JP2004218860A - 低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム及びその運転方法 - Google Patents

低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム及びその運転方法 Download PDF

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真 池田
Masaki Hirokawa
昌樹 弘川
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Abstract

【課題】低温破砕装置で破砕する被破砕物を循環冷媒空気で直接冷却することで冷却効率の向上を図るとともに、冷媒空気の水分も効率よく除去することができ、冷却コストを大幅に削減できる空気冷却システム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】被破砕物11を収納する冷却槽12と、冷却槽から冷媒空気を回収する冷媒空気回収経路13と、冷媒空気回収経路に回収した冷媒空気を圧縮する循環圧縮機14,15と、循環圧縮機で昇圧した冷媒空気を断熱膨張させる膨張タービン16と、膨張タービンで膨張降温した冷媒空気を冷却槽に循環導入する冷媒空気導入経路17と、回収冷媒空気と昇圧冷媒空気とを熱交換させる熱交換器18と、冷媒空気中の水分を除去する乾燥器19と、乾燥器を迂回する乾燥器バイパス経路20と、冷媒空気の流れを乾燥器と乾燥器バイパス経路とに切り換えるための流路切換手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム及びその運転方法に関し、詳しくは、大型廃棄物の処理や有価物の回収を容易に行うための低温破砕装置において、前記廃棄物等の被破砕物を、循環使用する空気を冷媒として脆化温度以下に冷却するための空気冷却システム及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型廃棄物を粉砕処理したり、廃棄物中の有価物を回収したりする際に、これらの廃棄物を脆化温度以下に冷却してから破砕する、いわゆる低温破砕が有効であることが知られている。従来の低温破砕装置は、廃棄物等の被破砕物を冷却するための冷却源として、比較的入手が容易な液体窒素を使用していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、冷却システムの一つとして、空気を冷媒として用いるものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。この冷却システムは、冷却用熱交換器と圧縮機と膨張タービンとに冷媒空気を循環させる空気冷凍サイクルを用いたものであって、冷媒となる空気は、原則としてこの空気冷凍サイクル内を常時循環するように形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−254368号公報(第3−4頁、第1図)
【0005】
【特許文献2】
特開平6−207755号公報(第3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記液体窒素を寒冷源として用いる場合、液体窒素は、通常、99.999%と高純度であり、大気圧下で−196℃の寒冷を有しているため、低温破砕装置で破砕する被破砕物を冷却するための冷媒としては過剰品質となっているだけでなく、液体窒素の使用は、高圧ガス保安法の規制を受けるため、冷却コストや設備コストが高くなるという問題があった。
【0007】
一方、空気を冷媒として使用する方法は、冷媒空気を空気冷凍サイクル内で循環使用しているときには、水分等の不純物が問題になることはほとんどなく、冷凍サイクル内に空気を補充するにしても少量であるから、補充空気中の水分を除去するための乾燥器(吸着器)の負担も軽く、運転コストにはほとんど影響を与えることはない。
【0008】
しかしながら、低温破砕装置における冷却システムとして上述のような空気冷凍サイクルをそのまま採用した場合は、冷却用熱交換器で被破砕物を間接的に冷却しなければならないため、冷却効率が極めて低くなり、被破砕物を所定温度まで冷却するために長時間を必要とし、冷却コストが上昇してしまう。
【0009】
また、上述のような空気冷凍サイクルを利用し、膨張タービンで膨張降温した冷媒空気によって被破砕物を直接冷却するように形成すると、空気冷凍サイクル内に侵入する水分が問題となる。すなわち、低温破砕装置で破砕する被破砕物を冷却する際には、冷却槽の扉を開放した状態で被破砕物を冷却槽に収納したり、取り出したりする作業が行われるため、このときに水分(湿気)を含んだ大量の空気(大気)が冷却槽内に侵入してしまうことが避けられない。
