JP2004219190A - 光ファイバを用いたひずみ分布計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ひずみ分布測定の分解能を大幅に向上できる光ファイバを用いたひずみ分布計測装置を提供する。
【解決手段】ひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、z軸周りにらせん形状に巻回された光ファイバ2と、光ファイバ2に光を入射し光ファイバ2からの散乱光を検出することによって、光ファイバ2の長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知装置4などで構成され、被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を計測する。
【選択図】 図1
【解決手段】ひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、z軸周りにらせん形状に巻回された光ファイバ2と、光ファイバ2に光を入射し光ファイバ2からの散乱光を検出することによって、光ファイバ2の長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知装置4などで構成され、被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を計測する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを用いたひずみ分布計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、例えば特開2000−46527号公報に記載されているように、センサとして機能する光ファイバを被測定物、例えばコンクリート中に敷設して、コンクリート外に設けたひずみ検知装置により、ファイバ内に生じたひずみを検知している。
【0003】
ひずみ検知装置は、光ファイバに周波数(ν0+νs)の入射パルスを入射し、光ファイバ内のブリルアン散乱により生じた周波数(ν0+νs±νb)の反射パルスを受信している。νbはブリルアン散乱光の周波数(一般には、ブリルアン周波数シフト)であり、ひずみの変化量と周波数シフトΔνbとが線形関係にある場合、周波数シフトΔνbを測定することによって、ひずみが求まる。また、入射パルスの送出から反射パルスの受信までの遅延時間を測定することによって、光ファイバのひずみ位置が求まる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−46527号公報(図4)
【非特許文献1】
野口常雄、倉島利雄、立田光廣、「ブリルアン分光による光ファイバのひずみ分布測定」、電子情報通信学会論文誌、B−I, Vol.J73−B−I, No.2, pp.144−152, 1990年2月
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載されているように、1550nmの光波長において通信用光ファイバのブリルアン散乱光の周波数は50MHz程度であり、時間分解能20ns以下である。また、ある点において生じたブリルアン散乱光は、光ファイバの2m内に分布するため、ひずみ計測の距離分解能は2m以上になる。
【0006】
距離分解能が2m以上である場合、数kmという計測範囲におけるひずみ分布を計測する土木・建築分野ではあまり問題とならない。しかしながら、計測範囲がせいぜい全長数十cm〜数mといった電気機器・電子機器内のひずみ分布を測定する場合、距離分解能が不足しているため、ひずみ分布は測定できない。
【0007】
本発明の目的は、ひずみ分布測定の分解能を大幅に向上できる光ファイバを用いたひずみ分布計測装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、z軸周りにらせん形状に巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、球の経線に沿って所定の経度ピッチで巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体の経度方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1(a)は本発明の第1実施形態を示す構成図であり、図1(b)はその部分拡大図である。ここでは被計測物体として、銅などの導体31が電気絶縁を目的としたエポキシ樹脂などのモールド樹脂32で被覆された高電圧機器用樹脂モールドブッシングを用いた例を示す。
【0011】
導体31はz軸方向に沿って細長い形状を有し、光ファイバ2は、導体31の周面から所定間隔を隔ててらせん形状に巻回されており、センサプローブとして機能する。導体31および光ファイバ2はモールド樹脂32の内部に埋め込むように装着され、全体として一体化されている。
【0012】
光ファイバ2の両端はモールド樹脂32から外部に引き出され、その先端には光コネクタ5がそれぞれ設けられる。光コネクタ5には、光伝送用の光ファイバ3が着脱自在に接続され、光ファイバ3はひずみ検知装置4に接続されている。
【0013】
光ファイバ2,3は、例えば光通信用(波長1550nmや1300nm)として一般的な石英製光ファイバを使用できる。
【0014】
ひずみ検知装置4として、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA:Brillouin Optical Time Domain Analyzer)を使用でき、これは光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0015】
図2は、誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)の基本構成を示すブロック図である。光ファイバ2の一端にポンプ用パルス光源を配置し、光ファイバ2の他端にプローブ用連続(CW)光源を配置し、両光源からの出射光を光ファイバ2の中に対向して入射させる。また、パルス光源の光周波数νpとCW光源の光周波数νcwの差Δν=νp−νcwを光ファイバの誘導ブリルアン周波数に一致させる。このとき、光ファイバ中に生じた誘導ブリルアン散乱によってパルス光からCW光への光電力変換過程が生じて、CW光は光ファイバ中でブリルアン増幅される。
【0016】
