JP2004218816A - 比例ソレノイド - Google Patents
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Abstract
【課題】体格を大きくすることなく補助ゾーン内の吸引力を高くすることのできる比例ソレノイドを提供すること。
【解決手段】比例ソレノイドのストローク‐吸引力特性において、水平特性部Hを形成するコントロールゾーンは、制御ゾーンH1と補助ゾーンH2からなる。コントロールゾーンより小ストロークでは立ち上がり部L1が現れ、水平状態を示すコントロールゾーンを越えると急勾配で下降する不用ゾーンが現れる。スペーサの厚みを薄く形成することによって、補助ゾーンH2に立ち上がり部L1の一部の立ち上がり部Lを現わすことができ、補助ゾーンの吸引力を制御ゾーンの吸引力より増加させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】比例ソレノイドのストローク‐吸引力特性において、水平特性部Hを形成するコントロールゾーンは、制御ゾーンH1と補助ゾーンH2からなる。コントロールゾーンより小ストロークでは立ち上がり部L1が現れ、水平状態を示すコントロールゾーンを越えると急勾配で下降する不用ゾーンが現れる。スペーサの厚みを薄く形成することによって、補助ゾーンH2に立ち上がり部L1の一部の立ち上がり部Lを現わすことができ、補助ゾーンの吸引力を制御ゾーンの吸引力より増加させることができる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流量調整弁を作用する比例ソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、流量調整弁に使用される比例ソレノイドにおいて、固定鉄芯に対して所定のストロークで摺動可能な可動鉄芯は、ストローク‐吸引力特性において、所定のストローク範囲でほぼ一定の吸引力で吸引される。つまり、比例ソレノイドは、コイルに電流を印加することによって、可動鉄芯が静止状態の固定鉄芯に対して移動可能に構成されるとともに、電流制御により前記可動鉄芯の位置を制御して流量制御弁の流量を調整可能に構成されている。
【0003】
この比例ソレノイドは、図2のグラフに示すように、固定鉄芯に対する可動鉄芯のストロークが小さいときには、固定鉄芯の可動鉄芯に対する吸引力が大きく、ストロークが大きくなるにしたがって吸引力が小さくなる。そして、所定のストローク範囲では、吸引力は一定に維持されてグラフ上水平状態に形成される。この区間を通常コントロールゾーン(水平特性部H)と呼び、コントロールゾーン(水平特性部H)は、流量調整弁が流量調整するために実移動する制御ゾーンH1と、流量調整弁が閉められて制御ゾーンH1に至るまで移動する補助ゾーンH2とを備えている。
【0004】
一方、固定鉄芯と可動鉄芯との間には、通常、固定鉄芯側に支持されたスペーサが配置されて、可動鉄芯のストロークの一部を吸収するように配置されている。このスペーサの厚みは、ストローク‐吸引力特性における小ストローク時において、吸引力がほぼ一定状態の水平特性部よりストロークが小さくなるにしたがってより急勾配で上昇する立ち上がり部L1を吸収できる寸法に形成される。つまり、流量調整弁で流量調整する際に、可動鉄芯のストロークがコントロールゾーンにあるときに流量調整弁が作用されることから、コントロールゾーン以外の立ち上がりソーンでは可動鉄芯の移動を規制するように、スペーサの厚み寸法が予め設定されている。このスペーサの厚みは、一般的には2〜3mm程度で設定されている。
【0005】
また、固定鉄芯の可動鉄芯側先端部は、可動鉄芯のストローク端を支持するためにガイド部が形成されている。ガイド部の外周面はテーパ面に形成されて、非磁性部とテーパ面どうしで接合されている。つまり、非磁性部に磁性体である固定鉄芯が突入することによって、非磁性部の周りにおいて磁束を流して磁気回路を形成することができる。これによってコントロールゾーンでのストロークの大きい部分にも磁束を増加することができ吸着力を高くして水平特性部Hを形成することができる。
【0006】
そして、この比例ソレノイドにおけるストローク‐吸引力特性は特許文献1によって示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−154608号公報(3頁、及び図3参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コントロールゾーンにおける補助ゾーンで流量調整弁を閉める力は、可動鉄芯を復帰移動させるばね力の負荷に打ち勝つ必要があることから、可動鉄芯が吸引されている間にばね力の負荷で固定鉄芯から離れる方向には復帰できない吸引力が必要となり、そのためには前述の補助ゾーンH2において吸引力を高める必要が生じる。この吸引力を高めるためには、比例ソレノイドの仕様上の吸引力より高い吸引力を有する大型の比例ソレノイドを装着しなければならなかった。
【0009】
図8のグラフで示すように、コントロールゾーン(水平特性部H)において、ばね力の負荷は、ストロークが小さくなるにしたがって大きくなることから、例えば、仕様上で2.0Aの電流を必要とする場合、補助ゾーンH2における吸引力は、ばね力の負荷に打ち勝つために制御ゾーンH1の吸引力より高く設定しなければならないこととなる。そのために、例えば、2.2Aの電流をコイル体に印加しなければならないこととなり、大型のソレノイドを装着することとなる。比例ソレノイドを大型化することによって装置全体のスペースを広くするとともにコスト高になってしまうことから、小型のソレノイドで補助ゾーンにおける吸引力を向上できる比例ソレノイドが望まれていた。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、体格を大きくすることなく補助ゾーンにおける吸引力を向上できる比例ソレノイドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る比例ソレノイドは、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、コイルに電流を印加することによって、可動鉄芯が静止状態の固定鉄芯に対して移動可能に構成され、電流制御により前記可動鉄芯の位置を制御して流量制御弁の流量を調整可能とした比例ソレノイドであって、ストローク‐吸引力特性において、前記可動鉄芯に連結された前記流量調整弁の流量調整範囲であるコントロールゾーンが、前記流量調整弁を閉めるための補助ゾーンと流量調整可能な制御ゾーンとを含んで形成され、前記補助ゾーンにおける吸引力を前記制御ゾーンにおける吸引力より高く設定する高吸引力形成手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯と前記可動鉄芯との間にスペーサが配置され、前記高吸引力形成手段が、前記スペーサの厚みを、前記ストローク‐吸引力特性において、前記補助ゾーンの吸引力が前記制御ゾーンで形成される水平状態から上昇できる寸法で設定することを特徴としている。
