JP2004212331A - 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム - Google Patents

船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2004212331A
JP2004212331A JP2003002171A JP2003002171A JP2004212331A JP 2004212331 A JP2004212331 A JP 2004212331A JP 2003002171 A JP2003002171 A JP 2003002171A JP 2003002171 A JP2003002171 A JP 2003002171A JP 2004212331 A JP2004212331 A JP 2004212331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
ship
background noise
acoustic
sonar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003002171A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Honda
巌 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2003002171A priority Critical patent/JP2004212331A/ja
Publication of JP2004212331A publication Critical patent/JP2004212331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】ソーナを使用する船舶において、ソーナの性能を劣化させる背景雑音(船舶の自己発生雑音による背景雑音)の発生源を特定し得る、船舶の音響雑音監視システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】海洋調査船100内のソーナ101の近傍に音圧センサー111を設け、エンジン部200に、振動、騒音、音圧などを計測する各種センサーを設ける。また、プロペラ102の直上に音圧センサー112を設ける。そして、ソーナ101の近傍の音圧センサー111の信号をソーナ101における背景雑音とし、各センサーから得られる信号との相互関連を分析する。そして、ソーナ101の背景雑音が増大し、性能劣化が生じた場合に、ソーナ101の背景雑音への寄与度大きい雑音発生機器を特定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーナ(Sonar)などの海洋観測用音響機器を使用する船舶に使用される、船舶の音響雑音監視システムであり、特に、海洋観測用音響機器の性能を劣化させる音響雑音の発生源を特定し得ると共に、海洋観測用音響機器の性能低下の早期検知や、雑音発生源の早期の特定を可能にする、船舶の音響雑音監視システム、及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、海洋調査船や海洋観測船による海底の地形の探査や、海洋資源の探索が盛んに行われている。この海洋探査に使用される主要な機器として、ソーナなどの海洋観測用音響機器がある。
この海洋観測用音響機器の機能を有効に活用するには、船舶から海中に放射される雑音を低減する必要があるが、船舶から海中に放射される雑音としては、以下のものがある。
・船体付属物による流体発生雑音
・プロペラキャビテーション
・スラスタキャビテーション
・エンジン、減速装置、ポンプ類の振動・騒音に起因した雑音
【0003】
また、これらの雑音に対する対策として、以下の対策が採用されている。
・エンジンなどの機器類の防振支持(防振ゴムなど)
・キャビテーショシフリープロベラ
【0004】
しかしながら、船舶を運用するにつれて、「防振ゴムのへたり(経年変化)」や「プロペラ表面の汚れや海洋生物の付着」等により、ソーナの本来の性能が発揮できなくなる。これらは、ソーナの背景雑音の増大として観測されるが、従来は、その原因を特定することが困難であった。
【0005】
なお、このような「海洋観測用音響機器」に関連する先行技術として、音響信号を使用して、雑音や様々な信号が重畳された状況下において、陸上を走行する特定自動車や水上又は水中を走行する特定航走体等の運動目標を自動検出する「自動検出方式」の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−177066号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、音響機器に背景雑音が重畳された状況で、如何にしてその影響を受けることなく、走行する運動目標を検出するかの発明であり、ソーナの背景雑音(船舶の自己発生雑音による背景雑音)の発生源を特定することができない。