JP2004215436A - モータの制御装置、その制御装置を用いた空気調和機および冷蔵庫 - Google Patents

モータの制御装置、その制御装置を用いた空気調和機および冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動する。
【解決手段】制御装置100は、3相ブラシレスモータ160に電力を供給する交流電源110と、電力の電圧値および電流値のいずれかを検知するDC電流検知回路210と、マイクロプロセッサ200とを含む。マイクロプロセッサ200は、制御値ならびに制御値を修正するための情報を記憶し、制御値を情報に基づいて修正し、かつ制御値に基づき、電圧および電流のいずれかを制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷によって変動する脈動が発生するモータを制御する技術に関し、特にモータに供給する電圧および電流のいずれかを制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、空気調和機や冷蔵庫などに用いられる圧縮機は、冷媒を圧縮して高温高圧状態にした上で熱交換を行なう、冷凍サイクルの重要な構成部品である。通常この圧縮動作は、大きく3つの過程に分けられる。圧縮機の内部にあるシリンダ内に冷媒を満たす吸入過程、シリンダ内の冷媒を圧縮する圧縮過程、および圧縮した冷媒を圧縮機の外部に放出する吐出過程である。
【0003】
圧縮機はその圧縮機構により、ロータリ方式、レシプロ方式、スクロール方式などに分類される。なかでもロータリ方式は他の方式に比べ、構造が簡単、部品点数が少ない、低コスト、圧縮効率がよい(ただしシリンダ部分の構造の影響を受ける)、高効率化が容易という特徴を有する。
【0004】
ロータリ方式は、偏心したロータリピストンがシリンダ内部で回転することにより吸入・圧縮・吐出の各過程を行い、冷媒を圧縮する。このため1回転中の吸入・圧縮・吐出の各工程による負荷の変動と回転軸の偏心とにより、振動や騒音が大きくなるといった問題がある。
【0005】
シリンダ部分を2つとしてロータリピストンの回転を180度ずらし、互いの振動を打消す技術も実用化されているが、シリンダ部が1つのシングルロータリ方式に比べ構造が複雑、コストが高い、効率が低下するといった問題がある。
【0006】
特開平9−191684号公報(特許文献1)は、シングルロータリ方式の圧縮機において、ロータ位置を検知し、モータトルクを制御して振動・騒音を抑制する技術を開示する。この公報に開示されたブラシレスモータの速度制御方法は、複数極の永久磁石を有する回転子と、通電時にこの回転子に回転磁界を与えるように配置された複数の固定子巻線とを有するブラシレスモータを制御する。このモータは、この複数の固定子巻線のうちいくつかの固定子巻線に通電して回転磁界を得るとともに、通電していない固定子巻線に回転子の回転によって生じる誘起電圧の変化を検出して得られる位置検出信号に基づいて通電する固定子巻線を順次切換えるようにし、固定子巻線に印加する電圧を調節して回転子の速度を制御する。この制御方法は、位置を検出する信号に基づき回転子1回転中に複数の基準点を設け、各基準点における加速度(以下、基準点加速度という)を算出するステップと、対応する基準点における固定子巻線への印加電圧(以下、基準点電圧という)を基準点加速度に基づいて調整するステップと、隣接する基準点同士を接続して得られた電圧波形(以下、補正電圧波形という)を固定子巻線に印加することにより、回転子1回転中における固定子巻線への印加電圧を調節して回転子速度を制御するステップとを含む。
【0007】
この装置によると、基準点電圧を基準点加速度に基づいて調整し、補正電圧波形を固定子巻線に印加するので、電圧の急激な変動によってモータに生じる振動を抑制できる。これにより、ブラシレスモータへの通電開始直後に発生し易い不安定な状態での運転を排除することができる。その結果、安定した運転を確実に行える速度制御方法を提供することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−191684号公報(第4−6頁、第8図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の公報に記載された装置では、基準点電圧を基準点加速度に基づいて調整する、すなわち圧縮機の速度の変動がなるべく小さくなるようにモータの制御を行なう。速度の変動が小さくなるようにモータを制御するので、モータ電流の振幅の脈動が大きくなり、モータ電流のピーク値が大きくなり、モータ部での銅損が増加し、効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的はシングルロータリ型圧縮機などに搭載された、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動するモータの制御装置、その制御装置を用いた空気調和機および冷蔵庫を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るモータの制御装置は、モータに電力を供給するための電力供給手段と、電力の電圧値および電流値のいずれかを検知するための第1の検知手段と、電力の電圧および電流のいずれかの制御に用いる制御値、ならびに制御値を修正するための情報であって検知された電圧値および電流値のいずれかに基づいて定められた情報を記憶するための記憶手段と、制御値を、情報に基づいて、電力における脈動電圧および脈動電流のいずれかを抑制するように修正するための修正手段と、制御値に基づき電圧および電流のいずれかを制御するための制御手段とを含む。
【0012】
第1の発明によると、修正手段は、検知された電圧値および電流値のいずれかに基づいて、たとえば検知される電圧値をその平均値に近づけるなど、脈動電圧および脈動電流のいずれかを抑制するように制御値を修正する。これにより、制御手段は、制御値に基づき、モータに供給する電力の電圧および電流のいずれかを制御するので、平均値に近付けるために検知された電圧値や電流値に基づき負荷トルクによる脈動電圧や脈動電流を抑制することができる。負荷トルクによる脈動が抑制されるので、電圧および電流の変化が一定に近づく。モータの効率は、電圧および電流の変化が一定に近づくほど高くなるので、負荷トルクによる脈動が打消されることで、モータの効率は高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0013】