【0013】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度が、前記第1のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度より小さく形成されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第1のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度と、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度とは、いずれかが大きな傾斜角度で形成されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ストローク‐吸引力特性において、コントロールゾーンを形成する補助ゾーンに、制御ゾーンより高い吸引力を形成する高吸引力形成手段を設けている。つまり、高吸引力形成手段を形成することによって、補助ゾーン内に、可動鉄芯の小ストロークの範囲で示される急勾配状に上昇する立ち上がりゾーンの一部を現わすようにする。
【0016】
このストローク‐吸引力特性で示されるグラフは、1タイプの比例ソレノイド内における特性を示すものであることから、このグラフに沿った吸引力特性における補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの一部を現わすことによって、比例ソレノイド自体の体格を大きくすることなく、補助ゾーンの吸引力を制御ゾーンの吸引力より高くすることができる。
【0017】
つまり具体的に言えば、請求項2記載の発明に示すように、高吸引力形成手段の一つは、固定鉄芯と可動鉄芯との間に配置されるスペーサの厚みを従来より薄くすることにある。つまり、ストローク‐吸引力特性において、可動鉄芯の小ストローク時における立ち上がりゾーンは、スペーサで可動鉄芯のストロークを規制していることから、スペーサの厚みを薄くすることによって、補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの急勾配部の一部がグラフ上で現れることとなる。例えば、従来のスペーサの厚み寸法は、約2〜3mm程度に形成されていることから、スペーサの厚みを約2mm以下に形成することによって、補助ゾーンでの高吸引力を引き出すことが可能となる。スペーサの厚みを小さくすることは、比例ソレノイドの体格を大きくするものではないことから、小型の比例ソレノイドを装着することができる。
【0018】
また、高吸引力形成手段の二つ目は、請求項3記載の発明に示すように、固定鉄芯と非磁性部とを接合するテーパ面の形状を改良することにある。つまり、補助ゾーンで形成する第2のテーパ面の垂直方向に対する傾斜角度を、制御ゾーンで形成する第1のテーパ面の垂直方向に対する傾斜角度より小さく形成することによって、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、請求項2記載の発明と同様に、補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの立ち上がり部の一部をグラフ上で現すことができる。固定鉄芯と非磁性部との接合面におけるテーパ面の形状を変化させることは、比例ソレノイドの体格を大きくすることではないことから、小型の比例ソレノイドを装着することができる。
【0019】
さらに、高吸引力形成手段の三つ目は、請求項4記載の発明に示すように、請求項2記載の発明に加えて、請求項3記載の発明で示す第1のテーパ面と第2のテーパ面のうち、その垂直方向に対する傾斜角度のいずれかを大きくすることにある。
【0020】
つまり、通常より薄く形成されたスペーサを装着することによって、補助ゾーンには、制御ゾーンにおける吸引力より大きく立ち上がることができる立ち上がりソーンの一部を形成できることに加えて、補助ゾーンで形成する第2のテーパ面の傾斜角度を制御ゾーンで形成する第1のテーパ面の傾斜角度より小さく設定すれば、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、立ち上がりソーンの勾配状態をさらに急勾配にすることができて、可動鉄芯の復帰作用を行うばね力の負荷が大き過ぎることによるバルブが閉めきれない状態を防止できる。
【0021】
また、第2のテーパ面の傾斜角度を、第1のテーパ面の傾斜角度より大きく形成することによって、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を緩やかな傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が軽減される。それによって補助ゾーンでの吸引力が軽減されることになり、例えば、立ち上がりゾーンの勾配が急角度で設定し過ぎることによって発生する残留磁気の増大を防止することができる。
【0022】
従って、請求項4記載の発明では、スペーサの厚み寸法によって、第1のテーパ面と第2のテーパ面の傾斜角度のいずれかを大きくするかを選択することができて設計の自由度を向上することができる。
【0023】
なお請求項1〜4記載の発明では、可動鉄芯の小ストローク時で、高吸引力を引き出すことができることから流量調整弁の閉じる速度を速くすることができるとともに、流体制御弁を閉じるときだけに大きな吸引力を引き出すことができることから発熱が小さくなって低電力で省エネルギー化を達成できるという効果も発生できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