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、海洋観測用音響機器(ソーナなど)を使用する船舶において、海洋観測用音響機器の性能を劣化させる背景雑音の発生源を特定し得ると共に、海洋観測用音響機器の性能低下の早期検知や、雑音発生源の早期の特定を可能にする、船舶の音響雑音監視システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、ソーナを含む海洋観測用音響機器が設備された船舶に使用される音響雑音監視システムであって、船内の所定の機器及び所定の位置に配備されたセンサー信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を計測するためのセンサー信号受信手段と、前記海洋観測用音響機器の背景雑音と、前記センサー信号との相互関連を求めるための相互関連分析手段と、前記海洋観測用音響機器の背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、前記相互関連分析手段による分析結果を基に、前記背景雑音に対する各機器の寄与度を判定し、前記背景雑音への寄与度の高い機器を特定するための雑音発生機器特定手段とを具備することを特徴とする。
これにより、海洋観測用音響機器(ソーナなど)が背景雑音(船舶の自己発生雑音)により性能が劣化した場合に、対策を施すべき対象機器を明確に特定できる。
【0010】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、前記相互関連分析手段による分析結果をデータベースに登録すると共に、前記分析結果を、海洋観測用音響機器の背景雑音の情報と共に、履歴情報として表示するための履歴情報表示手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音や、機器発生雑音の時間的な変動の履歴を確認でき、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の性能低下の早期検知や、雑音発生源の早期の特定が可能となる。
【0011】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、エンジンの回転数、燃料噴射時期、筒内圧、負荷、プロペラ回転数、プロペラピッチ角のいずれか又は全部を計測するための運転状態計測手段と、前記運転状態の計測結果と、海洋観測用音響機器の背景雑音との相互関連を分析するための相互関連分析手段と、前記相互関連分析手段の分析結果を基に、最も背景雑音を低減できる最適運転要領を提示するための最適運転要領提示手段とをさらに具備することを特徴とする。
これにより、その時点での最も海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音を低減できる運転を行うことが可能になる。
【0012】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、前記相互関連分析手段として、多変量解析又は相互相関処理を使用することを特徴とする。
これにより、相互関連分析を行うために、既存のソフトウェアや分析機器を利用することができる。
【0013】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、前記雑音発生機器特定手段により特定された機器の交換指示情報を生成するための保守情報生成手段と、前記保守情報を、船舶の運用者又は陸上の保守設備を有する事業者等のサーバに通知するための保守情報通知手段とをさらに具備することを特徴とする。
これにより、船舶の運用者や陸上の保守設備を有する事業者等は、事前に保守工事に必要な体制を準備することが可能となる。
【0014】
また、本発明のコンピュータプログラムは、ソーナを含む海洋観測用音響機器が設備された船舶に使用される音響雑音監視システム内のコンピュータに、船内の所定の機器及び所定の位置に配備されたセンサー信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を計測するためのセンサー信号受信手順と、前記海洋観測用音響機器の背景雑音と、前記センサー信号との相互関連を求めるための相互関連分析手順と、前記海洋観測用音響機器の背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、前記相互関連分析手順による分析結果を基に、前記背景雑音に対する各機器の寄与度を判定し、前記背景雑音への寄与度の高い機器を特定するための雑音発生機器特定手順とを実行させるためのプログラムである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。なお、本明細書ではソーナなどの海洋観測用音響機器を、単に「ソーナ」ともいう。
【0016】
[本発明の概念説明]
最初に、本発明の「船舶の音響雑音監視システム」の基本的な概念について説明する。
(1)本発明では、海洋調査船などの船内で、例えば、以下の項目について測定(モニタリング)を行う。
・エンジン、減速装置、ポンプ類の振動や騒音
・プロペラ直上の変動圧(音圧)
・ソーナの近傍の音圧(ソーナの信号で代用可能)
そして、上記各測定値の相互関連を、多変量解析や相互相関処理により分析し、自己雑音(船舶自身の機器から生じるソーナでの背景雑音)が増大した場合に、雑音発生源の特定を行う。
【0017】
