JP2004214082A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、燃料電池を構成するセパレータにおいてシール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給でき、燃料電池性能の向上に貢献し得ることを目的としている。
【構成】このため、燃料電池において、単セルの積層方向に貫通し、流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、電解質膜とは接していない面側で連通し、セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されている。
【選択図】 図1
【構成】このため、燃料電池において、単セルの積層方向に貫通し、流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、電解質膜とは接していない面側で連通し、セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は燃料電池に係り、特に燃料電池を構成するセパレータにおいてシール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給でき、燃料電池性能の向上に貢献し得る燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池、例えば固体高分子電解質膜型燃料電池は、水素を主成分とする燃料ガスと酸素を含有する酸化剤ガスを用いて電気化学反応により発電するものである。前記電気化学反応の結果、排出される物質は水のみであり、クリーンな発電装置として注目されている。
【0003】
そして、前記燃料電池は、電解質である高分子イオン交換膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極との2つの電極とからなる電極ユニットと、この電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成されている。
【0004】
また、前記燃料電池において、電極のアノード電極側に供給された燃料ガスは、触媒に接することにより水素イオン化され、適度に加湿された電解質膜を介してカソード電極側へと移動し、カソード電極には酸化剤ガスが供給されているため、このカソード電極において、水素イオンと酸素とが反応して水が生成され、一方、その間に生じた電子が、外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用されるものである。このとき、上記の反応は、発熱反応である。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−123850号公報 (第2−5頁、図1−4)
【特許文献2】
特開2002−83614号公報 (第2−3頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−100380号公報 (第4−5頁、図3−4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の燃料電池において、セパレータは、ガスを貫通方向に貫くようにマニホルドが形成されるとともに、電極面を繋ぐ流体通路部分がガスシール部を跨ぐため、リッド等の別部品を使用することや、薄いセパレータに横穴をあける等の精度の高い加工が必要であった。
【0007】
先ず、第1例について説明すると、図12(a)及び(b)に示す如く、セパレータ218−1にマニホルド222a−1を形成するとともに、このマニホルド222a−1から電極面に直接溝状の流体通路214−1を刻み、蓋等をしないで、流体通路214−1の上にOリングからなるガスシール部232−1を形成するものである。
【0008】
しかし、第1例のものにおいては、ガスシール部232−1が、噛み込みによる破断やせん断応力による破断・変形(図12(b)の点P参照)が生ずる恐れがあるとともに、流体通路216−1側から押さえ付ける圧力がないため、電極面にガスが混入するおそれがある(図12(b)の点Q参照)という不都合がある。
【0009】
また、第2例としては、図13〜図15に示す如く、マニホルド322a−1を形成したセパレータ318−1においてマニホルド322a−1の外側からセパレータ318−1に横穴321−1を形成し、マニホルド322a−1よりも外側の横穴部分を芋ねじ等の閉塞具323−1によって閉塞するものがある。
【0010】
そして、前記横穴321−1を流体通路314−1の一部として機能させるとともに、この横穴321−1に連絡する位置合わせ用縦穴325−1を形成し、セパレータ318−1の電極面に形成される流体通路(「チャンネル」ともいう)314−1に前記マニホルド322a−1を連通させている。
【0011】
このとき、前記セパレータを薄く作る必要があるが、丸穴加工を施すために、セパレータにある程度の厚みが要求されるとともに、セパレータに横穴を形成する際に、セパレータ面に沿って長い距離を精度良くあける必要があり、高い加工精度が要求され、加工コストが大となるという不都合がある。
【0012】
更に、第3例としては、図16〜図20に示す如く、セルを構成するセパレータ418−1、420−1にマニホルド422a−1を形成するとともに、このマニホルド422a−1から電極面に直接溝状の流体通路414−1、416−1を刻み、刻んだ流体通路414−1、416−1の上部にリッド415−1を夫々設け、このリッド415−1部分にガスシール部432−1を形成する。
【0013】
つまり、セパレータ418−1に流体通路416−1を形成するとともに、セパレータ420−1に流体通路414−1を形成するものである。
【0014】
このとき、熱膨張係数を考慮すると、セパレータとリッドとは同じ材質を使用することがよいが、リッドの材質としてはいろいろなものが利用されている。
【0015】
しかし、図18に示す如く、リッド415−1の高さがセパレータ418−1と異なると、ガスシール部432−1への面圧が変化し、シール性が低下するとともに、セパレータ418−1とリッド415−1との間に隙間が生じていると、ガスシール部432−1を噛み込むおそれがあり、しかも接着剤を使用した場合には、図19に示す如く、隙間部分で盛り上がったり、流体通路416−1側に入り込み、流体通路416−1を閉塞するとともに、接着剤自体が電極の汚染原因となるという不都合がある。
【0016】
また、リッドを使用することにより、部品点数が増加することとなり、製作コストが大となるとともに、組付工数が増加するという不都合もある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、電解質膜と、電解質膜の一面側に配置されたアノード電極と、電解質膜の他面側に配置されたカソード電極とからなる電極ユニットと、この電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成された燃料電池において、前記単セルの積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ前記電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、前記電解質膜とは接していない面側で連通し、前記セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、セパレータに第1、第2のマニホルドを形成するとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成し、シール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給し、燃料電池性能の向上に貢献している。