実施形態の比例ソレノイド1は、中空状に形成されたコイル体2と、コイル体2に内蔵する固定鉄芯3と、固定鉄芯3に対して接近離隔する方向に摺動可能な可動鉄芯5とを備えて構成されている。可動鉄芯5はコイル体2の内周面及び上端面に連接して配置される磁性体のヨーク4に摺動案内可能に配置され、中央部に長尺状のピン6が貫通するように配置されている。ピン6の一端は、固定鉄芯3を貫通して図示しない流体制御弁(以下、バルブという。)に連結されて、バルブを作動可能に構成している。
【0026】
コイル体2に内蔵されている固定鉄芯3は、コイル体2の下端面を支持するようにフランジ状に形成されるとともに、中央部に軸受7を介して固定鉄芯3を貫通するピン6を摺動案内するように形成されている。固定鉄芯3の上端部は、可動鉄芯5の下部を摺動案内する凹部32を有するガイド部31を形成するとともに、ガイド部31の外周面は先細り状のテーパ面33に形成されている。
【0027】
固定鉄芯3とヨーク4の下面との間には、非磁性部10が配置されて固定鉄芯3のガイド部31のテーパ面33とテーパ面11で接合されている。また、固定鉄芯3の凹部32内ではスペーサ13が挿入されて、可動鉄芯5の移動を規制している。
【0028】
可動鉄芯5の上方には、可動鉄芯5の一端側を塞ぐようにキャップ部15が配置されるとともにピン6の一端を軸受8を介して摺動支持している。さらに、キャップ部15と固定鉄芯3を一体的に連結するために、コイル体2の周りを覆う樹脂層が一体成形で充填されてケース体16を構成している。
【0029】
上記のように構成された比例ソレノイド1において、コイル体2に電流を印加すると、ヨーク4・可動鉄芯5・固定鉄芯3との間に磁束が流れて磁気回路を形成することとなって、可動鉄芯5が固定鉄芯3に対して接近するように移動される。この可動鉄芯5の固定鉄芯3に対するストロークによって磁束の流れる量が変化して、固定鉄芯3の可動鉄芯5に対する吸引力が変化する。つまり、ストロークの大きいときには吸引力は小さく、ストロークが小さくなるにしたがって吸引力が高くなる。
【0030】
固定鉄芯3と非磁性部10とはお互いにテーパ面31・11で接合されていることから、磁性部が非磁性部に食い込むことによって、本来、磁束が流れない非磁性部で磁性部を介在することにより吸引力を増加させることができる。従って、テーパ面の範囲におけるストローク範囲ではストロークが大きくても磁束を増加させることができ、その範囲内で吸引力を平均化して図2のストローク‐吸引力特性グラフの中に示されるほぼ水平状態で現された水平特性部Hを形成することができる。
【0031】
この水平特性部Hにおいて、ピン6に連結されたバルブが移動して流量の調整を行うことができる。そしてこの水平特性部Hが、バルブのコントロールゾーンとして作用される。バルブのコントロールゾーン(水平特性部H)は、バルブが実質的に作用する制御ゾーンH1と、バルブを閉めるためにバルブの制御ゾーンH1までに移動する補助ゾーンH2とで形成される。
【0032】
可動鉄芯のストロークに対する吸引力は、図2に示すストローク‐吸引力特性グラフによって詳細に示される。
【0033】
図2のグラフにおいて、曲線Aは一般的な比例ソレノイド1のストローク‐吸引力特性曲線を示すものであり、立ち上がりゾーンでは急勾配状の立ち上がり部L1を有して高吸引力を示し、コントロールゾーンでは、ほぼ水平状態に現される水平特性部Hを示し、コントロールゾーンを越えると急勾配で下降する不用ゾーンとして形成されている。そして、立ち上がりゾーンに形成される立ち上がり部L1を従来のスペーサ13A(図3参照)ですべて吸収する場合には、(a)のように、立ち上がりゾーンは(0〜▲2▼)の範囲に現され、コントロールゾーンは(▲2▼〜▲5▼)の範囲となり、不用ゾーンは▲5▼以降となる。
【0034】
この補助ゾーンH2での吸引力を制御ゾーンH1より上昇させる場合、第1の形態としては、図3に示すように、スペーサ13の厚みを薄く形成する。従来の場合、図2のストローク‐吸引力特性グラフにおいて、コントロールゾーンで示されるストロークより小さいストロークの範囲では、水平特性部Hから小ストロークに向かって急勾配で上昇する立ち上がり部L1は、2〜3mm程度の厚みのスペーサ13A(図3参照)で規制された範囲(図2における0〜▲2▼)に現れている。このスペーサ13の厚みを、例えば、2mm以下に形成することによって、図2の特性グラフの(b)に示すように、立ち上がり部L1の一部の立ち上がり部L(図2における▲1▼〜▲2▼)を補助ゾーンH2内に現わすことができ、水平特性部Hより高い吸着力を形成することができる。このスペーサ13を薄くする量は、流体システムにおける流体圧力の強さに合わせて形成することができ、最大、スペーサ13を削除することもできる。
【0035】
これによって、コントロールゾーン(水平特性部H)は▲1▼〜▲4▼に移行して不用ゾーンは▲4▼以降として現れることとなる。従って、補助ゾーンH2の範囲に現れる示す立ち上がり部Lによって、可動鉄芯5を強い吸引力で吸引することになり、バルブを閉じる速度を速くすることとなる。そして、▲4▼以降に現れる不用ゾーンで形成される急勾配状態の曲線L2は、▲4▼〜▲5▼のコントロールゾーンの一部を含んで形成されることとなり、この▲4▼〜▲5▼間のハッチング部で示される部分がエネルギー不用部Mとして形成されることとなる。
【0036】
従って、薄く形成したスペーサ13を装着する比例ソレノイドは、不用ゾーンの開始を▲4▼に設定することによって、曲線Bとすることができ、吸着力アップを図ることができる。
【0037】
また、曲線Bを曲線Aのレベルまで吸引力を抑えることによって、つまり小型の比例ソレノイドを使用することによって、不用ゾーンに曲線Cを形成することができて、このエネルギー不用部Mをなくすことが可能となる。このエネルギー不用部Mをなくすことによって、発熱を抑えて省エネルギー化を達成することができる。
【0038】
上述のように、実施形態の比例ソレノイド1では、ストローク‐吸引力特性において、水平特性部Hに向かう立ち上がり部L1を吸収するために厚みを薄くしたスペーサ13を装着することによって、コントロールゾーン(水平特性部H)内のバルブを閉じる補助ゾーンH2に立ち上がり部Lを形成することができる。従って、スペーサ13の厚みを小さくするだけで高吸引力形成部を形成できることから、比例ソレノイドの体格を大きくすることなく、仕様の吸引力に対して小型の比例ソレノイドで対応することができる。
