JP2004208534A - 減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置と方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な設備で簡便に且つ比較的短い時間で果実の害虫駆除を行う。
【解決手段】簡易くん蒸装置は、クリ3を収納する耐圧性の処理容器2と、この処理容器2内の空気を排気して同処理容器内を減圧する排気ポンプ6と、この処理容器2内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧するガス供給源8とを備える。前記の処理容器2にクリ3を収納し、この処理容器2内の空気を排気して減圧し、さらに処理容器2内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧し、この状態を48時間以上保持した後、処理容器2からクリ3を取り出す。
【選択図】 図2
【解決手段】簡易くん蒸装置は、クリ3を収納する耐圧性の処理容器2と、この処理容器2内の空気を排気して同処理容器内を減圧する排気ポンプ6と、この処理容器2内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧するガス供給源8とを備える。前記の処理容器2にクリ3を収納し、この処理容器2内の空気を排気して減圧し、さらに処理容器2内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧し、この状態を48時間以上保持した後、処理容器2からクリ3を取り出す。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実の中に生息する害虫を駆除するため、減圧と加圧との併用により簡易くん蒸する装置と方法に関し、特にクリのように、硬質の外皮を有する果実の中に寄生する害虫を駆除するのに好適な減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クリは食用の果樹果実として人気の高い産物であるが、日本で栽培されているクリは、9月中旬以降に収穫される果実の多くがクリシギゾウムシ、クリミガの幼虫により加害される。特に、クリシギゾウムシによる被害が深刻となっている。両種は共に中晩生種の果実成熟末期から収穫直後にかけて加害が始まり、輸送中や貯蔵中に被害が現れる。
【0003】
クリシギゾウムシによる被害果は果皮に産卵のための小さな穴、いわゆる産卵痕が開いている。卵から幼虫が孵ると、果実が渋皮に沿って浅く線条に食害される。その後、幼虫が発育すると果実の内部が食害される。幼虫は果外に虫糞を出さないため、食害した跡には細かい虫糞が充満している。
【0004】
被害果は食害が進むと果皮が黒くなり、外観上見分けられるようになるが、被害の初期では産卵のための小さな産卵痕があるだけで見落としやすい。10月中旬以降になると齢期が進んだ幼虫が脱出した丸い穴があいている。被害は収穫時期の遅い品種や標高の高い園で多い。
【0005】
クリシギゾウムシは1〜数年に1回発生する。成虫は8月中旬頃から羽化し、果皮と渋皮の間に1個ずつ産卵する。卵は9月中旬頃からふ化し、幼虫が果実を食害する。幼虫の齢期が進むと、10月上旬ごろから幼虫が果実を脱出して土中に潜り、幼虫のまま越冬する。その幼虫が成虫になるのは1〜数年後の夏である。
【0006】
このような生態を持つクリシギゾウムシの幼虫に食害されたクリ果実は、商品価値が無くなり、出荷は出来ない。また仮に幼虫の存在を見落として出荷した場合、輸送中や貯蔵中にその被害が現れるため、実際に取引や消費される時にその食害の影響が現れる。このため、流通業者や消費者に悪い商品イメージを与え、生産地のブランドイメージを落とす結果となる。
【0007】
このため、茨城県で生産されるクリのうち、「筑波」、「石鎚」等の9月以降に収穫される品種は、市場に出荷される前に臭化メチルによるくん蒸処理が施され、消費者にはクリシギゾウムシの卵や幼虫を完全に防除した果実が提供されている。
【0008】
臭化メチルは病害虫の駆除剤として適用範囲が広く、しかも使いやすいため、野菜類、花き類の苗床、床土消毒、施設野菜の土壌消毒等に幅広く使用されてきた。しかし、臭化メチルは、1992年(平成4年)11月に「オゾン層を破壊する物質の規制に関するモントリオール議定書」の規制対象物質に指定され、2005年をもって全廃されることが決定され、その使用が全面禁止されるため、これに代わる新たな防除技術の開発が強く求められている。
【0009】