例えば、図3は、相関処理による機械雑音の抽出結果を示す図であり、図3に示すデータ中の上側の比較的平滑な線aは、ソーナ近傍に設けた音圧センサーで受信した水中雑音の周波数スペクトルであり、下側の変化の激しい線bは、エンジン振動との相関処理で得られた機械雑音の周波数スペクトルを示している。図3において、12KHzよりやや上の部分(矢印で示す部分)で、水中雑音と機械雑音のレベルが一致する部分があり、この周波数成分の発生源が、雑音源がエンジン振動などであることが分かる。また、他の周波数領域の部分はエンジン以外の機器から生じた雑音であることも分かる。
【0018】
(2)さらに、また、例えば、以下の項目についても測定(モニタリング)を行う。
・エンジン、減速装置類の支持台に設けられた防振ゴムの上下の振動
・エンジン、減速装置本体の振動
・エンジン筒内圧(シリンダー内圧、燃焼状態の異常の検出)
・軸受部振動
そして、上記各測定値の相互関連を、多変量解析や相互相関処理によって分析し、以下に示すような、振動・騒音増大の原因の特定も可能となる。
・防振ゴムの劣化
・エンジンの燃焼状態の変化
・減速装置内の歯面状況の変化
・軸受異常
【0019】
(3)また、機器の運転要領(エンジンの回転数、燃料噴射時期、エンジン筒内圧、負荷、プロペラピッチ角等)を合わせて計測し、各機器の振動・騒音と、ソーナの背景雑音との相互関連を求め、その時点での最もソーナの背景雑音を低減できる運転要領を選択することも可能となる。
【0020】
(4)またさらに、これらの観測データを、本船から衛星等を経由し、陸上の設備(海洋調査船の運用者、建造・保守ヤード等)に配信することによって、事前に保守工事に必要な体制を準備することが可能となる。
【0021】
(5)また、これらのデータを長期観測蓄積し、各種信号(機器振動、騒音、変動圧等)とソーナの背景雑音との相関の履歴を監視することによって、異常の早期発見が可能となる。
【0022】
[具体的な例の説明]
次に、具体的な例を示して説明する。
【0023】
図1は、本発明の船舶の音響雑音監視システムについて説明するための図であり、ソーナが設備された海洋調査船に本発明を適用した例である。 図1に示す海洋調査船100には、ソーナ101が設備され、また、エンジン部200は、エンジン201、発電機202、ポンプ203、減速機204などから構成される。また、エンジン部200の支持台には、上下の防振ゴム205、206が使用され、エンジン部200の振動が船底に伝わるのを低減している。また、プロペラ102には低ノイズプロペラが使用される。
【0024】
また、海洋調査船の船体内には、以下のセンサーが設備される。
(1)ソーナ近傍の音圧センサー111
音圧センサー111は、ソーナ101の近傍に設けられた音圧センサーであり、ソーナ101の近辺の背景雑音レベルを測定するためのものである。なお、音圧センサー111の信号は、ソーナ101自身の信号で代用することもできる。
(2)プロペラ直上の音圧センサー112
音圧センサー112は、プロペラ102の直上の音圧レベルを測定するセンサーであり、プロペラ表面の汚れや、カキなどの海洋生物の付着等による音圧レベルの上昇を検出する。
(3)加速度センサー211
加速度センサー211は、エンジン201の振動を直接検出するためのセンサーである。
(4)加速度センサー212
加速度センサー212は、減速機204の振動を検出するためのセンサーである。
(5)筒内圧力センサー213
筒内圧力センサー213は、エンジン201のエンジン筒内圧を検出するためのセンサーである。
(6)騒音センサー214
騒音センサー214は、エンジン部200の全体の騒音を計測するセンサーである。
(7)加速度センサー215
加速度センサー215は、上側の防振ゴム205に設けられた加速度センサーである。
(8)加速度センサー216
加速度センサー216は、下側の防振ゴム206に設けられた加速度センサーである。
(9)回転計217は、プロペラの回転数を計測する計測器である。
【0025】
なお、以上に示したセンサー類は一例であり、上述したセンサーを適宜選択して使用してもよいし、さらに他のセンサーを追加することもできる。要は、海洋調査船100の大きさ、構造、使用するエンジンの種類などに応じて、センサーを適宜選択使用する。
【0026】
また、図2は、本発明による船舶の音響雑音監視システムのシステム構成例を示す図であり、本発明に直接関係するものを示したものである。図2において、301は船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ、302は船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ全体を統括制御する制御部、303は海洋調査船の運用者や陸上の保守設備を有する事業者等のサーバ400と通信衛星回線などを介して交信するための通信部、310は処理プログラム部、330はデータベース(DB)を示している。制御部302は、以下の処理プログラム部310に含まれる各処理部に従って、センサー信号受信手段、第1および第2の相互関連分析手段、雑音発生機器特定手段、履歴情報表示手段、運転状態計測手段、最適運転要領提示手段、保守情報生成手段、保守情報通知手段として機能し、船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ301を制御する。
【0027】