【0010】
したがって、冷却運転開始時には、空気冷凍サイクル内に大量の水分が存在することになり、これをそのままにしておくと、膨張タービンで発生させた寒冷が水分の凝縮熱として奪われ、発生寒冷を有効に利用できずに冷却性能が著しく劣化してしまう。さらに、水分の凝縮が膨張タービン内で発生すると、膨張タービンに異常振動が発生して破損することがある。
【0011】
すなわち、膨張タービンを使用して低温空気を発生させる際には、できるだけ乾燥した空気を膨張タービンに導入する必要がある。このため、水分による様々な弊害を防止するように、空気冷凍サイクル内に冷媒空気中の水分を除去するための乾燥器を設置することが容易に考えられるが、被破砕物の冷却では、冷却運転毎に大量の水分を処理しなければならないので、大型の乾燥器を必要とするだけでなく、乾燥剤(吸着剤)の再生にも多大なエネルギーを必要とし、設備コストや運転コストが大幅に上昇してしまう。
【0012】
そこで本発明は、低温破砕装置で破砕する被破砕物を、循環する冷媒空気で直接冷却することによって冷却効率の向上を図るとともに、冷媒空気中の水分も効率よく経済的に除去することができ、全体としての冷却コストを大幅に削減することができる低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム及びその運転方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムは、低温破砕装置で低温破砕を行う被破砕物を、循環使用する冷媒空気により直接冷却する空気冷却システムであって、被破砕物を収納して冷却するための冷却槽と、該冷却槽から冷媒空気を回収するための冷媒空気回収経路と、該冷媒空気回収経路に回収した回収冷媒空気を圧縮する循環圧縮機と、該循環圧縮機で昇圧した昇圧冷媒空気を断熱膨張させる膨張タービンと、該膨張タービンで膨張降温した低温冷媒空気を前記冷却槽に循環導入する冷媒空気導入経路と、前記回収冷媒空気と前記昇圧冷媒空気とを熱交換させる熱交換器と、前記膨張タービンより上流側で回収冷媒空気又は昇圧冷媒空気中の水分を除去するための乾燥器と、該乾燥器を迂回する乾燥器バイパス経路と、昇圧冷媒空気の流れを前記乾燥器と前記乾燥器バイパス経路とに切り換えるための流路切換手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
また、この構成の破砕物の空気冷却システムにおける運転方法は、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始したときには、冷却槽に循環する冷媒空気を前記乾燥器に導入して該冷媒空気中の水分を除去し、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度があらかじめ設定した温度以下になったときに、前記流路切換手段によって冷媒空気の流れを前記乾燥器から前記乾燥器バイパス経路に切り換えることを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムは、前記熱交換器を導出して膨張タービンに導入される冷媒空気の温度を測定するとともに、該測定温度に基づいて前記流路切換手段を切換作動させる流路切換制御器を備えていることを特徴とし、このときの運転方法として、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始したときには、冷却槽に循環する冷媒空気を前記乾燥器に導入して該冷媒空気中の水分を除去するとともに、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度を前記流路切換制御器により連続的に測定し、測定温度があらかじめ設定された流路切換温度に到達したときに、該流路切換制御器から前記流路切換手段に流路切換信号を出力して該流路切換手段を作動させることにより、前記冷媒空気の流れを前記乾燥器から前記乾燥器バイパス経路に切り換えることを特徴としている。
【0016】
また、前記空気冷却システムとして、前記熱交換器から前記膨張タービンへ至る昇圧冷媒空気の経路に、前記熱交換器から冷媒空気と共に流出した水を系外に排出する排水弁を備えていることを特徴とし、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始した後、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度があらかじめ設定された温度以上のときに、前記排水弁を開いて該熱交換器から導出される冷媒空気の一部と共に水分を系外に排出することを特徴としている。
【0017】
