JP2004216634A - インクジェット記録方法による平版印刷版の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録方法による平版印刷版の製造方法 Download PDF

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亞夫 山岡
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Abstract

【課題】安価でかつ簡便で再現性の優れた高品質な現像不要の平版印刷板の製造方法を提供すること
【解決手段】基板上に親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を設けた受容材料上に、溶剤の小滴を情報に従って投射し、投射部分の該ポリマー粒子を溶解させ、その部分の画像形成層を親水性から親油性に変換させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ・ツウ・プレートシステム用の平版印刷版の製造方法に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づく親油性有機ポリマー粒子の溶剤を主成分とするインクのインクジェット記録方法を用いた、溶剤ジェット投射された画像形成層を親水性から親油性に変換させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版を製造する方法に関する。
前記平版印刷版の製造方法には、インクジェット記録方法で前記インクの投射による画像形成層を親水性から親油性に変換させた後、現像工程を経ることなしに、または乾燥させ前記基板上に親油性の画像を固定させ、次いで溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程の後、印刷機に装着して印刷が可能である平版印刷版を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年進展が目覚ましい、デジタル通信およびコンピュータ・ツウ・プレートシステムを用いた平版印刷版の製造方法については、多数の研究がなされている。
その中で、データの通信速度、情報の処理速度に対応できる速度、および環境への配慮とから、一層の工程の合理化と廃液処理問題の解決を目指すものである。
情報のデジタル化は、例えば、デジタルで記録したものを、汎用のデジタル情報の記録手段により、換言すれば専用の自現機で処理することなしに印刷機で印刷可能にする、いわゆる、直接製版可能な平版印刷版の製造方法を目標とする研究され、種々の技術が提案されている。主に検討されてきたのは、基板上に感光層や感熱層が予め設けられたプレート上にレーザー光を照射し、光や熱を利用して溶解性、極性や接着性を変化させ、あるいは照射部をアブレーションさせ、そのまま現像工程を経ることなしに、直接、印刷機に装着して印刷可能な平版印刷版を製造する方法である。これらの中で溶解性、接着性やアブレーションを利用するものは、印刷機上で湿し水やインキによって露光部あるいは未露光部を選択的に除去し、基板上に情報に従って親油性あるいは疎油性(又は親水性)の画像部あるいは非画像部を形成させる。極性変化を利用するのは、例えば、親油性組成を熱や光で疎油性に変化させ、あるいは逆に疎油性組成を親油性に変化させ、直接基板上に画像を形成させる等の方法が試みられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−123388、特許請求の範囲
【特許文献2】
特開平9−131850、特許請求の範囲
【非特許文献1】
Research & Disclosure 33303号(AGFA GEVAERT
NV)
【特許文献3】
特開平11−240270、特許請求の範囲
【特許文献4】
特開昭54−94901、特許請求の範囲
【特許文献5】
特開昭54−117203、特許請求の範囲
【特許文献6】
特開昭62−25081、特許請求の範囲
【特許文献7】
特開昭64−27953、特許請求の範囲
【特許文献8】
米国特許5970837号、クレーム
【特許文献9】
特開昭51−84303号、特許請求の範囲
【特許文献10】
特開昭56−113456号、特許請求の範囲
【特許文献11】
特開平8−52933号、特許請求の範囲
【特許文献12】
特開2001−212927号、特許請求の範囲
【0004】
これらの中でも、前記特許文献1,2,非特許文献1および特許文献3には、場合により親水性などの基板上に親油性熱可塑性ポリマー粒子と場合により架橋などした親水性バインダーポリマーからなる画像形成層が設けられた印刷原板に、強力な赤外線レーザー光を照射し該ポリマー粒子を熱融着させ、その部分の画像形成層の特性を親水性から親油性に変換させ、場合により印刷機上で湿し水及び/又はインキによって非画像部を除去して、平版印刷版を製造する方法が有望な方法として提案されている。しかしながら、上記平版印刷版を製造する工程においては、親油性への変換画像の形成に強力なレーザー光を用いる必要があり、前記強力なレーザー光に耐える特別な印刷原板の固定部材(プレートセッター)が必要であるという問題があった。
【0005】