前述の臭化メチルに代わる病害虫の駆除法として、高圧炭酸ガスや氷温処理等を利用したクリシギゾウムシ防除方法が検討されている。前者は、高圧容器の中にクリの果実を入れ、高圧容器の中に炭酸ガスを高圧充填し、クリシギゾウムシの幼虫を窒息死させる駆除方法である。また後者は、−2〜−3℃の氷温下にクリの果実を保管(または貯蔵)し、クリシギゾウムシの幼虫を凍死させる駆除方法である。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
前記の高圧炭酸ガスや氷温処理等を利用したクリシギゾウムシ防除方法は、高圧タンクや氷温冷蔵庫(または貯蔵庫)が必要であるため、大掛かりな装置を必要とし、コスト高になることに加え、長時間処理を要するなど、効率的かつ簡易な防除方法とはなっていない。
【0011】
クリの害虫による被害を防止するには、クリの生産農家が収穫後、幼虫の齢期が進む前に速やかに害虫駆除を行う必要性があることから、簡単な設備で簡便に且つ比較的短い時間でクリの害虫駆除を行うことが出来る手法を確立する必要がある。このような要請は、クリの果実に限ったものではなく、果実に寄生する害虫により被害を受ける多くの果実に共通するところである。
【0012】
本発明は、前記従来の果実の害虫駆除手段における課題と生産現場での要請とに鑑み、簡単な設備で簡便に且つ比較的短い時間で果実の害虫駆除を行うことが出来る手法として、減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置と方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記の目的を達成するため、果実を一旦大気圧以下の減圧状態に置いた後、果実を炭酸ガスや窒素ガス等のように、果実に生息する害虫が酸欠状態となるような窒息性ガスの加圧状態下に置いて保持することにより、果実に寄生した害虫が空気に代わって窒息性ガスを吸い込みやすくし、これにより害虫を速やかに死滅させるようにするものである。
【0014】
本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置は、果実を収納する耐圧性の処理容器と、この処理容器内の空気を排気して同処理容器内を減圧する減圧手段と、この処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧するガス供給手段とを備えるものである。
【0015】
また、このような減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置を使用したくん蒸方法は、耐圧性の処理容器に果実を収納し、この処理容器内の空気を排気して減圧し、さらに処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧し、この状態を保持した後、処理容器から果実を取り出すものである。この場合、窒息性ガスによる加圧状態は48時間以上保持することが好ましい。
【0016】
このような本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法では、果実を収納した処理容器を一旦減圧して真空とすることにより、果実の中の空気も抜ける。その後、処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧することで、窒息性ガスが果実の内部にまで浸透しやすく、果実の殻の中等に生息する害虫に窒息性ガスが行きわたる。この状態を48時間以上維持することにより、害虫の大半が窒息死するので、害虫が駆除出来るものである。後述するように、果実を収納した処理容器内を窒息性ガスの雰囲気に48時間以上保持することにより、害虫の大半が死滅し、その後の害虫による被害の発生は殆ど無くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に示すように、例えばクリシギゾウムシの産卵期である9月以降に収穫した果実であるクリ3を、プラスチック製のカゴ1に入れる。図1には図示してないが、クリ3は乾燥を避けるため新聞紙で包む。
【0018】
他方、耐圧性の処理容器2を用意する。この処理容器2はハードケースであっても良いが、簡便には可撓性を有するプラスチックシートやゴムシート、ゴム引きシート等を袋状にしたものが使用出来る。例えば、処理容器2として市販の布団圧縮保存袋を使用することが出来る。市販の布団圧縮保存袋は、シートを袋状に成形したもので、中に布団を収納する前の状態のサイズは1100mm×900mmのものが多い。このサイズの布団圧縮保存袋を処理容器2として使用する場合は、前記のカゴ1は約10リットル程度の大きさのものを使用する。
【0019】
