。PRビタビ復号器101に入力された復号器入力信号は復号が行われ、同期パターン検出回路102に入力される。同期パターン検出回路102では、データの区切りを示し、データ中に一定間隔で含まれている同期パターンを検出する。遅延回路103に入力された復号器入力信号は、PRビタビ復号器101および同期パターン検出回路102で復号および同期パターン検出に要する時間相当分の遅延が行われ、TCPRビタビ復号器104に入力される。同期パターン検出回路102から得られる同期パターン検出信号はTCPRビタビ復号器104に入力され、復号に必要な状態数および遷移を制御するトレリス長カウンタのリセットを行う。TCPRビタビ復号器104では同期パターンが検出されるたびにトレリス長カウンタのリセットが行われ、時変トレリスと復号器入力信号の同期が取れた状態で復号を行い復号系列を出力する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−134112号公報(第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の復号回路904では、図11に示されるように同期パターンを検出するたびにトレリス長カウンタのリセットを行うことで復号に必要とされる時変トレリス上の時刻合わせを行っている。(図11、A、D)。しかし、例えばドロップアウト等によって復号器入力信号のビット欠けが起こった場合にはトレリス長カウンタの値が本来の値に対してずれてしまうことになる。
【0009】
TCPRビタビ復号器104で用いられるトレリスの構造は1符号語単位で状態数および遷移が変化する時変構造となっており、復号を行うためには符号語の境界を認識する必要がある。トレリス長カウンタの値がずれた場合は符号語の境界を誤ってしまうため、同期パターン検出回路102で次の同期パターンを検出し(図11、D)、トレリス長カウンタをリセットした後、TCPRビタビ復号器104で最も確からしいパスを選択する演算時間とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間が経過するまで復号が行えなくなるといった課題があった(図11、B−E間)。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のディジタル信号復号装置は、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を比較することで時変トレリス上の時刻ずれを判定し、時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する構成とする。
【0011】
これにより、特に時変構造を持つトレリスを用いてビタビ復号を行う際に時変構造の制御が正常に行えなくなった場合の復号不能領域を最小限に抑えることが可能となるディジタル信号復号装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記第一の復号手段の復号状態に応じて前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を切り替えることで復号不能領域を最小限に抑える作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段との出力を比較して第一の閾値以上の不一致がある場合には、前記第二の遅延手段の出力を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置であり、例えばドロップアウト等により前記第一の復号手段の時変構造をもつトレリスの制御が正常に行えなくなった場合に前記選択手段出力を前記第二の遅延手段の出力に切り替えることで復号不能領域を最小限に抑える作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して不一致数が前記第一の閾値より少ない場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置であり、一度復号不能に陥った前記第一の復号手段が復号可能となった場合に、再び前記第一の復号手段による復号結果を得ることが可能となる作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と前記同期パターン検出信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、特に前記選択手段において前記第二の復号系列を選択している状態で同期パターンが検出された場合に、同期パターン直後の領域において、より精度の高い復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、前記同期パターン検出手段において同期パターンが検出された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のディジタル信号復号装置であり、同期パターンが検出された場合に同期パターン直後のデータから前記第一の復号手段による復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と等化手段における等化誤差信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記等化誤差信号を前記復号系列判定手段における判定条件に加えることでより早急かつ正確な復号系列選択を行うことが可能となる作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、前記復号系列判定手段は、前記第一の設定値以下である第二の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較し、
