JP2004215657A - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料を一度供給するだけで、LDLコレステロールを正確かつ簡便に測定を行うことができるセンサおよび測定方法を提供する。
【解決手段】 コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とを、基板上に担持させることによってバイオセンサを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、血液、血清および血漿などの被検試料中の低密度リポ蛋白(LDL)に含まれるコレステロールを定量するために用いるバイオセンサに関する。特に、本発明は、ワンステップで前記コレステロールを測定し得るバイオセンサの構造に関する。
近年、高コレステロール血症の診断を行う際に、LDLに含まれるコレステロールの濃度が重要視されている。従来、この種のLDLコレステロールの定量方法は、超遠心法を用いた分画操作によって行われていた。しかし、この方法では、特殊な装置を必要とし、さらに測定に長時間を要するという問題がある。
また、超遠心を行わない定量方法として、試料中の総コレステロール、高密度リポ蛋白(HDL)コレステロール、およびトリグリセリドの濃度をそれぞれ求め、Friedewaldの式からLDLコレステロールの濃度を算出する方法が一般的である。しかし、この方法では、トリグリセリド値が高い被検試料を用いた場合、再現性、正確性の点で信頼性が低いという問題がある。
さらに近年、トリグリセリド値を必要としない低密度リポ蛋白中コレステロールの定量方法として、以下のような方法が提案されている。
第一に、例えば非特許文献1には、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸、マグネシウムイオンおよびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリエーテル存在下において、低密度リポ蛋白中コレステロールのみを酵素によって酸化し、色素の発色度合いから低密度リポ蛋白中コレステロール濃度を定量する方法が記載されている。
上記非特許文献1記載の方法は、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸およびマグネシウムイオンによって、被検試料中のカイロミクロン中コレステロールおよび超低密度リポ蛋白(VLDL)中コレステロールに対する酵素の反応性を減少させ、さらに、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリエーテルによって、被検試料中の高密度リポ蛋白中コレステロールに対する酵素の反応性を減少させるものである。
第二に、例えば特許文献1においては、両性界面活性剤および、カルボキシル基またはスルホン酸基を有する脂肪族アミン類の存在下において低密度リポ蛋白中コレステロールのみを酵素によって酸化し、色素の発色度合いから低密度リポ蛋白中コレステロール濃度を定量する方法が提案されている。
上記特許文献1記載の方法は、両性界面活性剤存在下において、低密度リポ蛋白以外のリポ蛋白に含まれるコレステロールに対する酵素の反応性を減少させるものである。
第三に、例えば特許文献2においては、被検試料をポリカチオンによって処理することによって、低密度リポ蛋白中コレステロールのみを酵素によって酸化し、色素の発色度合いから低密度リポ蛋白中コレステロール濃度を定量する方法が提案されている。
第四に、例えば特許文献3記載の方法においては、まず、高密度リポ蛋白を多孔性のシリカによって吸着し、さらに、ポリアニオン/二価カチオンによって、カイロミクロンおよび超低密度リポ蛋白と不溶性の複合体を形成させる。この複合体を沈殿として溶液中から除去後、低密度リポ蛋白中コレステロールのみを酵素によって酸化し、色素の発色度合いから低密度リポ蛋白中コレステロール濃度を定量する。
上記第一〜第四の方法により、トリグリセリド値が高い被検試料を用いた場合においても、低密度リポ蛋白コレステロールの値を測定することができる。
Clinical Chemistry、1998年、第44巻、第522頁 特開平10−84997号公報 米国特許第4,185,963号明細書 米国特許第5,401,466号明細書
しかし、上記第一〜第四の方法は、再現性および正確性良く測定を行うためには、いずれも、第一の試薬水溶液と第二の試薬水溶液とを用意し、一定時間に、血清試料に対して決められた量の第一の試薬水溶液と第二の試薬水溶液をそれぞれ正確に添加しなければならず、操作が煩雑であるという問題がある。
そこで、上述のような従来の問題に鑑み、本発明の目的は、試薬の添加に習熟していない患者が使用する場合であっても、2種類以上の試薬をそれぞれ別々のタイミングで被検試料に添加することを要せず、試料を一度供給するだけで、LDLコレステロールを正確かつ簡便に測定を行うことができるバイオセンサを提供することである。特に、使用者がメンテナンスをしなくても再現性および正確性良く定量することができるバイオセンサを提供することにある。
本発明は、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、低密度リポ蛋白に対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とが担体に乾燥担持されていることを特徴とするバイオセンサに関する。
前記バイオセンサは前記基板上に担体を有し、前記担体が、濾紙、ガラスフィルタ、メンブレンフィルタまたはセルロース繊維であるのが好ましい。
