JP2004212110A - 分光装置 - Google Patents

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Hiromichi Akahori
洋道 赤堀
Toshiyuki Iwamoto
敏志 岩本
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Tochigi Nikon Corp
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Abstract

【課題】測定開始前や測定最中に残り測定時間を表示するようにした分光装置の提供。
【解決手段】テラヘルツ時間領域分光装置では、移動鏡9によりプローブ光L3の光路長を変えて検出することにより、すなわち、光路長に応じた遅延時間でテラヘルツパルス光L5を検出することにより、テラヘルツパルス光L5の時系列波形を測定する。この一連の測定データを取得するのに要する測定時間を、予め設定された測定条件に基づいて算出し、表示部25に表示する。また、データ取得毎に、残り測定時間を表示部25に表示する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射ミラーや試料ステージを移動させて順に複数の測定データを取得する分光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の分光装置では、例えば、波長情報を表示する表示器と、試料の吸収情報を表示する表示器とを備えたものがある。通常の測定時にはこれらの量が表示されるが、波長領域によってグレーティング、プリズムなどの分散子や検出器、フィルタ、光源などを切り換えている最中には、波長情報および吸収情報が途切れてしまうため、表示器に表示すべき本来のデータが確立していない。そのため、従来の装置では表示を凍結して前の状態のままに保ったり、全表示器点灯や0表示などの処置がとられていた。そこで、このようなデータが確立しない期間中には、確立しない理由やデータが確立するまでの残り状態を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭55−116217号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
分光装置を使用して様々な試料を測定する場合、オペレーターは、試料の種類や状態、自分が要求する測定精度や測定値の再現性などを考慮して測定条件を決定する。従来の分光装置を用いた場合は、実際に測定を行って初めて残り時間を知ることができる。
【0005】
しかしながら、測定を開始した後で残り時間を知ることは次のような欠点がある。現在設定されている測定条件では、得られる測定データに比して時間がかかり過ぎるとオペレーターが認識するのは、ある程度測定が進んだ後になる。この場合は測定条件を変更して再び最初から測定をやり直すことになる。結局、途中まで測定した時間が無駄になってしまう。
【0006】
また、従来の分光装置には、オペレーターが測定条件を設定したとしても、測定を開始する前には、総測定時間がどのくらいかかるか算出するものはなかった。従って、オペレーターは、設定した測定条件で測定にどのくらいの時間がかかるか知ることはできなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、測定開始前や測定最中に残り測定時間を表示するようにした分光装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の分光装置は、試料に検査光を照射して、分析処理に必要な複数の測定データを取得する分光装置に適用され、測定条件である波数の分解および測定周波数を入力する入力部と、複数の測定データを所定遅延時間毎に得られるように、測定条件に応じて、試料からの試料情報を持った光を検出するタイミングを制御する制御手段と、一連の複数の測定データに基づき分析処理を行う処理手段と、測定条件から処理手段が一連の複数の測定データを取得する総時間を演算する演算手段と、演算手段で演算された総時間を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の分光装置は、検査光としてテラヘルツパルス光を発生するテラヘルツ光発生素子と、試料からの試料情報を持ったテラヘルツパルス光を検出するテラヘルツ光検出素子と、テラヘルツ光発生素子にテラヘルツパルス光を発生させる励起パルス光および、テラヘルツ光検出素子が試料からの試料情報を持ったテラヘルツパルス光を検出するタイミングを決めるプローブパルス光を照射するレーザ光源と、プローブパルス光がテラヘルツ光検出素子に照射されるタイミングを制御するために、プローブパルス光の通る光路長を可変にする制御手段である移動鏡とを備え、演算手段は、測定条件から移動鏡の移動ステップ数と移動ステップ間隔とから総移動時間を演算して、分析処理に必要な複数の測定データを取得する総時間を求めるようにした。