一方、最近、特殊な塗被記録層を形成した記録紙など必要としない、普通紙などが利用可能な、インク組成物を小液滴をオンデマンドに飛翔させて記録するインクジェット記録方法が、コンピューターなどの電子情報の記録手段として広く普及している。インクジェット記録装置は、広く普及されていることから比較的安価であると同時に、極めて微細な飛翔液滴を形成できることから高解像度、高品位の画像を、高速で形成できるという特徴を有する。従って、前記特性を利用して、インクジェット記録装置は、デジタル印刷機、プロッター、CAD等の高品質の出力デバイスとして利用されるに至っている。また、前記したように、インクジェット記録装置は、デジタル処理された文字または画像を出力することが出来るため、この装置を平版印刷版を製造と結合させる試みもなされている。前記引用文献4および5には親油性の樹脂インク、特許文献6には親油性チタンカップリング剤含有インク、特許文献6には紫外線硬化インクや特許文献7にはワックスインクをそれぞれの親水性基板上に投射し、親油性の画像部を形成させる方法や、特許文献8に記載されているような親油性基板上にシリカゾルゲル液を投射し親水性の非画像部を設ける方法が知られている。特許文献9や特許文献10には、親油性基板上に反応性あるいは非反応性シリコーンゴム液を投射し疎油性の非画像部を設ける方法が記載されている。また、特許文献11や特許文献12には親水性基板上に設けられた親水層上に、親水層と反応して親油性に変化する反応性の液滴を投射し、画像部を形成させる方法が知られている。
しかしながら、前記提案のインクジェット記録方法を用いた平版印刷版の製造には、基板上に印刷に耐える強固な画像部や非画像部を形成させるのにインキ液滴中に、前記特性を付与するための樹脂および/または反応性の化合物を添加しなければならず、液滴を投射するノズルを詰まらせたり、強固な画像部や非画像部を得るために、画像形成後、光や熱による後加工が必要になったりする場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題を解決するものであり、安価で簡便であり、描画安定性に優れ、かつ、熱や光による後加工の必要ない現像不要乃至簡易な現像ですむ平版印刷版を製造する方法を提供することにある。前記課題を解決すべく、鋭意検討する中で、デジタル信号の情報から、汎用のデジタル情報出力手段、特に解像度の良いインクジェット記録装置を持った画像形成装置を利用した、換言すれば、専用の製版装置での処理を要することなしの画像形成装置を利用した、そのまま印刷機に装着して印刷をすることができる製版方法を検討する中で、基板上に親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を設けた受容材料を形成した製版材料と前記ポリマー粒子を溶解させ、その部分の画像形成層を親水性から親油性に変換させる実質的に前記ポリマー粒子の溶剤からなるジェットインキとを組み合わせることにより、実質的にインクジェット記録装置のみの利用により、場合によりその後の親油性に変換されなかった画像形成層を除去する工程を経て平版印刷版が製造できることを発見し、前記課題を解決することができた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の基本発明は、(1)基板上に親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を設けた受容材料上に、溶剤の小滴を情報に従って投射し、投射部分の該ポリマー粒子を溶解させ、その部分の画像形成層を親水性から親油性に変換させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法である。好ましくは、(2)親水性画像形成層が架橋した親水性バインダーポリマー中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄膜からなることを特徴とする前記(1)に記載の平版印刷版の製造方法であり、より好ましくは、(3)親水性画像形成層にシリカ、アルミナ、二酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒子から選ばれる少なくとも一種の粒子が添加されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の平版印刷版の製造法であり、一層好ましくは、(4)親油性有機ポリマー粒子は平均粒子径が0.01〜2μmであることを特徴とする前記(1)、(2)または(3)に記載の平版印刷版の製造方法である。更には、(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法において、受容材料上に投射する溶剤には、親油性有機ポリマー粒子の溶解性を調節する貧溶剤を含有することが好ましく、とくに(6)(5)の貧溶剤は、水であることが好ましい。また、(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法において、基板としてプラスチックフィルムまたは(8)砂目立て後陽極酸化処理されたアルミニウムを用いることが好ましい。
【0008】
