JP2004209838A - 厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレイダーにより糸条を多層に組物構成し、所定厚みの厚肉パイプを製造すると共に、糸条の弛みや蛇行による材料特性の低下を生じない、FRP製の厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法を提供することである。
【解決手段】マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプであって、前記多層の組物構成を、本巻き層と該本巻き層の所定数毎に前記本巻き層を締付けるための締付け層とで構成するFRP製厚肉パイプとした。
【選択図】 図1
【解決手段】マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプであって、前記多層の組物構成を、本巻き層と該本巻き層の所定数毎に前記本巻き層を締付けるための締付け層とで構成するFRP製厚肉パイプとした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の糸条或いは繊維束(以下、単に糸条と称する)をマンドレルの周囲に巻き付けて種々の組成体を組成する繊維強化複合材料のパイプの製造方法に係り、特に糸条を複数層に組物構成して製造される厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、ガラス繊維や炭素繊維、あるいはナイロン繊維等の高強力糸条よりなる繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:以下、FRPという。)でパイプやシャフトを製造している。代表例としてはカーボン繊維を混入したカーボンシャフトと呼ばれるシャフトが知られている。このような繊維強化複合材料の製造は、一端から他端に向って外径が略同じか又は単調に減少する単一テーパーの棒状のマンドレル上に離型剤を塗布した上で、極細の炭素繊維を多数並列してエポキシ樹脂等で固めシート状としたプリプレグを複数層重ね巻きして真直なシャフトを成形し、これをオーブン又は金型に装填して加熱硬化する方法が、効率的で精度が良いとして一般的に用いられている。
【0003】
また、繊維強化複合材料の製造方法としては、フィラメントワインディング成形、シートワインディング成形の他に自動的に組成体を成形するブレイディング成形方法も知られている。
【0004】
上記のブレイディング成形方法は、種々の形状のFRPを連続的に自動生産可能とするものであるが、あくまでも比較的薄肉のストレートなパイプやシャフト形状のFRP製造方法である。
【0005】
また、ブレイディング成形を行うブレイダーを複数連設して、連続的に組物構成を形成することで比較的厚肉なパイプを製造する方法も公開されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平7−11552号公報(第1−4頁、第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ブレイディング成形によって厚肉パイプを製造する際に、単に組物層を複数層組成して厚肉状としても、その状態で成形硬化させると弛んだ繊維が蛇行して成形されるので、材料特性の低下を招く。
【0008】
また、特許文献1に記載の厚肉パイプ製造方法は、ブレイダーにより糸条を連続的に組成し、厚肉パイプを製造するものであるが、軟質材からなる長尺棒状体を複数円周上に配列し、その周囲に糸条を巻回して組成し厚肉パイプを形成するものである。
【0009】
そのために、所定厚さの厚肉パイプを製造する際には、前記長尺棒状体の太さを適宜選択する必要があり、また複数層に前記長尺棒状体を組み合わせることも必要となる。
【0010】
本発明の目的は、上記問題点を解消するために、ブレイダーにより糸条を多層に組物構成し、所定厚みの厚肉パイプを製造すると共に、糸条の弛みや蛇行による材料特性の低下を生じない、FRP製の厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプの製造方法であって、所定層数の本巻き層を組成する工程と、該本巻き層を締付ける締付け層を組成する工程とを順次行うことを特徴としている。
【0012】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、所定層数の組物構成の本巻き層により曲げ剛性を高めることができ、さらに、前記本巻き層の所定層数毎に締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、成形後の製品として十分堅固で且つ所定外径寸法の厚肉パイプを製造することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度として組成することを特徴としている。