布団圧縮保存袋を処理容器2として使用する場合、開口部にはシーラー5が設けられており、このシーラー5がファスナー4で開閉出来る。ファスナー4でシーラー5が閉じられた状態では、処理容器2の内部は気密状態となる。
市販の布団乾燥袋は、後述する窒息性ガスによる加圧時の耐圧性に乏しいため、図2に示すように、表面に布製粘着テープ9を貼り付ける等して補強し、必要な圧力に耐えることが出来るようにする。
【0020】
図2に示すように、前述したクリ3を収納したカゴ1を耐圧性を有する処理容器2の中に入れ、ファスナー4でシーラー5を閉じる。このとき、シーラー5はその一端部分を残して閉じ、処理容器2の一部開いた部分に減圧手段としての排気ポンプ6のノズル7を差し込む。
【0021】
また、ガス供給源8を処理容器2の中に収納しておく。例えばガス供給源8として、処理容器2の最大容積に見合った容積の窒息性ガスを噴出または発生することが出来る圧縮ガスを充填した小形のボンベ或いは液化ガスや固化ガスを収納する。窒息性ガスは、空気に比べて酸素濃度が十分低いガスであり、具体的には炭酸ガスや窒素ガスを使用する。処理容器2内の加圧時の圧力は2〜5気圧程度とする。
【0022】
この状態で、排気ポンプ6を作動させ、処理容器2内の空気を排気し、同処理容器2内を大気圧以下の気圧に減圧する。この減圧により、可撓性を有する気密シートにより成形された処理容器2は大気圧によって潰れるが、カゴ1に収納されたクリ3はカゴ1により保護され、大気圧による加重から保護される。この状態で、処理容器2内は負圧とされ、クリ3の外皮の中の空気も大半が排除される。
【0023】
また、処理容器2の中のガス供給源8から窒息性ガスを発生させ、これを処理容器2の中に充満させることにより、処理容器2内を加圧する。例えば、ガス供給源8として窒息性の圧縮ガスを充填した小形のボンベを処理容器2内に収納した場合は、処理容器2の外部からボンベの栓を開き、ボンベから処理容器2内に窒息性ガスを放出し、これを処理容器2の中に充満させることにより、加圧する。また、ガス供給源8として窒息性ガスの液化ガスや固化ガスを処理容器2の中に収納した場合は、それら液化ガスや固化ガスから蒸発または昇華する窒息性ガスを処理容器2の中に充満させることにより、処理容器2内を加圧する。この処理容器2内での窒息ガスの発生の開始は、処理容器2の減圧開始と同時、減圧開始と前後して或いは減圧完了後の何れの時点でもよい。
【0024】
最も簡便には固化炭酸ガス(商品名「ドライアイス」)を処理容器2の中に入れ、その固化炭酸ガスが昇華することにより発生する炭酸ガスを処理容器2の中に充満させる。この場合、固化炭酸ガスの処理容器2内での昇華は、固化炭酸ガスを処理容器2の中に収納したときから始まるので、前述した処理容器2の減圧は、固化炭酸ガスの昇華により単位時間当たり処理容器内に発生する炭酸ガスの容積より十分大きな排気量で行う必要がある。そして、処理容器2の減圧終了後、処理容器2内の炭酸ガスが十分になるような量の固化炭酸ガスを予め処理容器2の中に収納する。例えば、最大膨張容積が20リットル程度の処理容器2を数気圧に加圧する場合、固化炭酸ガスは150g程度を必要とする。
【0025】
このようにして処理容器2内を窒息性ガスの加圧状態とした後、その状態を48時間以上保持する。こうすることにより、処理容器2内のクリ3の外皮の中の空気が抜けた微細な空隙の中に窒息性ガスが浸透し、クリシギゾウムシ等の害虫を窒息させ、死滅させることが出来る。
【0026】
次に図3に示す実施形態について説明すると、この実施形態は、処理容器2の中にガス供給源8を収納し、処理容器2の内部から窒息性ガスを充満させるのではなく、処理容器2の外部に置いたガス供給源10から処理容器2の内部に窒息性ガスを充填する例である。すなわち、処理容器2内の空気を排気し、同処理容器2を減圧した後、処理容器2のシーラー5の一部開いた部分にガス供給手段としての処理容器2の外部のガス供給源10のノズル11を接続し、このガス供給源10から処理容器2の中に窒息性ガスを供給し、充填し、処理容器2を加圧する。その他の構成及びプロセスは基本的に図1と図2に示した本発明の実施形態と同じである。
【0027】
次に、本発明のより具体的な実施例について説明する。
クリシギゾウムシの産卵痕が1個所以上あるが、食害がまだ発生していないクリの果実(主に「筑波」、「石鎚」)100果を約10リットルのプラスチックのカゴに入れ、乾燥しないように新聞紙で包んだ。他方、処理容器として市販の縦横1100×900mmの布団圧縮保存袋を使用した。この中に前記のクリを入れたカゴと150gの固化炭酸ガスを収納し、ファスナーで開口部のシーラーを閉じた。
【0028】
減圧手段として市販の家庭用電気掃除機を使用し、その吸引側に接続したノズルを前記布団圧縮保存袋の一部開いた開口部に差し込んで気密状態とし、掃除機を15分程度運転して布団圧縮保存袋の中を減圧した。減圧後、布団圧縮保存袋の表面に布製粘着テープを貼って補強した。