また、前記バイオセンサにおいては、前記コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記試薬と、前記ペルオキシダーゼと、前記色素源とが、凍結乾燥、高温乾燥、温風乾燥または自然乾燥により、前記担体に担持されているのが好ましい。
また、本発明のバイオセンサにおいては、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、低密度リポ蛋白に対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とが、試薬乾燥体として含まれていてもよい。この試薬乾燥体とは、試薬などを含む溶液を滴下、乾燥させて得られる固形体をいう。
本発明のバイオセンサにおいては、この固形の試薬乾燥体を複数設け、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、低密度リポ蛋白に対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とを、適宜組み合わせて含ませることができる。試薬乾燥体の形状としては、例えばペレット状、ディスク状、立方体状、直方体状、板状など、適宜選択することができる。
前記試薬は、前記コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記色素源とから分離して担持されているのが好ましい。
前記バイオセンサは、さらに流路を有し、前記流路の上流側に前記試薬が設けられ、前記流路の下流側に前記コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記ペルオキシダーゼと、前記色素源とが設けられているのが好ましい。
前記試薬は界面活性剤であるのが好ましい。
前記界面活性剤はノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤であるのが好ましい。
また、前記ノニオン系界面活性剤はノニオン系ポリマーであるのが好ましい。
前記バイオセンサは、さらにαシクロデキストリン硫酸を含むのが好ましい。さらに、前記バイオセンサは、デキストラン硫酸を含むのが好ましい。
また、前記バイオセンサは、pH緩衝剤を含むのが好ましい。
さらに、前記バイオセンサは、二価の金属塩を含むのが好ましい。前記二価金属塩はマグネシウム塩、カルシウム塩またはマンガン塩であるのが好ましい。
また、前記バイオセンサは、リポ蛋白リパーゼを含むのが好ましい。
また、前記バイオセンサは、試料から特定の成分を分離するフィルタを含むのが好ましい。
また、前記試料が前記フィルタ内を通過する向きが、重力方向に対して平行、垂直または斜めであることが好ましい。
さらに本発明は、前記バイオセンサと、第一の光源とを具備することを特徴とするテストシステムにも関する。
このテストシステムは、さらに第二の光源を具備するのが好ましい。
前記第一の光源および前記第二の光源のいずれによっても、試料の検知を行うことができる。また、前記第二の光源からの情報によって、前記第一の光源からの情報を補正することもできる。
本発明に係るバイオセンサを用いれば、試料を一度供給することで、LDL中のコレステロールを再現性および正確性よく定量することができる。また、本発明に係るバイオセンサを用いた定量方法は、煩雑な操作を必要としないため、病院や臨床検査室などの専門機関以外におけるLDLコレステロール測定キットに適している。
すなわち、本発明に係るバイオセンサを用いれば、試薬の添加に習熟していない患者が使用する場合であっても、2種類以上の試薬類をそれぞれ別々のタイミングで被検試料に添加することをせず、被検試料を一度供給するだけで、LDLコレステロールを正確かつ簡便に測定を行うことができる。
さらに、本発明に係るバイオセンサにおいては、試薬は乾燥されているので、特にコレステロールオキシダーゼやペルオキシダーゼなどの酵素を含む試薬層の水分が十分除去され、保存時にも劣化しないという利点を有し、メンテナンスの必要がないというメリットを有する。
上述のような目的を達成するため、本発明は、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とを含み、これらがいずれも基材上に担持されていることを特徴とする乾式テストストリップからなるバイオセンサを提供する。
前記バイオセンサは、さらに担体を有し、前記コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記試薬と、前記ペルオキシダーゼと、前記色素源とが、前記担体上または前記担体内に乾燥担持されているのが好ましい。
前記担体は、濾紙、ガラスフィルタ、メンブランフィルタ、セルロース繊維からなる群から選択されることが好ましい。なお、試薬を乾燥担持する目的で用いた担体が、血球を分離する役割を担ってもよい。なお、さらにメッシュを設けてもよい。この担体は基板上に保持させる。
ここで、本発明に係るバイオセンサにおけるLDLコレステロールの測定原理を説明する。例えば、低密度リポ蛋白(LDL)、高密度リポ蛋白(HDL)および超低密度リポ蛋白(VLDL)を含む試料を、本発明に係るバイオセンサ中に導入すると、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬によってLDLのみが可溶化される。その後、LDL中のコレステロールがコレステロールエステラーゼと反応してコレステロールを生じ、このコレステロールがコレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと反応してコレステノンおよび過酸化水素(H22)を生じる。
ついで、この過酸化水素が、ペルオキシダーゼの存在下で、例えば4−アミノアンチピリンおよびHDAOSなどと反応してキノン色素を生じる。そして、このキノン色素の吸収極大(583nm)を測定することにより、前記試料中のLDLコレステロールを定量することができるのである。