また、いずれの分光装置の場合も、複数の測定データを取得する間に測定作業終了までの残り測定時間を演算手段で算出し、算出された残り測定時間を表示手段に表示するようにしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る分光装置は、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)を用いるテラヘルツ時間領域分光装置である。テラヘルツ時間領域分光装置では、試料を反射または透過したテラヘルツパルス光の電場の時間変化を測定し、この検出信号をフーリエ変換することにより、試料の分光特性を測定するものである。得られた測定データは液晶ディスプレイやCRT等の表示部に表示する。
【0010】
以下、本発明の時間領域分光装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る時間領域分光装置を模式的に示す概略構成図である。図1において、レーザー光源1から放射されたパルス光L1が、ビームスプリッター2で2つのパルス光L2,L3に分割される。レーザー光源1としては、例えば、フェムト秒パルスレーザーが用いられる。パルス光L1は、中心波長が近赤外領域のうちの780〜800nm程度、繰り返し周期が数kHzから100MHzのオーダー、パルス幅が10〜150fs程度の直線偏光のパルス光である。
【0011】
ビームスプリッター2で分割された一方のパルス光L2は、テラヘルツ光発生素子7を励起してテラヘルツパルス光を発生させるためのポンプ光(励起パルス光)となる。このポンプ光L2は、チョッパー3、平面反射鏡4,5,6を経て、テラヘルツ光発生素子7へ導かれる。その結果、テラヘルツ光発生素子7が励起されてテラヘルツパルス光L4を放射する。テラヘルツパルス光L4は、概ね0.01×1012から100×1012ヘルツまでの周波数領域の光である。このテラヘルツパルス光L4は、曲面鏡13、14を経て試料17の一点に入射する。
【0012】
ビームスプリッター2で分割された他方のパルス光L3は、テラヘルツパルス光L5を検出するためのプローブ光となる。パルス光L3(プローブパルス光L3)は、平面反射鏡8、移動可能な移動鏡9、平面反射鏡10を経てテラヘルツ光検出素子11に入射する。移動鏡9は、駆動装置12によって矢印X方向に駆動され、その移動量に応じてプローブ光L3の光路長を変化させる。この結果、プローブ光L3がテラヘルツ光検出素子11へ到達する時間が変化する。このように移動鏡9によりプローブ光L3の光路長を変えて検出することにより、すなわち、光路長に応じた遅延時間でテラヘルツパルス光L5を検出することにより、テラヘルツパルス光L5の時系列波形を測定することができる。
【0013】
試料17は、ステージ18に保持されている。試料17の測定面17aは、曲面鏡14から試料17に入射するテラヘルツパルス光L4の光軸に略垂直である。測定面17a上における複数の位置に関して測定を行う場合には、ステージ18は測定面17aと平行な平面上をステッピング動作で移動し、テラヘルツパルス光L4の照射位置を変更する。通常、分光装置では試料17上の一点のみを測定する。しかし、2次元マッピングシステムのように複数箇所を測定する場合もあるので、ここでは、測定面17a上の複数箇所を測定する場合を例に説明する。なお、測定位置を変える際には、ステージ18により試料を17を移動させテラヘルツパルス光L4の入射位置を変更する。
【0014】
試料17を透過したテラヘルツパルス光L5は、曲面鏡15、16を経てテラヘルツ光検出素子11へ集光して入射する。試料17の測定面17aは、試料17から曲面鏡15へ向かうテラヘルツパルス光L5の光軸に略垂直である。テラヘルツパルス光L5は、試料17の特性に関する情報を含む光である。テラヘルツ光検出素子11は、プローブ光であるパルス光L3が照射された瞬間に入射しているテラヘルツパルス光L5の電場強度を検出する。テラヘルツ光検出素子11からは、検出された電場強度に応じた電気信号が出力される。この電気信号を測定することにより、半導体試料の場合、電気的特性や不純物濃度等が得られる。
【0015】
テラヘルツ光検出素子11にて検出された電場強度に関わる電気信号は、増幅器21で増幅され、A/D変換器22でデジタル信号に変換され、制御・演算処理部23で信号処理され、画像処理部24で二次元画像化され、最終的に表示部25で表示される。制御・演算処理部23は、駆動装置12およびステージ18へ駆動信号を出力する。この駆動信号により、駆動装置12には移動鏡9に関するステップ間隔(1回の移動距離)やスキャン距離(累積移動距離)が指示され、多数の点を測定する場合には、ステージ18には測定位置変更のための移動指示が出される。