第2の発明に係るモータの制御装置は、第1の発明の構成に加えて、制御装置は、モータの回転子の機械角を検知するための第2の検知手段をさらに含む。第1の検知手段は、第2の検知手段により検知された機械角の予め定められた範囲ごとに、電圧値および電流値のいずれかを検知するための手段を含む。修正手段は、予め定められた範囲に対応する制御値を修正するための手段を含む。
【0014】
第2の発明によると、修正手段は機械角の予め定められた範囲ごとに制御値の修正を行なう。これにより、制御手段は予め定められた範囲ごとに電圧や電流を制御することが可能になる。予め定められた範囲ごとに電圧や電流を制御することができるので、負荷トルクによる脈動をより適切に打消すことができる。負荷トルクによる脈動をより適切に打消すことができるので、モータの効率はより高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0015】
第3の発明に係るモータの制御装置は、第1または第2の発明の構成に加えて、修正手段は、回転子が複数回回転する間に第1の検知手段が検知した値の平均値に基づき、予め定められた範囲ごとに制御値を修正するための手段を含む。
【0016】
第3の発明によると、修正手段は、回転子が複数回回転する間に、第1の検知手段が検知した値の平均値に基づき、予め定められた範囲ごとに制御値を修正する。第1の検知手段が検知した値が、負荷トルク以外の影響を受けていないとすると、第1の検知手段が検知した値の平均値は負荷トルクによる脈動が打消された値と見なすことができる。これにより、平均値に基づいて電圧や電流を制御すると、負荷トルクの影響を打消すように制御することができる。負荷トルクによる脈動を打消すことができるので、モータの効率は高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0017】
第4の発明に係るモータの制御装置は、第3の発明の構成に加えて、修正手段は、予め定められた範囲について第1の検知手段が検知する値が、平均値に近づくように制御値を修正するための手段を含む。
【0018】
第4の発明によると、修正手段は、第1の検知手段が検知した値が、その平均値に近づくように制御値を修正する。これにより、より的確に負荷トルクの影響を打消すことができる。より的確に打消すことができるので、モータの効率はより高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0019】
第5の発明に係るモータの制御装置は、第4の発明の構成に加えて、制御値は、電圧値および電流値のいずれかを特定する値である。
【0020】
第5の発明によると、制御値は、電圧値および前記電流値のいずれかを特定する値である。これにより、修正手段が制御値を修正することで、電圧値や電流値を間接的に修正することができる。電圧値や電流値を修正できるので、より的確に電圧や電流の脈動を抑制することができる。より的確に脈動を抑制することができるので、より的確に負荷トルクの影響を打消すことができる。より的確に負荷トルクの影響を打消すことができるので、モータの効率はより高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0021】
第6の発明に係るモータの制御装置は、第2の発明の構成に加えて、予め定められた範囲は、回転子1回転分の機械角をモータの巻線に発生する誘起電圧によって特定する範囲である。
【0022】
第6の発明によると、誘起電圧によって特定される範囲ごとに電圧値や電流値の検知および制御値の修正を行なう。モータのトルクは電力と磁力との相互作用により発生する。これにより、よりトルクの変動に適合した制御が可能になる。トルクの変動に適合した制御が可能になるので、負荷トルクによる脈動をより的確に打消すことができる。負荷トルクによる脈動をより的確に打消すことができるので、モータの効率はより高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0023】
第7の発明に係るモータの制御装置は、第6の発明の構成に加えて、誘起電圧によって特定する範囲の数は、モータの相数と極数との積に等しい数である。
【0024】
第7の発明によると、修正手段は、モータの相数と極数との積に等しい数で分割した範囲ごとに電圧値や電流値の検知および制御値の修正を行なう。モータのトルクは電力と磁力との相互作用により発生する。電力と磁力との相互作用によりトルクが発生するので、トルクは電力と磁力とが変化する範囲ごとに変動する。電力と磁力との変化はモータの相数と極数との影響を受けるので、これらの数で分割した範囲ごとに電圧値や電流値の検知などを行なうと、さらにトルクの変動に対応した制御が可能になる。これにより、負荷トルクによる脈動をさらに適切に打消すことができる。負荷トルクによる脈動をさらに適切に打消すことができるので、モータの効率はさらに高くなる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをさらに高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0025】
第8の発明に係るモータの制御装置は、第2の発明の構成に加えて、第1の検知手段は、予め定めた周期ごとに電圧値および電流値のいずれかを検知するための手段を含む。修正手段は、予め定めた周期のK周期目(Kは自然数)に検知された電圧値および電流値のいずれかに基づいて、予め定めた周期の(K+1)周期目に、制御値を修正するための手段を含む。
【0026】