増幅されたCW光は、光周波数フィルタ6を通過後、光検出器7により電気信号に変換されて記録される。光検出器7として、光学時間領域反射計(OTDR:Optical Time Domain Reflectometer)を使用できる。光周波数フィルタ6は、中心光周波数がCW光の光周波数に一致したバンドパスフィルタ(BPF)であり、光周波数νpのパルス光によるレーリ散乱光等のノイズ信号を減衰させる。
【0017】
図3は、光ファイバ内に発生する散乱光の代表的なスペクトルを示すグラフである。縦軸は散乱光の強度、横軸は波長をそれぞれ示す。ブリルアン散乱は、単色性が強い入射光が媒質中に生じる音波と相互作用して、媒体固有の周波数分のズレをもった光周波数で散乱する現象である。波長1550nm,1300nmの石英製光ファイバを用いた場合、ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbはそれぞれ±13GHz,±11GHz程度になる。
【0018】
図4は、ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbとひずみとの関係を示すグラフである。例えば、波長1550nmの石英製光ファイバを用いた場合、ひずみが1%のとき、周波数シフトΔνbは493(MHz)となる。周波数シフトΔνbとひずみとの関係はほぼリニアに近似することができ、光ファイバ中のブリルアン周波数シフトの変化量を求めることにより、光ファイバ中のひずみを計測することができる。
【0019】
また、入射パルスの送出から反射パルスの受信までの遅延時間を測定することによって、光ファイバのひずみ位置を計測可能である。従って、遅延時間と周波数シフトとの関係を解析することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0020】
こうした原理を用いたひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2をz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、z軸方向の距離分解能を向上させている。
【0021】
図1において、光ファイバ2のらせん半径R、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πRを満たすことが好ましい。これによってz軸方向の距離分解能をらせん一周分のピッチp以下に設定できる。例えば、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLが2mである場合、R=2m/2π=約32cmと計算でき、光ファイバ2のらせん半径Rを約32cm以上に設定することにより、らせん一周期分の長さが距離分解能ΔLより長くなる。そこで、光ファイバ同士が接触しない程度に光ファイバ2のらせんピッチpをできる限り小さく設定し、例えばp=3mm程度に設定することによって、z軸方向の距離分解能を3mm程度に向上できる。
【0022】
図1に示した樹脂モールドブッシングは軸対称形状であるため、荷重や拘束条件が軸対称である場合(軸方向荷重や半径方向定圧など)に生じる内部ひずみは軸対称に分布する。そのため、軸対称軸に直交する面内の周方向ひずみは一定であり、距離分解能ΔLの限界が2mであっても殆ど問題にはならない。一方、内部ひずみ分布、特にモールド樹脂32の内部ひずみを評価する上でz軸方向に沿ったひずみ分布については、らせんの一周期間隔単位で計測可能になる。
【0023】
なお、図1では光ファイバ2をモールド樹脂32の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2をモールド樹脂32の表面に装着することによって、モールド樹脂32の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。また、光ファイバ2を導体31の表面に装着することによって、導体31の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0024】
実施の形態2.
図5(a)は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、図5(b)はその部分拡大図である。ここでは、ブッシングの樹脂モールド工程における内部ひずみを測定する例を説明する。樹脂モールド工程において、導体31をモールド用の金型33にセットし、センサプローブとして機能する光ファイバ2を導体31の周面から所定間隔でらせん形状に巻回して位置決めする。この状態でモールド樹脂32を金型33の内部に注入し硬化させる。
【0025】
モールド樹脂32として、エポキシ樹脂などの加熱硬化型樹脂を用いた場合、高温(例えば120℃)下で樹脂の注入、硬化が行なわれる。樹脂硬化後、ブッシングは金型33から取り出して室温まで冷却される。そのため、硬化反応に伴う樹脂の収縮や冷却時の熱収縮が埋め込み部品である導体31により拘束されて、内部ひずみを発生させる。そこで光ファイバ2を金型33の内部に予めセットすることにより、樹脂モールド工程での内部ひずみ分布を監視することができる。
【0026】
光ファイバ2は、図1と同様に、導体31のz軸周りにらせん形状に巻回されており、光コネクタ5および光伝送用の光ファイバ3を経由して、ひずみ検知装置4に接続されている。ひずみ検知装置4は、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)を使用し、光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により,光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0027】
こうした原理を用いたひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2をz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、z軸方向の距離分解能を向上させている。
【0028】
なお、図5では光ファイバ2をモールド樹脂32の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2を金型33の内面に装着することによって、金型33の内面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。また、光ファイバ2を導体31の表面に装着することによって、導体31の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0029】
実施の形態3.