【0019】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0020】
図1〜図9はこの発明の第1実施例を示すものである。図1において、2は燃料電池である。この燃料電池2は、複数の単セルを積層して形成される。例えば2個、つまり下段に位置する第1セル4−1と上段に位置する第2セル4−2とを積層して前記燃料電池2を形成する。
【0021】
そして、単セルは、第1及び第2セル4−1、4−2とも同一形状を有することにより、下段に位置する第1セル4−1のみについて説明し、上段に位置する第2セル4−2の説明は省略する。
【0022】
第1セル4−1は、図1及び図3に示す如く、電解質膜6−1の一面側(図3において下面側)に配置されたアノード電極8−1と、電解質膜6−1の他面側(図3において上面側)に配置されたカソード電極10−1とからなる電極ユニット12−1と、この電極ユニット12−1のアノード電極8−1側に形成された燃料ガス、例えば水素を供給するための水素側流体通路14−1と、前記電極ユニット12−1のカソード電極10−1側に形成された酸化剤ガス、例えば空気を供給するための空気側流体通路16−1と、前記アノード電極8−1の下側を包囲する水素用セパレータ18−1と、前記カソード電極10−1の上側を包囲する空気用セパレータ20−1とから構成される。
【0023】
このとき、単セルである、例えば第1セル4−1の積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルド22−1を設ける。この第1のマニホルド22−1は、燃料ガス、例えば水素が流通する第1の水素用マニホルド22a−1と、酸化剤ガス、例えば空気が流通する第1の空気用マニホルド22b−1と、冷却媒体、例えば冷却水が流通する第1の冷却水用マニホルド(図示せず)とからなる。
【0024】
また、前記単セルたる第1セル4−1のセパレータにおいて、第1のマニホルド22−1より内側の各電極側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルド24−1を形成し、第1のマニホルド22−1と第2のマニホルド24−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない面側で連通し、前記セパレータの電解質膜6−1と接する面側には、流体通路26−1の一部を構成する水素側流体通路14−1と空気側流体通路16−1とが溝状に形成され、第2のマニホルド24−1に接続されるとともに、流体通路26−1の別の部分を構成する燃料ガス通路28−1と、酸化剤ガス通路30−1とが、電極ユニット12−1を挟んで対称(点対称)となるように形成されている。
【0025】
詳述すれば、前記水素用セパレータ18−1においては、第1の水素用マニホルド22a−1より内側の電極、つまり前記アノード電極8−1側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する上面18x−1側から接しない下面18y−1側まで貫通した第2の水素用マニホルド24a−1を形成し、第1の水素用マニホルド22a−1と第2の水素用マニホルド24a−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない下面18y−1側で連通し、前記水素用セパレータ18−1の電解質膜6−1と接する上面18x−1側には、流体通路26−1の一部を構成する水素側流体通路14−1が溝状に形成され、第2の水素用マニホルド24a−1に接続される。
【0026】
また、前記空気用セパレータ20−1においては、第1の空気用マニホルド22b−1より内側の電極、つまり前記カソード電極10−1側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する下面20y−1側から接しない上面20x−1側まで貫通した第2の空気用マニホルド24b−1を形成し、第1の空気用マニホルド22b−1と第2の空気用マニホルド24b−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない上面20x−1側で連通し、前記空気用セパレータ20−1の電解質膜6−1と接する下面20y−1側には、流体通路26−1の一部を構成する空気側流体通路16−1が溝状に形成され、第2の空気用マニホルド24b−1に接続される。
【0027】
そして、流体通路26−1の別の部分を構成する燃料ガス通路28−1と酸化剤ガス通路30−1とは、前記電極ユニット12−1を挟んで対称(点対称)となるように形成されている。
【0028】
更に、前記単セルたる第1セル4−1において、電解質膜6−1と夫々接する水素用セパレータ18−1の上面18x−1側と空気用セパレータ20−1の下面20y−1側との間には、図1及び図4に示す如く、前記電極ユニット12−1を囲繞すべく、Oリング等からなるガスシール部32−1を設ける。つまり、ガスシール部32−1は、前記流体通路26−1の一部を構成する燃料ガス通路28−1と酸化剤ガス通路30−1との形成位置とは逆の位置側に設けられることとなる。
【0029】
次に作用を説明する。
【0030】
前記燃料電池2の第1の水素用マニホルド22a−1に供給された水素は、図1に示す如く、上段に位置する第2セル4−2側から下段に位置する第1セル4−1側に流れ、この第1セル4−1内に到達すると、燃料ガス通路28−1を介して第2の水素用マニホルド24a−1に流れ、水素側流体通路14−1に到達する。
【0031】
また、前記燃料電池2の第1の空気用マニホルド22b−1に供給された空気は、下段に位置する第1セル4−1側から上段に位置する第2セル4−2側に流れる。そして、第1セル4−1内に供給された空気は、酸化剤ガス通路30−1を介して第2の空気用マニホルド24b−1に流れ、空気側流体通路16−1に到達する。
【0032】
なお、第2セル4−2の場合にも、第1セル4−1と同様の流れが生ずることにより、説明は省略する。
【0033】
そして、前記電極ユニット12−1の電解質膜6−1を挟んで水素側流体通路14−1に供給された水素と空気側流体通路16−1に供給された空気とは対向流となり、電気化学反応により発電が行われる。このとき、電気化学反応の結果排出される物質は水のみであるとともに、その間に生じた電子が、外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
【0034】
これにより、シール性を低下させることなく、スムーズに流体である水素と空気とを電極ユニット12−1へ供給することが可能となり、燃料電池性能の向上に貢献でき、実用上有利である。
【0035】
図5〜図8はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0036】
一般に、セルは、効率良く発電を行うために、電極ユニット12−1のアノード電極8−1及びカソード電極10−1(「ガス拡散層電極」または「GDL()Gas Diffusion Layer」とも換言できる)に適正、かつ一様な面圧を与える必要がある。そして、前記セルには、図示しないボルト・ナット等の固定部材によってトルクが与えられる。
【0037】
このため、従来の方策においては、図5に示す如く、例えば空気用セパレータ46Aの外周部位に等間隔に複数個の固定部材用孔44Aを形成した際に、これらの固定部材用孔44Aの間、例えば図5において左右の固定部材用孔44Aの間にマニホルド50Aを設け、各マニホルド50Aを連絡する平行な流体通路52Aを形成し、前記固定部材用孔44Aに流体通路52Aを形成しない構成としていた。従って、空気用セパレータ46Aの中央部位には、図5の破線部分で示す如く、流体通路52Aとして使用できない大なる領域が生じていた。
