JP2004220363A - 評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステム - Google Patents

評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステム Download PDF

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Abstract

【課題】サンプル図形を1画素単位で正確に作成しなくても、処理手順の構成の安定性を向上することができる評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムを提供する。
【解決手段】不感帯領域作成手段15は、原画像11のサンプル図形12に対応する領域の周囲に近傍領域を作成するとともに、サンプル図形12と近傍領域との境界部よりも外側および内側のうち少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する。これによってサンプル図形12が、原画像11から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合、または小さくなる場合であっても、画像処理手順設計エキスパートシステムにおいて構成される処理手順が、サンプル図形が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される処理手順と等しくなり、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の画像処理アルゴリズムを組合せて1つの処理手順を構成する画像処理手順設計エキスパートシステムに関し、さらに詳しくは、処理手順を評価するときの評価処理を処理手順の構成の安定性に反映させて、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラを使って工業製品の外観検査などを自動化する場合、撮像した画像をコンピュータで処理した結果によって良否を判断することになる。このような場合に用いる画像処理は、複数の画像処理アルゴリズムを組合せて1つの処理手順として利用する必要がある。しかし、処理手順の設計には、処理対象および検査項目に応じて専門家が試行錯誤を繰り返しながら注意深く設計する必要があるため、誰でも簡単に処理手順が作れるというものではない。この問題を解決し、処理手順を誰でも簡単に設計することを可能とするために、処理手順の設計を支援するための画像処理手順設計エキスパートシステムの開発が進められている。
【0003】
図23は、先行技術の画像処理手順設計エキスパートシステムのアルゴリズムを概略的に示す図である。以後、画像処理手順設計エキスパートシステムを単にエキスパートシステムと記載する。エキスパートシステムは、複数の原画像1および各原画像1に対応する複数のサンプル図形2が入力され、原画像1に対して平滑化処理および差分処理などの前処理を行う前処理手段3と、前処理手段3によって前処理された原画像1を2値化する2値化処理手段4と、2値化処理手段4によって2値化された原画像1のノイズを除去しまたは凹凸をなくす処理を行う図形融合処理手段5とを有する。
【0004】
エキスパートシステムでは、原画像1とそれに対応するサンプル図形2とを入力とし、原画像1からサンプル図形2に対応する図形を抽出する手順の構成を実行する。エキスパートシステムでは、サンプル図形2に対応する原画像1上の濃度値情報を基本にして、前処理手段3、2値化処理手段4および図形融合処理手段5において最適と考えられる具体的な処理を決定する。
【0005】
このように先行技術のエキスパートシステムでは、原画像1から抽出したい画像の特徴を、言葉ではなく、直接画像の形であるサンプル図形2によって計算機に伝えることによって、原画像1からサンプル図形2になるべく近い図形を抽出する処理手順を自動的に構成する(たとえば、非特許文献1〜4参照)。
【0006】
【非特許文献1】
長谷川純一、久保田浩明、鳥脇純一郎、「サンプル図形提示方式による画像処理エキスパートシステムIMPRESS」、電子情報通信学会論文誌(D)、1987年11月、Vol.J70−D、No.11、pp.2147−2153
【非特許文献2】
長谷川純一、久保田浩明、高須晶英、鳥脇純一郎、「画像処理エキスパートシステムIMPRESSにおける画像処理手順集約化機能について」、情報処理学会論文誌、昭和63年2月発行、第29巻、第2号別刷、pp.126−133
【非特許文献3】
高須晶英、長谷川純一、鳥脇純一郎、「サンプル図形提示方式による面図形抽出手順の自動構成法について」、情報処理学会論文誌、昭和63年2月発行、第29巻、第2号別刷、pp.134−141
【非特許文献4】
濱田敏弘、清水昭伸、長谷川純一、鳥脇純一郎、「ビジョンエキスパートシステムIMPRESSにおける画像処理手順の逐次的集約法とその性能評価」、電子情報通信学会論文誌(D−II)、1999年11月、Vol.J82−D−II、No.11、pp.1982−1989
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなエキスパートシステムでは、構成した具体的処理手順および最終的な処理手順の良否を評価する尺度として、原画像1の抽出したい領域の画像とその近傍領域との輝度差を用いている。エキスパートシステムが、原画像1の抽出したい領域の画像とその近傍領域との輝度差を用いて手順の良否を判断して、処理手順を構成するために、サンプル図形2の周囲に近傍領域が作成される。
【0008】
図24は、原画像1のサンプル図形2に対応する領域の周囲に作成される近傍領域8を概略的に示す図である。近傍領域8は、原画像1のサンプル図形2に対応する領域7の周囲に隣接して形成される。したがって、サンプル図形2が抽出したい領域の画像を正確に表していない場合と、サンプル図形2が抽出したい領域の画像を正確に表している場合とにおいて、処理手順の評価の結果が異なってしまう。つまり、サンプル図形2が抽出したい領域の画像に一致するように高精度に作成されないと、処理手順を正しく評価できない結果となる。
【0009】
このように先行技術のエキスパートシステムでは、サンプル図形2の精度が手順評価に直結する。したがって、サンプル図形2を精度よく作成する必要があり、サンプル図形2の作成に多大な労力と時間とを要している。このために、実際の画像処理装置に組み込まれるには至っておらず、実用化されていないのが現状である。また近年、グラフィカルに画像処理アルゴリズムを組合せることが可能な製品も存在するが、最適な処理手順の組合せを見つけることを支援しているものではないため、試行錯誤の繰り返しをユーザに強いる状況は、何ら改善されていない。
【0010】
本発明の目的は、サンプル図形が原画像の抽出したい領域の画像と完全に同一でなく、前記画像および輪郭線よりも多少大きいまたは小さい場合であっても、処理手順の評価の結果が異ならず、処理手順の構成に対する安定性を向上することができる評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原画像および原画像に対応するサンプル図形が入力され、複数の画像処理手段を組合せて、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出する処理手順を構成する画像処理手順設計エキスパートシステムであって、
原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成するとともに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも外側および内側のうち少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する不感帯領域作成手段を含むことを特徴とする評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムである。
【0012】
本発明に従えば、不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成する。また不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域と前記近傍領域との境界部よりも外側および外側のうちの少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する。
【0013】
たとえば、電子カメラなどの撮像手段によって撮像した画像を原画像として入力する場合、原画像では輝度の異なる領域の間で輝度勾配が発生する。この輝度勾配が発生する領域では、輝度値が不安定となる。サンプル図形は、原画像の抽出したい領域の画像に対応し、前述した輝度の異なる領域の間を輪郭とするので、輝度値が不安定な部分を含む。したがってサンプル図形を、原画像の抽出したい領域に正確に合わせなければ、画像処理手順設計エキスパートシステムが構成する処理手順が異なる結果となってしまう。したがって、手順を正しく評価することができない。
【0014】
不感帯領域を作成することによって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像と同一でなく、この原画像から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合または小さくなる場合であっても、画像処理手順設計エキスパートシステムにおいて構成される処理手順が、サンプル図形が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される処理手順と等しくなる。
【0015】
したがって、原画像から抽出したい領域の画像にあわせて、たとえば1画素単位で正確にサンプル図形を作成できない場合であっても、原画像から抽出したい領域にあわせて1画素単位で正確にサンプル図形を作成した場合と同様の評価の結果を得ることができ、処理手順を正しく評価することができる。言い換えるとサンプル図形の精度が多少粗い場合であっても、手順を正しく評価することができる。このため処理手順の構成に対する安定性を向上することができ、エキスパートシステムの評価精度を落とさず、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。
【0016】
また本発明は、前記不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも内側および外側の両方に、不感帯領域を作成することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも内側および外側の両方に、不感帯領域を作成する。したがって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像の輪郭線よりも外側に多少大きくなる場合、および内側に小さくなる場合の両方において、サンプル図形の原画像から抽出したい領域の画像に対する誤差を、より確実に許容することができる。
【0018】
また本発明は、前記不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との輝度分布が重なる場合、輝度分布の重なる領域を除いて近傍領域を作成することを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域の輝度分布が重なる場合には、輝度分布の重なる領域を除いて近傍領域を作成する。これによって、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との輝度差を大きくすることができる。したがって、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出するための処理手順を構成するときに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域とを分離しやすくなるので、より信頼性の高い画像を生成する処理手順を構成することができる。また、原画像のサンプル図形に対応する領域を除いて近傍領域を作成することによって、処理手順を構成する際の計算処理を低減することができ、処理手順を構成する時間を低減することができる。
【0020】
また本発明は、原画像および原画像に対応するサンプル図形が入力され、複数の画像処理手段を組合せて、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出する処理手順を構成する画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法であって、
原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成するとともに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも外側および内側のうち少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成することを特徴とする画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法である。
【0021】
本発明に従えば、原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成する。また不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域と前記近傍領域との境界部よりも外側および外側のうちの少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する。
【0022】
不感帯領域を作成することによって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像と同一でなく、この原画像から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合または小さくなる場合であっても、画像処理手順設計エキスパートシステムにおいて構成される処理手順が、サンプル図形が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される処理手順と等しくなる。
【0023】
したがって、原画像から抽出したい領域の画像にあわせて、たとえば1画素単位で正確にサンプル図形を作成できない場合であっても、原画像から抽出したい領域にあわせて1画素単位で正確にサンプル図形を作成した場合と同様の評価の結果を得ることができ、処理手順を正しく評価することができる。言い換えるとサンプル図形の精度が多少粗い場合であっても、手順を正しく評価することができる。このため処理手順の構成に対する安定性を向上することができ、画像処理手順設計エキスパートシステムの評価精度を落とさず、より信頼性の高い画像を生成する処理手順を構成することができる。
【0024】
また本発明は、前記画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムである。
【0025】
