JP2004218059A

JP2004218059A - Galvanized steel plate manufacturing method

Info

Publication number: JP2004218059A
Application number: JP2003010268A
Authority: JP
Inventors: Hideya Iwamoto; 英哉岩本
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2003-01-17
Filing date: 2003-01-17
Publication date: 2004-08-05

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a galvanized steel plate manufacturing method in which treatment solution, galvanizing solution or the like to be used in after-process are no foaming. <P>SOLUTION: In the galvanized steel plate manufacturing method in which the steel plate is subjected to temper-rolling and further chemical conversion after galvanizing, the galvanized steel plate is subjected to temper-rolling by using galvanizing solution containing surfactant, cleaned with alkali aqueous solution, rinsed with water, and further subjected to chemical conversion. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
溶融亜鉛系めっき鋼板が産業上の様々な分野で使用されるようになり、表面性状に対してより厳格な品質を要求する用途が増加している。特に自動車部品や家庭用電化製品の用途で、塗装下地に使用されて消費者の目に触れる部品に使用される場合には、特に様々な要求がなされる。あるいは、金型によるプレス加工を受ける用途では、型によるカジリや割れが発生しないようにプレス油等の塑性加工油を潤滑剤として使用するが、複雑な形状を形成する場合や、深絞り加工の場合には単に加工油を塗布したのみでは対応できない場合がある。このような場合に対応する方法のひとつとして、調質圧延で下地のめっき鋼板の表面粗さを大とする方法が行われている。
【０００３】
鋼板の表面粗さを大とした場合、プレス等塑性加工時に、鋼板表面に形成された凹凸と金型表面との間に、上記加工油が封じ込まれて、いわゆる潤滑剤のミクロプールが形成される。これにより、鋼板が金型から圧力を受けて塑性変形する際に、鋼板表面と金型表面との間に、上記ミクロプールより潤滑剤たる加工油が供給されて、鋼板表面と金型表面との焼きつきが防止される。
【０００４】
このような働きを持つミクロプールが塑性加工時に形成されるためには、鋼板表面を所定粗さに調製する必要がある。そのために、ワークロールを所定の表面粗さに調製した調質圧延機で調質圧延（以下において「スキンパス」という。）を行って、ワークロール表面の凹凸をめっき鋼板の表面に圧延転写する。
【０００５】
ワークロール表面の凹凸を効率よく鋼板表面に転写するためには、圧延荷重を増して圧下率を高くすることが簡便かつ有効な方法である。しかし、このように単に圧下を大きくとるだけすると、鋼板表面のめっき粉が焼付きや巻き付きにより、ワークロール表面へ転着しやすくなり、めっき鋼板の表面品質が低下する。これにより頻繁なワークロール交換が必要となって、歩留が低下する。
【０００６】
上記現象は、溶融めっき鋼板でしばしば発生する。このため、ワークロールの表面粗さを鋼板表面に十分に転写する目的を持って調質圧延における圧下率を高める場合、専用の調質圧延液を使用する技術が提唱されている。例えば、特許文献１には、脂肪酸、界面活性剤、キレート材（アミン）を含有する水溶性調質圧延用加工液が開示されている。この脂肪酸は、潤滑性を向上させるためのもので、圧下率コントロール性を向上させるために含有されている。また、界面活性剤は該水溶性調質圧延用加工液のワークロールへの濡れ性を向上させ、洗浄性を向上させるために添加されている。また、キレート材であるアミン系添加剤は、圧延後の鋼板の防錆性を高めるものである。
【０００７】
また、特許文献２および３には、調質圧延機のワークロール粗さの高いロールと調質圧延用加工液を使用し、めっき鋼板表面の粗さを調整する技術が開示されている。これら特許文献においても、調質圧延には、界面活性剤、キレート材（アミン）を含有する調質圧延用加工液が使用されている。
【０００８】
上記各特許文献に開示されているように、粗さの大きなワークロールでスキンパスすると、所望の表面粗さを備えた溶融亜鉛系めっき鋼板が得られ、かつ調質圧延用加工液をスプレーしながら圧延することによって、ワークロールへの亜鉛のピックアップが抑制されて、効率的に製造することが可能になる。
【特許文献１】
特開２０００−８７０７３号公報
【特許文献２】
特開２００１−２７６９０５号公報
【特許文献３】
特開２００２−１１５０１号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧延後のめっき鋼板表面には調質圧延用加工液成分が少なからず残存し、これが後工程において様々な悪影響を及ぼすことがある。特に調質圧延において、上記したごとく後工程の潤滑性を上げるためにワークロール表面を所定の粗さに調製してスキンパスした場合、そのロール表面粗さが鋼板表面に転写されて、鋼板表面には微細な凹凸が形成され、その凹部に調質圧延用加工液成分が残存しやすい。
【００１０】
該調質圧延用加工液成分の中でも、界面活性剤はその性質から、単独であるいは他の薬剤と混合されることによって、微量でも発泡を引き起こすことがある。例えば後工程において使用される薬液にこのような発泡が生じた場合、薬液の劣化や、タンクの液面高さ制御系に悪影響を及ぼす。すなわち、薬液タンクの液面高さを検出するために超音波等の非接触型センサーを使用しているような場合、泡により高さ測定が不可能になり、濃度調整や液の補給等に支障をきたす。また、後工程に、鋼板表面にスプレーを施す工程がある場合、スプレー液のラインタンク内で発泡すると、泡が鋼板に接触しムラ等の問題が生ずることがある。