【0038】
この第2実施例の特徴とするところは、上述不具合を解消するために、前記単セルを積層し固定するための固定部材用孔44をセパレータに複数個形成し、少なくとも2つの固定部材用孔44が、第1のマニホルドを貫通するように設けた点にある。
【0039】
このとき、空気用及び水素用の各セパレータ46、48において、夫々対策を講じた。
【0040】
すなわち、空気用セパレータ46の場合には、図6に示す如く、空気用セパレータ46の上下部位に等間隔に複数個の固定部材用孔44を形成し、両端に位置する固定部材用孔44間、つまり前記空気用セパレータ46の左右部位に縦方向に延びる第1の空気用マニホルド50を夫々設け、左右位置する第1の空気用マニホルド50を複数本の流体通路52によって連絡して設ける。
【0041】
そして、第1の空気用マニホルド50は、空気供給用として機能する第1の空気供給用マニホルド50−1と、空気排出用として機能する第1の空気排出用マニホルド50−2とからなる。
【0042】
このとき、前記空気用セパレータ46の場合には、図6に破線で示す如く、第1の空気供給用及び空気排出用マニホルド50−1、50−2を夫々貫通する固定部材用孔44−1、44−2を設けるものである。
【0043】
また、前記水素用セパレータ48の場合には、前記空気用セパレータ46に比較して圧損が小さいため、図7に示す如く、水素用セパレータ48の外周部位に等間隔に複数個の固定部材用孔52を形成するとともに、これらの固定部材用孔52の間にマニホルド54を設けている。
【0044】
そして、図7における水素用セパレータ48の上下部位に設けたマニホルド54を2本の溝状ディストリビュータ56によって連絡し、これらのディストリビュータ56間に複数の流体通路58を設け、前記空気用セパレータ46側の流体通路52と前記水素用セパレータ48側の流体通路58との溝形状を合致させるように配慮した。
【0045】
なお、この第2実施例の構成に、上述した第1実施例の第2のマニホルド構造を採用した構成とすることも可能である。
【0046】
すなわち、図8(a)及び(b)に示す如く、前記水素用セパレータ48に第1のマニホルド60及び第2のマニホルド62を形成した際に、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とは、ガスシール部64によるシール部分を迂回した後に空気側と対向流とするために、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とを連絡する一次ディストリビュータ66と、第2のマニホルド62と流体通路68とを連絡する二次ディストリビュータ70とが設けられる。
【0047】
さすれば、前記空気用及び水素用の各セパレータ46、48の中央部位に生じていた流体通路として使用できない大なる領域を解消し、中央部位に梁として機能する省なる領域が存在するのみとなり、流体通路として使用できる有効面積を拡張し得るものである。
【0048】
また、前記ガスシール部64によるシール部分を迂回した後に空気側と対向流とするために、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とを連絡する一次ディストリビュータ66と、第2のマニホルド62と流体通路68とを連絡する二次ディストリビュータ70とを設けたことにより、水素・空気の完全対向流を実現することができ、燃料電池性能の向上に寄与し得る。
【0049】
更に、上述した水素用セパレータにおける流体通路においては、完全対向流でない場合でも良く、あるいはターペンタインと呼ばれる蛇行溝を使用した場合でも、発電を行うことができる。
【0050】
図9はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0051】
この第3実施例の特徴とするところは、ガス迂回部分をシールする部分と冷却部分とを隔てるシール部72を設けた点にある。
【0052】
すなわち、シングルポーラープレートと膜電極複合体(「電解質膜−電極接合体」または「MEA(Membrane Electrode Assembly)」とも換言できる)のアセンブリ構成による場合、図9に示す如く、セパレータ74に、第1のマニホルド76と、この第1のマニホルド76に一次ディストリビュータ78を介して連絡する第2のマニホルド80と、この第2のマニホルド80の内側、つまり前記セパレータ74の中央部位に位置する電極ユニット82と、冷却水通路84とが形成される。
【0053】
そして、前記シール部72は、第1及び第2のマニホルド76、80及び電極ユニット82、つまりガス迂回部分を囲繞してシールするガスシール部72−1と、冷却水通路84を囲繞してシールする冷却水シール部72−2とからなる。
【0054】
なお、セルとしてバイポーラープレートを使用すると、両側に膜電極複合体があるため、1セルのみの交換ができないと不都合がある。このため、この第3実施例においては、セルとして、通常使用されるバイポーラープレートを使用せず、モノポーラープレートと膜電極複合体とで1つのユニットを構成している。
【0055】
さすれば、前記シール部72によってガス迂回部分をシールする部分と冷却部分とを隔てることができ、各部分のシールを効率良く実施し得て、実用上有利である。
【0056】
また、万一、前記セルに不良が出た場合には、1ユニットにてセル交換を行うことができるものである。
【0057】
図10はこの発明の第4実施例を示すものである。
【0058】
上述第2実施例においては、前記単セルを積層し固定するための固定部材用孔44をセパレータに複数個形成し、少なくとも2つの固定部材用孔44が、第1のマニホルドを貫通するように設ける構成としたが、この第4実施例の特徴とするところは、空気用マニホルド92をボルト94が貫通する際に、空気に対するシールを施した点にある。
【0059】
すなわち、図10に示す如く、バインドプレート96は、燃料電池を構成するセル98に一様、あるいは非一様な面圧を与えるための部品であり、通常は、固定部材によって両側を締め付けるために、セル98と絶縁されている。また、バインドプレート96は、ガスや冷却水を入出力するインターフェース(図示せず)を持つ場合が多い。
【0060】
そして、前記セル98にバインドプレート96を固定する際に、ボルト94とこのボルト94に係合する袋ナット100を使用する。
【0061】
このとき、図10に示す如く、バインドプレート96の上面に凹部102を形成し、前記セル98の上面にバインドプレート96を積層し、前記凹部102内にシール部材104を介在させつつ、空気用マニホルド92を貫通するボルト94にバインドプレート96の上面側から袋ナット100を係合させ、袋ナット100のボルト側端面部位をシール部材104に接触させてシールを行うものである。
【0062】
さすれば、前記空気用マニホルド92を貫通するボルト94の外周部位において、袋ナット100の取付部位の空気に対するシールを確実に行うことができる。
【0063】
最後に、参考までに、上述の各実施例において使用されている用語の説明を追記する。
【0064】
(1)燃料電池
燃料(通常は水素、一部ではメタノール等の研究も進められている)と空気極(酸素が反応種のため、以前は酸素を使用していた)をイオン交換膜とその両側に構成した触媒層を使って、水の生成反応で起こる分子間の電子の移動を、外部に取り出し電池としたもの。通常、生成物は、水のみ(生成水)であるが、また燃料電池を駆動させるために必要な水(加湿水)を外部から、あるいは内部でリサイクルがある。これはイオン交換膜が乾燥状態では、絶縁膜となることと、水素イオンが水素極から空気極に移動する時、クラスタとなって移動するために、水素極に面する膜の水分がドラッグ(電気浸透)されるからである。そして、水素電池は、水素ガスは、水素極の触媒上で水素イオンと電子に分解される。電子はGDLからセパレータ、外部端子と順次通って、外部に流れ出る。水素イオンは、膜を移動して、酸素との間に1V程度の電位をつくる。水素イオンは、空気局の触媒に拘束され、衝突してきた水素分子と反応する。この際、外部から入ってきた電子を受け取って、水を生成する。