【0039】
次に補助ゾーンH2に高吸引力を形成するための第2の形態による比例ソレノイド21は、図4に示すように、固定鉄芯23の上端部に形成されるガイド部231のテーパ面233に上端側に形成される第1のテーパ面233aと、その下方に形成される第2のテーパ面233bに分割することによって構成する。そして、第2のテーパ面233bの垂直方向に対する傾斜角度θ2を第1のテーパ面233aの垂直方向に対する傾斜角度θ1より小さく形成する。この比例ソレノイド21内に装着されるスペーサ13Aは、厚み寸法が2〜3mmに形成された一般的なものが使用される。第1のテーパ面233aを制御ゾーンH2の範囲で形成し、第2のテーパ面233bを補助ゾーンの範囲で形成することによって、補助ゾーンの範囲で形成する第2のテーパ面233bは、テーパ面の傾斜角度を制御ゾーンの範囲で形成する第1のテーパ面233aより急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、図5のグラフに示すように、立ち上がり部Lを補助ゾーン内に現すことができ、高吸引力の形成する第1の形態と同様の効果を達することができる。
【0040】
また、次に補助ゾーンH2に高吸引力を形成するための第3の形態による比例ソレノイド26は、図6に示すように、図4に示すスペーサ13Aより薄く形成したスペーサ13を装着することに加えて、固定鉄芯27のガイド部271のテーパ面273を制御ゾーンH2の範囲で形成する第1のテーパ面273aと補助ゾーンの範囲で形成する第2のテーパ面273bとに分割する。
【0041】
この場合、図7のグラフに示すように、2mm以下で薄く形成されたスペーサ13によって、すでに、補助ゾーンには立ち上がり部Lが現れている。この立ち上がり部Lの曲線に対して、第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1と第2のテーパ面273bの傾斜角度θ2のいずれかを大きくすることによって急な曲線L3にしたり、緩やかな曲線L4にしたりすることができる。なお、第2のテーパ面273bの傾斜角度θ2が第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1と同一の角度で形成されている場合に、図7で示す立ち上がり部Lが形成されることとなり、第2のテーパ面273bの傾斜角度を変えることによって、急な曲線L3を形成したり、緩やかな曲線L4を形成したりすることになる。
【0042】
例えば、立ち上がり部Lの曲線が緩過ぎると、バルブを復帰させるばね力の負荷が大きくなってバルブを閉じることができなくなることがあり、ばね力の負荷に打ち勝つために、補助ソーンにおける吸引力をさらに高める必要があり、その場合、第2のテーパ面273bを第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1より小さくした傾斜角度θ3とする。これによって、補助ゾーンの範囲で形成される第2のテーパ面273bは、制御ゾーンにおける第1のテーパ面273aの傾斜角度より急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、図7のグラフにおける立ち上がり部Lの曲線より急な曲線L3を現わすことができる。
【0043】
また、逆に、立ち上がり部Lの曲線が急過ぎて可動鉄芯が固定鉄芯とから離れて復帰する際に、残留磁気が多くなって可動鉄芯の復帰作用に支障が生じる場合、第2のテーパ面273bを第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1より大きくした傾斜角度θ4とする。これによって、補助ゾーンの範囲で形成される第2のテーパ面273bは制御ゾーンの範囲で形成される第1のテーパ面273aより傾斜角度が緩やかになって、吸引力の水平分力が増大して垂直方向の分力が軽減する。それによって吸引力が軽減されることになり、図7のグラフにおける立ち上がり部Lの曲線より緩やかな曲線L4を現わすことができる。
【0044】
このように、スペーサの厚みによって立ち上がり部Lより急な曲線L3や緩やかな曲線L4を形成することができることから、設計の自由度を増すことが可能となる。
【0045】
なお、第2の形態(又は第3の形態)による比例ソレノイド21(又は26)の固定鉄芯23(又は27)のガイド部231(又は271)におけるテーパ面233(又は273)の形状を変化させるだけであるから、比例ソレノイド21(又は26)の体格を大きくすることなく補助ゾーンでの吸引力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な比例ソレノイドの断面を示す断面図である。
【図2】ストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図3】第1の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図4】第2の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図5】第2の形態によるストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図6】第3の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図7】第3の形態によるストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図8】
比例ソレノイドの各電流値におけるストローク‐吸引力特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1、21、26 比例ソレノイド
2 コイル体
3、23、27 固定鉄芯
5 可動鉄芯
6 ピン
10 非磁性部
11 テーパ面
13 スペーサ
31、231,271 ガイド部
33、233、273 テーパ面
233a、273a 第1のテーパ面
233b、273b 第2のテーパ面
H 水平特性部(コントロールゾーン)
H1 制御ゾーン
H2 補助ゾーン
L 立ち上がり部
【発明の属する技術分野】