【0016】
以下、本実施の形態に係る分光装置において、総測定時間と測定残り時間の算出方法を説明する。
図2〜4は、テラヘルツ時間領域分光装置における測定処理動作の手順を示すフローチャートである。図2はメインフローを示しており、図3,4はそれぞれ図2のステップS6,S7における測定手順の詳細を示すサブフローである。まず、図2のステップS1〜ステップS7までの手順を説明する。
【0017】
S1:波数の分解a(cm-1)、最大測定周波数b(THz)および測定個所の数Nが入力部20から入力される。これらは測定条件であり、ユーザーの望む条件が入力される。
S2:ステップS1で入力されたデータa,bに基づいて、波数分解がa以下で最大測定周波数がb以上となるようにデータ取得条件を算出する。ここで、データ取得条件とは測定時における移動鏡9の駆動条件のことであり、サンプル上の1測定ポイントに関するデータを得る際の、移動鏡9を移動する際のステップ間隔d(μm)、およびそのステップ数nである。データ取得条件の設定方法については後述する。
【0018】
S3:1測定ポイントに関する時系列データを取得するのに要する時間Tpを次式(1)により算出する。
【数1】
p=(n−1)×tm+n×td+ti+te …(1)
ここで、tmは移動鏡9の1ステップ当たりの移動時間、tdはデータ取得時間、tiは初期化処理時間(移動鏡9の初期位置への移動時間Δtを含む)、teは後処理時間(データ変換等の演算時間を含む)である。tm,td,tiおよびteはそれぞれ装置固有の値であって、例えば、予めこれらの値を測定しておき、データとしてインプットしておけばよい。
【0019】
S4:サンプル測定総時間Tを次式(2)により算出する。テラヘルツ時間領域分光測定では、サンプル測定値とは別に、反射測定の場合は試料17のかわりに参照用のミラーを置き、また、透過測定の場合は試料17を装着しないで、テラヘルツパルス光L5を測定して得られるリファレンス測定値を必要とする。ここでは、リファレンス測定の場合、試料17上の測定ポイント数Nに関係なく一回だけ測定する。そのため、リファレンス測定時間は、1測定ポイントに要する時間Tpと同一値となる。測定ポイント数はNなので、ステージ18の移動による測定個所の変更に必要な時間をtSとすると、リファレンス測定を含むサンプル測定総時間Tは式(2)のように表される。
【数2】
T=(N+1)×Tp+N×tS
=(N+1)×{(n−1)×tm+n×td+ti+te}+N×tS…(2)
【0020】
なお、上述した例では1つの試料で多数点を測定する場合にリファレンス測定を一回だけ行っているが、測定位置を変更する度にリファレンス測定をするようにしても良い。その場合には、リファレンス測定の回数が増加する分だけサンプル測定総時間Tは長くなる。リファレンス測定をどのように行うかは装置の安定性に依存しており、安定していれば一回の測定で良い。逆に、装置の設置条件が悪い等の理由により安定性が良くない場合には、例えば、一測定毎にリファレンス測定を行う必要がある。上述した式(2)では、リファレンス測定とサンプル測定との切り換えに要する時間を省略して示しているが、実際上は時間Tには切換時間が含まれている。このように、リファレンス測定と試料測定とを含めた時間Tの算出は、自動的に切り換えができるシステムに適用できるものである。
【0021】
S5:総測定時間として、式(2)で算出される時間Tを図1の表示部25に表示する。なお、総測定時間Tとは別に一測定毎Tpの時間も表示するようにしても良い。
S6:オペレーターにより測定開始の指示が入力されたか否かを判定し、測定開始の指示が入力されるとステップS7に進む。なお、図2のフローチャートでは省略したが、ステップS6の段階までに入力値変更のための再入力があった場合にはステップS1に戻り、ステップS1以下の手順を再び行う。
S7:リファレンス測定を行う。後述するように、この測定期間中には測定に要する残り時間(サンプル測定も含む残り時間)が表示部25に表示される。
S8:サンプル測定を行う。後述するように、この測定期間中には測定に要する残り時間が表示部25に表示される。
ステップS8のサンプル測定処理を終了すると、一連の測定処理動作が終了する。
【0022】
次に、ステップS7のリファレンス測定における測定処理の詳細を図3のフローチャートを参照して説明する。
S101:移動鏡9が初期位置にリセットされる。この処理が終了した時点では、残り時間はTr=N×(Tp+tS)+{(n−1)×tm+n×td+te}+(ti−Δt)で算出される。