図6(a)は本発明の第3実施形態を示す平面図であり、図6(b)はその正面図である。ここでは被計測物体として、金属、樹脂、コンクリート等からなる球状構造物35を用いた例を示す。
【0030】
光ファイバ2は、球の極Nおよび極Sを通る経線に沿って一周毎に所定の経度ピッチでずれるように巻回されており、球状構造物35の内部に埋め込まれてセンサプローブとして機能する。
【0031】
光ファイバ2の両端は球状構造物35から外部に引き出され、その先端は光コネクタ(不図示)を介して光伝送用の光ファイバ3と着脱自在に接続され、光ファイバ3はひずみ検知装置4に接続されている。
【0032】
光ファイバ2,3は、例えば光通信用(波長1550nmや1300nm)として一般的な石英製光ファイバを使用できる。
【0033】
ひずみ検知装置4として、図2〜図4に示したように、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA:Brillouin Optical Time Domain Analyzer)を使用でき、これは光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0034】
BOTDA形式のひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2を経線に沿って巻回させ、一周毎に所定の経度ピッチでずらすことによって、経度θ方向の角度分解能を向上させている。
【0035】
図6において、光ファイバ2の経線半径r、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πrを満たすことが好ましい。これによって経度θ方向の距離分解能を一周分の経度ピッチ以下に設定できる。例えば、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLが2mである場合、r=2m/2π=約32cmと計算でき、光ファイバ2の経線半径rを約32cm以上に設定することにより、一周分の長さが距離分解能ΔLより長くなる。そこで、光ファイバ同士が接触しない程度に光ファイバ2の経度ピッチをできる限り小さく設定し、例えば3mm/32cm=9.4mrad程度に設定することによって、経度θ方向の角度分解能を9.4mrad程度に向上できる。
【0036】
なお、図6では光ファイバ2を球状構造物35の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2を球状構造物35の表面に装着することによって、球状構造物35の表面における経度θ方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0037】
また、光ファイバ2の巻回形状は、球形が極方向に扁平または伸張した回転楕円体であっても本発明は同様に適用できる。
【0038】
以上の説明では、ひずみ検知器として誘導ブリルアン散乱を利用したBOTDAを採用した例を示したが、その他の光ファイバ散乱光を利用したひずみ検知器も同様に採用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上詳説したように、センサプローブとして機能する光ファイバをz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を高い分解能で計測することができる。
【0040】
また、センサプローブとして機能する光ファイバを球の経線に沿って所定の経度ピッチで巻回させることによって、被計測物体の経度θ方向に沿ったひずみ分布を高い分解能で計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態を示す構成図であり、図1(b)はその部分拡大図である。
【図2】誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)の基本構成を示すブロック図である。
【図3】光ファイバ内に発生する散乱光の代表的なスペクトルを示すグラフである。
【図4】ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbとひずみとの関係を示すグラフである。
【図5】図5(a)は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、図5(b)はその部分拡大図である。
【図6】図6(a)は本発明の第3実施形態を示す平面図であり、図6(b)はその正面図である。
【符号の説明】
2,3 光ファイバ、 4 ひずみ検知装置、 5 光コネクタ、 6 光周波数フィルタ、 7 光検出器、 31 導体、 32 モールド樹脂、 33金型、 35 球状構造物。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを用いたひずみ分布計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、例えば特開2000−46527号公報に記載されているように、センサとして機能する光ファイバを被測定物、例えばコンクリート中に敷設して、コンクリート外に設けたひずみ検知装置により、ファイバ内に生じたひずみを検知している。
【0003】