(2)セル
燃料極(水素極)、空気極と電解質(ここではMEA)とが一組となって構成される電池の基本構成単位。セパレータの一部やチャンネル部分を含むと解釈することも可能。
(3)MEA(membrane electrode assembly)
プロトン交換膜の両側に電極触媒を得した物に、GDL(ガス拡散層)を合わせたもの。GDLを含まないCCM(catalyst coated membrane)をMEAと呼ぶこともある。
(4)GDL(gas diffusion layer)
ガスを透過でき、通電も可能にする多孔体で、膜との間に三層界面を構成するのに用いられる。燃料電池は、反応物質である水素イオン(プロトン)を運ぶ水(液体)とプロトンと反応する酸素(気体)を触媒(固体)上で反応させるネットワークを構成する必要があり、GDLはこの重要な役割を果たしている。
(5)電極触媒
代表的な例はカーボンブラック粒子に白金あるいはその合金を担持させ、膜あるいはGDLに塗布して用いる。バインダは、膜のモノマーやその誘導体、ベス物質であることが多い。水素極の白金触媒上で、水素ガスが電子と水素イオンに交換され、水素イオンは膜内を、水をドラッグしながら(電気浸透)空気極に移動する。空気極の触媒に到達した水素イオンは、触媒上で固定され、空気中の酸素分子が到達するのを待つ。水素イオンとの反応時に酸素は電子を放出して、FCは電池として働く。
(6)セパレータ
通常、電池の世界では、正・陰極の通過イオンを通過するのに用いる多孔質膜を指すが、FCの場合、ガスを分離するのが、その名称の由来である。インターコネクタとも呼ばれる。材質は、カーボンやステンレス等の金属が用いられる。
(7)バイポーラープレート
セパレータは積層枚数を減ずるためと、接触抵抗を減らすために、プレートの両側に電極面を作り、積層していく。
(8)モノポーラープレート
水素極、空気極夫々の単体の機能した持たないプレート。
(9)イオン交換膜
水素イオン(プロトン)を選択的に透過する膜を用いるのでプロトン交換膜と呼ぶことも多い。。水素イオンがプラスイオンなので、カチオン交換膜とも呼ばれる。
【0065】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0066】
例えば、この発明の実施例においては、セパレータに第1のマニホルドと第2のマニホルドとを形成するとともに、第1及び第2のマニホルドを連通する流体通路を形成する構成としたが、第2のマニホルドを排除する特別構成とすることも可能である。
【0067】
すなわち、図11に示す如く、セパレータ112に第1のマニホルドであるマニホルド114を形成し、このマニホルド114と電極ユニット116の燃料ガス通路あるいは酸化剤ガス通路のいずれか一方のガス通路118に連絡する流体通路120を斜めに形成するものである。
【0068】
さすれば、マニホルドの数を減少させることができ、形成するための作業工程を減少させることができ、作業性を向上し得るとともに、コストの低減に寄与し得る。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、電解質膜と、電解質膜の一面側に配置されたアノード電極と、電解質膜の他面側に配置されたカソード電極とからなる電極ユニットと、電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成された燃料電池において、単セルの積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、電解質膜とは接していない面側で連通し、セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されていることにより、シール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給することが可能となり、燃料電池性能の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す燃料電池の概略説明図である。
【図2】第1及び第2の水素用マニホルドを示す概略斜視図である。
【図3】第1セルの概略説明図である。
【図4】水素用セパレータの平面図である。
【図5】この発明の第2実施例に関する従来例を示す空気用セパレータの平面図である。
【図6】この発明の第2実施例を示す空気用セパレータの平面図である。
【図7】水素用セパレータの平面図である。
【図8】第2実施例の改良案を示し、(a)は一次及び二次マニホルドの概略平面図、(b)はセパレータの概略説明図である。
【図9】この発明の第3実施例のセパレータのシール状態を示す概略平面図である。
【図10】この発明の第4実施例を示すボルト・袋ナットの固定部位の概略拡大説明図である。
【図11】この発明の他の第1の実施例を示すセパレータの概略拡大図である。
【図12】この発明の第1の従来技術を示し、(a)はマニホルドの概略斜視図、(b)は流体通路とガスシール部との概略拡大図である。
【図13】この発明の第2の従来技術を示すマニホルドの概略斜視図である。
【図14】セパレータの概略説明図である。
【図15】セパレータに形成されるマニホルドや流体通路の概略説明用斜視図である。
【図16】この発明の第3の従来技術を示すセパレータの概略説明図である。
【図17】セパレータの平面図である。
【図18】流体通路とリッドとの概略拡大図である。
【図19】接着剤を使用した際の流体通路とリッドとの概略拡大図である。
【図20】セルの概略説明図である。
【符号の説明】
2 燃料電池
4−1 第1セル
4−2 第2セル
6−1 電解質膜
8−1 アノード電極
10−1 カソード電極
12−1 電極ユニット
14−1 水素側流体通路
16−1 空気側流体通路
18−1 水素用セパレータ
20−1 空気用セパレータ
22−1 第1のマニホルド
22a−1 第1の水素用マニホルド
22b−1 第1の空気用マニホルド
24−1 第2のマニホルド
26−1 流体通路
28−1 燃料ガス通路
30−1 酸化剤ガス通路
32−1 ガスシール部
【発明の属する技術分野】
この発明は燃料電池に係り、特に燃料電池を構成するセパレータにおいてシール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給でき、燃料電池性能の向上に貢献し得る燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池、例えば固体高分子電解質膜型燃料電池は、水素を主成分とする燃料ガスと酸素を含有する酸化剤ガスを用いて電気化学反応により発電するものである。前記電気化学反応の結果、排出される物質は水のみであり、クリーンな発電装置として注目されている。
【0003】
そして、前記燃料電池は、電解質である高分子イオン交換膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極との2つの電極とからなる電極ユニットと、この電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成されている。
【0004】
