JP2004210885A

JP2004210885A - Sealing material and scroll fluid machine equipped with the same

Info

Publication number: JP2004210885A
Application number: JP2002379989A
Authority: JP
Inventors: Shingo Miyake; 信吾三宅; Yoshie Sakai; 佳恵酒井
Original assignee: Tokico Ltd
Current assignee: Tokico Ltd
Priority date: 2002-12-27
Filing date: 2002-12-27
Publication date: 2004-07-29
Anticipated expiration: 2022-12-27
Also published as: JP4128442B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a sealing material having a low coefficient of friction and excellent abrasion resistance and to provide a scroll fluid machine equipped with the same. <P>SOLUTION: The sealing material comprises a polytetrafluoroethylene, spherical copper powder and a pitch-based carbon fiber. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材及びそれを備えたスクロール流体機械に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、耐熱性、耐薬品性、摺動性等に優れたエンジニアリングプラスチックが、従来の金属材料に替わって広く利用されている。特に、耐熱性、耐摩耗性、潤滑性が要求される無給油式スクロール圧縮機のシール材としては、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）が用いられている。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）は、必ずしも耐摩耗性が十分ではないために、例えば、球状炭素または炭素繊維、二硫化モリブデン、青銅粉等の耐摩耗性に優れた材料を添加することにより、耐摩耗性及び潤滑性の向上を図ったチップシールが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
また、青銅粉の替わりに、銅−鉛共晶粉末を添加したシール材（例えば、特許文献２参照）、あるいは銅系合金粉末を添加したシール材（例えば、特許文献３参照）等も提案されている。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００２−１７４１８８号公報
【特許文献２】
特開平７−２１６１７７号公報
【特許文献３】
特開平６−１０９１３９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のスクロール圧縮機においては、さらなる長寿命化、高性能化が求められており、シール材においても、より摩擦係数が低いもの、耐摩耗性に優れたものが求められている。
しかしながら、従来のシール材では、ＯＮ−ＯＦＦを繰り返す断続運転では、耐摩耗性はほとんど問題無いものの、連続運転、特に長時間の連続運転を行った場合、摩耗が大きくなり、スクロール圧縮機の寿命が短くなる虞がある。特に、シール材とラップ部との間に漏れが生じた場合、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞もある。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材及びそれを備えたスクロール流体機械を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様なシール材及びそれを備えたスクロール流体機械を提供した。
すなわち、本発明のシール材は、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維とを含有してなることを特徴とする。
【０００７】
このシール材では、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維とを含有したことにより、球状銅粉等がポリテトラフルオロエチレン中に均一に分散することで、摩耗速度、摩耗係数共に改善される。これにより、シール材は摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたものとなる。
【０００８】
このシール材では、更に、二硫化モリブデンを添加するのが好ましい。
また、前記球状銅粉は５〜２５重量％、前記ピッチ系炭素繊維は５〜２０重量％、前記二硫化モリブデンは１〜１０重量％それぞれ含有することとし、残部は前記ポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物であることとするのが更に好ましい。
また、前記ポリテトラフルオロエチレンは、変性ポリテトラフルオロエチレンを主成分とすることが好ましい。
【０００９】
本発明のスクロール流体機械は、鏡板の一主面側に渦巻状のラップ部が立設された一対のスクロールを前記ラップ部が重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、これらラップ部の少なくとも一方の先端部に形成された溝に、本発明のシール材を備えてなることを特徴とする。
【００１０】
このスクロール流体機械では、ラップ部の少なくとも一方の先端部に形成された溝に本発明の摩擦係数が低く耐摩耗性に優れたシール材を備えたことにより、このシール材と、対向するラップ部との間の摺動性が向上し、シール材とラップ部との間に漏れが生じる虞も無くなる。これにより、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞も無くなり、スクロール流体機械の寿命が延びる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のシール材及びそれを備えたスクロール流体機械について図面を参照して説明する。
ここでは、スクロール流体機械として無給油式スクロール圧縮機を例に取り説明する。