ひずみ検知装置は、光ファイバに周波数(ν0+νs)の入射パルスを入射し、光ファイバ内のブリルアン散乱により生じた周波数(ν0+νs±νb)の反射パルスを受信している。νbはブリルアン散乱光の周波数(一般には、ブリルアン周波数シフト)であり、ひずみの変化量と周波数シフトΔνbとが線形関係にある場合、周波数シフトΔνbを測定することによって、ひずみが求まる。また、入射パルスの送出から反射パルスの受信までの遅延時間を測定することによって、光ファイバのひずみ位置が求まる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−46527号公報(図4)
【非特許文献1】
野口常雄、倉島利雄、立田光廣、「ブリルアン分光による光ファイバのひずみ分布測定」、電子情報通信学会論文誌、B−I, Vol.J73−B−I, No.2, pp.144−152, 1990年2月
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載されているように、1550nmの光波長において通信用光ファイバのブリルアン散乱光の周波数は50MHz程度であり、時間分解能20ns以下である。また、ある点において生じたブリルアン散乱光は、光ファイバの2m内に分布するため、ひずみ計測の距離分解能は2m以上になる。
【0006】
距離分解能が2m以上である場合、数kmという計測範囲におけるひずみ分布を計測する土木・建築分野ではあまり問題とならない。しかしながら、計測範囲がせいぜい全長数十cm〜数mといった電気機器・電子機器内のひずみ分布を測定する場合、距離分解能が不足しているため、ひずみ分布は測定できない。
【0007】
本発明の目的は、ひずみ分布測定の分解能を大幅に向上できる光ファイバを用いたひずみ分布計測装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、z軸周りにらせん形状に巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る光ファイバを用いたひずみ分布計測装置は、被計測物体に装着され、球の経線に沿って所定の経度ピッチで巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体の経度方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1(a)は本発明の第1実施形態を示す構成図であり、図1(b)はその部分拡大図である。ここでは被計測物体として、銅などの導体31が電気絶縁を目的としたエポキシ樹脂などのモールド樹脂32で被覆された高電圧機器用樹脂モールドブッシングを用いた例を示す。
【0011】
導体31はz軸方向に沿って細長い形状を有し、光ファイバ2は、導体31の周面から所定間隔を隔ててらせん形状に巻回されており、センサプローブとして機能する。導体31および光ファイバ2はモールド樹脂32の内部に埋め込むように装着され、全体として一体化されている。
【0012】
光ファイバ2の両端はモールド樹脂32から外部に引き出され、その先端には光コネクタ5がそれぞれ設けられる。光コネクタ5には、光伝送用の光ファイバ3が着脱自在に接続され、光ファイバ3はひずみ検知装置4に接続されている。
【0013】
光ファイバ2,3は、例えば光通信用(波長1550nmや1300nm)として一般的な石英製光ファイバを使用できる。
【0014】
ひずみ検知装置4として、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA:Brillouin Optical Time Domain Analyzer)を使用でき、これは光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0015】
図2は、誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)の基本構成を示すブロック図である。光ファイバ2の一端にポンプ用パルス光源を配置し、光ファイバ2の他端にプローブ用連続(CW)光源を配置し、両光源からの出射光を光ファイバ2の中に対向して入射させる。また、パルス光源の光周波数νpとCW光源の光周波数νcwの差Δν=νp−νcwを光ファイバの誘導ブリルアン周波数に一致させる。このとき、光ファイバ中に生じた誘導ブリルアン散乱によってパルス光からCW光への光電力変換過程が生じて、CW光は光ファイバ中でブリルアン増幅される。
【0016】
増幅されたCW光は、光周波数フィルタ6を通過後、光検出器7により電気信号に変換されて記録される。光検出器7として、光学時間領域反射計(OTDR:Optical Time Domain Reflectometer)を使用できる。光周波数フィルタ6は、中心光周波数がCW光の光周波数に一致したバンドパスフィルタ(BPF)であり、光周波数νpのパルス光によるレーリ散乱光等のノイズ信号を減衰させる。
【0017】
図3は、光ファイバ内に発生する散乱光の代表的なスペクトルを示すグラフである。縦軸は散乱光の強度、横軸は波長をそれぞれ示す。ブリルアン散乱は、単色性が強い入射光が媒質中に生じる音波と相互作用して、媒体固有の周波数分のズレをもった光周波数で散乱する現象である。波長1550nm,1300nmの石英製光ファイバを用いた場合、ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbはそれぞれ±13GHz,±11GHz程度になる。
【0018】