第8の発明によると、修正手段は、1周期前に検知された電圧値や電流値に基づいて制御値を修正する。これにより、電圧値や電流値を検知した後、制御値を修正するまでの時間的な制約が緩和される。時間的な制約が緩和されるので、電圧値や電流値を検知する動作から電圧や電流を制御する動作までの時間を短縮することが容易になる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータを短時間に高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0027】
第9の発明に係るモータの制御装置は、第1から第8のいずれかの発明の構成に加えて、制御値は、制御手段が電圧および電流のいずれかを制御することにより発生する脈動の位相と、モータの負荷トルクにより発生する脈動の位相とが逆の位相になるように定められる値である。
【0028】
第9の発明によると、修正手段は検知された電圧値および電流値のいずれかに基づいて制御値を修正する。制御手段は修正された制御値に基づき電圧や電流を制御する。これにより、検知された値に基づいて制御された電圧や電流に、負荷トルクによる脈動とは逆の位相の脈動が加えられ、負荷トルクによる脈動がほぼ打消される。負荷トルクによる脈動がほぼ打消されるので、モータの効率はほぼ最高となる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0029】
第10の発明に係るモータの制御装置は、第1から第8のいずれかの発明の構成に加えて、制御値は、制御手段により発生する脈動の位相と、負荷トルクにより発生する脈動の位相とのずれが予め定められた範囲になるように定められる値である。
【0030】
第10の発明によると、制御手段により電圧や電流に発生する脈動の位相は、予め定められた範囲内で負荷トルクにより生ずる脈動の位相からずれる。予め定められた範囲とは、たとえば実用上モータの騒音を問題としなくてよい範囲である。脈動の位相がずれるので、制御手段により発生する脈動が負荷トルクによる脈動をある程度打消す。脈動を打消すので、モータの効率が向上する。一方、制御手段が電圧や電流に脈動を与えるようにそれらを制御することは、回転子の角速度の脈動を抑制する効果も有する。これにより、モータが駆動することで生じる騒音や振動がある程度抑制される。その結果、騒音や振動をある程度抑制しつつ、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0031】
第11の発明に係るモータの制御装置は、第1から第10のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段が電圧および電流のいずれかを制御することにより発生する脈動の位相と、負荷トルクにより発生する脈動の位相とのずれが、予め定められた範囲に含まれるように定められる複数の制御値を設定するための手段と、予め定められた条件に応じて、複数の制御値のいずれかの値を選択するための選択手段とをさらに含む。記憶手段は、複数の制御値を記憶するための手段を含む。
【0032】
第11の発明によると、負荷トルクによる電圧や電流の脈動を抑制するために適切な制御値は、モータを駆動する際のさまざまな条件に基づいて変化する。選択手段は予め定められた条件に基づいて制御値を選択する。これにより、モータを駆動する条件に変化が生じても、制御手段はその変化に応じて電圧や電流を制御し、トルクによる脈動を抑制することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0033】
第12の発明に係るモータの制御装置は、第11の発明の構成に加えて、第2の検知手段により検知された回転子の機械角に基づいて、回転子の角速度を算出するための算出手段をさらに含む。予め定められた条件は、回転子の角速度に基づいて定められる条件である。
【0034】
第12の発明によると、負荷に接続されたモータの回転子の角速度は、そのモータが発生する騒音や振動の大小に影響を及ぼす。選択手段はモータの回転子の角速度に基づいて定められる条件に応じて制御値を選択する。これにより、的確に騒音や振動を抑制することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータについて、必要に応じて騒音や振動の抑制や効率の向上を達成するモータの制御装置を提供することができる。
【0035】
第13の発明に係るモータの制御装置は、第12の発明の構成に加えて、回転子の角速度に基づいて定められる条件は、角速度の脈動が予め定められた範囲に含まれるか否かという条件である。
【0036】
第13の発明によると、角速度の脈動は、そのモータが発生する騒音や振動の大小に直接影響を及ぼす。選択手段は角速度の脈動が予め定められた範囲に含まれるか否かを表わす条件に応じて制御値を選択する。これにより、より的確に騒音や振動を抑制することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータについて、的確に騒音や振動の抑制や効率の向上を達成するモータの制御装置を提供することができる。
【0037】
第14の発明に係るモータの制御装置においては、第1から第13のいずれかの発明の構成に加えて、電力供給手段は、インバータである。制御手段は、インバータに供給される直流電力の電圧および電流のいずれかを制御するための手段を含む。
【0038】
第14の発明によると、インバータはモータに電力を直接供給する。制御手段は、インバータに供給される直流電力の電圧などを制御する。インバータに供給される前の電力の電圧などを制御するので、インバータから出力される電圧および電流の変化が一定に近づく。これにより、モータの効率は電圧および電流の変化が一定に近づくほど高くなるので、モータの効率をより改善することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータをより高い効率で駆動するモータの制御装置を提供することができる。
【0039】
第15の発明に係る空気調和機は、第1から第14のいずれかの発明に係るモータの制御装置を含む。
【0040】
第15の発明によると、モータの制御装置は、モータの電圧や電流を制御する。これにより、モータの効率が向上するので、空気調和機の効率も向上する。その結果、より高い効率で稼動する空気調和機を提供することができる。
【0041】