【0029】
この減圧を終了すると、固化炭酸ガスの昇華により布団圧縮保存袋の中に炭酸ガスが発生し、布団圧縮保存袋は数分で膨らむ。その後さらに気圧が高まり、減圧終了後15分程でほぼ全ての固化炭酸ガスが昇華し、布団圧縮保存袋の中は最大圧力となる。布団圧縮保存袋の容積は約20リットルであり、その反発力から気圧は約4気圧程度である。
【0030】
この状態で48時間保持し、その後布団圧縮保存袋の口を開けてその中の炭酸ガスを放出し、布団圧縮保存袋からクリが入ったカゴを取り出す。
こうしてクリの処理を行ったのは10月10日であった。その後、11月12日まで図4の横軸に示す日に、クリシギゾウムシの幼虫の発生数を数えた。この結果をクリの果実100果当たりの累積発生数として図4の「減圧+加圧CO248h」と表示したグラフに示した。
【0031】
他方、比較のため、同様にしてクリシギゾウムシの産卵痕が1個所以上あるが、食害がまだ発生していないクリの果実(主に「筑波」、「石鎚」)100果を使用し、幾つかの処理条件で無処理あるいは処理したクリの果実について、前述のものと同様にしてクリシギゾウムシの幼虫の発生数を数えた。その結果をクリの果実100果当たりの累積発生数として図4に示した。
【0032】
図4において、「無処理」は処理せずそのまま放置したもの、「減圧+CO272h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに72時間保持したもの、「CO2+加圧72h」は布団圧縮保存袋を減圧せずに、炭酸ガスを加圧充填し、72時間保持したもの、「減圧+CO224h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに24時間保持したもの、「減圧のみ48h」は布団圧縮保存袋を減圧したが、炭酸ガスを充填せずに48時間保持したもの、「減圧+CO248h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに48時間保持したものである。
【0033】
図5から明らかな通り、本発明による「減圧+加圧CO248h」の処理では、処理から32日経過した後の11月12日現在でクリシギゾウムシの発生は殆ど見られなかった。その発生割合は100果当たり10頭である。
これに対し「無処理」では、クリシギゾウムシが11月12日現在で100果当たり約660頭発生しており、1果当たり平均6.6頭の発生数である。また、比較例の中で最もクリシギゾウムシの発生数が少なかった「減圧+CO248h」でも、クリシギゾウムシが11月12日現在で100果当たり約234頭発生しており、1果当たり平均2.3頭の発生数である。
【0034】
なお、布団圧縮保存袋を減圧した後、炭酸ガスを大気圧程度充填した比較例は、「減圧+CO272h」、「減圧+CO248h」及び「減圧+CO224h」と炭酸ガス充填後の保持時間を72時間、48時間、24時間と3通りに変えて処理したが、その保持時間の長さによる効果は確認されなかった。なお、この加圧せずに炭酸ガスを充填したものは、クリの果実を開いて確認した結果として、クリシギゾウムシの齢期が進んだ幼虫には効果が低いが、齢期が進んでない卵から孵ったばかりの幼虫にはその効果が確認された。
【0035】
以上は、クリの果実に寄生するクリシギゾウムシの駆除を例に本発明の構成を説明したが、本発明はこれに限らず、他の果実に寄生する害虫の駆除にも効果を発揮するものである。特に、クルミや落花生の果実等のように、殻を有する果実の中に寄生する害虫の駆除に効果的である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法では、市販の布団圧縮保存袋や家庭用掃除機等の簡便な処理容器2および排気ポンプ6を使用し、簡便な方法でクリの果実に寄生するクリシギゾウムシ等の駆除を効果的に行えるので、大掛かりな設備を導入することが出来ない生産農家等でも収穫後すぐ果実の害虫駆除の処理をすることが出来る。これにより、生産現場で速やかで効果的な害虫駆除を行うことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す減圧前の状態の説明図である。
【図2】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す減圧時の状態の説明図である。
【図3】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す炭酸ガス充填と加圧時の状態の説明図である。