また、処理プログラム部310には、以下の処理部が含まれる。
センサー情報受信処理部311は、船舶内の所定の機器及び所定の位置に配置されたセンサー類(振動、騒音、音圧センサー等)からの信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を測定するための処理部である。また、受信したセンサー情報はDB330に記録される。
相互相関処理部312は、受信したセンサー情報と、ソーナの背景雑音との相互関連を相互相関処理により分析するための処理部である。また、ソーナの背景雑音と運転状態の計測情報との相互相関処理による分析も行う。また、分析結果はDB330に記録される。
履歴情報表示処理部313は、相互相関処理部312による分析結果を、ソーナ101の背景雑音と共に、履歴情報として画面に表示するための処理部である(図4参照)。
雑音発生機器特定処理部314は、ソーナの背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、相互相関処理部312による分析結果を基に、ソーナの背景雑音への各機器の寄与度を判定し、背景雑音への寄与度の高い機器を特定するための処理部である。
運転状態計測処理部315は、エンジンの回転数、燃料噴射時期、エンジン筒内圧、負荷、プロペラピッチ角(プロペラの長手軸線回りの角度)などの運転状態を計測するための処理部である。なお、計測結果は、相互相関処理部312により分析され、分析結果はDB330に記録される。
最適運転要領提示処理部316、その時点で、ソーナの背景雑音を最も低減できる最適運転要領を提示するための処理部である。
保守情報生成処理部317は、雑音発生機器特定処理部314により特定された機器の交換指示情報を生成するための処理部である。
保守情報通知処理部318は、保守情報を、海洋調査船の運用者又は陸上の保守設備を有する事業者等のサーバ400に通知するための処理部である。
【0028】
また、データベース(DB)330には、以下の情報が記録される。
センサー情報331は、船舶内の所定の機器及び所定の位置に配置されたセンサー類(振動、騒音、音圧センサー等)からの信号を受信して、記録した情報である。
相互相関処理情報332は、ソーナの背景雑音とセンサー信号との相関を相互相関処理により求め、その結果を記録した情報である。
雑音レベル閾値情報333は、ソーナの背景雑音の許容される閾値や、各機器が発生する雑音レベルの許容される閾値を記録した情報である。
最適運転要領情報334は、機器の運転要領(エンジンの回転数・燃料噴射時期、負荷、プロペラピッチ角等)を計測し、各機器の振動・騒音と、ソーナの背景雑音との相関を計ることによって得られた情報であり、その時点での最もソーナの背景雑音を低減できる運転要領を記録した情報である。
【0029】
なお、この処理プログラム部310は専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、またこの処理プログラム部はメモリおよびCPU(中央処理装置)等の汎用の情報処理装置により構成され、この処理部の機能を実現するためのプログラム(図示せず)をメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。また、この船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ301には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも表示せず)が接続されているものとする。ここで、入力装置としては、キーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0030】
また、図4は、雑音レベルの履歴データの表示例を示す図であり、ソーナ近傍の音圧センサー111の雑音レベル(背景雑音)と、それと相互相関処理を行った各機器の雑音レベルの履歴データを表示した例である。なお、図4に示す例では、「ソーナ近傍の音圧センサーの音圧レベル」、「エンジン振動レベル」、「上防振ゴム振動レベル」、「下防振ゴム振動レベル」、「プロペラ直上音圧レベル」について例示しているが、実際には他のセンサー類の情報も表示される。また、ソーナ近傍の音圧センサーの音圧レベルの閾値を除く、他のデータ中の「閾値」のレベルは、実際にソーナを運用する中から経験的に得られる値である。
【0031】
図4に示す例では、時刻t1において、ソーナの背景雑音が閾値を越えているので、ソーナの性能が劣化しており、雑音発生源となる機器(背景雑音への寄与度が大きい機器)を特定し、警報を出力する共に、該機器の保守を指示する保守情報を生成する。
図4に示す例では、上防振ゴムの振動の寄与度が最も大きく、上防振ゴムを交換するように指示する保守情報が生成される。また、この時点t1における上防振ゴムの振動レベルが、当該上防振ゴムの振動の閾値として決定される。
【0032】
なお、このようにソーナの背景雑音が閾値を越えた場合は、ソーナは初期の性能を発揮できないが、実用的に問題なければ、そのまま使用できる。また、上述した「最適運転要領提示処理部316」の機能により、運転要領を変更してソーナの背景雑音を低下することもできる。
【0033】
また、図5は、図2に示す船舶の音響雑音監視システムにおける処理の流れを示す図であり、以下、図5を参照して、その処理の流れについて説明する。