【００１２】
図１は、本発明の一実施形態の無給油式スクロール圧縮機の要部を示す断面図であり、このスクロール圧縮機は、鏡板の一主面側に渦巻状に形成されたスクロールラップ（ラップ部）１ｂを有する固定スクロール１と、鏡板の一主面側に渦巻状に形成されたスクロールラップ（ラップ部）２ｂを有する旋回スクロール２とを備えている。固定スクロール１及び旋回スクロール２は、アルミニウム合金により構成され、スクロールラップ１ｂがスクロールラップ２ｂと互いに噛み合うように、互いに対向して配置されている。これにより、固定スクロール１と旋回スクロール２との間に圧縮室３が形成される。
【００１３】
固定スクロール１のラップ底面１ａとスクロールラップ１ｂの側面には、アルマイトやニッケル系合金からなる被膜６が形成され、旋回スクロール２のラップ底面２ａとスクロールラップ２ｂの側面にも、アルマイトやニッケル系合金からなる被膜６が形成されている。この被膜６は、電解浴にて、陽極で電解処理し、表面に酸化アルミニウムの層（アルマイト）を形成する被膜処理や、無電解メッキ法等によりニッケル系合金による被膜処理を施すことで形成されるもので、被膜処理前に固定スクロール１及び旋回スクロール２それぞれの表面粗さを小さくしておくことにより、この被膜６の表面は、ニッケル系合金特有の柔らかさと相まって、極めて滑らかなものとなっている。
【００１４】
また、このスクロールラップ１ｂの先端部の端面１ｃには、チップシール（シール材）嵌め込み用の溝１ｄが形成され、この溝１ｄにはチップシール（シール材）７ａが嵌め込まれている。また、スクロールラップ２ｂの先端部の端面２ｃにも、チップシール（シール材）嵌め込み用の溝２ｄが形成され、この溝２ｄにもチップシール７ｂが嵌め込まれている。
【００１５】
チップシール７ａ、７ｂは、シール材としての機能を発揮することができるような材料であればよく、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉とを含有する複合材料が好適である。これらポリテトラフルオロエチレン及び球状銅粉には、更に、ピッチ系炭素繊維及び二硫化モリブデンを添加するのが好ましい。
また、ポリテトラフルオロエチレンは、変性ポリテトラフルオロエチレンを主成分とすることが好ましい。
この様な材料組成としては、例えば、球状銅粉を５〜２５重量％、ピッチ系炭素繊維を５〜２０重量％、二硫化モリブデンを１〜１０重量％それぞれ含有し、残部をポリテトラフルオロエチレン及び不可避不純物とした複合材料が好適に用いられる。
【００１６】
ここで、球状銅粉を５〜２５重量％と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、５重量％未満では、球状銅粉の量が少なく、摩耗が増大するという問題が生じ、また、２５重量％を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの割合が少なくなり、各材料の保持性が劣り、摩耗が増大するという問題が生じる。
【００１７】
また、ピッチ系炭素繊維を５〜２０重量％と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、５重量％未満では、相手面への攻撃性が小さく、平滑化しないため、シールの摩耗が増大するという問題が生じ、また、２０重量％を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの量が少なく、また、相手面への攻撃性が高くなり、シールの摩耗が増大するという問題が生じる。
【００１８】
また、二硫化モリブデンを１〜１０重量％と限定した理由は、耐摩耗性に優れ、目標とする寿命を達成することができるからである。なお、１重量％未満では、潤滑性が不足し、摩耗が増大するという問題が生じ、また、１０重量％を超えると、ポリテトラフルオロエチレンの量が少なく、各材料の保持性が劣り、摩耗が増大するという問題が生じる。
【００１９】
この様な構成としたチップシール７ａ、７ｂは、摩耗速度が０．０８〜０．１０μｍ／時、摩擦係数（μ）が０．３３〜０．３９であり、従来のチップシールに比べて耐摩耗性及び潤滑性が大幅に向上している。これにより、このチップシール７ａ、７ｂを用いたスクロール圧縮機を長時間連続運転を行った場合においても、チップシール７ａ、７ｂの摩耗は極めて小さく、スクロール圧縮機の寿命も従来に比べて格段に長くなる。
【００２０】
このスクロール圧縮機では、スクロール中心部側の圧縮室３が高圧側となり、スクロールラップ１ｂ、２ｂで仕切られた隣の圧縮室３との間で圧力差が生じ、チップシール７ａ、７ｂが浮上して、それぞれラップ底面１ａ、２ａ及び溝１ｄ、２ｄの側面に押し付けられ、圧縮室３間のシール性を保つようになっている。
【００２１】
本実施形態のチップシール７ａ、７ｂによれば、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉とを含有する複合材料により構成したので、耐摩耗性及び潤滑性を大幅に向上させることができる。したがって、このチップシール７ａ、７ｂを用いたスクロール圧縮機を長時間連続運転を行った場合においても、チップシール７ａ、７ｂの摩耗を極めて抑制することができ、スクロール圧縮機の寿命を格段に長くすることができる。
【００２２】
また、本実施形態のスクロール圧縮機によれば、摩擦係数が低く耐摩耗性に優れたチップシール７ａ、７ｂを備えたので、チップシール７ａ、７ｂとスクロールラップ１ｂ、２ｂとの間の摺動性を向上させることができ、チップシール７ａ、７ｂとスクロールラップ１ｂ、２ｂとの間の漏れ等の不具合も生じる虞が無く、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞も無く、スクロール圧縮機の寿命を延ばすことができる。
また、チップシール７ａ、７ｂの摩擦係数が低いので、発熱量が少なくなり、動力の損失を小さくすることができる。また、吐出する空気の温度が高くならないので、運転効率を向上させることができる。
【００２３】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【００２４】
実施例１〜３及び比較例１〜４各々において、変性ポリテトラフルオロエチレン（変性ＰＴＦＥ）、球状銅粉、ピッチ系炭素繊維、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、不定形銅粉、青銅粉（銅合金）、ＰＡＮ系炭素繊維を表１に示す配合比となるようにそれぞれ秤量し、これらを混合し、その後、外径（φ）４０ｍｍ、内径（φ）３０ｍｍ、厚み（ｔ）２０ｍｍの形状に成形することにより、実施例１〜３及び比較例１〜４各々の試料を作製した。
【００２５】
【表１】

