JP2004212085A - フレッシュコンクリートの塩化物量測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレッシュコンクリート1からモルタル2を分離して採取する工程と、採取したモルタル2に水結合材比が22質量%以上となるように水7を添加して希釈モルタル11を調整する工程と、希釈モルタル11中の塩化物量を測定する工程と、フレッシュコンクリート1の配合比と採取したモルタル7の質量と添加した水7の量と測定した塩化物量とからフレッシュコンクリート1中の塩化物量を算出する工程とを備えたことを特徴とするフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法である。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレッシュコンクリートの塩化物量測定方法、特に高強度コンクリートや高流動コンクリート等、含水量が低いコンクリートに好適に適用可能であるフレッシュコンクリートの塩化物測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フレッシュコンクリート(固まる前のコンクリート、いわゆる生コンクリート)の品質管理の一実施項目として、塩化物含有量測定試験があり、その簡易的な方法として、「カンタブ(株式会社小野田社製)」と称されれる試験紙を測定対象のフレッシュコンクリートに挿し込み、この試験紙に吸水されたブリーディング水中の塩化物量に応じる試験紙の色の変化の度合いに基づいて、フレッシュコンクリート中の塩化物イオンの濃度、すなわち塩化物含有量を求める方法が知られている。
【0003】
一方、近年、コンクリートの種類も多様化しており、このうち普通コンクリートと比較して、強度的に優れた高強度コンクリートや、著しい流動性を有する高流動コンクリートが、広く普及しつつある。また、この高強度コンクリート等は、低水結合材比であり、ブリーディング水がほとんど含まれないものである。
【0004】
したがって、高強度コンクリート等の含水量が低いコンクリートについて、前記した試験紙による塩化物量測定方法を適用することは非常に困難であった。
【0005】
そこで、フレッシュコンクリートを加圧することによりブリーディング水を脱水せしめてそれを採取し、ブリーディング水を試料として、その塩化物含有量を測定する「フレッシュコンクリートの塩化物含有量測定方法」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−304744号公報(第2−3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたフレッシュコンクリートの塩化物含有量測定方法では、図4に示すように、測定対象が水結合材比(W/B)が25質量%であるフレッシュコンクリートNo.1(図4では「コンクリートNo.1」と略称する)の場合は、前記した「フレッシュコンクリートの塩化物含有量測定方法」により好適に測定可能であるが、水結合材比(W/B)が、20質量%(コンクリートNo.2)、17質量%(コンクリートNo.3)と低くなるにつれ、すなわち、フレッシュコンクリート中の含水量が低くなるに伴って、前記「フレッシュコンクリートの塩化物含有量測定方法」では、加圧により採取される水の量が少ないため、非常に時間をかけて測定を行っても、測定値は、コンクリート中の真の塩化物量より下回ってしまい、精度よく測定できないという問題があった。
また、フレッシュコンクリートを加圧するための加圧容器、加圧装置が非常に重く、現場毎にこれらを持って移動するには非常に困難であるという問題が生じていた。
なお、図4において、「コンクリート中の真の塩化物量」とは、フレッシュコンクリートが硬化したコンクリート(以下、「硬化コンクリート」を称呼する)について、例えば、コア採取により分析用試料を採取し、電位差滴定法により塩化物量を求めたものであり、一点鎖線で示されている。以下のグラフにおいても同様である。
【0008】
そこで、本発明は、水結合材比によって正確に測定することが困難であったフレッシュコンクリート中の塩化物量を、簡易且つ迅速に測定することができるフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として請求項1に係る発明は、水結合材比が22質量%未満のフレッシュコンクリート中の塩化物量を測定するフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法であって、(a)前記フレッシュコンクリートからモルタルを分離して採取する工程と、(b)前記採取したモルタルに水結合材比が22質量%以上となるように水を添加して希釈モルタルを調整する工程と、(c)前記希釈モルタル中の塩化物量を測定する工程と、(d)前記フレッシュコンクリートの配合比と、前記採取したモルタルの質量と、前記添加した水の量と、前記測定した塩化物量とから、前記フレッシュコンクリート中の塩化物量を算出する工程と、を備えたことを特徴とするフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法である。