第16の発明に係る冷蔵庫は、第1から第14のいずれかの発明に係るモータの制御装置を含む。
【0042】
第16の発明によると、モータの制御装置は、モータの電圧や電流を制御する。これにより、モータの効率が向上するので、冷蔵庫の効率も向上する。その結果、より高い効率で稼動する冷蔵庫を提供することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0044】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る圧縮機170用のモータの制御装置100は、交流電源110と、力率改善回路120と、全波整流回路130と、平滑回路140と、インバータ部150と、3相ブラシレスモータ160と、圧縮機170と、ベースドライバ部180と、検知部190と、マイクロプロセッサ200と、DC(Direct Current)電流検知回路210とを含む。
【0045】
力率改善回路120は、リアクタなどにより構成され、突入電流を防止する回路も兼ねる。全波整流回路130は、ダイオードブリッジなどにより構成される。平滑回路140は、電解コンデンサなどにより構成される。インバータ部150は、3相バイポーラ接続されたスイッチング素子やフライホイール・ダイオードなどにより構成され、U相上側に接続されたIGBT(Insulated Gate Bipo−lar Transistor)151と、V相上側に接続されたIGBT152と、W相上側に接続されたIGBT153と、U相下側に接続されたIGBT154と、V相下側に接続されたIGBT155と、W相下側に接続されたIGBT156とを含む。
【0046】
3相ブラシレスモータ160は、圧縮機170を駆動する。圧縮機170は、空気調和機または冷蔵庫(図示せず)に内蔵されるシングルロータリ型の圧縮機である。ベースドライバ部180は、電圧レベル変換IC(Integrated Circuit)などにより構成される。検知部190は、コンパレータおよび抵抗などにより構成される。
【0047】
マイクロプロセッサ200は、CPU(Central Processing Unit)と、A/D変換器(Analog−to−Digital変換器)とRAM(Random Access Memory)とを含み(いずれも図示せず)、これらを用いてDC電流を制御するためのプログラム演算を実行する。RAMには、制御値としてPWMデューティが記憶されるとともに、その制御値を修正するための3相ブラシレスモータ160の1回転あたりのDC電流の平均値が記憶されている。PWMデューティとは信号がON/OFFされている時間をいう。DC電流検知回路210は、抵抗および増幅回路212などにより構成される。
【0048】
図2を参照して、制御装置100で実行されるプログラムは、モータに供給する電力の制御に関し、以下のような制御構造を有する。
【0049】
ステップ100(以下、ステップをSと略す。)にて、マイクロプロセッサ200は、交流電源110を用いてモータの制御装置100に交流電力を供給する。S102にて、マイクロプロセッサ200は、全波整流回路130と平滑回路140とを用いて交流電力を直流化し、インバータ部150へ入力させる。
【0050】
S104にて、マイクロプロセッサ200は、検知部190を用いてロータの位置を表わす位置信号を検知する。図3を参照して、誘起電圧によりロータの位置を検知する方法を説明する。
【0051】
図3(A)は、ブラシレスモータの各巻線からの誘起電圧の波形と基準電圧とを示す。ただし図3(A)の誘起電圧の波形と図3(B)のロータの位置信号の波形とは同位相になるように示しているが、実際は誘起電圧を検知する方法により、誘起電圧と位置信号とには位相の遅れが発生する。本実施の形態においては、ブラシレスモータは3相スター結線されており、各々の巻線で発生した誘起電圧の波形は、120°ずつ位相がずれた状態になる。
【0052】
図3(B)は、誘起電圧と基準電圧とを比較した結果を表わす波形である。誘起電圧が基準電圧より大きい時を「HIGH」と、小さい時を「LOW」とすると、磁極が変化する点すなわち誘起電圧の波形がゼロクロスする点で立ち上がりまたは立ち下がりのエッジがあるパルスを得ることができる。各巻線ごとのパルスの「HIGH」および「LOW」の組合せは、ロータの位置に同期しているので、各巻線ごとのパルスの組合せを検知することによりロータの位置を検知することができる。単位時間ごとにロータの位置の変化を把握すると、ロータの角速度や回転数を検知することもできる。
【0053】
S106にて、マイクロプロセッサ200は、自身に内蔵されたA/D変換器を介して、PWM(Pulse−Width Modulation)キャリアの周期ごとにインバータ部150のDC電流値を検知する。DC電流値を検知すると、マイクロプロセッサ200は、予め計算してRAMに記憶させた、3相ブラシレスモータ160の1回転あたりのDC電流の平均値と比較する。検知したDC電流値が平均値より大きい場合、マイクロプロセッサ200は、3相ブラシレスモータ160のPWMデューティを減少させる。検知したDC電流値が平均値より小さい場合は、3相ブラシレスモータ160のPWMデューティを増加させる。
【0054】
S108にて、マイクロプロセッサ200は、検知部190を用いて検知された位置信号に基づき、3相ブラシレスモータ160を駆動する信号を作成し、PWM波形を用いてPWMチョッピングする。この場合PWMチョッピングとは、モータを駆動するための信号を細かくON/OFFすることをいう。信号を細かくON/OFFすると、PWMデューティに応じて3相ブラシレスモータ160の各相に印加する電圧や電流を制御し、これらに脈動を生じさせることができる。電圧や電流を制御することができるので、出力トルクを制御することができる。電圧や電流はDC電流の平均値にしたがって制御されているので、出力トルクはDC電流の平均値にしたがって制御されていることになる。
【0055】