本発明に従えば、前記プログラムをコンピュータによって実行させることによって、コンピュータは、前述の画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法に従って動作し、前述のような作用を達成することができる。また前記評価処理方法を、短時間で行うことができる。
【0026】
また本発明は、前記画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムが記録された記録媒体である。
【0027】
本発明に従えば、前記記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータに読取らせて実行させることによって、コンピュータを、前述の画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法に従って動作させることができる。また前記評価処理方法を、短時間で行うことができる。また記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができるので、本発明の利用範囲が拡大する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムのアルゴリズムを概略的に示す図である。以後、評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムを単にエキスパートシステムと記載する。本実施の形態のエキスパートシステムは、コンピュータによって実行可能なプログラムによって実現される。前記プログラムは、コンピュータのメモリに記憶され、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称CPU)によって実行される。
【0029】
エキスパートシステムは、原画像11と原画像11に対応するサンプル図形12とを入力し、複数の画像処理手段13を組合せて、原画像11からサンプル図形12に近い図形を抽出する処理手順を構成する。本実施の形態において、エキスパートシステムにサンプル図形12を入力することは、すなわちサンプル図形12を作成するための情報を入力することを意味する。エキスパートシステムは、複数の原画像11と、サンプル図形12を作成するための情報とに基づいて、各原画像11に対応するサンプル図形12をそれぞれ作成し、各原画像11および各サンプル図形12に基づいて1つの処理手順を構成する。
【0030】
本実施の形態において、原画像11は、たとえば電荷結合素子(Charge Coupled Device;略称CCD)カメラで撮像した大規模集積回路(Large Scale Integration;略称LSI)のパッケージおよび胸部X線像などである。原画像11は、たとえば256階調の輝度で表される。
【0031】
本実施の形態において、サンプル図形12は、原画像11において抽出したい領域の画像を2値化して得られる画像、またはこの画像の一部に等しい。以後、原画像11とサンプル図形12との組を設計標本と記載する場合がある。本実施の形態において、サンプル図形12は、原画像11において抽出したい領域の画像を2値化して得られる図形に等しいものとして説明する。
【0032】
エキスパートシステムは、サンプル作成手段14と、不感帯領域作成手段15と、輝度変換判定手段16と、前処理選択手段17と、2値化処理選択手段18と、図形融合処理生成手段19と、フィルター処理生成手段20と、安定度検証手段21とを含む。前記処理手順は、輝度値変換手段16による判定結果40に基づく輝度変換処理と、前処理選択手段17、2値化処理選択手段18、図形融合処理生成手段19およびフィルター処理生成手段20とにおいて、選択または生成される処理を順番に並べて構成される。輝度変換判定手段16と、前処理選択手段17と、2値化処理選択手段18と、図形融合処理生成手段19と、フィルター処理生成手段20とは、それぞれ画像処理手段13である。
【0033】
図2は、エキスパートシステムの基本的な構成を示す機能ブロック図である。エキスパートシステムは、領域指定情報入力手段23、サンプル作成手段14、補正情報入力手段24、画像処理手順設計手段25および安定度検証手段21を含む。
【0034】
領域指定情報入力手段23は、原画像11の全領域のうちの予め定める対象領域27を指定する領域指定情報をサンプル作成手段14に入力する。サンプル作成手段14は、領域指定情報入力手段23から入力された領域指定情報によって指定された対象領域27からサンプル図形12を抽出して、このサンプル図形12を含むサンプル26を作成する。サンプル図形12を作成するための情報は、少なくとも領域指定情報を含む。
【0035】
サンプル作成手段14は、前記対象領域27に対して決定される輝度のしきい値thdに基づいて、対象領域27を2値化処理する。前記輝度のしきい値thdは、たとえば判別分析法によって決定される。以後、対象領域27を2値化処理することによって抽出される図形を、抽出図形と記載することがある。前記2値化処理によって、操作者の期待どおりの抽出図形が抽出されたときには、その抽出図形がサンプル図形12である。
【0036】
補正情報入力手段24は、補正情報をサンプル作成手段14に入力する。補正情報は、修正情報および除去情報を含む。修正情報は、抽出図形の形状が操作者の期待とは異なるときに、抽出図形の形状を修正するための情報である。除去情報は、前記2値化によって複数の抽出図形が抽出されたときに、不要な抽出図形を除去するための情報である。
【0037】
サンプル作成手段14は、補正情報入力手段24から入力される補正情報に基づいて、抽出図形を補正する。前記2値化処理によって抽出された抽出図形が操作者の期待とは異なるときには、補正された抽出図形がサンプル図形12である。これによって操作者の期待どおりのサンプル図形12が得られる。
【0038】
図3は、サンプル作成手段14によるサンプル図形12を含むサンプル26の作成を説明するための図であり、図3(a)は対象領域27が指定された状態を示し、図3(b)はサンプル図形12が抽出された状態を示す。図4は、対象領域27の近傍輪郭線の一例を示す図である。図5は、対象領域27の近傍輪郭線の他の例を示す図である。
【0039】
まず、たとえばコンピュータの表示画面上で、原画像11のうち、サンプル図形12として抽出すべき部分28が、図3(a)に示されるように外囲される。前記サンプル図形12として抽出すべき部分28は、図3(a)において、斜線で示される。原画像11のうちのどこがサンプル図形12として抽出すべき部分28であるかは、操作者によって判断される。
【0040】
前記サンプル図形12として抽出すべき部分28を外囲する曲線29は、図3(a)において、仮想線で示される。前記曲線29は、操作者がたとえばタッチペンなどを操作することによって指定される。このように前記曲線29が指定されることによって、対象領域27が指定される。本実施の形態においては、前記曲線29に関する情報が、領域指定情報である。また本実施の形態においては、原画像11の全領域のうち、前記曲線29上の画素と、前記曲線29よりも内側の画素とから成る領域が、対象領域27である。
【0041】
対象領域27が指定されると、この対象領域27に対して輝度のしきい値thdが決定される。輝度のしきい値thd以上の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形とするか、それとも、輝度のしきい値thd以下の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形とするかは、対象領域27の近傍輪郭線上における輝度値の平均値Avと輝度のしきい値thdとの関係によって決定される。
【0042】
本実施の形態においては、対象領域27の近傍輪郭線とは、図4に網点で示される部分27a、すなわち対象領域27の8連結の輪郭線のことである。したがって前記対象領域27の近傍輪郭線上における輝度値の平均値Avとは、対象領域27の8連結の輪郭線上の各画素の輝度値の平均値のことである。本発明の実施の他の形態においては、対象領域27の近傍輪郭線とは、図5に網点で示される部分27b、すなわち対象領域27の4連結の輪郭線のことである。したがってこの実施の形態では、前記対象領域27の近傍輪郭線上における輝度値の平均値Avとは、対象領域27の4連結の輪郭線上の各画素の輝度値の平均値のことである。
【0043】
前記輝度値の平均値Avおよび輝度のしきい値thdの関係が、Av>thdであるときには、輝度のしきい値thd以下の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形とする。すなわち、対象領域27のうち、前記輝度のしきい値thd以下の輝度値を有する画素から成る部分の輝度値を1とし、対象領域27のうち、前記輝度のしきい値thd以下の輝度値を有する画素から成る部分を除く残余の部分の輝度値を0とする。さらに原画像11の全領域のうち、対象領域27を除く残余の部分の輝度値を0とする。前記輝度値の平均値Avおよび輝度のしきい値thdの関係が、Av≦thdであるときには、輝度のしきい値thd以上の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形とする。すなわち、対象領域27のうち、前記輝度のしきい値thd以上の輝度値を有する画素から成る部分の輝度値を1とし、対象領域27のうち、前記輝度のしきい値thd以上の輝度値を有する画素から成る部分を除く残余の部分の輝度値を0とする。さらに原画像11の全領域のうち、対象領域27を除く残余の部分の輝度値を0とする。
【0044】
抽出図形の形状が操作者の期待とは異なるときには、修正情報に基づいて、抽出図形の形状が修正される。抽出図形は、図形融合処理による方法、対象領域27を再度2値化する方法、または操作者が手入力する方法によって、形状が修正される。前記図形融合処理は、図形の整形処理であって、抽出図形を拡散または収縮する処理である。前記再度2値化する方法では、輝度のしきい値thdが変更される。この輝度のしきい値thdは、操作者によって変更されてもよい。前記手入力する方法では、操作者が1画素単位で手入力する。
【0045】
前記2値化によって複数の抽出図形が抽出されたときには、除去情報に基づいて、不要な抽出図形が除去される。不要な抽出図形は、最大面積抽出法、最小面積除去法、大小領域除去法またはマニュアル指定除去法によって、除去される。最大面積抽出法では、複数の抽出図形のうちで、面積が最大の抽出図形だけが残され、他の抽出図形は、全て除去される。最小面積除去法では、複数の抽出図形のうちで、面積が最小の抽出図形だけが除去される。大小領域除去法では、複数の抽出図形のうちで、予め定める面積範囲内の抽出図形は残され、他の抽出図形は除去される。すなわち大小領域除去法では、面積が予め定める面積範囲の上限よりも大きい抽出図形と、面積が予め定める面積範囲の下限よりも小さい抽出図形とが除去される。マニュアル指定除去法では、操作者によってマニュアル操作で指定された抽出図形が除去される。
【0046】
図6は、サンプル作成手段14の動作処理を説明するためのフローチャートである。原画像11がサンプル作成手段14に入力され、かつ領域指定情報入力手段23に領域指定情報が入力されるとステップs0からステップs1に移り、サンプル図形12を含むサンプル26の作成が開始される。ステップs1では、領域指定情報入力手段23から領域指定情報を入力してステップs2に移る。これによって原画像11の全領域のうちの対象領域27が指定される。
【0047】
ステップs2では、対象領域27に対して輝度のしきい値thdを決定して、ステップs3に移る。
【0048】
ステップs3では、輝度のしきい値thdが対象領域27の近傍輪郭線上における輝度値の平均値Avよりも小さいか否かを判定する。ステップs3で、輝度のしきい値thdが輝度値の平均値Avよりも小さい(Av>thd)と判断した場合は、ステップs4に移り、輝度のしきい値thdが輝度値の平均値Av以上(Av≦thd)であると判断した場合には、ステップs5に移る。
【0049】
ステップs4では、対象領域27内の画像を2値化して、輝度のしきい値thd以下の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形として、ステップs6に移る。
【0050】
ステップs5では、対象領域27内の画像を2値化して、輝度のしきい値thd以上の輝度値を有する画素から成る部分を抽出図形として、ステップs6に移る。
【0051】
ステップs6では、補正情報入力手段24による修正情報の入力があるか否かを判定する。操作者によって補正情報入力手段24に修正情報が与えられている場合、修正情報の入力があると判断してステップs7に移る。一方、ステップs6で、修正情報の入力がないと判断すると、ステップs8に移る。
【0052】
ステップs7では、修正情報に基づいて抽出図形の形状を修正して、ステップs8に移る。このステップs7では、前述の、図形融合処理による方法、対象領域27を再度2値化する方法、または操作者が手入力する方法によって、抽出図形の形状を修正する。こうして抽出図形の形状を修正すると、ステップs8に移る。
【0053】
ステップs8では、補正情報入力手段24による除去情報の入力があるか否かを判定する。操作者によって補正情報入力手段24に除去情報が与えられている場合、サンプル作成手段14は、除去情報の入力があると判断して、ステップs9に移る。一方、ステップs8で、除去情報の入力がないと判断した場合、ステップs10に移り、動作処理を終了する。
【0054】
ステップs9では、除去情報に基づいて不要な抽出図形を除去する。このステップs9では、前述の、最大面積抽出法、最小面積除去法、大小領域除去法またはマニュアル指定除去法によって、不要な抽出図形を除去する。こうして不要な抽出図形を除去すると、ステップs10に移り、動作処理を終了する。これによって、サンプル26が作成される。
【0055】
本実施の形態では、領域指定情報入力手段23から入力した領域指定情報によって、原画像11の全領域のうちの予め定める対象領域27が指定される。サンプル作成手段14は、前記対象領域27からサンプル図形12を抽出して、このサンプル図形12を含むサンプル26を作成する。
【0056】
前述のようにサンプル作成手段14が対象領域27からサンプル図形12を抽出するので、サンプル26を作成するにあたって、操作者がサンプル図形12の各画素を1画素単位で手入力する必要がない。したがって先行技術に比べて、サンプル図形12の作成に要する手間を低減することができる。
【0057】
また本実施の形態では、輝度のしきい値thdが対象領域27に対して決定され、かつ前記輝度のしきい値thdに基づいて対象領域27が2値化されるので、対象領域27中の、サンプル図形12とその近傍とを確実に区別することができる。したがって対象領域27からサンプル図形12を確実に抽出することができる。
【0058】
画像処理手順設計手段25は、不感帯領域作成手段15と、輝度変換判定手段16と、前処理選択手段17と、2値化処理選択手段18と、図形融合処理生成手段19と、フィルター処理生成手段20とを含む。画像処理設計手段25は、複数の原画像11およびこれらに対応するサンプル図形12に基づいて、1つの処理手順を構成する。つまり画像処理手順設計手段25は、前記複数の原画像11に類似する画像から、サンプル図形12に近い図形を抽出するための処理手順を構成する。