第二の閾値以上の一致が有り、かつ前記等化誤差信号が第三の閾値以下である場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項6に記載のディジタル信号復号装置であり、例えばドロップアウト等により多値レベルを持つディジタル信号の品質が劣化したけれども時変構造をもつトレリスの制御を継続できる程度であった場合に前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に早急に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、前記第三の閾値は、前記第二の復号手段の復号誤りが発生しない等化誤差量であることを特徴とする請求項7に記載のディジタル信号復号装置であり、特に前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に切り替える際に確実に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段のトレリスを制御するトレリス長カウント値の変更を行うトレリス長カウンタ補正手段を備え、
前記第一の復号手段は、前記選択手段が前記第二の遅延手段の出力を選択している場合に、前記トレリス長カウンタ補正手段から出力されるトレリス長カウンタ補正信号により前記第一の復号手段における前記トレリス長カウント値を第三の設定値分ずらして復号を行い、
前記復号系列判定手段は、第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、第四の閾値以上の一致が確認された場合に前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とするディジタル信号復号装置であり、前記選択手段において前記第二の遅延回路の出力が選択されてから次の同期パターンが検出されるまでに再び復号精度の高い前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【0021】
請求項10に記載の発明は、前記信号復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記トレリス長カウンタ補正信号により補正された前記トレリス長カウンタ値を用いて復号された前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が無い場合には前記トレリス長カウント値を第五の設定値分ずらして復号を行い、前記復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が確認された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記選択手段において前記第二の遅延手段の出力が選択されてから、次の同期パターンが検出されるまでに前記トレリス長カウント値の補正を繰り返し行うことで、再び前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【0022】
請求項11に記載の発明は、前記第三の設定値および第五の設定値は、前記時変構造をもつトレリスを用いて復号を行うビタビ復号手段のトレリス長以下であることを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記トレリス長カウント値の補正を効率良く行うことが可能となる作用を有する。
【0023】
請求項12に記載の発明は、前記第一の復号手段は、時刻によって構造が変化するトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記第二の復号手段に比べて精度の高い復号を行うことを可能とする作用を有する。
【0024】
請求項13に記載の発明は、前記第二の復号手段は、時刻によって構造が変化しないトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置であり、前記第二の復号手段は時刻に関係なく復号を行うことができるため前記第一の復号手段における時変構造トレリスを制御し、復号可能とする作用を有する。
【0025】
請求項14に記載の発明は、前記第一の設定値および前記第二の設定値および前記第四の設定値は、同期パターン間のビット数以下であることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記復号系列判定回路における判定時間を効率よく設定することが可能となる作用を有する。
【0026】
請求項15に記載の発明は、前記第一の閾値および第二の閾値および第四の閾値は、前記第一の復号手段の誤り率特性と前記第二の復号手段の誤り率特性の関係により、誤り個数を比較することで決定されることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置であり、前記復号系列判定回路における判定を効率よく行うことが可能となる作用を有する。
【0027】
(実施の形態1)
以下に、本発明の請求項1および請求項2および請求項3に記載された発明の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する。
【0028】
図1は本発明の実施の形態1におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図1において、101は復号器入力信号を復号する、時刻による状態数および遷移の制限がないPRビタビ復号器である。PRビタビ復号器101の出力は、同期パターン検出回路102と遅延回路105に入力される。同期パターン検出回路102ではPRビタビ復号器によって復号された系列中に含まれる同期パターンを検出する。一方、遅延回路103に入力された復号器入力信号はPRビタビ復号器101における復号遅延および同期パターン検出器102における検出遅延相当分遅延され、TCPRビタビ復号器104に入力される。TCPRビタビ復号器104では同期パターン検出器102から出力された同期パターン検出信号を用いて復号を行い、TCPRビタビ復号系列を出力する。遅延回路105ではPRビタビ復号器101によって復号された系列をTCPRビタビ復号器104に復号された系列との位相が等しくなるように遅延する。TCPRビタビ復号系列および遅延回路105より出力されたPRビタビ復号系列は復号系列判定回路106に入力されると共にセレクタ107に入力され、復号系列判定回路106より出力される復号系列選択信号によりセレクタ107の出力が切り替えられる。