S102:移動鏡9のステップ数を表す変数jを1だけ増加させる。変数jの初期値は0に設定されている。
【0023】
S103:移動鏡9をjステップ目の位置まで1ステップ間隔だけ移動し、試料位置を通過したテラヘルツパルス光L5を検出して検出データを取得する。なお、j=1の場合には移動鏡9を初期位置に設定して検出を行い、jが2〜nの場合に1ステップ間隔だけ移動して測定を行う。
S104:残り時間Trを算出する。この時点での残り時間Trは次式(3)で算出される。なお、一測定毎の残り時間、すなわち、Tpに関する残り時間もあわせて表示するようにしても良い。
【数3】
r=N×(Tp+tS)+{(n−j)×(tm+td)+te} …(3)
【0024】
S105:ステップS104で算出された残り時間Trを表示部25に表示する。
S106:変数jがステップ数nと等しいか否か、すなわち、リファレンス測定に関するn個の時系列データが得られたか否かを判定する。そして、j<nの場合にはステップS102へ戻り、j=nとなるまで、すなわちn個の時系列データが得られるまでステップS102からステップS106までの処理を繰り返し実行する。j=nとなったならば、リファレンス測定に関する一連の処理を終了して図2のステップS8へ進む。
【0025】
図1のステップS7の処理が終了した時点での残り時間は、Tr=N×(Tp+tS)で算出される。次いで、図4を参照してステップS8のサンプル測定の処理について説明する。なお、図4では図3に示した各ステップの処理と同一処理には同一符号を付し、以下では異なる処理を中心に説明する。
【0026】
S201:後述する変数jの値を0とするとともに、測定ポイント数を表す変数iを1だけ増加させる。なお、変数iの初期値は0に設定されている。最初はi=1とされ、1番目の測定ポイントに関する時系列波形の測定が行われる。以下、一つの測定ポイントに関する時系列データを取得する処理は、上述したリファレンス測定の場合と全く同じであり、ステップS102,S103の処理の説明は省略する。
S104:次式(4)により残り時間Trを算出する。
【数4】
r=(N−i)×(Tp+tS)+{(n−j)×(tm+td)+te}…(4)
【0027】
S202:変数iが測定ポイント数Nと等しいか否か、すなわち、サンプル測定に関するN個の測定ポイントに対してそれぞれ時系列データが得られたか否かを判定する。そして、i<Nの場合にはステップS201へ戻り、i=Nとなるまで、すなわちN個の測定ポイントに対する時系列データが得られるまでステップS201からステップS202までの処理を繰り返し実行する。i=Nとなったならば、サンプル測定に関する一連の処理を終了して図2へ戻る。
【0028】
《データ取得条件について》
次いで、データ取得条件の設定方法について説明する。データ取得条件を求める際には、まず、入力されたa(cm-1),b(THz)に対して、移動鏡9のスキャン距離r(cm)と、移動鏡9の位置を変更して時系列波形を取得する際のデータ間隔t(ps)を、それぞれr=1/a、t=1/2bにより算出する。すなわち、データ取得条件は、スキャン距離がr(cm)以上で、データ間隔がt(ps)以下となるように設定される。
【0029】
具体的には、次式(5)〜(7)の3式を満足するようにnおよびdを決定する。ただし、c(m/s)は光速、mは正の整数であり、dは移動鏡9の駆動装置12の仕様に応じて選択可能な値に制限される。
【数5】
d×10-6≦c×t×10-12/2 …(5)
n=2m …(6)
d×10-6×n×2≧r×10-2 …(7)
【0030】
ただし、これはデータ取得条件の算出方法の一例を示すものであって、本実施の形態に限るものではない。例えば、最大測定周波数bは装置の最大周波数を超えるように設定さなければならなかったり、S/Nが悪い場合には、例えば、ステップ間隔d/2にし、ステップ数を2nに増やして2測定点ずつの平均を取るような工夫が施される。
【0031】
以下に、測定条件からデータ取得条件d、nを算出するまでの手順を具体的な数値を用いて説明する。
(測定条件)
(a1) 波数の分解a=4(cm-1
(a2) 最大測定周波数b=2(THz)
(a3) 移動鏡9の最小ステップ間隔=1(μm)
(a4) 利用可能な最大周波数=6(THz)
【0032】
移動鏡9の移動条件(データ取得条件)は以下の手順で求められる。
(b1) 条件(a2)と(a4)とから最大測定周波数bを6(THz)とする。
(b2) データ間隔tは、t=1/(2b)≒0.083(ps)以下とする。
(b3) スキャン距離r=1/a=0.25(cm)
(b4) ステップ間隔dは、式(5)からd≦c×t×10-6/2≒12.5(μm)となる。
