JP2004220205A - 円形物の識別方法および識別装置 - Google Patents

円形物の識別方法および識別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】円形物の識別装置の性能を向上させつつ低廉化および小型化を図ることを可能とする。
【解決手段】被検出体としての円形物Cの模様を光学的に検出して得た光学画像から、リング状検出領域Vに対応して周方向の画像パターンデータ列Tを順に切り出し、その切り出した周方向画像パターンデータ列Tにおける極大または極小となるピーク位置どうしの間の時間間隔からなるインターバルデータUを求め、そのインターバルデータUを解析することによって特徴部分を検出して、上記円形物Cの種類または真偽を判定することによって、識別処理に要するデータ量および演算量を従来に比して大幅に低減し、円形物Cの識別処理を簡易・効率的・安定的に行わせるように構成したもの。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形物の特徴的模様に関する光学画像のパターンデータ列を解析することによって円形物の種類または真偽を判定するようにした円形物の識別方法および識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動販売機、自動券売機、ゲーム機などのように硬貨等の円形物を取り扱う各種装置には、挿入又は投入された硬貨等の円形物の種類または真偽を判定する識別装置がしばしば設けられている。例えば硬貨識別装置においては、社会問題化している硬貨の偽造・変造に対応すべく様々なタイプの識別装置が従来から提案されており、特願昭61−90547号公報、特願平11−375532号公報、あるいは特願平11−375533号公報などには、硬貨表面の凹凸形状を検知することによって硬貨の識別を行うようにした方式のものが開示されている。また、特許第2803930号公報においては、光学的に読み取った硬貨表面の模様の光学画像から得たパターンデータを、予め記憶されている基準の画像パターンデータと比較することによって、金種または真偽を判定するようにした方式のものが開示されている。
【0003】
このような被検出体としての円形物の模様を光学的に読み取った光学画像からパターンデータを得るようにした従来の円形物識別方法では、例えば図17に示されているように、まずはじめに被検出体としての硬貨の材質と外径とを検出することによって金種の仮決定を行い(ステップ1)、その後に、硬貨表面の模様に関する画像パターンデータを用いることにより金種の本決定を行うようにしている(ステップ2)。
【0004】
そのときの金種の本決定を行う場合の手順を説明すると、まず被検出体としての硬貨の模様を光学的に検出して、例えば図16(a)に示されているような硬貨Cの光学画像を得る。その後、上記光学画像の水平および垂直の射影を形成して、それぞれのカーブの両端点を検出し、それらの座標値の算術平均から硬貨の中心位置を求める。次に、その求めた中心位置を基準として、上記硬貨Cの模様に関する光学画像上に、当該硬貨Cの種類に関する特徴的な模様を含むリング状の検出領域Vを設定する。そして、図18のステップ1のように、上記リング状の検出領域Vに対応する光学画像の環状領域から、周方向に沿って画像パターンデータ列を順に切り出していく。その切り出した画像パターンデータ列(評価データ)は、長方形の行列であり、それをFとして保存する。
【0005】
一方、受け付けるべき硬貨Cの基準データとしては、上記画像パターンデータ列Fに対応する同サイズの表用・裏用の2種類の基準パターンデータT1,T2を予め用意しておき、上記画像パターンデータ列Fを、図18のステップ2のように第1番目の画素から順に、上記2種類の基準パターンデータT1,T2と照合することにより類似性を算出していく。この基準パターンデータT1,T2との照合作業は、図16(b),(c)のように、硬貨Cの表・裏に関してそれぞれ行うこととし、その結果として得られた類似性の尺度には、例えば図18中のステップ3のように、次の式1で表されるような正規化相関係数rがしばしば用いられている。
【数1】
Figure 2004220205
【0006】