また、前記燃料電池において、電極のアノード電極側に供給された燃料ガスは、触媒に接することにより水素イオン化され、適度に加湿された電解質膜を介してカソード電極側へと移動し、カソード電極には酸化剤ガスが供給されているため、このカソード電極において、水素イオンと酸素とが反応して水が生成され、一方、その間に生じた電子が、外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用されるものである。このとき、上記の反応は、発熱反応である。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−123850号公報 (第2−5頁、図1−4)
【特許文献2】
特開2002−83614号公報 (第2−3頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−100380号公報 (第4−5頁、図3−4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の燃料電池において、セパレータは、ガスを貫通方向に貫くようにマニホルドが形成されるとともに、電極面を繋ぐ流体通路部分がガスシール部を跨ぐため、リッド等の別部品を使用することや、薄いセパレータに横穴をあける等の精度の高い加工が必要であった。
【0007】
先ず、第1例について説明すると、図12(a)及び(b)に示す如く、セパレータ218−1にマニホルド222a−1を形成するとともに、このマニホルド222a−1から電極面に直接溝状の流体通路214−1を刻み、蓋等をしないで、流体通路214−1の上にOリングからなるガスシール部232−1を形成するものである。
【0008】
しかし、第1例のものにおいては、ガスシール部232−1が、噛み込みによる破断やせん断応力による破断・変形(図12(b)の点P参照)が生ずる恐れがあるとともに、流体通路216−1側から押さえ付ける圧力がないため、電極面にガスが混入するおそれがある(図12(b)の点Q参照)という不都合がある。
【0009】
また、第2例としては、図13〜図15に示す如く、マニホルド322a−1を形成したセパレータ318−1においてマニホルド322a−1の外側からセパレータ318−1に横穴321−1を形成し、マニホルド322a−1よりも外側の横穴部分を芋ねじ等の閉塞具323−1によって閉塞するものがある。
【0010】
そして、前記横穴321−1を流体通路314−1の一部として機能させるとともに、この横穴321−1に連絡する位置合わせ用縦穴325−1を形成し、セパレータ318−1の電極面に形成される流体通路(「チャンネル」ともいう)314−1に前記マニホルド322a−1を連通させている。
【0011】
このとき、前記セパレータを薄く作る必要があるが、丸穴加工を施すために、セパレータにある程度の厚みが要求されるとともに、セパレータに横穴を形成する際に、セパレータ面に沿って長い距離を精度良くあける必要があり、高い加工精度が要求され、加工コストが大となるという不都合がある。
【0012】
更に、第3例としては、図16〜図20に示す如く、セルを構成するセパレータ418−1、420−1にマニホルド422a−1を形成するとともに、このマニホルド422a−1から電極面に直接溝状の流体通路414−1、416−1を刻み、刻んだ流体通路414−1、416−1の上部にリッド415−1を夫々設け、このリッド415−1部分にガスシール部432−1を形成する。
【0013】
つまり、セパレータ418−1に流体通路416−1を形成するとともに、セパレータ420−1に流体通路414−1を形成するものである。
【0014】
このとき、熱膨張係数を考慮すると、セパレータとリッドとは同じ材質を使用することがよいが、リッドの材質としてはいろいろなものが利用されている。
【0015】
しかし、図18に示す如く、リッド415−1の高さがセパレータ418−1と異なると、ガスシール部432−1への面圧が変化し、シール性が低下するとともに、セパレータ418−1とリッド415−1との間に隙間が生じていると、ガスシール部432−1を噛み込むおそれがあり、しかも接着剤を使用した場合には、図19に示す如く、隙間部分で盛り上がったり、流体通路416−1側に入り込み、流体通路416−1を閉塞するとともに、接着剤自体が電極の汚染原因となるという不都合がある。
【0016】
また、リッドを使用することにより、部品点数が増加することとなり、製作コストが大となるとともに、組付工数が増加するという不都合もある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、電解質膜と、電解質膜の一面側に配置されたアノード電極と、電解質膜の他面側に配置されたカソード電極とからなる電極ユニットと、この電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成された燃料電池において、前記単セルの積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ前記電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、前記電解質膜とは接していない面側で連通し、前記セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、セパレータに第1、第2のマニホルドを形成するとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成し、シール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給し、燃料電池性能の向上に貢献している。
【0019】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0020】
図1〜図9はこの発明の第1実施例を示すものである。図1において、2は燃料電池である。この燃料電池2は、複数の単セルを積層して形成される。例えば2個、つまり下段に位置する第1セル4−1と上段に位置する第2セル4−2とを積層して前記燃料電池2を形成する。
【0021】
そして、単セルは、第1及び第2セル4−1、4−2とも同一形状を有することにより、下段に位置する第1セル4−1のみについて説明し、上段に位置する第2セル4−2の説明は省略する。
【0022】
第1セル4−1は、図1及び図3に示す如く、電解質膜6−1の一面側(図3において下面側)に配置されたアノード電極8−1と、電解質膜6−1の他面側(図3において上面側)に配置されたカソード電極10−1とからなる電極ユニット12−1と、この電極ユニット12−1のアノード電極8−1側に形成された燃料ガス、例えば水素を供給するための水素側流体通路14−1と、前記電極ユニット12−1のカソード電極10−1側に形成された酸化剤ガス、例えば空気を供給するための空気側流体通路16−1と、前記アノード電極8−1の下側を包囲する水素用セパレータ18−1と、前記カソード電極10−1の上側を包囲する空気用セパレータ20−1とから構成される。
【0023】
このとき、単セルである、例えば第1セル4−1の積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルド22−1を設ける。この第1のマニホルド22−1は、燃料ガス、例えば水素が流通する第1の水素用マニホルド22a−1と、酸化剤ガス、例えば空気が流通する第1の空気用マニホルド22b−1と、冷却媒体、例えば冷却水が流通する第1の冷却水用マニホルド(図示せず)とからなる。
【0024】