図3(C)は、位置信号に基づいて3相ブラシレスモータ160を制御した場合に、3相ブラシレスモータ160を駆動するための各巻線の信号のON/OFFを表わす図である。たとえばロータの位置信号HUの立ち上がりエッジが検知されれば、U相上側のスイッチング素子IGBT151をONにする。次に位置信号HVの立ち上がりエッジが検知されると、IGBT151をOFFにし、V相上側のスイッチング素子IGBT152をONにする。位置信号HWの立ち下がり信号が検知されると、V相下側のスイッチング素子からW相下側のスイッチング素子を転流させる。このように位置信号のエッジを検知するごとに順次インバータ回路のスイッチング素子を転流させて、ブラシレスモータを駆動する。本実施の形態においては信号をONする際のみにPWMチョッピングしているが、OFFする側にPWMチョッピングしてもよいし、ON/OFF両側であってもよい。
【0056】
S110にて、マイクロプロセッサ200は、3相ブラシレスモータ160を駆動する信号を作成し、PWMチョッピングすると、PWMチョッピングされた信号をベースドライバ部180へ出力する。
【0057】
S112にて、ベースドライバ部180は、出力された信号をIGBTの駆動用に変換する。S114にて、インバータ部150は、変換された信号に基づいてIGBT151、152、153、154、155、156のIGBTスイッチングを行なう。S116にて、IGBTスイッチングにより、インバータ部150は3相ブラシレスモータ160へ電力を供給し、圧縮機170を駆動するので空気調和機が運転される。
【0058】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、制御装置100の動作について説明する。
【0059】
空気調和機を運転するための電力は、モータ駆動装置に接続された交流電源110から供給される(S100)。交流電力が供給されると、全波整流回路130と平滑回路140により直流化され、インバータ部150へ入力される(S102)。
【0060】
マイクロプロセッサ200は、検知部190を用いてロータの位置を表わす位置信号を検知する(S104)。位置信号を検知すると、マイクロプロセッサ200は、自身に内蔵されたA/D変換器を介して、PWMキャリアの周期ごとにインバータ部150のDC電流値を検知し、平均値と比較する(S106)。検知したDC電流値が平均値より大きい場合は、3相ブラシレスモータ160のPWMデューティを減少させる。検知したDC電流値が平均値より小さい場合は、3相ブラシレスモータ160のPWMデューティを増加させる。
【0061】
PWMデューティを決定すると、マイクロプロセッサ200は、検知部190を用いて検知された位置信号に基づき、3相ブラシレスモータ160を駆動する信号を作成し、PWM波形を用いてPWMチョッピングする(S108)。
【0062】
3相ブラシレスモータ160を駆動する信号を作成し、PWMチョッピングすると、マイクロプロセッサ200は、PWMチョッピングされた信号をベースドライバ部180へ出力する(S110)。ベースドライバ部180は、出力された信号をIGBTの駆動用に変換する(S112)。インバータ部150は、変換された信号に基づいてIGBT151、152、153、154、155、156のIGBTスイッチングを行なう(S114)。IGBTスイッチングにより、インバータ部150よりモータ16へ電力が供給され、圧縮機170が駆動されるので空気調和機が運転される(S116)。
【0063】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置100は、DC電流がその平均値に近づくように制御を行なうので、モータ1回転中のDC電流の脈動が低減し、モータ巻線の電流のピーク値が小さくなる。これにより、銅損が減少するので、トルク制御を行わない場合に比べモータの効率を向上することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動し、ひいては空気調和機などの製品の大幅な省エネと低振動化・低騒音化とが実現できるモータの制御装置を提供することができる。
【0064】
本実施の形態においては、負荷装置がシングルロータリ圧縮機であり、これを空気調和機に搭載した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0065】
また、本実施の形態においては、DC電流値を検知し、検知された値に基づいてPWMデューティを修正したが、DC電圧値を検知し、その値に基づいてPWMデューティを修正してもよい。
【0066】
さらに、本実施の形態においては、インバータ回路はモータを矩形波駆動するものであったが、180度通電駆動でもよい。いずれの場合であっても第1の実施の形態と同様に、1回転中の負荷の変動が大きいモータを高い効率で駆動することができる。
【0067】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置について説明する。
【0068】
本実施の形態に係る制御装置のマイクロプロセッサ200が内蔵するRAMは、PWMデューティを直接記憶せず、基準値およびPWMデューティを決定するための係数を記憶する。
【0069】
基準値とは、マイクロプロセッサ200が決定した平均回転数によりモータを駆動する場合のPWMデューティをいう。DC電流の平均値を記憶する点は第1の実施の形態と同様である。DC電流の平均値およびPWMデューティを決定するための係数は、モータの1回転範囲を分割した複数の区間ごとに記憶されている。PWMデューティは、その区間ごとに決定される。DC電流の平均値は、それまでに計算されたたDC電流の平均値とロータが1回転するごとに検知されたDC電流の平均値とに基づいて計算された値である。
【0070】
なお、その他のハードウェア構成は前述の第1の実施の形態と同様である。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0071】
図4を参照して、制御装置100で実施される処理は、モータに供給する電力の制御に関し、以下のような制御構造を有する。なお、図4に示すフローチャートの中で前述の図2に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0072】