【0014】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、数十層の組物組成体であっても、同一糸条の大きい組角度の締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、均一な材質で且つ、十分堅固な厚肉パイプを製造することができ、本来の材料特性を発揮する厚肉パイプを得ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする。
【0016】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、曲げ剛性を高めるために小さい組角度の本巻き層を複数層組成しても、その外周を組角度45°以上の締付け層により組成することで、十分堅固な厚肉パイプを製造することができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプであって、前記多層の組物構成を、本巻き層と該本巻き層の所定数毎に前記本巻き層を締付けるための締付け層とで構成したことを特徴としている。
【0018】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、所定層数の組物構成の本巻き層により曲げ剛性を高めることができ、さらに、前記本巻き層の所定層数毎に締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、成形後の製品として十分堅固で且つ所定外径寸法と材料特性を有するFRP製の厚肉パイプを得ることができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度として組成することを特徴としている。
【0020】
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、数十層の組物組成体であっても、同一糸条の大きい組角度の締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、均一な材質で且つ、十分堅固な厚肉パイプを製造することができ、本来の材料特性を発揮する厚肉パイプを得ることができる。
【0021】
請求項6に係る発明は、前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする。
【0022】
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、曲げ剛性を高めるために小さい組角度の本巻き層を複数層組成しても、その外周を組角度45°以上の締付け層により組成することで、十分堅固な厚肉パイプを得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法の実施の形態について、図1から図5に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明に係る厚肉パイプの全体斜視図である。図2は糸状の組物構成を示す概略説明図である。図3は組成される糸条の組角度の説明図である。図4はブレイダーの一例を示す概略的な正面図であり、図5は図4に示したブレイダーの概略側断面図である。
【0025】
図4および図5にもとづき、複数本の強化繊維糸条を交錯させて組成体を組成する自動機であるブレイダーの一構成例について説明する。ブレイダーBRは、ブレイダー本体Bbとマンドレル装置Bmから構成されている。この発明の適用例において、前記マンドレル装置Bmは、マンドレルmの位置を制御するための装置であり、マンドレルmを把持して水平移動および回転動作を行うものである。
【0026】
前記ブレイダー本体Bbは、軸線が水平で一側に開口eを有するほぼ円筒状の機台Fb内に配置された曲率半径Rの曲面状の上板Uと、上板Uの周方向に穿設された軌道に沿って走行するボビンキャリアーCと、ボビンキャリアーCを軌道に沿って走行させるための駆動装置Dと、糸条案内装置Gを有している。
【0027】
そして、ボビンキャリアーCに載置されたボビンからボビンの軸線方向に引き出される糸条Yが上板Uのほぼ中心に集合し、また、マンドレル装置Bmに取り付けられたマンドレルmの位置は、マンドレルm上に形成される組物の組み上げ点Pが上板Uの中心に位置するようになっている。マンドレル装置Bmは、マンドレルmを一次元、二次元あるいは三次元的に位置制御することができる。
【0028】
こうして、ボビンキャリアーCが駆動装置Dによって軌道に沿って走行させられるとともに、マンドレルmの位置がマンドレル装置Bmによって制御され、その結果、多数の糸条Yが交錯し、また、必要に応じて、機台FbのフレームFb’にほぼ水平に配置されたボビンキャリアーCから中糸用糸条yが、軌道に沿って走行するボビンキャリアーCから巻き戻され組み上げられる糸条Yに交絡することにより、ブレイディング(組物)が行われて種々の形状のマンドレルm上に組物が組み上げられる。
【0029】
ブレイディングによる組物作製が完了した後、適当な切断装置によって糸条Yおよびyが切断され、完成した組物を備えたマンドレルmは、マンドレル装置Bmから取り外される。
【0030】
