JP2004208124A - 伝送帯域制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定帯域伝送路を利用して、100BASE−TX等のLANデータの非リアルタイム通信と、IP電話・IPテレビ会議等のリアルタイム通信とを混在して通信する際に、リアルタイム通信のオーバーフローを軽減する。
【解決手段】自局側の伝送帯域制御装置30aは、レイヤ3スイッチ15aを経由して供給されるIP電話機7a等からのリアルタイム通信における100BASE−TXデータの集中を監視し、オーバーフローの可能性があると判断したとき、対局側の伝送帯域制御装置30bに通知し、同期させて、パーソナルコンピュータ12a等からのリアルタイム通信における100BASE−TXデータの無線区間における伝送帯域を縮小し、その分、IP電話機7a等のリアルタイム通信の無線区間における伝送帯域を拡大する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リアルタイム通信が必要とされる電話(テレビ電話を含む),ファクシミリ,テレビ会議などの通信と、非リアルタイムのインターネットやLAN(Local Area Network)などの通信とを多重化して伝送可能な多重伝送装置に適用して好適な伝送帯域制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電話(テレビ電話を含む),ファクシミリ,テレビ会議などの通信と低速のデータ回線やLAN等の通信とを多重化して伝送可能な多重伝送装置を利用したシステムが実用化されている。
【0003】
図16は、このようなシステムを具現化した、従来技術に係るマイクロ波多重無線システム2のブロック図を示している。
【0004】
このマイクロ波多重無線システム2は、地点Aと地点B間を、無線機4a,4bを通じて、たとえば6.3[Mbps]×2=12.6[Mbps]の情報をマイクロ波で双方向通信する構成とされている。
【0005】
マイクロ波多重無線システム2は、現在のところ、3[Mbps]−208[Mbps]の範囲で規格化されている(日本国では、非特許文献1参照)。
【0006】
この場合、地点A,Bにおける端末として、電話機6a,6b、テレビ電話8a,8b、サーバ10a,10bおよびパーソナルコンピュータ12a,12b等が配置される。
【0007】
電話機6a,6bは、それぞれ交換機14a,14bを経由し端局装置16a,16bを介して無線機4a,4bに接続される。また、テレビ電話8a,8bは、MPEG2CODEC回路18a,18bを経由し端局装置16a,16bを介して無線機4a,4bに接続される。さらに、サーバ10a,10bは端局装置16a、16bを介して無線機4a,4bに接続され、パーソナルコンピュータ12a,12bは、LAN20a,20bを経由し端局装置16a,16bを介して無線機4a,4bに接続される。
【0008】
このように構成されるマイクロ波多重無線システム2は、現在、一度、経路の設定、いわゆる呼設定を行うと、呼終了まで同じ通信経路を使用して伝送するリアルタイム通信となっている。
【0009】
データの伝送速度(この明細書中では、データの伝送帯域と同じ意味)は、電話機6a,6bの音声ではPCM符号化された64[kbps]、テレビ電話8a,8bの画像ではMPEG2CODEC回路18a,18bで符号化した6.3[Mbps]、パーソナルコンピュータ12a,12bやサーバ10a,10bのLANなどのデータ通信では1.5−6.3[Mbps]となっている。このように、データ伝送帯域が異なるデジタルメディアのデジタルデータの多重化が、端局装置16a,16bで行われる。
【0010】
なお、MPEG2CODEC回路18a,18bのデータは、H.261CODECで符号化した1.5[Mbps]データ、その他MPEG1,MPEG4画像などのデータの場合もある。
【0011】
送信の際、端局装置16a,16bは、上述した64[kbps]データ、6.3[Mbps]データ、および1.5[Mbps]データを、それぞれ固定帯域である、1.544[Mbps],32.064[Mbps],97.728[Mbps],2.048[Mbps],8.448[Mbps],34.368[Mbps],51.840[Mbps],155.520[Mbps]などのいずれかの固定帯域に規格化された速度のデータ複数本に変換し、無線機4a,4bとインタフェースして伝送している。
【0012】
このように、この従来技術に係る多重無線システム2は、IP(Internet Protocol)技術を使用しない、いわゆるSTM(Synchronous Transfer Mode)伝送技術を採用している。
【0013】
【非特許文献1】
国土交通省(旧建設省)「6.5GHz帯128QAM多重無線装置仕様書」建電通仕(国電通仕)第48号、平成12年7月4日制定、p.1−p.18
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近時、IP技術が進展し、音声はIP電話、画像やデータ通信もIPアドレスをつけたインターネット通信が浸透しつつある。つまり、あらゆる端末装置が徐々にIPアドレスを有するIP化端末になりつつある。
【0015】