【0059】
図7は、不感帯作成手段14によって原画像11のサンプル図形12に対応する領域31の周囲に作成される近傍領域32および不感帯領域33を示す図である。図8は、前記近傍領域32および不感帯領域33を説明する図である。以後、原画像11のサンプル図形12に対応する領域31をサンプル領域31と記載する場合がある。
【0060】
不感帯領域作成手段15は、サンプル領域31の周囲に近傍領域32を作成する。また不感帯領域作成手段15は、サンプル領域31と近傍領域32との境界部34よりも外側および内側の両方、つまりサンプル領域31の輪郭線の外側および内側の両方に、処理対象から除外される不感帯領域33を作成する。不感帯領域33は、サンプル領域31と近傍領域32との境界部34よりも内側に形成される収縮不感帯領域35と、サンプル領域31と近傍領域32との境界部34の外側に形成される膨張不感帯領域36とを含む。
【0061】
さらに不感帯領域作成手段15は、サンプル領域31および近傍領域32の輝度が重なる場合、輝度の重なる領域を除いて近傍領域32を作成する。つまり、サンプル領域31の画素の輝度と、近傍領域32の画素の輝度とが等しい場合、この等しい輝度を有する画素を、近傍領域32から除外する。
【0062】
本実施の形態では、サンプル領域31と近傍領域32との境界部34の両側に不感帯領域33を作成するが、本発明の実施の他の形態では、サンプル領域31と近傍領域32との境界部34の内側および外側のいずれか一方にのみ不感帯領域を作成してもよい。
【0063】
図9は、不感帯領域作成手段15の動作処理を示すフローチャートである。原画像11および原画像11に対応するサンプル図形12が不感帯領域作成手段15に入力されると、ステップa0からステップa1に移る。
【0064】
ステップa1では、原画像11のサンプル図形12に対応する領域であるサンプル領域31の周囲に近傍領域32を作成して、ステップa2に移る。不感帯領域作成手段15は、サンプル図形12に図形成分の膨張処理を複数回施し、この膨張処理によって作成された領域に対応する原画像11の領域を近傍領域32とする。膨張処理は、収縮処理とは逆に、図形成分の境界画素から図形の外部に向かって増殖させてひと皮太らせる。
【0065】
近傍領域32は、たとえばサンプル領域31の周囲から、3〜30画素程度、好ましくは8画素程度離反した領域を含む。前記近傍領域32は、後述する設定部45によって設定される。
【0066】
サンプル図形12が原画像11から抽出したい領域の一部を示している場合には、サンプル領域31の周辺部の全てに近傍領域および不感帯領域を設けるのではなく、エッジ部分に不感帯領域を設ける。
【0067】
ステップa2では、不感帯領域33のうち、収縮不感帯領域35を形成して、ステップa3に移る。不感帯領域作成手段15は、サンプル図形12に図形成分の収縮処理を複数回施し、この収縮処理によって作成された領域に対応する原画像11の領域を収縮不感帯領域35とする。収縮処理は、与えられた図形成分の境界画素を全て削除して、ひと皮分取り除く。
【0068】
不感帯領域作成手段15による前記収縮処理は、サンプル図形12から削る画素数を指定することによって設定される。サンプル図形12から削る画素数の設定は、後述する設定部45によって設定される。前記画素数は、収縮処理の回数に等しく、たとえば1〜5の範囲に設定される。
【0069】
ステップa3では、ステップa2において収縮不感帯領域35を形成した結果、サンプル領域31が消滅してしまうか否かを判断する。つまり、サンプル領域31の全てが収縮不感帯領域35に含まれるか否か、ここではサンプル領域31の画素数と、収縮不感帯領域35の画素数とを比較し、収縮不感帯領域35の画素数がサンプル領域31の画素数に等しくなるか否かを判断する。
【0070】
ステップa3で、サンプル領域31が消滅しないと判断した場合には、ステップa4に移る。一方、ステップa3において、サンプル領域31が消滅すると判断した場合には、ステップa10に移る。ステップa3の処理によって、サンプル領域31がすべて不感帯領域33に含まれることを防止して、サンプル領域31のすべてが処理対象から除かれることを防止することができる。
【0071】
前記ステップa3では、収縮不感帯領域35を形成した結果、サンプル領域31が消滅してしまうか否かを判断しているが、本発明の他の実施の形態において、前記ステップa3において、サンプル領域31の画素数に対する収縮不感帯領域35の画素数の比率が予め定める比率以上となるか否か判断してもよい。前記予め定める比率は、1〜20%の間に選ばれ、好ましくは5%に選ばれる。サンプル領域31の画素数に対する収縮不感帯領域35の画素数の比率が前記予め定める比率以上にはならないと判断した場合、ステップa4に移る。一方、サンプル領域31の画素数に対する収縮不感帯領域35の画素数の比率が前記予め定める比率以上になると判断すると、ステップa10に移る。これによって、処理対象となるサンプル領域31が小さくなりすぎることを防止することができる。
【0072】
ステップa4では、不感帯領域33のうち、膨張不感帯領域36を形成して、ステップa5に移る。不感帯領域作成手段15は、サンプル図形12に図形成分の膨張処理を複数回施し、この膨張処理によって作成された領域に対応する原画像11の領域を膨張不感帯領域36とする。不感帯領域作成手段15による前記膨張処理は、サンプル図形12から太らせる画素数を指定することによって設定される。サンプル図形12から太らせる画素数の設定は、後述する設定部45によって設定される。前記画素数は、膨張処理の回数に等しく、たとえば1〜5の範囲に設定される。
【0073】
ステップa5では、ステップa4において膨張不感帯領域36を形成した結果、膨張不感帯領域36が近傍領域32を越えてしてしまうか否かを判断する。つまり、近傍領域32の全てが膨張不感帯領域36に含まれるか否かを判断する。
【0074】
ステップa5で、膨張不感帯領域36が近傍領域32を越えないと判断した場合には、ステップa6に移る。一方、ステップa5において、膨張不感帯領域36が近傍領域32を越えると判断した場合には、ステップa11に移る。ステップa5の処理によって、近傍領域32がすべて不感帯領域33に含まれることを防止し、近傍領域32のすべてが処理対象から除かれることを防止することができる。
【0075】
前記ステップa5では、膨張不感帯領域36が近傍領域32を越えてしまうか否かを判断しているが、本発明の他の実施の形態において、前記ステップa5において、近傍領域32の画素数に対する膨張不感帯領域36の画素数の比率が予め定める比率以上となるか否か判断してもよい。前記予め定める比率は、1〜30%の間に選ばれ、好ましくは8%に選ばれる。近傍領域32の画素数に対する膨張不感帯領域36の画素数の比率が前記予め定める比率以上にはならないと判断した場合、ステップa6に移る。一方、近傍領域35の画素数に対する膨張不感帯領域36の画素数の比率が前記予め定める比率以上になると判断すると、ステップa11に移る。これによって、処理対象となる近傍領域が小さくなりすぎることを防止することができる。
【0076】
ステップa6では、サンプル領域31の各画素の輝度を検出し、近傍領域32の各画素の輝度を検出して、サンプル領域31および近傍領域32の輝度分布を作成して、ステップa7に移る。ステップa6において、輝度を検出するときに、不感帯領域33の画素は処理対象から除外される。
【0077】
図10は、ステップa7で、不感帯領域作成手段15によって作成されたサンプル領域31の輝度分布31aおよび近傍領域32の輝度分布32aとの一例を示す図である。図10において、縦軸は画素数を表し、横軸は輝度値を表す。つまり図10は、縦軸に画素数を取り、横軸に輝度値を取る輝度ヒストグラムを概略的に示す図である。また図10では、サンプル領域31の輝度分布31aと、近傍領域32の輝度分布32aとに重なりがある状態を示す。また図10では、サンプル領域31の輝度分布31aの最大値が近傍領域32の輝度分布32aの最大値よりも大きな場合について示している。
【0078】
ステップa7では、サンプル領域31の輝度分布31aと近傍領域32の輝度分布32aとが重なっているか否かを判断する。ステップa7において、輝度分布が重なっていると判断した場合には、ステップa8に移り、輝度が重なっていないと判断した場合には、ステップa9に移り、動作処理を終了する。
【0079】
サンプル領域31の輝度分布31aと、近傍領域32の輝度分布32aとが重なるか否かは、以下のようにして判断する。サンプル領域31のうち最小の輝度値をA1とし、最大の輝度値をA2とする。近傍領域32のうち最小の輝度値をB1とし、最大の輝度値をB2とする。このとき、サンプル領域31の最小の輝度値から近傍領域32の最大の輝度値を減算した値、つまり(A1−B2)の値が正の値となる場合には、サンプル領域31の輝度分布31aと、近傍領域32の輝度分布32aとが重ならないと判断する。また近傍領域32の最小の輝度値からサンプル領域31の最大の輝度値を減算した値、つまり(B1−A2)が正の値となる場合には、サンプル領域31の輝度分布31aと、近傍領域32の輝度分布32aとが重ならないと判断する。
【0080】
一方、サンプル領域31の最小の輝度値から近傍領域32の最大の輝度値を減算した値、つまり(A1−B2)の値が正の値とならず、かつ近傍領域の最小の輝度値からサンプル領域31の最大の輝度値を減算した値、つまり(B1−A2)が正の値とならない場合には、サンプル領域31の輝度分布31aと、近傍領域32の輝度分布32aとが重なると判断する。
【0081】
ステップa8では、サンプル領域31の輝度分布31aと重なっている領域を除いて近傍領域32を形成して、ステップa6に移る。
【0082】
図11は、ステップa8で、サンプル領域31の輝度分布32aと重なっている領域を除いて、近傍領域32を作成したときの、サンプル領域31の輝度分布31aおよび近傍領域32の輝度分布32bとの一例を示す図である。図11において、縦軸は画素数を表し、横軸は輝度値を表す。つまり図11は、縦軸に画素数を取り、横軸に輝度値を取る輝度ヒストグラムを概略的に示す図である。図11では、図10に示す輝度分布を有するサンプル領域31および近傍領域32について、近傍領域32の輝度の重なっている領域を除いた状態の輝度分布を示している。
【0083】
ステップa7の処理によって、サンプル領域31および近傍領域32の輝度差を大きくすることができるので、原画像11からサンプル図形12に対応する領域を抽出するための処理手順の構成を安定させることができる。したがって、後述する各画像処理手段13によって、信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができ、また余分な計算処理を低減することができる。
【0084】
ステップa10では、第1警告情報を出力して、ステップa2に移る。またステップa11では、第2警告情報を出力して、ステップa4に移る。前記第1警告情報は、サンプル領域31のすべてが処理対象から除かれてしまうことを示す。また第2警告情報は、近傍領域32の全てが処理対象から除かれてしまうことを示す。
【0085】
不感帯領域作成手段15が、前述した処理を実行することによって、判定結果40が得られる。判定結果40は、近傍領域32および不感帯領域33を設定した原画像11である。
【0086】
前述した画像処理手順設計手段25は、設定部45を含む。設定部45は、たとえばマウスおよびキーボードなどから入力される操作者からの指示に基づいて、図9に示す処理手順のステップa2およびステップa4において設定される画素数を不感帯領域作成15に入力する。
【0087】
また設定部45は、操作者からの指示に基づいて、サンプル図形12が、原画像11において抽出した領域の画像を2値化して得られる画像の一部であることを入力することができる。設定部45によって、サンプル図形12が、原画像11において抽出したい領域の2値化して得られる画像の一部であることが入力されると、不感帯領域作成手段15は、原画像11においてサンプル領域31と近傍領域32との輝度差が予め定める範囲内となる領域を除いて、サンプル領域31の周囲の一部に近傍領域32を作成する。
【0088】
不感帯領域作成手段15は、複数の原画像11に対して前述した処理を実行する。
【0089】
たとえば、電子カメラなどの撮像手段によって撮像した画像を原画像11として入力する場合、原画像11では輝度の異なる領域の間で輝度勾配が発生する。この輝度勾配が発生する領域では、輝度値が不安定となる。サンプル図形12は、原画像11の抽出したい領域の画像に対応し、前述した輝度の異なる領域の間を輪郭とするので、輝度値が不安定な部分を含む。したがって、サンプル図形12を、原画像11の抽出したい領域に正確に合わせなければ、エキスパートシステムが構成する処理手順が、異なる結果となってしまう。したがって、手順を正しく評価することができない。
【0090】
本実施の形態のエキスパートシステムでは、原画像11に処理対象から除外される不感帯領域33を作成して、画像処理手段13において処理を実行すると、サンプル図形12が、原画像11から抽出したい領域の画像と同一でなく、この原画像11から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合または小さくなる場合であっても、サンプル図形12が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される場合と比較して、構成される処理手順が異なることがない。
【0091】
つまり、原画像11から抽出したい領域の画像にあわせて、たとえば1画素単位で正確にサンプル図形12を作成できない場合であっても、原画像11から抽出したい領域にあわせて1画素単位で正確にサンプル図形12を作成した場合と同じ処理手順が構成される。したがって、サンプル図形12の精度が多少粗い場合であっても、手順を正しく評価することができる。これによって、エキスパートシステムの評価精度を落とさず、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。
【0092】
このようにサンプル図形12の精度が手順評価に直結しないので、サンプル図形12をたとえば1画素単位で正確に作成する手間を省くことができる。つまり、エキスパートシステムに入力されるサンプル図形12の作成に多大な労力と時間をかける必要がなくなる。したがって、エキスパートシステムを実際の画像処理装置に組み込むことが容易となり、エキスパートシステムの実用化を実現することができる。
【0093】
輝度変換判定手段16は、複数の画像処理手段13の1つを構成する。輝度変換判定手段16は、サンプル領域31内の最小輝度および最大輝度をそれぞれしきい値TL1およびTH1とし、最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1、および最大輝度のしきい値TH1以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1に対する評価値PL,PHをそれぞれ算出する。輝度変換判定手段16は、これらの評価値PL,PHに基づいて、原画像11の輝度分布を輝度値全体に拡大する予め定める輝度変換処理が必要か否かを判定する。
