JP2004217037A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の冷却水温が低い場合であっても室内の暖房を行なうことが可能な空気調和装置を提供すること。
【解決手段】コンプレッサ9から吐出される冷媒をホットガスヒータ回路22に循環して室内を暖房するときには、冷却水温度センサ38の検出温度に基づく風量レベルに、エバ後温度センサ37の検出温度に基づく風量レベルを加算して通風ダクト2内の送風量を制御する。したがって、エバポレータ8が送風される空気を加熱することができるときには、温水ヒータ3に循環するエンジンEの冷却水温が低い場合であっても暖房することが可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内を暖房する空気調和装置に関し、特に冷媒圧縮機より吐出された高温冷媒を熱交換器に導いて、その熱交換器にて空気を加熱する空気調和装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された空気調和装置がある。この空気調和装置は、室内に空気を送るためのダクト内に、送風機と、この送風機により送風される空気を冷媒圧縮機より吐出されて減圧装置を経て流入した冷媒と熱交換させて加熱できる第1加熱用熱交換器と、第1加熱用熱交換器より流出した空気を内燃機関を冷却した冷却水と熱交換させて加熱できる第2加熱用熱交換器とを備えている。
【0003】
そして、室内を暖房するときに、冷却水温が低く第2加熱用熱交換器が第1加熱用熱交換器で加熱された空気を冷却してしまう場合には、換言すれば加熱する能力(暖房能力)がない場合には、第1加熱用熱交換器で加熱された空気を第2加熱用熱交換器をバイパスさせて室内に送るようになっている。
【0004】
一方、例えば、所謂オートエアコンと呼ばれる空気調和装置では、送風機の送風量がオートモードに設定されているときには、空気を加熱する加熱用熱交換器に流入する冷却水温に基づいて送風機が作動制御されるものが知られている。例えば図6に示すように、送風機風量レベル(具体的には送風機への印加電圧レベル)を制御し、冷却水温が所定温度以下では送風機を停止するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−42933号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された空気調和装置の送風機の送風量を、後者の従来技術のように制御すると、第1加熱用熱交換器により空気の加熱が可能であっても、冷却水温が低いときには送風機が停止するため、室内が暖房できない場合があるという問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであって、内燃機関の冷却水温が低い場合であっても室内の暖房を行なうことが可能な空気調和装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
室内に空気を送るためのダクト(2)と、
ダクト(2)内に設けられた送風機(B)と、
ダクト(2)内に設けられ、送風機(B)により送風される空気を、冷媒圧縮機(9)より吐出されて減圧装置(29)を経て流入した冷媒と熱交換させて加熱する第1加熱用熱交換器(8)と、
ダクト(2)内に第1加熱用熱交換器(8)と直列に設けられ、送風機(B)により送風される空気を、内燃機関(E)を冷却した冷却水と熱交換させて加熱する第2加熱用熱交換器(3)とを備える空気調和装置において、
室内を暖房するときに、第1加熱用熱交換器(8)により空気の加熱ができる場合には、第2加熱用熱交換器(3)に流入する冷却水の温度に係わらず、送風機(B)が送風を行なうように制御する制御手段(10)を備えることを特徴としている。
【0009】
これによると、第1加熱用熱交換器(8)による空気の加熱が可能であれば、内燃機関(E)の冷却水温が低い場合であっても、送風機(B)による送風を行ない室内を暖房することが可能である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明のように、制御手段(10)は、室内を暖房するときに、第1加熱用熱交換器(8)により空気の加熱ができる場合には、第1加熱用熱交換器(8)を通過した直後の空気の温度に基づいて送風機(B)の風量を制御することにより、内燃機関(E)の冷却水温が低い場合であっても室内を暖房することが可能である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、
ダクト(2)内に設けられ、送風機(B)により送風される空気を、第2加熱用熱交換器(3)を通過する空気と、第2加熱用熱交換器(3)をバイパスする空気とに配分する配分手段(5)を備え、