上記ブレイダーBRにより糸条Yを複数層組成して製造される厚肉パイプ1について図1から図3により詳細に説明する。心棒となるマンドレルmの外周に先ず第二の組角度(大きい組角度)θbの組物層を糸条Ybにより組成する。その外周部を覆うように第一の組角度(小さい組角度)θaの組物層を糸条Yaにより複数層組成する。所定層の第一の組角度θaの組物層を組成した後で再度大きい組角度である第二の組角度θbの組物層を糸条Ybにより組成する。さらにその外周部を覆うように第一の組角度θaの組物層を糸条Yaにより複数層組成するようにして、所望厚みの厚肉パイプ1を形成するものである。
【0031】
ここでいう組角度θとは、巻回されながら組成される糸条Yと軸線とのなす角度であって、組角度が小さいとは、軸線と平行に近づく角度で組成されることをいう。なお、上記第一の組角度θaと第二の組角度θbとは、θb>θaの関係を有する。
【0032】
所定本数の糸条Yを組物組成しながら、所望される厚みまで組物層を形成した外層にラッピングテープWRを巻回し、加熱装置にて加熱し樹脂を硬化させて厚肉パイプ1を製造する。完成された厚肉パイプ1は、内径部分の最内層が第二の組角度θbのFRP層11であり、その上に第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層2、その上に第二の組角度θbのFRP層12、次いでその上に第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層3、第二の組角度θbのFRP層13、第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層4、第二の組角度θbのFRP層14を備え、最外層にラッピングテープが硬化した外層20から構成されている。
【0033】
この時に、小さい組角度である第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層は、組物層が緩くならない程度の厚さとしている。これは組角度θが小さい場合、組物層の締まりが締まりにくく緩みがちとなるために、小さい組角度の組物層を一定以上厚くすることができないからである。
【0034】
一般に、組物構成によるパイプ状のFRP組成体は複数層数の組物組成体であって、小さい組角度で且つ10層以上の組物層を有する厚肉のパイプ状組成体を製造することは困難である。
【0035】
単に多層の組物構成により厚肉のパイプ状組成体を製造すると、外層部にいくにつれて弛みが生じてくる。弛みが生じた状態のまま加熱硬化して厚肉パイプを成形しても、繊維が蛇行したり曲がったりするので、曲げ強度や引張強度等の材料特性は十分には得られない。
【0036】
そのために、小さい組角度である第一の組角度θaの組物層(本巻き層となる)を所定層数組成した後で、少なくとも1層の大きい組角度である第二の組角度θbの組物層(締付け層)で締付けるように組成すると、厚肉で且つ締まりのよい組物組成パイプを製造することができ、本来の材料特性が得られる。つまり、本巻き層である組物層の組角度よりも大きな組角度の締付け層で締付けるように組成し、十分な材料特性を発揮可能とした構成である。また、所定層数の小さな組角度である第一の組角度θaを少なくとも1層の第二の組角度θbで巻回して締付ける構成とし、その構成を順次繰り返すことで、さらに厚いパイプを製造することができる。
【0037】
この時に、第二の組角度θbの組物層は1層に限定されるものではなく、2層でも3層でもよく、所定層数の第一の組角度θaの本巻き層を締め付けて、所定の外径寸法に保持する強度を有する程度の層数でよい。
【0038】
また、組物構成された外層をラッピングテープで巻いて締付ける構成とするので、ラッピングテープのみで十分な締付け力が得られる場合には、前記組物構成の最外層部に組角度の大きい締付け層を設けなくてもよい。
【0039】
前記中間層部の締付け層を糸条Yの組物構成ではなく、所定層数の本巻き層毎にラッピングテープを巻き付ける構成としてもよいが、前記ラッピングテープの材質が糸条Yと異なる場合には、組物層内に異物が残ることになり、所望の材料特性や形状精度が得られ難いことがある。そのために、同一糸条Yによって、組角度を大きくして締付け層を構成する方法がより好適である。
【0040】
図1に示す厚肉パイプ1は、内径dの中空部と製品外径Dの厚肉パイプ1であり、小さい組角度である第一の組角度θaのFRP層(1,2,3,4)と大きい組角度である第二の組角度θbのFRP層(11,12,13,14)とが順次積層されて構成されている。また、最外層はラッピングテープWRを巻回して加熱硬化したものである。
【0041】
上記したように本発明に係る厚肉パイプ1の製造方法は、ブレイディングシステムにより熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)または熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂)を含浸又は混繊してある複数の糸条Y(あるいは紐状のプリプレグ、例えばガラス繊維や炭素繊維)をマンドレルmに巻き付けるように交錯させて、ブレイディング組成体(組物組成体)を成形するものである。前記組物組成体を作製後に加熱処理することで、糸条やプリプレグに含浸していた樹脂が硬化し、互いの組物層(ブレイディング層)を溶融一体化して、極めて強固なパイプ成形品を完成させることができる。