【００１１】
また、溶融亜鉛系メッキラインではスキンパス以後何の処理をしなかった場合であっても、その鋼板の受入れ先で同様な問題が生じる懸念がある。例えば、自動車部品のプレス加工工程では、プレス油を使用した後脱脂を行うが、この脱脂剤に上記の調質圧延用加工液の残存成分が混入して発泡することがある。あるいは、溶融亜鉛系めっき鋼板を塗装鋼板の母材とした場合、塗装下地の化成処理工程で同様の懸念が生じる。
【００１２】
このように、溶融亜鉛系めっき装置にて製造された鋼板を、界面活性剤を含む加工液を使用して所定のワークロール粗さのもとスキンパスを行った場合に、後工程において上記発泡問題が発生しているが、特許文献１〜３にはこれらに関する解決手段についてはおろか、問題の存在にすら言及がない。
【００１３】
そこで本発明は、後工程において使用される処理液、加工液等が発泡を起こさない溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これら界面活性剤を含有する調質圧延用加工液を使用して、所定粗さのワークロールにより調質圧延をした後に、所定の表面粗さに調整された鋼板表面に残存する界面活性剤をどのようにして効果的に洗浄除去することができるかについて、種々の検討を行なった。
【００１５】
まず、最初に検討したのは水溶性の調質圧延用加工液を水で洗い流す方法である。水をスプレーできる洗浄槽に調質圧延後の溶融亜鉛系めっき鋼板を通過させてみたが、結果的には完全に洗浄できず後工程の処理液で泡が発生した。これは、鋼板表面のめっき皮膜に多数の微細な凹みが圧延時に転写されているため、この凹み部分に調質圧延用加工液が残存し、軽度のスプレーや水浸漬では簡単に除去できないためであると推定される。
【００１６】
さらに水温を４０℃に加温して、温水洗浄を行ったがやはり界面活性剤を完全に洗浄できず、後工程の処理液で泡が発生し、上記の場合と同様の結果に終わった。また、水による高圧洗浄を検討したが、設備が大きくなりすぎ、設備投資が大きな負担になることが判明したため検討から除外した。
【００１７】
次に有機溶剤等の軽質炭化水素油による洗浄を検討した。ノルマルパラフィンやイソパラフィン等の脂肪族炭化水素油は、毒性は低いものの、洗浄能力の点で十分な性能が得られず、後工程において発泡が認められ、採用不可であった。また、芳香族系炭化水素油は、洗浄力は十分あるものの、蒸発成分の吸引毒性が指摘されている。その対策として洗浄装置全体を閉鎖系にしなければならず、設備が大掛かりになって、コスト負担が極めて大きなものとなり、採用できない。また、これら軽質炭化水素油は、常に火災発生の危険をはらむものであり、その点においても採用には慎重にならざるを得ない。
【００１８】
次に薬液による洗浄を検討した。酸系の薬液、特にリン酸やクロム酸といった薬液は、洗浄の対象となるのが溶融亜鉛系めっき鋼板であるため、後の化成処理工程に影響を与えることが判明し、採用不可とした。
【００１９】
そこでアルカリ系の洗浄剤を種々検討した。その中で最も一般工業界において広く使用されており、価格も低廉な水酸化ナトリウム水溶液に注目した。そして水酸化ナトリウム水溶液を所定の条件で使用すれば、所定の表面粗さに調整された鋼板表面に残存する界面活性剤を十分に洗浄除去して、後工程における泡立ちの発生を抑制、防止可能であることを見出した。
【００２０】
以下に本発明を具体的に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【００２１】
本発明の第一の観点にかかる態様は、めっき後に調質圧延する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法において、めっき後の鋼板（Ｓ）を、界面活性剤を含む加工液を使用して調質圧延し、次いでアルカリ水溶液で洗浄し、さらに水洗することを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供するものである。
【００２２】
このように構成すれば、調質圧延加工液に含まれる界面活性剤がアルカリ洗浄により鋼板表面から除去されるので、後工程において界面活性剤の存在により発泡するという事態を回避することができる。
【００２３】
さらに本発明の第二の観点にかかる態様は、めっき後に調質圧延し、さらに化成処理する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法において、めっき後の鋼板（Ｓ）を、界面活性剤を含む加工液を使用して調質圧延し、次いでアルカリ水溶液で洗浄し、その後水洗し、さらにその後化成処理することを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供するものである。
【００２４】
このように構成すれば、調質圧延加工液に含まれる界面活性剤がアルカリ洗浄により鋼板表面から除去されるので、後工程の化成処理において界面活性剤の存在により化成処理液が発泡するという事態を回避することができる。
【００２５】
上記第一の観点にかかる態様においては、めっき、調質圧延、アルカリ水溶液洗浄、および水洗の各工程は連続して行われることが好ましい。また上記第二の観点にかかる態様においても、めっき、調質圧延、アルカリ水溶液洗浄、水洗、および化成処理の各工程は連続して行われることが好ましい。このように各工程を連続して行えば、換言すれば各工程を１ライン上に配置すれば、鋼板のペイオフリール、および巻き取りリールをラインの両端に配置するのみで済むので、装置ごとに鋼板のペイオフリール、および巻き取りリールを備える場合と比べ、工場内のスペースをより有効に活用することができる。また、調質圧延直後にアルカリ洗浄が行われるので、鋼板表面に残留する調質圧延加工液の経時変化（例えば水分の蒸発による、濃縮化、高粘度化、添加剤同士の化学反応による変質等）に起因するアルカリ洗浄に対する悪影響（洗浄が困難になること。）が発生する余地を排除することができる。
【００２６】
ここに本発明における溶融亜鉛系めっき鋼板とは、Ｚｎを主体とする溶融亜鉛めっき鋼板（例えば、ＪＩＳＧ３３０２に規定される溶融亜鉛めっき鋼板。めっき皮膜中には、Ａｌを０．５％程度以下の微小量含んでいてもよい。また、合金化処理されている物を含む。）のほか、相当量の合金元素を含んでいてもよい。例えば、ＪＩＳＧ３３１７、Ｇ３３２１に規定される溶融５％アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、溶融５５％アルミニウム−亜鉛めっき鋼板も本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板に含まれる。