このような市場の要請に応えるための多重無線装置として、現時点では、実用化されていないが、10BASE−T,100BASE−TX,1000BASE−TなどのLANインタフェースを備えた多重無線装置を構築することが考えられる。なお、LANインタフェースを有する無線装置としては、無線LAN、FWA(Fixed Wireless Access)などが実用化されている。
【0016】
しかしながら、LANインタフェースを備えた多重無線装置において、たとえば100BASE−TXの信号を2地点A,B間で中継する際に、多重無線装置で伝送可能なデータ伝送速度(伝送帯域)である12.6[Mbps]相当が、100BASE−TXの伝送速度(伝送帯域)である約100[Mbps]よりも小さいため、端末が一斉にアクセスする等、無線機4a,4bに入力されるデータ速度が一時的に速くなる場合には、無線機4a,4bの入力端で瞬間的に12.6[Mbps]の速度を超過し、いわゆるオーバーフローが発生してデータが欠損するという問題がある。
【0017】
また、データが欠損しないように、リアルタイム通信のために大容量のバッファを用いた場合には、その分の遅延が発生する。遅延が発生すると、いわゆるIP電話などで「もしもし」と送話した後に相手からの答えに間(ま)、すなわち無言の時間が生じることになり、衛星生中継のような状態となってしまうことから聞き取りにくい通話になってしまうという新たな問題が発生する。
【0018】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、非リアルタイム通信とリアルタイム通信が混在する伝送装置において、電話やテレビ会議などの遅延が許されないメディアでのリアルタイム通信におけるオーバーフローを軽減することを可能とする伝送帯域制御装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この項では、理解の容易化のために添付図面中の符号を付けて説明する。したがって、この項に記載した内容がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではない。
【0020】
この発明の伝送帯域制御装置は、リアルタイム通信を行う第1の送受信端末(101a,101b)に接続される第1の中継装置(15a,15b)および非リアルタイム通信を行う第2の送受信端末(102a,102b)に接続される第2の中継装置(17a,17b)と複数の全二重の固定帯域伝送路(100)との間に挿入される伝送帯域制御装置(30a,30b)であって、前記第1の送受信端末から前記第1の中継装置を経由して送信されるデータ量を監視するデータ量監視手段(55)と、監視しているデータ量が閾値以下のときには、前記固定帯域伝送路の伝送帯域を前記第1の中継装置と前記第2の中継装置との間で一定比率に割り当て、監視しているデータ量が閾値以上となったときには、前記第1の中継装置に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させて、前記リアルタイム通信を優先させる制御を行う伝送帯域制御手段(70)とを備えることを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0021】
この発明によれば、データ量監視手段により、リアルタイム通信を行う第1の送受信端末から第1の中継装置を経由して送信されるデータ量を監視し、伝送帯域制御手段により、データ量監視手段で監視しているデータ量が閾値以下のときには、前記固定帯域伝送路の伝送帯域を前記第1の中継装置と前記第2の中継装置との間で一定比率に割り当て、監視しているデータ量が閾値以上となったときには、前記第1の中継装置に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させて、前記リアルタイム通信を優先させる制御を行うようにしているので、非リアルタイム通信とリアルタイム通信とが混在する伝送装置において、リアルタイム通信のオーバーフローを軽減することができる。
【0022】
なお、送信されるデータ量の監視は、データの実伝送速度(データ実伝送帯域)を直接監視する他、データを一時的に記憶するバッファの残容量、バッファの残容量を判断するためのバッファの書込アドレスと読出アドレスの差等で監視することができる。
【0023】
この場合、前記固定帯域伝送路は、一定伝送単位毎(MF)にデータが伝送されるものであり、ある伝送単位期間に自局側の前記データ量監視手段で監視しているデータ量が閾値以上となったときに、自局側の前記伝送帯域制御手段は、次以降の伝送単位期間で、前記割り当て変更の制御情報を対局側の伝送帯域制御手段に送信し、前記自局側および前記対局側の伝送帯域制御手段は、前記次以降の伝送単位期間から同期して前記第1の送受信端末に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させるように制御することで、送受信の伝送帯域の変更割り当てを同時に行うことができる(請求項2記載の発明)。
【0024】
次以降の伝送単位期間は、たとえば、次の伝送単位期間あるいはその次の伝送単位期間等とすることができる。
【0025】
なお、前記一定伝送単位は、フレーム単位(フレーム単位あるいはマルチフレームを構成するサブフレーム(SF)単位)あるいはマルチフレーム(MF)単位に選択することができる(請求項3記載の発明)。
【0026】