【００２６】
図２は、実施例１〜３及び比較例１〜４各々の試料の摩耗速度（μｍ／ｈ）を比較した結果である。ここでは、各々について５個の試料の摩耗速度を測定し、その平均値を図示した。
摩耗速度は、リングオンディスク型摩擦・摩耗試験機を用い、摺動速度２ｍ／ｓ、荷重０．２ＭＰａ、温度１２０℃、相手材：アルミ合金に陽極酸化処理、膜厚３０μｍ、硬さ４００Ｈｖ（２５ｇ）、表面粗さ１５Ｒｚ、と、スクロール圧縮機と同様の条件で行った。また、リングは、外径４０ｍｍ、内径３０ｍｍとし、摩耗粉が摩擦面から速やかに除去されるように、幅３ｍｍのスリットを１２本形成し、さらに固定ディスク中心部からエアブローを行った。
【００２７】
図２によれば、実施例１〜３では摩耗速度が０．１０μｍ／ｈ以下と小さく、耐摩耗性に優れていることが分かった。一方、比較例１〜４では摩耗速度が０．１３μｍ／ｈ以上と大きく、実施例１〜３に比べて耐摩耗性に劣っていることが分かった。
【００２８】
図３は、実施例１〜３及び比較例１〜４各々の試料の摩擦係数（μ）を比較した結果である。ここでは、各々について５個の試料の摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
摩擦係数の測定は、上記の「摩耗速度」の測定方法に準じて行った。
【００２９】
図３によれば、実施例１〜３では摩擦係数は０．３３〜０．３９の範囲にあり、ＰＴＦＥを用いた比較例１よりは高く、摺動性が若干低下しているものの、不定形銅粉を用いた比較例２や青銅粉を用いた比較例３と比べて摩擦が小さく、摺動性に優れていることが分かった。
【００３０】
図４は、実施例１の試料について、球状銅粉の添加量（重量％）を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）を比較した結果である。ここでは、各々について５個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図４によれば、球状銅粉の添加量が５〜２５重量％の範囲で摩耗速度が０．１０μｍ／ｈ以下、摩擦係数が０．３５以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、球状銅粉の添加量を５〜２５重量％の範囲内とすればよいことが分かった。
【００３１】
図５は、実施例１の試料について、ピッチ系炭素繊維の添加量（重量％）を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）を比較した結果である。ここでは、各々について５個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図５によれば、ピッチ系炭素繊維の添加量が５〜２０重量％の範囲で摩耗速度が０．１０μｍ／ｈ以下、摩擦係数が０．３９以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、ピッチ系炭素繊維の添加量を５〜２０重量％の範囲内とすればよいことが分かった。
【００３２】
図６は、実施例１の試料について、二硫化モリブデンの添加量（重量％）を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）を比較した結果である。ここでは、各々について５個の試料の摩耗速度及び摩擦係数を測定し、その平均値を図示した。
図６によれば、二硫化モリブデンの添加量が１〜１０重量％の範囲で摩耗速度が０．１０μｍ／ｈ以下、摩擦係数が０．３３以下となり、耐摩耗性及び摺動性に優れていることが分かった。したがって、耐摩耗性及び摺動性を向上させるためには、二硫化モリブデンの添加量を１〜１０重量％の範囲内とすればよいことが分かった。
【００３３】
なお、本実施形態では、本発明のシール材を無給油式スクロール圧縮機に適用した例を示したが、本発明のシール材は、無給油式スクロール圧縮機に限定されることなく、本発明の要旨を超えない範囲で様々なスクロール流体機械に適用可能である。例えば、往復動圧縮機のピストンリングやライダリング、リップリング等に適用することも可能である。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシール材によれば、ポリテトラフルオロエチレンと、球状銅粉と、ピッチ系炭素繊維とを含有したので、摩耗速度、摩耗係数共に大幅に改善することができる。したがって、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れたシール材を実現することができる。
【００３５】
本発明のスクロール流体機械によれば、鏡板の一主面側に渦巻状のラップ部が立設された一対のスクロールを前記ラップ部が重なり合う様に対向配置して圧縮室を形成し、これらラップ部の少なくとも一方の先端部に形成された溝に、本発明のシール材を備えたので、このシール材と、対向するラップ部との間の摺動性を向上させることができ、シール材とラップ部との間に漏れが生じる虞が無い。したがって、再圧縮による温度上昇、ラップ部の損傷等が生じる虞が無く、スクロール流体機械の寿命を格段に延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の無給油式スクロール圧縮機の要部を示す断面図である。
【図２】実施例１〜３及び比較例１〜４各々の摩耗速度（μｍ／ｈ）を示す図である。
【図３】実施例１〜３及び比較例１〜４各々の摩擦係数（μ）を示す図である。
【図４】球状銅粉の添加量を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）それぞれの変化を示す図である。
【図５】ピッチ系炭素繊維の添加量を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）それぞれの変化を示す図である。
【図６】二硫化モリブデンの添加量を変化させた場合の摩耗速度（μｍ／ｈ）及び摩擦係数（μ）それぞれの変化を示す図である。
【符号の説明】
１固定スクロール
１ａラップ底面
１ｂスクロールラップ（ラップ部）
１ｃ端面
１ｄ溝
２旋回スクロール
２ａラップ底面
２ｂスクロールラップ（ラップ部）
２ｃ端面
２ｄ溝
３圧縮室
６被膜
７ａ、７ｂチップシール（シール材）[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a sealing material having a low friction coefficient and excellent wear resistance, and a scroll fluid machine provided with the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, engineering plastics having excellent heat resistance, chemical resistance, slidability, and the like have been widely used in place of conventional metal materials. In particular, polytetrafluoroethylene (PTFE) having a low friction coefficient and excellent wear resistance is used as a sealing material for an oilless scroll compressor requiring heat resistance, wear resistance, and lubricity. .
