【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの製造方法に関し、より詳細には、通信ケーブルにおいて使用される光ファイバの1380nm〜1400nmにおける伝送特性の長期安定を目的に構造欠陥低減処置を施された光ファイバを得ることにある。
【0002】
【従来の技術】
光通信で使用される光ファイバは、一般に石英系の光ファイバが採用されている。このような光ファイバは、ゲルマニュウムが含有する屈折率の大きな領域を含むコアとその周りの低屈折率の領域を含む石英材からなる光ファイバ母材を一端から他端に向かって徐々に加熱・紡糸することにより製造される。
【0003】
これらの光ファイバは、波長0.8μm〜0.9μm、または1.3μm〜1.6μmの伝送領域に光伝送損失の低領域が存在し、またこれらの波長は、LEDおよびレーザダイオードによって発生することができる領域でもある。従って、これらの光領域で光通信が実施されている。
【0004】
この伝送領域でファイバを動作させることに関連する問題は、OH基の存在による吸収帯がこの波長範囲内に生じることである。
光ファイバを製造するために、ヒドロキシル含有量の少ない、極めて高純度の石英材を用いることが提案されている。今日の光ファイバのOH含有量は、通常、0.1ppm未満である。
【0005】
しかし、ヒドロキシルの含有量が極めて少ないシリカのファイバであっても、水素ガスに晒されると、波長1300nm〜1600nmの伝送領域、特に波長1380nm〜1400nmの伝送領域での減衰が増加することが判っている。水素の存在によって生じ、且つこの時間の経過と共に増加する減衰は、しばしば「水素経時変化損失」と呼ばれている。
【0006】
光ファイバ中への水素分子の拡散によっても吸収帯が生成されるが、それによる損失は永続的なものではなく、光ファイバ中に拡散した水素のガス抜きすることによって除去することができる。
しかし、一部の水素分子の拡散は不可逆反応をもたらし、永続的な伝送損失の増加をもたらす。
【0007】
水素拡散は、光ファイバが通信ケーブルとして束ねられると、クラッドを通してさえ観察される。このことは、周囲温度で0.01%水素雰囲気中に数日間晒すことによって、既に観察されている。永続する水素経時変化損失による減衰の増加は、波長1383nmにて0.02dB/km〜0.12dB/kmと評価することができる。このような微量水素の光ファイバへの接触は避けることは困難であり、やがて前記の伝送損失の増加を発生する。
【0008】
水素の源の1つは、ケーブル中に異種金属および湿気が存在することによる腐食現象によるものである。また、水素は、ある種のシリコーンによって、加熱時に生成されると考えられている。海水および空中に晒される光ファイバは、時間の経過と共に減衰が特に大きく増加する。
【0009】
このようなOH吸収帯による損失を低減するために、光ファイバを重水素で処理し、内部の欠陥を重水素で埋めて修復することが既に提案されている。(例えば特許文献1)。
【0010】
一方、近年この光ファイバを安価に製造するために、光ファイバ母材を大型に形成し、これを高速に紡糸することにより光ファイバを製造することが行われている。
しかしながら、この加熱温度や紡糸速度を適切に行わないと、得られた光ファイバは光ファイバを構成する組成が構造欠陥を生じ、この構造欠陥にOH基が結合して、波長1380nm〜1400nmの伝送領域での減衰が増加する。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−148450号公報
【0012】
従って、従来は、紡糸温度及び紡糸速度を適切に選定し、紡糸速度をある値以上に速めることを行っていなかった。このため、構造欠陥が問題になることはなかった。あるいは、問題視されたときは所定条件で重水素に晒せば構造欠陥はなくなるものされていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ファイバの紡糸は、その光ファイバを構成する組成の構造欠陥の度合いを考慮して、欠陥がなくなるように設定されていた。この光ファイバは、重水素雰囲気に晒した後、光ファイバの外径50%以下の領域を構成するガラス材を電子スピン共鳴法で測定したときGe(D)−E’の電子スピン密度が1×1012spins/gに達しないものである。こうした、欠陥が無いもしくは非常に少ない光ファイバは重水素処理によりコアに重水素が到達したかどうか確認できないという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる点に鑑み、前記紡糸時に発生する光ファイバ組成内の構造欠陥を意図的に大きな値となるように製造し、その欠陥を重水素で埋めて耐水素特性を得るとともに、その耐水素特性を施されたものかを確認できる光ファイバを提供するものである。この結果、構造欠陥の発生をファイバから確認でき、高速線引条件を設定でき、しかも、構造欠陥の修復結果を確認することができるので、製造コストを下げて且つ長期に安定した低損失の光ファイバを得ることができる。