(1)ステップS101
船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ301は、所定の周期ごとに、情報の収集を開始する。
(2)ステップS102
ソーナ近傍の音圧センサー111から、音圧情報を受信してDB330に記録する。
(3)ステップS103
船舶内の所定の機器及び所定の位置に配置されたセンサー類(振動、騒音、音圧センサー等)からの信号を受信し、DB330に記録する。
(4)ステップS104
船舶内の機器の運転状態の情報(エンジンの回転数、燃料噴射時期、エンジン筒内圧、負荷、プロペラピッチ角等)を受信して、DB330に記録する。
(5)ステップS105
ソーナの背景雑音とセンサー信号と相互相関処理を行う。また、ソーナの背景雑音と、運転状態信号との相互相関処理も行う。
【0034】
(6)ステップS106
相互相関処理の結果を、DB330に記録する。
(7)ステップS107
ソーナの背景雑音とセンサー信号との相互相関処理の結果の履歴表示を行う。
(8)ステップS108
ソーナの背景雑音と運転状態信号との相互相関処理の結果より、過去の最適な運転要領の情報と比較し、ソーナの背景雑音がより低ければ、新たな最適運転要領の情報として更新する。
(9)ステップS109
ソーナの背景雑音が正常(閾値以下)かどうか判定する。所定の閾値以下であれば、ステップS101に戻る。
(10)ステップS110
ソーナの背景雑音が異常(閾値以上)である場合は、警報を出力する。
(11)ステップS111
また、異常な雑音を発生している機器を特定する。
(12)ステップS112
異常な雑音を発生している機器の保守を指示する保守情報を生成する。
(13)ステップS113
保守情報を、海洋調査船100の運用者、又は陸上の保守設備を有する事業者等のサーバ400に通知する。
(14)ステップS114
所望の場合には、その時点での、最適運転要領の情報を提示する。その後、ステップS101に戻る。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、音響雑音監視システムのコンピュータ301を、海洋調査船100内に設けるのではなく、海洋調査船の運用者又は陸上の保守設備を有する事業者等のサーバ400を使用してもよい。この場合は、センサー類の情報を全て、サーバ400に送信することになる。
【0036】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムでは、ソーナの背景雑音に対する各機器の寄与度を「多変量解析又は相互相関処理」により求める例を示したが、変数(センサー類の情報)が多い場合には、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)を使用することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の船舶の音響雑音監視システムでは、図2に示す船舶の音響雑音監視システムのコンピュータ301内の処理プログラム部310の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、図2に示す処理プログラム部310に必要な処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0038】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可般媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の船舶の音響雑音監視システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の船舶の音響雑音監視システムにおいては、船内の所定の機器及び所定の位置に配置されたセンサー信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を計測する。また、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音(船舶の自己発生雑音)と、センサー信号との相互関連を分析する。そして、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、背景雑音への寄与度大きい雑音発生機器を特定する。
これにより、海洋観測用音響機器(ソーナなど)が背景雑音により性能が劣化した場合に、対策を施すべき対象機器を明確に特定できる。
【0041】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムにおいては、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音と、センサー信号との相互関連分析結果を、履歴情報として表示する。
これにより、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音や、機器発生雑音の時間的な変動の履歴を確認でき、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の性能低下の早期検知や、雑音発生源の早期の特定が可能となる。