【0042】
この時に、組物組成体の表面に、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等のFRP成形用ラッピングテープWRを巻き付けた状態で、金型を使用せずに、前記ラッピングテープWRの熱収縮性を利用し、成形圧力を付与させて、加熱硬化させることができる。
【0043】
次に、厚肉パイプ1の実施例について説明する。内径部分の最内層の大きい組角度である第二の組角度θbのFRP層11として、組角度60°の組物組成体を1層形成し、その上に組角度10°の組物組成体を8層形成し、さらに組角度60°の組物組成体を1層形成し、次に組角度10°の組物組成体を9層形成し、さらに組角度60°の組物組成体を1層形成し・・・、と順次積層していき、全40層の所定厚さの厚肉パイプ1を形成した。
【0044】
つまり、合計40層の組物組成体を形成する時には、1層目と10層目、20層目、30層目、40層目とに大きい組角度60°のFRP層とし、その中間部の本巻き層に相当する小さい組角度10°のFRP層を形成して、最外層にラッピングテープWRを巻回してパイプ状の組物組成体を形成した。
【0045】
上記の構成の厚肉パイプ1は、小さい組角度10°の複数層の組物組成体により強固な曲げ剛性を得ることができる。またこの時に、パイプ軸線に平行な組角度0°の中糸用糸条yを混入した組成体としてもよい。この中糸用糸条yを含む構成とすればさらに曲げ剛性の強い組物組成体を形成することができる。
【0046】
もちろん、前記中糸用糸条yは、大きい組角度60°の組物組成体中に混入させることも可能である。しかし、該中糸用糸条yを含む組物組成体とすれば、組角度の小さい糸条が増加することになって、締まり難い組物組成体となるので、その分、締付け層による締付け力を増加させることが必要である。
【0047】
前記のように、厚肉パイプ1は大きい組角度の締付け層を有する組物組成体として形成されており、一定層数の小さい組角度の組物層毎に締付け層を介在させて、順次組物組成体全体を締付けながら組物構成を行う構成であるので、外径寸法の安定したきっちりと締まった構造となり、本来の材料特性を十分発揮することができる。
【0048】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る製造方法により得られる厚肉パイプ1は、曲げ強度や引張強度等に関して本来の材料特性を備えるFRPパイプ部材であることが確認された。そのために、本厚肉パイプ1は、所定の曲げ強度や引張強度を要求される各種の構成部材として利用可能であり、特にFRP製品で軽量化が可能であるために、軽量化と同時に所定の曲げ強度や引張強度を要求される構成部材として有効利用が可能である。
【0049】
また、実施例として合計40層の組物組成体について説明したが、本発明に係る厚肉パイプは、それ以上の組物層の厚肉パイプを形成することも可能であり、小さい組角度の組物組成体に緩みが生じない層数(8〜10層)毎に、組角度の大きい締付け層を介在させる構成とすればよい。この組角度の大きい締付け層としては、下部組成体を締付ける程度の組角度である45°以上の組角度が必要であると共に、多数の糸条Yaを組成する際に隣り合った糸条Ya同士に隙間が生じず、きっちりと配列される程度の組角度が望ましく、本実施例の60°近辺が好適であった。
【0050】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、組物層が弛むこともなく、きっちりと締まった組物構成の厚肉パイプを製造することができ、所望される形状寸法と材料特性を有するFRP製の厚肉パイプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る厚肉パイプの全体斜視図である。
【図2】糸状の組物構成を示す概略説明図である。
【図3】組成される糸条の組角度の説明図である。
【図4】ブレイダーの一例を示す概略的な正面図である。
【図5】図4に示したブレイダーの概略側断面図である。
【符号の説明】
1 厚肉パイプ
2,3,4 FRP層(第一の組角度:本巻き層)
11,12,13,14 FRP層(第二の組角度:締付け層)
20 外層(ラッピングテープ)
Ya,Yb 糸条(樹脂を含浸した糸条)
θ 組角度
θa 第一の組角度(本巻き層)
θb 第二の組角度(締付け層)