【0015】
そのための本請求項1の発明は、コア部にゲルマニュウムを含有する石英系光ファイバ母材を線引きすることにより構成された外径125μm±3μmの光ファイバにおいて、光ファイバが重水素雰囲気に晒された後、光ファイバの外径50%以下の領域に、電子スピン共鳴法で測定されるGe(D)−E’の電子スピン密度が1×1012spins/g以上存在することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、光ファイバの重水素雰囲気の晒しは、線引工程と同工程で行なわれることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、光ファイバの重水素雰囲気の晒しは、線引工程と別工程で行なわれることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は請求項1乃至3のいずれか1により製造されたことを特徴とする光ファイバである。
【0019】
【発明の実施の形態】
コア部にゲルマニュウムを含む石英系光ファイバ母材は、従来と同様に、気相軸付法(VAD)、内付けCVD(chemical vapor deposition)法等によってコア部材が形成され、この外側にクラッド部材が外付け法等によって形成される。これらは必要により、脱水処理工程を経て脱水処理され、また焼結工程により透明ガラス化処理されて透明なガラス体に成型される。
【0020】
光ファイバ母材は、図示しない光ファイバ紡糸装置により、その一端から他端に向かって徐々に加熱されて外径125μm±3μmのファイバ状に紡糸され、光ファイバが製造される。得られた光ファイバは、直ちにその上に樹脂コーテンングが施されて機械的強化が図られ、光ファイバボビンに巻き取られる。
【0021】
この際、本発明では、1000m/分またはそれ以上の線引速度で、紡糸されて得られた光ファイバをヘリウムガスにより強制的に冷却することにより冷却速度を上げ、構造欠陥の大きな光ファイバを意図的に製造した。通常このような高速で紡糸して強制冷却すると、光ファイバは、それを構成する組成に構造欠陥が発生し、後に水素雰囲気などに晒されると、波長1380nm〜1400nmの波長において光伝送損失の増大をもたらす。構造欠陥の度合いは、光ファイバの外径50%以下の領域を構成するガラス材が、電子スピン共鳴法で測定したときの非架橋酸化欠陥種(Ge(D)−E’)の電子密度が概略1×1012spins/g以上となるレベルである。
図2は、上記非架橋酸化欠陥種(Ge(D)−E’)の模式図を示すものであり、Geの原子が酸素(O)と重水素(D)と結合していることが示されている。尚、図中において、↑部分はGeの不対電子による磁気モーメントの方向を示したものである。
【0022】
光ファイバへの重水素雰囲気の晒しは、光ファイバの紡糸時の樹脂コーティング処理前であっても良く、また光ファイバボビンに巻き取られた後で行っても良い。しかしながら、光ファイバボビンに巻き取られた後に、光ファイバボビンの状態で行うのが良い。重水素雰囲気は窒素ガス中に0.01〜100%、好ましくは0.5〜2%の重水素が含んでいるのが良い。またその雰囲気の温度は20〜40度であることが好ましい。
【0023】
電子スピン共鳴法(ESR=electron spin resonance)によるGe(D)−Eの電子密度の測定は、以下のようにして行う。上記により重水素処理された光ファイバを1週間〜3週間程度、空気中又は窒素ガス中に維持し、光ファイバ内に余分に含浸している重水素ガスのガス抜きを行なう。その後、樹脂コーティングを除去して光ファイバを裸光ファイバ状態にして、これをフッ酸水に浸す。これにより光ファイバを外径が50%以下に相当する63μm以下になるようにエッチングする。その後、残部の光ファイバをESRによって、Ge(D)−E’の電子密度を測定する。
【0024】
シリコンによるSi(D)−E’のESR測定ではなく、Ge(D)−E’のESR測定を選んだ理由は、Si(D)−E’はファイバの表面近傍にも存在し、ファイバ内部にまで重水素が拡散したことの確認にはならないためである。
