JP2004214764A - 3次元映像システム - Google Patents

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英明 高田
Shiro Suyama
史朗 陶山
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Abstract

【課題】3次元映像データをネットワークを介して伝送する場合に、伝送するデータ量を少なくすることが可能な3次元映像システムを提供する。
【解決手段】3次元映像データ、音声データ、文字データを蓄積するサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続され、3次元映像データ、音声データ、文字データを通信表示できる3次元映像端末装置とから構成される3次元映像システムであって、前記ネットワークを介して伝送される3次元映像データとして、2次元のテクスチャ画像情報と、前記テクスチャ画像情報の各画素毎に付加される奥行き情報を使用する。前述3次元映像端末装置は、入力手段を有し、前記サーバは、前記入力手段から入力されたデータに基づき、任意視点方向からの3次元映像データを生成し、前記3次元映像端末装置に送信する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元映像システムに係わり、特に、3次元映像データを伝送する際に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、立体視の生理的要因間での矛盾を抑制でき、かつ簡便に、眼鏡を用いないで3次元立体像が表示可能な、DFD(Depth Fused 3D)方式の3次元表示装置を提案している(例えば、特許文献1、2参照)。
前述した提案済みの3次元表示装置は、複数の表示面に2D化像を表示し、この複数の表示面に表示される2D化像の、輝度あるいは透過度を各表示面毎に変化させて3次元立体像を表示するものである。
なお、このDFD方式の3次元表示装置の表示原理については後述する。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献データとしては以下のものがある。
【特許文献1】
特許第3022558号公報
【特許文献2】
特願2000−124036号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、従来の一般的なクライアント・サーバシステムの概略構成を示すブロック図である。
同図において、10はクライアント、11は処理手段、12は表示手段、13は入力手段、20はサーバ、30はネットワークである。
図2に示すような3次元映像システムにおいて、クライアント10の表示手段12が、前述した3次元表示装置(例えば、前面の表示面と後面の表示面を有する3次元表示装置)を備えているとすると、サーバ20は、前面の表示面に表示する2次元映像情報と、後面の表示面に表示する2次元映像情報とを伝送する必要があり、サーバ20とクライアント10との間のネットワーク30として、高速で大容量なネットワークが必要になる。
このように、前述の各特許文献に記載の3次元映像データを、ネットワークを介して、サーバ20から、クライアント10に転送する場合、例えば、インターネットのWeb環境上で3次元立体像によるグラフィックス環境を構築する場合に、サーバ20とクライアント10との間で高速大容量なネットワークが必要になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、3次元映像データをネットワークを介して伝送する場合に、伝送するデータ量を少なくすることが可能な3次元映像システムを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、3次元映像データ、音声データ、文字データを蓄積するサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続され、3次元映像データ、音声データ、文字データを通信表示できる3次元映像端末装置とから構成される3次元映像システムであって、前記3次元映像データとして、2次元のテクスチャ画像情報と、前記テクスチャ画像情報の各画素毎に付加される奥行き情報を使用することを特徴とする。
また、本発明では、前記3次元映像端末装置が、入力手段を有し、前記サーバが、前記入力手段から入力されたデータに基づき、任意視点方向からの3次元映像データを生成し、前記3次元映像端末装置に送信する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理]
図5は、本発明の基本となる3次元表示装置の概略構成を示す図であり、前述の特許文献1に図1として図示されている3次元表示装置である。
同図に示す3次元表示装置は、観察者100の前面に複数の表示面、例えば、表示面(101,102)(表示面101が表示面102より観察者100に近い)を設定し、これらの表示面(101,102)に複数の2次元像を表示するために、2次元表示装置と種々の光学素子を用いて光学系103を構築する。
以下、図5ないし図10を用いて、本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理について説明する。
図6に示すように、観察者100に提示したい3次元物体104を、観察者100の両眼の視線方向から、前述の表示面(101,102)へ射影した像(以下、「2D化像」と呼ぶ)(105,106)を生成する。
【0008】
この2D化像の生成方法としては、例えば、視線方向から物体104をカメラで撮影した2次元像を用いる方法、あるいは別の方向から撮影した複数枚の2次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフィックによる合成技術やモデル化を用いる方法など種々の方法がある。