制御手段(10)は、第2加熱用熱交換器(3)に流入する冷却水の温度が所定値以上の場合には、空気が全量前記第2加熱用熱交換器(3)を通過するように配分手段(5)を作動制御することを特徴としている。
【0012】
これによると、第1加熱用熱交換器(8)が空気を前記所定温度以上に加熱できない場合であっても、第2加熱用熱交換器(3)に空気を全量通過させて、室内を良好に暖房することが可能である。
【0013】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1ないし図5は本発明の一実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の全体概略構成を示す模式図であり、図2は車両用空気調和装置の制御系を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の車両用空気調和装置は、暖房用主熱源であるエンジン(内燃機関)Eを搭載する自動車の車室内を空調する空調ユニット(エアコンユニット)1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)10によって制御するように構成された車両用エアコン装置である。
【0017】
空調ユニット1は、車室内に空調空気を導く空気通路11を成す空調ダクト(本発明のダクトに相当する)2を備えている。この空調ダクト2の最も空気上流側には、外気吸込口、内気吸込口および内外気切替ドア(いずれも図示せず)が設けられ、これらよりも空気下流側には遠心式送風機(本発明の送風機に相当する)Bが設けられている。また、空調ダクト2の最も空気下流側には、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口等の吹出口12および吹出モード切替ドア(図示せず)が設けられている。
【0018】
次に、吹出口12よりも空気上流側には、後記するエバポレータ8を通過した空気を再加熱する温水ヒータ3が設けられている。この温水ヒータ3は、本発明の第2加熱用熱交換器に相当するもので、エンジンEにより駆動されるウォータポンプ(図示せず)により冷却水の循環流が発生する冷却水循環回路4の途中に設置されている。そして、温水ヒータ3は、冷却水循環回路4に設置された温水弁13が開弁すると内部にエンジンEの排熱を吸収した冷却水が還流し、この冷却水を暖房用熱源として空気を再加熱する、すなわち、空気加熱作用を行う下流側熱交換器(主暖房装置)である。
【0019】
この温水ヒータ3の空気上流側および空気下流側には、2つのエアミックスドア(以下A/Mドアと言う)5が回動自在に取り付けられている。これらのA/Mドア5は、サーボモータ(図示せず)によって駆動されるもので、停止位置によって温水ヒータ3を通過する空気量と温水ヒータ3をバイパスする空気量とを調節する空気の配分手段である。
【0020】
なお、2つのA/Mドア5は、最大冷房運転時にはエバポレータ8からの空気の全てを温水ヒータ3から迂回させるMAX・COOL位置(最大冷房位置)に設定され、最大暖房運転時にはエバポレータ8からの空気の全てを温水ヒータ3に通すMAX・HOT位置(最大暖房位置)に設定される。ここで、これらのエンジンE、温水ヒータ3、冷却水循環回路4、2つのA/Mドア5および温水弁13によって温水式暖房装置(主暖房装置)6が構成される。
【0021】
次に、遠心式送風機Bと温水ヒータ3との間には、自動車に搭載された冷凍サイクル7の一構成部品を成すエバポレータ(冷媒蒸発器)8が空調ダクト2内の空気通路11の全面を塞ぐように配されている。上記の冷凍サイクル7は、第1冷媒循環回路(以下冷凍サイクル回路と言う)21と、第2冷媒循環回路(以下ホットガスヒータ回路と言う)22と、冷凍サイクル回路21とホットガスヒータ回路22とを切り替える第1、第2電磁弁23、24とを備えている。
【0022】
冷凍サイクル回路21は、コンプレッサ9より吐出された高温、高圧のガス冷媒を、第1電磁弁23→コンデンサ(冷媒凝縮器)25→レシーバ(気液分離器)26→膨張弁(減圧手段)27→エバポレータ8→アキュームレータ(気液分離器)28およびコンプレッサ(冷媒圧縮機)9の順に循環させる冷媒回路である。また、ホットガスヒータ回路22は、コンプレッサ9より吐出された高温、高圧のガス冷媒(ホットガス)を、第2電磁弁24→減圧装置29→エバポレータ8→アキュームレータ28およびコンプレッサ9の順に循環させる冷媒回路である。
【0023】
冷凍サイクル7は、第1電磁弁23が開弁し、第2電磁弁24が閉弁すると、冷凍サイクル回路21中に冷媒が還流する。また、冷凍サイクル7は、第1電磁弁23が閉弁し、第2電磁弁24が開弁すると、ホットガスヒータ回路22中に冷媒が還流する。なお、第1、第2電磁弁23、24により循環回路切替手段を構成する。