【0025】
【実施例】
以下本発明を図1に図示した工程順に説明する。
始めに、▲1▼の工程で、VAD法によってコア部に二酸化ゲルマニュウム化合物が含有する所定屈折率プロファイルの石英系光ファイバ母材の多孔質体コア材を作成し、その後、これを塩素ガスにより脱水処理し、その後、加熱して多孔質体を焼結させて、直径80mm長さ500mmの透明なコア母材を得た。
【0026】
次ぎに▲2▼の工程で、コア母材の外周に外付け法によって、多孔質体のクラッド層を堆積させ、その多孔質体を脱水焼結処理することにより、外径・・長さ・・の光ファイバ母材を製造した。
【0027】
次ぎに▲3▼の工程で、得られた光ファイバ母材を線引き装置によって、その一端から他端に向かって徐々に加熱紡糸することにより、外径125μm±3μmの裸光ファイバを製造した。そのときの光ファイバの紡糸速度は1000m/分の速度であり、製造された裸光ファイバはHeガスにより冷却され、直ちに紫外線硬化樹脂によるコーティングが施されて樹脂が被覆され、光ファイバボビンに巻き取られた。
【0028】
この光ファイバボビンに巻きつけられた光ファイバの一部を取り出し、紫外線硬化樹脂を剥ぎ取って形成された裸光ファイバを、次ぎにフッ酸水に浸し、外径60μmになるまでエッチングして残った光ファイバをESR装置により測定したところ、非架橋酸化欠陥種(Ge(D)−E’)の電子密度が1.0×1012spins/gとなっていた。従って得られた光ファイバは極めて大きな構造欠陥を有するものであることが確認できた。
【0029】
次ぎに、▲4▼の工程で、光ファイバボビンに巻き取られた光ファイバは次ぎに温度20℃、重水素濃度1.5%の窒素雰囲気ガス中で、10日の間、重水素の処理が成され、次ぎに10日間重水素のガス抜きが成された。その後に、一部の光ファイバを取り出して、上記と同様に被覆除去がなされてエッチング処理がなされ、ESRによってGe(D)−E’の電子密度を測定したところ、1.2×1012spins/gの値が得られた。
【0030】
このようにして重水素処理がなされた光ファイバを水素雰囲気に10日間晒した所、晒した状態においては波長1380nm〜1400nmの領域において・・の光伝送損失の増加が見られたが、10日間の水素のガス抜きを行った後は水素雰囲気に晒す前の伝送損失に戻った。これにより、上記重水素により、線引き時に発生した構造欠陥が修復されたことを確認することができた。
【0031】
他方、重水素処理しない光ファイバを水素雰囲気に10日間晒し、その後ガス抜きを行ったものは波長1380nm〜1400nmの領域で伝送損失が・・db増加したままであり、本発明により処理された光ファイバは耐水素ガスに優れたものであることを確認することができた。
【0032】
【効果】
本発明は、上記のとおり、コア部にゲルマニュウムを含有する石英系光ファイバ母材を加熱・紡糸してなる、外径125μm±3μmの光ファイバにおいて、光ファイバを重水素雰囲気に晒した後、光ファイバの外径50%以下の領域を構成するガラス材を電子スピン共鳴法で測定したときGe(D)−E’の電子スピン密度が1×1012spins/g以上あることを特徴とする光ファイバからなる。
【0033】この光ファイバは、欠陥が無くならない様に高速に紡糸することができ、安価に光ファイバを製造することができる。更に、このようにして製造された光ファイバは、重水素の添加により光ファイバ紡糸時に発生した光ファイバの構造欠陥の修復を確実に検出することができ、長期に渡って水素の接触による損失増加を起こすことの無い光ファイバとして提供することができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を図示した処理工程図である。
【図2】本発明における重水素処理後のESR測定で検出される化学種の模式図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing an optical fiber, and more particularly, to obtain an optical fiber that has been subjected to a structural defect reduction treatment for the purpose of long-term stabilization of transmission characteristics at 1380 nm to 1400 nm of an optical fiber used in a communication cable. It is in.