【0010】
ここで、「結合材」とは、無機質結合材、無機・有機質結合材、有機質結合材、混和材からなる群から選択される少なくとも1種またはこれらの混合物である。
無機質結合材には、ポルトランドセメント、混合セメント等のセメント類と、石灰類、石こう類、いおうが含まれる。無機・有機質結合材には、ポリマーセメント、ポリマーが含まれる。有機質結合材には、レジン、アスファルト類が含まれる。
また、「モルタル」とは、前記結合材と水とが混合されて生成したセメントペーストと、砂(細骨材)とが混合されたものである。すなわち、モルタルとは、コンクリートから、粗骨材(砕石、砂利)を取り除いたものである。また、一般に、細骨材とは5.0mmふるいを通過するものであり、粗骨材とは5mmふるいに留まるものである。
さらに、「水結合材比が22質量%以上」とは、結合材の質量に対して、水の質量が22質量%以上であることを意味する。
【0011】
このようなフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法によれば、適宜な手段により、フレッシュコンクリートからモルタルを分離して採取し、採取したモルタルに水結合剤比が22質量%以上となるように水で希釈する。
ここで、本明細書では、フレッシュコンクリートから分離したモルタルに水を添加して希釈させたものを、「希釈モルタル」と記載する。
このように調整した希釈モルタルでは、溶媒となる水が多量であるため、モルタル中の塩化物イオンは、水中を自在に移動できるようになる。
したがって、希釈モルタル中の塩化物イオンの濃度は、例えば、公知であるイオン選択電極方式、電極電流測定法、電位差滴定法、イオンクロマトグラフィー法等の塩化物量測定方法により、容易に測定することができる。
そして、フレッシュコンクリートの配合比と、採取したモルタルの質量と、添加した水の量と、測定した塩化物量とから、適宜な計算をすることにより、フレッシュコンクリート中の塩化物量を算出するすることができる。
【0012】
さらに、フレッシュコンクリートから採取するモルタルを50〜500gとし、これを水で希釈することによって、十分正確に測定することができると共に、複数のロットや、現場でも手際よく対応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されることはない。
【0014】
本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法は、フレッシュコンクリートからモルタルを分離・採取し、採取したモルタルを水結合材比が22質量%以上となるように希釈することを特徴とするものである。これは、以下の実験から得られた知見によるものである。
【0015】
図1に、水結合材比が17質量%であるフレッシュコンクリートについて、フレッシュコンクリートから採取したモルタルを希釈せずにそのまま塩化物量を測定する従来法と、フレッシュコンクリートから採取したモルタルを水で希釈して塩化物量を測定する希釈法1〜3によるフレッシュコンクリートの塩化物量測定結果を示す。
ここで、希釈法1〜3は、水による希釈の程度が異なり、希釈法1は水結合材比(W/B)が19質量%、希釈法2は水結合材比が22質量%、希釈法3は水結合材比が26質量%となるように、それぞれ希釈させるものである。
また、図1には、前記した図4と同様に、フレッシュコンクリート中の真の塩化物量を併せて示す。
【0016】
図1より、全く希釈しない従来法において、測定時間が90秒までは、真の塩化物量を測定することは困難であり、測定時間を15分と延長することにより、真の塩化物量と同等の塩化物量値を得られることがわかる。
しかしながら、現場毎、または、複数のフレッシュコンクリートのロット毎に、15分かけて塩化物量を測定することは、非常に手間がかかってしまい、好ましいものではない。
【0017】
一方、希釈法1〜3によれば、従来法より真の塩化物量を正確に測定できる傾向であることがわかる。この正確に測定可能である傾向は、測定時間が5秒、30秒、60秒、90秒と長くなるに伴って高くなる傾向であることがわかる。
これは、測定時間が長くなることにより、フレッシュコンクリートから採取したモルタル又は希釈モルタルに含まれる塩化物イオンが、塩化物量測定機器の塩化物イオン測定部に好適に検出されるからであると考えられる。