【0024】
エバポレータ8は、冷凍サイクル回路21中を冷媒が流れる時に、膨張弁27より流入する低温の気液二相冷媒を蒸発させて通過する空気を冷却する冷却用熱交換器として働く。また、エバポレータ8は、ホットガスヒータ回路22中を冷媒が流れる時に、減圧装置29より流入する高温の気液二相冷媒を凝縮させて通過する空気を加熱する第1加熱用熱交換器(補助暖房装置、補助熱源システムのホットガスヒータ)として働く。ここで、膨張弁27は、冷媒を断熱膨張させるだけでなく、エバポレータ8の出口の冷媒過熱度に応じて冷媒の循環量を調節するもので、冷媒過熱度を検出するための感温筒27aが接続されている。
【0025】
コンプレッサ9は、本発明の冷媒圧縮機に相当するもので、自動車のエンジンEの回転動力が伝達されると、吸入した冷媒を圧縮し吐出する。このコンプレッサ9には、エンジンEからコンプレッサ9への回転動力の伝達を断続する電磁クラッチ20が連結されている。この電磁クラッチ20が通電(ON)されると、エンジンEの回転動力がコンプレッサ9に伝達されて、エバポレータ8による空気冷却作用または空気加熱作用が行われる。また、電磁クラッチ20の通電が停止(OFF)されると、エンジンEとコンプレッサ9が遮断されて、エバポレータ8による空気冷却作用または空気加熱作用が停止される。
【0026】
次に、エアコンECU10を図1および図2に基づいて説明する。空調ユニット1における各空調手段を制御するエアコンECU(本発明の制御手段に相当する)10には、車室内前面に設けられたエアコン操作パネル(図示せず)上の各スイッチからの各スイッチ信号が入力される。
【0027】
なお、エアコン操作パネル上には、車室内の温度を所望の温度に設定する温度設定スイッチ(温度設定手段)31、冷凍サイクル7の冷凍サイクル回路21運転の起動または停止を指令するエアコンスイッチ32、冷凍サイクル7のホットガスヒータ回路22運転の起動または停止を指令するホットガススイッチ321、および遠心式送風機Bのオン、オフを指令するブロワスイッチ33等が設置されている。
【0028】
また、エアコンECU10の内部には、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、各センサからの各センサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータへ入力されるように構成されている。なお、エアコンECUは、自動車のエンジンEの始動および停止を司るイグニッションスイッチ(キースイッチ)が投入(IG・ON)されたときに、自動車に搭載された車載電源であるバッテリ(図示せず)から直流電源が供給されると制御処理を開始するように構成されている。
【0029】
そして、エアコンECUには、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検出する内気温度センサ(内気温度検出手段)34と、車室外の空気温度(以下外気温度と言う)を検出する外気温度センサ(外気温度検出手段)35と、車室内に入射する日射量を検出する日射センサ(日射量検出手段)36と、エバポレータ8を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するエバ後温度センサ(エバ後温度検出手段)37と、温水ヒータ3に流入する冷却水温度を検出する冷却水温度センサ(冷却水温度検出手段)38とからの各センサ信号が入力される。なお、上記の各スイッチや各センサは、自動車の車室内を空調するのに必要な空調環境因子を検出するものである。
【0030】
上記のうちエバ後温度センサ37は、空気通路11のうちエバポレータ8の直空気下流側部位に設けられて、この部位における空気温度を検出するサーミスタである。このエバ後温度センサ37は、暖房運転時にはエバポレータ8による実際の暖房能力(空気加熱度合)を検出する第1暖房能力(空気加熱度合)検出手段を構成する。また、冷却水温度センサ38は、サーミスタが利用され、温水ヒータ3による実際の暖房能力(空気加熱度合)を検出する第2暖房能力(空気加熱度合)検出手段を構成する。
【0031】
次に、本実施形態のエアコンECU10による空気調和装置の運転制御を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はエアコンECU10による空気調和装置の概略運転制御動作を示すフローチャートである。
【0032】
イグニッションスイッチが投入(IG・ON)されてエアコンECU10に直流電源が供給されると、図3のルーチンが起動される。まず、エアコンECU10は、ステップS100にて各センサ34〜38および各スイッチ31、32、321、33等からの信号を読み込む。