前記色素源としては、4−アミノアンチピリン、フェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸、[3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル]アミン(BCMA)などが挙げられる。
また、トリンダー試薬である、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)をさらに添加してもよい。トリンダー試薬のなかでは、試料中の他の成分から影響を受けにくいという点で、HDAOSが好ましい。また、光を化学的に発生する発色源として、ルミノールまたはイソルミノールなどを用いることもできる。
また、前記担体を保持させる基板の材料としては、ある程度の剛性を有するものであれば特に制限はない。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドもしくは飽和ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、または尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂もしくは不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
乾燥担持の方法は、従来からの方法、例えば凍結乾燥、高温乾燥、温風乾燥または自然乾燥であればよい。試薬の保存安定性に優れるという理由からは凍結乾燥が好ましく、乾燥時間が短いという理由からは高温乾燥または温風乾燥が好ましい。
前記LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬は、前記コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼ、前記ペルオキシダーゼ、および前記色素源から分離して設けるのが好ましい。これは、バイオセンサを保管中に、前記試薬が前記コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼに対して影響を与えないという理由によるものである。
さらに、本発明に係るバイオセンサにおいては、例えば前記基板に流路を設け、前記流路の上流側に前記LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬を配置し、前記流路の下流側に前記コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼ、前記ペルオキシダーゼ、および前記色素源を配置するのが好ましい。これは、血液または血漿などの試料に対して、前記試薬を十分に作用させた後に、コレステロールエステラーゼやコレステロールオキシダーゼによる酵素反応を行うことで、LDLに対してより高い選択性を発揮することができるという理由によるものである。
LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬は、界面活性剤であることが好ましい。前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤であることが好ましい。また、ノニオン系界面活性剤はノニオン系ポリマーであることが好ましい。
なお、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルなどが好ましく、ノニオン系ポリマーとしては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体が好ましい。
また、アニオン系界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウムなどが好ましい。
さらに、本発明に係るバイオセンサにはαシクロデキストリン硫酸を含めるのが好ましい。この場合、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と同様にガラスフィルタなどの担体に含ませればよい。なお、αシクロデキストリン硫酸以外に、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリンや、αシクロデキストリン硫酸、βシクロデキストリン硫酸、ジメチル−β−シクロデキストリン、トリメチル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン誘導体を用いてもよい。さらにデキストラン硫酸を添加してもよい。
さらに、本発明に係るバイオセンサには、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬による作用、およびコレステロールオキシダーゼなどの酵素反応をより効果的に進めるために、pH緩衝剤を添加してもよい。この場合、コレステロールオキシダーゼなどの酵素と同様にガラスフィルタなどの担体に含ませればよい。pH緩衝剤としては、フタル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)など挙げられる。また、グッド緩衝剤である、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)も、pHを中性付近に調整することができるので好ましい。
さらに、本発明に係るバイオセンサには、LDLの選択性を向上するために、二価の金属塩を添加してもよい。この場合、コレステロールオキシダーゼなどの酵素と同様にガラスフィルタなどの担体に含ませればよい。ここで、二価の金属塩としてはマグネシウム塩、カルシウム塩またはマンガン塩などが好ましい。このなかで、LDLへの選択性を向上する目的でマグネシウム塩が好ましい。さらにリポ蛋白リパーゼを含ませてもよい。