【0094】
前記予め定める輝度変換処理は、たとえば線形変換および中間強調などである。線形変換は、線形変換前の原画像11において、各画素の輝度をX、最小輝度をXmin、最大輝度をXmaxとし、線形変換後の原画像11において、各画素の輝度をY、最小輝度Ymin、最大輝度をYmaxとするとき、次式(1)に基づいて行われる。
Y={(Ymax−Ymin)/(Xmax−Xmin)}・(X−Xmin)+Ymin …(1)
【0095】
中間強調は、中間強調前の原画像11の各画素の輝度をXとし、中間強調後の原画像11の各画素の輝度をYとするとき、0以上127以下の輝度範囲のXに対しては、次式(2)に基づいて行われ、128以上255以下の輝度範囲のXに対しては、次式(3)に基づいて行われる。
Y=(X/127)・127 …(2)
Y={(X−128)/127}1/2・127}+127 …(3)
【0096】
本実施の形態においては、前述したようにサンプル領域31は、原画像11のサンプル図形12に対応する領域であり、背景領域は、原画像11の前記サンプル領域31を除く残余の領域である。
【0097】
図12および図13は、サンプル領域31および背景領域の輝度分布31a,37aを示す図である。図12および図13において、縦軸は画素数を表し、横軸は輝度値を表す。つまり図12および図13は、縦軸に画素数を取り、横軸に輝度値を取る輝度ヒストグラムを概略的に示す図である。図12は、サンプル領域31の輝度分布31aと背景領域の輝度分布37aとが離反している状態の一例を示す図である。図13は、サンプル領域31の輝度分布31aと背景領域の輝度分布37とが近接している状態の一例を示す図である。
【0098】
前記評価値PL,PHは、最小輝度側評価値PLおよび最大輝度側評価値PHを含む。最小輝度側評価値PLは、サンプル領域31内の最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1と、サンプル領域31内の最小輝度のしきい値TL1よりも予め定める値αLだけ低い最小輝度側しきい値TL2以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL2との比である。
【0099】
最大輝度側評価値PHは、サンプル領域31内の最大輝度のしきい値TH1以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1と、サンプル領域31内の最大輝度のしきい値TH1よりも予め定める値αHだけ高い最大輝度側しきい値TH2以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH2との比である。本件発明者の実験結果から、前記予め定める値αLは、5〜30の間に選ばれ、たとえば10に選ばれ、また前記予め定める値αHは、5〜30の間に選ばれ、たとえば10に選ばれる。
【0100】
具体的には、最小輝度側評価値PLは、前記最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1をNL1とし、前記最小輝度側しきい値TL2以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL2をNL2とし、前記最小輝度側評価値PLをPLとするとき、次式(4)によって求められる。
PL=NL2/NL1 …(4)
【0101】
最大輝度側評価値PHは、前記最大輝度のしきい値TH1以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1をNH1とし、前記最大輝度側しきい値TH2以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH2をNH2とし、前記最大輝度側評価値PHをPHとするとき、次式(5)によって求められる。
PH=NH2/NH1 …(5)
【0102】
輝度変換判定手段16は、最小輝度側評価値PLが予め定める最小輝度側基準値ηL以下であり、かつ最大輝度側評価値PHが予め定める最大輝度側基準値ηH以下であるときには、輝度変換処理が不要であると判定する。また輝度変換判定手段16は、最小輝度側評価値PLが予め定める最小輝度側基準値ηLを超えるとき、または最大輝度側評価値PHが予め定める最大輝度側基準値ηHを超えるときには、輝度変換処理が必要であると判定する。本件発明者の実験結果から前記最小輝度側基準値ηLは、1.1〜1.5の間に選ばれ、たとえば1.3に選ばれ、また前記最大輝度側基準値ηHは、1.1〜1.5の間に選ばれ、たとえば1.3に選ばれる。
【0103】
図14は、輝度変換判定手段16の動作処理を示すフローチャートである。原画像13が入力されると、ステップb0からステップb1移り、輝度変換処理が必要か否かを判定するための動作処理を開始する。ステップb1では、前記最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1と、前記最小輝度側しきい値TL2以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL2とを算出し、ステップb2に移る。
【0104】
ステップb2では、前記最大輝度のしきい値TH1以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1と、前記最大輝度側しきい値TH2以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH2とを算出して、ステップb3に移る。
【0105】
ステップb3では、前記ステップb1で算出した各画素数NL1,NL2に基づいて、最小輝度側評価値PLを算出し、前記ステップb2で算出した各画素数NH1,NH2に基づいて最大輝度側評価値PHを算出して、ステップb4に移る。
【0106】
ステップb4では、最小輝度側評価値PLが最小輝度側基準値ηL以下であり、かつ最大輝度側評価値PHが予め定める最大輝度側基準値ηH以下であるか否かを判断する。ステップb4において、最小輝度側評価値PLが最小輝度側基準値ηL以下であり、かつ最大輝度側評価値PHが最大輝度側基準値ηH以下であるときには、ステップb5に移る。ステップb5では、輝度変換が不要であると判定して、ステップb6に移り、動作処理を終了する。
【0107】
一方、ステップb4において、最小輝度側評価値PLが予め定める最小輝度側基準値ηLを超えるとき、または最大輝度側評価値PHが予め定める最大輝度側基準値ηHを超えるときには、ステップb7に移る。ステップb7では、輝度変換の処理が必要であると判定して、ステップb6に移り、動作処理を終了する。
【0108】
このように輝度変換判定手段16は、前記最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1および前記最大輝度のしきい値TH1以下の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1に対する評価値PL,PHをそれぞれ算出する。各評価値PL,PHは、原画像11の輝度分布に依存する。これらの各評価値PL,PHに基づいて、輝度変換判定手段16は、輝度変換処理が必要か否かを判定する。したがって輝度変換判定手段16は、原画像11の輝度分布に応じて、輝度変換処理が必要か否かを判定することができる。
【0109】
前記輝度変換判定手段16が算出する評価値PL,PHは、最小輝度側評価値PLおよび最大輝度側評価値PHを含む。前記最小輝度側評価値PLは、前記最小輝度のしきい値TL1と前記最小輝度側しきい値TL2との間の輝度範囲の輝度を有する原画像11内の画素の数(NL2−NL1)が、前記最小輝度のしきい値TL1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NL1に対してどの程度であるかを示す。前記最大輝度側評価値PHは、前記最大輝度のしきい値TH1と前記最大輝度側しきい値TH2との間の輝度範囲の輝度を有する原画像11内の画素の数(NH2−NH1)が、前記最大輝度のしきい値TH1以上の輝度を有する原画像11内の画素の数NH1に対してどの程度であるかを示す。
【0110】
このような各評価値PL、PHに基づいて前述のように判定するので、輝度変換判定手段16は、サンプル領域31内の全画素の数に対して、サンプル領域31の各画素の輝度に近い輝度を有する原画像11内の画素の数が少ないときには、輝度変換処理が不要であると判定することができる。また輝度変換判定手段16は、サンプル領域31内の全画素の数に対して、サンプル領域31の各画素の輝度に近い輝度を有する原画像11内の画素の数が多いときには、輝度変換処理が必要であると判定することができる。
【0111】
エキスパートシステムは、輝度変換判定手段16によって輝度変換処理が必要であると判定されたときには、輝度変換処理を含む処理手順を構成し、輝度変換判定手段16によって輝度変換処理が不要であると判定されたときには、輝度変換処理を含まない処理手順を構成する。これによってエキスパートシステムは、原画像11の輝度分布に応じて、その原画像11に適した処理手順を構成することができる。
【0112】
原画像11が撮影によって得られる画像である場合、原画像11の輝度分布は、原画像11の撮影時における照明などの光学系環境によって異なる。このように原画像11の輝度分布と、原画像11の撮影時における光学系環境とは、相互に関連するので、原画像11の輝度分布に基づいて、光学系環境を診断することが可能である。前述のように輝度変換判定手段16の判定は、原画像11の輝度分布に基づいている。したがって輝度変換判定手段16の判定は、光学系環境の診断に用いることができる。
【0113】
図15は、前処理選択手段17の動作処理を示すフローチャートである。複数組の設計標本が入力されると、ステップc0からステップc1に移る。ステップc1では、複数の原画像11のうち1つの原画像11に、複数のノイズ除去処理のうちの1つのノイズ除去処理を実行して処理して、ステップc2に移る。ステップc1では、原画像11に対してノイズ除去処理を実行して処理するときに、同時にこのノイズ除去処理にかかる処理時間を算出する。
【0114】
前処理選択手段17は、実行可能な全てのノイズ除去処理を実行して、原画像11からノイズを除去する。前処理選択手段17には、複数のノイズ除去処理として複数の処理モジュールが用意されている。前記処理モジュールとは、移動平均処理およびメディアンフィルターなどである。本実施の形態では、たとえばノイズ除去処理としては、移動平均処理(1〜5回)およびメディアンフィルター(1〜5回)の2つの処理モジュールがあり、この場合、ステップc1では、合計10種類のノイズ除去処理を実行して、原画像11のノイズを除去する。
【0115】
ステップc2では、ステップc1で処理された原画像11のサンプル図形12に対応する領域の輝度を算出し、輝度分布を求めて、ステップc3に移る。以後、前記ノイズ除去処理後の原画像11を、第1処理画像と記載する場合がある。また第1処理画像において、サンプル図形12に対応する領域を第1サンプル領域と記載する場合がある。第1サンプル領域は、前述したサンプル領域に対応する。
【0116】
ステップc3では、ステップc2において輝度を算出した第1処理画像の第1サンプル領域の近傍の領域の輝度を算出し、輝度分布を求めて、ステップc4に移る。以後、第1処理画像において第1サンプル領域の周囲に設けられる近傍の領域を第1近傍領域と記載する。第1近傍領域は、前述した近傍領域32に対応する。
【0117】
ステップc4では、ステップc2で求めた第1サンプル領域の輝度分布38、およびステップc3で求めた第1近傍領域の輝度分布39から、第1サンプル領域の輝度分布38と第1近傍領域との輝度分布39とに重なりがあるか否か算出する。
【0118】
図16および図17は、第1サンプル領域の輝度分布38および第1近傍領域の輝度分布39との一例を示す図である。図16および図17において、縦軸は画素数を表し、横軸は輝度値を表す。つまり図16および図17は、縦軸に画素数を取り、横軸に輝度値を取る輝度ヒストグラムを概略的に示す図である。また図16は、第1サンプル領域の輝度分布38と、第1近傍領域の輝度分布39とに重なりが無い状態の一例を示す図である。図17は、第1サンプル領域38の輝度分布と、第1近傍領域の輝度分布39とに重なりがある状態の一例を示す図である。
【0119】
第1サンプル領域の輝度分布38と、第1近傍領域の輝度分布39とが重なるか否かは、以下のようにして判断する。第1サンプル領域のうち最小の輝度値をC1とし、最大の輝度値をC2とする。第1近傍領域の輝度のうち最小の輝度値をD1とし、最大の輝度値をD2とする。このとき、第1サンプル領域の最小の輝度値から第1近傍領域の最大の輝度値を減算した値、つまり(C1−D2)の値が正の値となる場合には、第1サンプル領域の輝度分布38と、第1近傍領域の輝度分布39とが重ならないと判断する。また第1近傍領域の最小の輝度値から第1サンプル領域の最大の輝度値を減算した値、つまり(D1−C2)が正の値となる場合には、第1サンプル領域の輝度分布38と、第1近傍領域の輝度分布39とが重ならないと判断する。
【0120】
一方、第1サンプル領域の最小の輝度値から近傍領域の最大の輝度値を減算した値、つまり(C1−D2)の値が正の値とならず、かつ第1近傍領域の最小の輝度値から第1サンプル領域の最大の輝度値を減算した値、つまり(D1−C2)が正の値とならない場合には、第1サンプル領域の輝度分布38と、第1近傍領域39の輝度分布とが重なると判断する。
【0121】
ステップc5では、1つの原画像11に複数のノイズ除去処理の全てを実行して、輝度分布の重なりを算出したか否かを判断する。ステップc5で、1つの原画像11に複数のノイズ除去処理の全てを実行して、輝度分布の重なりを算出したと判断した場合は、ステップc6に移る。一方、ステップc5で、1つの原画像11に複数のノイズ除去処理の全てを実行して、輝度分布の重なりを算出してはいないと判断した場合は、ステップc1に移り、1つの原画像11について、複数のノイズ除去処理の全てを実行して、第1サンプル領域と第1近傍領域との輝度分布の重なりを算出するまでステップc1〜ステップc4までの処理を繰り返す。
【0122】
ステップc6では、全ての第1処理画像について、前記ステップc1〜ステップc5までの各処理を実行したか否かを判断する。ステップc6で、各第1処理画像について前記ステップc1〜ステップc5までの各処理を実行したと判断した場合、ステップc7に移る。一方、ステップc6で、全ての第1処理画像について、前記ステップc1〜ステップc5までの各処理を実行してはいないと判断した場合、ステップc1に移り、ステップc1〜ステップc5における各処理を行っていない第1処理画像に対する処理を実行する。
【0123】