本発明は流量調整弁を作用する比例ソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、流量調整弁に使用される比例ソレノイドにおいて、固定鉄芯に対して所定のストロークで摺動可能な可動鉄芯は、ストローク‐吸引力特性において、所定のストローク範囲でほぼ一定の吸引力で吸引される。つまり、比例ソレノイドは、コイルに電流を印加することによって、可動鉄芯が静止状態の固定鉄芯に対して移動可能に構成されるとともに、電流制御により前記可動鉄芯の位置を制御して流量制御弁の流量を調整可能に構成されている。
【0003】
この比例ソレノイドは、図2のグラフに示すように、固定鉄芯に対する可動鉄芯のストロークが小さいときには、固定鉄芯の可動鉄芯に対する吸引力が大きく、ストロークが大きくなるにしたがって吸引力が小さくなる。そして、所定のストローク範囲では、吸引力は一定に維持されてグラフ上水平状態に形成される。この区間を通常コントロールゾーン(水平特性部H)と呼び、コントロールゾーン(水平特性部H)は、流量調整弁が流量調整するために実移動する制御ゾーンH1と、流量調整弁が閉められて制御ゾーンH1に至るまで移動する補助ゾーンH2とを備えている。
【0004】
一方、固定鉄芯と可動鉄芯との間には、通常、固定鉄芯側に支持されたスペーサが配置されて、可動鉄芯のストロークの一部を吸収するように配置されている。このスペーサの厚みは、ストローク‐吸引力特性における小ストローク時において、吸引力がほぼ一定状態の水平特性部よりストロークが小さくなるにしたがってより急勾配で上昇する立ち上がり部L1を吸収できる寸法に形成される。つまり、流量調整弁で流量調整する際に、可動鉄芯のストロークがコントロールゾーンにあるときに流量調整弁が作用されることから、コントロールゾーン以外の立ち上がりソーンでは可動鉄芯の移動を規制するように、スペーサの厚み寸法が予め設定されている。このスペーサの厚みは、一般的には2〜3mm程度で設定されている。
【0005】
また、固定鉄芯の可動鉄芯側先端部は、可動鉄芯のストローク端を支持するためにガイド部が形成されている。ガイド部の外周面はテーパ面に形成されて、非磁性部とテーパ面どうしで接合されている。つまり、非磁性部に磁性体である固定鉄芯が突入することによって、非磁性部の周りにおいて磁束を流して磁気回路を形成することができる。これによってコントロールゾーンでのストロークの大きい部分にも磁束を増加することができ吸着力を高くして水平特性部Hを形成することができる。
【0006】
そして、この比例ソレノイドにおけるストローク‐吸引力特性は特許文献1によって示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−154608号公報(3頁、及び図3参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コントロールゾーンにおける補助ゾーンで流量調整弁を閉める力は、可動鉄芯を復帰移動させるばね力の負荷に打ち勝つ必要があることから、可動鉄芯が吸引されている間にばね力の負荷で固定鉄芯から離れる方向には復帰できない吸引力が必要となり、そのためには前述の補助ゾーンH2において吸引力を高める必要が生じる。この吸引力を高めるためには、比例ソレノイドの仕様上の吸引力より高い吸引力を有する大型の比例ソレノイドを装着しなければならなかった。
【0009】
図8のグラフで示すように、コントロールゾーン(水平特性部H)において、ばね力の負荷は、ストロークが小さくなるにしたがって大きくなることから、例えば、仕様上で2.0Aの電流を必要とする場合、補助ゾーンH2における吸引力は、ばね力の負荷に打ち勝つために制御ゾーンH1の吸引力より高く設定しなければならないこととなる。そのために、例えば、2.2Aの電流をコイル体に印加しなければならないこととなり、大型のソレノイドを装着することとなる。比例ソレノイドを大型化することによって装置全体のスペースを広くするとともにコスト高になってしまうことから、小型のソレノイドで補助ゾーンにおける吸引力を向上できる比例ソレノイドが望まれていた。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、体格を大きくすることなく補助ゾーンにおける吸引力を向上できる比例ソレノイドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る比例ソレノイドは、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、コイルに電流を印加することによって、可動鉄芯が静止状態の固定鉄芯に対して移動可能に構成され、電流制御により前記可動鉄芯の位置を制御して流量制御弁の流量を調整可能とした比例ソレノイドであって、ストローク‐吸引力特性において、前記可動鉄芯に連結された前記流量調整弁の流量調整範囲であるコントロールゾーンが、前記流量調整弁を閉めるための補助ゾーンと流量調整可能な制御ゾーンとを含んで形成され、前記補助ゾーンにおける吸引力を前記制御ゾーンにおける吸引力より高く設定する高吸引力形成手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯と前記可動鉄芯との間にスペーサが配置され、前記高吸引力形成手段が、前記スペーサの厚みを、前記ストローク‐吸引力特性において、前記補助ゾーンの吸引力が前記制御ゾーンで形成される水平状態から上昇できる寸法で設定することを特徴としている。
【0013】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度が、前記第1のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度より小さく形成されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明に基づくものであって、前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第1のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度と、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度とは、いずれかが大きな傾斜角度で形成されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ストローク‐吸引力特性において、コントロールゾーンを形成する補助ゾーンに、制御ゾーンより高い吸引力を形成する高吸引力形成手段を設けている。つまり、高吸引力形成手段を形成することによって、補助ゾーン内に、可動鉄芯の小ストロークの範囲で示される急勾配状に上昇する立ち上がりゾーンの一部を現わすようにする。