前記基本発明の平版印刷板の製造方法の変形発明は、(9)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の平版印刷板の製造方法において、基板として少なくとも表面が親水性部材を用いた基板を用いること、および画像形成層を親水性から親油性に変換させた後、乾燥させ前記基板上に親油性の画像を固定させ、次いで溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法である。好ましくは、(10)親水性画像形成層が水溶性バインダーポリマー中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄膜からなることを特徴とする前記(9)に記載の平版印刷版の製造方法であり、より好ましくは(11)少なくとも表面が親水性部材を用いた基板が砂目立て後陽極酸化処理されたアルミニウム版であることを特徴とする、または(12)少なくとも表面が親水性部材を用いた基板が表面に親水層が設けられたプラスチックフィルムであることを特徴とする前記(9)または(10)に記載の平版印刷版の製造方法であり、更により好ましくは、(13)溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を水洗あるいは水中でこすることによって実施することを特徴とする、または(14)溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を印刷機上で湿し水及び/あるいはインキを用いて実施することを特徴とする前記(9)、(10)、(11)または(12)に記載の平版印刷版の製造方法である。
【0009】
(15)より一層好ましくは、前記(1)〜(14)のいずれかの平版印刷版の製造方法の発明において、溶剤の小滴を情報に従って画像形成層に投射する行程をデジタル信号に基づくインクジェット記録方法により実施する平版印刷版の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の受容材料に用いる基板は、基本的には、親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を、平版印刷板の製造工程、および所定枚数の平版印刷に耐える強度を有する材料であれば使用可能であるが、前記溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を含む平版印刷板の製造用には、少なくとも表面が親水性部材を用いた基板であることが必要である。従って、好ましい基材としては、陽極酸化されたアルミニウム板、より好ましい前記アルミニウム基板は機械的にあるいは電気化学的に粗面化砂目立てされ、その後陽極酸化されたものである。一層好ましくは、前記アルミニウム基板は、硝酸中や塩酸中で粗面化砂目立てされ、陽極酸化されたものであり、該基板の使用により、画像形成層とより強い接着性を有し、高耐刷な平版印刷版を提供することができる。
【0011】
また、前記基本発明の変形の発明の場合には、陽極酸化されたアルミニウム基板を更に処理し、その表面の親水性を向上させることができる。
例えば、アルミニウム基板を、例えば70℃程度に高められたケイ酸ナトリウム水溶液を用いて処理することにより、その表面を更に親水化させることができる。また、リン酸塩水溶液や無機弗素化合物を含有する水溶液で陽極酸化されたアルミニウム基板の表面を処理しても構わない。さらに、陽極酸化アルミニウム基板をクエン酸又はクエン酸塩溶液で濯ぐことができる。この処理は室温で又は室温より僅かに高い約30〜50℃で行うことができる。さらに興味深い処理は、陽極酸化アルミニウム基板を重炭酸塩溶液で処理することである。
【0012】
さらに、陽極酸化アルミニウム基板にはポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル、スルホン化脂肪族アルデヒドでアセタール化したポリビニルアルコール、2−アミノエチルホスホン酸、β−アラニン又は特開2000−35666号広報明細中に記載されている側鎖にカルボン酸基と4級アンモニウム基を有するポリマー等の下塗りや浸漬処理が必要に応じて行われても構わない。
【0013】
一方、本発明で使用できるその他の基板として、紙又はプラスチックフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムのごとき柔軟性支持体を挙げることができる。更にこの柔軟性支持体上に、上層の親水性画像形成層との接着性を高めるために、必要に応じて接着層を設けることも出来る。特に適した接着層は、親水性結合剤をホルムアルデヒド、グリオキサール、ポリイソシネート、活性な自己造膜性シリカゾルやアルミナゾルあるいは加水分解されたテトラ−アルキルオルソシリケートなどの架橋剤で架橋させたものである。
【0014】
接着層に使用できる具体的な親水性結合剤として、親水性ポリマー、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレートあるいはヒドロキシエチルメタクリレート等のモノマーのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、アラビアガム、あるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテル共重合体等を挙げることができる。これらの親水性ポリマーを1つ又はそれ以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明で使用するプラスチックフィルムには、その上に設ける画像形成層との接着性を向上させる目的で、更にその表面を機械的に砂目立てされたり、あるいはマット層を設けられたりしても構わない。