(b5) d=12.5(μm)として、式(7)から移動鏡9の総ステップ数nを計算する。その結果、n≧r×104/2d=100となる。
(b6) n≧100と式(6)の条件n=2mとから、n=27=128とする。
(b7) n=128のとき、ステップ間隔dは、式(7)からd≧r×104/(2n)≒9.75(μm)となる。
(b8) 条件(a3)より最小ステップ間隔=1(μm)であるから、ここではステップ間隔を10(μm)に設定する。
(b9) 最終的なデータ取得条件は、d=10(μm)、n=128となる。
【0033】
上述した第1の実施の形態では、測定処理を開始する前に、入力した設定値に対する総測定時間Tが表示されるので、予め総測定時間Tを知ることができるとともに、所定の総測定時間Tに応じた入力値で測定を行うという操作も可能となる。さらに、測定の最中においても残り時間Trが表示されるため、測定作業を効率的に行うことができる。
【0034】
上述した実施の形態では、一つの試料に関する分光測定を行う場合について説明したが、例えば、複数の試料を装置に装着できるようにし、各試料を順に測定する場合についても本発明は適用可能である。その場合、図7(a)に示すように、複数個のサンプルに関するサンプル測定に先立ってリファレンス測定を1回行っても良いし、図7(b)のように、サンプル測定毎にリファレンス測定を行っても良い。
【0035】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る分光装置は、フーリエ変換赤外分光装置(FTIR)に関するものである。図5はFTIR装置の概念図である。赤外光源30から出射された赤外光31は干渉計32に入射する。干渉計32としては、例えばマイケルソン干渉計が使用され、赤外光31はビームスプリッタ33により透過赤外光34と反射赤外光35とに分割される。
【0036】
透過赤外光34は移動鏡36で反射された後に、その一部はビームスプリッタ33により試料39方向に反射される。また、反射赤外光35は固定鏡37で反射された後に、その一部がビームスプリッタ33を透過して試料39に入射する。すなわち、移動鏡36および固定鏡37でそれぞれ反射された赤外光34,35はビームスプリッタ33により再び合成され、赤外光34,35の位相差に応じた干渉波(インターフェログラム)38となる。この干渉波38は測定光として試料39に入射し、試料39を透過した透過光40が検出器41により検出される。
【0037】
干渉波38の位相差は移動鏡36の位置によって異なり、干渉によって強めあう光の波長が異なる。すなわち、移動鏡36を連続的に移動させると強め合う波長が次々と変化し、そのような干渉波38が試料39に入射する。制御・演算処理部42では、透過光強度と移動鏡位置とが関連付けて記憶され、それらのデータに基づいて種々の分析処理が行われる。分析中の残り時間や分析結果は表示部43に表示される。通常、移動鏡36を1回スキャンして得られる測定結果ではS/N比が良くないので、複数回測定してそれらを積算したものが測定データとして用いられる。
【0038】
図6は測定手順を説明するフローチャートである。なお、本実施の形態では試料39上の1測定ポイントに関して分光測定を行うものとするが、上述した第1の実施の形態と同様に、測定ポイントが複数であっても適用することができる。また、積算時間表示更新のタイミングは積算回数が1だけ変化する毎に行うものについて説明するが、これに限らない。
S301:波数の分解dσ、高周波側の測定周波数領域eσ、移動鏡36の移動速度vおよび上述した積算の回数nが入力される。これらは測定条件である。S302:移動鏡36を1回スキャンするときのストローク長Lおよび1スキャンに要する時間dtを、L=2/dσ、dt=L/vにより算出する。vは移動鏡36の移動速度である。
【0039】
S303:総測定時間Tを次式(8)により算出する。式(8)において、αは後処理時間(データ変換等の演算時間を含む)である。時間dt0は、移動鏡36を初期位置にリセットするのに要する時間である。
【数6】
T=n×(dt+dt0)+α …(8)
S304:総測定時間Tを表示部43に表示する。
S305:オペレータにより測定開始の指示が入力されたか否かを判定し、測定開始の指示が入力されるとステップS306に進む。なお、図6のフローチャートでは省略したが、ステップS305の段階までに入力値変更のための再入力があった場合にはステップS301に戻り、ステップS301以下の手順を再び行う。
S306:移動鏡36を初期位置にリセットし、積算回数を表す変数iを1だけ増加させる。iの初期値は0である。
S307:移動鏡36をスキャンして、積算回数がi回目の分光測定を行う。
【0040】
S308:測定がi回目まで終了した時点での残り時間Trを次式(9)により算出する。