ステップc7では、ステップc4で第1処理画像の第1サンプル領域の輝度分布38と第1近傍領域の輝度分布39との重なりを算出した結果を参照して、全てのノイズ除去処理のうちで、全ての第1処理画像において第1サンプル領域の輝度分布38と第1近傍領域との輝度分布39とが重ならないノイズ除去処理があるか否かを判断する。前記第1サンプル領域の輝度分布38と第1近傍領域の輝度分布39とが重ならないノイズ除去処理を、重なり無のノイズ除去処理と記載する場合がある。
【0124】
ステップc6において、全ての第1処理画像において前記重なり無しのノイズ除去処理があると判断した場合には、ステップc8に移る。
【0125】
ステップc8では、重なり無のノイズ除去処理のうち最速処理、つまりノイズ除去処理を実行して処理する時間が最も短いノイズの除去処理を選択して、ステップc13に移り、動作処理を終了する。重なり無のノイズ除去処理によって原画像11を処理する場合、いずれのノイズ除去処理を実行しても、第1サンプル領域と第1近傍領域とを精度よく分離することができる。つまり、第1サンプル領域を精度よく抽出することができる。したがってこのような場合では、処理速度が最も速くなるノイズ除去処理を選択することによって、時間がかかるノイズ除去処理における処理時間を短くすることができる。また、前記ノイズ除去処理を実行して処理する時間は、全ての原画像11に対する処理時間の平均値が用いられる。
【0126】
一方、ステップc7において、全ての第1処理画像において前記重なり無しのノイズ除去処理がないと判断した場合には、ステップc9に移る。ステップc9では、複数のノイズ除去処理のうち1つのノイズ除去処理を実行して処理された原画像11の分離度を算出して、ステップc10に移る。前記分離度をPとすると、分離度は、第1サンプル領域の平均輝度をμ0とし、第1近傍領域の平均輝度をMiとし、第1サンプル領域および第1近傍領域の輝度の標準偏差をσとすると、次式(6)によって表される。
P=(μ0−Mi)/σ×100% …(6)
【0127】
分離度は、第1サンプル領域と第1近傍領域との分離のしやすさを示す尺度である。この分離度が大きくなるほど、第1サンプル領域と第1近傍領域との分離がよい、つまり第1サンプル領域の抽出精度がよい。分離度を式(6)のように定義することによって、複数のノイズ除去処理のうちから、前記ノイズ除去処理後の原画像11のサンプル図形12に対応する領域の輝度と、その近傍領域の輝度との差が最も大きくなるようなノイズ除去処理を効率よく選択することができる。
【0128】
ステップc10では、複数の原画像11に全てのノイズ除去処理をそれぞれ実行して得られる全ての第1処理画像について、分離度の算出を行ったか否かを判断する。ここで、全ての第1処理画像について、分離度の算出を行ったと判断した場合、ステップc11に移る。一方、ステップc10で、全ての第1処理画像について、分離度の算出を行ってはいないと判断した場合、ステップc9に移り、分離度を算出していない第1処理画像の分離度を算出する。
【0129】
ステップc11では、複数のノイズ除去処理のうち、同じノイズ除去処理を実行して得られる各第1処理画像における輝度の分離度の平均を算出して、ステップc12に移る。以下、前記分離度の平均を平均分離度と記載する。
【0130】
ステップc12では、ステップc11で算出した平均分離度に基づいて、各処理モジュールごとに、平均分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択して、ステップc13に移り、動作処理を終了する。たとえばノイズ除去処理が、前述した移動平均処理およびメディアンフィルターからなる場合、移動平均処理を実行して処理された原画像11のうち平均分離度が最も大きくなるものをノイズ除去処理として選択し、メディアンフィルターを実行して処理された原画像11のうち最も平均分離度が大きくなるものをノイズ除去処理として選択する。
【0131】
たとえば、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理を実行して処理された原画像11を、2値化するための2値化処理を選択する場合、全てのノイズ除去処理のうちで、分離度が最大となるノイズ除去処理によって処理された原画像11を用いて2値化処理を選択するよりも、全てのノイズ除去処理のうちで分離度が最大ではないが前記分離度が最大となるノイズ除去処理の処理モジュールとは異なる処理モジュールによるノイズ除去処理のうち、分離度が最大となるノイズ除去処理を用いて2値化処理を選択する方が、結果として原画像11のサンプル図形12に対応する領域の抽出精度が向上する場合がある。
【0132】
ステップc12では、各処理モジュールごとに、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択するので、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理を実行した原画像11を用いて、後述する2値化処理選択手段18が2値化処理を選択することによって、構成される処理手順の精度を向上させることができる。
【0133】
このように前処理選択手段17は、ノイズ除去処理を実行して処理された原画像11のサンプル図形12に対応する領域の輝度分布38と、その近傍領域との輝度分布39とに基づいて、処理速度を優先する、または分離度を優先するノイズ除去処理を選択することができ、精度を落とさずに、処理時間の短い処理手順を構成することができる。これによってエキスパートシステムにおいて、ノイズを除去するノイズ除去処理の処理速度を調整して処理手順を構成することができ、処理手順の生成後に、ノイズ除去処理の処理速度の調整をできるだけ少なくすることができる。
【0134】
本実施の形態では、ステップc2で第1サンプル領域の輝度分布38を算出した後、ステップc3で第2近傍領域の輝度分布39を算出しているが、本発明の実施の他の形態において、前記ステップc2とステップc3とは、順序が逆になってもよい。
【0135】
また本実施の形態では、ステップc10で、各処理モジュールごとに、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択しているが、本発明の他の実施の形態では、平均分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を1つ選択してもよい。この場合、後述する2値化処理選択手段18における処理時間を短縮することができる。
【0136】
また本実施の形態では、不感帯領域作成手段15によって、処理対象から除外される不感帯領域33を設けるので、図13に示すフローチャートのステップc4において算出される第1サンプル領域の輝度分布38と第1近傍領域の輝度分布39との重なりを抑制することができる。したがって前処理選択手段17において、最速の処理が選択される可能性が高くなり、構成された処理手順に従う処理を実行するときの処理時間を可及的に短縮することができる。
【0137】
2値化処理選択手段18は、前記複数の画像処理手段13の1つを構成する。2値化処理選択手段18は、第1処理画像を2値画像にする複数の2値化処理を実行し、前記複数の2値化処理を実行して処理した第1処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度をそれぞれ算出して、複数の2値化処理から前記一致度が最大となるような2値化処理を選択する。以後、2値化処理を実行して処理した第1処理画像を、第2処理画像と記載する場合がある。以後、第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域を、第2サンプル領域と記載する場合がある。第2サンプル領域は、前述したサンプル領域31に対応する。
【0138】
まず2値化処理選択手段18は、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理を実行して処理した複数の原画像11、つまり複数の第1処理画像を2値化するためのしきい値を、段階的に代えて2値化処理を実行する。たとえば、原画像11の輝度が256(8ビット)段階であれば、しきい値を1〜255に段階的に変化させて、2値化処理を実行する。前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理が複数ある場合、それぞれのノイズ除去処理を実行して得られる第1処理画像に対して、2値化処理を実行する。
【0139】
2値化処理選択手段18は、第1処理画像の第1サンプル領域の輝度が第1近傍領域の輝度よりも大きい場合は、しきい値以上を1とする2値化処理を行い、第1サンプル領域の輝度が第1近傍領域の輝度未満である場合は、しきい値以下を1とする2値化処理を行う。これによって、2値画像である第2処理画像が得られる。
【0140】
第2値化処理選択手段18は、第2サンプル領域とサンプル図形12との一致度Pevが最大となるような2値化処理を選択する。ここで、第2サンプル領域、つまり前記第2処理画像中でサンプル図形12と共通部分をもつ抽出図形の全体と、サンプル図形12との一致度Pevは、次式(7)で与えられる。
Pev=S0/S1 …(7)
ここに、S0=両図形の共通部分の面積
S1=両図形の和集合の面積
【0141】
一致度は、比較する図形が一致する度合いを示す尺度である。2値化処理選択手段18は、前記一致度が最大となるようなしきい値を決定する。前記一致度が最大となるしきい値が多数存在する場合には、同じ一致度となるしきい値の範囲を求め、この範囲の中央値をしきい値とする。つまり、たとえばしきい値が80から100の全ての範囲で一致度が同じ場合、2値化処理選択手段18は、前記しきい値を90に決定する。
【0142】
2値化処理選択手段18は、同じ2値化処理を実行して得られる各第2処理画像における一致度の平均を算出して、この算出された平均一致度が最大となる2値処理を選択する。
【0143】
前述した前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理が複数ある場合、2値化処理選択手段18は、それぞれのノイズ除去処理を実行して処理した原画像11に対して、複数の2値化処理を実行して、前述した一致度が最大となる1つの2値化処理を選択する。これによって、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を実行して一致度が最大となるときに、この2値化処理を実行した第1処理画像を得るノイズ除去処理が、エキスパートシステムにおける処理手順を構成する処理とする。
【0144】
図形融合処理生成手段19は、前記複数の画像処理手段13の1つを構成する。図形融合処理生成手段19は、第2処理画像に複数の図形融合処理を実行し、前記複数の図形融合処理を実行して得られる画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度を算出する。図形融合処理生成手段19は、前記一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合には、複数の図形融合処理の中から最も一致度が大きくなる図形融合処理を選択し、一致度が変わらない、または一致度が小さくなる場合には、図形融合処理を行わないことを選択する。
【0145】
まず図形融合処理生成手段19は、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理のうち、2値化処理選択手段18によって用いられた第1処理画像を原画像11から得ることができるノイズ除去処理と、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理とを実行して処理した複数の原画像11、つまり複数の第2処理画像に、それぞれ図形融合処理を行う。図形融合処理は、言い換えれば連結成分処理であって、雑音を除去する処理である。図形融合処理は、収縮処理および膨張処理の順番とその組合せによって定まる。まず、図形融合処理生成手段19は、複数の図形融合処理のすべてを実行して第2処理画像を処理する。
【0146】
本実施の形態では図形融合処理生成手段19は、図形融合処理として、たとえば「膨張処理→収縮処理」の膨張処理(1回〜2回)と収縮処理(1回〜5回)の組合せによる4つの処理を実行する。図形融合処理生成手段19は、第2処理画像に対して前記4つの処理を実行して得られる画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合には、複数の図形融合処理の中から最も一致度が大きくなる図形融合処理を選択する。前記一致度は、上述した式(7)によって同様に求められる。
【0147】
図形融合処理生成手段19は、各第2処理画像に対して同じ図形融合処理を実行して得られる図形における一致度の平均を算出して、この算出された一致度が最大となる図形融合処理を選択する。
【0148】
また図形融合処理生成手段19は、前記4つの処理を実行して得られる画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合に、図形融合処理を選択するのであり、前記4つの処理を実行して算出された一致度が同じ場合は、図形融合処理の処理回数が少ないものを選択する。これによって、構成される処理手順に従う処理を実行したときの計算量を低減することができ、処理時間を可及的に短くすることができる。
【0149】
フィルター処理生成手段20は、前記複数の画像処理手段13の1つを構成する。フィルター処理生成手段20は、原画像11に処理手順に従う複数の処理を実行して得られる画像から、この画像のサンプル図形12に対応する成分の特徴量よりも大きな特徴量および小さな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理を生成する。原画像11に処理手順に従う複数の処理を実行して得られる画像とは、原画像11に上述した前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理、および図形融合処理生成手段19によって選択された図形融合処理を実行して得られる画像、または原画像11に上述した前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を実行して得られる画像であり、以後、原画像11に処理手順に従う複数の処理を実行して得られる画像を対象画像と記載する場合がある。
【0150】
フィルター処理生成手段20の動作処理を概略的に述べる。フィルター処理生成手段20は、対象画像のサンプル図形12に対応する成分の最小特徴量および最大特徴量を算出し、また対象画像に含まれる各成分の特徴量を算出する。またフィルター処理生成手段20は、前記最小特徴量に予め定める定数を乗算した値を下限評価値とし、対象画像に含まれる成分のうち少なくとも1つの成分の特徴量が前記下限評価値よりも小さな場合に、前記下限評価値を下限しきい値として、この下限しきい値よりも小さな特徴量を有する成分を対象画像から除去するフィルター処理を生成する。
【0151】
またフィルター処理生成手段20は、前記最大特徴量に予め定める定数を乗算した値を上限評価値とし、対象画像に含まれる成分のうち少なくとも1つの成分の特徴量が前記上限評価値よりも大きな場合に、前記上限評価値を上限しきい値としてこの上限しきい値よりも大きな特徴量を有する成分を対象画像から除去するフィルター処理を生成する。
【0152】