さらに、前記膨張タービンが低温仕様の静圧気体軸受式膨張タービンであり、該膨張タービンの軸受に軸受ガスを供給するための乾燥空気発生器を設けるとともに、前記軸受から排出された軸受ガスを前記冷媒空気回収経路に導入する冷媒空気補充経路を設けたことを特徴とし、冷却運転の進行に伴う前記冷却槽の圧力低下分を前記軸受ガスの導入により補い、冷却槽内をあらかじめ設定された圧力、特に、大気圧乃至大気圧より僅かに高い陽圧状態に保持することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の空気冷却システムの一形態例を示す系統図である。この空気冷却システムは、被破砕物11を収納して冷却するための冷却槽12と、該冷却槽12から冷媒空気を回収するための冷媒空気回収経路13と、該冷媒空気回収経路13に回収した回収冷媒空気を圧縮する循環圧縮機14,15と、該循環圧縮機14,15で昇圧した昇圧冷媒空気を断熱膨張させる膨張タービン16と、該膨張タービン16で膨張降温した低温冷媒空気を前記冷却槽12に循環導入する冷媒空気導入経路17とを有する空気冷凍サイクルを備えている。
【0019】
さらに、空気冷凍サイクルには、前記回収冷媒空気と前記昇圧冷媒空気とを熱交換させる熱交換器18と、前記膨張タービン16より上流側である第1循環圧縮機14と第2循環圧縮機15との間に設けられて昇圧冷媒空気中の水分を除去するための乾燥器19と、該乾燥器19を迂回する乾燥器バイパス経路20と、昇圧冷媒空気の流れを前記乾燥器19と前記乾燥器バイパス経路20とに切り換えるための流路切換手段である切換弁21a,21b,21cと、前記熱交換器18を導出して前記膨張タービン16に導入される冷媒空気の熱交換器出口経路22に設けられた流路切換制御器23及び排水弁24とを備えている。
【0020】
前記膨張タービン16は、低温仕様の静圧気体軸受式膨張タービンであって、膨張タービン制動ブロワーとして機能する前記第2循環圧縮機15と回転軸を介して連結されており、膨張タービン16の回転力により第2循環圧縮機15を駆動し、前記第1循環圧縮機14で中間圧力に昇圧された冷媒空気を設定圧力まで更に昇圧するようにしている。
【0021】
膨張タービン16の回転軸を支持する軸受25には、軸受ガスを供給するための乾燥空気発生器26と、軸受25から排出された軸受ガスを前記冷媒空気回収経路13に導入する冷媒空気補充経路27とが設けられている。このように、軸受ガスに使用されて軸受25から排出された低圧の乾燥空気を冷媒空気補充経路27を通して冷媒空気回収経路13に導入することにより、冷媒空気回収経路13の圧力、すなわち、これに連通する冷却槽12の圧力を、大気圧乃至大気圧より僅かに高い陽圧状態に保持できるとともに、冷媒空気補充用としての乾燥器を別途に設ける必要が無くなる。
【0022】
前記乾燥空気発生器26には、圧力変動吸着分離法(PSA)によって空気(大気)中の水分を分離除去するものを使用することが望ましい。軸受ガスとして供給する空気中の水分を除去するための乾燥空気発生器26にPSA方式を採用することにより、軸受ガスとして必要な圧力を有する低露点の乾燥空気を連続的に得ることができ、乾燥空気発生器26で使用する水分吸着剤の再生も容易に行うことができる。
【0023】
また、冷媒空気回収経路13には、被破砕物から発生した油分や塵を回収冷媒空気中から除去するためのフィルター28が設けられており、前記循環圧縮機14,15の後段には、通常の圧縮機と同様のアフタークーラー14a,15aがそれぞれ設けられている。なお、フィルター28は、連続運転に備えて複数個を切換使用可能に設けておくことができる。
【0024】
このように形成した空気冷却システムにおいて、空気冷凍サイクルを循環する冷媒空気中の水分は、前記乾燥器19と熱交換器18とで除去するようにしている。すなわち、冷媒空気の温度が常温付近で冷却運転を開始してから熱交換器18の運転温度が十分に低下するまでの間は、昇圧冷媒空気中の水分を前記乾燥器19で吸着除去する必要があるが、冷却槽12が十分に冷却されて冷媒空気回収経路13に回収される回収冷媒空気の温度が低下すると、昇圧冷媒空気中の水分を、低温となっている熱交換流路壁面に凝固させて昇圧冷媒空気中から除去することができる。
【0025】
したがって、前記流路切換制御器23における温度計29で熱交換器出口経路22を流れる熱交換器出口空気の温度を測定し、この測定温度が熱交換器18で昇圧冷媒空気中の水分を十分に除去可能な温度に到達したときには、乾燥器19で水分を吸着除去する必要がなくなるので、流路切換制御器23からの信号で切換弁作動部30を作動させ、切換弁21a,21bを閉じるとともに切換弁21cを開き、昇圧冷媒空気の流れを乾燥器19側から乾燥器バイパス経路20側に切り換えて乾燥器19を休止状態とする。これにより、乾燥器19における負荷を軽減することができるので、乾燥器19の乾燥剤、吸着剤の使用量を少なくすることができ、乾燥器19の小型化や保守コストの削減を図れる。