S120にて、マイクロプロセッサ200は、RAMに記憶された係数を修正する。係数の変更は、モータの1回転範囲を分割した複数の区間ごとに、前述したA/D変換器を介してインバータ部150のDC電流値を検知し、検知値と過去の検知値の平均値とを比較した結果に基づいて行なう。本実施の形態においては、モータの1回転範囲をインバータ回路の通電モードすなわち転流間隔ごとに分割した複数の区間(ステート)について係数の修正を行なう。
【0073】
図5を参照して、ステートについて説明する。転流間隔とはモータの極数と相数との積であるから、図5に示すように4極ブラシレスモータにおいてはモータの1回転範囲が12分割され、ステート0〜ステート11までの12ステートを持つ。ただし、ステートPとステートP+6(P:0〜5の整数)の通電モードは同一である。RAMにはこれらのステートに対応する12個の係数I(0)〜I(11)が記憶されているので、各ステートについて、DC電流の検知値と平均値とを比較し、係数を修正する。係数の修正は、係数が平均値より大きいステートでは係数を小さくし、平均値より小さいステートでは係数を大きくする。
【0074】
S122にて、マイクロプロセッサ200は、変更後の係数を用いて、最終的にインバータ部150に出力するPWMデューティの決定値を、次式のように計算する。
【0075】
D=A×D(0)(D:決定値、A:係数、D(0):基準値)
以上のような構造およびフローチャートに基づく、制御装置の動作について説明する。
【0076】
S100〜S104の処理を経て位置信号を検知すると、マイクロプロセッサ200は、RAMに記憶された係数を修正する(S120)。係数が修正されると、インバータ部150に出力するPWMデューティの決定値が計算される(S122)。
【0077】
PWMデューティが決定されると、第1の実施の形態と同様の動作により、検知したDC電流値が平均値に近づくように空気調和機が運転される(S108〜S116)。
【0078】
図6にトルク制御を行わない場合の負荷トルク、係数およびDC電流波形を示す。図7に回転数変動すなわち角速度の変動がなるべく小さくなるようにトルク制御を行なう従来のトルク制御時の負荷トルク、係数およびDC電流波形を示す。図8にDC電流脈動がなるべく小さくなるようにトルク制御を行なう、本実施の形態に係るトルク制御時の負荷トルク、係数およびDC電流波形を示す。図6に示すようにトルク制御を行わない場合の係数は、回転角に関係なく一定である。図7に示すように従来のトルク制御時の係数は、負荷トルクと一致するよう調整される。図8に示すように本実施の形態に係るトルク制御時の係数の変化の位相は、DC電流の脈動が小さくなるように調整しているため、トルク制御を行わない場合のDC電流脈動とほぼ逆の位相となる。
【0079】
図9に圧縮機の振動振幅と効率とを比較した結果を示す。本実施の形態に係るトルク制御により、DC電流の脈動が、トルク制御を行わない場合や従来のトルク制御の場合に比べ小さくなり、それにともない損失が低減し、効率が向上する。振動についても、トルク制御なしの場合より大幅に小さくなる。従来のトルク制御時よりは振動が大きいが、通常シングルロータリ型圧縮機は、空気調和機に組み込まれる際に、ゴムなどの弾性体により支持され、かつバネ効果を持たせた形状の冷媒配管によって熱交換器に接続されている。これら弾性体や冷媒配管の最適設計を行なうことにより、振動の大部分が弾性体や冷媒配管によって吸収されるので、従来のトルク制御ほど圧縮機の振動を低減しなくても、振動が実用上問題とならない範囲内におさまれば問題ない。
【0080】
以上のように、ステートごとにDC電流を制御し、負荷トルクにより発生するDC電流の脈動の位相とは逆に近い位相の脈動を発生させるので、モータ1回転中のDC電流の脈動を低減させることができる。さらに、モータ巻線電流のピーク値も小さくなるので、モータ部での銅損が減少する。その結果、トルク制御を行わない場合に比べ効率を向上させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、修正した係数をそのまま用いて決定値を計算したが、1回転前の同一ステートで変更した係数を用いて決定値を計算してもよい。その場合、最新の係数は1回転後の同一ステートの決定値の計算に使用する。これにより、係数の修正から決定値の計算までに時間的な余裕が生じる。時間的な余裕が生じるので、係数の修正を実施するタイミングの自由度が向上する。その結果、係数の修正から決定値の計算までのトータルの時間を短縮することができる場合があるので、トルク制御を行わない場合に比べ効率を向上するとともに、高速で動作する制御装置を提供することができる。
【0082】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る制御装置について説明する。
【0083】
図10を参照して、本実施の形態に係る制御装置300は、DC電流検知回路210に代えて、モータ巻線電流検知回路220を含む。モータ巻線電流検知回路220は、3相ブラシレスモータ160の巻線を流れる電流を検知する。マイクロプロセッサ200は、DC電流の平均値に代えて、モータ巻線の電流の平均値を記憶する。なお、その他のハードウェア構成については前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0084】
図11を参照して、制御装置300で実施される処理は、モータに供給する電力の制御に関し、以下のような制御構造を有する。
【0085】
S130にて、マイクロプロセッサ200は、自身に内蔵されたA/D変換器を介して、PWMキャリアの周期ごとにモータ巻線の電流値を検知する。S132にて、マイクロプロセッサ200は、検知したモータ巻線の電流値を予め計算済みのモータの1回転あたりのモータ巻線の電流の平均値と比較し、比較結果に基づいてPWMデューティを決定する。マイクロプロセッサ200は、モータ巻線電流のモータ1回転中の脈動が小さくなるようにPWMデューティを決定する。