また、前記単セルたる第1セル4−1のセパレータにおいて、第1のマニホルド22−1より内側の各電極側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルド24−1を形成し、第1のマニホルド22−1と第2のマニホルド24−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない面側で連通し、前記セパレータの電解質膜6−1と接する面側には、流体通路26−1の一部を構成する水素側流体通路14−1と空気側流体通路16−1とが溝状に形成され、第2のマニホルド24−1に接続されるとともに、流体通路26−1の別の部分を構成する燃料ガス通路28−1と、酸化剤ガス通路30−1とが、電極ユニット12−1を挟んで対称(点対称)となるように形成されている。
【0025】
詳述すれば、前記水素用セパレータ18−1においては、第1の水素用マニホルド22a−1より内側の電極、つまり前記アノード電極8−1側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する上面18x−1側から接しない下面18y−1側まで貫通した第2の水素用マニホルド24a−1を形成し、第1の水素用マニホルド22a−1と第2の水素用マニホルド24a−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない下面18y−1側で連通し、前記水素用セパレータ18−1の電解質膜6−1と接する上面18x−1側には、流体通路26−1の一部を構成する水素側流体通路14−1が溝状に形成され、第2の水素用マニホルド24a−1に接続される。
【0026】
また、前記空気用セパレータ20−1においては、第1の空気用マニホルド22b−1より内側の電極、つまり前記カソード電極10−1側に設けられ、かつ前記電解質膜6−1と接する下面20y−1側から接しない上面20x−1側まで貫通した第2の空気用マニホルド24b−1を形成し、第1の空気用マニホルド22b−1と第2の空気用マニホルド24b−1とは、前記電解質膜6−1とは接していない上面20x−1側で連通し、前記空気用セパレータ20−1の電解質膜6−1と接する下面20y−1側には、流体通路26−1の一部を構成する空気側流体通路16−1が溝状に形成され、第2の空気用マニホルド24b−1に接続される。
【0027】
そして、流体通路26−1の別の部分を構成する燃料ガス通路28−1と酸化剤ガス通路30−1とは、前記電極ユニット12−1を挟んで対称(点対称)となるように形成されている。
【0028】
更に、前記単セルたる第1セル4−1において、電解質膜6−1と夫々接する水素用セパレータ18−1の上面18x−1側と空気用セパレータ20−1の下面20y−1側との間には、図1及び図4に示す如く、前記電極ユニット12−1を囲繞すべく、Oリング等からなるガスシール部32−1を設ける。つまり、ガスシール部32−1は、前記流体通路26−1の一部を構成する燃料ガス通路28−1と酸化剤ガス通路30−1との形成位置とは逆の位置側に設けられることとなる。
【0029】
次に作用を説明する。
【0030】
前記燃料電池2の第1の水素用マニホルド22a−1に供給された水素は、図1に示す如く、上段に位置する第2セル4−2側から下段に位置する第1セル4−1側に流れ、この第1セル4−1内に到達すると、燃料ガス通路28−1を介して第2の水素用マニホルド24a−1に流れ、水素側流体通路14−1に到達する。
【0031】
また、前記燃料電池2の第1の空気用マニホルド22b−1に供給された空気は、下段に位置する第1セル4−1側から上段に位置する第2セル4−2側に流れる。そして、第1セル4−1内に供給された空気は、酸化剤ガス通路30−1を介して第2の空気用マニホルド24b−1に流れ、空気側流体通路16−1に到達する。
【0032】
なお、第2セル4−2の場合にも、第1セル4−1と同様の流れが生ずることにより、説明は省略する。
【0033】
そして、前記電極ユニット12−1の電解質膜6−1を挟んで水素側流体通路14−1に供給された水素と空気側流体通路16−1に供給された空気とは対向流となり、電気化学反応により発電が行われる。このとき、電気化学反応の結果排出される物質は水のみであるとともに、その間に生じた電子が、外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
【0034】
これにより、シール性を低下させることなく、スムーズに流体である水素と空気とを電極ユニット12−1へ供給することが可能となり、燃料電池性能の向上に貢献でき、実用上有利である。
【0035】
図5〜図8はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0036】
一般に、セルは、効率良く発電を行うために、電極ユニット12−1のアノード電極8−1及びカソード電極10−1(「ガス拡散層電極」または「GDL()Gas Diffusion Layer」とも換言できる)に適正、かつ一様な面圧を与える必要がある。そして、前記セルには、図示しないボルト・ナット等の固定部材によってトルクが与えられる。
【0037】
このため、従来の方策においては、図5に示す如く、例えば空気用セパレータ46Aの外周部位に等間隔に複数個の固定部材用孔44Aを形成した際に、これらの固定部材用孔44Aの間、例えば図5において左右の固定部材用孔44Aの間にマニホルド50Aを設け、各マニホルド50Aを連絡する平行な流体通路52Aを形成し、前記固定部材用孔44Aに流体通路52Aを形成しない構成としていた。従って、空気用セパレータ46Aの中央部位には、図5の破線部分で示す如く、流体通路52Aとして使用できない大なる領域が生じていた。
【0038】
この第2実施例の特徴とするところは、上述不具合を解消するために、前記単セルを積層し固定するための固定部材用孔44をセパレータに複数個形成し、少なくとも2つの固定部材用孔44が、第1のマニホルドを貫通するように設けた点にある。
【0039】
このとき、空気用及び水素用の各セパレータ46、48において、夫々対策を講じた。
【0040】
すなわち、空気用セパレータ46の場合には、図6に示す如く、空気用セパレータ46の上下部位に等間隔に複数個の固定部材用孔44を形成し、両端に位置する固定部材用孔44間、つまり前記空気用セパレータ46の左右部位に縦方向に延びる第1の空気用マニホルド50を夫々設け、左右位置する第1の空気用マニホルド50を複数本の流体通路52によって連絡して設ける。
【0041】
そして、第1の空気用マニホルド50は、空気供給用として機能する第1の空気供給用マニホルド50−1と、空気排出用として機能する第1の空気排出用マニホルド50−2とからなる。
【0042】
このとき、前記空気用セパレータ46の場合には、図6に破線で示す如く、第1の空気供給用及び空気排出用マニホルド50−1、50−2を夫々貫通する固定部材用孔44−1、44−2を設けるものである。
【0043】
また、前記水素用セパレータ48の場合には、前記空気用セパレータ46に比較して圧損が小さいため、図7に示す如く、水素用セパレータ48の外周部位に等間隔に複数個の固定部材用孔52を形成するとともに、これらの固定部材用孔52の間にマニホルド54を設けている。
【0044】
そして、図7における水素用セパレータ48の上下部位に設けたマニホルド54を2本の溝状ディストリビュータ56によって連絡し、これらのディストリビュータ56間に複数の流体通路58を設け、前記空気用セパレータ46側の流体通路52と前記水素用セパレータ48側の流体通路58との溝形状を合致させるように配慮した。
【0045】
なお、この第2実施例の構成に、上述した第1実施例の第2のマニホルド構造を採用した構成とすることも可能である。
【0046】