【0026】
一方、熱交換器18における昇圧冷媒空気側熱交換流路壁面の低温域には、冷却運転中に凝固した水分が付着することになり、この水分は、次の冷却運転開始時に冷却槽12から常温の空気が系内を循環して熱交換器18の温度が上昇したときに融解し、冷媒空気に同伴されて熱交換器出口経路22に流出する。したがって、液体の水が熱交換器18から流出するときに合わせて前記排水弁24を開き、この排水弁24から一部の冷媒空気と共に水を系外に排出し、膨張タービン16に液体の水が侵入しないようにすることにより、冷媒空気の無駄な排出を抑制しながら、膨張タービン16での寒冷発生効率を向上できるとともに、膨張タービン内で液滴が凝固することを防止できる。この排水弁24の開閉は、温度計29で熱交換器出口経路22を流れる熱交換器出口空気の温度を測定し、この測定温度に基づいて弁作動部31を制御するようにして行うことができる。
【0027】
次に、上記構成の空気冷却システムを使用して廃棄物等の被破砕物を連続的に冷却する運転方法を説明する。まず、冷却槽12の扉を開放して前回の冷却運転で冷却した被破砕物11を冷却槽12から取り出した後、新たに冷却する被破砕物11を冷却槽12内に収納して扉を閉じる。
【0028】
次に、切換弁21a,21bを開き、切換弁21cを閉じるとともに、排水弁24を開いた状態で、第1循環圧縮機14及び乾燥空気発生器26を作動させる。第1循環圧縮機14の作動により、冷却槽12内の空気(冷媒空気)が冷媒空気回収経路13に吸入回収され、フィルター28から熱交換器18を経て第1循環圧縮機14で所定の中間圧力に昇圧される。昇圧した冷媒空気は、アフタークーラー14aで圧縮熱を除去された後、切換弁21aを通って乾燥器19に導入され、乾燥剤や吸着剤によって含有水分が除去されて、例えば露点−40℃の低露点状態となる。
【0029】
水分が除去された昇圧冷媒空気は、第2循環圧縮機15、アフタークーラー15aを通って熱交換器18の昇圧冷媒空気側流路に流入する。このとき、回収冷媒空気の温度が高く熱交換流路壁面の温度も0℃以上になっているため、前回の冷却運転で熱交換流路壁面に凝固して付着していた水分が融解し、この液体の水が昇圧冷媒空気に同伴されて熱交換器出口経路22に流出する。
【0030】
水を同伴した昇圧冷媒空気の一部は、排水弁24から水と共に系外に排出される。このとき、排水弁24に向かう流路(配管)を熱交換器出口経路22に対して下方位置に接続したり、トラップ状に形成したりしておくことにより、液体の水を効率よく排出することができる。
【0031】
そして、流路切換制御器23の温度計28が測定した熱交換器出口空気の温度が、熱交換流路壁面に凝固している水分が融解しなくなる温度、例えば0℃に到達したときに流路切換制御器23からの信号で排水弁作動部31を制御し、排水弁24を閉じて冷媒空気の排出を止める。
【0032】
一方、熱交換器出口経路22に流出した冷媒空気の大部分は、膨張タービン16を経て低温冷媒空気となり、冷媒空気導入経路17から冷却槽12内に循環導入される。このとき、膨張タービン16が回転を開始して冷媒空気を断熱膨張させることにより寒冷を発生するとともに、この膨張タービン16の回転によって第2循環圧縮機15が回転を開始し、第1循環圧縮機14で中間圧力に昇圧された冷媒空気を所定圧力まで更に昇圧する。
【0033】
また、乾燥空気発生器26から軸受25に供給された低露点、例えば露点−60℃の軸受ガスが冷媒空気補充経路27を通って冷媒空気回収経路13に導入され、排水弁24から排出される冷媒空気に相当する量、循環圧縮機14,15での昇圧による体積減少に相当する量、及び、冷却の進行に伴う温度低下による体積減少に相当する量の冷媒空気が空気冷凍サイクルに補充される。この軸受ガスによる冷媒空気の補充量は、例えば、冷却槽12内の圧力に応じて作動する圧力制御器32により冷媒空気補充弁33を制御することにより、冷却槽12内の圧力を大気圧乃至大気圧より僅かに高い陽圧状態に保持しておくことができる。これにより、系内への外気の侵入を防止して水分除去における乾燥器19及び熱交換器18の負荷を軽減することができるとともに、冷却槽12等を高気密構造で形成する必要が無くなり、設備コストの削減も図れる。なお、冷却槽12の圧力を高く設定しすぎると、扉等から低温空気が漏出して寒冷の無題を生じることがある。
【0034】