【図4】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸方法の一実施例の害虫駆除効果を比較例と共に示すグラフである。
【符号の説明】
1 カゴ
2 処理容器
3 クリ
6 排気ポンプ
8 処理容器の内部のガス供給源
10 処理容器の外部のガス供給源
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実の中に生息する害虫を駆除するため、減圧と加圧との併用により簡易くん蒸する装置と方法に関し、特にクリのように、硬質の外皮を有する果実の中に寄生する害虫を駆除するのに好適な減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クリは食用の果樹果実として人気の高い産物であるが、日本で栽培されているクリは、9月中旬以降に収穫される果実の多くがクリシギゾウムシ、クリミガの幼虫により加害される。特に、クリシギゾウムシによる被害が深刻となっている。両種は共に中晩生種の果実成熟末期から収穫直後にかけて加害が始まり、輸送中や貯蔵中に被害が現れる。
【0003】
クリシギゾウムシによる被害果は果皮に産卵のための小さな穴、いわゆる産卵痕が開いている。卵から幼虫が孵ると、果実が渋皮に沿って浅く線条に食害される。その後、幼虫が発育すると果実の内部が食害される。幼虫は果外に虫糞を出さないため、食害した跡には細かい虫糞が充満している。
【0004】
被害果は食害が進むと果皮が黒くなり、外観上見分けられるようになるが、被害の初期では産卵のための小さな産卵痕があるだけで見落としやすい。10月中旬以降になると齢期が進んだ幼虫が脱出した丸い穴があいている。被害は収穫時期の遅い品種や標高の高い園で多い。
【0005】
クリシギゾウムシは1〜数年に1回発生する。成虫は8月中旬頃から羽化し、果皮と渋皮の間に1個ずつ産卵する。卵は9月中旬頃からふ化し、幼虫が果実を食害する。幼虫の齢期が進むと、10月上旬ごろから幼虫が果実を脱出して土中に潜り、幼虫のまま越冬する。その幼虫が成虫になるのは1〜数年後の夏である。
【0006】
このような生態を持つクリシギゾウムシの幼虫に食害されたクリ果実は、商品価値が無くなり、出荷は出来ない。また仮に幼虫の存在を見落として出荷した場合、輸送中や貯蔵中にその被害が現れるため、実際に取引や消費される時にその食害の影響が現れる。このため、流通業者や消費者に悪い商品イメージを与え、生産地のブランドイメージを落とす結果となる。
【0007】
このため、茨城県で生産されるクリのうち、「筑波」、「石鎚」等の9月以降に収穫される品種は、市場に出荷される前に臭化メチルによるくん蒸処理が施され、消費者にはクリシギゾウムシの卵や幼虫を完全に防除した果実が提供されている。
【0008】
臭化メチルは病害虫の駆除剤として適用範囲が広く、しかも使いやすいため、野菜類、花き類の苗床、床土消毒、施設野菜の土壌消毒等に幅広く使用されてきた。しかし、臭化メチルは、1992年(平成4年)11月に「オゾン層を破壊する物質の規制に関するモントリオール議定書」の規制対象物質に指定され、2005年をもって全廃されることが決定され、その使用が全面禁止されるため、これに代わる新たな防除技術の開発が強く求められている。
【0009】
前述の臭化メチルに代わる病害虫の駆除法として、高圧炭酸ガスや氷温処理等を利用したクリシギゾウムシ防除方法が検討されている。前者は、高圧容器の中にクリの果実を入れ、高圧容器の中に炭酸ガスを高圧充填し、クリシギゾウムシの幼虫を窒息死させる駆除方法である。また後者は、−2〜−3℃の氷温下にクリの果実を保管(または貯蔵)し、クリシギゾウムシの幼虫を凍死させる駆除方法である。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
前記の高圧炭酸ガスや氷温処理等を利用したクリシギゾウムシ防除方法は、高圧タンクや氷温冷蔵庫(または貯蔵庫)が必要であるため、大掛かりな装置を必要とし、コスト高になることに加え、長時間処理を要するなど、効率的かつ簡易な防除方法とはなっていない。
【0011】
クリの害虫による被害を防止するには、クリの生産農家が収穫後、幼虫の齢期が進む前に速やかに害虫駆除を行う必要性があることから、簡単な設備で簡便に且つ比較的短い時間でクリの害虫駆除を行うことが出来る手法を確立する必要がある。このような要請は、クリの果実に限ったものではなく、果実に寄生する害虫により被害を受ける多くの果実に共通するところである。
【0012】