[0002]
[Prior art]
As an optical fiber used in optical communication, a silica-based optical fiber is generally employed. In such an optical fiber, an optical fiber preform made of a quartz material including a region having a low refractive index and a region including a region having a low refractive index contained in germanium is gradually heated from one end to the other end. It is manufactured by spinning.
[0003]
These optical fibers have a low region of optical transmission loss in the transmission region of wavelength 0.8 μm to 0.9 μm or 1.3 μm to 1.6 μm, and these wavelengths are generated by LEDs and laser diodes. It is also an area where you can do it. Therefore, optical communication is performed in these optical regions.
[0004]
A problem associated with operating the fiber in this transmission region is that absorption bands occur in this wavelength range due to the presence of OH groups.
It has been proposed to use very high purity quartz materials with low hydroxyl content to produce optical fibers. The OH content of today's optical fibers is typically less than 0.1 ppm.
[0005]
However, it has been found that even a silica fiber having a very low hydroxyl content, when exposed to hydrogen gas, increases attenuation in a transmission region of a wavelength of 1300 nm to 1600 nm, particularly in a transmission region of a wavelength of 1380 nm to 1400 nm. I have. The decay caused by the presence of hydrogen and increasing over time is often referred to as "hydrogen aging loss".
[0006]
The absorption band is also generated by diffusion of hydrogen molecules into the optical fiber, but the loss is not permanent and can be removed by degassing the hydrogen diffused into the optical fiber.
However, the diffusion of some hydrogen molecules leads to irreversible reactions, leading to permanent transmission losses.
[0007]
Hydrogen diffusion is observed even through the cladding when the optical fiber is bundled as a communication cable. This has already been observed by exposure to a 0.01% hydrogen atmosphere at ambient temperature for several days. The increase in attenuation due to permanent hydrogen aging loss can be estimated to be 0.02 dB / km to 0.12 dB / km at a wavelength of 1383 nm. It is difficult to avoid contact of such a trace amount of hydrogen with the optical fiber, and the above-mentioned increase in transmission loss will occur.
[0008]
One source of hydrogen is due to corrosion phenomena due to the presence of dissimilar metals and moisture in the cable. It is also believed that hydrogen is produced by certain silicones upon heating. Optical fibers exposed to seawater and air have a particularly large increase in attenuation over time.
[0009]
In order to reduce the loss due to the OH absorption band, it has already been proposed to treat the optical fiber with deuterium and to repair the internal defect by filling the defect with deuterium. (For example, Patent Document 1).
[0010]
On the other hand, in recent years, in order to manufacture this optical fiber at low cost, an optical fiber preform is formed in a large size, and this is spun at a high speed to manufacture an optical fiber.
However, if the heating temperature and the spinning speed are not properly controlled, the composition of the resulting optical fiber causes structural defects, and OH groups are bonded to the structural defects, resulting in transmission of wavelengths of 1380 nm to 1400 nm. The attenuation in the area increases.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 2002-148450 A
Therefore, conventionally, the spinning temperature and the spinning speed have not been appropriately selected to increase the spinning speed to a certain value or more. For this reason, structural defects did not become a problem. Alternatively, when a problem is considered, the structural defect has been eliminated by exposure to deuterium under predetermined conditions.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
Conventional spinning of an optical fiber has been set so as to eliminate the defect in consideration of the degree of structural defects in the composition of the optical fiber. After the optical fiber was exposed to a deuterium atmosphere, the electron spin density of Ge (D) -E ′ was 1 when a glass material constituting a region having an outer diameter of 50% or less of the optical fiber was measured by an electron spin resonance method. It does not reach × 10 12 spins / g. Such an optical fiber having no or very few defects has a problem that it cannot be confirmed whether or not deuterium has reached the core by the deuterium treatment.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above, the present invention intentionally manufactures a structural defect in the optical fiber composition generated during spinning so as to have a large value, fills the defect with deuterium to obtain a hydrogen resistant property, and obtains the hydrogen resistant property. An object of the present invention is to provide an optical fiber capable of confirming whether or not it has hydrogen characteristics. As a result, the occurrence of structural defects can be confirmed from the fiber, high-speed drawing conditions can be set, and the result of repairing the structural defects can be confirmed. Fiber can be obtained.