BR ブレイダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の糸条或いは繊維束(以下、単に糸条と称する)をマンドレルの周囲に巻き付けて種々の組成体を組成する繊維強化複合材料のパイプの製造方法に係り、特に糸条を複数層に組物構成して製造される厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、ガラス繊維や炭素繊維、あるいはナイロン繊維等の高強力糸条よりなる繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:以下、FRPという。)でパイプやシャフトを製造している。代表例としてはカーボン繊維を混入したカーボンシャフトと呼ばれるシャフトが知られている。このような繊維強化複合材料の製造は、一端から他端に向って外径が略同じか又は単調に減少する単一テーパーの棒状のマンドレル上に離型剤を塗布した上で、極細の炭素繊維を多数並列してエポキシ樹脂等で固めシート状としたプリプレグを複数層重ね巻きして真直なシャフトを成形し、これをオーブン又は金型に装填して加熱硬化する方法が、効率的で精度が良いとして一般的に用いられている。
【0003】
また、繊維強化複合材料の製造方法としては、フィラメントワインディング成形、シートワインディング成形の他に自動的に組成体を成形するブレイディング成形方法も知られている。
【0004】
上記のブレイディング成形方法は、種々の形状のFRPを連続的に自動生産可能とするものであるが、あくまでも比較的薄肉のストレートなパイプやシャフト形状のFRP製造方法である。
【0005】
また、ブレイディング成形を行うブレイダーを複数連設して、連続的に組物構成を形成することで比較的厚肉なパイプを製造する方法も公開されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平7−11552号公報(第1−4頁、第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ブレイディング成形によって厚肉パイプを製造する際に、単に組物層を複数層組成して厚肉状としても、その状態で成形硬化させると弛んだ繊維が蛇行して成形されるので、材料特性の低下を招く。
【0008】
また、特許文献1に記載の厚肉パイプ製造方法は、ブレイダーにより糸条を連続的に組成し、厚肉パイプを製造するものであるが、軟質材からなる長尺棒状体を複数円周上に配列し、その周囲に糸条を巻回して組成し厚肉パイプを形成するものである。
【0009】
そのために、所定厚さの厚肉パイプを製造する際には、前記長尺棒状体の太さを適宜選択する必要があり、また複数層に前記長尺棒状体を組み合わせることも必要となる。
【0010】
本発明の目的は、上記問題点を解消するために、ブレイダーにより糸条を多層に組物構成し、所定厚みの厚肉パイプを製造すると共に、糸条の弛みや蛇行による材料特性の低下を生じない、FRP製の厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプの製造方法であって、所定層数の本巻き層を組成する工程と、該本巻き層を締付ける締付け層を組成する工程とを順次行うことを特徴としている。
【0012】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、所定層数の組物構成の本巻き層により曲げ剛性を高めることができ、さらに、前記本巻き層の所定層数毎に締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、成形後の製品として十分堅固で且つ所定外径寸法の厚肉パイプを製造することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度として組成することを特徴としている。
【0014】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、数十層の組物組成体であっても、同一糸条の大きい組角度の締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、均一な材質で且つ、十分堅固な厚肉パイプを製造することができ、本来の材料特性を発揮する厚肉パイプを得ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする。
【0016】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、曲げ剛性を高めるために小さい組角度の本巻き層を複数層組成しても、その外周を組角度45°以上の締付け層により組成することで、十分堅固な厚肉パイプを製造することができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプであって、前記多層の組物構成を、本巻き層と該本巻き層の所定数毎に前記本巻き層を締付けるための締付け層とで構成したことを特徴としている。
【0018】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、所定層数の組物構成の本巻き層により曲げ剛性を高めることができ、さらに、前記本巻き層の所定層数毎に締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、成形後の製品として十分堅固で且つ所定外径寸法と材料特性を有するFRP製の厚肉パイプを得ることができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度として組成することを特徴としている。