【0033】
次に、ステップS110にてエアコンスイッチ32がON状態か否か判定し、エアコンスイッチ32がON状態のとき(冷房モードの運転信号が出ているとき)にはステップS120に進み、外気温度センサ35が検出する外気温TAMが0℃以上か否か判定する。外気温TAMが0℃未満のときは冷房運転の必要がないので、後述のステップS200側に進む。
【0034】
外気温TAMが0℃以上のときはステップS130に進み、冷凍サイクル7を冷房モード状態に設定する。すなわち、電磁クラッチ20を通電(ON)してコンプレッサ9を駆動状態とし、第1電磁弁23を開弁するとともに、第2電磁弁24を閉弁して、冷凍サイクル回路21にて冷凍サイクル7を運転する。
【0035】
次に、ステップS140に進み、エアコンECU10は、従来の空気調和装置と同様に、図6に示す冷却水温に対応する風量レベルF(1)となるように送風機Bを作動制御する。そして、ステップS100にリターンする。
【0036】
一方、ステップS110にてエアコンスイッチ32がOFFであると判定されたとき、もしくはステップS120にて外気温TAMが0℃未満であると判定されたときはステップS200に進み、ホットガススイッチ321がONであるか否か判定する。
【0037】
ホットガススイッチ321がON状態のとき(ホットガス暖房モードの運転信号が出ているとき)には、ステップS210に進み、外気温度センサ35が検出する外気温TAMが10℃以下か否か判定する。外気温がTAMが10℃以下のときは、ステップS220にて冷却水温度センサ38が検出するエンジンEの冷却水温TWが80°C以下であるか否か判定する。
【0038】
外気温TAMおよび冷却水温TWがともに上述の所定値以下のときはホットガスヒータによる暖房モードを必要とするときであるので、次に、ステップS230にて、電磁クラッチ20を通電(ON)してコンプレッサ9を駆動状態とし、第1電磁弁23を閉弁するとともに、第2電磁弁24を開弁して、ホットガスヒータ回路22にて冷凍サイクル7を運転する。
【0039】
次に、ステップS240に進み、エアコンECU10は、図4に示すように、冷却水温度センサ38が検出する冷却水温TWに基づいて、A/Mドア5の開度を調節する。冷却水温TWが25℃に上昇したらA/Mドア5をMAX・HOT位置に設定し、冷却水温TWが20℃に下降したらA/Mドア5をMAX・COOL位置に設定する。
【0040】
本実施形態では、コンプレッサ9等を保護するため内圧に上限を設定しており、これにより、エバポレータ8を通過した直後の空気の温度(エバ後温度)の上限は25℃となっている。したがって、上述のようにA/Mドア5を制御することで、室内に25℃以上の空気を吹き出して暖房を行う場合であっても、良好に暖房を行うことができる。
【0041】
ステップS240を実行したら、次に、ステップS250に進み、送風機Bを作動制御する。そして、その後ステップS100にリターンする。
【0042】
ステップS250では、送風機Bの送風量が、従来の空気調和装置と同様な冷却水温TWに基づく風量レベルF(1)(前述と同様図6参照)に、図5に示す風量レベルF(x)を加算した風量レベルF(2)となるように、送風機Bが作動制御される。
【0043】
図5に示すように、風量レベルF(x)は、エバ後温度センサ37が検出するエバ後温度TEに基づく風量レベルである。本例では、F(x)はエバ後温度TEが−10℃以上のときには正値となるように設定されているので、冷却水温TWが42℃(下降時は37℃)より低い場合であっても、エバ後温度TEが−10℃以上であれば送風機Bによる送風が行われる。
【0044】
ステップS200にてホットガススイッチ321がOFFであると判定されたとき、もしくはステップS210にて外気温TAMが10℃より高いと判定されたとき、もしくはステップS220にて冷却水温TWが80℃より高いと判定されたときには、ステップS300に進む。ステップS300では、ステップS140と同様に、図6に示す冷却水温に対応する風量レベルF(1)となるように送風機Bを作動制御する。
【0045】
なお、ステップS300では、コンプレッサ9が駆動状態にある場合には、電磁クラッチ20への通電を停止(OFF)してコンプレッサ9を停止する。そして、ステップS100にリターンする。
【0046】
上述の構成および作動によれば、エアコンECU10は、ホットガスヒータ回路22に冷媒を循環して室内を暖房するときには、冷却水温度センサ38が検出する冷却水温TWだけでなく、エバ後温度センサ37が検出するエバ後温度TEに基づいて送風機Bの送風量を制御する。
【0047】