【数7】
Tr=(n−i)×(dt+dt0)+α …(9)
S309:算出された残り時間Trを表示部43に表示する。
S310:積算回数iが設定された所定回数nとなったか否かを判定する。積算回数iがnよりも小さいと判定されるとステップS306へ戻り、i=nと判定されるとステップS311へ進む。
S311:n回の測定データを積算し、その積算結果に基づいて種々の分析処理演算を行う。
【0041】
上述した第2の実施の形態では、測定処理を開始する前に、入力した設定値に対する総測定時間Tが表示されるので、予め総測定時間Tを知ることができるとともに、所定の総測定時間Tに応じた入力値で測定を行うという操作も可能となる。さらに、測定の最中においても、積算回数が1変化する度に残り時間Trが表示されるため、測定作業を効率的に行うことができる。
【0042】
以上説明した実施の形態では、総測定時間Tとして分析処理時間も含んだが、分析処理時間を除いた時間を総測定時間Tとしても良い。さらに、上述した分光装置に限らず、複数の測定データを取得して分析処理を行う装置であれば本発明を適用することができる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、設定された測定条件に対する総測定時間が表示部に表示されるので、測定を開始する前に総測定時間を知ることができる。さらに、測定の最中においても残り時間が表示されるため、測定作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるテラヘルツ時間領域分光装置を模式的に示す図である。
【図2】テラヘルツ時間領域分光装置における測定処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS6の詳細処理を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS7の詳細処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態におけるFTIR装置の概念図である。
【図6】第2の実施の形態における測定手順を説明するフローチャートである。
【図7】試料が複数ある場合の測定手順を示す図であり、(a)はリファレンス測定を1回行うもの、(b)はサンプル測定毎にリファレンス測定を行うもの。
【符号の説明】
7 テラヘルツ光発生素子
9,36 移動鏡
11 テラヘルツ光検出素子
12 駆動装置
17,39 試料
18 ステージ
20 入力部
23,42 制御・演算処理部
25,43 表示部
32 干渉計
41 検出器

Claims (3)

  1. 試料に検査光を照射して、分析処理に必要な複数の測定データを取得する分光装置において、
    測定条件である波数の分解および測定周波数を入力する入力部と、
    前記複数の測定データを所定遅延時間毎に得られるように、前記測定条件に応じて、前記試料からの試料情報を持った光を検出するタイミングを制御する制御手段と、
    一連の前記複数の測定データに基づき前記分析処理を行う処理手段と、
    前記測定条件から前記処理手段が前記一連の複数の測定データを取得する総時間を演算する演算手段と、
    前記演算手段で演算された前記総時間を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする分光装置。
  2. 請求項1に記載の分光装置において、
    前記検査光としてテラヘルツパルス光を発生するテラヘルツ光発生素子と、
    前記試料からの試料情報を持ったテラヘルツパルス光を検出するテラヘルツ光検出素子と、
    前記テラヘルツ光発生素子にテラヘルツパルス光を発生させる励起パルス光および、前記テラヘルツ光検出素子が前記試料からの試料情報を持ったテラヘルツパルス光を検出するタイミングを決めるプローブパルス光を照射するレーザ光源と、
    前記プローブパルス光が前記テラヘルツ光検出素子に照射されるタイミングを制御するために、前記プローブパルス光の通る光路長を可変にする前記制御手段である移動鏡とを備え、
    前記演算手段は、前記測定条件から前記移動鏡の移動ステップ数と移動ステップ間隔とから総移動時間を演算して、前記分析処理に必要な前記複数の測定データを取得する総時間を求めることを特徴とする分光装置。
  3. 請求項1または2に記載の分光装置において、
    前記演算手段は、前記複数の測定データを取得する間に測定作業終了までの残り測定時間を算出し、
    前記残り測定時間を前記表示手段に表示することを特徴とする分光装置。
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