[0015]
For this purpose, the invention of claim 1 is directed to an optical fiber having an outer diameter of 125 μm ± 3 μm formed by drawing a silica-based optical fiber preform containing germanium in a core portion, wherein the optical fiber is exposed to a deuterium atmosphere. After that, the electron spin density of Ge (D) -E ′ measured by the electron spin resonance method is 1 × 10 12 spins / g or more in a region having an outer diameter of 50% or less of the optical fiber. .
[0016]
A second aspect of the present invention is characterized in that, in the first aspect of the present invention, the exposure of the optical fiber to the deuterium atmosphere is performed in the same step as the drawing step.
[0017]
A third aspect of the present invention is characterized in that, in the first aspect of the present invention, the exposure of the optical fiber to the deuterium atmosphere is performed in a step different from the drawing step.
[0018]
A third aspect of the present invention is an optical fiber manufactured according to any one of the first to third aspects.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A quartz optical fiber preform containing germanium in the core is formed by forming a core member by a vapor deposition method (VAD), an internal CVD (chemical vapor deposition) method, or the like, and a cladding member outside the quartz optical fiber preform. Is formed by an external method or the like. If necessary, these are subjected to a dehydration treatment through a dehydration treatment step, and are subjected to a transparent vitrification treatment in a sintering step to be molded into a transparent glass body.
[0020]
The optical fiber preform is gradually heated from one end to the other end by an optical fiber spinning device (not shown) and spun into a fiber having an outer diameter of 125 μm ± 3 μm to produce an optical fiber. The obtained optical fiber is immediately subjected to resin coating thereon to achieve mechanical reinforcement, and is wound around an optical fiber bobbin.
[0021]
At this time, in the present invention, the cooling rate is increased by forcibly cooling the optical fiber obtained by spinning with a helium gas at a drawing speed of 1000 m / min or more, so that an optical fiber having a large structural defect is removed. Manufactured intentionally. Usually, when the fiber is spun at such a high speed and forcibly cooled, the optical fiber has a structural defect in its composition, and when exposed to a hydrogen atmosphere or the like, increases the optical transmission loss at a wavelength of 1380 nm to 1400 nm. Bring. The degree of the structural defect is such that the glass material constituting the region having an outer diameter of 50% or less of the optical fiber has an electron density of the non-crosslinked oxidized defect species (Ge (D) -E ′) measured by the electron spin resonance method. The level is about 1 × 10 12 spins / g or more.
FIG. 2 is a schematic view of the non-crosslinked oxidation-defective species (Ge (D) -E ′), and shows that Ge atoms are bonded to oxygen (O) and deuterium (D). Have been. In the drawing, the portion ↑ indicates the direction of the magnetic moment due to Ge unpaired electrons.
[0022]
The exposure of the optical fiber to the deuterium atmosphere may be performed before the resin coating treatment at the time of spinning the optical fiber, or after the optical fiber is wound around the optical fiber bobbin. However, it is preferable to perform the operation in the state of the optical fiber bobbin after being wound on the optical fiber bobbin. The deuterium atmosphere may contain 0.01 to 100%, preferably 0.5 to 2% of deuterium in nitrogen gas. The temperature of the atmosphere is preferably 20 to 40 degrees.
[0023]
The measurement of the electron density of Ge (D) -E by electron spin resonance (ESR) is performed as follows. The deuterium-treated optical fiber is maintained in air or nitrogen gas for about one to three weeks, and the deuterium gas that is excessively impregnated in the optical fiber is degassed. After that, the resin coating is removed to turn the optical fiber into a bare optical fiber state, which is immersed in hydrofluoric acid water. Thus, the optical fiber is etched so that the outer diameter becomes 63 μm or less, which corresponds to 50% or less. Thereafter, the electron density of Ge (D) -E 'is measured for the remaining optical fiber by ESR.