However, since polytetrafluoroethylene (PTFE) does not always have sufficient wear resistance, for example, by adding a material having excellent wear resistance such as spherical carbon or carbon fiber, molybdenum disulfide, and bronze powder. In addition, a tip seal with improved wear resistance and lubricity has been proposed (for example, see Patent Document 1).
In addition, instead of bronze powder, a sealing material to which copper-lead eutectic powder is added (for example, see Patent Document 2) or a sealing material to which copper-based alloy powder is added (for example, see Patent Document 3) is also proposed. ing.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-174188 [Patent Document 2]
JP-A-7-216177 [Patent Document 3]
JP-A-6-109139
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-mentioned conventional scroll compressors, a longer life and higher performance are required, and a sealing material is also required to have a lower friction coefficient and an excellent wear resistance. .
However, in the conventional sealing material, although there is almost no problem in abrasion resistance in intermittent operation in which ON-OFF is repeated, continuous operation, particularly in the case of continuous operation for a long time, abrasion becomes large, and the life of the scroll compressor becomes longer. May be shortened. In particular, when a leak occurs between the sealing material and the wrap portion, there is a possibility that a temperature rise due to recompression, damage to the wrap portion, and the like may occur.
[0005]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a sealing material having a low coefficient of friction and excellent wear resistance, and a scroll fluid machine including the same.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention has provided the following sealing material and a scroll fluid machine provided with the same.
That is, the sealing material of the present invention is characterized by containing polytetrafluoroethylene, spherical copper powder, and pitch-based carbon fibers.
[0007]
This seal material contains polytetrafluoroethylene, spherical copper powder, and pitch-based carbon fiber, so that the spherical copper powder and the like are uniformly dispersed in polytetrafluoroethylene, thereby achieving a wear rate and a wear coefficient. Both will be improved. Thereby, the sealing material has a low coefficient of friction and excellent wear resistance.
[0008]
In this sealing material, it is preferable to further add molybdenum disulfide.
The spherical copper powder contains 5 to 25% by weight, the pitch-based carbon fiber contains 5 to 20% by weight, the molybdenum disulfide contains 1 to 10% by weight, and the remainder is the polytetrafluoroethylene and inevitable. More preferably, it is an impurity.