【００２７】
本発明における「界面活性剤」とは、界面活性を示す物質のことをいい、界面活性を示すとは、ある物質が界面にはたらいて、界面張力の低下に代表されるような、界面の性質の変化をもたらすことをいう。一般に界面活性を示す物質は、ひとつの分子中に、水によくなじむ部分、つまり親水基と、油によくなじむ部分、つまり親油基（疎水基）をあわせもっている。
【００２８】
本発明における加工液中の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは２種以上を併用して使用できる。カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、アルキル・トリメチルアンモニウム、アルキル・ピリジウムなどを使用することができる。アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどを使用することができる。また、ノニオン界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などを使用することができる。両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第４級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類；ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ（アミノエチル）グリシン、オクチルジ（アミノエチル）グリシンなどのアミノ酸タイプのものなどを使用することができる。
【００２９】
本発明における調質圧延後の洗浄における洗浄液として、アルカリ水溶液を使用することは必須である。酸系の薬液、特にリン酸やクロム酸といった薬液は、洗浄の対象となるのが亜鉛めっき鋼板であるため、後の化成処理工程に影響を与えるため洗浄液としては好ましくない。
【００３０】
アルカリ水溶液のアルカリ分としては特に限定されるものではなく、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、およびアンモニア、カルシウムやバリウムの水酸化物、並びに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウムなど水に溶けてアルカリ性を示すものをも広く使用することが可能である。これらの中でも、工業的に各分野において広く使用されており、入手が容易で、価格的にも魅力ある水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ：カセイソーダ）を使用することが好ましい。
【００３１】
また、上記アルカリ水溶液の濃度は、１〜１０容量％であることが好ましく、さらに２〜７容量％であることがより好ましい。ここに容量％は、２５℃における容量を基準として決定される。アルカリ水溶液の濃度が１容量％未満であると、洗浄能力が不足して、鋼板表面に界面活性剤が残留することがあるので好ましくない。一方アルカリ水溶液の濃度が１０容量％を超えると、鋼板表面の亜鉛めっき層が一部溶解して、鋼板表面にムラ模様が生じるため好ましくない。
【００３２】
また、本発明において、調質圧延に使用される界面活性剤を含む加工液には、さらにキレート剤、および／または脂肪酸が含有されることが好ましい。加工液にキレート剤を添加することにより、加工液の防錆能力を高めることができる。また、油性剤である脂肪酸を添加することにより、加工液の潤滑性を向上させることができ、調質圧延において、圧下を自由にコントロールすることが可能となる。また、鋼板表面を被覆する亜鉛めっき膜のワークロール表面への転着を抑制・防止することが可能となる。
【００３３】
本発明において調質圧延における圧下率や、ワークロール（５ａ、５ｂ）の表面粗さについて特に限定されるものではないが、圧延される溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に、後工程における塑性加工において潤滑剤の供給源として働くミクロプールを形成するだけの凹凸を形成できるような、圧下率や、ワークロールの表面粗さが選定されることが好ましい。たとえばワークロール表面粗さとして、Ｒａ＝１．５〜４．０μｍ、圧下率として２〜５％の条件でスキンパスすることができる。ワークロールの表面加工方法は、ショットダル、放電加工のいずれでもよい。
【００３４】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【００３５】
【発明の実施の形態】
図１は、溶融亜鉛系めっき鋼板製造ライン１００の模式図である。この溶融亜鉛系めっき鋼板製造ライン１００には、上流側から連続焼鈍炉１、溶融亜鉛めっき装置２、ガスワイピング装置３、調質圧延機５、レベラー６、アルカリ洗浄装置７、水洗浄装置８、及び、化成処理装置９の順に配置されている。さらに化成処理装置９の下流側には、不図示の巻き取り装置が設けられ、コイル状に巻き取られた鋼板はその後、次工程あるいは客先へと送られる。
【００３６】
母材である冷延鋼板または熱延鋼板は、連続焼鈍炉１で焼鈍され所定の温度まで冷却された後、溶融亜鉛めっき装置２へと送られる。鋼板Ｓは、溶融亜鉛めっき装置２内の溶融亜鉛が満たされためっき浴２ａを通過し、この過程で鋼板表面に亜鉛めっき層が形成される。めっき浴２ａを通過した鋼板Ｓは、ドライブロール４にて巻き上げられて、溶融亜鉛めっき装置２の直上に設置されたガスワイピング装置３により、表面のめっき付着量が所定の厚さとなるように調整される。
【００３７】
鋼板Ｓは、この後冷却過程を経て調質圧延機（スキンパスミル）５へと送られる。調質圧延機５では、鋼板Ｓは圧下率２〜５％の範囲で調質圧延される。ここに圧下率は
（（圧延前板厚）−（圧延後板厚））×１００／（圧延前板厚）
で表される。通常の圧延においては、生産性を高めるため１パスあたりの圧下率は、鋼板表面性状が劣化しない範囲で、すなわち圧延潤滑が良好に保たれる範囲内で高いほど好ましく、圧下率は場合により２０％を上回ることもある。しかし、調質圧延は、板厚の微調整、および鋼板表面性状の調整を主目的とする圧延であり、上記のような圧下率が採用される。
【００３８】