このようにして第1番目の画素について得た相関値をr1とした後、図18のステップ4,5,6に示されているように、画素を1画素ずつ順次シフトしていきながら同様な操作をN回繰り返し、それによって相関値の系列{r1,r2,・・・rN}を得る。そして、図6のステップ7に示されているように、上述したN個の相関値のうちで最大のもの検出して類似度rに設定し、その類似度rが、予め設定しておいた閾値rtよりも大きければ、次のステップ8のYesの手順のように、現在評価中の硬貨を既に仮決定した金種に一致するものと判定し、次のステップ9において、それを正式な金種として受け容れる。一方、ステップ8のNoのように、上述した類似度rが閾値rtよりも小さければ、仮決定した金種をステップ10で棄却することとする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような円形物の光学画像のパターンデータを用いて識別を行うようにした従来の円形物識別方法または装置では、大量のパターンデータを複雑に演算処理する画像処理ステップを要することから、実用的な識別精度や処理時間を確保するためには、大容量の記憶素子や高速な演算素子を導入することが必要となり、装置が大型で高価なものにならざるを得ないという問題がある。
【0008】
また、実際に挿入または投入される硬貨等の円形物は、使用の経歴が相互に異なっており、表面が滑らかで高反射率を有するものや、摩耗・汚れが進んで表面の反射率が低下しているものなど、幅広い反射レベルを備えたものが存在している。従って、同じ種類の円形物であっても、光学画像上のコントラストは大きく変動したものとなっており、濃度変換等の処理を要することもあって、その点からしても装置の低廉化および小型化は困難になっている。
【0009】
そこで本発明は、被検出体としての円形物の識別処理を、簡易かつ効率的に行うことを可能とし、装置の性能を向上させつつ低廉化および小型化を図ることができるようにした円形物の識別方法および識別装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる円形物の識別方法では、被検出体としての円形物の模様を光学的に検出して得た光学画像から、上記円形物の種類ごとの特徴的な模様を含むように設定されたリング状検出領域に対応して画像パターンデータ列を周方向に沿って順に切り出し、その切り出した周方向画像パターンデータ列における極大または極小となるピーク位置を検出し、それらの各ピーク位置において互いに隣接するピーク位置どうし間の時間間隔からなるインターバルデータを求め、そのインターバルデータを解析することによって当該インターバルデータに含まれている特徴部分を検出して、上記円形物の種類または真偽を判定するようにしている。
このような構成を有する請求項1にかかる円形物の識別方法によれば、画像パターンデータ列におけるピーク位置のインターバルデータを用いるために、識別処理に要するデータ量および演算量が、従来に比して大幅に低減されることとなり、その結果、円形物の識別処理が簡易かつ効率的に、しかも安定的に行われるようになっている。
【0011】
また、本発明の請求項2にかかる円形物の識別方法では、上記請求項1におけるインターバルデータの解析が、予め設定された基準インターバルデータとインターバルデータとを比較することによって行うようにしている。
このような構成を有する請求項2にかかる円形物の識別方法によれば、画像パターンデータ列から算出したインターバルデータを基準インターバルデータと比較するだけでよいため、識別処理に要するデータ量および演算量が、より一層大幅に低減されることとなって、円形物の識別処理が、さらに簡易・効率的・安定的に行われるようになっている。
【0012】
さらに、本発明の請求項3にかかる円形物の識別方法では、上記請求項2におけるインターバルデータと基準インターバルデータとの比較を、ダイナミックプログラムマッチング法により行うようにしている。
このような構成を有する請求項3にかかる円形物の識別方法によれば、画像パターンデータ列から算出したインターバルデータと基準インターバルデータとの比較が、より確実かつ高速に行われるようになっている。
【0013】
さらに、本発明の請求項4にかかる円形物の識別装置では、上記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の円形物識別方法を用いて、被検出体としての円形物の種類または真偽を判定する識別手段を備えている。