[0024]
The reason why the ESR measurement of Ge (D) -E 'was selected instead of the ESR measurement of Si (D) -E' using silicon is that Si (D) -E 'also exists near the surface of the fiber, This is because it cannot be confirmed that the deuterium has diffused to.
[0025]
【Example】
The present invention will be described below in the order of the steps shown in FIG.
First, in step (1), a porous core material of a quartz-based optical fiber preform having a predetermined refractive index profile containing a germanium dioxide compound in a core portion is prepared by a VAD method, and then this is made of chlorine gas. The porous body was heated and sintered to obtain a transparent core base material having a diameter of 80 mm and a length of 500 mm.
[0026]
Next, in step (2), a porous clad layer is deposited on the outer periphery of the core base material by an external method, and the porous body is subjected to dehydration sintering to obtain an outer diameter, a length,・ An optical fiber preform was manufactured.
[0027]
Next, in the step (3), the obtained optical fiber preform was gradually heated and spun from one end to the other end thereof by a drawing apparatus to produce a bare optical fiber having an outer diameter of 125 μm ± 3 μm. The spinning speed of the optical fiber at that time was 1000 m / min, the manufactured bare optical fiber was cooled by He gas, immediately coated with ultraviolet curable resin, coated with resin, and wound around an optical fiber bobbin. was taken.
[0028]
A part of the optical fiber wound around the optical fiber bobbin is taken out, and the bare optical fiber formed by stripping off the ultraviolet curing resin is then immersed in hydrofluoric acid water and etched until the outer diameter becomes 60 μm. When the measured optical fiber was measured by an ESR apparatus, the electron density of the non-crosslinked oxidation-defective species (Ge (D) -E ′) was 1.0 × 10 12 spins / g. Therefore, it was confirmed that the obtained optical fiber had an extremely large structural defect.
[0029]
Next, in step (4), the optical fiber wound on the optical fiber bobbin is treated with deuterium for 10 days in a nitrogen atmosphere gas at a temperature of 20 ° C. and a deuterium concentration of 1.5%. , Followed by degassing of deuterium for 10 days. Thereafter, remove the portion of the optical fiber, similarly to the above coating-removing is by etching processing is performed made, was subject to electron density of Ge (D) -E 'by ESR, 1.2 × 10 12 spins A value of / g was obtained.
[0030]
When the optical fiber thus treated with deuterium was exposed to a hydrogen atmosphere for 10 days, an increase in optical transmission loss was observed in a wavelength range of 1380 nm to 1400 nm in the exposed state. After the degassing of hydrogen, the transmission loss returned to that before exposure to the hydrogen atmosphere. As a result, it was confirmed that the deuterium repaired a structural defect generated at the time of drawing.
[0031]
On the other hand, the optical fiber which was not treated with deuterium was exposed to a hydrogen atmosphere for 10 days, and then degassed. The transmission loss in the wavelength range of 1380 nm to 1400 nm remained increased. It was confirmed that the fiber was excellent in hydrogen resistant gas.
[0032]
【effect】
The present invention, as described above, after heating and spinning a silica-based optical fiber preform containing germanium in the core portion, in an optical fiber having an outer diameter of 125 μm ± 3 μm, after exposing the optical fiber to a deuterium atmosphere, The electron spin density of Ge (D) -E 'is 1 × 10 12 spins / g or more when a glass material constituting a region having an outer diameter of 50% or less of the optical fiber is measured by an electron spin resonance method. It consists of an optical fiber.
This optical fiber can be spun at a high speed so that the defect does not disappear, and the optical fiber can be manufactured at low cost. Furthermore, in the optical fiber manufactured in this way, the repair of the structural defect of the optical fiber generated during the spinning of the optical fiber due to the addition of deuterium can be reliably detected, and the loss due to hydrogen contact increases for a long time. It has an excellent effect that it can be provided as an optical fiber that does not cause a problem.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process diagram illustrating an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram of chemical species detected by ESR measurement after deuterium treatment in the present invention.