調質圧延においては、加工液を圧延機５の入側から鋼板Ｓの表裏面、または上下のワークロール５ａ、５ｂにスプレー等で噴射する（図中の符号ＡおよびＢ参照）。調質圧延機５では、ワークロール５ａ、５ｂの表面粗さと圧下率（圧延荷重・伸び率）により鋼板Ｓの表面粗さが調整される。圧延機５の入り側でスプレーされた加工液の大半は鋼板Ｓがロールバイト部を通過する際に、圧延機オイルパンに落下するが、一部はロールバイト部を鋼板Ｓとともに通過し、圧延機５の出側において鋼板Ｓ表面に微量に存在する。
【００３９】
次いで鋼板Ｓは、レベラー６においてその平坦度が修正される。レベラー６において平坦度が修正された鋼板Ｓは、アルカリ洗浄装置７へと送られる。
【００４０】
アルカリ洗浄装置７は、上下のシャワー洗浄装置７ａ、および７ｂと、これらのシャワー洗浄装置７ａ、７ｂにアルカリ洗浄液を供給するアルカリ洗浄液供給手段７ｓとを備えている。アルカリ洗浄液供給手段７ｓは、アルカリ液供給タンク７ｔと、該液をアルカリ液供給タンク７ｔからシャワー洗浄装置７ａ、７ｂに送るポンプ７ｐ、およびアルカリ液供給タンク７ｔとシャワー洗浄装置７ａ、７ｂとを結ぶ配管群とを備えている。さらに必要に応じてアルカリ液供給手段７ｓには、液加温装置、冷却装置、ろ過装置等を適宜設けることができる。また、アルカリ洗浄液の性状および量を自動的に監視して、適宜新液を供給するための、ｐｈセンサー、温度計、新液サブタンク等を付設してもよい。
【００４１】
アルカリ洗浄装置７において、鋼板Ｓは、上下からシャワー洗浄装置７ａ、７ｂにより、アルカリ洗浄液の噴射をそれぞれ表面、裏面に受ける。当該アルカリ洗浄装置７によるアルカリ洗浄によって、鋼板Ｓ表面に残留する加工液中の界面活性剤が洗浄除去される。鋼板Ｓ表面に残留する加工液中の界面活性剤は、平坦部にも若干付着するが、上記したように、主に直前に行われた調質圧延により形成された鋼板表面の凹部に入り込んでいるので、シャワー洗浄装置７ａ、７ｂから噴射されるアルカリ洗浄液には、凹部内の界面活性剤を洗浄除去するのに十分な噴射圧力を与えることが望ましい。アルカリ洗浄装置７は、鋼板Ｓをアルカリ洗浄浴内に通過させる構成をとることも可能であるが、上記観点からシャワー洗浄装置として構成することが好ましい。
【００４２】
アルカリ洗浄を終えた鋼板Ｓは、次いで水洗浄装置８へと送られる。水洗浄装置８は、上下のシャワー洗浄装置８ａ、および８ｂと、これらのシャワー洗浄装置８ａ、８ｂに洗浄液としての水を供給する洗浄水供給手段８ｓとを備えている。なお、水洗浄装置８において使用される洗浄水は、純水、あるいはイオン交換水のような高純度のものである必要はなく、上水または工業用水で足りる。洗浄水供給手段８ｓは、洗浄水供給タンク８ｔと、該水を洗浄水供給タンク８ｔからシャワー洗浄装置８ａ、８ｂに送るポンプ８ｐ、および洗浄水供給タンク８ｔとシャワー洗浄装置８ａ、８ｂとを結ぶ配管群とを備えている。さらに必要に応じて洗浄水供給手段８ｓにも、液加温装置、冷却装置、ろ過装置等を適宜設けることができる。
【００４３】
当該水洗浄装置８によって、アルカリ洗浄により鋼板表面に残留するアルカリ液が洗浄除去される。ここでもアルカリ液は鋼板表面の凹部に入り込んでいる可能性があるので、シャワー洗浄装置８ａ、８ｂからは洗浄水を所定圧力で噴射することが好ましい。また、洗浄効果を高めるために洗浄水を所定温度に加温しても良い。
【００４４】
水洗浄を終えた鋼板Ｓは、必要に応じ化成処理装置９において防錆皮膜形成、潤滑皮膜形成等の化成処理が施される。このとき、前記アルカリ洗浄の効果によって、化成処理時の発泡が抑制される。化成処理を施された鋼板Ｓはその後製品としてコイルに巻き取られ、出荷される。なお、化成処理を施さない鋼板については、そのまま巻き取られる。
【００４５】
上記のように、本実施形態にかかる溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法によれば、調質圧延の直後にアルカリ洗浄によって調質圧延の加工液中に含まれる界面活性剤が洗浄除去されるので、後工程である化成処理や、客先での加工工程等において、処理液、加工液にあわ立ちが発生することが抑制・防止される。
【実施例】
以下に実施例によりさらに具体的に本発明を開示する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。ここでは実施例として実際の溶融メッキラインを含む実機ベースの溶融亜鉛系めっき鋼板製造装置を構成した。各設備の構成および配置は図１に示すものと同一である。以下に詳細な仕様を示す。
【００４６】
＜１＞実施例における仕様
（鋼板）
品種：ＧＩ（０．２％Ａ１−Ｚｎめっき鋼板）、及びＧＦ（５％Ａ１−Ｚｎめっき鋼板）
サイズ：板厚０．３５〜４．５ｍｍ／板幅６１０〜１２５０ｍｍ
（調質圧延）
圧延種類：スキンパス
ワークロール粗さ：Ｒａ１．５〜３．０μｍ
加工液：市販調質圧延油を水で所定倍率（２０倍、３０倍、７０倍）に希釈して使用した。調質圧延における加工液はワークロールへの巻き付き防止等の目的があり、成分として界面活性剤、キレート剤、脂肪酸等の潤滑防錆成分を含んだものを使用した。市販加工液は、通常水に希釈された加工液コンセントレーション（濃縮液）として流通されており、これを相当濃度に希釈して使用する場合が多い。本発明例に使用した加工液も、希釈して上記濃度にて使用した。希釈の下限は、界面活性剤を０．０１重量％以上含有する程度が実用的である。濃度を上げすぎた場合は、加工液としての効果は大きく変化せず経済的に不利となるため上限を２０倍希釈とした。
（アルカリ洗浄）
アルカリ洗浄液：水酸化ナトリウム水溶液（濃度レベル（容量％）：なし、１％、３％、５％、１０％）
アルカリ洗浄液温度：４０℃
スプレー圧：０．２ＭＰａ（２ｋｇｆ／ｃｍ^２）
流量：５ｍ^３／Ｈｒ（図１における上側の面の流量：下側の面の流量＝およそ１：３）
アルカリ洗浄装置におけるアルカリ洗浄液のスプレーゾーンを通過する時間は、ラインスピードにより変化するが、およそ２〜１０秒程度である。アルカリについては、一般的に入手可能な濃度４０％程度の水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）を希釈して使用した。このとき、アルカリ濃度を濃くしていくとめっきが一部溶解してムラ状の模様となるため１０％を超える濃度では評価を行っていない。
（水洗浄）
スプレー圧：０．２ＭＰａ（２ｋｇｆ／ｃｍ^２）
流量：１０ｍ^３／Ｈｒ
上水を使用した。
（化成処理）
クロム酸イオン含有水溶液を鋼板にスプレーしてクロメート処理を行った。
【００４７】
＜２＞評価方法
発泡性の確認は、クロメート処理タンク内での発泡状況により評価した。
【００４８】
＜３＞評価結果
評価結果を表１（実施例）及び表２（比較例）に示す。
【表１】