図18は、フィルター処理生成手段20の動作処理を示すフローチャートである。ステップd0において、対象画像が入力されると、ステップd1に移る。ステップd1では、サンプル図形12のラベリング処理を行って、ステップd2に移る。サンプル図形12のラベリング処理とは、サンプル図形12においてつながっている成分、つまり連結成分に同じラベルを付し、1つの連結成分とは異なる連結成分には、異なるラベルを付すことである。前記ラベルは、たとえば番号である。
【0153】
ステップd2では、ステップd1でラベルを付したサンプル図形12の各ラベルの成分に対応する対象画像の連結成分の特徴量を算出して、ステップd3に移る。本実施の形態において、前記特徴量は、面積を表す画素数である。本実施の形態では、特徴量を画素数とするが、本発明の実施の他の形態では、前記特徴量は成分の周囲長などであってもよい。
【0154】
ステップd3では、エキスパートシステムに入力される複数の原画像11を処理して得られる全ての対象画像と、前記複数原画像11に対応する複数のサンプル図形12とについて、ステップd1およびステップd2の処理を行ったか否かを判断する。ステップd3で、エキスパートシステムに入力される複数の原画像11を処理して得られる全ての対象画像と、前記原画像11に対応するサンプル図形12とについて、ステップd1およびステップd2の処理を行ったと判断した場合には、ステップd4に移る。一方、ステップd3で、エキスパートシステムに入力される複数の原画像11を処理して得られる全ての対象画像と、前記複数の原画像11に対応する複数サンプル図形12とについて、ステップd1およびステップd2の処理を行っていないと判断した場合には、ステップd1に移る。
【0155】
ステップd4では、対象画像のサンプル図形12に対応する成分の最大特徴量および最小特徴量とを求め、下限評価値と上限評価値とを算出して、ステップd5に移る。ここではまず、各対象画像の各サンプル図形12に対応する成分の特徴量を算出し、この中から最大特徴量と最小特徴量とを算出する。最小特徴量および最大特徴量は、たとえば特徴量が面積を表す画素数であるとすると、最大面積を表す最大画素数および最小面積を表す最小画素数である。
【0156】
図19は、対象画像に含まれる成分の特徴量の分布の一例を示す図である。図19において、横軸は特徴量を表し、縦軸は成分の数を表す。つまり図19は、横軸に特徴量を取り、縦軸に成分の数を取る特徴量ヒストグラムを概略的に示す図である。図19では、対象画像のサンプル図形12に対応する成分の特徴量よりも小さな特徴量を有する成分および大きな特徴量を有する成分が対象画像に含まれている場合の特徴量の分布を示す。具体的には、対象画像のサンプル図形12に対応する成分の特徴量の分布41と、対象画像のサンプル図形12に対応する成分の特徴量よりも小さな特徴量を有する成分の特徴量の分布42と、対象画像のサンプルに対応する領域の特徴量よりも大きな特徴量を有する成分の特徴量の分布43とを示している。
【0157】
下限評価値は、最小特徴量に予め定める定数を乗算した値である。下限評価値をP1とし、対象画像のサンプル図形12に対応する領域の最小特徴量をSminとし、予め定める定数をβLとすると、下限評価値P1は、式(8)によって算出される。
P1=Smin×βL …(8)
【0158】
また上限評価値は、最大特徴量に予め定める定数を乗算した値である。上限評価値をP2とし、対象画像のサンプル図形12に対応する領域の最大特徴量をSmaxとし、予め定める定数をβHとすると、上限評価値P2は、式(9)によって算出される。
P2=Smax×βH …(9)
【0159】
式(8)のβLおよび式(9)のβHは、本件発明者の実験結果から、たとえばβL=1/5、βH=5とする。
【0160】
ステップd5では、複数の対象画像のうちで、1つの対象画像の全領域にラベリング処理を行って、ステップd6に移る。ラベリング処理は、上述したサンプル図形12のラベリング処理と同様な処理であり、対象画像の全領域の各連結成分にラベルを付す。
【0161】
ステップd6では、ステップd5においてラベリング処理された各ラベルに対応する成分の特徴量を算出して、ステップd7に移る。
【0162】
ステップd7では、ステップd6で算出された各ラベルに対応する成分の特徴量と、上述したステップd4において算出された下限評価値とを比較し、下限評価値よりも小さな特徴量があるか否かを判断する。ステップd7において下限評価値よりも小さな特徴量があると判断した場合、ステップd8に移る。下限評価値よりも小さな特徴量がある場合とは、対象画像が、図19に示す特徴量の分布42を含むような場合である。一方ステップd7において、下限評価値よりも小さな特徴量が無いと判断した場合、ステップd9に移る。
【0163】
ステップd8では、下限評価値を下限しきい値として設定し、ステップd9に移る。
【0164】
ステップd9では、ステップd6で算出された各ラベルの対応する成分の特徴量と、上述したステップd4において算出された上限評価値とを比較し、上限評価値よりも大きな特徴量があるか否かを判断する。ステップd9において上限評価値よりも大きな特徴量があると判断した場合、ステップd10に移る。上限評価値よりも大きな特徴量がある場合とは、対象画像が、図19に示す特徴量の分布43を含むような場合である。一方ステップd9において、上限評価値よりも大きな特徴量が無いと判断した場合、ステップd11に移る。
【0165】
ステップd10では、上限評価値を上限しきい値として設定し、ステップd11に移る。
【0166】
ステップd11では、全ての対象画像についてステップd5からステップd10の処理を行ったか否かを判断する。ステップd11で、全ての対象画像に対してステップd5からステップd10までの処理を行ったと判断した場合には、ステップd12に移る。一方、ステップd11で、全ての対象画像に対して、ステップd5からステップd10までの処理を行っていないと判断した場合には、ステップd5に戻り、全ての対象画像に対してステップd5からステップd10までの処理が終了するまで、ステップd5からステップd10までの動作を繰り返す。
【0167】
ステップd12では、下限しきい値または上限しきい値が設定されているか否かを判断する。ステップd12において、上限しきい値または下限しきい値が設定されていると判断した場合、ステップd13に移る。
【0168】
ステップd13では、フィルター処理有りの処理設定を行い、ステップd15に移り動作処理を終了する。つまりステップd13では、エキスパートシステムにおいてフィルター処理が含まれる処理手順を構成するために、フィルター処理を生成する。ステップd13では、下限しきい値が設定されている場合、前記下限しきい値よりも小さな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理を生成する。また上限しきい値が設定されている場合、前記上限しきい値よりも大きな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理を生成する。また下限しきい値および上限しきい値の両者が設定されている場合、前記下限しきい値よりも小さな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理と前記上限しきい値よりも大きな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理とを生成する。これによって、フィルター処理生成手段20によって生成されるフィルター処理を、原画像11からサンプル図形12に近い図形を抽出する処理手順に従う処理の1つとするときに、前記処理手順に従う処理に不必要なフィルター処理が含まれることがない。
【0169】
これによって、エキスパートシステムが構成する処理手順にフィルター処理を含むことができ、2値化処理の後、または図形融合処理の後に、フィルター処理を行う処理手順が構成することができる。
【0170】
一方、ステップd12において、上限しきい値または下限しきい値が設定されていないと判断した場合、ステップd14に移る。ステップd14では、フィルター処理無しの処理設定を行い、ステップd15に移り、動作処理を終了する。つまりステップd14では、フィルター処理を行わないように設定する。
【0171】
以上のように、フィルター処理生成手段20を設けることによって、対象画像におけるノイズ成分を識別して、このノイズ成分を除去することができるフィルター処理を生成することができる。このフィルター処理では、対象画像に含まれる成分のうち予め設定したしきい値を超える特徴量を有する成分がある場合には、拾いすぎ成分と判断して、前記成分を除去する。
【0172】
対象画像には、サンプル図形12に近い特徴量をもつ成分とともに、サンプル図形12よりも大きな特徴量をもつ成分およびサンプル図形12よりも小さな特徴量をもつ成分が含まれる場合がある。サンプル図形12よりも大きな特徴量および小さな特徴量をもつ成分とはノイズ成分であると考えられる。前述したフィルター処理生成手段20によって生成されたフィルター処理を実行して、処理手順に従って複数の処理を実行して得られる画像を処理すると、この画像に含まれる成分のうちサンプル図形12とは全く異なる特徴を有するノイズ成分を取り除くことができる。
【0173】
したがって、フィルター処理生成手段20によって生成されるフィルター処理を、原画像11からサンプル図形12に近い図形を抽出する処理手順に従う複数処理の1つとすることによって、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。
【0174】
また、対象画像に含まれるサンプル図形12に近い図形は、完全にサンプル図形12と一致しているとは限らない。フィルター処理生成手段20は、前述の最小特徴量Sminに予め定める定数βLを乗算した値とし、また前記上限評価値を前述の最大特徴量Smaxに予め定める定数βHを乗算した値とするので、サンプル図形12に近い図形を除去することなく、このサンプル図形12に近い図形を確実に原画像11から抽出するフィルター処理を生成することができる。
【0175】
またフィルター処理生成手段20は、前述したように、前記下限しきい値よりも小さな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理を生成する、前記上限しきい値よりも大きな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理を生成する、または前記下限しきい値よりも小さな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理と前記上限しきい値よりも大きな特徴量を有する成分を除去するフィルター処理とを生成することができる。
【0176】
したがって、フィルター処理生成手段20によって生成されるフィルター処理を含んで処理手順を構成することによって、処理手順に従う処理を実行して原画像11を処理したときに、処理時間の延長を可及的に少なくし、かつノイズ成分の少ないサンプル図形12に近い図形を得ることができる。
【0177】
安定度検証手段21は、複数の原画像11の輝度が変化しても、前記画像処理手順設計手段25によって構成された処理手順に従う複数の処理を実行することによって、原画像11からサンプル図形12に近い図形を安定して抽出することができるか否かを示す安定度を出力する。
【0178】
安定度検証手段21は、前記処理手順に従う複数の処理を実行して得られる基処理画像51の抽出画素数と、前記処理手順に従う複数の処理のうち、予め定める処理を変更した変更処理手順に従う複数の処理を実行して得られる変更処理画像52の抽出画素数とを算出し、基処理画像51の抽出画素数と変更処理画像52の抽出画素数との比率から安定度を算出する。前記抽出画素数とは、基処理画像51および変更処理画像52の輝度が予め定めるしきい値以上の画素数または予め定めるしきい値未満の画素数である。
【0179】
基処理画像51は、前述した前処理選択手段17、2値化処理選択手段18、図形融合処理生成手段19およびフィルター処理生成手段20によって選択および生成された各処理を実行して得られる。
【0180】
変更処理画像52は、処理手順に従う複数の処理のうち、前記2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を、この2値化処理におけるしきい値を予め定める値だけ変更した2値化処理に代えて各処理を実行することによって、得られる。
【0181】
図20は、安定度検証手段21における処理手順を示すフローチャートである。また図21は、安定度検証手段21によって処理される原画像11と、基処理画像51および変更処理画像52とを示す図である。図21には、異なる2つの変更処理画像52aおよび52bを示す。以後、これらの変更処理画像52a,52bをまとめて変更処理画像52と記載する場合がある。またここでは、サンプル領域31の輝度の平均が近傍領域32の輝度の平均よりも高い場合について説明する。
【0182】
エキスパートシステムにおいて、複数の原画像11からサンプル図形12に近い図形を抽出する1つの処理手順が構成されると、ステップe0からステップe1に移る。ステップe1では、1つの原画像11に前記処理手順に従う処理を実行して得られる基処理画像51の総抽出画素数Area1iを求め、ステップ2に移る。ここで、基処理画像51の総抽出画素数Area1iとは、2値化処理においてしきい値以上を1とした場合には、画素値が1の画素数であり、2値化処理においてしきい値以下を1とした場合には、画素値が0の画素数である。また、基処理画像51の総抽出画素数を表すArea1iのiは、0からNまでのいずれか1つの値とする。前記Nは、エキスパートシステムに入力される原画像11の総数から1を減算した数である。前記しきい値は、たとえば基処理画像51のサンプル図形12に対応する領域の輝度値の平均値と、その近傍領域の輝度値の平均値との中間値に選ばれる。
【0183】
ステップe2では、上述した2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を、この2値化処理で用いられるしきい値を+γだけ変更した変更2値化処理に代えて、処理手順に従う処理を実行して得られる第1変更処理画像52の総抽出画素数Area2iと、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を、この2値化処理で用いられるしきい値を−γだけ変更した変更2値化処理に代えて、処理手順に従う処理を実行して得られる第2変更処理画像52の総抽出画素数Area3iを求めて、ステップe3に移る。本件発明者の実験結果から、前述の値γは、しきい値×0.01〜しきい値×0.20の間に選ばれ、好ましくはしきい値×0.05に選ばれる。
【0184】
ステップe3では、しきい値を+γだけ変更した変更2値化処理を処理手順に従う複数の処理の1つとする場合の安定度と、しきい値を−γだけ変更した変更2値化処理を処理手順に従う複数の処理の1つとする場合の安定度を算出する。安定度は、前述したArea1iおよびArea2iの比率と、Area1iおよびArea3iと比率から算出される。安定度は、次式(10)および(11)によって算出される。ここで、P2iは、しきい値を+γだけ変更した変更2値化処理を処理手順に従う複数の処理の1つとする場合の安定度を示す。P3iは、しきい値を−γだけ変更した変更2値化処理を処理手順に従う複数の処理の1つとする場合の安定度を示す。