すなわち、図8(a)及び(b)に示す如く、前記水素用セパレータ48に第1のマニホルド60及び第2のマニホルド62を形成した際に、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とは、ガスシール部64によるシール部分を迂回した後に空気側と対向流とするために、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とを連絡する一次ディストリビュータ66と、第2のマニホルド62と流体通路68とを連絡する二次ディストリビュータ70とが設けられる。
【0047】
さすれば、前記空気用及び水素用の各セパレータ46、48の中央部位に生じていた流体通路として使用できない大なる領域を解消し、中央部位に梁として機能する省なる領域が存在するのみとなり、流体通路として使用できる有効面積を拡張し得るものである。
【0048】
また、前記ガスシール部64によるシール部分を迂回した後に空気側と対向流とするために、第1のマニホルド60と第2のマニホルド62とを連絡する一次ディストリビュータ66と、第2のマニホルド62と流体通路68とを連絡する二次ディストリビュータ70とを設けたことにより、水素・空気の完全対向流を実現することができ、燃料電池性能の向上に寄与し得る。
【0049】
更に、上述した水素用セパレータにおける流体通路においては、完全対向流でない場合でも良く、あるいはターペンタインと呼ばれる蛇行溝を使用した場合でも、発電を行うことができる。
【0050】
図9はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0051】
この第3実施例の特徴とするところは、ガス迂回部分をシールする部分と冷却部分とを隔てるシール部72を設けた点にある。
【0052】
すなわち、シングルポーラープレートと膜電極複合体(「電解質膜−電極接合体」または「MEA(Membrane Electrode Assembly)」とも換言できる)のアセンブリ構成による場合、図9に示す如く、セパレータ74に、第1のマニホルド76と、この第1のマニホルド76に一次ディストリビュータ78を介して連絡する第2のマニホルド80と、この第2のマニホルド80の内側、つまり前記セパレータ74の中央部位に位置する電極ユニット82と、冷却水通路84とが形成される。
【0053】
そして、前記シール部72は、第1及び第2のマニホルド76、80及び電極ユニット82、つまりガス迂回部分を囲繞してシールするガスシール部72−1と、冷却水通路84を囲繞してシールする冷却水シール部72−2とからなる。
【0054】
なお、セルとしてバイポーラープレートを使用すると、両側に膜電極複合体があるため、1セルのみの交換ができないと不都合がある。このため、この第3実施例においては、セルとして、通常使用されるバイポーラープレートを使用せず、モノポーラープレートと膜電極複合体とで1つのユニットを構成している。
【0055】
さすれば、前記シール部72によってガス迂回部分をシールする部分と冷却部分とを隔てることができ、各部分のシールを効率良く実施し得て、実用上有利である。
【0056】
また、万一、前記セルに不良が出た場合には、1ユニットにてセル交換を行うことができるものである。
【0057】
図10はこの発明の第4実施例を示すものである。
【0058】
上述第2実施例においては、前記単セルを積層し固定するための固定部材用孔44をセパレータに複数個形成し、少なくとも2つの固定部材用孔44が、第1のマニホルドを貫通するように設ける構成としたが、この第4実施例の特徴とするところは、空気用マニホルド92をボルト94が貫通する際に、空気に対するシールを施した点にある。
【0059】
すなわち、図10に示す如く、バインドプレート96は、燃料電池を構成するセル98に一様、あるいは非一様な面圧を与えるための部品であり、通常は、固定部材によって両側を締め付けるために、セル98と絶縁されている。また、バインドプレート96は、ガスや冷却水を入出力するインターフェース(図示せず)を持つ場合が多い。
【0060】
そして、前記セル98にバインドプレート96を固定する際に、ボルト94とこのボルト94に係合する袋ナット100を使用する。
【0061】
このとき、図10に示す如く、バインドプレート96の上面に凹部102を形成し、前記セル98の上面にバインドプレート96を積層し、前記凹部102内にシール部材104を介在させつつ、空気用マニホルド92を貫通するボルト94にバインドプレート96の上面側から袋ナット100を係合させ、袋ナット100のボルト側端面部位をシール部材104に接触させてシールを行うものである。
【0062】
さすれば、前記空気用マニホルド92を貫通するボルト94の外周部位において、袋ナット100の取付部位の空気に対するシールを確実に行うことができる。
【0063】
最後に、参考までに、上述の各実施例において使用されている用語の説明を追記する。
【0064】
(1)燃料電池
燃料(通常は水素、一部ではメタノール等の研究も進められている)と空気極(酸素が反応種のため、以前は酸素を使用していた)をイオン交換膜とその両側に構成した触媒層を使って、水の生成反応で起こる分子間の電子の移動を、外部に取り出し電池としたもの。通常、生成物は、水のみ(生成水)であるが、また燃料電池を駆動させるために必要な水(加湿水)を外部から、あるいは内部でリサイクルがある。これはイオン交換膜が乾燥状態では、絶縁膜となることと、水素イオンが水素極から空気極に移動する時、クラスタとなって移動するために、水素極に面する膜の水分がドラッグ(電気浸透)されるからである。そして、水素電池は、水素ガスは、水素極の触媒上で水素イオンと電子に分解される。電子はGDLからセパレータ、外部端子と順次通って、外部に流れ出る。水素イオンは、膜を移動して、酸素との間に1V程度の電位をつくる。水素イオンは、空気局の触媒に拘束され、衝突してきた水素分子と反応する。この際、外部から入ってきた電子を受け取って、水を生成する。
(2)セル
燃料極(水素極)、空気極と電解質(ここではMEA)とが一組となって構成される電池の基本構成単位。セパレータの一部やチャンネル部分を含むと解釈することも可能。
(3)MEA(membrane electrode assembly)
プロトン交換膜の両側に電極触媒を得した物に、GDL(ガス拡散層)を合わせたもの。GDLを含まないCCM(catalyst coated membrane)をMEAと呼ぶこともある。
(4)GDL(gas diffusion layer)
ガスを透過でき、通電も可能にする多孔体で、膜との間に三層界面を構成するのに用いられる。燃料電池は、反応物質である水素イオン(プロトン)を運ぶ水(液体)とプロトンと反応する酸素(気体)を触媒(固体)上で反応させるネットワークを構成する必要があり、GDLはこの重要な役割を果たしている。
(5)電極触媒
代表的な例はカーボンブラック粒子に白金あるいはその合金を担持させ、膜あるいはGDLに塗布して用いる。バインダは、膜のモノマーやその誘導体、ベス物質であることが多い。水素極の白金触媒上で、水素ガスが電子と水素イオンに交換され、水素イオンは膜内を、水をドラッグしながら(電気浸透)空気極に移動する。空気極の触媒に到達した水素イオンは、触媒上で固定され、空気中の酸素分子が到達するのを待つ。水素イオンとの反応時に酸素は電子を放出して、FCは電池として働く。
(6)セパレータ
通常、電池の世界では、正・陰極の通過イオンを通過するのに用いる多孔質膜を指すが、FCの場合、ガスを分離するのが、その名称の由来である。インターコネクタとも呼ばれる。材質は、カーボンやステンレス等の金属が用いられる。
(7)バイポーラープレート
セパレータは積層枚数を減ずるためと、接触抵抗を減らすために、プレートの両側に電極面を作り、積層していく。
(8)モノポーラープレート
水素極、空気極夫々の単体の機能した持たないプレート。
(9)イオン交換膜
水素イオン(プロトン)を選択的に透過する膜を用いるのでプロトン交換膜と呼ぶことも多い。。水素イオンがプラスイオンなので、カチオン交換膜とも呼ばれる。