【0016】
本発明の紙又はプラスチックフィルム上に設けられる接着層の厚さは0.2〜5μmで、好ましくは1〜3μmである。
【0017】
前記基本発明の受容材料の基板上に設けられる親水性画像形成層は、架橋した親水性バインダーポリマー中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄層からなる。画像形成層上に溶剤が投射されることで、投射部のポリマー粒子は溶解し、親油性被膜を形成する。そして、画像形成層は親水性から親油性に変換する。未溶剤投射部分は親水性のまま保持されるので、それ以上の処理することなしに印刷機に装着するだけで印刷が可能となる。
また、前記基本発明の変形の発明の受容材料の親水性基板上に設けられる画像形成層は、好ましくは水溶性樹脂中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄層からなる。画像形成層上に溶剤が投射されることで、投射部のポリマー粒子は溶解し、次いで乾燥させることで親油性の水不溶性被膜を形成する。次いで、水洗あるいは水中で擦ることで、または、印刷機上で湿し水および/またはインキで溶剤が投射されなかった画像形成層を除去することで平版印刷版を得る。
【0018】
ここで使用できる親油性有機ポリマー粒子を構成するポリマーとしては、基本的には、請求項1に記載の原理に基づいて、画像形成層を親水性から親油性に変換させるものであれば良く、例えば、エチレン、スチレン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリルあるいはビニルカルバゾール等のモノマーのホモポリマーまたはコポリマーあるいはそれらの混合物、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、アセトン・ピロガロール樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂あるいは硬質ウレタン樹脂等のラテックスを挙げることができる。この他に特開平9−127683号広報中に記載されているスチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、アクロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも一つのモノマーと(メタ)アクリル酸との共重合体からなる自己分散性ラテックスを挙げることができる。
【0019】
親油性有機ポリマー粒子の重量平均分子量は5,000〜1,000,000である。
【0020】
親油性有機ポリマー粒子の平均粒子径は好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.01μm〜0.5μm、そして最も好ましくは0.02μm〜0.15μmである。平均粒子径が0.01μmより小さくなると、画像形成性が不安定になる。また2μmより大きくなると溶解性が低下し、画像形成性が劣化する。
【0021】
親油性有機ポリマーラテックスはモノマーの乳化重合から得られる他、ポリマーを水に非混和性の有機溶媒に溶解し、その後水又は水性媒体に分散させ、有機溶媒を蒸発によって除去することからも得られる。
【0022】
本発明の親水性画像形成層には、架橋した親水性バインダーポリマーまたは水溶性樹脂を含有する。架橋した親水性バインダーポリマーは水溶性樹脂を好適な架橋剤、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、ポリイソシネート、加水分解されたテトラアルキルオルトシリケートや活性な自己造膜性シリカゾルやアルミナゾル等で架橋させることによって得られる。特に好ましい架橋剤は加水分解されたテトラエチルもしくはテトラメチルオルトシリケートである。
【0023】
一方、好適な水溶性樹脂として、例えばビニルアルコール、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリビニルピロリドン、ビニルメチルエーテル等のモノマーのホモポリマーまたはコポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル化セルロース、または天然高分子、例えばゼラチン、多糖、例えばデキストラン、プルラン、セルロース、アラビアゴム、アルギン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に好ましくい親水性バインダーポリマーはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及び(メタ)アクリル酸のホモポリマーあるいはコポリマーである。
【0024】
ここで使用する水溶性樹脂の重量平均分子量は2,000〜1,000,000、より好ましくは5000〜500,000、最も好ましくは10,000〜100,000の範囲であることができる。
【0025】