さらに本発明に係るバイオセンサには、前記担体を構成するフィルタなどに加えて、第二のフィルタを含め、当該第二のフィルタに試料中の血球を分離させてもよい。前記フィルタとしては、ガラスフィルタ、濾紙、メンブランフィルタ、メッシュまたは綿などが挙げられる。
前記バイオセンサは、第一の光源と組み合わせることによって、テストシステムを構成する。当該テストシステムは、さらに第二の光源を具備してもよい。この場合、前記第二の光源からの情報によって、前記第一の光源からの情報を補正することができ好ましい。また、前記第一の光源または前記第二の光源によって試料検知を行うことができる。
被検試料としては、いずれの体液であってもいいが、例えば血液、血漿、血清または間質液などを用いることができる。
つぎに、本発明に係るバイオセンサの構造の好ましい例について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。このバイオセンサは、貫通した2つの穴9および19を有する基板1、透明シート2、試薬乾燥体3、スリット4aを有するスペーサー4、血液から血球成分を濾過するフィルタ7、ならびに空気孔6を有するカバー5で構成される。
空気孔6は、スペーサー4のスリット4aの左側の端部に位置し、スリット4aの右半分にはフィルタ7が設けられている。試薬乾燥体3が、透明シート2上に設けられるが、組立後はスリット4a内に位置することになる。また、試薬乾燥体3は穴9の上部に位置し、穴19はフィルタ7に対向する位置にある。そして、基板1は透明シート2、スペーサー4およびカバー5よりも右側において長く、試料を点着させる試料供給部8を形成している。
このような図1に示す構造を有するバイオセンサを用いる場合、血液などの試料を、試料供給部8付近に滴下する。供給した血液は、フィルタ7内を水平方向に移動する際に、血球成分が濾過される。濾過された血液は、空気孔6の付近まで到達して、試薬乾燥体3を溶解する。このとき、フィルタ7内に存在する、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、試薬乾燥体3中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOSが作用して発色する。このときの発色の度合いは、測定部である穴9を通して、発光ダイオードなどによる光を基板1の下部より照射したとき、反射光を光ダイオードで検出することで測定する。
以上の方法によって、血液を一度供給するだけで、血液中のLDLコレステロールをワンステップ測定することができる。本実施の形態のバイオセンサによれば、試薬を一定のタイミングで、別々に添加するという煩雑な操作の必要がなく、再現性および正確性良く定量することができる。ここで、試薬は乾燥されているので、特にコレステロールオキシダーゼなどやペルオキシダーゼなどを含む試薬層の水分が十分除去され、長期間保存した際にも劣化しないという利点を有し、メンテナンスの必要がない。
なお、発光ダイオードと光ダイオードによる測光によって試料の導入の検知、または試料の種類の検知を行ってもよい。なお、第二の光源を用いて穴19から光を測定することで試料検知を行ってもよい。さらに、第二の光源を用いた光の測定による情報から、発光ダイオードと光ダイオードを用いた光の測定による情報を補正してもよい。
実施の形態2
つぎに、図2は、本実施の第二の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。このバイオセンサは、貫通した穴29を有する基板11、透明シート12、試薬乾燥体13、スリット14aを有するスペーサー14、血液から血球成分を濾過するフィルタ17、空気孔16を有するカバー15、フィルタ17の高さに合わせて高さを調節できるスペーサー24、およびすり鉢状の試料供給部18を有するカバー25で構成される。
空気孔16は、スペーサー14のスリット14aの左側の端部に位置し、スリット14aの右半分にはフィルタ17を収容しうる開口部14bが設けられている。試薬乾燥体13が、透明シート12上に設けられるが、組立後はスリット14a内に位置することになる。また、試薬乾燥体13は穴29の上部に位置する。
そして、基板11の右側においては、フィルタ17を保持し、当該フィルタ17はスペーサー14の開口部14bおよびカバー15の開口部16bにはめ込まれる。そして、カバー15の開口部16bの上には、スペーサー24およびカバー25が設置され、試料供給部18から試料を導入することができる。
このような図2に示す構造を有するバイオセンサを用いる場合、血液などの試料を、試料供給部18に滴下する。試料供給部18は、すり鉢状であるため、試料の円滑な供給に役立つ。供給した血液は、フィルタ17内を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過される。このとき、フィルタ17内に存在する試薬類によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用する。
濾過された血液は、バイオセンサ内を空気孔16の付近まで水平に移動して、試薬乾燥体13を溶解する。このとき、フィルタ17内に存在する、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、試薬乾燥体13中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色する。