そして、図5に示すように、前記2D化像(105,106)を、各々表示面101と表示面102の双方に、観察者100の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から見て重なるように表示する。
これは、例えば、2D化像(105,106)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大・縮小を制御することで可能となる。
本発明の基本となる3次元表示装置の重要な要点は、前記構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元物体104の奥行き位置に対応して変えることである。
【0009】
その変え方の一例を以下に述べる。なお、ここでは、白黒図面であるため、分かりやすいように、以下の図面では輝度の高い方を濃く示してある。
例えば、3次元物体104が表示面101上にある場合には、図7に示すように、この上の2D化像105の輝度を3次元物体104の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100より少し遠ざかって表示面101より表示面102側に少し寄った位置にある場合には、図8に示すように、2D化像105の輝度を少し下げ、2D化像106の輝度を少し上げる。
さらに、例えば、3次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって表示面101より表示面102側にさらに寄った位置にある場合には、図9に示すように、2D化像105の輝度をさらに下げ、2D化像106の輝度をさらに上げる。
【0010】
遂に、例えば、3次元物体104が表示面102上にある場合には、図10に示すように、この上の2D化像106の輝度を3次元物体104の輝度に等しくし、表示面101上の2D化像105の輝度はゼロとする。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の中間に3次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、表示面(101,102)にほぼ等輝度の2D化像(105,106)を表示した場合には、表示面(101,102)の奥行き位置の中間付近に3次元物体104があるように感じられる。
前述した表示面に2次元像を表示するための2次元表示装置としては、例えば、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、FEDディスプレイ、プロジェクション型ディスプレイ、線描画型ディスプレイなどを用い、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
【0011】
[実施の形態]
本実施の形態の3次元映像システムは、図2に示すものと同じであるので図示は省略する。
但し、本実施の形態の3次元映像システムにおいて、表示手段12は、前述した3次元表示装置を備え、処理手段11は、サーバ20から伝送される3次元映像データから、前面の表示面と後面の表示面に表示する2D化像(105,106)を生成する。
また、サーバ20は、3次元映像データ、音声データ、文字データを蓄積する蓄積手段(ベータベース)を有している。
図1は、本発明の実施の形態の3次元映像システムにおいて、ネットワーク上を伝送されるデータ量を説明するための模式図である。
本実施の形態の3次元映像システムでは、サーバ20からクライアント10へ伝送する3次元映像データは、図1に示すように、2次元のテクスチャ画像情報(R、G,Bの輝度情報)と、テクスチャ画像情報の各画素毎に付加される奥行き情報(Z情報)とから構成される。
【0012】
前述したように、本発明の基本となる3次元表示装置の重要な要点は、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元物体104の奥行き位置に対応して変えることである。
したがって、サーバ20からクライアント10へ伝送する3次元映像データとして、図1に示すように、2次元のテクスチャ画像情報(R、G,Bの輝度情報)と、テクスチャ画像情報の各画素毎に付加される奥行き情報(Z情報)とを使用することにより、クライアント10において、前面の表示面に表示する2次元映像情報と、後面の表示面に表示する2次元映像情報とを生成することが可能である。
例えば、表示面(101,102)の奥行き位置の中間に3次元物体104がある場合、サーバ20は、Z情報として、表示面(101,102)の奥行き位置の中間位置のデータを、クライアント10に対して送信する。
クライアント10は、当該Z情報に基づき、送信された輝度情報を一対一に分割し、表示面(101,102)にほぼ等輝度の2D化像(105,106)を表示することにより、表示面(101,102)の奥行き位置の中間付近に3次元物体104をあるように、3次元立体像を表示することが可能となる。
【0013】
図3は、サーバ20が、前面の表示面に表示する2次元映像情報(R、G,B)と、後面の表示面に表示する2次元映像情報(R、G,B)との2つをクライアント10に伝送する場合に、ネットワーク上を伝送されるデータ量を説明するための模式図である。
ネットワーク上を伝送される2次元映像情報の各色(R、G,B)毎のビット数と、Z情報のビット数とが同一であるとすると、図3に示す場合には、前面の表示面に表示する2次元映像情報(R、G,B)のと、後面の表示面に表示する2次元映像情報(R、G,B)とを伝送する必要があるが、本実施の形態では、2次元のテクスチャ画像情報(R、G,Bの輝度情報)と、奥行き情報(Z情報)とを伝送すればよいので、図2に示す場合と比して、本実施の形態では、ネットワーク上を伝送されるデータ量を2/3に減少することが可能となる。
なお、このZ情報は、視線方向から3次元物体104をカメラで撮影する際に、カメラ位置から3次元物体104までの距離を、距離測定装置で測定し、その距離データに基づき生成することができる。