【表２】

【００４９】
＜４＞結論
調質圧延後に鋼板表面を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ洗浄をした後、水洗浄を行った場合、後工程の化成処理液で発泡が起きなかった。一方、調質圧延後に鋼板表面をアルカリ洗浄せず、水洗浄のみ行った場合は、後工程の化成処理液が発泡した。
【００５０】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【００５１】
【発明の効果】
以上に説明したように、界面活性剤やキレート剤を含有した調質圧延加工液を使用して調質圧延した溶融亜鉛系めっき鋼板を、アルカリで洗浄することにより、後工程で発生する発泡の問題を解決した。これにより後処理、特に化成処理工程で発泡による品質・設備不具合がなくなった。また、客先での同様な発泡のトラブルもなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図１】溶融亜鉛系めっき鋼板の製造ラインを示す概略図である。
【符号の説明】
Ｓ鋼板
１連続焼鈍炉
２溶融亜鉛めっき装置
３ガスワイピング装置
５調質圧延機
５ａ、５ｂワークロール
６レベラー
７アルカリ洗浄装置
８水洗浄装置
９化成処理装置
１００溶融亜鉛めっきライン[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Hot-dip galvanized steel sheets have been used in various industrial fields, and applications that require stricter quality for surface properties are increasing. In particular, various demands are made in the case of being used as a base material for painting and used as a part that can be seen by consumers, such as in the use of automobile parts and household electric appliances. Alternatively, in applications that require press working with a mold, plastic working oil such as press oil is used as a lubricant so that galling or cracking due to the mold does not occur. In some cases, simply applying the processing oil may not be sufficient. As one of the methods corresponding to such a case, a method of increasing the surface roughness of the base plated steel sheet by temper rolling has been performed.
[0003]
When the surface roughness of the steel sheet is large, the above-mentioned processing oil is sealed between the irregularities formed on the steel sheet surface and the mold surface during plastic working such as pressing, so-called lubricant micropools are formed. Is done. Thereby, when the steel sheet undergoes plastic deformation under pressure from the mold, a processing oil as a lubricant is supplied from the micro pool between the steel sheet surface and the mold surface, and the steel sheet surface and the mold surface Is prevented from burning.
[0004]
In order for a micropool having such a function to be formed during plastic working, it is necessary to adjust the surface of the steel sheet to a predetermined roughness. For this purpose, temper rolling (hereinafter referred to as "skin pass") is performed by a temper rolling mill in which the work roll is adjusted to a predetermined surface roughness, and the irregularities on the work roll surface are roll-transferred to the surface of the plated steel sheet.
[0005]
In order to efficiently transfer the unevenness of the work roll surface to the steel sheet surface, increasing the rolling load and increasing the rolling reduction is a simple and effective method. However, if the reduction is simply increased, the plating powder on the surface of the steel sheet is easily transferred to the work roll surface due to seizure or winding, and the surface quality of the plated steel sheet is deteriorated. As a result, frequent work roll replacement is required, and the yield is reduced.
[0006]
The above phenomenon often occurs in hot-dip coated steel sheets. For this reason, in order to increase the rolling reduction in temper rolling for the purpose of sufficiently transferring the surface roughness of the work roll to the surface of the steel sheet, a technique using a special temper rolling solution has been proposed. For example, Patent Literature 1 discloses a water-soluble temper rolling working fluid containing a fatty acid, a surfactant, and a chelating material (amine). This fatty acid is used for improving lubricity, and is contained for improving the rolling reduction controllability. Further, a surfactant is added to improve the wettability of the working fluid for the water-soluble temper rolling to the work roll and improve the cleaning property. Further, the amine-based additive which is a chelating material enhances rust prevention of the steel sheet after rolling.
[0007]
Further, Patent Documents 2 and 3 disclose a technique for adjusting the roughness of the surface of a plated steel sheet by using a work roll having a high work roll roughness and a working fluid for temper rolling in a temper rolling mill. In these patent documents as well, a temper rolling working fluid containing a surfactant and a chelating material (amine) is used for the temper rolling.
[0008]
As disclosed in the above-mentioned patent documents, when skin pass is performed with a work roll having a large roughness, a hot-dip galvanized steel sheet having a desired surface roughness is obtained, and a working fluid for temper rolling is sprayed. By rolling, pick-up of zinc to a work roll is suppressed, and efficient production becomes possible.
[Patent Document 1]
JP 2000-87073 A [Patent Document 2]
JP 2001-276905 A [Patent Document 3]
JP-A-2002-11501
[Problems to be solved by the invention]
However, a working fluid component for temper rolling still remains on the surface of the plated steel sheet after rolling, and this may have various adverse effects in the subsequent steps. In particular, in temper rolling, as described above, when the work roll surface is adjusted to a predetermined roughness and skin-passed in order to increase the lubricity in the subsequent process, the roll surface roughness is transferred to the steel sheet surface, and is transferred to the steel sheet surface. Are formed with fine irregularities, and the working fluid component for temper rolling tends to remain in the concave portions.
[0010]
Among the working fluid components for temper rolling, surfactants may cause foaming even in a very small amount due to their properties, either alone or when mixed with other chemicals. For example, when such foaming occurs in a chemical solution used in a post-process, the chemical solution deteriorates and a liquid level control system of the tank is adversely affected. In other words, when using a non-contact type sensor such as ultrasonic waves to detect the liquid level of the chemical tank, the height measurement becomes impossible due to bubbles, and it is necessary to adjust the concentration or replenish the liquid. Cause trouble. Further, when there is a step of spraying the surface of the steel sheet in a later step, if the spray liquid foams in the line tank, the foam may come into contact with the steel sheet to cause a problem such as unevenness.
[0011]
In addition, even if no treatment is performed after the skin pass in the hot-dip zinc-based plating line, there is a concern that a similar problem may occur in the receiving destination of the steel sheet. For example, in a pressing process of an automobile part, degreasing is performed after using a press oil, and the residual component of the working fluid for temper rolling may be mixed with the degreasing agent to foam. Alternatively, when a hot-dip galvanized steel sheet is used as the base material of the coated steel sheet, the same concern arises in the chemical conversion treatment step of the coating base.
[0012]
As described above, when the steel sheet manufactured by the hot-dip galvanizing apparatus is subjected to skin pass under a predetermined work roll roughness using a processing liquid containing a surfactant, the foaming problem occurs in a subsequent process. However, Patent Documents 1 to 3 do not mention any means for solving these problems, or even mention the existence of a problem.
[0013]
Therefore, an object of the present invention is to provide a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet in which a processing liquid, a processing liquid, and the like used in a post-process do not cause foaming.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor uses the working fluid for temper rolling containing these surfactants, performs temper rolling with a work roll having a predetermined roughness, and then remains on the surface of the steel sheet adjusted to a predetermined surface roughness. Various investigations were conducted on how to effectively wash and remove the surfactants.
[0015]