Further, the polytetrafluoroethylene preferably contains modified polytetrafluoroethylene as a main component.
[0009]
The scroll fluid machine of the present invention forms a compression chamber by arranging a pair of scrolls in which a spiral wrap portion is erected on one main surface side of the end plate so that the wrap portions overlap each other, and forms a compression chamber. The seal member of the present invention is provided in a groove formed in at least one of the tip portions.
[0010]
In this scroll fluid machine, a groove formed at at least one end of the wrap portion is provided with a seal material having a low coefficient of friction and excellent wear resistance according to the present invention. And the slidability between the sealing material and the lap portion is eliminated. As a result, there is no possibility that a temperature rise due to the recompression, damage to the wrap portion, etc. may occur, and the life of the scroll fluid machine is extended.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A seal member according to an embodiment of the present invention and a scroll fluid machine including the seal member will be described with reference to the drawings.
Here, an oilless scroll compressor will be described as an example of the scroll fluid machine.
[0012]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a main part of an oilless scroll compressor according to one embodiment of the present invention. This scroll compressor has a scroll wrap (wrap) formed spirally on one main surface side of a head plate. The fixed scroll 1 has a fixed scroll 1 having a scroll wrap (wrap portion) 2b formed spirally on one main surface side of the end plate. The fixed scroll 1 and the orbiting scroll 2 are made of an aluminum alloy, and are arranged to face each other so that the scroll wrap 1b meshes with the scroll wrap 2b. Thus, a compression chamber 3 is formed between the fixed scroll 1 and the orbiting scroll 2.
[0013]
A coating 6 made of alumite or a nickel-based alloy is formed on the wrap bottom surface 1a of the fixed scroll 1 and the side surface of the scroll wrap 1b. Is formed. The coating 6 is formed by performing an electrolytic treatment with an anode in an electrolytic bath to form a layer of aluminum oxide (alumite) on the surface, or a coating treatment with a nickel-based alloy by an electroless plating method or the like. By reducing the surface roughness of each of the fixed scroll 1 and the orbiting scroll 2 before the coating treatment, the surface of the coating 6 becomes extremely smooth in combination with the softness unique to the nickel-based alloy. ing.
[0014]
A groove 1d for fitting a tip seal (sealant) is formed in an end face 1c at the tip of the scroll wrap 1b, and a tip seal (sealant) 7a is fitted in the groove 1d. Also, a groove 2d for fitting a tip seal (seal material) is formed on the end face 2c at the distal end of the scroll wrap 2b, and the tip seal 7b is fitted into this groove 2d.
[0015]
The