【0042】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムにおいては、エンジンの回転数、燃料噴射時期、負荷、プロペラピッチ角などの運転状態信号と、観測用音響機器(ソーナ)の背景雑音との相互関連を分析し、最も背景雑音を低減できる最適運転要領を提示できるようにする。
これにより、その時点で、最も海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音を低減できる運転を行うことが可能になる。
【0043】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムにおいては、海洋観測用音響機器(ソーナなど)の背景雑音とセンサー信号などとの相互関連分析には、多変量解析や相互相関処理を使用する。
これにより、相互関連分析を行うために、既存のソフトウェアや分析機器を利用することができる。
【0044】
また、本発明の船舶の音響雑音監視システムにおいては、雑音発生機器が特定された場合に、特定された機器の交換指示情報を、船舶の運用者や陸上の保守設備を有する事業者等のサーバに通知する。
これにより、船舶の運用者や陸上の保守設備を有する事業者等は、事前に保守工事に必要な体制を準備することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船舶の音響雑音監視システムについて説明するための図である。
【図2】本発明による船舶の音響雑音監視システムのシステム構成例を示す図である。
【図3】相関処理による機械雑音の抽出結果の例を示す図である。
【図4】雑音レベルの履歴データの表示例を示す図である。
【図5】図2に示す船舶の音響雑音監視システムにおける処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
100 海洋調査船
101 ソーナ
102 プロペラ
111 音圧センサー
112 音圧センサー
200 エンジン部
201 エンジン
202 発電機
203 ポンプ
204 減速機
205 上防振ゴム
206 下防振ゴム
211 加速度センサー
212 加速度センサー
213 筒内圧力センサー
214 騒音センサー
215 加速度センサー
216 加速度センサー
217 回転計
301 コンピュータ
310 処理プログラム部
311 センサー情報受信処理部
312 相互相関処理部
313 履歴情報表示処理部
314 雑音発生機器特定処理部
315 運転状態計測処理部
316 最適運転要領提示処理部
317 保守情報生成処理部
318 保守情報通知処理部
330 データベース
331 センサー情報
332 相互相関処理情報
333 雑音レベル閾値情報
334 最適運転要領情報
400 サーバ

Claims (6)

  1. ソーナを含む海洋観測用音響機器が設備された船舶に使用される音響雑音監視システムであって、
    船内の所定の機器及び所定の位置に配備されたセンサー信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を計測するためのセンサー信号受信手段と、
    前記海洋観測用音響機器の背景雑音と、前記センサー信号との相互関連を求めるための第1の相互関連分析手段と、
    前記海洋観測用音響機器の背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、前記第1の相互関連分析手段による分析結果を基に、前記背景雑音に対する各機器の寄与度を判定し、前記背景雑音への寄与度の高い機器を特定するための雑音発生機器特定手段と
    を具備することを特徴とする船舶の音響雑音監視システム。
  2. 前記相互関連分析手段による分析結果をデータベースに登録すると共に、前記分析結果を、海洋観測用音響機器の背景雑音の情報と共に、履歴情報として表示するための履歴情報表示手段を
    さらに具備することを特徴とする請求項1記載の船舶の音響雑音監視システム。
  3. エンジンの回転数、燃料噴射時期、筒内圧、負荷、プロペラピッチ角のいずれか又は全部を計測するための運転状態計測手段と、
    前記運転状態の計測結果と、海洋観測用音響機器の背景雑音との相互関連を分析するための第2の相互関連分析手段と、
    前記第2の相互関連分析手段の分析結果を基に、最も背景雑音を低減できる最適運転要領を提示するための最適運転要領提示手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の船舶の音響雑音監視システム。
  4. 前記第1および前記第2の相互関連分析手段として、多変量解析又は相互相関処理を使用することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の船舶の音響雑音監視システム。
  5. 前記雑音発生機器特定手段により特定された機器の交換指示情報を生成するための保守情報生成手段と、
    前記保守情報を、船舶の運用者又は陸上の保守設備を有する事業者等のサーバに通知するための保守情報通知手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の船舶の音響雑音監視システム。
  6. ソーナを含む海洋観測用音響機器が設備された船舶に使用される音響雑音監視システム内のコンピュータに、