【0086】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、制御装置の動作について説明する。S100〜S104の処理を経て位置信号を検知すると、マイクロプロセッサ200は、モータ巻線の電流値を検知する(S130)。電流値を検知すると、マイクロプロセッサ200は、検知した電流値とを平均値とを比較し、モータ巻線電流の脈動が小さくなるようにPWMデューティを決定する(S132)。PWMデューティを決定すると、第1の実施の形態と同様の動作により、空気調和機が運転される(S108〜S116)。
【0087】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置100は、DC電流に代えてモータ巻線の電流がその平均値に近づくように制御を行なう。これにより、直接モータ1回転中のモータ巻線の電流の脈動が低減するように制御するので、そのピーク値を効率的に小さくすることができる。ピーク値が小さくなると銅損が減少するので、トルク制御を行わない場合に比べモータの効率を向上することができる。その結果、回転に同期した脈動を有するモータを高い効率で駆動し、ひいては空気調和機などの製品の大幅な省エネと低振動化・低騒音化とが実現できるモータの制御装置を提供することができる。
【0088】
なお、3相ブラシレスモータ160の各相それぞれにモータ巻線電流検知回路220を設けてもよい。これにより、各相ごとのモータ巻線電流を検知することができるので、モータ巻線電流の検知精度は向上する。
【0089】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る制御装置について説明する。
【0090】
本実施の形態に係る制御装置は、外部の照度を検知する照度センサ(図示せず)を含む。マイクロプロセッサ200に内蔵されるRAMは、第1の実施の形態に係るPWMデューティに加え、トルク制御を行わない場合よりモータおよび負荷装置の振動と音とが小さくなる従来のトルク制御を実施するためのモータの回転数の平均値を記憶する。モータおよび負荷装置の振動と音とが小さくなる従来のトルク制御は、モータの回転数の変動すなわち角速度の変動がなるべく小さくなるようにトルク制御を行なうことにより達成される。
【0091】
なお、その他のハードウェア構成については前述の第1の実施の形態と同様である。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0092】
図12を参照して、制御装置で実施される処理は、モータに供給する電力の制御に関し、以下のような制御構造を有する。S140にて、マイクロプロセッサ200は、照度センサを用いて外部の照度を検知する。S142にて、マイクロプロセッサ200は、外部の照度がたとえば10000ルクスといった予め定められたしきい値を上回るか否かを判断する。しきい値を上回ると判断した場合には(S142にてYES)、処理はS106へと移される。もしそうでないと(S142にてNO)、処理はS144へと移される。
【0093】
S144にて、従来のトルク制御を用いて、トルク制御を行わない場合に比べモータおよび負荷装置の振動と音とが小さくなるように、すなわちモータ回転数がその平均値に近づくようにPWMデューティを修正する。従来のトルク制御は、検知部190によるロータの位置の検知、マイクロプロセッサ200によるモータの回転数の算出、および算出したモータの回転数とその平均値との比較に基づくPWMデューティの修正からなる。
【0094】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、制御装置の動作について説明する。
【0095】
[夏場の日中に制御を行なう場合]
S100〜S104の処理を経て位置信号を検知すると、マイクロプロセッサ200は、照度センサを用いて外部の照度を検知する(S140)。外部の照度を検知すると、マイクロプロセッサ200は、予め定められたしきい値を上回るか否かを判断する(S142)。しきい値を上回る場合は夏場の日中と判断されて(S142にてYES)、マイクロプロセッサ200は、インバータ部150のDC電流値を検知し、平均値と比較し、その結果に応じてPWMデューティを修正する(S106)。PWMデューティを修正すると、第1の実施の形態と同様の動作により、空気調和機が運転される(S108〜S116)。
【0096】
[夏場の夜間に制御を行なう場合]
外部の照度を検知すると、マイクロプロセッサ200は、予め定められたしきい値を上回るか否かを判断する(S142)。しきい値を上回らない場合は夏場の夜間と判断されて(S142にてNO)、マイクロプロセッサ200は、ロータの回転数を算出し、平均値と比較し、その結果に応じてPWMデューティを修正する(S144)。PWMデューティを修正すると、第1の実施の形態と同様の動作により、空気調和機が運転される(S108〜S116)。
【0097】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置は、夏場の日中などに電力使用量を抑えた高効率運転を行い、睡眠時などに低振動・低騒音運転を行なうように制御することができる。その結果、必要に応じて複数の種類の運転を安定して変更できる制御装置を提供することができる。
【0098】
なお、モータの定格トルクや目標回転数が切換えられた後、所定時間を経過するまで再度の切換えを禁止してもよい。これにより、モータの異常停止などの発生を抑制することができる。その結果、安定して定格トルクや目標回転数をできる制御装置を提供することができる。。
【0099】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電流などを制御する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る検知部が誘起電圧により位置信号を検知する方法を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電流などを制御する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るステートと機械角および電気角との関係ならびに通電モードを示す図である。
【図6】トルク制御を行わない場合の負荷トルク、トルク補償量およびDC電流波形を示す図である。