tip seals

7a and 7b may be made of any material that can exhibit a function as a sealing material, and a composite material containing polytetrafluoroethylene and spherical copper powder is preferable. It is preferable to further add pitch-based carbon fiber and molybdenum disulfide to these polytetrafluoroethylene and spherical copper powder.
Further, the polytetrafluoroethylene preferably contains modified polytetrafluoroethylene as a main component.
As such a material composition, for example, spherical copper powder is contained in an amount of 5 to 25% by weight, pitch-based carbon fiber is contained in an amount of 5 to 20% by weight, molybdenum disulfide is contained in an amount of 1 to 10% by weight, and the remainder is polytetrafluoroethylene. Further, a composite material which is an unavoidable impurity is preferably used.
[0016]
Here, the reason why the spherical copper powder is limited to 5 to 25% by weight is because it has excellent wear resistance and can achieve a target life. If the amount is less than 5% by weight, the amount of the spherical copper powder is small, causing a problem of increased wear. Inferior and a problem of increased wear arises.
[0017]
The reason why the pitch-based carbon fiber is limited to 5 to 20% by weight is that it has excellent wear resistance and can achieve a target life. If the amount is less than 5% by weight, the aggressiveness to the mating surface is small and the surface is not smoothed, which causes a problem that the wear of the seal increases. If the amount exceeds 20% by weight, the amount of polytetrafluoroethylene is small. In addition, there is a problem that aggressiveness to the mating surface is increased and wear of the seal is increased.
[0018]
The reason for limiting the molybdenum disulfide to 1 to 10% by weight is that the molybdenum disulfide has excellent wear resistance and can achieve a target life. If the amount is less than 1% by weight, the lubricity becomes insufficient and the problem of increased wear arises. If the amount exceeds 10% by weight, the amount of polytetrafluoroethylene is small, and the retention of each material is inferior. Is increased.
[0019]
The tip seals 7a and 7b having such a configuration have a wear rate of 0.08 to 0.10 μm / hour and a friction coefficient (μ) of 0.33 to 0.39, and are more resistant than conventional tip seals. Abrasion and lubricity are greatly improved. As a result, even when the scroll compressor using the tip seals 7a, 7b is operated continuously for a long time, the wear of the tip seals 7a, 7b is extremely small, and the life of the scroll compressor is much longer than before. become longer.
[0020]
In this scroll compressor, the compression chamber 3 at the center of the scroll is on the high pressure side, and a pressure difference is generated between the compression chamber 3 and the adjacent compression chamber 3 partitioned by the scroll wraps 1b and 2b, so that the tip seals 7a and 7b float. Then, they are pressed against the side surfaces of the wrap bottom surfaces 1a, 2a and the grooves 1d, 2d, respectively, so that the sealing performance between the compression chambers 3 is maintained.
[0021]
According to the tip seals 7a and 7b of the present embodiment, since they are made of a composite material containing polytetrafluoroethylene and spherical copper powder, wear resistance and lubricity can be significantly improved. Therefore, even when the scroll compressor using the tip seals 7a, 7b is operated continuously for a long time, the wear of the tip seals 7a, 7b can be extremely suppressed, and the life of the scroll compressor can be significantly extended. can do.
[0022]
Further, according to the scroll compressor of the present embodiment, since the tip seals 7a and 7b having a low coefficient of friction and excellent wear resistance are provided, the sliding between the tip seals 7a and 7b and the scroll wraps 1b and 2b is provided. Performance, and there is no possibility that problems such as leakage between the tip seals 7a, 7b and the scroll wraps 1b, 2b may occur. The life of the scroll compressor can be extended.
Further, since the coefficient of friction of the tip seals 7a and 7b is low, the amount of generated heat is reduced, and power loss can be reduced. Further, since the temperature of the discharged air does not increase, the operation efficiency can be improved.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0024]
In each of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4, modified polytetrafluoroethylene (modified PTFE), spherical copper powder, pitch-based carbon fiber, molybdenum disulfide, polytetrafluoroethylene (PTFE), amorphous copper powder, Bronze powder (copper alloy) and PAN-based carbon fiber were weighed so as to have the compounding ratios shown in Table 1, and these were mixed. Thereafter, the outer diameter (φ) was 40 mm, the inner diameter (φ) was 30 mm, and the thickness (t). Samples of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4 were produced by molding into a shape of 20 mm.
[0025]
[Table 1]