    船内の所定の機器及び所定の位置に配備されたセンサー信号を受信し、船内の各機器に起因する雑音を計測するためのセンサー信号受信手順と、
    前記海洋観測用音響機器の背景雑音と、前記センサー信号との相互関連を求めるための相互関連分析手順と、
    前記海洋観測用音響機器の背景雑音が所定の閾値を越えた場合に、前記相互関連分析手順による分析結果を基に、前記背景雑音に対する各機器の寄与度を判定し、前記背景雑音への寄与度の高い機器を特定するための雑音発生機器特定手順と
    を実行させるためのプログラム。
JP2003002171A 2003-01-08 2003-01-08 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム Pending JP2004212331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003002171A JP2004212331A (ja) 2003-01-08 2003-01-08 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003002171A JP2004212331A (ja) 2003-01-08 2003-01-08 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004212331A true JP2004212331A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32819990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003002171A Pending JP2004212331A (ja) 2003-01-08 2003-01-08 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004212331A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1816452A1 (en) * 2006-02-01 2007-08-08 Jtekt Corporation Analysis method for sound or vibration and analyzing apparatus for sound or vibration
EP1816451A2 (en) * 2006-02-01 2007-08-08 JTEKT Corporation Abnormality diagnosing method for sound or vibration and abnormality diagnosing apparatus for sound or vibration.
KR100977445B1 (ko) 2010-05-06 2010-08-24 대한민국 조사선박용 과학어군탐지기의 음향센서 교정장치
JP2011174766A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Chugoku Electric Power Co Inc:The 機器劣化評価支援方法及び機器劣化評価支援装置
JP2013092387A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Railway Technical Research Institute 鉄道及び道路の近傍に設置される地震計のノイズ識別システム
KR101303734B1 (ko) 2013-06-21 2013-09-09 대한민국 음향센서 교정장치
KR101384661B1 (ko) 2012-10-18 2014-04-14 삼성중공업 주식회사 수중 소음 계측 시스템
CN105241544A (zh) * 2015-09-28 2016-01-13 南京航空航天大学 基于近场声阵列的转子噪声源识别方法
JP2016223879A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 日本電気株式会社 アクティブソーナー装置及びその信号処理方法
CN117419800A (zh) * 2023-10-19 2024-01-19 安徽润安思变能源技术有限公司 一种气悬浮离心制冷压缩机的噪音振动测试系统

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1816452A1 (en) * 2006-02-01 2007-08-08 Jtekt Corporation Analysis method for sound or vibration and analyzing apparatus for sound or vibration
EP1816451A2 (en) * 2006-02-01 2007-08-08 JTEKT Corporation Abnormality diagnosing method for sound or vibration and abnormality diagnosing apparatus for sound or vibration.