First, the method first examined was a method of washing away a water-soluble working fluid for temper rolling with water. The hot-dip galvanized steel sheet after the temper rolling was passed through a washing tank capable of spraying water, but as a result, it could not be completely washed, and bubbles were generated in the treatment liquid in the subsequent process. This is because many fine dents are transferred to the plating film on the surface of the steel sheet during rolling, so that the working fluid for temper rolling remains in these dents and cannot be easily removed by mild spraying or water immersion. It is presumed that there is.
[0016]
The water temperature was further increased to 40 ° C., and washing with warm water was performed. However, the surfactant could not be completely washed out again, and bubbles were generated in the treatment liquid in the subsequent step, resulting in the same result as above. In addition, we examined high-pressure cleaning with water, but we excluded it from the study because it was found that the equipment was too large and equipment investment was a heavy burden.
[0017]
Next, cleaning with a light hydrocarbon oil such as an organic solvent was examined. Although aliphatic hydrocarbon oils such as normal paraffin and isoparaffin have low toxicity, sufficient performance was not obtained in terms of washing ability, foaming was observed in the subsequent steps, and they could not be adopted. In addition, although aromatic hydrocarbon oils have sufficient detergency, it has been pointed out that inhalation toxicity of evaporated components. As a countermeasure, the entire cleaning apparatus must be a closed system, and the equipment becomes large-sized, the cost burden becomes extremely large and cannot be adopted. In addition, these light hydrocarbon oils always have a risk of fire, and in that respect, they must be used carefully.
[0018]
Next, cleaning with a chemical solution was studied. Acid-based chemicals, particularly phosphoric acid and chromic acid, are subject to cleaning, and are not applicable because they are subject to the subsequent chemical conversion treatment step because they are hot-dip galvanized steel sheets.
[0019]
Thus, various alkaline cleaning agents were studied. Among them, we paid attention to sodium hydroxide aqueous solution which is widely used in general industry and inexpensive. If the aqueous solution of sodium hydroxide is used under predetermined conditions, it is possible to sufficiently remove and remove the surfactant remaining on the steel sheet surface adjusted to the predetermined surface roughness, thereby suppressing and preventing the occurrence of foaming in the subsequent process. Was found.
[0020]
Hereinafter, the present invention will be specifically described. In addition, in order to facilitate understanding of the present invention, reference numerals in the accompanying drawings are added in parentheses, but the present invention is not limited to the illustrated embodiment.
[0021]
An aspect according to a first aspect of the present invention is a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet in which temper rolling is performed after plating, wherein the plated steel sheet (S) is tempered using a processing solution containing a surfactant. The present invention provides a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet, comprising rolling, then washing with an aqueous alkali solution, and further washing with water.
[0022]
According to this structure, the surfactant contained in the temper rolling solution is removed from the steel sheet surface by the alkali washing, so that foaming due to the presence of the surfactant in a subsequent step can be avoided.
[0023]
Further, an aspect according to a second aspect of the present invention is a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet, which is subjected to temper rolling after plating, and further subjected to a chemical conversion treatment, wherein the plated steel sheet (S) is treated with a processing solution containing a surfactant. The present invention provides a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet, characterized in that the steel sheet is subjected to temper rolling using an aluminum alloy, washed with an aqueous alkali solution, then washed with water, and then subjected to a chemical conversion treatment.
[0024]
With this configuration, since the surfactant contained in the temper rolling solution is removed from the steel sheet surface by alkali washing, the chemical conversion treatment foams due to the presence of the surfactant in the subsequent chemical conversion treatment. Can be avoided.
[0025]
In the aspect according to the first aspect, it is preferable that the steps of plating, temper rolling, washing with an aqueous alkali solution, and washing with water are performed continuously. Also in the aspect according to the second aspect, it is preferable that the steps of plating, temper rolling, washing with an aqueous alkali solution, washing with water, and chemical conversion treatment are performed continuously. If each process is performed continuously in this way, in other words, if each process is arranged on one line, only the payoff reel and the take-up reel of the steel plate need to be arranged at both ends of the line. The space in the factory can be more effectively utilized as compared with the case where a payoff reel and a take-up reel of a steel plate are provided. In addition, alkali cleaning is performed immediately after temper rolling, so that the temper rolling solution remaining on the steel sheet surface changes over time (for example, concentration, high viscosity due to evaporation of water, alteration due to chemical reaction between additives, etc.) ), It is possible to eliminate the possibility of causing an adverse effect on the alkaline cleaning (the cleaning becomes difficult).
[0026]
Here, the hot-dip galvanized steel sheet in the present invention refers to a hot-dip galvanized steel sheet mainly composed of Zn (for example, a hot-dip galvanized steel sheet specified in JIS G3302. May also be included. In addition, the alloy may include a substantial amount of alloying elements. For example, a hot-dip galvanized steel sheet of the present invention includes a hot-dip 5% aluminum-zinc coated steel sheet and a hot-dip 55% aluminum-zinc coated steel sheet specified in JIS G3317 and G3321.
[0027]
In the present invention, the term "surfactant" refers to a substance exhibiting surface activity. The term "surfactant" refers to a property of an interface, in which a certain substance acts on the interface and is represented by a decrease in interfacial tension. To bring about changes. In general, a substance exhibiting surface activity has, in one molecule, a portion which is well compatible with water, ie, a hydrophilic group, and a portion which is well compatible with oil, ie, a lipophilic group (hydrophobic group).
[0028]
As the surfactant in the working fluid in the present invention, a cationic surfactant, an anionic surfactant, a nonionic surfactant, an amphoteric surfactant, or the like can be used alone or in combination of two or more. . As the cationic surfactant, alkyldimethylbenzylammonium chloride, alkyltrimethylammonium, alkylpyridium and the like can be used. As the anionic surfactant, for example, higher alcohol sulfate, alkylbenzene sulfonate, aliphatic sulfonate, polyethylene glycol alkyl ether sulfate and the like can be used. As the nonionic surfactant, an alkyl ester type, an alkyl ether type, an alkyl phenyl ether type or the like of ordinary polyethylene glycol can be used. Examples of the amphoteric surfactant include those having a carboxylate, a sulfate, a sulfonate, or a phosphate as an anion portion, and an amine salt or a quaternary ammonium salt as a cation portion. And betaines such as lauryl betaine and stearyl betaine; and amino acids such as lauryl-β-alanine, stearyl-β-alanine, lauryl di (aminoethyl) glycine, and octyl di (aminoethyl) glycine.
[0029]
It is essential to use an alkaline aqueous solution as a cleaning solution in the cleaning after temper rolling in the present invention. An acid-based chemical solution, particularly a chemical solution such as phosphoric acid or chromic acid, is not preferable as a cleaning solution because the object to be cleaned is a galvanized steel sheet, which affects a subsequent chemical conversion treatment step.