【0029】
ここで、TCPRビタビ復号器104では同期パターン検出信号を用いて復号を行っているが、これは次のような理由によるためである。すなわち、TCPRビタビ復号器104では復号を行うトレリスが時刻によって状態数および遷移が変化する時変構造であるために、時刻によって用いるトレリスの状態数および遷移を変えなければいけない。トレリスの時変構造は記録符号語単位で変化するため、16/18変換符号を用いた場合、トレリス長は18となる。そのため、トレリス長カウンタは0から17を繰り返しカウントする。本実施の形態1では、同期パターン検出器102により検出された同期パターン検出信号を用いて、同期パターンが検出される度にトレリス長カウンタをリセットすることで時変構造トレリスの状態数および遷移を調整し、復号を行う。
【0030】
次に、復号系列判定回路106における判定条件について説明を行う。復号系列判定回路106にはそれぞれのビタビ復号器によって復号された復号系列が入力されるが、TCPRビタビ復号系列の誤り率はPRビタビ復号系列の誤り率に比べて低い。記録媒体からアナログ再生信号に加わる雑音量によっても変化するが、記録媒体に記録される記録系列と復号回路により復号された復号系列を比較した場合、後段の誤り訂正回路の訂正能力やディジタル復号装置に要求される復号性能によっても変化するものの、一般に1.0×10のマイナス4乗から1.0×10のマイナス5乗程度の誤り率性能が要求される。
【0031】
本発明のディジタル磁気記録復号装置の一例として、磁気テープを用いた記録再生系に対するディジタル磁気記録復号装置では、実用域であるSNRで比較するとTCPRビタビ復号系列の誤り率が1.0×10のマイナス5乗程度であるのに対して、PRビタビ復号系列の誤り率は1.0×10のマイナス4乗程度になる。一方、トレリス長カウントがずれた状態で復号を行った場合におけるTCPRビタビ復号系列の誤り率は5.0×10のマイナス2乗程度になる。すなわち、トレリス長カウントがずれてしまい復号不能に陥ったTCPRビタビ復号器はPRビタビ復号器に比べて誤り率性能が大幅に悪化する。そのため、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定区間比較し、不一致の個数をカウントすることでTCPRビタビ復号器のトレリス長カウンタの位相が復号系列の位相と合っているかを判断することができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態1においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図2を用いて説明する。Aは同期パターンが検出された時点である。Bはドロップアウト等により復号器入力系列のビットがずれた時点である。Cはセレクタ107によりPRビタビ復号系列が選択された時点である。Dは次の同期パターンが検出された時点である。Fはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0033】
復号系列判定回路106において、例えばそれぞれのビタビ復号結果を200ビット比較した場合、上述した誤り率性能からTCPRビタビ復号系列およびPRビタビ復号系列の誤り個数は0個である可能性が最も高く、誤り個数が10個になる可能性は極めて低い。一方、トレリス長カウントがずれた状態で復号を行ったTCPRビタビ復号系列の誤り個数は10個前後である可能性が最も高い。そこで、例えば復号系列判定回路106におけるPRビタビ復号結果を選択するための第一の閾値を6に設定し、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列の不一致数が第一の閾値以上になった場合にTCPRビタビ復号器におけるトレリス長カウンタがずれていると判断し、PRビタビ復号系列を選択する(図2、C)。PRビタビ復号結果は上述した誤り率からも分かるように、TCPRビタビ復号結果に比べて1桁の誤り率性能差があるが、トレリス長カウンタがずれた場合のTCPRビタビ復号結果に比べると2桁以上の誤り率性能改善効果があるため、PRビタビ復号系列を選択すると、従来のディジタル信号復号装置における復号不能領域(図11、B−E間)に比べて本実施の形態1における復号不能領域は大幅に減少する(図2、B−C間)。
【0034】
セレクタ107の出力がPRビタビ復号系列に切り替わった後、同期パターン検出器102により同期パターンが検出された場合はトレリス長カウンタがリセットされ、再びTCPRビタビ復号器104での復号が可能になる。その場合には、不一致数が第1の閾値より少ない場合にTCPRビタビ復号系列を選択するようにセレクタ107の出力を切り替える(図2、F)。
【0035】
また、ドロップアウトが発生したものの、ビットずれが発生せずトレリス長カウンタが正常に動作している場合は、復号系列判定回路106においてそれぞれのビタビ復号系列を比較し、不一致数が第1の閾値より少ない場合にTCPRビタビ復号系列を選択するようにセレクタ107の出力を切り替える。
【0036】
このように実施の形態1によれば、時変構造を持つトレリスを用いてビタビ復号を行う際の時変構造の制御が正常に行えなくなった場合にセレクタ出力をPRビタビ復号系列に切り替えるので復号不能領域を最小限に抑えることができる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明の請求項4および請求項5に記載された発明の実施の形態について、図3および図4を用いて説明する。