本発明は、前記従来の果実の害虫駆除手段における課題と生産現場での要請とに鑑み、簡単な設備で簡便に且つ比較的短い時間で果実の害虫駆除を行うことが出来る手法として、減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置と方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記の目的を達成するため、果実を一旦大気圧以下の減圧状態に置いた後、果実を炭酸ガスや窒素ガス等のように、果実に生息する害虫が酸欠状態となるような窒息性ガスの加圧状態下に置いて保持することにより、果実に寄生した害虫が空気に代わって窒息性ガスを吸い込みやすくし、これにより害虫を速やかに死滅させるようにするものである。
【0014】
本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置は、果実を収納する耐圧性の処理容器と、この処理容器内の空気を排気して同処理容器内を減圧する減圧手段と、この処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧するガス供給手段とを備えるものである。
【0015】
また、このような減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置を使用したくん蒸方法は、耐圧性の処理容器に果実を収納し、この処理容器内の空気を排気して減圧し、さらに処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧し、この状態を保持した後、処理容器から果実を取り出すものである。この場合、窒息性ガスによる加圧状態は48時間以上保持することが好ましい。
【0016】
このような本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法では、果実を収納した処理容器を一旦減圧して真空とすることにより、果実の中の空気も抜ける。その後、処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧することで、窒息性ガスが果実の内部にまで浸透しやすく、果実の殻の中等に生息する害虫に窒息性ガスが行きわたる。この状態を48時間以上維持することにより、害虫の大半が窒息死するので、害虫が駆除出来るものである。後述するように、果実を収納した処理容器内を窒息性ガスの雰囲気に48時間以上保持することにより、害虫の大半が死滅し、その後の害虫による被害の発生は殆ど無くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に示すように、例えばクリシギゾウムシの産卵期である9月以降に収穫した果実であるクリ3を、プラスチック製のカゴ1に入れる。図1には図示してないが、クリ3は乾燥を避けるため新聞紙で包む。
【0018】
他方、耐圧性の処理容器2を用意する。この処理容器2はハードケースであっても良いが、簡便には可撓性を有するプラスチックシートやゴムシート、ゴム引きシート等を袋状にしたものが使用出来る。例えば、処理容器2として市販の布団圧縮保存袋を使用することが出来る。市販の布団圧縮保存袋は、シートを袋状に成形したもので、中に布団を収納する前の状態のサイズは1100mm×900mmのものが多い。このサイズの布団圧縮保存袋を処理容器2として使用する場合は、前記のカゴ1は約10リットル程度の大きさのものを使用する。
【0019】
布団圧縮保存袋を処理容器2として使用する場合、開口部にはシーラー5が設けられており、このシーラー5がファスナー4で開閉出来る。ファスナー4でシーラー5が閉じられた状態では、処理容器2の内部は気密状態となる。
市販の布団乾燥袋は、後述する窒息性ガスによる加圧時の耐圧性に乏しいため、図2に示すように、表面に布製粘着テープ9を貼り付ける等して補強し、必要な圧力に耐えることが出来るようにする。
【0020】
図2に示すように、前述したクリ3を収納したカゴ1を耐圧性を有する処理容器2の中に入れ、ファスナー4でシーラー5を閉じる。このとき、シーラー5はその一端部分を残して閉じ、処理容器2の一部開いた部分に減圧手段としての排気ポンプ6のノズル7を差し込む。
【0021】
また、ガス供給源8を処理容器2の中に収納しておく。例えばガス供給源8として、処理容器2の最大容積に見合った容積の窒息性ガスを噴出または発生することが出来る圧縮ガスを充填した小形のボンベ或いは液化ガスや固化ガスを収納する。窒息性ガスは、空気に比べて酸素濃度が十分低いガスであり、具体的には炭酸ガスや窒素ガスを使用する。処理容器2内の加圧時の圧力は2〜5気圧程度とする。
【0022】
この状態で、排気ポンプ6を作動させ、処理容器2内の空気を排気し、同処理容器2内を大気圧以下の気圧に減圧する。この減圧により、可撓性を有する気密シートにより成形された処理容器2は大気圧によって潰れるが、カゴ1に収納されたクリ3はカゴ1により保護され、大気圧による加重から保護される。この状態で、処理容器2内は負圧とされ、クリ3の外皮の中の空気も大半が排除される。