以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができる。そして、本実施の形態のバイオセンサによれば、試薬を一定のタイミングで、別々に添加する必要がなく、メンテナンスの必要がない。さらに、血液などの試料は、重力を利用してフィルタ内を垂直に移動するため、測定時間が短縮されるという利点がある。
実施の形態3
つぎに、図3は、本発明の第3の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。このバイオセンサは、貫通した穴34aを有するスペーサー34、透明シート32、試薬乾燥体43、フィルタ47、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬乾燥体33、および血液から血球成分を濾過するフィルタ37で構成される。
このバイオセンサは基板を有さず、透明シート32の上に設けられたスペーサー34の穴34aの内部に、試薬乾燥体43、フィルタ47、試薬乾燥体33およびフィルタ37を順に積層して収容する。
このような図3に示す構造を有するバイオセンサを用いる場合、血液などの試料を、フィルタ37に滴下する。供給した血液は、フィルタ37またはフィルタ47を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過される。このとき、試薬乾燥体33によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用する。血液などの試料は、重力を利用して、フィルタ内を垂直に移動するため、測定時間が短縮されるという利点がある。
以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができる。本実施の形態のバイオセンサによれば、試薬を一定のタイミングで、別々に添加する必要がなく、メンテナンスの必要がない。
また、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどがフィルタ47を介して分離されているので、試料が、まずLDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を受けることができる。
さらに、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどの作用を受けるまでに、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を十分受けることができて好ましい。なお、リポ蛋白リパーゼを添加することで、より精度の向上、測定時間の短縮を望めるという利点がある。
実施の形態4
つぎに、図4は、本発明の第4の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。このバイオセンサは、貫通した穴59を有する基板51、透明シート52、2つのスペーサー54、試薬乾燥体53、血液から血球成分を濾過するフィルタ57、ならびにメッシュ60で構成される。
基板51の中央部分には貫通した穴59が設けられ、その両側に2つのスペーサー54が設けられている。そして、穴59の上には、透明シート52、試薬乾燥体53およびフィルタ57が順に積層され、一番上にメッシュ60が配置される。このメッシュ60は、基板51と同じ寸法を有する。
このような図4に示す構造を有するバイオセンサを用いる場合、血液などの試料を、メッシュ60上から滴下する。メッシュは血液などの試料を均一に広げて、気泡が発生するのを防ぐ役割を担う。供給した血液は、フィルタ57内を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過される。このとき、フィルタ57内に存在する試薬によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用する。
その後、試料が試薬乾燥体53まで到達すると、試薬乾燥体53中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色する。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができる。本実施の形態のバイオセンサによれば、試薬を一定のタイミングで、別々に添加する必要がなく、メンテナンスの必要がない。
実施の形態5
つぎに、図5は、本発明の第5の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。このバイオセンサは、傾斜した開口部70aを有する容器70、試薬乾燥体63、血液から血球成分を濾過するフィルタ67、およびメッシュ60で構成される。
容器70内を貫通する傾斜した開口部には、試薬乾燥体63およびフィルタ67がはめ込まれ、フィルタ67の上端面は容器70の上端部の高さに位置し、メッシュ60が配置される。
このような図5に示す構造を有するバイオセンサを用いる場合、血液などの試料を、メッシュ60上に滴下する。メッシュは血液などの試料を均一に広げて、気泡が発生するのを防ぐ役割を担う。供給した血液は、フィルタ67内を斜め方向に移動する際に、血球成分が濾過される。このとき、フィルタ67内に存在する試薬によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用する。
その後、試料が試薬乾燥体63まで到達すると、試薬乾燥体63中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色する。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができる。