【図7】従来のトルク制御を行なう場合の負荷トルク、トルク補償量およびDC電流波形を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るトルク制御を行なう場合の負荷トルク、トルク補償量およびDC電流波形を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るトルク制御を行なう場合の圧縮機の振動振幅と効率と表わす図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る制御装置のブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る電流などを制御する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る電流などを制御する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100,300 制御装置、110 交流電源、120 力率改善回路、130 全波整流回路、140 平滑回路、150 インバータ部、160 3相ブラシレスモータ、170 圧縮機、180 ベースドライバ部、190 検知部、200 マイクロプロセッサ、210 DC電流検知回路、220 モータ巻線電流検知回路。

Claims (16)

  1. モータに電力を供給するための電力供給手段と、
    前記電力の電圧値および電流値のいずれかを検知するための第1の検知手段と、
    前記電力の電圧および電流のいずれかの制御に用いる制御値、ならびに前記制御値を修正するための情報であって前記検知された電圧値および電流値のいずれかに基づいて定められた情報を記憶するための記憶手段と、
    前記制御値を、前記情報に基づいて、前記電力における脈動電圧および脈動電流のいずれかを抑制するように修正するための修正手段と、
    前記制御値に基づき、前記電圧および電流のいずれかを制御するための制御手段とを含む、モータの制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記モータの回転子の機械角を検知するための第2の検知手段をさらに含み、
    前記第1の検知手段は、前記第2の検知手段により検知された機械角の予め定められた範囲ごとに、前記電圧値および電流値のいずれかを検知するための手段を含み、
    前記修正手段は、前記予め定められた範囲に対応する前記制御値を修正するための手段を含む、請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記修正手段は、前記回転子が複数回回転する間に前記第1の検知手段が検知した値の平均値に基づき、前記予め定められた範囲ごとに前記制御値を修正するための手段を含む、請求項1または2に記載のモータの制御装置。
  4. 前記修正手段は、前記予め定められた範囲について前記第1の検知手段が検知する値が、前記平均値に近づくように前記制御値を修正するための手段を含む、請求項3に記載のモータの制御装置。
  5. 前記制御値は、前記電圧値および電流値のいずれかを特定する値である、請求項4に記載のモータの制御装置。
  6. 前記予め定められた範囲は、前記回転子1回転分の機械角を前記モータの巻線に発生する誘起電圧によって特定する範囲である、請求項2に記載のモータの制御装置。
  7. 前記誘起電圧によって特定する範囲の数は、前記モータの相数と極数との積に等しい数である、請求項6に記載のモータの制御装置。
  8. 前記第1の検知手段は、予め定められた周期ごとに前記電圧値および電流値のいずれかを検知するための手段を含み、
    前記修正手段は、前記予め定められた周期のK周期目(Kは自然数)に検知された前記電圧値および電流値のいずれかに基づいて、(K+1)周期目に、前記制御値を修正するための手段を含む、請求項2に記載のモータの制御装置。
  9. 前記制御値は、前記制御手段が前記電圧および電流のいずれかを制御することにより発生する脈動の位相と、前記モータの負荷トルクにより発生する脈動の位相とが逆の位相になるように定められる値である、請求項1から8のいずれかに記載のモータの制御装置。
  10. 前記制御値は、前記制御手段により発生する脈動の位相と、前記負荷トルクにより発生する脈動の位相とのずれが予め定められた範囲になるように定められる値である、請求項1から8のいずれかに記載のモータの制御装置。
  11. 前記モータの制御装置は、
    前記制御手段が前記電圧および電流のいずれかを制御することにより発生する脈動の位相と、前記負荷トルクにより発生する脈動の位相とのずれが、予め定められた範囲に含まれるように定められる複数の制御値を設定するための手段と、予め定められた条件に応じて、前記複数の制御値のいずれかの値を選択するための選択手段とをさらに含み、
    前記記憶手段は、前記複数の制御値を記憶するための手段を含む、請求項1から10のいずれかに記載のモータの制御装置。
  12. 前記制御装置は、前記第2の検知手段により検知された前記回転子の機械角に基づいて、前記回転子の角速度を算出するための算出手段をさらに含み、
    前記予め定められた条件は、前記回転子の角速度に基づいて定められる条件である、請求項11に記載のモータの制御装置。
  13. 前記回転子の角速度に基づいて定められる条件は、前記角速度の脈動が予め定められた範囲に含まれるか否かという条件である、請求項12に記載のモータの制御装置。
  14. 前記電力供給手段は、インバータであって、
    前記制御手段は、前記インバータに供給される直流電力の電圧および電流のいずれかを制御するための手段を含む、請求項1から13のいずれかに記載のモータの制御装置。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載のモータの制御装置を含む、空気調和機。
  16. 請求項1から14のいずれかに記載のモータの制御装置を含む、冷蔵庫。
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