JP2007205886A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Jtekt Corp 音又は振動の解析方法及び音又は振動の解析装置
EP1816451A3 (en) * 2006-02-01 2012-03-14 JTEKT Corporation Abnormality diagnosing method for sound or vibration and abnormality diagnosing apparatus for sound or vibration.
JP2011174766A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Chugoku Electric Power Co Inc:The 機器劣化評価支援方法及び機器劣化評価支援装置
KR100977445B1 (ko) 2010-05-06 2010-08-24 대한민국 조사선박용 과학어군탐지기의 음향센서 교정장치
JP2013092387A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Railway Technical Research Institute 鉄道及び道路の近傍に設置される地震計のノイズ識別システム
KR101384661B1 (ko) 2012-10-18 2014-04-14 삼성중공업 주식회사 수중 소음 계측 시스템
KR101303734B1 (ko) 2013-06-21 2013-09-09 대한민국 음향센서 교정장치
JP2016223879A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 日本電気株式会社 アクティブソーナー装置及びその信号処理方法
CN105241544A (zh) * 2015-09-28 2016-01-13 南京航空航天大学 基于近场声阵列的转子噪声源识别方法
CN117419800A (zh) * 2023-10-19 2024-01-19 安徽润安思变能源技术有限公司 一种气悬浮离心制冷压缩机的噪音振动测试系统
CN117419800B (zh) * 2023-10-19 2024-04-09 安徽润安思变能源技术有限公司 一种气悬浮离心制冷压缩机的噪音振动测试系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101464212B (zh) 风力涡轮机的基于振动自动情况监测方法和设备
JP2004212331A (ja) 船舶の音響雑音監視システム、及びプログラム
US6275765B1 (en) System for providing a prognosis of future engine faults
US20120229290A1 (en) Method and device for monitoring torsional vibrations of a rotary shaft of a turbine engine
CN102750943B (zh) 传输路径补偿器
CN106828363A (zh) 车辆工时检测方法及系统
US6285947B1 (en) Prognostication of future failure of an engine indicator parameter
US8474307B2 (en) Method for detecting resonance in a rotor shaft of a turbine engine
Gilroy Ship noise management and the ORCA class of ships
Han et al. Development of an evaluation method to determine cavitation inception speed with aft hull vibration using kurtosis of the DEMON spectrum
US20240085180A1 (en) Optical fiber sensing system and event identification method
WO2020162426A1 (ja) 解析装置、解析方法、およびプログラム、ならびに、センサの構造
Ellison et al. An Acoustic Scene Perspective on Spatial, Temporal, and Spectral Aspects of Marine Mammal Behavioral Responses to Noise.
DK201700400A1 (en) Device, program, recording medium, and method for determining device normality and abnormality involving loads
Awang et al. Main propulsion marine diesel engine condition based maintenance monitoring using ultrasound signal
JP2011196941A (ja) 信号処理装置、レーダ装置、信号処理方法、および信号処理プログラム
Kozaczka et al. Identification of hydro-acoustic waves emitted from floating units during mooring tests
Hallander Model-scale underwater radiated noise measurements: A study of repeatability, sensitivity to loading condition variations and correlation to full scale data
JP6282753B2 (ja) 推定値算出装置、推定値算出方法、プログラム及び記録媒体
CN111024217A (zh) 一种船舶水下自噪声监测方法
FR2960061A1 (fr) Procede de determination de taux de vide par spectrometrie de resonance acoustique non lineaire dans un milieu diphasique et application dans un reacteur nucleaire
Silvestri et al. On the experimental full scale vibrational response analysis of a large pleasure yacht
JP6541179B2 (ja) 信号処理装置
KR102631619B1 (ko) 선박 제어 장치, 선박 제어 방법, 및 기록 매체에 기록된 프로그램
WO2024057848A1 (ja) 船舶のモニタリング方法および船舶のモニタリング方法を行う船舶のモニタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050303

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20050502

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927