膨張タービン16で膨張降温した冷媒空気が冷却槽12内に導入され、冷却槽12内の温度が低下して冷媒空気回収経路13に回収される冷媒空気の温度が次第に低下し、熱交換器18で熱交換する昇圧冷媒空気中の水分を凝固させて十分に捕集除去できる温度、例えば熱交換器出口空気の温度が−40℃に到達したことを流路切換制御器23が検出すると、前述のように切換弁21a,21b,21cを切換開閉し、冷媒空気が乾燥器バイパス経路20を通るようにする。したがって、これ以降の冷却運転中に外部から侵入する大気中の水分や被破砕物11から発生する水分は、熱交換器18で除去されることになる。なお、乾燥器19内に充填した吸着剤等は、この期間中に加熱再生したり、交換したりすることができる。
【0035】
被破砕物11が所定の温度に冷却された時点で第1循環圧縮機14を停止させた後、扉を開いて冷却槽12から被破砕物11を取出し、次に冷却を行う被破砕物11を冷却槽12内に収納する。このとき、空気冷凍サイクル内は大気圧と同等の圧力になり、冷却槽12内は、被破砕物11の出し入れに伴って水分を含む大気が充満した状態となるので、前述のようにして乾燥器19によって水分を除去しながら冷却運転を再開する。
【0036】
このような冷却運転において、流路切換制御器23を設けて切換弁21a,21b,21cや排水弁24の開閉を自動的に行うように形成することにより、冷却運転を開始した後は、人手を介さずに全自動で運転することができるので、冷却運転を電力料金の安価な夜間に行い、冷却槽12内の被破砕物11の出し入れを昼間に行うように作業手順を設定することにより、夜間電力を使用した低コストの冷却運転が可能となる。
【0037】
さらに、膨張タービン16における断熱膨張で低温空気を発生させて被破砕物11を冷却することにより、液体窒素を用いた従来の冷却システムに比べて冷却コストを削減することができ、種々の被破砕物に適した任意の冷却温度を容易に設定することができる。また、冷媒空気の圧力を適当に設定することにより、高圧ガス保安法の適用を受けない設備とすることが可能となり、設備コストの低減が図れるとともに、運転コストや保守コストの低減も図れる。さらに、冷媒としてフロンやアンモニアを使用しないので、環境汚染の問題もなくなる。
【0038】
なお、前記形態例では、乾燥器19を第1循環圧縮機14に付設されたアフタークーラー14aの後段に設置したが、乾燥器19の設置位置は、膨張タービン16の上流側であれば任意であり、例えば、第2循環圧縮機15に付設されたアフタークーラー15aの後段に設置することもできる。また、切換弁21a,21b,21cや排水弁24の開閉は手動で行うことも可能であり、熱交換器18に付着した凝固水を別の経路から温風を流通させて除去するように形成すれば、排水弁を設けなくてもよい。さらに、軸受ガスの供給と冷媒空気の補充とを別の乾燥空気発生器で行うようにしてもよく、一つの乾燥空気発生器から分岐させるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被破砕物を目的とする温度に容易かつ低コストで冷却することができる。特に、冷媒空気中の水分除去を効率よく行うことができ、水分除去用の乾燥器の小型化や吸着剤等の長寿命化が図れ、設備費だけでなく維持管理費も削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気冷却システムの一形態例を示す系統図である。
【符号の説明】
11…被破砕物、12…冷却槽、13…冷媒空気回収経路、14…第1循環圧縮機、15…第2循環圧縮機、16…膨張タービン、17…冷媒空気導入経路、18…熱交換器、19…乾燥器、20…乾燥器バイパス経路、21a,21b,21c…切換弁、22…熱交換器出口経路、23…流路切換制御器、24…排水弁、25…軸受、26…乾燥空気発生器、27…冷媒空気補充経路、28…フィルター、29…温度計、30…切換弁作動部、31…排水弁作動部、32…圧力制御器、33…冷媒空気補充弁

Claims (9)

  1. 低温破砕装置で低温破砕を行う被破砕物を、循環使用する冷媒空気により直接冷却する空気冷却システムであって、被破砕物を収納して冷却するための冷却槽と、該冷却槽から冷媒空気を回収するための冷媒空気回収経路と、該冷媒空気回収経路に回収した回収冷媒空気を圧縮する循環圧縮機と、該循環圧縮機で昇圧した昇圧冷媒空気を断熱膨張させる膨張タービンと、該膨張タービンで膨張降温した低温冷媒空気を前記冷却槽に循環導入する冷媒空気導入経路と、前記回収冷媒空気と前記昇圧冷媒空気とを熱交換させる熱交換器と、前記膨張タービンより上流側で回収冷媒空気又は昇圧冷媒空気中の水分を除去するための乾燥器と、該乾燥器を迂回する乾燥器バイパス経路と、昇圧冷媒空気の流れを前記乾燥器と前記乾燥器バイパス経路とに切り換えるための流路切換手段とを備えていることを特徴とする低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム。