【0020】
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、数十層の組物組成体であっても、同一糸条の大きい組角度の締付け層によりパイプ全体を固く締付けることで、均一な材質で且つ、十分堅固な厚肉パイプを製造することができ、本来の材料特性を発揮する厚肉パイプを得ることができる。
【0021】
請求項6に係る発明は、前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする。
【0022】
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、曲げ剛性を高めるために小さい組角度の本巻き層を複数層組成しても、その外周を組角度45°以上の締付け層により組成することで、十分堅固な厚肉パイプを得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る厚肉パイプおよび厚肉パイプの製造方法の実施の形態について、図1から図5に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明に係る厚肉パイプの全体斜視図である。図2は糸状の組物構成を示す概略説明図である。図3は組成される糸条の組角度の説明図である。図4はブレイダーの一例を示す概略的な正面図であり、図5は図4に示したブレイダーの概略側断面図である。
【0025】
図4および図5にもとづき、複数本の強化繊維糸条を交錯させて組成体を組成する自動機であるブレイダーの一構成例について説明する。ブレイダーBRは、ブレイダー本体Bbとマンドレル装置Bmから構成されている。この発明の適用例において、前記マンドレル装置Bmは、マンドレルmの位置を制御するための装置であり、マンドレルmを把持して水平移動および回転動作を行うものである。
【0026】
前記ブレイダー本体Bbは、軸線が水平で一側に開口eを有するほぼ円筒状の機台Fb内に配置された曲率半径Rの曲面状の上板Uと、上板Uの周方向に穿設された軌道に沿って走行するボビンキャリアーCと、ボビンキャリアーCを軌道に沿って走行させるための駆動装置Dと、糸条案内装置Gを有している。
【0027】
そして、ボビンキャリアーCに載置されたボビンからボビンの軸線方向に引き出される糸条Yが上板Uのほぼ中心に集合し、また、マンドレル装置Bmに取り付けられたマンドレルmの位置は、マンドレルm上に形成される組物の組み上げ点Pが上板Uの中心に位置するようになっている。マンドレル装置Bmは、マンドレルmを一次元、二次元あるいは三次元的に位置制御することができる。
【0028】
こうして、ボビンキャリアーCが駆動装置Dによって軌道に沿って走行させられるとともに、マンドレルmの位置がマンドレル装置Bmによって制御され、その結果、多数の糸条Yが交錯し、また、必要に応じて、機台FbのフレームFb’にほぼ水平に配置されたボビンキャリアーCから中糸用糸条yが、軌道に沿って走行するボビンキャリアーCから巻き戻され組み上げられる糸条Yに交絡することにより、ブレイディング(組物)が行われて種々の形状のマンドレルm上に組物が組み上げられる。
【0029】
ブレイディングによる組物作製が完了した後、適当な切断装置によって糸条Yおよびyが切断され、完成した組物を備えたマンドレルmは、マンドレル装置Bmから取り外される。
【0030】
上記ブレイダーBRにより糸条Yを複数層組成して製造される厚肉パイプ1について図1から図3により詳細に説明する。心棒となるマンドレルmの外周に先ず第二の組角度(大きい組角度)θbの組物層を糸条Ybにより組成する。その外周部を覆うように第一の組角度(小さい組角度)θaの組物層を糸条Yaにより複数層組成する。所定層の第一の組角度θaの組物層を組成した後で再度大きい組角度である第二の組角度θbの組物層を糸条Ybにより組成する。さらにその外周部を覆うように第一の組角度θaの組物層を糸条Yaにより複数層組成するようにして、所望厚みの厚肉パイプ1を形成するものである。
【0031】
ここでいう組角度θとは、巻回されながら組成される糸条Yと軸線とのなす角度であって、組角度が小さいとは、軸線と平行に近づく角度で組成されることをいう。なお、上記第一の組角度θaと第二の組角度θbとは、θb>θaの関係を有する。
【0032】
所定本数の糸条Yを組物組成しながら、所望される厚みまで組物層を形成した外層にラッピングテープWRを巻回し、加熱装置にて加熱し樹脂を硬化させて厚肉パイプ1を製造する。完成された厚肉パイプ1は、内径部分の最内層が第二の組角度θbのFRP層11であり、その上に第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層2、その上に第二の組角度θbのFRP層12、次いでその上に第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層3、第二の組角度θbのFRP層13、第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層4、第二の組角度θbのFRP層14を備え、最外層にラッピングテープが硬化した外層20から構成されている。