【0018】
また、希釈法1〜3において、希釈の程度つまり水結合材比(W/B)が、19質量%、22質量%、26質量%と高くなる(すなわちモルタルの濃度は低くなる)に伴って、フレッシュコンクリートに含まれる真の塩化物量を正確に測定できる傾向であることがわかる。
これは、モルタルに水を添加して希釈モルタルを調整することにより、塩化物イオンが、添加された水を溶媒として自由に移動できるようになり、その結果、塩化物量測定機器の塩化物イオン測定部で、良好に検出されやすくなるからであると考えられる。
【0019】
また、従来法、希釈法1〜3について、図2に示すように、横軸に分離して採取したモルタルの希釈の程度、つまり、水結合材比(W/B)、縦軸に塩化物量をとり、各測定時間を同一グループとしてグラフを作成すると、フレッシュコンクリートから採取したモルタルを水結合材比が22質量%となるように希釈した場合(希釈法2)に、塩化物量測定機器による測定時間を60秒、より好ましくは90秒とすることにより、フレッシュコンクリートに含まれる真の塩化物量に極めて近い塩化物量を測定することができることが明らかになった。
なお、水結合材比が26質量%となるように希釈した場合(希釈法3)は、前記したように、塩化物イオンが、さらに好適に移動できる雰囲気であるので、塩化物量測定機器による測定時間が60秒であっても、真の塩化物量と同等である塩化物量を測定することができる。
【0020】
しかしながら、モルタルを希釈するには、その希釈の程度に応じて、また、フレッシュコンクリートのロット、試験箇所毎に、希釈するための水を用意しなければならず、移動性を考慮すると、水の量は少ない方が好ましい。
また、複数のロット、試験箇所について、塩化物量を測定するためには、測定時間は短い方が好ましい。
【0021】
したがって、これらを考慮すると、フレッシュコンクリートからモルタルを採取して、水結合材比が22質量%となるように水を添加して希釈モルタルを調整し、塩化物量測定機器により60秒で希釈モルタル中の塩化物量を、手際よく測定することが好適な条件であると考えられる。
なお、モルタルを水結合材比が22質量%となるよう希釈し、測定時間を60秒とした場合に測定される塩化物は、図2に示すように、真の塩化物量を100とすると、98質量%に相当するので、非常に信頼性が高いものである。
【0022】
続いて、さらに具体的に、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法の工程を模式的に示す工程説明図である。図3(a)は、フレッシュコンクリートからモルタルを採取する状況を示す説明図。図3(b)は、採取したモルタルの計量状況を示す説明図。図3(c)は、計量したモルタルに水を添加する希釈状況を示す説明図。図3(d)は、ミキサによる撹拌状況を示す説明図。図3(e)は、塩化物量測定機器による測定状況を示す説明図である。
【0023】
次に、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法で使用する器具について説明する。但し、本発明は、以下に説明する器具を使用するのみに限定されることはない。
【0024】
本実施形態では、図3(a)に示すように、フレッシュコンクリート1からモルタル2を分離するためのふるい3と、ふるい3を通過したモルタル2を受ける容器4と、図3(b)に示すように、採取したモルタル2を計量する計量器5と、図3(c)に示すように、計量したモルタル2を投入する容器6と、これに添加する水7を計量する計量カップ8と、図3(d)に示すように、水7の添加後に撹拌するためのミキサ9と、図3(e)に示すように、塩化物量を測定する塩化物量測定機器10とを使用した。
【0025】
図3(a)に示すように、ふるい3は、フレッシュコンクリート1からモルタル2を分離して採取する工程で、モルタル2と粗骨材12を分別するためのものであり、容器4はふるい3を通過したモルタル2を受けるためのものである。
また、前記したように、モルタルとは、コンクリートから、粗骨材(砕石、砂利)を除いたもの、すなわち、セメントと水とが混練されたセメントペーストと、砂(細骨材)とが混合されたものである。また、一般に細骨材とは5.0mmふるいを通過するものである。
したがって、本実施形態で使用するふるい3の最小ふるい目は5.0mmと定めている。また、ふるい3は、人力で振動が与えられる簡単なものであってもよいし、機械的に振動が付与されるものであってもよい。
また、本実施形態では容器4を使用するとしたが、容器4は必ずしも必要ではなく、その他に例えば、単にシート等を使用してふるい3を通過したモルタル2を集めるようにしてもよい。
【0026】