【0016】
このストローク‐吸引力特性で示されるグラフは、1タイプの比例ソレノイド内における特性を示すものであることから、このグラフに沿った吸引力特性における補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの一部を現わすことによって、比例ソレノイド自体の体格を大きくすることなく、補助ゾーンの吸引力を制御ゾーンの吸引力より高くすることができる。
【0017】
つまり具体的に言えば、請求項2記載の発明に示すように、高吸引力形成手段の一つは、固定鉄芯と可動鉄芯との間に配置されるスペーサの厚みを従来より薄くすることにある。つまり、ストローク‐吸引力特性において、可動鉄芯の小ストローク時における立ち上がりゾーンは、スペーサで可動鉄芯のストロークを規制していることから、スペーサの厚みを薄くすることによって、補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの急勾配部の一部がグラフ上で現れることとなる。例えば、従来のスペーサの厚み寸法は、約2〜3mm程度に形成されていることから、スペーサの厚みを約2mm以下に形成することによって、補助ゾーンでの高吸引力を引き出すことが可能となる。スペーサの厚みを小さくすることは、比例ソレノイドの体格を大きくするものではないことから、小型の比例ソレノイドを装着することができる。
【0018】
また、高吸引力形成手段の二つ目は、請求項3記載の発明に示すように、固定鉄芯と非磁性部とを接合するテーパ面の形状を改良することにある。つまり、補助ゾーンで形成する第2のテーパ面の垂直方向に対する傾斜角度を、制御ゾーンで形成する第1のテーパ面の垂直方向に対する傾斜角度より小さく形成することによって、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、請求項2記載の発明と同様に、補助ゾーン内に立ち上がりゾーンの立ち上がり部の一部をグラフ上で現すことができる。固定鉄芯と非磁性部との接合面におけるテーパ面の形状を変化させることは、比例ソレノイドの体格を大きくすることではないことから、小型の比例ソレノイドを装着することができる。
【0019】
さらに、高吸引力形成手段の三つ目は、請求項4記載の発明に示すように、請求項2記載の発明に加えて、請求項3記載の発明で示す第1のテーパ面と第2のテーパ面のうち、その垂直方向に対する傾斜角度のいずれかを大きくすることにある。
【0020】
つまり、通常より薄く形成されたスペーサを装着することによって、補助ゾーンには、制御ゾーンにおける吸引力より大きく立ち上がることができる立ち上がりソーンの一部を形成できることに加えて、補助ゾーンで形成する第2のテーパ面の傾斜角度を制御ゾーンで形成する第1のテーパ面の傾斜角度より小さく設定すれば、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、立ち上がりソーンの勾配状態をさらに急勾配にすることができて、可動鉄芯の復帰作用を行うばね力の負荷が大き過ぎることによるバルブが閉めきれない状態を防止できる。
【0021】
また、第2のテーパ面の傾斜角度を、第1のテーパ面の傾斜角度より大きく形成することによって、補助ゾーンでは制御ゾーンよりテーパ面の傾斜角度を緩やかな傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が軽減される。それによって補助ゾーンでの吸引力が軽減されることになり、例えば、立ち上がりゾーンの勾配が急角度で設定し過ぎることによって発生する残留磁気の増大を防止することができる。
【0022】
従って、請求項4記載の発明では、スペーサの厚み寸法によって、第1のテーパ面と第2のテーパ面の傾斜角度のいずれかを大きくするかを選択することができて設計の自由度を向上することができる。
【0023】
なお請求項1〜4記載の発明では、可動鉄芯の小ストローク時で、高吸引力を引き出すことができることから流量調整弁の閉じる速度を速くすることができるとともに、流体制御弁を閉じるときだけに大きな吸引力を引き出すことができることから発熱が小さくなって低電力で省エネルギー化を達成できるという効果も発生できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
実施形態の比例ソレノイド1は、中空状に形成されたコイル体2と、コイル体2に内蔵する固定鉄芯3と、固定鉄芯3に対して接近離隔する方向に摺動可能な可動鉄芯5とを備えて構成されている。可動鉄芯5はコイル体2の内周面及び上端面に連接して配置される磁性体のヨーク4に摺動案内可能に配置され、中央部に長尺状のピン6が貫通するように配置されている。ピン6の一端は、固定鉄芯3を貫通して図示しない流体制御弁(以下、バルブという。)に連結されて、バルブを作動可能に構成している。
【0026】
コイル体2に内蔵されている固定鉄芯3は、コイル体2の下端面を支持するようにフランジ状に形成されるとともに、中央部に軸受7を介して固定鉄芯3を貫通するピン6を摺動案内するように形成されている。固定鉄芯3の上端部は、可動鉄芯5の下部を摺動案内する凹部32を有するガイド部31を形成するとともに、ガイド部31の外周面は先細り状のテーパ面33に形成されている。
【0027】
固定鉄芯3とヨーク4の下面との間には、非磁性部10が配置されて固定鉄芯3のガイド部31のテーパ面33とテーパ面11で接合されている。また、固定鉄芯3の凹部32内ではスペーサ13が挿入されて、可動鉄芯5の移動を規制している。
【0028】
可動鉄芯5の上方には、可動鉄芯5の一端側を塞ぐようにキャップ部15が配置されるとともにピン6の一端を軸受8を介して摺動支持している。さらに、キャップ部15と固定鉄芯3を一体的に連結するために、コイル体2の周りを覆う樹脂層が一体成形で充填されてケース体16を構成している。
【0029】