【0033】
この時に、小さい組角度である第一の組角度θaの複数層の厚いFRP層は、組物層が緩くならない程度の厚さとしている。これは組角度θが小さい場合、組物層の締まりが締まりにくく緩みがちとなるために、小さい組角度の組物層を一定以上厚くすることができないからである。
【0034】
一般に、組物構成によるパイプ状のFRP組成体は複数層数の組物組成体であって、小さい組角度で且つ10層以上の組物層を有する厚肉のパイプ状組成体を製造することは困難である。
【0035】
単に多層の組物構成により厚肉のパイプ状組成体を製造すると、外層部にいくにつれて弛みが生じてくる。弛みが生じた状態のまま加熱硬化して厚肉パイプを成形しても、繊維が蛇行したり曲がったりするので、曲げ強度や引張強度等の材料特性は十分には得られない。
【0036】
そのために、小さい組角度である第一の組角度θaの組物層(本巻き層となる)を所定層数組成した後で、少なくとも1層の大きい組角度である第二の組角度θbの組物層(締付け層)で締付けるように組成すると、厚肉で且つ締まりのよい組物組成パイプを製造することができ、本来の材料特性が得られる。つまり、本巻き層である組物層の組角度よりも大きな組角度の締付け層で締付けるように組成し、十分な材料特性を発揮可能とした構成である。また、所定層数の小さな組角度である第一の組角度θaを少なくとも1層の第二の組角度θbで巻回して締付ける構成とし、その構成を順次繰り返すことで、さらに厚いパイプを製造することができる。
【0037】
この時に、第二の組角度θbの組物層は1層に限定されるものではなく、2層でも3層でもよく、所定層数の第一の組角度θaの本巻き層を締め付けて、所定の外径寸法に保持する強度を有する程度の層数でよい。
【0038】
また、組物構成された外層をラッピングテープで巻いて締付ける構成とするので、ラッピングテープのみで十分な締付け力が得られる場合には、前記組物構成の最外層部に組角度の大きい締付け層を設けなくてもよい。
【0039】
前記中間層部の締付け層を糸条Yの組物構成ではなく、所定層数の本巻き層毎にラッピングテープを巻き付ける構成としてもよいが、前記ラッピングテープの材質が糸条Yと異なる場合には、組物層内に異物が残ることになり、所望の材料特性や形状精度が得られ難いことがある。そのために、同一糸条Yによって、組角度を大きくして締付け層を構成する方法がより好適である。
【0040】
図1に示す厚肉パイプ1は、内径dの中空部と製品外径Dの厚肉パイプ1であり、小さい組角度である第一の組角度θaのFRP層(1,2,3,4)と大きい組角度である第二の組角度θbのFRP層(11,12,13,14)とが順次積層されて構成されている。また、最外層はラッピングテープWRを巻回して加熱硬化したものである。
【0041】
上記したように本発明に係る厚肉パイプ1の製造方法は、ブレイディングシステムにより熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)または熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂)を含浸又は混繊してある複数の糸条Y(あるいは紐状のプリプレグ、例えばガラス繊維や炭素繊維)をマンドレルmに巻き付けるように交錯させて、ブレイディング組成体(組物組成体)を成形するものである。前記組物組成体を作製後に加熱処理することで、糸条やプリプレグに含浸していた樹脂が硬化し、互いの組物層(ブレイディング層)を溶融一体化して、極めて強固なパイプ成形品を完成させることができる。
【0042】
この時に、組物組成体の表面に、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等のFRP成形用ラッピングテープWRを巻き付けた状態で、金型を使用せずに、前記ラッピングテープWRの熱収縮性を利用し、成形圧力を付与させて、加熱硬化させることができる。
【0043】
次に、厚肉パイプ1の実施例について説明する。内径部分の最内層の大きい組角度である第二の組角度θbのFRP層11として、組角度60°の組物組成体を1層形成し、その上に組角度10°の組物組成体を8層形成し、さらに組角度60°の組物組成体を1層形成し、次に組角度10°の組物組成体を9層形成し、さらに組角度60°の組物組成体を1層形成し・・・、と順次積層していき、全40層の所定厚さの厚肉パイプ1を形成した。
【0044】
つまり、合計40層の組物組成体を形成する時には、1層目と10層目、20層目、30層目、40層目とに大きい組角度60°のFRP層とし、その中間部の本巻き層に相当する小さい組角度10°のFRP層を形成して、最外層にラッピングテープWRを巻回してパイプ状の組物組成体を形成した。
【0045】
上記の構成の厚肉パイプ1は、小さい組角度10°の複数層の組物組成体により強固な曲げ剛性を得ることができる。またこの時に、パイプ軸線に平行な組角度0°の中糸用糸条yを混入した組成体としてもよい。この中糸用糸条yを含む構成とすればさらに曲げ剛性の強い組物組成体を形成することができる。