【0023】
また、処理容器2の中のガス供給源8から窒息性ガスを発生させ、これを処理容器2の中に充満させることにより、処理容器2内を加圧する。例えば、ガス供給源8として窒息性の圧縮ガスを充填した小形のボンベを処理容器2内に収納した場合は、処理容器2の外部からボンベの栓を開き、ボンベから処理容器2内に窒息性ガスを放出し、これを処理容器2の中に充満させることにより、加圧する。また、ガス供給源8として窒息性ガスの液化ガスや固化ガスを処理容器2の中に収納した場合は、それら液化ガスや固化ガスから蒸発または昇華する窒息性ガスを処理容器2の中に充満させることにより、処理容器2内を加圧する。この処理容器2内での窒息ガスの発生の開始は、処理容器2の減圧開始と同時、減圧開始と前後して或いは減圧完了後の何れの時点でもよい。
【0024】
最も簡便には固化炭酸ガス(商品名「ドライアイス」)を処理容器2の中に入れ、その固化炭酸ガスが昇華することにより発生する炭酸ガスを処理容器2の中に充満させる。この場合、固化炭酸ガスの処理容器2内での昇華は、固化炭酸ガスを処理容器2の中に収納したときから始まるので、前述した処理容器2の減圧は、固化炭酸ガスの昇華により単位時間当たり処理容器内に発生する炭酸ガスの容積より十分大きな排気量で行う必要がある。そして、処理容器2の減圧終了後、処理容器2内の炭酸ガスが十分になるような量の固化炭酸ガスを予め処理容器2の中に収納する。例えば、最大膨張容積が20リットル程度の処理容器2を数気圧に加圧する場合、固化炭酸ガスは150g程度を必要とする。
【0025】
このようにして処理容器2内を窒息性ガスの加圧状態とした後、その状態を48時間以上保持する。こうすることにより、処理容器2内のクリ3の外皮の中の空気が抜けた微細な空隙の中に窒息性ガスが浸透し、クリシギゾウムシ等の害虫を窒息させ、死滅させることが出来る。
【0026】
次に図3に示す実施形態について説明すると、この実施形態は、処理容器2の中にガス供給源8を収納し、処理容器2の内部から窒息性ガスを充満させるのではなく、処理容器2の外部に置いたガス供給源10から処理容器2の内部に窒息性ガスを充填する例である。すなわち、処理容器2内の空気を排気し、同処理容器2を減圧した後、処理容器2のシーラー5の一部開いた部分にガス供給手段としての処理容器2の外部のガス供給源10のノズル11を接続し、このガス供給源10から処理容器2の中に窒息性ガスを供給し、充填し、処理容器2を加圧する。その他の構成及びプロセスは基本的に図1と図2に示した本発明の実施形態と同じである。
【0027】
次に、本発明のより具体的な実施例について説明する。
クリシギゾウムシの産卵痕が1個所以上あるが、食害がまだ発生していないクリの果実(主に「筑波」、「石鎚」)100果を約10リットルのプラスチックのカゴに入れ、乾燥しないように新聞紙で包んだ。他方、処理容器として市販の縦横1100×900mmの布団圧縮保存袋を使用した。この中に前記のクリを入れたカゴと150gの固化炭酸ガスを収納し、ファスナーで開口部のシーラーを閉じた。
【0028】
減圧手段として市販の家庭用電気掃除機を使用し、その吸引側に接続したノズルを前記布団圧縮保存袋の一部開いた開口部に差し込んで気密状態とし、掃除機を15分程度運転して布団圧縮保存袋の中を減圧した。減圧後、布団圧縮保存袋の表面に布製粘着テープを貼って補強した。
【0029】
この減圧を終了すると、固化炭酸ガスの昇華により布団圧縮保存袋の中に炭酸ガスが発生し、布団圧縮保存袋は数分で膨らむ。その後さらに気圧が高まり、減圧終了後15分程でほぼ全ての固化炭酸ガスが昇華し、布団圧縮保存袋の中は最大圧力となる。布団圧縮保存袋の容積は約20リットルであり、その反発力から気圧は約4気圧程度である。
【0030】
この状態で48時間保持し、その後布団圧縮保存袋の口を開けてその中の炭酸ガスを放出し、布団圧縮保存袋からクリが入ったカゴを取り出す。
こうしてクリの処理を行ったのは10月10日であった。その後、11月12日まで図4の横軸に示す日に、クリシギゾウムシの幼虫の発生数を数えた。この結果をクリの果実100果当たりの累積発生数として図4の「減圧+加圧CO248h」と表示したグラフに示した。
【0031】
他方、比較のため、同様にしてクリシギゾウムシの産卵痕が1個所以上あるが、食害がまだ発生していないクリの果実(主に「筑波」、「石鎚」)100果を使用し、幾つかの処理条件で無処理あるいは処理したクリの果実について、前述のものと同様にしてクリシギゾウムシの幼虫の発生数を数えた。その結果をクリの果実100果当たりの累積発生数として図4に示した。