本発明の受容材料に用いる親水性画像形成層には、層の機械的強度及び多孔度を向上させる物質を添加しても構わない。この目的で、例えば、コロイドシリカを用いることができる。用いられるコロイドシリカは、例えば0.02〜0.07μmの平均粒子径を有するコロイドシリカで、商業的に入手可能な水−分散液の形態で供給される。さらに、コロイドシリカより粒径が大きい0.1μm以上の不活性粒子、例えば、シリカあるいはアルミナ粒子、二酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒子を加えることができる。これらの粒子の導入により、架橋された親水性画像形成層の場合には表面に凹凸を形成し、非画像部としての保水性向上に役立つ。
【0026】
本発明の架橋した親水性バインダーポリマーを含有する画像形成層中の親油性有機ポリマー粒子の量は、好ましくは画像形成層の20〜60重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。20重量%以下の場合、画像部の親油性が劣り、印刷適性が劣り十分な濃度の印刷物が得られない場合がある。60重量%以上では、非画像部としての親水性が劣り、印刷時汚れが発生する場合がある。
また、本発明の変形である水溶性樹脂を含有する画像形成層中の親油性有機ポリマー粒子の量は、好ましくは画像形成層の40〜95重量%であり、より好ましくは65〜95重量%であり、最も好ましくは80〜90重量%である。40重量%以下の場合、画像部の親油性が劣り、印刷適性が劣り十分な濃度の印刷物が得られない場合がある、95重量%以上では、結合剤としての水溶性樹脂の添加量が不足し造膜性が悪い上に、良好な現像性が得られない場合がある。
【0027】
本発明の画像形成層は、好適には0.2〜15μm厚さを有する。より好ましくは2〜10μmの厚さを有する。
【0028】
本発明のインクジェット記録方法に用いられる溶剤は、市販されている一般的な水溶性の有機溶剤や非水溶性の有機溶剤から選ぶことができる。前記の親油性有機ポリマー粒子を溶解させるものであればいずれも使用可能で、また溶解性を調節するために有機ポリマーに対して貧溶媒である溶剤も混合されて用いることが出来る。また溶解後の乾燥速度を調節するために高沸点溶剤と低沸点溶剤を組み合わせて用いても構わない。
【0029】
具体例な水溶性の有機溶媒としては、常温で水に対する溶解度が2重量%以上のもので、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルーエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノn−フェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルーエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルーエーテル、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルーエーテル、ベンジルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートあるいはN−メチルピロリドン等を挙げることができる。ただし、前記に挙げた溶剤はすべての有機ポリマーからなる粒子に対し溶解する溶剤ではなく、ポリマーの種類によっては溶けなくなる溶剤も含まれる。例えばメタノールはポリメチルメタクリレートのホモポリマーを溶解させない貧溶剤であるが、(メタ)アクリル酸を共重合させたポリマーを溶解させる良溶剤である。
【0030】
この他前記の有機ポリマー粒子を溶解させる溶剤と混合することで用いることが出来る貧溶剤として水、エチレングリコールやグリセリンを挙げることができる。
【0031】
この他本発明に用いる溶剤には、現像前の画像部を可視化する目的で染料や顔料を添加してもよい。具体的な化合物として、ローダミン6G塩化物、ローダミンB塩化物、クリスタルバイオレット(CI42555)、マラカイトグリーンシュウ酸塩、オキサジン−4−パークロレート、キニザリン、2−(α−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、が挙げられる。その他、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、メチレンブルー(CI52015)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、ブリリアントブルー、メチルグリーン、エリスロシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾールパープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリドなどに代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系またはアントラキノン系の染料あるいは特開昭62−293247号広報、特開平9−179290号広報に記載されている染料を挙げることができる。
【0032】