【0065】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0066】
例えば、この発明の実施例においては、セパレータに第1のマニホルドと第2のマニホルドとを形成するとともに、第1及び第2のマニホルドを連通する流体通路を形成する構成としたが、第2のマニホルドを排除する特別構成とすることも可能である。
【0067】
すなわち、図11に示す如く、セパレータ112に第1のマニホルドであるマニホルド114を形成し、このマニホルド114と電極ユニット116の燃料ガス通路あるいは酸化剤ガス通路のいずれか一方のガス通路118に連絡する流体通路120を斜めに形成するものである。
【0068】
さすれば、マニホルドの数を減少させることができ、形成するための作業工程を減少させることができ、作業性を向上し得るとともに、コストの低減に寄与し得る。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、電解質膜と、電解質膜の一面側に配置されたアノード電極と、電解質膜の他面側に配置されたカソード電極とからなる電極ユニットと、電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成された燃料電池において、単セルの積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、電解質膜とは接していない面側で連通し、セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されていることにより、シール性を低下させることなく、スムーズに流体を電極ユニットへ供給することが可能となり、燃料電池性能の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す燃料電池の概略説明図である。
【図2】第1及び第2の水素用マニホルドを示す概略斜視図である。
【図3】第1セルの概略説明図である。
【図4】水素用セパレータの平面図である。
【図5】この発明の第2実施例に関する従来例を示す空気用セパレータの平面図である。
【図6】この発明の第2実施例を示す空気用セパレータの平面図である。
【図7】水素用セパレータの平面図である。
【図8】第2実施例の改良案を示し、(a)は一次及び二次マニホルドの概略平面図、(b)はセパレータの概略説明図である。
【図9】この発明の第3実施例のセパレータのシール状態を示す概略平面図である。
【図10】この発明の第4実施例を示すボルト・袋ナットの固定部位の概略拡大説明図である。
【図11】この発明の他の第1の実施例を示すセパレータの概略拡大図である。
【図12】この発明の第1の従来技術を示し、(a)はマニホルドの概略斜視図、(b)は流体通路とガスシール部との概略拡大図である。
【図13】この発明の第2の従来技術を示すマニホルドの概略斜視図である。
【図14】セパレータの概略説明図である。
【図15】セパレータに形成されるマニホルドや流体通路の概略説明用斜視図である。
【図16】この発明の第3の従来技術を示すセパレータの概略説明図である。
【図17】セパレータの平面図である。
【図18】流体通路とリッドとの概略拡大図である。
【図19】接着剤を使用した際の流体通路とリッドとの概略拡大図である。
【図20】セルの概略説明図である。
【符号の説明】
2 燃料電池
4−1 第1セル
4−2 第2セル
6−1 電解質膜
8−1 アノード電極
10−1 カソード電極
12−1 電極ユニット
14−1 水素側流体通路
16−1 空気側流体通路
18−1 水素用セパレータ
20−1 空気用セパレータ
22−1 第1のマニホルド
22a−1 第1の水素用マニホルド
22b−1 第1の空気用マニホルド
24−1 第2のマニホルド
26−1 流体通路
28−1 燃料ガス通路
30−1 酸化剤ガス通路
32−1 ガスシール部
Claims (2)
- 電解質膜と、電解質膜の一面側に配置されたアノード電極と、電解質膜の他面側に配置されたカソード電極とからなる電極ユニットと、この電極ユニットに、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するための流体通路を形成するセパレータとから構成された単セルを積層して構成された燃料電池において、前記単セルの積層方向に貫通し、燃料ガス、酸化剤ガス、または冷却媒体のいずれか一つを含む流体が流通される第1のマニホルドを設け、セパレータにおいて、第1のマニホルドより内側の各電極側に設けられ、かつ前記電解質膜と接する面側から接しない面側まで貫通した第2のマニホルドを形成し、第1のマニホルドと第2のマニホルドとは、前記電解質膜とは接していない面側で連通し、前記セパレータの電解質膜と接する面側には、流体通路が溝状に形成され、第2のマニホルドに接続されるとともに、流体通路は、燃料ガス通路と、酸化剤ガス通路とが、電極ユニットを挟んで対称となるように形成されていることを特徴とする燃料電池。
- 前記単セルを積層し固定するための固定部材用孔をセパレータに複数個形成し、少なくとも2つの固定部材用孔が、第1のマニホルドを貫通していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003001144A JP2004214082A (ja) | 2003-01-07 | 2003-01-07 | 燃料電池 |
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JP2003001144A JP2004214082A (ja) | 2003-01-07 | 2003-01-07 | 燃料電池 |
Publications (1)
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JP2004214082A true JP2004214082A (ja) | 2004-07-29 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006318822A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Electric Power Dev Co Ltd | 燃料電池用セパレータ |
JP2007250192A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Toyota Motor Corp | セパレータ、および、燃料電池 |
JP2009541923A (ja) * | 2006-06-21 | 2009-11-26 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 燃料電池バイポーラ板及び該燃料電池バイポーラ板を用いた改良された流体分布を備えた燃料電池 |
-
2003
- 2003-01-07 JP JP2003001144A patent/JP2004214082A/ja active Pending
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JP2006318822A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Electric Power Dev Co Ltd | 燃料電池用セパレータ |
JP2007250192A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Toyota Motor Corp | セパレータ、および、燃料電池 |
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