上記のように構成された比例ソレノイド1において、コイル体2に電流を印加すると、ヨーク4・可動鉄芯5・固定鉄芯3との間に磁束が流れて磁気回路を形成することとなって、可動鉄芯5が固定鉄芯3に対して接近するように移動される。この可動鉄芯5の固定鉄芯3に対するストロークによって磁束の流れる量が変化して、固定鉄芯3の可動鉄芯5に対する吸引力が変化する。つまり、ストロークの大きいときには吸引力は小さく、ストロークが小さくなるにしたがって吸引力が高くなる。
【0030】
固定鉄芯3と非磁性部10とはお互いにテーパ面31・11で接合されていることから、磁性部が非磁性部に食い込むことによって、本来、磁束が流れない非磁性部で磁性部を介在することにより吸引力を増加させることができる。従って、テーパ面の範囲におけるストローク範囲ではストロークが大きくても磁束を増加させることができ、その範囲内で吸引力を平均化して図2のストローク‐吸引力特性グラフの中に示されるほぼ水平状態で現された水平特性部Hを形成することができる。
【0031】
この水平特性部Hにおいて、ピン6に連結されたバルブが移動して流量の調整を行うことができる。そしてこの水平特性部Hが、バルブのコントロールゾーンとして作用される。バルブのコントロールゾーン(水平特性部H)は、バルブが実質的に作用する制御ゾーンH1と、バルブを閉めるためにバルブの制御ゾーンH1までに移動する補助ゾーンH2とで形成される。
【0032】
可動鉄芯のストロークに対する吸引力は、図2に示すストローク‐吸引力特性グラフによって詳細に示される。
【0033】
図2のグラフにおいて、曲線Aは一般的な比例ソレノイド1のストローク‐吸引力特性曲線を示すものであり、立ち上がりゾーンでは急勾配状の立ち上がり部L1を有して高吸引力を示し、コントロールゾーンでは、ほぼ水平状態に現される水平特性部Hを示し、コントロールゾーンを越えると急勾配で下降する不用ゾーンとして形成されている。そして、立ち上がりゾーンに形成される立ち上がり部L1を従来のスペーサ13A(図3参照)ですべて吸収する場合には、(a)のように、立ち上がりゾーンは(0〜▲2▼)の範囲に現され、コントロールゾーンは(▲2▼〜▲5▼)の範囲となり、不用ゾーンは▲5▼以降となる。
【0034】
この補助ゾーンH2での吸引力を制御ゾーンH1より上昇させる場合、第1の形態としては、図3に示すように、スペーサ13の厚みを薄く形成する。従来の場合、図2のストローク‐吸引力特性グラフにおいて、コントロールゾーンで示されるストロークより小さいストロークの範囲では、水平特性部Hから小ストロークに向かって急勾配で上昇する立ち上がり部L1は、2〜3mm程度の厚みのスペーサ13A(図3参照)で規制された範囲(図2における0〜▲2▼)に現れている。このスペーサ13の厚みを、例えば、2mm以下に形成することによって、図2の特性グラフの(b)に示すように、立ち上がり部L1の一部の立ち上がり部L(図2における▲1▼〜▲2▼)を補助ゾーンH2内に現わすことができ、水平特性部Hより高い吸着力を形成することができる。このスペーサ13を薄くする量は、流体システムにおける流体圧力の強さに合わせて形成することができ、最大、スペーサ13を削除することもできる。
【0035】
これによって、コントロールゾーン(水平特性部H)は▲1▼〜▲4▼に移行して不用ゾーンは▲4▼以降として現れることとなる。従って、補助ゾーンH2の範囲に現れる示す立ち上がり部Lによって、可動鉄芯5を強い吸引力で吸引することになり、バルブを閉じる速度を速くすることとなる。そして、▲4▼以降に現れる不用ゾーンで形成される急勾配状態の曲線L2は、▲4▼〜▲5▼のコントロールゾーンの一部を含んで形成されることとなり、この▲4▼〜▲5▼間のハッチング部で示される部分がエネルギー不用部Mとして形成されることとなる。
【0036】
従って、薄く形成したスペーサ13を装着する比例ソレノイドは、不用ゾーンの開始を▲4▼に設定することによって、曲線Bとすることができ、吸着力アップを図ることができる。
【0037】
また、曲線Bを曲線Aのレベルまで吸引力を抑えることによって、つまり小型の比例ソレノイドを使用することによって、不用ゾーンに曲線Cを形成することができて、このエネルギー不用部Mをなくすことが可能となる。このエネルギー不用部Mをなくすことによって、発熱を抑えて省エネルギー化を達成することができる。
【0038】
上述のように、実施形態の比例ソレノイド1では、ストローク‐吸引力特性において、水平特性部Hに向かう立ち上がり部L1を吸収するために厚みを薄くしたスペーサ13を装着することによって、コントロールゾーン(水平特性部H)内のバルブを閉じる補助ゾーンH2に立ち上がり部Lを形成することができる。従って、スペーサ13の厚みを小さくするだけで高吸引力形成部を形成できることから、比例ソレノイドの体格を大きくすることなく、仕様の吸引力に対して小型の比例ソレノイドで対応することができる。
【0039】
次に補助ゾーンH2に高吸引力を形成するための第2の形態による比例ソレノイド21は、図4に示すように、固定鉄芯23の上端部に形成されるガイド部231のテーパ面233に上端側に形成される第1のテーパ面233aと、その下方に形成される第2のテーパ面233bに分割することによって構成する。そして、第2のテーパ面233bの垂直方向に対する傾斜角度θ2を第1のテーパ面233aの垂直方向に対する傾斜角度θ1より小さく形成する。この比例ソレノイド21内に装着されるスペーサ13Aは、厚み寸法が2〜3mmに形成された一般的なものが使用される。第1のテーパ面233aを制御ゾーンH2の範囲で形成し、第2のテーパ面233bを補助ゾーンの範囲で形成することによって、補助ゾーンの範囲で形成する第2のテーパ面233bは、テーパ面の傾斜角度を制御ゾーンの範囲で形成する第1のテーパ面233aより急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、図5のグラフに示すように、立ち上がり部Lを補助ゾーン内に現すことができ、高吸引力の形成する第1の形態と同様の効果を達することができる。
【0040】
また、次に補助ゾーンH2に高吸引力を形成するための第3の形態による比例ソレノイド26は、図6に示すように、図4に示すスペーサ13Aより薄く形成したスペーサ13を装着することに加えて、固定鉄芯27のガイド部271のテーパ面273を制御ゾーンH2の範囲で形成する第1のテーパ面273aと補助ゾーンの範囲で形成する第2のテーパ面273bとに分割する。