この他赤外光又は近赤外光を吸収する染料、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号各広報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各広報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各広報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号広報等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号広報に記載のシアニン染料や米国特許第4,756,993号広報の明細書中に式(I)、(II)として記載されている染料等を用いることができる。
【0033】
これらの赤外光又は近赤外光を吸収する染料は光を吸収すると熱を発生する。
インクジェット記録方法で受容材料の表面の画像形成層に投射された溶剤を乾燥させる際、赤外光又は近赤外光ランプを用いることで、溶剤投射部はより加熱され強固な画像部を形成する
【0034】
本発明の基板と親水性画像形成層からなる受容材料の表面または裏面に、正または負の電荷を帯電させることが好ましい。受容材料に正または負の電荷を帯電させることによって、画像形成層に投射された溶剤は、受容材料の画像形成層の垂下方向に直接浸透することができ、水平方向への拡散を防止することができる。この結果、再現性に優れた画像を迅速に形成することができる。
【0035】
受容材料に電荷を帯電させる工程は、本発明による全ての工程において行うことができる。好ましくは、画像形成層に、画像形成層を溶解させる溶剤をインクジェット記録方法により付着させて親油性画像を形成する際に、即ち、溶剤を画像形成層に投射させる時点から溶剤を付着させて親油性画像を形成させる時点まで、行うことが好ましい。
【0036】
帯電させる方法としては、例えば、帯電器によって、受容材料の表面である画像形成層を正の電荷に帯電させる。受容材料の表面は帯電器によって正の電荷に帯電しているため、受容材料は内部電界、即ち表面が正極で裏面が負極の内部電界が生じている。ここで、電荷制御剤を分散させて正の電荷に帯電させた溶剤を用意する。用意した溶剤は、受容材料の表面と同一の正の電荷に帯電している。
正の電荷に帯電させた溶剤をインクジェット記録ヘッドから投射させて受容材料の表面に付着させる。受容材料の表面に入射した溶剤は、入射方向の運動エネルギーが、受容材料の表面と溶剤との電気エネルギーよりも大きいため、表面内部に入射する。その後、溶剤は、受容材料が内部電界を生じているため、受容材料の垂下方向に迅速に浸透する。その結果、溶剤が受容材料の水平方向に拡散するのを防止することができる。
【0037】
本発明では、上記したように、帯電器で帯電させた受容材料の表面に、同一の電荷で帯電させた溶剤を投射させ親油性画像を形成させることができる。その一方、本発明にあっては、帯電器で受容材料の裏面を帯電させて、受容材料の表面に逆の電荷で帯電した溶剤を投射させることによって親油性画像を形成させることもできる。
【0038】
受容材料を帯電する方法としては、慣用されている帯電手段を用いることができ、例えば、コロナ帯電、ロール帯電などを用いることができる。帯電させるための印加電圧、時間等は製造する平版印刷版、製造装置等によって適宜定めることができる。
【0039】
本発明において、溶剤を電荷で帯電する場合に用いる電荷制御剤としては、例えば、正の電荷に帯電させる場合には、ニグロシン等が挙げられ、負の電荷に帯電させる場合には、サリチル酸金属塩等が挙げられる。この様に電荷制御剤を用いる場合には、溶剤の種類等によって適宜定めることができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
実施例1
砂目立て、陽極酸化したアルミニウム板(材質JISA1050、厚さ0.12mm)上に下記のように作製した画像形成層塗布液Iを塗布液量40ml/mで塗布し、60℃で2時間乾燥して、乾燥塗布重量6.8g/mの親水性画像形成層を有する受容材料を作製した。
この受容材料上にベンジルアルコール10重量部、乳酸メチル10重量部、クリスタルバイオレット2重量部及び水78重量部からなる溶液をインクジェットプリンター(ヒューレット・パッカード社製デスクジェット970Cxi)の記録ヘッドに充填した。原稿をデジタル処理した画像信号に従って、記録ヘッドからこの溶液を受容材料の表面に投射し、親水性画像形成層中のポリマー粒子を溶解させ、溶剤投射部を親水性から親油性に変換させ平版印刷版を得た。
続いて、それ以上の処理をすることなしにRYOBI 3200PCX(リョウービ(株)社製印刷機)に取り付け、水とインキを用いて印刷を行ったところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0042】
画像形成層塗布液Iの作製;
20重量%のTiO(平均粒子径0.3〜0.5μm)及び2.5重量%のポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA205)を含有する水分散液16.8gを調製した。それに20重量%のポリスチレン(平均粒子径0.06μm)を含有する水分散液14gと加水分解された30重量%テトラメチルオルトシリケート溶液を0.7ml加えた。更に水を加えて分散液を40mlにして画像形成層塗布液とした。
【0043】
実施例2
ゼラチン下引き処理を施された厚さ180μmポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製スノーテックス−O:SiO含有量20重量%)70重量部、 ゼラチン5重量部及び シリカ粒子(サイロイド7000:グレースジャパン製)30重量部からなる親水性層塗布液を乾燥塗布重量0.5g/mとなるように塗布してプラスチックフィルムからなる基板を得た。この基板の表面粗さRaは1.1μmであった。