【0038】
なお、本発明の実施の形態2におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態2で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0039】
図3は本発明の実施の形態2におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図3において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、104はTCPRビタビ復号器である。復号系列判定回路306はTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列と同期後検出信号を入力として復号系列選択信号を出力し、セレクタ107においてそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかを選択する。
【0040】
以下、本発明の実施の形態2においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図4を用いて説明する。ここで、Eはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0041】
復号系列判定回路306では、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定期間比較し、不一致数によって復号系列をセレクタ107にて選択する。更に、同期パターン検出回路102によって同期パターンが検出された場合には不一致数をカウントしている途中であっても強制的にセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択する(図4、E)。
【0042】
ここで、トレリス長カウンタがリセットされてからTCPRビタビ復号系列が確定するまでの時間は最も確からしいパスを選択する演算時間とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間の和であり、80ビット程度あれば十分である。つまり本発明の実施の形態2によれば、それぞれのビタビ復号系列を比較するのに比べて(200ビット必要)、より早い時間でTCPRビタビ復号系列に切り替えることが可能となる。
【0043】
誤り率性能の観点からは同期パターンが検出された結果、TCPRビタビ復号器104が正常な復号動作を行っているのであれば、セレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択するのが望ましい。
【0044】
以上より本発明の実施の形態2によれば、同期パターンが検出された場合にはセレクタ107において誤りの個数に関係なくTCPRビタビ復号系列を優先的に選択する。そのため、それぞれのビタビ復号系列を比較してセレクタ107の出力を切り替える場合に比べて早くTCPRビタビ復号系列に切り替えることができ、より復号精度の高いビタビ復号系列を得ることができる。
【0045】
(実施の形態3)
次に、本発明の請求項6および請求項7および請求項8に記載された発明の実施の形態について、図5および図6を用いて説明する。
【0046】
なお、本発明の実施の形態3におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態3で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0047】
図5は本発明の実施の形態3におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図5において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、104はTCPRビタビ復号器である。復号系列判定回路506はTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列と等化誤差信号を入力として復号系列選択信号を出力し、セレクタ107においてそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかを選択する。
【0048】
以下、本発明の実施の形態3においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図6を用いて説明する。ここで、Gはセレクタ107によりTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0049】
例えばドロップアウト等によって復号器入力信号の品質が劣化した場合、それぞれのビタビ復号系列を比較すると不一致が発生する。閾値以上の不一致が発生するとセレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択されるが(図6、C)、このドロップアウトでSNRが一時的に悪くなるけれどもトレリス長カウンタがずれなかった場合において、TCPR復号器104では復号を継続することが可能である。しかしながら、セレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択されているためにセレクタ107の出力は、より早くTCPRビタビ復号系列に切り替わることが望ましい。
【0050】
ここで、本発明の実施の形態3におけるTCPRビタビ復号器104、復号系列判定回路506、セレクタ107の動作について説明する。
【0051】