【0046】
もちろん、前記中糸用糸条yは、大きい組角度60°の組物組成体中に混入させることも可能である。しかし、該中糸用糸条yを含む組物組成体とすれば、組角度の小さい糸条が増加することになって、締まり難い組物組成体となるので、その分、締付け層による締付け力を増加させることが必要である。
【0047】
前記のように、厚肉パイプ1は大きい組角度の締付け層を有する組物組成体として形成されており、一定層数の小さい組角度の組物層毎に締付け層を介在させて、順次組物組成体全体を締付けながら組物構成を行う構成であるので、外径寸法の安定したきっちりと締まった構造となり、本来の材料特性を十分発揮することができる。
【0048】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る製造方法により得られる厚肉パイプ1は、曲げ強度や引張強度等に関して本来の材料特性を備えるFRPパイプ部材であることが確認された。そのために、本厚肉パイプ1は、所定の曲げ強度や引張強度を要求される各種の構成部材として利用可能であり、特にFRP製品で軽量化が可能であるために、軽量化と同時に所定の曲げ強度や引張強度を要求される構成部材として有効利用が可能である。
【0049】
また、実施例として合計40層の組物組成体について説明したが、本発明に係る厚肉パイプは、それ以上の組物層の厚肉パイプを形成することも可能であり、小さい組角度の組物組成体に緩みが生じない層数(8〜10層)毎に、組角度の大きい締付け層を介在させる構成とすればよい。この組角度の大きい締付け層としては、下部組成体を締付ける程度の組角度である45°以上の組角度が必要であると共に、多数の糸条Yaを組成する際に隣り合った糸条Ya同士に隙間が生じず、きっちりと配列される程度の組角度が望ましく、本実施例の60°近辺が好適であった。
【0050】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、組物層が弛むこともなく、きっちりと締まった組物構成の厚肉パイプを製造することができ、所望される形状寸法と材料特性を有するFRP製の厚肉パイプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る厚肉パイプの全体斜視図である。
【図2】糸状の組物構成を示す概略説明図である。
【図3】組成される糸条の組角度の説明図である。
【図4】ブレイダーの一例を示す概略的な正面図である。
【図5】図4に示したブレイダーの概略側断面図である。
【符号の説明】
1 厚肉パイプ
2,3,4 FRP層(第一の組角度:本巻き層)
11,12,13,14 FRP層(第二の組角度:締付け層)
20 外層(ラッピングテープ)
Ya,Yb 糸条(樹脂を含浸した糸条)
θ 組角度
θa 第一の組角度(本巻き層)
θb 第二の組角度(締付け層)
BR ブレイダー
Claims (6)
- マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプの製造方法であって、所定層数の本巻き層を組成する工程と、該本巻き層を締付ける締付け層を組成する工程とを順次行うことを特徴とする厚肉パイプの製造方法。
- 前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度として組成することを特徴とする請求項1に記載の厚肉パイプの製造方法。
- 前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする請求項1または2に記載の厚肉パイプの製造方法。
- マンドレルに糸条を多層の組物構成で巻き付けて、前記糸条と、該糸条に含浸させた樹脂とを一体的に硬化させて成形する厚肉パイプであって、前記多層の組物構成を、本巻き層と該本巻き層の所定数毎に前記本巻き層を締付けるための締付け層とで構成したことを特徴とする厚肉パイプ。
- 前記締付け層の組角度を、前記本巻き層の組角度より大きい組角度としたことを特徴とする請求項4に記載の厚肉パイプ。
- 前記締付け層の組角度が45°以上の組角度であることを特徴とする請求項4または5に記載の厚肉パイプ。
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JP2007076312A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Murata Mach Ltd | 衝撃エネルギー吸収性能を有する縫合組物frpパイプ |
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JP4701439B2 (ja) * | 2005-09-16 | 2011-06-15 | 村田機械株式会社 | 衝撃エネルギー吸収性能を有する縫合組物frpパイプ |
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