【0044】
この基板上に下記のように作製した画像形成層塗布液IIを塗布液量40ml/mで塗布し、60℃で2時間乾燥して、乾燥塗布重量6.8g/mの親水性画像形成層を有する受容材料を作製した。この受容材料上にベンジルアルコール10重量部、乳酸メチル10重量部、クリスタルバイオレット2重量部及び水78重量部からなる溶液をインクジェットプリンター(ヒューレット・パッカード社製デスクジェット970Cxi)の記録ヘッドに充填した。原稿をデジタル処理した画像信号に従って、記録ヘッドからこの溶液を受容材料の表面に投射し、親水性画像形成層中のポリマー粒子を溶解させ、溶剤投射部を親水性から親油性に変換させ平版印刷版を得た。続いてそれ以上の処理をすることなしにRYOBI3200PCX(リョウービ(株)社製印刷機)に取り付け、水とインキを用いて印刷を行ったところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0045】
画像形成層塗布液IIの作製;
20重量%のTiO(平均粒子径0.3〜0.5μm)及び2.5重量%のポリビニルアルコールを含有する水分散液16.8gを調製した。それに20重量%のポリメチルメタクリレート(平均粒子径0.09μm)を含有する水分散液14gと加水分解された30重量%テトラメチルオルトシリケート溶液を1.4ml加えた。更に水を加えて分散液を40mlにした。
【0046】
実施例3
砂目立て、陽極酸化したアルミニウム板(材質JISA1050、厚さ0.12mm)上に、ポリビニルホスホン酸0.12重量%水溶液からなる下塗り液を塗布液量5ml/mで塗布し、100℃で60秒間乾燥して乾燥塗布重量6mg/mの下塗りを有するアルミニウム基板を作製した。
この基板上に下記のように作製した画像形成層塗布液IIIを塗布液量25ml/mで塗布し、60℃で5分間乾燥して、乾燥塗布重量1.0g/mの画像形成層を有する受容材料を作製した。この受容材料上にベンジルアルコール10重量部、乳酸メチル10重量部、クリスタルバイオレット2重量部及び水78重量部からなる溶液をインクジェットプリンター(ヒューレット・パッカード社製デスクジェット970Cxi)の記録ヘッドに充填した。原稿をデジタル処理した画像信号に従って、記録ヘッドからこの溶液を受容材料の表面に投射し、画像形成層中のポリマー粒子を溶解させ、その後溶剤を蒸発させることで親油性画像をアルミニウム基板上に固着させた。続いてRYOBI 3200PCX(リョウービ(株)社製印刷機)に取り付け、水とインキロールを同時に版胴にオンして十数回回転させ、未溶剤投射部の画像形成層を除去し平版印刷版を得た。その後圧胴をオンして印刷を行ったところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0047】
画像形成層塗布液IIIの作製;
ノニオン界面活性剤によって脱イオン水中に分散されたポリスチレン(Tg100℃、平均粒子径0.06μm)の20重量%分散液5gに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.024g、脱イオン水15.46gを連続して加え、そして最後に撹拌しながらポリアクリル酸(MW=50,000)の5重量%水溶液3gを加えた。
【0048】
実施例4
ゼラチン下引き処理を施された厚さ180μmポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製スノーテックス−O:SiO含有量20重量%)70重量部、ゼラチン5重量部及び シリカ粒子(サイロイド7000:グレースジャパン製)30重量部からなる親水性層塗工液を、乾燥塗布重量0.5g/mとなるように塗布し親水性プラスチック基板を得た。この基板の表面粗さRaは1.1μmであった。この基板上に下記のように作製した画像形成層塗布液IVを塗布液量25ml/mで塗布し、60℃で5分間乾燥して、乾燥塗布重量1.0g/mの画像形成層を有する受容材料を作製した。この受容材料上にジエチレングリコールモノメチルエーテル10重量部、エタノール30重量部、クリスタルバイオレット2重量部及び水58重量部からなる溶液を、インクジェットプリンター(ヒューレット・パッカード社製デスクジェット970Cxi)の記録ヘッドに充填した。原稿をデジタル処理した画像信号に従って、記録ヘッドからこの溶液を受容材料の表面に投射し、画像形成層中のポリマー粒子を溶解させ、その後溶剤を蒸発させることで、親油性画像を親水性プラスチック基板上に固着させた。続いて、RYOBI 3200PCX(リョウービ(株)社製印刷機)に取り付け、水とインキロールを同時に版胴にオンして十数回回転させ、未溶剤投射部の画像形成層を除去し平版印刷版を得た。
その後圧胴をオンして印刷を行ったところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0049】
画像形成層塗布液IVの作製;