したがって、エバポレータ8が送風される空気を加熱することができるときには、エンジンEの冷却水温TWが低い場合(十分上昇する前)であっても室内を暖房することができる。エンジンE始動時等には、冷却水温の上昇を待つまでもなく、早期より最適な風量当たりの加熱能力(所謂ストーブ比)を得ることが可能である。このようにして、所謂ホットガスヒータを有効利用して室内の暖房を行なうことができる。
【0048】
(他の実施形態)
上記一実施形態では、本発明を自動車等の車両用空気調和装置に適用したが、本発明を航空機、船舶または鉄道車両等の空気調和装置に適用してもよい。また、本発明を工場、店舗または住宅等の空気調和装置に適用してもよい。
【0049】
また、上記一実施形態では、冷凍サイクル7の冷凍サイクル回路21とホットガスヒータ回路22との切り替えを、エアコンスイッチ32やホットガススイッチ321の操作状況に応じて行なうものであったが、これに限定されるものではない。
【0050】
例えば、オートエアコン装置であれば、目標吹出温度(TAO)が高温側のときに、冷凍サイクル7を冷凍サイクル回路21からホットガスヒータ回路22に切り替えるものであってもよい。また、マニュアルエアコン装置であれば、温度コントロールレバーをMAX・HOT位置に操作した場合に、冷凍サイクル回路21からホットガスヒータ回路22に切り替えるものであってもよい。
【0051】
また、上記一実施形態における−10℃、0℃、10℃、20℃、80℃等の実数値は例示であって、空気調和装置の諸特性に応じて適宜設定し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用空気調和装置の全体概略構成を示す模式図である。
【図2】車両用空気調和装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】空調制御装置10による空気調和装置の概略運転制御動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS240におけるエアミックスドア制御動作を説明するグラフである。
【図5】図3のステップS250風量アップ制御における風量レベルアップ分F(x)を説明するグラフである。
【図6】従来の空気調和装置の風量制御の風量レベルを説明するグラフである。
【符号の説明】
1 空調ユニット(エアコンユニット)
2 空調ダクト(ダクト)
3 温水ヒータ(第2加熱用熱交換器)
5 エアミックスドア(A/Mドア、配分手段)
7 冷凍サイクル
8 エバポレータ(第1加熱用熱交換器、冷媒蒸発器)
9 コンプレッサ(冷媒圧縮機)
10 空調制御装置(エアコンECU、制御手段)
21 第1冷媒循環回路(冷凍サイクル回路)
22 第2冷媒循環回路(ホットガスヒータ回路)
29 減圧装置
B 遠心式送風機(送風機)
E エンジン(内燃機関)

Claims (3)

  1. 室内に空気を送るためのダクト(2)と、
    前記ダクト(2)内に設けられた送風機(B)と、
    前記ダクト(2)内に設けられ、前記送風機(B)により送風される空気を、冷媒圧縮機(9)より吐出されて減圧装置(29)を経て流入した冷媒と熱交換させて加熱する第1加熱用熱交換器(8)と、
    前記ダクト(2)内に前記第1加熱用熱交換器(8)と直列に設けられ、前記送風機(B)により送風される空気を、内燃機関(E)を冷却した冷却水と熱交換させて加熱する第2加熱用熱交換器(3)とを備える空気調和装置において、
    前記室内を暖房するときに、前記第1加熱用熱交換器(8)により前記空気の加熱ができる場合には、前記第2加熱用熱交換器(3)に流入する前記冷却水の温度に係わらず、前記送風機(B)が送風を行なうように制御する制御手段(10)を具備することを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御手段(10)は、前記室内を暖房するときに、前記第1加熱用熱交換器(8)により前記空気の加熱ができる場合には、前記第1加熱用熱交換器(8)を通過した直後の前記空気の温度に基づいて、前記送風機(B)の風量を制御することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記ダクト(2)内に設けられ、前記送風機(B)により送風される空気を、前記第2加熱用熱交換器(3)を通過する空気と、前記第2加熱用熱交換器(3)をバイパスする空気とに配分する配分手段(5)を備え、
    前記制御手段(10)は、前記第2加熱用熱交換器(3)に流入する前記冷却水の温度が所定値以上の場合には、前記空気が全量前記第2加熱用熱交換器(3)を通過するように前記配分手段(5)を作動制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
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