このような構成を有する請求項4にかかる円形物の識別装置によれば、上述した本発明にかかる識別方法と同様な作用が得られることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示されている実施形態は、本発明にかかる円形物識別方法を実施するように構成された硬貨識別装置の硬貨搬送系であって、平面略「く」の状に折れ曲げられた形状の硬貨搬送路1には、図示右端側の搬送入口部1aから図示左方側に向かって送られてきた被検出体としての硬貨(円形物)Cを支持する底面摺動板1bが設けられているとともに、その底面摺動板1bの直上に、搬送ベルト2が配置されている。この搬送ベルト2は、特に図2に示されているように、当該搬送ベルト2の下側ベルト部分2aと上記底面摺動板1bとの間に前記硬貨Cの厚さ分に相当する隙間が画成されるように略平行に対面する配置関係になされており、この搬送ベルト2と底面摺動板1bとの間に硬貨Cを挟持しながら、当該搬送ベルト2の延在方向に向かって硬貨Cを搬送させる構成になされている。
【0015】
また、上記底面摺動板1bの一側部には、当該底面摺動板1bの縁部に沿うようにしてガイド3が立設されているとともに、そのガイド3に対して硬貨Cを押し付ける硬貨規制レバー4が、上記硬貨搬送路1の折れ曲がり部分においてピン4aによって回動可能に軸支されている。上記硬貨規制レバー4は、前記底面摺動板1b上に支持されながら送られてくる硬貨Cを、図示を省略したバネ等の付勢手段によって前記ガイド3側に押し付けるように構成されていて、当該硬貨規制レバー4が配置された部位から搬送方向下流側に向かって送り出された硬貨Cは、上記ガイド3に対して外周面部を接触させた状態を維持しながら順次搬送されるようになっている。
【0016】
さらに、上記硬貨搬送路1には、硬貨Cの表面に形成された模様を検出するための光学式コインセンサ装置CSUが取り付けられている。この光学式コインセンサ装置CSUは、例えば特開平5−143826号公報に開示されたものと同様なCCDエリアセンサを備えたものであるが、その概要を説明しておくと、図3に示されているように、上述した底面摺動板1b上に沿って送られてきた硬貨(円形物)Cがセンサ位置1c上に到達すると、その硬貨(円形物)Cを、内部に撮像素子を備えたセンサ本体5が検知することにより、上記センサ位置1cを環状に取り巻くように配置された照明6が点灯し、上記硬貨Cからの反射光を上記センサ本体5内に取り込む。その結果、上記硬貨Cの表面に形成されている模様に関する光学画像が、例えば図5に示されている500円硬貨のように得られる。そして、その500円硬貨Cの光学画像を用いて、以下のようにして金種または真偽の判定が行われるようになっている。
【0017】
まず、上述した被検出体としての500円硬貨Cの模様に関する光学画像(図5参照)を用いて水平および垂直の射影を形成し、それぞれのカーブの両端点を検出して、それらの座標値の算術平均から硬貨の中心位置を求める。次に、その求めた中心位置を基準として、上記500円硬貨Cの光学画像上に、当該500円硬貨Cの特徴的な模様を含むリング状の検出領域Vを設定する。本実施形態におけるリング状検出領域Vでは、上記500円硬貨Cの外周側より5本のリング状検出領域V1,V2,V3,V4,V5を同心状に設定しており、それらの各リング状検出領域V1,V2,V3,V4,V5では、周方向に5度の間隔で、1つのリング状検出領域あたり72箇所の検出点が環状に並列されている。
【0018】
そしてまず、識別すべき真の500円硬貨Cを用いて、基準の画像パターンベクトルデータ列Uを作成する。すなわち、上述したリング状検出領域V1〜V5に対応して、画像パターンデータ列をそれぞれ周方向に沿って順に切り出す。そのときに切り出した各画像パターンデータ列は、本実施形態では5(本)×72(点/周)に相当する長方形の行列となっているが、それら5本の各画像パターンデータ列は、例えば図6に示されているようになる。
【0019】
次に、上述した5本の各画像パターンデータ列を、それぞれの列ごとに加算することにより重ね合わせて平均化(圧縮)し、図7に示されているような1次元の画像ベクトルデータ列Tを得る。そして、その画像ベクトルデータ列Tにおける極大および極小の両方、またはそれらのいずれか一方となっているピーク位置を検出し、それらの各ピーク位置において互いに隣接するピーク位置どうし間の時間間隔を計測して、1周分に相当するインターバルデータを求める。
【0020】
極小および極大の両方のピーク位置を用いた場合のインターバルベクトルデータUは、例えば以下のようになる。
U={111421133111434413211211442124431}(n=33)
このインターバルベクトルデータUは、33個の要素からなるものであるが、そのインターバルベクトルデータUを基準データとして採用する。
【0021】
次に、実際に挿入または投入された被検出体としての円形物(硬貨)Cに対して同様な処理を行い、まず、その円形物Cの表面に形成されている模様に関する光学画像を検出し、上述したと同様にして求めた中心位置を基準として、当該円形物Cの光学画像上に、特徴的な模様を含む5本の同心状のリング状検出領域V1〜V5(図5参照)を設定し、それらの各リング状検出領域V1〜V5の各々において、周方向に5度間隔をなす計72箇所の検出点をそれぞれ設定する。