図3(b)に示すように、計量器5は、ふるい3を通過したモルタル2の一部または全てを計量するためのものであり、公知の装置である台計り、バネ計り等から適宜選択して使用することができる。
【0027】
図3(c)に示すように、容器6は、計量したモルタル2と、これに添加する水7を混合するためのものである。したがって、容器6としては、モルタル2と水7とを収容でき、撹拌中に破損するおそれがないような材質、形状であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン製で袋状のものを使用してもよい。
【0028】
図3(d)に示すように、ミキサ9は、モルタル2と水7とを良好に撹拌するためのものであり、公知であるハンドミキサ、モルタルミキサ等から適宜選択して使用することができる。但し、ミキサ9は必ずしも必要ではなく、その他に例えば、前記した容器6に袋状のものを使用する場合は、モルタル2と添加した水7が入った状態でその開口部を閉じて振動させてることにり、簡易な構成で撹拌することもできる。
【0029】
図3(e)に示すように、塩化物量測定機器10は、モルタル2に水7を添加して調整された希釈モルタル11中の塩化物量(塩化物イオンCl-濃度)を測定するためのものであり、公知の装置を適宜選択して使用することができる。
【0030】
このように、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法で使用する機器は、簡易な構成であるので、現場毎、フレッシュコンクリートのロット毎、測定箇所毎に容易に持ち運ぶことが可能である。
【0031】
続いて、本実施形態に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法について説明する。
【0032】
図3に示すように、本実施形態に係るコンクリート塩化物量測定方法は、フレッシュコンクリート1からモルタル2を分離して採取し、採取したモルタル2に水7を添加して希釈する工程を備えている。
【0033】
▲1▼モルタル分離工程
まず、測定対象のフレッシュコンクリート(図示しない)から、ふるい3に投入できる程度(例えば、1kg)のフレッシュコンクリート1を採取する。
そして、図3(a)に示すように、フレッシュコンクリート1をふるい3に投入した後、ふるい3を振動させて、フレッシュコンクリート1中の粗骨材12からモルタル2を分離させる。分離したモルタル2は、ふるい3のふるい目を通過し容器4に集められる。
【0034】
▲2▼モルタル希釈工程
次に、容器4に集められたモルタル2のうち、図3(b)に示すように、適量(例えば、50〜500g)を計量器5で計量した後、これを図3(c)に示す容器6に移す。そして、容器6に水7を添加して、水結合材比が22質量%以上となるようにモルタル2を希釈する。
【0035】
それから、図3(d)に示すように、ミキサ9を使用して、モルタル2と水7とを良好に混合させて、図3(e)に示すように、希釈モルタル11を作製する。このように、ミキサ9で撹拌することにより、モルタル2が細粒化されると共に、モルタル2に含まれる塩化物は希釈モルタル11において、均一に分散できるので、精度高く塩化物量を測定をすることが可能となる。
【0036】
▲3▼塩化物量測定工程
このように調整した希釈モルタル溶液11中の塩化物イオンの濃度を塩化物量測定機器10により、容易に測定することができる。
【0037】
▲4▼塩化物量計算工程
そして、測定された希釈モルタル中の塩化物量と、フレッシュコンクリートの配合比と、採取したモルタルの質量と、添加した水の量とから、適宜な計算をすることにより、フレッシュコンクリート中の塩化物量を求めることができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されることはない。
【0039】
本発明を表1に示す配合のフレッシュコンクリート(水結合材比W/B=17質量%)に適用した場合について、希釈モルタル中の塩化物量から、フレッシュコンクリート中の塩化物量を算出する一手順について説明する。
【0040】
【表1】
【0041】
ここで、表1の配合のフレッシュコンクリートには、1m3当りに空気が1%、すなわち0.01m3(10リットル)含まれるため、フレッシュコンクリート1m3当りの使用材料の容積は0.99m3(990リットル)である。
また、表1の配合のフレッシュコンクリート1m3当りに含まれるモルタルの質量は、結合材882kg+水150kg+細骨材572kg=合計1604kgである。
【0042】
そして、表1に示す配合のフレッシュコンクリートから、ふるいを使用してモルタル400gを分離・計量した。表1に示す配合より算出されるこの400gのモルタルに含まれる結合材、水、及び、細骨材の量を、表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