  2. 前記熱交換器を導出して膨張タービンに導入される冷媒空気の温度を測定するとともに、該測定温度に基づいて前記流路切換手段を切換作動させる流路切換制御器を備えていることを特徴とする請求項1記載の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム。
  3. 前記熱交換器から前記膨張タービンへ至る昇圧冷媒空気の経路に、前記熱交換器から冷媒空気と共に流出した水を系外に排出する排水弁を備えていることを特徴とする請求項1記載の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム。
  4. 前記膨張タービンが低温仕様の静圧気体軸受式膨張タービンであり、該膨張タービンの軸受に軸受ガスを供給するための乾燥空気発生器を設けるとともに、前記軸受から排出された軸受ガスを前記冷媒空気回収経路に導入する冷媒空気補充経路を設けたことを特徴とする請求項1記載の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム。
  5. 前記冷却槽は、内部圧力が大気圧乃至大気圧より僅かに高い陽圧状態となっていることを特徴とする請求項1記載の低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム。
  6. 請求項1記載の空気冷却システムの運転方法であって、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始したときには、冷却槽に循環する冷媒空気を前記乾燥器に導入して該冷媒空気中の水分を除去し、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度があらかじめ設定した温度以下になったときに、前記流路切換手段によって冷媒空気の流れを前記乾燥器から前記乾燥器バイパス経路に切り換えることを特徴とする低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムの運転方法。
  7. 請求項2記載の空気冷却システムの運転方法であって、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始したときには、冷却槽に循環する冷媒空気を前記乾燥器に導入して該冷媒空気中の水分を除去するとともに、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度を前記流路切換制御器により連続的に測定し、測定温度があらかじめ設定された流路切換温度に到達したときに、該流路切換制御器から前記流路切換手段に流路切換信号を出力して該流路切換手段を作動させることにより、前記冷媒空気の流れを前記乾燥器から前記乾燥器バイパス経路に切り換えることを特徴とする低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムの運転方法。
  8. 請求項3記載の空気冷却システムの運転方法であって、前記冷却槽に被破砕物を収納して該被破砕物の冷却運転を開始した後、前記熱交換器から導出されて前記膨張タービンに導入される冷媒空気の温度があらかじめ設定された温度以上のときに、前記排水弁を開いて該熱交換器から導出される冷媒空気の一部と共に水分を系外に排出することを特徴とする低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムの運転方法。
  9. 請求項4記載の空気冷却システムの運転方法であって、冷却運転の進行に伴う前記冷却槽の圧力低下分を前記軸受ガスの導入により補い、冷却槽内をあらかじめ設定された圧力に保持することを特徴とする低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システムの運転方法。
JP2003003627A 2003-01-09 2003-01-09 低温破砕装置における被破砕物の空気冷却システム及びその運転方法 Pending JP2004218860A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102007013092A1 (de) * 2007-03-14 2008-09-18 Testo Ag Vorrichtung und Verfahren zum Trocknen von in geschlossenen Kreisläufen geführten Fluiden
CN108626969A (zh) * 2018-05-16 2018-10-09 福州联众气体有限公司 采用液氮高效回收瓦斯气和煤层气的净化液化流程和装置

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