本実施の形態のバイオセンサによれば、流路が重力方向に対して斜めであるので、試料が重力を利用して速やかに濾過され、さらに濾過の様子が見やすいという利点を有する。また、試薬乾燥体63の位置が最も手前にあるので、試料が容器70の下部まで到達したかどうかを目視によって確認しやすい。容器70をガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの透明材料で作製するのも好ましい。
ここで、図1に示す第一の実施の形態に係るバイオセンサに代表させて、本発明のバイオセンサを用いたテストシステムの使用方法(定量方法)について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、血液などの試料を供給する(ステップ1)。光源1によって試料の導入を検知するまではホールド状態にあるが、試料の導入を検知すると(ステップ2)、つぎに光源2による検知を行う。光源2によって試料の導入が検知されないと(ステップ3)、エラーとなり、測定が中止される。
光源2によって試料の導入が検知されると(ステップ3)、光源2によって発色の度合いを測定して(ステップ4)LDLコレステロールの定量を行い、測定結果を表示する(ステップ5)。なお、必要であれば、光源1または2による補正情報(ステップ6)によって補正を行い、測定結果を表示する(ステップ5)。特に光源2を用いて補正を行う場合は、発色前後の情報に基づいて補正を行う。
なお、測定部である穴9における光の測定と、測定部である穴19における光の測定を同時にかつ断続的に行うことで、穴19(光源1側)から穴9(光源2側)までに試料が移動する時間を測定することができる。試料の移動時間が一定の時間を超える場合には、試料の導入に異常があると認識することで測定を終了することもできる。
また、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどを分離しておけば、試料が、まずLDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を受けることができる。さらに、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどの作用を受けるまでに、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を十分受けることができて好ましい。なお、試料供給部8は、供給した試料を一定時間保持することができて好ましい。
なお、作製したバイオセンサは、空気中の水分の吸湿を避けるため、密閉して保存することが好ましい。シリカゲル、アルミナなどの吸湿剤存在下で保存するとなおよい。アルミ包装などを行えば、光を遮断することができ、試薬の劣化を抑制できて好ましい。また、試薬類の乾燥方法として、凍結乾燥を用いてもよい。凍結乾燥によれば、試薬中の水分が十分除去されるので、試薬の劣化を抑制できてよい。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
本実施例においては、図1に示すバイオセンサを作製し、血液を試料として用い、血液中のLDLコレステロールを測定した。
まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基板1、PET製の透明シート2、およびPET製のスペーサー4を圧着した接合体を用意した。スペーサー4のスリット4aの右側部分に合わせて、血液から血球成分を濾過するフィルタ7を設けた。フィルタ7としてはガラスフィルタを用いた。そして、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸および塩化マグネシウムを含む水溶液を、スペーサー4に組み込んだフィルタ7内に滴下して乾燥した。
つぎに、透明シート2上に、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOS、およびMOPS(pH7.0)を含む水溶液を滴下して乾燥した(試薬乾燥体3)。最後に、PET製のカバー5を上から置き、熱圧着して本発明に係る乾式テストストリップを作製した。
血液を試料供給部8付近に滴下した。供給した血液は、フィルタ7内を水平方向に移動する際に、血球成分が濾過された。濾過された血液は、空気孔6の付近まで到達して、試薬乾燥体3を溶解した。このとき、フィルタ7内に存在する、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬類と、試薬乾燥体3中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOSが作用して発色した。
このときの発色の度合いを、測定部である穴9を通して、発光ダイオードによる光を基板1の下部より照射し、反射光を光ダイオードで検出することで測定した。以上の方法によって、血液を一度供給するだけで、血液中のLDLコレステロールをワンステップ測定することができた。
《実施例2》
本実施例においては、図2に示すバイオセンサを作製し、血液を試料として用い、血液中のLDLコレステロールを測定した。
まず、PET製の基板11、PET製の透明シート12、およびPET製のスペーサー14を接着剤によって固定して得られる接合体を用意した。透明シート12上に、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOSおよびMOPS(pH7.0)を含む水溶液を滴下して乾燥した(試薬乾燥体13)。
その上に、PET製のカバー15、PET製のスペーサー24、およびPET製のカバー25を接着剤によって固定し、血液から血球成分を濾過するフィルタ17を、試料供給部18から差し込んだ。最後に、フィルタ17にはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸、および塩化マグネシウムを含む水溶液を滴下して乾燥した。