ノニオン界面活性剤によって脱イオン水中に分散されたポリメチルメタクリレート(Tg100℃、平均粒子径0.09μm)の20重量%分散液5gに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.024g、脱イオン水15.46gを連続して加え、そして最後に撹拌しながらポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA205)の5重量%水溶液3gを加えた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の基本発明で提案した、基板上に親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を設けた受容材料を形成した製版材料と前記ポリマー粒子を溶解させ、その部分の画像形成層を親水性から親油性に変換させる実質的に前記ポリマー粒子の溶剤からなるジェットインキとを組み合わせる平版印刷板性の製造方法により、実質的にインクジェット記録装置のみの利用により、場合によりその後の親油性に変換されなかった画像形成層を除去する工程を経て、再現性よく高品質の平版が、安価に、かつ簡便に製造することが可能となった、という優れた効果を持たらした。

Claims (15)

  1. 基板上に親油性有機ポリマー粒子を含有する親水性画像形成層を設けた受容材料上に、溶剤の小滴を情報に従って投射し、投射部分の該ポリマー粒子を溶解させ、その部分の画像形成層を親水性から親油性に変換させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法。
  2. 親水性画像形成層が架橋した親水性バインダーポリマー中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄膜からなることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の製造方法。
  3. 親水性画像形成層にシリカ、アルミナ、二酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒子から選ばれる少なくとも一種の粒子が添加されていることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版の製造法。
  4. 親油性有機ポリマー粒子は平均粒子径が0.01〜2μmであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の平版印刷版の製造方法。
  5. 受容材料上に投射する溶剤には、親油性有機ポリマー粒子の溶解性を調節する貧溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法。
  6. 貧溶剤は、水であることを特徴とする請求項5記載の平版印刷版の製造方法。
  7. 基板としてプラスチックフィルムを用いることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法。
  8. 基板として砂目立て後陽極酸化処理されたアルミニウムを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の平版印刷板の製造方法において、基板として少なくとも表面が親水性部材を用いた基板を用いること、および画像形成層を親水性から親油性に変換させた後、乾燥させ前記基板上に親油性の画像を固定させ、次いで溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法。
  10. 親水性画像形成層が水溶性バインダーポリマー中に親油性有機ポリマー粒子を分散させた薄膜からなることを特徴とする請求項9に記載の平版印刷版の製造方法。
  11. 少なくとも表面が親水性部材を用いた基板が砂目立て後陽極酸化処理されたアルミニウム版であることを特徴とする請求項9または10に記載の平版印刷版の製造方法。
  12. 少なくとも表面が親水性部材を用いた基板が表面に親水層が設けられたプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項9または10に記載の平版印刷版の製造方法。
  13. 溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を水洗あるいは水中でこすることによって実施することを特徴とする請求項9、10、11または12に記載の平版印刷版の製造方法。
  14. 溶剤が投射されなかった画像形成層を除去する工程を印刷機上で湿し水及び/あるいはインキを用いて実施することを特徴とする請求項9、10、11または12に記載の平版印刷版の製造方法。
  15. 溶剤の小滴を情報に従って画像形成層に投射する行程をデジタル信号に基づくインクジェット記録方法により実施することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法。
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JP2009196262A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Mitsubishi Paper Mills Ltd 直接感熱性平版印刷版

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