P2i=Area2i/Area1i×100% …(10)
P3i=Area3i/Area1i×100% …(11)
【0185】
次にステップe4に移り、ステップe4では、全ての原画像11を処理して安定度を算出したか否かを判断する。ステップe4で、全ての原画像11を処理して安定度を算出したと判断した場合は、ステップe5に移る。一方、ステップe4で、全ての原画像11を処理して安定度を求めていないと判断すると、ステップe1に移り、ステップe1からステップe3までの動作処理を繰り返す。
【0186】
ステップe5では、式(10)によって算出した安定度P2iのうち最小値と、式(11)によって算出した安定度P3iのうち最大値を求める。式(10)によって算出した安定度P2iのうち最小値をP2minとし、式(11)によって算出した安定度P3iのうち最大値をP3maxとする。
【0187】
次にステップe6に移り、ステップe5で算出したP2minおよびP3maxが、以下(12)の式を満たすか否かを判断する。
{P2min≧η1}&{P3max≦η2} …(12)
【0188】
式(12)において、η1は、安定基準下限値を示し、η2は、安定基準上限値を示す。本件発明者の実験結果から、安全基準下限値η1は、70〜100%の間に選ばれ、好ましくは、95%に選ばれる。安定基準上限値η2は、100〜130%の間に選ばれ、好ましくは105%に選ばれる。
【0189】
ステップe6において、式(12)を満たすと判断した場合には、ステップe7に移る。ステップe6において、式(12)を満たすと判断する場合には、たとえば図21に示す変更処理画像52bが得られる。
【0190】
一方ステップe6において、式(12)満たさないと判断した場合は、ステップe8に移る。ステップe6において、式(12)を満たさないと判断した場合には、たとえば図21に示す変更処理画像52aが得られる。
【0191】
ステップe7では、最小安定度P2minおよび最大安定度P3maxを出力するとともに、前記処理手順に従う複数の処理は、複数の原画像11の輝度の変化に対して安定であることを示す情報を出力して、ステップe9に移り、動作処理を終了する。
【0192】
ステップe8では、最小安定度P2minおよび最大安定度P3maxを出力するとともに、前記処理手順に従う複数の処理は、複数の原画像11の輝度の変化に対して不安定であることを示す情報を出力して、ステップe9に移り、動作処理を終了する。
【0193】
以上のように安定度検証手段21は、複数の原画像11の輝度が変化しても、処理手順に従う複数の処理を実行することによって原画像11からサンプル図形12に近い図形を安定して抽出することができるか否かを示す安定度を出力する。したがって、前記処理手順に従う複数の処理を実行して得られる画像が、輝度の変化に対して安定した処理手順に従う複数の処理によって得られる画像であるのか否かを知ることができる。また前記安定度の高い処理手順に従う複数の処理によって得られる画像であれば、この画像に不具合が生じている場合に、この不具合の原因が被写体にあることを限定することができる。
【0194】
また安定度検証手段21は、安定度を算出するために、原画像11とこの原画像11の輝度を変更した前記原画像11とは異なる原画像11とに、実際に処理手順に従う複数の処理を実行して得られる画像を比較するといった処理を行わない。したがって、1つの原画像11について、この原画像11の輝度を変更した複数の原画像11を入力する必要が無く、1つの原画像11から処理手順の安定度を容易に算出することができ、安定度算出の処理時間を可及的に短くすることができる。
【0195】
また安定度検証手段21は、2値化処理のしきい値を予め定める値だけ変更して変更処理手順を生成する。したがって、2値化処理のしきい値を変更するという極めて容易な処理によって、変更処理手順を作成することができ、安定度を効率よく算出することができる。
【0196】
電子カメラなどの撮像手段によって撮像される画像を原画像11として入力する場合、原画像11の輝度は、撮像手段が撮像する被写体を照らす照明によって決まる。照明は、時間によって微妙に変動することが知られている。このため、同じ被写体を撮像手段によって撮像する場合であっても、入力される原画像11の輝度が異なる場合がある。先行技術では、構成された処理手順に従う処理を実行して得られた画像に不具合が生じている場合、照明に原因があるのか、あるいは被写体に原因があるのか、いずれに問題があるのかを特定することが難しい。
【0197】
本発明では、安定度検証手段21によって出力される安定度が上述した式(12)を満たす場合、時間とともに微妙に変化する照明などの環境の変化に対して頑強であるので、照明などが変動してもサンプル図形12に対応する領域を安定して抽出できる。したがって、エキスパートシステムが抽出する処理手順の信頼性が保証され、エキスパートシステムを画像処理装置に組み込んで使用することができる。また、安定度検証手段21によって出力される安定度が上述した式(12)を満たす場合で、処理された画像に不具合がある場合、照明が原因でないので、原因の究明の対象を被写体に限定することができる。
【0198】
前述したエキスパートシステムによって構成された処理手順に従う複数の処理を実行して、原画像11と同様な画像を処理することによって、この画像からサンプル図形12に近い図形を抽出することができる。
【0199】
前述した本実施の形態のエキスパートシステムでは、複数の設計標本、つまり複数の原画像11および原画像11に対応するサンプル図形12から、処理手順を構成することによって、複数の原画像11およびそれに対応するサンプル図形12間の処理手順の変動が吸収され、より安定した処理手順を構成することができる。
【0200】
画像の全体的な輝度値レベルや抽出する対象の大きさなどの特徴が個々の原画像11およびそれに対応するサンプル図形12間で少しずつ異なっている場合、一組の原画像11およびサンプル図形12によって構成された処理手順は、他の原画像11に対しては良好に働かないことがある。これに対して、多数組の原画像11およびそれに対応するサンプル図形12を用いた手順構成では、それらの画像間の平均的な輝度値の変化や対象の大きさの変化などの影響を緩和することができるように、パラメータの値や処理の種類を組込むことができる。
【0201】
これによって、エキスパートシステムがユーザの意図をより正確に理解することができる。すなわちエキスパートシステムは、ユーザの処理の目的をより明確に把握することができ、その結果を処理手順の中に反映することができる。
【0202】
上述したエキスパートシステムでは、複数の原画像11を入力しているが、入力する原画像11は、1つであってもよい。
【0203】
本発明の実施の他の形態のエキスパートシステムでは、前述した実施の形態のエキスパートシステムにおいて、前処理選択手段17、2値化処理選択手段18、図形融合処理生成手段19における動作処理が異なり、他の構成は同様である。本実施の形態のエキスパートシステムは、入力する原画像11が1つである場合に特化した処理を行う。また、本実施の形態において、前記実施の形態のエキスパートシステムに対応する構成には、同一の符号を付す。
【0204】
図22は、本発明の他の実施の形態のエキスパートシステムにおける前処理選択手段17の動作処理を示すフローチャートである。図22に示す本実施の形態のエキスパートシステムにおける前処理選択手段17の動作処理は、基本的には図15に示す前述の実施の形態のエキスパートシステムにおける前処理選択手段17の動作処理からステップc6およびステップc12を除いて構成される。
【0205】
1組の設計標本が入力されると、ステップf0からステップf1に移る。ステップf1では、原画像11に複数のノイズ除去処理を実行して処理して、ステップf2に移る。ステップf2では、原画像11に対して全てのノイズ除去処理を実行して処理するときに、同時に各ノイズ除去処理による処理時間を算出する。
【0206】
前処理選択手段17は、実行可能な全てのノイズ除去処理を実行して、原画像11からノイズを除去する。前処理選択手段17には、ノイズ除去処理として複数の処理モジュールが用意されている。前記処理モジュールとは、移動平均処理およびメディアンフィルターなどである。本実施の形態では、たとえばノイズ除去処理としては、移動平均処理(1〜5回)およびメディアンフィルター(1〜5回)の2つの処理モジュールがあり、この場合、ステップf1では、合計10種類のノイズ除去処理を実行して、原画像11のノイズを除去する。
【0207】
ステップf2では、複数のノイズ除去処理のうち、1つのノイズ除去処理を実行して処理した原画像11のサンプル図形12に対応する領域の輝度を算出し、輝度分布を求めて、ステップf3に移る。以後、前記ノイズ除去処理後の原画像11を、第1処理画像と記載する場合がある。またノイズ除去処理後の原画像11において、サンプル図形12に対応する領域のことをサンプル領域と記載する場合がある。
【0208】
ステップf3では、ステップf2において輝度を算出した第1処理画像の、近傍領域の輝度を算出し、輝度分布を求めて、ステップf4に移る。
【0209】
ステップf4では、ステップf2で求めたサンプル領域の輝度分布、およびステップf3で求めた近傍領域の輝度分布から、サンプル領域の輝度分布とその近傍領域との輝度分布とに重なりがあるか否かを算出する。
【0210】
ステップf5では、全ての第1処理画像について、前記ステップf2〜ステップf4までの各処理を実行したか否かを判断する。ステップf4で、各第1処理画像について前記ステップf2〜ステップf4までの各処理を実行したと判断した場合、ステップf6に移る。一方、ステップf5で、全ての第1処理画像について、前記ステップf2〜ステップf4までの各処理を実行してはいないと判断した場合、ステップf2に移り、ステップf2およびステップf4における各処理を行っていない第1処理画像に対する処理を実行する。
【0211】
ステップf6では、ステップf4でサンプル領域の輝度分布と近傍領域の輝度分布とが重なるか否かを求めた結果を参照して、全てのノイズ除去処理のうち、サンプル領域の輝度分布と、近傍領域の輝度分布とが重ならないノイズ除去処理があるか否かを判断する。サンプル領域の輝度分布と近傍領域の輝度分布と重ならないノイズ除去処理を、重なり無のノイズ除去処理と記載する場合がある。ステップf6において、前記重なり無しのノイズ除去処理があると判断した場合には、ステップf7に移る。
【0212】
ステップf7では、重なり無のノイズ除去処理のうち最速処理、つまりノイズ除去処理を実行して処理する時間が最も短いノイズの除去処理を選択して、ステップf11に移り、フローを終了する。重なり無のノイズ除去処理によって原画像11を処理する場合、いずれのノイズ除去処理を実行しても、サンプル領域と近傍領域とを精度よく分離することができる。つまり、サンプル領域を精度よく抽出することができる。したがってこのような場合では、処理速度が最も速くなるノイズ除去処理を選択することによって、時間がかかるノイズ除去処理における処理時間を短くすることができる。
【0213】
一方、ステップf6において、前記重なり無しのノイズ除去処理がないと判断した場合には、ステップf8に移る。ステップf8では、複数のノイズ除去処理のうち1つのノイズ除去処理を実行して処理された原画像11の分離度を算出して、ステップf9に移る。
【0214】
ステップf9では、全ての第1処理画像について分離度の算出を行ったか否かを判断する。ここで、全ての第1処理画像について、分離度の算出を行ったと判断した場合、ステップf10に移る。一方、ステップf9で、全ての第1処理画像について、分離度の算出を行ってはいないと判断した場合、ステップf7に移り、分離度を算出していない第1処理画像の分離度を算出する。
【0215】
ステップf10では、ステップf8で算出した分離度に基づいて、各処理モジュールごとに、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択して、ステップf10に移り、動作処理を終了する。たとえばノイズ除去処理が、前述した移動平均処理およびメディアンフィルターからなる場合、移動平均処理を実行して処理された原画像11のうち分離度が最も大きくなるものをノイズ除去処理として選択し、メディアンフィルターを実行して処理された原画像11のうち最も分離度が大きくなるものをノイズ除去処理として選択する。
【0216】
ステップf10では、各処理モジュールごとに、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択するので、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理を実行した原画像を用いて、後述する2値化処理選択手段18が2値化処理を選択することによって、生成された処理手順の精度を向上させることができる。
【0217】
このように前処理選択手段17は、ノイズ除去処理を実行して処理された原画像11のサンプル図形に対応する領域の輝度分布と、その近傍領域との輝度分布とに基づいて、処理速度を優先する、または分離度を優先するノイズ除去処理を選択することができ、精度を落とさずに、処理時間の短い処理手順を構成することができる。これによってエキスパートシステムにおいて、ノイズを除去するノイズ除去処理の処理速度を調整して処理手順を構成することができ、処理手順の生成後に、ノイズ除去処理の処理速度の調整をできるだけ少なくすることができる。
【0218】
本実施の形態では、ステップf2でサンプル領域の輝度分布を算出した後、ステップf3で近傍領域の輝度分布を算出しているが、本発明の実施のさらに他の形態において、前記ステップf2とステップf3とは、順序が逆になってもよい。
【0219】
また本実施の形態では、ステップf10で、各処理モジュールごとに、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を選択しているが、本発明の他の実施の形態では、分離度が最も大きくなるノイズ除去処理を1つ選択してもよい。この場合、後述する2値化処理選択手段18における処理時間を短縮することができる。
【0220】
本実施の形態の2処理処理選択手段18は、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理を実行して処理した原画像11、つまり第1処理画像を2値化するためのしきい値を、段階的に代えて2値化処理を実行する。2値化処理選択手段18は、前述した第2処理画像とサンプル図形12との一致度が最大と成るようなしきい値を決定し、これをしきい値とする2値化処理を選択する。前記一致度が最大となるしきい値が多数存在する場合には、同じ一致度となるしきい値の範囲を求め、この範囲の中央値をしきい値とする。
【0221】