【0022】
そして、図4のステップ1のように、上記各リング状検出領域V1〜V5の各検出点における輝度の検出を、周方向に沿った順に連続して行うことによって、周方向に連続する画像パターンデータ(評価データ)列を上記光学画像から切り出す。本実施形態において切り出した画像パターンデータ列は、5(本)×72(点/周)の長方形の行列となっているが、それら5本の各画像パターンデータ列は、例えば図6に示されているようになる。
【0023】
次に、それらの周方向に切り出した5本の各画像パターンデータ列を、それぞれの列ごとに加算することにより重ね合わせてから平均化(圧縮)し、図7に示されているような1次元の画像ベクトルデータ列Fを得る。そして、図4のステップ2のように、上記各画像ベクトルデータ列Fにおける極大および極小の両方またはそれらのいずれか一方となっているピーク位置を検出し、それらの各ピーク位置において互いに隣接するピーク位置どうし間の時間間隔を計測して、1周分に相当するインターバルベクトルデータDを求める。
【0024】
次に、このようにして得たインターバルベクトルデータDを、上述した基準のインターバルベクトルデータUと比較することとなるが、その比較を行うにあたっては、比較するベクトルサイズが異なっていても実行可能な公知のダイナミックプログラミング(DP)を用いる。
【0025】
このダイナミックプログラミング(DP)では、まず図4中のステップ3のように、円周方向の第1番目の画素(i=1)から始めることとし、第1番目の画像ベクトルデータ列F1を求める。そして、同図のステップ4に移行して、上述した第1番目の画像ベクトルデータ列F1における例えば極小および極大の両方のピーク位置を用いて隣接間距離を検出し、第1番目のインターバルベクトルデータD1を算出する。このインターバルベクトルデータD1は、例えば以下のような36個の要素からなる。
D1=[112311321131111244511331132121124441](n=36)
【0026】
そして、このようにして得た第1番目のインターバルベクトルデータD1を、図4中のステップ5のように、上述した基準のインターバルベクトルデータUと比較する。その比較の結果、例えば図8のような状態で得られた第1番目のベクトル間距離(非一致度)をr(1)として保存する。なお、図8に示されている場合のベクトル間距離(非一致度)r(1)は、「23」となっている場合である。
【0027】
次に、図4中のステップ6,7,8のようにして、円周方向の第2番目の画素(i=2)に1画素分だけシフトし、その第2番目の画素から始まる同様な操作を繰り返すことによって、第2番目の画像ベクトルデータ列F2を求める。そして、その第2番目の画像ベクトルデータ列F2に基づいて第2番目のインターバルベクトルデータD2を算出し(同図中のステップ4)、それにより得た第2番目のインターバルベクトルデータD2を、上述した基準のインターバルベクトルデータUと比較して、第2番目のベクトル間距離(非一致度)をr(2)を算出して保存を行う(同図中のステップ5)。
【0028】
このような操作を1画素ずつシフトしながら一周分にわたって繰り返すことによって、各シフト量iに対応するベクトル間距離(非一致度)r(i)を一周分にわたって得た後、図4のステップ9のように、それらの全r(i)のうちの最小になっているものmin(r)を全データの代表非一致度rに設定する。そして、その代表非一致度rを、図4中のステップ10のように、予め設定しておいた閾値rtと比較、同ステップ10のYesのように、上述した代表非一致度rが閾値rtより小さければ、図4のステップ11に移行して、既に選択されている仮金種をそのまま受け容れて採択することとする。
【0029】
一方、図4中のステップ10のNoのように、上述した代表非一致度rが閾値rtと同じか大きくなっている場合には、同図中のステップ12に移行して、仮金種を排除することとする。例えば500円硬貨の場合におては、上述した閾値を「30」に設定して大小関係を検出することとなる。
【0030】
本実施形態のように、シフト操作を行いつつ比較する理由は、挿入または投入される円形物(硬貨)の角度が規制されていないことを前提としたことである。つまり、任意の角度で挿入または投入された円形物(硬貨)であっても、真の金種であれば、上述したシフト操作が一巡する間に、基準データに近いベクトル間距離データが検出されるはずである。例えば図9に示されている500円硬貨の例では、39画素分だけシフトしたときのダイナミックプログラミングにより得た図10および図11に示されているようなベクトル間距離において、最小の非一致度「21」を得た。