復号系列判定回路506では、TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を一定期間比較し、一致数が第二の閾値以上であり、かつ、等化誤差信号が第三の閾値以下であるときにセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択する。ここで第三の閾値は、等化器出力信号と等化目標値の誤差が小さい場合、つまり誤りが起こり得ない場合の等化誤差量に設定される。
【0052】
このように等化誤差信号が第三の閾値以下であるような誤りが発生しない条件下でそれぞれのビタビ復号系列の比較を行うと、誤りの発生数は0になる。そのため、誤りの発生が0となる確定要因があるために、短い比較期間でも等化誤差信号が第三の閾値より大きくなることがなければビタビ復号系列選択の判断が可能になる。
【0053】
以上より、それぞれのビタビ復号系列を比較する期間を短く設定することができるため、TCPRビタビ復号系列への切り替えを早急に行うことが可能となり、より精度の高い復号系列を得ることが可能となる。
【0054】
(実施の形態4)
次に、本発明の請求項9および請求項10および請求項11に記載された発明の実施の形態について、図7および図8を用いて説明する。
【0055】
なお、本発明の実施の形態4におけるディジタル信号復号装置の各種構成要素(各種信号、各種ブロック、および各種回路など)は、実施の形態4で特に説明されない場合、その構成要素と同一の名称を有する実施の形態1の構成要素と同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
【0056】
図7は本発明の実施の形態4におけるディジタル信号復号装置の構成例である。図7において、101はPRビタビ復号器である。102は同期パターン検出回路、103および105は遅延回路であり、704はTCPRビタビ復号器である。TCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を入力とする復号系列判定回路106からは復号系列選択信号が出力され、セレクタ107とトレリス長カウンタ補正回路708に入力される。トレリス長カウンタ補正回路708ではトレリス長カウンタの補正が行われ、トレリス長カウンタ補正信号が出力される。トレリス長カウンタ補正信号はTCPRビタビ復号器704に入力され、時変構造を有するトレリスの制御に用いられる。セレクタ107ではそれぞれのビタビ復号系列のうちどちらかが復号系列選択信号により選択される。
【0057】
ドロップアウト等によりTCPRビタビ復号器704におけるトレリス長カウンタがずれてしまった場合、セレクタ107ではPRビタビ復号系列が選択される。一方、TCPRビタビ復号器704ではトレリス長カウンタがずれてしまうと復号を行うことが出来ないが、トレリス長カウンタを補正することで、再び復号を行うことが可能となる。つまり、TCPRビタビ復号器704のトレリス長カウンタが正常に動作するならばセレクタ107においてTCPRビタビ復号系列を選択することでより精度の高い復号系列を得ることができる。
【0058】
以下、本発明の実施の形態4においてセレクタ107により選択されるビタビ復号系列を図8を用いて説明する。ここで、Hはセレクタ107により次の同期パターンが検出される前にTCPRビタビ復号系列が選択された時点である。
【0059】
ここで、トレリス長カウンタ補正回路708、TCPRビタビ復号器704、復号系列判定回路106、セレクタ107の動作について説明する。
【0060】
セレクタ107にてPRビタビ復号系列が選択されると(図8、C)、復号系列選択信号を入力とするトレリス長カウンタ補正回路からはトレリス長カウンタ補正信号が出力される。TCPRビタビ復号器704ではトレリス長カウンタ補正信号を用いてトレリス長カウント値を補正し、復号を行う。補正を行ったトレリス長カウント値を用いたTCPRビタビ復号系列が確定した後、つまり最も確からしいパスを選択する演算とパスが確定するのに必要なパスメモリ長相当分の時間が経過した後にそれぞれのビタビ復号系列の比較を行い、一致数が第四の閾値以上である場合に、復号系列判定回路106から出力される復号系列選択信号によりセレクタ107の出力を再びTCPRビタビ復号系列に切り替える(図8、H)。
【0061】
トレリス長カウンタ補正回路708で補正されたトレリス長カウント値を用いて得られたTCPRビタビ復号系列とPRビタビ復号系列を比較した結果、一致数が第四の閾値より少なかった場合、再度トレリス長カウンタの補正、復号を行い、それぞれのビタビ復号系列を比較する。ここで一度目のトレリス用カウンタの補正量を、補正を行わないときのトレリス長カウント値を基準として正方向に1ずらした値、2度目の補正は負方向に1ずらした値とする。さらに3度目の補正は正方向に2ずらした値とし、4度目以降はこれを繰り返す。これはドロップアウト等によるビット復号器入力信号のビットずれを考慮すると、ずれ量は0を基準として正方向、負方向の二方向に分布する。ずれ量を一方向にのみ増やして再補正を行うより、正方向および負方向のずれを考慮する方が望ましい。
【0062】
以上より、セレクタ107にてPRビタビ復号系列が選択されている間、トレリス長カウンタの補正を行うことでTCPRビタビ復号器704での復号が再度可能となり、より精度の高い復号系列を得ることが可能となる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態4ではトレリス長カウンタの補正を正方向および負方向を考慮した再補正を行う方法を取っているが、本発明のディジタル信号再生装置を採用するシステムによって、ビットずれが正方向あるいは負方向にのみ起こる特性であるならば、一方向のみに再補正を行ってもよい。
【0064】