ここで、採取したモルタル400gは、元のコンクリートに含まれるモルタルの0.4kg/1604kg=1/4010である。
【0045】
そして、この採取し計量したモルタル400gに、水結合材比が22質量%となるように、水11gを添加して、希釈モルタルを調整した。このように調整された希釈モルタルの配合を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
ここで、400gのモルタルに水11gを添加したことは、元のフレッシュコンクリートのスケールで換算すると、水11g×4010=44.11kgの水を加えたことに相当する。
したがって、元のフレッシュコンクリートのスケールで、水を添加することにより増加したフレッシュコンクリートの容積は、水の密度を1g/cm3とすると、990リットル+44.11リットル=約1034リットルとなる。全容積が増加したフレッシュコンクリート中の各材料の質量と容積を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
ここで、水を添加してもフレッシュコンクリート1m3当りの目標空気量は同じであるので、増加した容積(1034リットル)から、フレッシュコンクリート容積990リットル(1m3)当りの各材料の質量と容積を、表4に示す各値を990/1034倍することよりそれぞれ求めて、表5を作成した。
【0050】
【表5】
【0051】
表5より、希釈後のフレッシュコンクリートの1m3当りの配合が得られるため、イオン選択電極方式、電極電流測定法などの、塩化物量測定機器に希釈後のフレッシュコンクリート1m3当りの水量などを入力し、希釈後のフレッシュコンクリート1m3当りの塩化物量を測定した。
【0052】
ここで、測定された希釈したフレッシュコンクリート1m3当りの塩化物量は、元のフレッシュコンクリートの塩化物量の990/1034倍であるため、1034/990倍することにより、元のフレッシュコンクリート1m3当りの塩化物量を求めた。
【0053】
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、水結合材比によって正確に測定することが困難であったフレッシュコンクリート中の塩化物量を、簡易且つ迅速に測定することができるフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法と従来のフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法による測定結果を比較したグラフである。
【図2】本発明に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法と従来のフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法による測定結果を示すグラフである。
【図3】本発明に係るフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法の工程を模式的に示す工程説明図である。(a)は、フレッシュコンクリートからモルタルを採取する状況を示す説明図。(b)は、採取したモルタルの計量状況を示す説明図。(c)は、計量したモルタルに水を添加する希釈状況を示す説明図。(d)は、ミキサによる撹拌状況を示す説明図。(e)は、塩化物量測定機器による測定状況を示す説明図である。
【図4】従来のフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法による測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フレッシュコンクリート
2 モルタル
3 ふるい
4、6 容器
5 計量器
7 水
8 計量カップ
9 ミキサ
10 塩化物量測定機器
11 希釈モルタル
12 粗骨材
Claims (1)
- (a)フレッシュコンクリートからモルタルを分離して採取する工程と、
(b)前記採取したモルタルに水結合材比が22質量%以上となるように水を添加して希釈モルタルを調整する工程と、
(c)前記希釈モルタル中の塩化物量を測定する工程と、
(d)前記フレッシュコンクリートの配合比と、前記採取したモルタルの質量と、前記添加した水の量と、前記測定した塩化物量とから、前記フレッシュコンクリート中の塩化物量を算出する工程と、
を備えたことを特徴とするフレッシュコンクリートの塩化物量測定方法。
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