また、前述の説明では、2次元のテクスチャ画像情報(R、G,Bの輝度情報)と、奥行き情報(Z情報)とから成る3次元映像データを、サーバ20からクライアント10に対して伝送する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、クライアント10から他のクライアント10に対して3次元映像データを伝送する場合にも適用可能である。
【0014】
[実施の形態の変形例]
本実施の形態において、クライアント10の入力手段13から、サーバ20に対して、表示する3次元立体像を向きを変更するための、視点設定指示データを送信し、サーバ20が、当該視点設定指示データに基づき、任意の視点方向からの3次元映像データ(2次元のテクスチャ画像情報(R、G,Bの輝度情報)と、奥行き情報(Z情報))をリアルタイムに生成し、クライアント10に送信する。
これにより、クライアント10は、任意の視点方向からの3次元立体像を表示することが可能となる。
なお、前述の説明では、クライアント10の表示手段12が、前面の表示面と後面の表示面とを備える3次元表示装置である場合について説明したが、クライアント10の表示手段12は、複数の表示面を備える3次元表示装置であってもよい。
この場合のZ情報の一例を、図4を用いて説明する。
図4では、サーバ20が、8ビットで、0から255までのZ情報を生成してクライアント10に伝送し、クライアント10では、例えば、0から63までのZ情報により、表示面を構成する表示装置(LCD1)と表示装置(LCD2)との間で、輝度を分配し、また、64から127までのZ情報により、表示装置(LCD2)と表示装置(LCD3)との間で、輝度を分配する。
なお、図4において、15は処理部、16は表示制御部(グラフィックカード)、35はスイッチである。
【0015】
また、表示手段12を構成する各表示装置(LCD1〜5)は、透過型表示装置(例えば、液晶表示装置)である。表示装置が透過型表示装置(例えば、液晶表示装置)である場合の、3次元立体像の表示方法については、前述の特許文献2を参照されたい。
さらに、前述の説明では、例えば、3次元物体全体の奥行き位置を、前面の表示面と後面の表示面とに表示される2D化像を用いて表現する場合について主に述べたが、本実施の形態のクライアント10の表示手段12は、前述の各特許文献に記載したように、3次元物体自体が有する奥行きを表現する装置としても使用できる。
同様に、本実施の形態のクライアント10の表示手段12は、前述の各特許文献に記載したように、3次元物体自体が移動する場合にも使用できる。
2D化像が3次元的に移動する場合、利用者の左右上下方向への移動に関しては通常の2次元表示装置の場合と同様に表示面での動画再生によって可能であり、奥行き方向への移動に関しては、前述の各特許文献に記載したように、前面の表示面と、後面の表示面に表示される2D化像の輝度(あるいは、透過度)の変化を時間的に行うことで、3次元像の動画を表現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0016】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、3次元映像データをネットワークを介して伝送する場合に、伝送するデータ量を少なくすることが可能な3次元映像システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の3次元映像システムにおいて、ネットワーク上を伝送されるデータ量を説明するための模式図である。
【図2】一般的なクライアント・サーバシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】サーバが、前面の表示面に表示する2次元映像情報と、後面の表示面に表示する2次元映像情報との両方をクライアントに伝送する場合に、ネットワーク上を伝送されるデータ量を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の3次元映像システムの変形例の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の基本となる3次元表示装置の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の基本となる3次元表示装置において、各表示面に表示する2D化像の生成方法を説明するための図である。
【図7】本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図8】本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図9】本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図10】本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【符号の説明】
10…クライアント、11…処理手段、12…表示手段、13…入力手段、15…処理部、16…表示制御部、20…サーバ、30…ネットワーク、35…スイッチ、100…観察者、101,102…表示面、103…光学系、104…3次元物体、105,106…2D化像、LCD1〜5…表示装置。

Claims (2)

  1. 3次元映像データ、音声データ、文字データを蓄積するサーバと、
    前記サーバとネットワークを介して接続され、3次元映像データ、音声データ、文字データを通信表示できる3次元映像端末装置とから構成される3次元映像システムであって、
    前記ネットワークを介して伝送される3次元映像データとして、2次元のテクスチャ画像情報と、前記テクスチャ画像情報の各画素毎に付加される奥行き情報を使用することを特徴とする3次元映像システム。
  2. 前記3次元映像端末装置は、入力手段を有し、
    前記サーバは、前記入力手段から入力されたデータに基づき、任意視点方向からの3次元映像データを生成し、前記3次元映像端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の3次元映像システム。
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