図4は、ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbとひずみとの関係を示すグラフである。例えば、波長1550nmの石英製光ファイバを用いた場合、ひずみが1%のとき、周波数シフトΔνbは493(MHz)となる。周波数シフトΔνbとひずみとの関係はほぼリニアに近似することができ、光ファイバ中のブリルアン周波数シフトの変化量を求めることにより、光ファイバ中のひずみを計測することができる。
【0019】
また、入射パルスの送出から反射パルスの受信までの遅延時間を測定することによって、光ファイバのひずみ位置を計測可能である。従って、遅延時間と周波数シフトとの関係を解析することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0020】
こうした原理を用いたひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2をz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、z軸方向の距離分解能を向上させている。
【0021】
図1において、光ファイバ2のらせん半径R、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πRを満たすことが好ましい。これによってz軸方向の距離分解能をらせん一周分のピッチp以下に設定できる。例えば、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLが2mである場合、R=2m/2π=約32cmと計算でき、光ファイバ2のらせん半径Rを約32cm以上に設定することにより、らせん一周期分の長さが距離分解能ΔLより長くなる。そこで、光ファイバ同士が接触しない程度に光ファイバ2のらせんピッチpをできる限り小さく設定し、例えばp=3mm程度に設定することによって、z軸方向の距離分解能を3mm程度に向上できる。
【0022】
図1に示した樹脂モールドブッシングは軸対称形状であるため、荷重や拘束条件が軸対称である場合(軸方向荷重や半径方向定圧など)に生じる内部ひずみは軸対称に分布する。そのため、軸対称軸に直交する面内の周方向ひずみは一定であり、距離分解能ΔLの限界が2mであっても殆ど問題にはならない。一方、内部ひずみ分布、特にモールド樹脂32の内部ひずみを評価する上でz軸方向に沿ったひずみ分布については、らせんの一周期間隔単位で計測可能になる。
【0023】
なお、図1では光ファイバ2をモールド樹脂32の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2をモールド樹脂32の表面に装着することによって、モールド樹脂32の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。また、光ファイバ2を導体31の表面に装着することによって、導体31の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0024】
実施の形態2.
図5(a)は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、図5(b)はその部分拡大図である。ここでは、ブッシングの樹脂モールド工程における内部ひずみを測定する例を説明する。樹脂モールド工程において、導体31をモールド用の金型33にセットし、センサプローブとして機能する光ファイバ2を導体31の周面から所定間隔でらせん形状に巻回して位置決めする。この状態でモールド樹脂32を金型33の内部に注入し硬化させる。
【0025】
モールド樹脂32として、エポキシ樹脂などの加熱硬化型樹脂を用いた場合、高温(例えば120℃)下で樹脂の注入、硬化が行なわれる。樹脂硬化後、ブッシングは金型33から取り出して室温まで冷却される。そのため、硬化反応に伴う樹脂の収縮や冷却時の熱収縮が埋め込み部品である導体31により拘束されて、内部ひずみを発生させる。そこで光ファイバ2を金型33の内部に予めセットすることにより、樹脂モールド工程での内部ひずみ分布を監視することができる。
【0026】
光ファイバ2は、図1と同様に、導体31のz軸周りにらせん形状に巻回されており、光コネクタ5および光伝送用の光ファイバ3を経由して、ひずみ検知装置4に接続されている。ひずみ検知装置4は、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)を使用し、光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により,光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0027】
こうした原理を用いたひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2をz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、z軸方向の距離分解能を向上させている。
【0028】
なお、図5では光ファイバ2をモールド樹脂32の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2を金型33の内面に装着することによって、金型33の内面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。また、光ファイバ2を導体31の表面に装着することによって、導体31の表面におけるz軸方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0029】
実施の形態3.