血液を試料供給部18から滴下した。試料供給部18は、すり鉢状であるので、試料の円滑な供給に役立った。供給した血液は、フィルタ17内を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過された。このとき、フィルタ17内に存在する試薬によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用した。濾過された血液は、センサストリップ内を空気孔16の付近まで水平に移動し、試薬乾燥体13を溶解した。
このとき、フィルタ17内に存在する、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、試薬乾燥体13中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、HDAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色した。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができた。
《実施例3》
本実施例においては、図3に示すバイオセンサを作製し、血液を試料として用い、血液中のLDLコレステロールを測定した。
まず、PET製のスペーサー34およびPET製の透明シート32を熱圧着した接合体を用意した。スペーサー34の穴34aに、リポ蛋白リパーゼ、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOS、およびMOPS(pH7.0)を含む水溶液を滴下して乾燥した(試薬乾燥体43)。
その上に、フィルタ47を重ねた。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸、および塩化マグネシウムは、ペレット状の試薬乾燥体33としてフィルタ47の上に乗せた。最後にフィルタ37を乗せて、本発明に係るバイオセンサを作製した。フィルタ37とフィルタ47としてはガラスフィルタを用いた。
血液をフィルタ37に滴下した。供給した血液は、フィルタ37またはフィルタ47を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過された。このとき、試薬乾燥体43によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用した。血液は、重力を利用して、フィルタ内を垂直に移動するため、測定時間が短縮されるという利点があった。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができた。
また、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどの酵素がフィルタ47を介して分離されているので、試料が、まずLDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を受けることができた。さらに、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなどの酵素の作用を受けるまでに、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせる試薬の作用を十分受けることができた。
《実施例4》
本実施例においては、図4に示すバイオセンサを作製し、血液を試料として用い、血液中のLDLコレステロールを測定した。
まず、PET製の基板51、PET製の透明シート52、PET製のスペーサー54を接着剤によって固定した接合体を用意した。透明シート52上に、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOS、およびMOPS(pH7.0)を含む水溶液を滴下して乾燥した(試薬乾燥体53)。
つぎに、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸、および塩化マグネシウムを含む水溶液を滴下して乾燥したフィルタ57を、試薬乾燥体53上に乗せた。最後に、メッシュ60を接着剤で固定して、本発明に係るバイオセンサを作製した。
血液をメッシュ60から滴下した。メッシュは血液を均一に広げて、気泡が発生するのを防ぐ役割を担った。供給した血液は、フィルタ57内を垂直方向に移動する際に、血球成分が濾過された。このとき、フィルタ57内に存在する試薬によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用した。その後、試薬乾燥体53まで到達すると、試薬乾燥体53中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色した。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができた。
《実施例5》
本実施例においては、図5に示すバイオセンサを作製し、血液を試料として用い、血液中のLDLコレステロールを測定した。
まず、斜めに開口部の開いた容器70の底にコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOS、およびMOPS(pH7.0)を含む水溶液を滴下して乾燥した(試薬乾燥体63)。
つぎに、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、αシクロデキストリン硫酸、デキストラン硫酸、および塩化マグネシウムを含む水溶液を滴下して乾燥したフィルタ67を、試薬63乾燥体上に乗せた。最後に、メッシュ60を接着剤で容器70に固定して、本発明に係るバイオセンサを作製した。