【0041】
この場合、図7のグラフに示すように、2mm以下で薄く形成されたスペーサ13によって、すでに、補助ゾーンには立ち上がり部Lが現れている。この立ち上がり部Lの曲線に対して、第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1と第2のテーパ面273bの傾斜角度θ2のいずれかを大きくすることによって急な曲線L3にしたり、緩やかな曲線L4にしたりすることができる。なお、第2のテーパ面273bの傾斜角度θ2が第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1と同一の角度で形成されている場合に、図7で示す立ち上がり部Lが形成されることとなり、第2のテーパ面273bの傾斜角度を変えることによって、急な曲線L3を形成したり、緩やかな曲線L4を形成したりすることになる。
【0042】
例えば、立ち上がり部Lの曲線が緩過ぎると、バルブを復帰させるばね力の負荷が大きくなってバルブを閉じることができなくなることがあり、ばね力の負荷に打ち勝つために、補助ソーンにおける吸引力をさらに高める必要があり、その場合、第2のテーパ面273bを第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1より小さくした傾斜角度θ3とする。これによって、補助ゾーンの範囲で形成される第2のテーパ面273bは、制御ゾーンにおける第1のテーパ面273aの傾斜角度より急傾斜に形成することとなって吸引力の垂直方向の分力が増大する。それによって吸引力が増加することになり、図7のグラフにおける立ち上がり部Lの曲線より急な曲線L3を現わすことができる。
【0043】
また、逆に、立ち上がり部Lの曲線が急過ぎて可動鉄芯が固定鉄芯とから離れて復帰する際に、残留磁気が多くなって可動鉄芯の復帰作用に支障が生じる場合、第2のテーパ面273bを第1のテーパ面273aの傾斜角度θ1より大きくした傾斜角度θ4とする。これによって、補助ゾーンの範囲で形成される第2のテーパ面273bは制御ゾーンの範囲で形成される第1のテーパ面273aより傾斜角度が緩やかになって、吸引力の水平分力が増大して垂直方向の分力が軽減する。それによって吸引力が軽減されることになり、図7のグラフにおける立ち上がり部Lの曲線より緩やかな曲線L4を現わすことができる。
【0044】
このように、スペーサの厚みによって立ち上がり部Lより急な曲線L3や緩やかな曲線L4を形成することができることから、設計の自由度を増すことが可能となる。
【0045】
なお、第2の形態(又は第3の形態)による比例ソレノイド21(又は26)の固定鉄芯23(又は27)のガイド部231(又は271)におけるテーパ面233(又は273)の形状を変化させるだけであるから、比例ソレノイド21(又は26)の体格を大きくすることなく補助ゾーンでの吸引力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な比例ソレノイドの断面を示す断面図である。
【図2】ストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図3】第1の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図4】第2の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図5】第2の形態によるストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図6】第3の形態によって高吸引力を形成する一形態を示す部分断面図である。
【図7】第3の形態によるストローク‐吸引力特性を示すグラフである。
【図8】
比例ソレノイドの各電流値におけるストローク‐吸引力特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1、21、26 比例ソレノイド
2 コイル体
3、23、27 固定鉄芯
5 可動鉄芯
6 ピン
10 非磁性部
11 テーパ面
13 スペーサ
31、231,271 ガイド部
33、233、273 テーパ面
233a、273a 第1のテーパ面
233b、273b 第2のテーパ面
H 水平特性部(コントロールゾーン)
H1 制御ゾーン
H2 補助ゾーン
L 立ち上がり部
Claims (4)
- コイルに電流を印加することによって、可動鉄芯が静止状態の固定鉄芯に対して移動可能に構成され、電流制御により前記可動鉄芯の位置を制御して流量制御弁の流量を調整可能とした比例ソレノイドであって、
ストローク‐吸引力特性において、前記可動鉄芯に連結された前記流量調整弁の流量調整範囲であるコントロールゾーンが、前記流量調整弁を閉めるための補助ゾーンと流量調整可能な制御ゾーンとを含んで形成され、前記補助ゾーンにおける吸引力を前記制御ゾーンにおける吸引力より高く設定する高吸引力形成手段を備えてなることを特徴とする比例ソレノイド。 - 前記固定鉄芯と前記可動鉄芯との間にスペーサが配置され、前記高吸引力形成手段が、前記スペーサの厚みを、前記ストローク‐吸引力特性において、前記補助ゾーンの吸引力が前記制御ゾーンで形成される水平状態から上昇できる寸法で設定することを特徴とする請求項1記載の比例ソレノイド。
- 前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度が、前記第1テーパ面における垂直方向に対する傾斜角度より小さく形成されていることを特徴とする請求項1記載の比例ソレノイド。
- 前記固定鉄芯は、磁性体で形成されて前記可動鉄芯の摺動案内するガイド部との間で非磁性部と連接するとともに前記非磁性部で接合する部位がテーパ面で連接され、前記高吸引力形成手段が、前記テーパ面を、前記制御ゾーンを形成する第1のテーパ面と前記補助ゾーンを形成する第2のテーパ面とに分割して形成し、前記第1のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度と、前記第2のテーパ面における垂直方向に対する傾斜角度とは、いずれかが大きな傾斜角度で形成されていることを特徴とする請求項2記載の比例ソレノイド。
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