[0026]
FIG. 2 shows the results of comparing the wear rates (μm / h) of the samples of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4. Here, the wear rate of each of the five samples was measured, and the average value was shown.
The wear rate was measured using a ring-on-disc type friction / wear tester at a sliding speed of 2 m / s, a load of 0.2 MPa, a temperature of 120 ° C., and a mating material: anodized aluminum alloy, a film thickness of 30 μm, and a hardness of 400 Hv ( 25 g), a surface roughness of 15 Rz, and the same conditions as those of the scroll compressor. The ring had an outer diameter of 40 mm and an inner diameter of 30 mm. Twelve slits having a width of 3 mm were formed so that abrasion powder was quickly removed from the friction surface, and air blowing was performed from the center of the fixed disk.
[0027]
According to FIG. 2, it was found that in Examples 1 to 3, the wear rate was as low as 0.10 μm / h or less, and the wear resistance was excellent. On the other hand, in Comparative Examples 1 to 4, the wear rate was as large as 0.13 μm / h or more, and it was found that the wear resistance was inferior to Examples 1 to 3.
[0028]
FIG. 3 shows the results of comparing the friction coefficients (μ) of the samples of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4. Here, the friction coefficient of each of the five samples was measured, and the average value was shown.
The measurement of the friction coefficient was performed according to the above-mentioned method of measuring the “wear rate”.
[0029]
According to FIG. 3, in Examples 1 to 3, the friction coefficient is in the range of 0.33 to 0.39, which is higher than that of Comparative Example 1 using PTFE, and the slidability is slightly lowered, Compared with Comparative Example 2 using the standard copper powder and Comparative Example 3 using the bronze powder, it was found that the friction was small and the slidability was excellent.
[0030]
FIG. 4 shows the results of comparing the wear rate (μm / h) and the friction coefficient (μ) of the sample of Example 1 when the addition amount (% by weight) of the spherical copper powder was changed. Here, the wear rate and the coefficient of friction of each of the five samples were measured, and the average values were shown.
According to FIG. 4, when the addition amount of the spherical copper powder is in the range of 5 to 25% by weight, the wear rate is 0.10 μm / h or less, the friction coefficient is 0.35 or less, and the wear resistance and the slidability are excellent. I knew it was there. Therefore, it was found that the amount of spherical copper powder to be added should be in the range of 5 to 25% by weight in order to improve the wear resistance and slidability.
[0031]
FIG. 5 shows the results of comparing the wear rate (μm / h) and the friction coefficient (μ) of the sample of Example 1 when the addition amount (% by weight) of the pitch-based carbon fiber was changed. Here, the wear rate and the coefficient of friction of each of the five samples were measured, and the average values were shown.
According to FIG. 5, the wear rate is 0.10 μm / h or less and the friction coefficient is 0.39 or less when the addition amount of the pitch-based carbon fiber is in the range of 5 to 20% by weight, and the wear resistance and the slidability are excellent. I knew it was. Therefore, it was found that the addition amount of the pitch-based carbon fiber should be within the range of 5 to 20% by weight in order to improve the wear resistance and the slidability.
[0032]
FIG. 6 shows the results of comparing the wear rate (μm / h) and the friction coefficient (μ) of the sample of Example 1 when the addition amount (% by weight) of molybdenum disulfide was changed. Here, the wear rate and the coefficient of friction of each of the five samples were measured, and the average values were shown.