【0031】
一方、例えば図12に示されているような受付金種以外の硬貨が挿入または投入された場合には、切り出し加算後の波形は図13に示されているようになり、それに基づいて得られた第1番目のインターバルベクトルデータD1は、例えば、
D1=[2213742521123212111121211321424131](n=34)
となり、そのインターバルベクトルデータD1を用いたダイナミックプログラミングの結果は、図14のようにr(1)=34となる。
【0032】
以下、同様にして巡回シフトを行って非一致度を順に求めて閾値と比較していくが、受付すべき硬貨以外の場合には閾値を超えることとなって、そのときの円形物は排除される。
【0033】
このように本実施形態によれば、画像パターンデータ列において極大または極小となっているピーク位置に関するインターバルデータを用いることによって、識別処理に要するデータ量および演算量が大幅に低減されることとなり、挿入または投入された円形物の識別処理が、簡易かつ効率的に、しかも安定的に行われるようになっている。
【0034】
特に本実施形態では、インターバルデータの解析を行うにあたって、予め設定された基準インターバルデータとの比較で行うようにしており、しかも、そのインターバルデータと基準インターバルデータとの比較を、ダイナミックプログラムマッチング(DP)により行うようにしていることから、識別処理に要するデータ量および演算量は、より一層大幅に低減されているとともに、画像パターンデータ列のインターバルデータと基準インターバルデータとの比較が、確実に行われるようになっている。
【0035】
一方、図15に示されている実施形態では、インターバルの算出を最初に一度だけ行って(ステップ1〜3)、インターバルデータD1と基準インターバルデータUとの比較を行い(ステップ4,5)、以後は、インターバルデータだけを1要素ずつシフトさせながら(ステップ6〜8)、基準インターバルデータとの比較を行うようにしたものである。このような実施形態によれば、演算処理時間を更に少なくすることが可能となる。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態のようにリング状に切り出したデータを重ね合わせることなく、元の複数の各リング状データごとにインターバルデータの演算を行うようにすることも可能である。
【0038】
また、本発明は、上述した実施形態のような硬貨に限定されることなく適用することが可能であり、例えばゲームトークンのような多種多様な円形物を被検出体とすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1にかかる円形物の識別方法は、被検出体としての円形物の模様を光学的に検出して得た光学画像から、リング状検出領域に対応して周方向の画像パターンデータ列を順に切り出し、その切り出した周方向画像パターンデータ列における極大または極小となるピーク位置どうしの間の時間間隔からなるインターバルデータを求め、そのインターバルデータを解析することによって特徴部分を検出して、上記円形物の種類または真偽を判定することによって、識別処理に要するデータ量および演算量を従来に比して大幅に低減させて、円形物の識別処理を簡易・効率的・安定的に行わせるように構成したものであるから、識別装置の性能を向上させつつ低廉化および小型化を図ることができるという極めて顕著な効果を奏するものである。
【0040】
また、本発明の請求項2にかかる円形物の識別方法は、上記請求項1におけるインターバルデータの解析を、予め設定された基準インターバルデータとインターバルデータとを比較して行うことによって、識別処理に要するデータ量および演算量をより一層大幅に低減させ、円形物の識別処理を更に簡易・効率的・安定的に行い得るようにしたものであるから、上述した効果を確実に得ることができる。
【0041】
さらに、本発明の請求項3にかかる円形物の識別方法は、上記請求項2におけるインターバルデータと基準インターバルデータとの比較をダイナミックプログラムマッチング法により行うことによって、画像パターンデータ列から算出したインターバルデータと基準インターバルデータとの比較を、より確実かつ高速に行い得るようにしたものであるから、上述した効果を一層向上させることができる。
【0042】