図6(a)は本発明の第3実施形態を示す平面図であり、図6(b)はその正面図である。ここでは被計測物体として、金属、樹脂、コンクリート等からなる球状構造物35を用いた例を示す。
【0030】
光ファイバ2は、球の極Nおよび極Sを通る経線に沿って一周毎に所定の経度ピッチでずれるように巻回されており、球状構造物35の内部に埋め込まれてセンサプローブとして機能する。
【0031】
光ファイバ2の両端は球状構造物35から外部に引き出され、その先端は光コネクタ(不図示)を介して光伝送用の光ファイバ3と着脱自在に接続され、光ファイバ3はひずみ検知装置4に接続されている。
【0032】
光ファイバ2,3は、例えば光通信用(波長1550nmや1300nm)として一般的な石英製光ファイバを使用できる。
【0033】
ひずみ検知装置4として、図2〜図4に示したように、例えば誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA:Brillouin Optical Time Domain Analyzer)を使用でき、これは光ファイバ内に生じる誘導ブリルアン散乱光の計測により、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ位置およびその位置でのひずみ量を計測できる。
【0034】
BOTDA形式のひずみ検知装置4は、上述したように、せいぜい2m程度の距離分解能ΔLを有する。そのため本実施形態では、光ファイバ2を経線に沿って巻回させ、一周毎に所定の経度ピッチでずらすことによって、経度θ方向の角度分解能を向上させている。
【0035】
図6において、光ファイバ2の経線半径r、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πrを満たすことが好ましい。これによって経度θ方向の距離分解能を一周分の経度ピッチ以下に設定できる。例えば、ひずみ検知装置4の距離分解能ΔLが2mである場合、r=2m/2π=約32cmと計算でき、光ファイバ2の経線半径rを約32cm以上に設定することにより、一周分の長さが距離分解能ΔLより長くなる。そこで、光ファイバ同士が接触しない程度に光ファイバ2の経度ピッチをできる限り小さく設定し、例えば3mm/32cm=9.4mrad程度に設定することによって、経度θ方向の角度分解能を9.4mrad程度に向上できる。
【0036】
なお、図6では光ファイバ2を球状構造物35の内部に埋め込んだ例を示したが、光ファイバ2を球状構造物35の表面に装着することによって、球状構造物35の表面における経度θ方向に沿ったひずみ分布を測定することができる。
【0037】
また、光ファイバ2の巻回形状は、球形が極方向に扁平または伸張した回転楕円体であっても本発明は同様に適用できる。
【0038】
以上の説明では、ひずみ検知器として誘導ブリルアン散乱を利用したBOTDAを採用した例を示したが、その他の光ファイバ散乱光を利用したひずみ検知器も同様に採用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上詳説したように、センサプローブとして機能する光ファイバをz軸周りにらせん形状に巻回させることによって、被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を高い分解能で計測することができる。
【0040】
また、センサプローブとして機能する光ファイバを球の経線に沿って所定の経度ピッチで巻回させることによって、被計測物体の経度θ方向に沿ったひずみ分布を高い分解能で計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態を示す構成図であり、図1(b)はその部分拡大図である。
【図2】誘導ブリルアン散乱利用光ファイバ式ひずみ計測装置(BOTDA)の基本構成を示すブロック図である。
【図3】光ファイバ内に発生する散乱光の代表的なスペクトルを示すグラフである。
【図4】ブリルアン散乱光の周波数シフトΔνbとひずみとの関係を示すグラフである。
【図5】図5(a)は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、図5(b)はその部分拡大図である。
【図6】図6(a)は本発明の第3実施形態を示す平面図であり、図6(b)はその正面図である。
【符号の説明】
2,3 光ファイバ、 4 ひずみ検知装置、 5 光コネクタ、 6 光周波数フィルタ、 7 光検出器、 31 導体、 32 モールド樹脂、 33金型、 35 球状構造物。
Claims (4)
- 被計測物体に装着され、z軸周りにらせん形状に巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体のz軸方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする光ファイバを用いたひずみ分布計測装置。 - 光ファイバのらせん半径R、ひずみ検知の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πRを満たすことを特徴とする請求項1記載の光ファイバを用いたひずみ分布計測装置。
- 被計測物体に装着され、球の経線に沿って所定の経度ピッチで巻回された光ファイバと、
光ファイバに光を入射し光ファイバからの散乱光を検出することによって、光ファイバの長手方向に沿ったひずみ分布を検知するひずみ検知器とを備え、
被計測物体の経度方向に沿ったひずみ分布を計測することを特徴とする光ファイバを用いたひずみ分布計測装置。 - 光ファイバの経線半径r、ひずみ検知の距離分解能ΔLとして、ΔL≦2πrを満たすことを特徴とする請求項3記載の光ファイバを用いたひずみ分布計測装置。
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JP2018031727A (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 株式会社日立産機システム | 樹脂モールド構造 |
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- 2003-01-14 JP JP2003005474A patent/JP2004219190A/ja active Pending
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