また、トレリス長カウンタの補正は最大符号語長、つまり16/18変換の記録符号を用いた場合は18以上の補正を行わないことが望ましい。これは、TCPRビタビ復号器で復号を行う時に用いるトレリスが符号語単位で変化するため、18を超える補正を行っても一巡した状態およびパスの遷移に戻ってしまうからである。
【0065】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106におけるそれぞれのビタビ復号系列の比較を行う範囲は最大でも同期パターンから次の同期パターン間のビット数以下にするのが望ましい。これ以上の期間比較を行っても、次の同期パターンを検出してしまうからである。更に、ビタビ復号系列の切り替えを早くするためにも上述した条件を満足した上で、出来るだけ短く設定するのが望ましい。
【0066】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106、あるいは復号系列判定回路306、あるいは復号系列判定回路506において設定される各設定値は、ドロップアウトやその他復号器入力信号の品質を劣化させる原因となるもの、およびその場合におけるそれぞれのビタビ復号器の誤り率性能に起因して設定されるものであり、上述した各設定値はこれに限定されるものではない。
【0067】
なお、以上の説明では、復号系列判定回路106、あるいは復号系列判定回路306、あるいは復号系列判定回路506における判定方法が、ある一定のビット毎に(例えば200ビット)不一致数をカウントし、不一致数あるいは一致数と閾値を比較してビタビ復号系列の選択を行う方法であるが、例えばクロックごとに1ビットずつシフトするシフトレジスタを用いてそれぞれのビタビ復号系列を比較する方法を用いてもよい。
【0068】
なお、以上の説明では、復号器入力信号においてビットずれが生じたためにセレクタ107による復号結果選択が行われた場合には、復号結果もビットずれが起こった位相となっているために、後段にある復号系列を記録符号化前のビット列に変換するデコード回路において、復号結果が正解であったとしてもデコードされたビット列は記録符号化前のビット列と異なるものになってしまう。そのため、同期パターン間のビット数に相当するメモリを備え、セレクタ107により復号系列が切り替わった後のデータを後ろ詰にメモリに格納してから記録符号化前のビット列に変換することで正しくデコードされたビット列を得ることが可能となる。
【0069】
なお、本発明の各構成要素は組み合わせ回路と記憶保持回路等のハードウェア回路で実現しても良いし、コンピュータを利用してソフトウェア的に実現しても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、時変トレリスを用いて復号されたTCPRビタビ復号系列と時変でないトレリスを用いて復号されたPRビタビ復号系列を比較することで時変トレリス上の時刻ずれを判定し、選択手段において時変トレリス上の時刻ずれがある場合にはPRビタビ復号系列を選択し、時刻ずれがない場合にはTCPRビタビ復号系列を選択する構成にしたことにより、記録媒体上のダメージ等により時変構造の制御が正常に行えなくなった場合の復号不能領域を最小限に抑えることが可能となるディジタル信号復号装置を提供することができる。
【0071】
また、選択手段でPRビタビ復号系列を選択している状態のときに同期パターンが検出された場合、TCPRビタビ復号系列を優先的に選択する構成にしたことにより同期パターン直後の領域において、より精度の高い復号を行うことが可能となる作用を有する。
【0072】
また、復号系列判定手段において、PRビタビ復号系列とTCPRビタビ復号系列と等化誤差信号を比較して復号系列選択信号を出力することで、例えばドロップアウト等により多値レベルを持つディジタル信号の品質が劣化したけれども時変構造をもつトレリスの制御を継続できる程度であった場合に選択手段において前記第二の遅延手段の出力から前記第一の復号系列に早急に切り替えることが可能となる作用を有する。
【0073】
また、選択手段においてPRビタビ復号系列が選択されている間、前記トレリス長カウンタを補正して再度復号することで次の同期パターンが検出されるまでに選択手段において再び復号精度の高い前記第一の復号系列を選択することが可能となる作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図3】本発明の実施の形態2における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図5】本発明の実施の形態3における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図7】本発明の実施の形態4における復号回路の信号処理を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【図9】従来のディジタルデータを再生する際の信号処理を示すブロック図
【図10】従来の復号回路の信号処理を示すブロック図
【図11】従来の復号回路における復号回路の復号結果を示すデータ領域図
【符号の説明】
101 PRビタビ復号器
102 同期パターン検出回路
103 遅延回路
104 実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3におけるTCPRビタビ復号器
105 遅延回路
106 実施の形態1における復号系列判定回路
107 セレクタ
306 実施の形態2における復号系列判定回路
506 実施の形態3における復号系列判定回路
704 実施の形態4におけるTCPRビタビ復号器
901 記録媒体
902 A/D変換器
903 波形等化器
904 復号回路
Claims (15)
- ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段との出力を比較して第一の閾値以上の不一致がある場合には、前記第二の遅延手段の出力を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記復号系列判定手段は、第一の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して不一致数が前記第一の閾値より少ない場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号復号装置。
- ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と前記同期パターン検出信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 前記復号系列判定手段は、前記同期パターン検出手段において同期パターンが検出された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のディジタル信号復号装置。
- ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出して前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力と等化手段における等化誤差信号を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段を備えることを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 前記復号系列判定手段は、前記第一の設定値以下である第二の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較し、
第二の閾値以上の一致が有り、かつ前記等化誤差信号が第三の閾値以下である場合には、前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項6に記載のディジタル信号復号装置。 - 前記第三の閾値は、前記第二の復号手段の復号誤りが発生しない等化誤差量であることを特徴とする請求項7に記載のディジタル信号復号装置。
- ディジタル信号を所定時間遅延させる第一の遅延手段と、
時変構造をもつトレリスを用いて前記第一の遅延手段の出力を第一の復号系列に変換する第一の復号手段と、
前記ディジタル信号を第二の復号系列に変換する第二の復号手段と、
前記第二の復号手段の出力を所定時間遅延させる第二の遅延手段と、
前記第二の復号系列に含まれる同期パターンを検出し、前記第一の復号手段に同期パターン検出信号を出力する同期パターン検出手段と、
前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力を比較して選択信号を出力する復号系列判定手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段と前記第二の復号手段を選択する選択手段と、
前記選択信号により前記第一の復号手段のトレリスを制御するトレリス長カウント値の変更を行うトレリス長カウンタ補正手段を備え、
前記第一の復号手段は、前記選択手段が前記第二の遅延手段の出力を選択している場合に、前記トレリス長カウンタ補正手段から出力されるトレリス長カウンタ補正信号により前記第一の復号手段における前記トレリス長カウント値を第三の設定値分ずらして復号を行い、
前記復号系列判定手段は、第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、第四の閾値以上の一致が確認された場合に前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 前記信号復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記トレリス長カウンタ補正信号により補正された前記トレリス長カウンタ値を用いて復号された前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が無い場合には前記トレリス長カウント値を第五の設定値分ずらして復号を行い、前記復号系列判定手段は、前記第四の設定値で設定される区間、前記第一の復号系列と前記第二の遅延手段の出力とを比較し、前記第四の閾値以上の一致が確認された場合には前記第一の復号系列を選択する選択信号を出力することを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記第三の設定値および第五の設定値は、前記時変構造をもつトレリスを用いて復号を行うビタビ復号手段のトレリス長以下であることを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記第一の復号手段は、時刻によって構造が変化するトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記第二の復号手段は、時刻によって構造が変化しないトレリスを用いたビタビ復号手段であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4もしくは請求項6もしくは請求項9に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記第一の設定値および前記第二の設定値および前記第四の設定値は、同期パターン間のビット数以下であることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置。
- 前記第一の閾値および第二の閾値および第四の閾値は、前記第一の復号手段の誤り率特性と前記第二の復号手段の誤り率特性の関係により、誤り個数を比較することで決定されることを特徴とする請求項2もしくは請求項3もしくは請求項7もしくは請求項9もしくは請求項10に記載のディジタル信号復号装置。
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