【0032】
図4において、「無処理」は処理せずそのまま放置したもの、「減圧+CO272h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに72時間保持したもの、「CO2+加圧72h」は布団圧縮保存袋を減圧せずに、炭酸ガスを加圧充填し、72時間保持したもの、「減圧+CO224h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに24時間保持したもの、「減圧のみ48h」は布団圧縮保存袋を減圧したが、炭酸ガスを充填せずに48時間保持したもの、「減圧+CO248h」は布団圧縮保存袋を減圧し、炭酸ガスを充填したが、充填圧をほぼ大気圧とし、それ以上加圧せずに48時間保持したものである。
【0033】
図5から明らかな通り、本発明による「減圧+加圧CO248h」の処理では、処理から32日経過した後の11月12日現在でクリシギゾウムシの発生は殆ど見られなかった。その発生割合は100果当たり10頭である。
これに対し「無処理」では、クリシギゾウムシが11月12日現在で100果当たり約660頭発生しており、1果当たり平均6.6頭の発生数である。また、比較例の中で最もクリシギゾウムシの発生数が少なかった「減圧+CO248h」でも、クリシギゾウムシが11月12日現在で100果当たり約234頭発生しており、1果当たり平均2.3頭の発生数である。
【0034】
なお、布団圧縮保存袋を減圧した後、炭酸ガスを大気圧程度充填した比較例は、「減圧+CO272h」、「減圧+CO248h」及び「減圧+CO224h」と炭酸ガス充填後の保持時間を72時間、48時間、24時間と3通りに変えて処理したが、その保持時間の長さによる効果は確認されなかった。なお、この加圧せずに炭酸ガスを充填したものは、クリの果実を開いて確認した結果として、クリシギゾウムシの齢期が進んだ幼虫には効果が低いが、齢期が進んでない卵から孵ったばかりの幼虫にはその効果が確認された。
【0035】
以上は、クリの果実に寄生するクリシギゾウムシの駆除を例に本発明の構成を説明したが、本発明はこれに限らず、他の果実に寄生する害虫の駆除にも効果を発揮するものである。特に、クルミや落花生の果実等のように、殻を有する果実の中に寄生する害虫の駆除に効果的である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法では、市販の布団圧縮保存袋や家庭用掃除機等の簡便な処理容器2および排気ポンプ6を使用し、簡便な方法でクリの果実に寄生するクリシギゾウムシ等の駆除を効果的に行えるので、大掛かりな設備を導入することが出来ない生産農家等でも収穫後すぐ果実の害虫駆除の処理をすることが出来る。これにより、生産現場で速やかで効果的な害虫駆除を行うことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す減圧前の状態の説明図である。
【図2】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す減圧時の状態の説明図である。
【図3】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置とこれを使用したくん蒸方法の一実施形態を示す炭酸ガス充填と加圧時の状態の説明図である。
【図4】本発明による減圧と加圧併用による簡易くん蒸方法の一実施例の害虫駆除効果を比較例と共に示すグラフである。
【符号の説明】
1 カゴ
2 処理容器
3 クリ
6 排気ポンプ
8 処理容器の内部のガス供給源
10 処理容器の外部のガス供給源
Claims (3)
- 果実中に生息する害虫を減圧と加圧併用により簡易くん蒸して殺虫する装置であって、果実を収納する耐圧性の処理容器と、この処理容器内の空気を排気して同処理容器内を減圧する減圧手段と、この処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧するガス供給手段とを備えることを特徴とする減圧と加圧併用による簡易くん蒸装置。
- 果実中に生息する害虫を減圧と加圧併用により簡易くん蒸して殺虫する方法であって、耐圧性の処理容器に果実を収納し、この処理容器内の空気を排気して減圧し、さらに処理容器内に空気中の酸素濃度に比べて十分酸素濃度が低い窒息性ガスを充填して加圧し、この状態を保持した後、処理容器から果実を取り出すことを特徴とする減圧と加圧併用による簡易くん蒸方法。
- 窒息性ガスによる加圧状態を48時間以上保持することを特徴とする請求項2に記載の減圧と加圧併用による簡易くん蒸方法。
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