血液をメッシュ60から滴下した。メッシュは血液を均一に広げて、気泡が発生するのを防ぐ役割を担った。供給した血液は、フィルタ67内を斜め方向に移動する際に、血球成分が濾過された。このとき、フィルタ67内に存在する試薬によって、LDLに対して選択的に酵素反応を行わせるよう作用した。その後、試薬乾燥体63まで到達すると、試薬乾燥体63中のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、DAOSが作用して、実施の形態1と同様に発色した。以上の方法によって、血液中のLDLコレステロールをワンステップで測定することができた。
本発明に係るバイオセンサは、血液、血清および血漿などの試料中の低密度リポ蛋白(LDL)に含まれるコレステロールを簡易に定量することができるため、一般家庭や病院などにおける高コレステロール血症の診断に好適に用いることができる。
本発明の第一の実施の形態に係る乾式テストストリップの分解斜視図である。 本発明の第二の実施の形態に係る乾式テストストリップの分解斜視図である。 本発明の第三の実施の形態に係る乾式テストストリップの分解斜視図である。 本発明の第四の実施の形態に係る乾式テストストリップの分解斜視図である。 本発明の第五の実施の形態に係る乾式テストストリップの分解斜視図である。 本発明に係る乾式テストストリップを含むテストシステムを用いた測定のフローチャートである。
符号の説明
1、11、51 基板
2、12、32、52 透明シート
3、13、33、43、53、63 試薬乾燥体
4、14、24、34、54 スペーサー
5、15、25 カバー
6、16 空気孔
7、17、37、47、57、67 フィルタ
8、18 試料供給部
9、19、29、59 穴
60 メッシュ
70 容器

Claims (18)

  1. コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、低密度リポ蛋白に対して選択的に酵素反応を行わせる試薬と、ペルオキシダーゼと、色素源とが基板上に担持されていることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記基板上に担体を有し、前記担体が、濾紙、ガラスフィルタ、メンブランフィルタまたはセルロース繊維であることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 前記コレステロールエステラーゼと、前記コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記試薬と、前記ペルオキシダーゼと、前記色素源とが、凍結乾燥、高温乾燥、温風乾燥または自然乾燥により、前記担体に担持されていることを特徴とする請求項2記載のバイオセンサ。
  4. 前記試薬が、前記コレステロールエステラーゼと、前記コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記色素源とから分離して担持されていることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ。
  5. さらに流路を有し、前記流路の上流側に前記試薬が設けられ、前記流路の下流側に前記コレステロールエステラーゼと、前記コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、前記ペルオキシダーゼと、前記色素源とが設けられていることを特徴とする請求項4記載のバイオセンサ。
  6. 前記試薬が界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバイオセンサ。
  7. 前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項6記載のバイオセンサ。
  8. 前記ノニオン系界面活性剤がノニオン系ポリマーであることを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ。
  9. さらにαシクロデキストリン硫酸を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバイオセンサ。
  10. さらにデキストラン硫酸を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のバイオセンサ。
  11. さらにpH緩衝剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバイオセンサ。
  12. さらに二価の金属塩を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のバイオセンサ。
  13. 前記二価金属塩がマグネシウム塩、カルシウム塩またはマンガン塩であることを特徴とする請求項12記載のバイオセンサ。
  14. さらにリポ蛋白リパーゼを含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のバイオセンサ。
  15. さらに試料から特定の成分を分離するフィルタを含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のバイオセンサ。
  16. 前記試料が前記フィルタ内を通過する向きが、重力方向に対して平行、垂直または斜めであることを特徴とする請求項15記載のバイオセンサ。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のバイオセンサと、第一の光源とを具備することを特徴とするテストシステム。
  18. さらに第二の光源を具備することを特徴とする請求項17記載のテストシステム。
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