前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理が複数ある場合、2値化処理選択手段18は、それぞれのノイズ除去処理を実行して処理した原画像11に対して、複数の2値化処理を実行して、前述した一致度が最大となる1つの2値化処理を選択する。これによって、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理を実行して一致度が最大となるときに、この2値化処理する前の第1処理画像を得るノイズ除去処理が、エキスパートシステムにおける処理手順の1つとなる。
【0222】
図形融合処理生成手段19は、第2処理画像に複数の図形融合処理を実行し、前記複数の図形融合処理を実行して得られ画像のサンプル図形に対応する領域とサンプル図形12との一致度を算出する。図形融合処理生成手段19は、前記一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合には、複数の図形融合処理の中から最も一致度が大きくなる図形融合処理を選択し、一致度が変わらない、または一致度が小さくなる場合には、図形融合処理を行わないことを選択する。
【0223】
まず図形融合処理生成手段19は、前処理選択手段17によって選択されたノイズ除去処理のうち、2値化処理選択手段18によって用いられた第1処理画像を原画像11から得ることができるノイズ除去処理と、2値化処理選択手段18によって選択された2値化処理とを実行して処理した1つの原画像11、つまり1つの第2処理画像に、それぞれ図形融合処理を行う。図形融合処理生成手段19は、複数の図形融合処理のすべてを実行して第2処理画像を処理する。
【0224】
本実施の形態では図形融合処理生成手段19は、図形融合処理として、たとえば「膨張処理→収縮処理」の膨張処理(1回〜2回)と収縮処理(1回〜2回)の組合せによる4つの処理を実行する。図形融合処理生成手段19は、第2処理画像に前記4つの処理を実行して得られる画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合には、複数の図形融合処理の中から最も一致度が大きくなる図形融合処理を選択する。前記一致度は、上述した式(7)によって同様に求められる。
【0225】
また、図形融合処理生成手段19は、前記4つの処理を実行して得られる画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度が、前記図形融合処理前の第2処理画像のサンプル図形12に対応する領域とサンプル図形12との一致度よりも大きくなる場合に、図形融合処理を選択するのであり、前記4つの処理を実行して算出された一致度が同じ場合は、図形融合処理の処理回数が少ないものを選択する。これによって、構成される処理手順に従う処理を実行したときの計算量を低減することができ、処理時間を可及的に短くすることができる。
【0226】
本実施の形態のエキスパートシステムでは、図1に示す前述の実施の形態のエキスパートシステムよりも動作処理が少ないので、1組の設計標本から処理手順をより短時間で構成することができる。
【0227】
本実施の形態のエキスパートシステムは、コンピュータによって実行可能なプログラムによって実現されるので、前記プログラムをコンピュータによって実行させることによって、コンピュータは、前述の各フローチャートに従って動作し、前述のような作用を達成することができる。またこのような処理を、短時間で行うことができる。
【0228】
また本発明の実施の他の形態のエキスパートシステムは、前記プログラムを記録した記録媒体によって実現されてもよい。前記記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータに読取らせて実行させることによって、前述の各フローチャートに従って動作し、前述のような作用を達成することができる。また、前述した処理を短時間で行うことができる。また記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができるので、本発明の利用範囲が拡大する。
【0229】
上述した各実施の形態では、エキスパートシステムにサンプル図形12を作成するための情報を入力することによって、サンプル作成手段14によってサンプル図形12を作成しているが、本発明の実施の他の形態において、エキスパートシステムにサンプル作成手段14を設けないで、図3に示すようなサンプル図形12を別途に作成して、このサンプル図形12そのものを入力してもよい。
【0230】
【発明の効果】
本発明によれば、不感帯領域を作成することによって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像と同一でなく、この原画像から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合、または小さくなる場合であっても、画像処理エキスパートシステムにおいて構成される処理手順が、サンプル図形が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される処理手順と等しくなる。
【0231】
したがって、原画像から抽出したい領域の画像にあわせて、たとえば1画素単位で正確にサンプル図形を作成できない場合であっても、原画像から抽出したい領域にあわせて1画素単位で正確にサンプル図形を作成した場合と同様の評価の結果を得ることができ、処理手順を正しく評価することができる。言い換えるとサンプル図形の精度が多少粗い場合であっても、手順を正しく評価することができる。このため処理手順の構成に対する安定性を向上することができ、エキスパートシステムの評価精度を落とさず、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。これによって、画像処理手順設計エキスパートシステムを画像処理装置に組込むことが可能になる。
【0232】
また本発明によれば、不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも内側および外側の両方に、不感帯領域を作成する。したがって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像の輪郭線よりも外側に多少大きく場合、および内側に小さくなる場合の両方において、サンプル図形の原画像から抽出したい領域の画像に対する誤差を、より確実に許容することができる。
【0233】
また本発明によれば、不感帯領域作成手段は、サンプル図形および近傍領域の輝度分布が重なる場合には、輝度分布の重なる領域を除いて近傍領域を作成する。これによって、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との輝度差を大きくすることができる。したがって、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出するための処理手順を構成するときに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域とを分離しやすくなるので、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。また、原画像のサンプル図形に対応する領域を除いて近傍領域を作成することによって、処理手順を構成する際の計算処理を低減することができ、処理手順を構成する時間を低減することができる。
【0234】
また本発明によれば、原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成する。また不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域と前記近傍領域との境界部よりも外側および外側のうちの少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する。
【0235】
不感帯領域を作成することによって、サンプル図形が原画像から抽出したい領域の画像と同一でなく、この原画像から抽出したい領域の画像よりも多少大きくなる場合または小さくなる場合であっても、画像処理手順設計エキスパートシステムにおいて構成される処理手順が、サンプル図形が抽出したい領域の画像と同一である場合に構成される処理手順と等しくなる。
【0236】
したがって、原画像から抽出したい領域の画像にあわせて、たとえば1画素単位で正確にサンプル図形を作成できない場合であっても、原画像から抽出したい領域にあわせて1画素単位で正確にサンプル図形を作成した場合と同様の評価の結果を得ることができ、処理手順を正しく評価することができる。言い換えるとサンプル図形の精度が多少粗い場合であっても、手順を正しく評価することができる。このため処理手順の構成に対する安定性を向上することができ、画像処理手順設計エキスパートシステムの評価精度を落とさず、より信頼性の高い図形を抽出する処理手順を構成することができる。
【0237】
また本発明によれば、前記プログラムをコンピュータによって実行させることによって、コンピュータは、前述の評価処理方法に従って動作し、前述のような作用を達成することができる。また前記評価処理方法を、短時間で行うことができる。
【0238】
また本発明によれば、前記記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータに読取らせて実行させることによって、コンピュータを、前述の評価処理方法に従って動作させることができる。また前記評価処理方法を、短時間で行うことができる。また記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができるので、本発明の利用範囲が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステムのアルゴリズムを概略的に示す図である。
【図2】エキスパートシステムの基本的な構成を示す機能ブロック図である。
【図3】サンプル作成手段14によるサンプル26の作成を説明するための図である。
【図4】対象領域27の近傍輪郭線の一例を示す図である。
【図5】対象領域27の近傍輪郭線の他の例を示す図である。
【図6】サンプル作成手段14の動作処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】不感帯作成手段14によって原画像11のサンプル図形12に対応する領域21の周囲に作成される近傍領域32および不感帯領域33を示す図である。
【図8】近傍領域32および不感帯領域33を説明する図である。
【図9】不感帯領域作成手段15の動作処理を示すフローチャートである。
【図10】不感帯領域作成手段15によって作成された、サンプル領域31の輝度分布31aおよび近傍領域32の輝度分布32aとの一例を示す図である。
【図11】サンプル領域31の輝度分布32aと重なっている領域を除いて、近傍領域32を作成したときの、サンプル領域31の輝度分布31aおよび近傍領域32の輝度分布32bとの一例を示す図である。
【図12】サンプル領域31の輝度分布31aおよび背景領域の輝度分布37aを示す図である。
【図13】サンプル領域31の輝度分布31aおよび背景領域の輝度分布37aを示す図である。
【図14】輝度変換判定手段16の動作処理を示すフローチャートである。
【図15】前処理選択手段17の動作処理を示すフローチャートである。
【図16】第1サンプル領域の輝度分布38および第1近傍領域の輝度分布39との一例を示す図である。
【図17】第1サンプル領域の輝度分布38および第1近傍領域の輝度分布39との一例を示す図である。
【図18】フィルター処理生成手段20の動作処理を示すフローチャートである。
【図19】対象画像に含まれる成分の特徴量の分布の一例を示す図である。
【図20】安定度検証手段21における処理手順を示すフローチャートである。
【図21】安定度検証手段21によって処理される原画像11と、基処理画像51および変更処理画像52とを示す図である。
【図22】本発明の他の実施の形態のエキスパートシステムにおける前処理選択手段17の動作処理を示すフローチャートである。
【図23】先行技術の画像処理手順設計エキスパートシステムのアルゴリズムを概略的に示す図である。
【図24】原画像11のサンプル図形12に対応する領域の周囲に作成される近傍領域8を概略的に示す図である。
【符号の説明】
11 原画像
12 サンプル図形
13 画像処理手段
15 不感帯領域作成手段
31 サンプル領域
32 近傍領域
33 不感帯領域

Claims (6)

  1. 原画像および原画像に対応するサンプル図形が入力され、複数の画像処理手段を組合せて、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出する処理手順を構成する画像処理手順設計エキスパートシステムであって、
    原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成するとともに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも外側および内側のうち少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成する不感帯領域作成手段を含むことを特徴とする評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステム。
  2. 前記不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも内側および外側の両方に、不感帯領域を作成することを特徴とする請求項1記載の評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステム。
  3. 前記不感帯領域作成手段は、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との輝度分布が重なる場合、輝度分布の重なる領域を除いて近傍領域を作成することを特徴とする請求項1または2記載の評価処理に特長をもつ画像処理手順設計エキスパートシステム。
  4. 原画像および原画像に対応するサンプル図形が入力され、複数の画像処理手段を組合せて、原画像からサンプル図形に近い図形を抽出する処理手順を構成する画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法であって、
    原画像のサンプル図形に対応する領域の周囲に近傍領域を作成するとともに、原画像のサンプル図形に対応する領域とその近傍領域との境界部よりも外側および内側のうち少なくともいずれか一方に、処理対象から除外される不感帯領域を作成することを特徴とする画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法。
  5. 請求項4記載の画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法をコンピュータによって実行させるためのプログラム。
  6. 請求項4記載の画像処理手順設計エキスパートシステムの評価処理方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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