[0030]
The alkali content of the alkaline aqueous solution is not particularly limited, and hydroxides of alkali metals such as lithium hydroxide, sodium hydroxide, and potassium hydroxide, and ammonia, hydroxides of calcium and barium, and sodium carbonate, Those that dissolve in water and show alkalinity, such as potassium carbonate and sodium phosphate, can also be widely used. Among them, it is preferable to use sodium hydroxide (NaOH: caustic soda), which is widely used industrially in various fields, is easily available, and is attractive in price.
[0031]
Further, the concentration of the alkaline aqueous solution is preferably from 1 to 10% by volume, and more preferably from 2 to 7% by volume. Here, the capacity% is determined based on the capacity at 25 ° C. If the concentration of the alkaline aqueous solution is less than 1% by volume, the cleaning ability is insufficient and the surfactant may remain on the steel sheet surface, which is not preferable. On the other hand, when the concentration of the alkaline aqueous solution exceeds 10% by volume, the galvanized layer on the surface of the steel sheet partially dissolves and an uneven pattern is generated on the steel sheet surface, which is not preferable.
[0032]
Further, in the present invention, it is preferable that the working fluid containing a surfactant used for the temper rolling further contains a chelating agent and / or a fatty acid. By adding a chelating agent to the working fluid, the rust preventing ability of the working fluid can be increased. Further, by adding a fatty acid as an oily agent, the lubricity of the working fluid can be improved, and the reduction in temper rolling can be freely controlled. In addition, transfer of the galvanized film covering the steel sheet surface to the work roll surface can be suppressed and prevented.
[0033]
In the present invention, the rolling reduction in the temper rolling and the surface roughness of the work rolls (5a, 5b) are not particularly limited, but the surface of the hot-dip galvanized steel sheet to be rolled is lubricated by plastic working in a later step. It is preferable that the rolling reduction and the surface roughness of the work roll are selected so as to form irregularities sufficient to form a micropool serving as a supply source of the agent. For example, skin pass can be performed under the conditions of a work roll surface roughness Ra of 1.5 to 4.0 μm and a rolling reduction of 2 to 5%. The surface processing method of the work roll may be either shot dull or electric discharge machining.
[0034]
Such actions and advantages of the present invention will be apparent from embodiments described below.
[0035]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a schematic diagram of a production line 100 for a hot-dip galvanized steel sheet. In the hot-dip galvanized steel sheet production line 100, a continuous annealing furnace 1, a hot-dip galvanizing apparatus 2, a gas wiping apparatus 3, a temper rolling mill 5, a leveler 6, an alkali cleaning apparatus 7, a water cleaning apparatus 8, And it is arrange | positioned in order of the chemical conversion treatment apparatus 9. FIG. Further, a winding device (not shown) is provided downstream of the chemical conversion treatment device 9, and the steel sheet wound in a coil shape is then sent to the next process or a customer.
[0036]
The cold rolled steel sheet or the hot rolled steel sheet as the base material is annealed in the continuous annealing furnace 1 and cooled to a predetermined temperature, and then sent to the hot dip galvanizing apparatus 2. The steel sheet S passes through a plating bath 2a filled with hot zinc in the hot dip galvanizing apparatus 2, and in this process, a zinc plating layer is formed on the steel sheet surface. The steel sheet S that has passed through the plating bath 2 a is wound up by a drive roll 4 and adjusted by a gas wiping device 3 installed immediately above the hot-dip galvanizing device 2 so that the amount of coating on the surface becomes a predetermined thickness. Is done.
[0037]
The steel sheet S is then sent to a temper rolling mill (skin pass mill) 5 through a cooling process. In the temper rolling mill 5, the steel sheet S is temper-rolled in a reduction ratio of 2 to 5%. Here, the rolling reduction is ((thickness before rolling)-(thickness after rolling)) × 100 / (thickness before rolling).
Is represented by In ordinary rolling, the rolling reduction per pass is preferably as high as possible within a range in which the surface properties of the steel sheet are not deteriorated, that is, within a range in which rolling lubrication is maintained well, in order to enhance productivity. %. However, the temper rolling is a rolling whose main purpose is to finely adjust the thickness of the sheet and to adjust the surface properties of the steel sheet, and the rolling reduction as described above is employed.
[0038]
In the temper rolling, the working fluid is sprayed from the entry side of the rolling mill 5 to the front and back surfaces of the steel sheet S or the upper and lower work rolls 5a and 5b by spraying or the like (see reference numerals A and B in the figure). In the temper rolling mill 5, the surface roughness of the steel sheet S is adjusted by the surface roughness of the work rolls 5a and 5b and the rolling reduction (rolling load / elongation). Most of the working fluid sprayed on the entry side of the rolling mill 5 falls into the oil pan of the rolling mill when the steel sheet S passes through the roll bite portion, but a part of the fluid passes through the roll bite portion together with the steel sheet S and is rolled. There is a trace amount on the surface of the steel sheet S on the exit side of the machine 5.
[0039]
Next, the flatness of the steel sheet S is corrected in the leveler 6. The steel sheet S whose flatness has been corrected in the leveler 6 is sent to the alkali cleaning device 7.
[0040]
The alkali cleaning device 7 includes upper and lower shower cleaning devices 7a and 7b, and an alkali cleaning liquid supply unit 7s that supplies an alkaline cleaning liquid to the shower cleaning devices 7a and 7b. The alkaline cleaning liquid supply means 7s connects the alkaline liquid supply tank 7t, a pump 7p that sends the liquid from the alkaline liquid supply tank 7t to the shower cleaning devices 7a and 7b, and connects the alkaline liquid supply tank 7t and the shower cleaning devices 7a and 7b. And a piping group. Further, a liquid heating device, a cooling device, a filtration device, and the like can be appropriately provided in the alkaline liquid supply means 7s as necessary. Further, a ph sensor, a thermometer, a new liquid sub-tank, and the like for automatically monitoring the properties and amount of the alkaline cleaning liquid and appropriately supplying a new liquid may be provided.
[0041]
In the alkali cleaning device 7, the steel plate S is subjected to spraying of the alkaline cleaning liquid on the front surface and the back surface from above and below by the shower cleaning devices 7a and 7b, respectively. By the alkali cleaning by the alkali cleaning device 7, the surfactant in the working fluid remaining on the surface of the steel sheet S is cleaned and removed. The surfactant in the working fluid remaining on the surface of the steel sheet S also slightly adheres to the flat portion, but as described above, mainly enters the recesses on the steel sheet surface formed by the immediately preceding temper rolling. Therefore, it is desirable that the alkali cleaning liquid sprayed from the shower cleaning devices 7a and 7b be given a sufficient spray pressure to wash and remove the surfactant in the concave portion. The alkali cleaning device 7 may have a configuration in which the steel sheet S passes through the alkali cleaning bath, but is preferably configured as a shower cleaning device from the above viewpoint.
[0042]
The steel sheet S that has completed the alkali cleaning is then sent to the water cleaning device 8. The water cleaning device 8 includes upper and lower