According to FIG. 6, when the addition amount of molybdenum disulfide is in the range of 1 to 10% by weight, the wear rate is 0.10 μm / h or less, the friction coefficient is 0.33 or less, and the wear resistance and the slidability are excellent. I knew it was there. Therefore, it was found that the addition amount of molybdenum disulfide should be within the range of 1 to 10% by weight in order to improve the wear resistance and slidability.
[0033]
In the present embodiment, an example in which the seal material of the present invention is applied to an oilless scroll compressor has been described. However, the seal material of the present invention is not limited to an oilless scroll compressor, and the present invention is not limited thereto. The present invention can be applied to various scroll fluid machines without departing from the scope of the invention. For example, the present invention can be applied to a piston ring, a rider ring, a lip ring and the like of a reciprocating compressor.
[0034]
【The invention's effect】
As described above, according to the sealing material of the present invention, since the polytetrafluoroethylene, the spherical copper powder, and the pitch-based carbon fiber are contained, both the abrasion speed and the abrasion coefficient can be significantly improved. Therefore, a sealing material having a low coefficient of friction and excellent wear resistance can be realized.
[0035]
According to the scroll fluid machine of the present invention, a compression chamber is formed by arranging a pair of scrolls in which a spiral wrap portion is provided upright on one principal surface side of the end plate so that the wrap portions overlap each other. Since the seal material of the present invention is provided in the groove formed on at least one end of the portion, the slidability between the seal material and the facing lap portion can be improved, There is no risk of leakage between the wrap portion. Therefore, there is no possibility that the temperature rise due to the recompression, damage to the wrap portion, and the like will occur, and the life of the scroll fluid machine can be significantly extended.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing a main part of an oilless scroll compressor according to one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing wear rates (μm / h) of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4.
FIG. 3 is a view showing friction coefficients (μ) of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4.
FIG. 4 is a diagram showing changes in wear rate (μm / h) and friction coefficient (μ) when the amount of spherical copper powder is changed.
FIG. 5 is a graph showing changes in wear rate (μm / h) and friction coefficient (μ) when the amount of pitch-based carbon fibers is changed.
FIG. 6 is a graph showing changes in wear rate (μm / h) and friction coefficient (μ) when the amount of molybdenum disulfide added is changed.
[Explanation of symbols]
1 Fixed scroll 1a Wrap bottom surface 1b Scroll wrap (wrap portion)
1c End face 1d Groove 2 Orbiting scroll 2a Wrap bottom face 2b Scroll wrap (wrap portion)
2c End face 2d Groove 3 Compression chamber 6

Coatings

7a, 7b Tip seal (seal material)

Claims

A sealing material comprising polytetrafluoroethylene, spherical copper powder, and pitch-based carbon fiber.

The sealing material according to claim 1, further comprising molybdenum disulfide.

The spherical copper powder contains 5 to 25% by weight, the pitch-based carbon fiber contains 5 to 20% by weight, the molybdenum disulfide contains 1 to 10% by weight, and the balance is polytetrafluoroethylene and inevitable impurities. 3. The sealing material according to claim 2, wherein:

The sealing material according to claim 1, wherein the polytetrafluoroethylene contains a modified polytetrafluoroethylene as a main component.

A pair of scrolls in which a spiral wrap portion is erected on one main surface side of the end plate are arranged so as to face each other so that the wrap portions overlap each other, and a compression chamber is formed. A scroll fluid machine comprising a groove formed with the seal material according to any one of claims 1 to 4.