さらにまた、本発明の請求項4にかかる円形物の識別装置は、上記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の円形物識別方法を用いて、被検出体としての円形物の種類または真偽を判定する識別手段を備えたものであるから、上述した本発明にかかる識別方法と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬貨識別装置に設けられている硬貨搬送路の概略構造を表した平面説明図である。
【図2】図1に表した硬貨搬送路の側面説明図である。
【図3】図1に表した硬貨検出装置に設けられている光学式コインセンサ装置の概略構造を表した部分拡大側面説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における円形物識別手順を表したフロー図である。
【図5】円形物(硬貨)の光学画像の一例を表した正面説明図である。
【図6】図5にかかる光学画像上に設定した5本のリング状検出領域において周方向に切り出した画像パターンデータ列の一例を表した線図である。
【図7】図6における5本の各画像パターンデータ列を重ね合わせて平均化(圧縮)して得た1次元の画像ベクトルデータ列の一例を表した線図である。
【図8】インターバルベクトルデータDをダイナミックプログラミング(DP)によって基準インターバルベクトルデータUと比較するした結果の一例を表した線図である。
【図9】500円硬貨の基準ベクトルデータ列の一例を表した線図である。
【図10】500円硬貨に対して39画素分だけシフトして得た画像ベクトルデータ列の一例を表した線図である。
【図11】図10に表した画像ベクトルデータ列に関するダイナミックプログラミングによる比較結果の一例を表した線図である。
【図12】受付金種以外の硬貨に関する光学画像の一例を表した正面説明図である。
【図13】図12に表した硬貨に関する画像ベクトルデータ列の一例を表した線図である。
【図14】図13に表した画像ベクトルデータ列に関するダイナミックプログラミングによる比較結果の一例を表した線図である。
【図15】本発明の他の実施形態における円形物識別手順を表したフロー図である。
【図16】一般の識別方法における円形物識別手順を模式的に表した工程説明図である。
【図17】一般の識別方法における円形物識別手順を表した概略フロー図である。
【図18】図17に表した概略フローにおける金種本決定の識別手順を表した概略フロー図である。
【符号の説明】
1 硬貨搬送路
C 硬貨(円形物)
CSU 光学式コインセンサ装置(CCDエリアセンサ)
V(V1,V2,V3,V4,V5) リング状検出領域
U 基準の画像パターンベクトルデータ列
T 画像ベクトルデータ列
F 画像ベクトルデータ列
D インターバルベクトルデータ

Claims (4)

  1. 被検出体としての円形物に設けられた模様を光学的に検出した後、その円形物の模様に関する光学画像上に、当該円形物の種類に関する特徴的な模様を含むリング状の検出領域を設定し、そのリング状の検出領域に対応する上記光学画像上の環状領域から周方向に沿って画像パターンデータ列を順に切り出し、当該切り出した画像パターンデータ列を適宜の手法で解析することによって、前記円形物の種類または真偽を判定するようにした円形物の識別方法において、
    上記画像パターンデータ列から極大または極小となっているピーク位置を検出し、
    それらの各ピーク位置において互いに隣接するピーク位置どうし間の時間間隔を検出してインターバルデータを求め、
    そのインターバルデータに含まれている特徴部分を解析して検出することによって、前記円形物の種類または真偽を判定するようにしたことを特徴とする円形物の識別方法。
  2. 前記インターバルデータに対する解析は、当該インターバルデータを、予め設定された基準インターバルデータと比較することによって行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の円形物の識別方法。
  3. 前記インターバルデータと基準インターバルデータとの比較を、ダイナミックプログラムマッチング法により行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の円形物の識別方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の円形物識別方法を用いて、被検出体としての円形物の種類または真偽を判定する識別手段を備えたことを特徴とする円形物の識別装置。
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