shower cleaning devices

8a and 8b, and cleaning water supply means 8s for supplying water as a cleaning liquid to the

shower cleaning devices

8a and 8b. Note that the washing water used in the water washing device 8 does not need to be high-purity water such as pure water or ion-exchanged water, and water or industrial water is sufficient. The cleaning water supply means 8s connects the cleaning water supply tank 8t, the pump 8p that sends the water from the cleaning water supply tank 8t to the

shower cleaning devices

8a and 8b, and the cleaning water supply tank 8t and the

shower cleaning devices

8a and 8b. And a piping group. Further, a liquid heating device, a cooling device, a filtration device, and the like can be appropriately provided in the washing water supply means 8s as needed.
[0043]
By the water washing device 8, the alkali solution remaining on the steel sheet surface by the alkali washing is washed and removed. Also here, since the alkaline liquid may enter into the concave portion on the surface of the steel sheet, it is preferable to spray cleaning water at a predetermined pressure from the

shower cleaning devices

8a and 8b. Further, the cleaning water may be heated to a predetermined temperature in order to enhance the cleaning effect.
[0044]
The steel sheet S that has been washed with water is subjected to a chemical treatment such as formation of a rust-preventive film and a lubricating film in the chemical conversion treatment device 9 as necessary. At this time, foaming during the chemical conversion treatment is suppressed by the effect of the alkali cleaning. The steel sheet S that has been subjected to the chemical conversion treatment is then wound into a coil as a product and shipped. In addition, the steel sheet which is not subjected to the chemical conversion treatment is wound as it is.
[0045]
As described above, according to the method for manufacturing a hot-dip galvanized steel sheet according to the present embodiment, the surfactant contained in the working fluid for the temper rolling is washed and removed by alkali washing immediately after the temper rolling. In addition, in a chemical conversion treatment as a post-process, a processing step at a customer, and the like, generation of wrinkles in the processing liquid and the processing liquid is suppressed and prevented.
【Example】
Hereinafter, the present invention will be disclosed more specifically by way of examples. However, the present invention is not limited to the embodiments. Here, an actual machine-based hot-dip galvanized steel sheet manufacturing apparatus including an actual hot-dip galvanizing line was configured as an example. The configuration and arrangement of each facility are the same as those shown in FIG. Detailed specifications are shown below.
[0046]
<1> Specifications in Examples (Steel Plate)
Type: GI (0.2% A1-Zn plated steel sheet) and GF (5% A1-Zn plated steel sheet)
Size: 0.35 to 4.5 mm thickness / 610 to 1250 mm width
(Temper rolling)
Rolling type: Skin pass work roll Roughness: Ra 1.5 to 3.0 μm
Working fluid: Commercial temper rolling oil diluted with water to a predetermined magnification (20 times, 30 times, 70 times) was used. The working fluid in the temper rolling has the purpose of preventing winding around the work roll and the like, and a solution containing a lubricating rust preventive component such as a surfactant, a chelating agent, and a fatty acid is used. Commercially available processing liquids are generally distributed as processing liquid concentrates (concentrated liquids) diluted in water, and are often used after being diluted to a considerable concentration. The working fluid used in the examples of the present invention was also diluted and used at the above concentration. The lower limit of the dilution is practically such that the surfactant contains 0.01% by weight or more. If the concentration is too high, the effect as a working fluid does not change significantly and becomes economically disadvantageous.
(Alkaline cleaning)
Alkaline cleaning solution: sodium hydroxide aqueous solution (concentration level (volume%): none, 1%, 3%, 5%, 10%)
Alkaline cleaning solution temperature: 40 ° C
Spray pressure: 0.2 MPa (2 kgf / cm ² )
Flow rate: 5 m ³ / Hr (flow rate on the upper surface in FIG. 1: flow rate on the lower surface = 1: 3)
The time required for the alkali cleaning liquid to pass through the spray zone in the alkali cleaning apparatus varies depending on the line speed, but is about 2 to 10 seconds. As for the alkali, a commonly available sodium hydroxide (NaOH) having a concentration of about 40% was used after being diluted. At this time, when the alkali concentration is increased, the plating partially dissolves to form an uneven pattern, so that the evaluation is not performed at a concentration exceeding 10%.
(Washing)
Spray pressure: 0.2 MPa (2 kgf / cm ² )
Flow rate: 10m ³ / Hr
Tap water was used.
(Chemical treatment)
A chromate treatment was performed by spraying a chromate ion-containing aqueous solution onto a steel sheet.
[0047]
<2> Evaluation method The foaming property was confirmed based on the state of foaming in the chromate treatment tank.
[0048]
<3> Evaluation Results The evaluation results are shown in Table 1 (Example) and Table 2 (Comparative Example).
[Table 1]

[Table 2]

[0049]
<4> Conclusion When the steel sheet surface was alkali-washed with an aqueous sodium hydroxide solution after temper rolling and then washed with water, foaming did not occur in the chemical conversion treatment solution in the subsequent step. On the other hand, when the surface of the steel sheet was washed only with water without alkali washing after temper rolling, the chemical conversion treatment liquid in the subsequent step foamed.
[0050]
Although the present invention has been described in connection with the most practical and preferred embodiments at this time, the present invention is not limited to the embodiments disclosed herein. Rather, it is possible to make appropriate changes without departing from the spirit or spirit of the invention which can be read from the claims and the entire specification, and the method for producing a hot-dip galvanized steel sheet with such changes is also within the technical scope of the present invention. Must be understood as being encompassed by
[0051]
【The invention's effect】
As described above, the hot-dip galvanized steel sheet that has been temper-rolled using a temper rolling solution containing a surfactant and a chelating agent is washed with an alkali to prevent foaming that occurs in a subsequent step. Solved the problem. As a result, quality and equipment defects due to foaming in the post-treatment, especially in the chemical conversion treatment step, are eliminated. Also, similar foaming troubles at the customer's place were eliminated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a production line for a hot-dip galvanized steel sheet.
[Explanation of symbols]
S Steel plate 1 Continuous annealing furnace 2 Hot dip galvanizing device 3 Gas wiping device 5 Temper rolling mills 5a, 5b Work roll 6 Leveler 7 Alkali washing device 8 Water washing device 9 Chemical conversion treatment device 100 Hot dip galvanizing line

Claims

In a method for producing a hot-dip galvanized steel sheet to be subjected to temper rolling after plating,
A method for producing a hot-dip galvanized steel sheet, comprising temper rolling a steel sheet after plating using a working fluid containing a surfactant, washing with an aqueous alkali solution, and further washing with water.

The method for producing a hot-dip galvanized steel sheet according to claim 1, wherein the steps of plating, temper rolling, washing with an aqueous alkali solution, and washing with water are performed continuously.

In the method for producing a hot-dip galvanized steel sheet which is subjected to temper rolling after plating and further subjected to chemical conversion treatment,
Manufacture of hot-dip galvanized steel sheet characterized by temper-rolling the steel sheet after plating using a working fluid containing a surfactant, then washing with an alkali aqueous solution, then washing with water, and then subjecting to a chemical conversion treatment Method.

The method of manufacturing a hot-dip galvanized steel sheet according to claim 3, wherein the steps of plating, temper rolling, washing with an aqueous alkali solution, washing with water, and chemical conversion treatment are performed continuously.

The method for producing a hot-dip galvanized steel sheet according to any one of claims 1 to 4, wherein the alkaline aqueous solution is a 1 to 10% by volume sodium hydroxide aqueous solution.

The method for producing a hot-dip galvanized steel sheet according to any one of claims 1 to 5, wherein the working liquid further contains a chelating agent and / or a fatty acid.