また、固定帯域伝送路は、無線伝送路(100)に限らず、この無線伝送路、光伝送路(100F)あるいは有線伝送路(100M)の少なくとも一つの伝送路が含まれるように構成することができる(請求項4記載の発明)。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
なお、以下に参照する図面において、上記図16に示したものと対応するものには同一の符号を付けている。
【0029】
図1は、この実施形態に係る伝送帯域制御装置30a,30bを含むマイクロ波多重無線システム32のブロック図を示している。なお、伝送帯域制御装置30a,30bは、後に詳しく説明するように、伝送帯域の自動切替制御装置として機能する。
【0030】
この実施形態に係るマイクロ波多重無線システム32は、地点Aと地点B間を、無線機4a,4bを通じて、たとえば6.3[Mbps]×2=12.6[Mbps]の情報をマイクロ波多重の無線で双方向通信可能な全二重の固定帯域伝送路100の構成とされている。なお、この実施形態において、固定帯域伝送路100は、6.3[Mbps]を2系統(固定帯域伝送路100Rと固定帯域伝送路100D)としているが、たとえば、3系統,4系統,あるいは8系統としてもよく、複数であればよい。
【0031】
また、6.3[Mbps]は、例であり、これに代えて、1.544[Mbps],32.064[Mbps],97.728[Mbps],2.048[Mbps],8.448[Mbps],34.368[Mbps],51.840[Mbps],155.520[Mbps]等とすることができる。
【0032】
双方向通信可能な固定帯域伝送路100は、無線機4a,4bを、図2の光多重伝送システム32Fに示すように、光伝送装置34a,34bに代替することで光多重伝送路である光ファイバ100Fを用いることも可能であり、あるいは図3の有線多重伝送システム32Mに示すように、多重化装置34c,34dに代替することで有線伝送路であるメタリックケーブル100Mを用いることも可能である。
【0033】
図1において、地点A,Bには、通話品質を確保するために伝送遅延が許されないリアルタイム通信を行うメディア端末である第1の送受信端末101a,101bとして、IP電話機7a,7b、IPテレビ電話9a,9bが配置され、さらに比較的に伝送遅延を許されるデータ通信などの非リアルタイム通信を行うメディア端末である第2の送受信端末102a,102bとして、サーバ10a,10bおよびパーソナルコンピュータ12a,12b等が配置される。
【0034】
IPテレビ電話9a,9bに代替してテレビ会議装置を接続することもできる。これら各端末はIPアドレスとMAC(Media Access Control)アドレスを有している。
【0035】
IP電話機7a,7bは、それぞれ第1の中継装置であるレイヤ3スイッチ(L3SW)15a,15bおよび伝送帯域制御装置30a,30bを介して無線機4a,4bに接続される。ここで、IP電話機7a,7bは、レイヤ3スイッチ15a,15bに対して、それぞれ100BASE−TX等により接続される。
【0036】
また、IPテレビ電話9a,9bは、第1の中継装置であるレイヤ3スイッチ15a,15bを経由し伝送帯域制御装置30a,30bを介して無線機4a,4bに接続される。このIPテレビ電話9a,9bも、レイヤ3スイッチ15a,15bに対して、それぞれ100BASE−TX等により接続される。
【0037】
さらに、インタフェースがそれぞれ100BASE−TXのサーバ10a,10bおよびパーソナルコンピュータ12a,12bのLAN20a,20bは、第2の中継装置であるレイヤ3スイッチ17a,17bおよび伝送帯域制御装置30a,30bを介して無線機4a,4bに接続される。
【0038】
なお、レイヤ3スイッチ15a,15bは、ネットワーク層(レイヤ3)でルーティング処理を高速に行うスイッチであるが、レイヤ3スイッチ15a,15bに代替してルータ等の中継装置により同等の機能を達成するように構成を変更することもできる。
【0039】
以下の説明にあたり、用語「リアルタイム」と用語「非リアルタイム」とが類似していることを原因として構成および動作の理解に誤解を生じる可能性があることを考慮し、必要に応じて、用語「リアルタイム」を電話等伝送遅延が許されないという意味での用語「リアルタイム系」と置き換えて説明し、用語「非リアルタイム」を遅延が比較的に許されるデータ通信に係わるという意味で用語「データ系」と置き換えて説明する。
【0040】
たとえば、通話品質を確保するために遅延が許されないリアルタイム通信を行うメディア端末であるIP電話機7a,7bおよびIPテレビ電話9a,9bは、それぞれリアルタイム系データを送受信するというように説明する。また、比較的に遅延が許されるデータ通信などの非リアルタイム通信を行うメディア端末であるサーバ10a,10bおよびパーソナルコンピュータ12a,12b等は、それぞれデータ系データを送受信するというように説明する。
【0041】
さらに、固定帯域伝送路100は、第1の6.3[Mbps]のリアルタイム系専用の固定帯域伝送路100Rと、平常時はデータ系用としてオーバーフローアラーム発生時(後述)にはリアルタイム系用およびデータ系用に共用される第2の6.3[Mbps]の固定帯域伝送路100Dとから構成されているというように説明する。
【0042】
図4は、図1−図3のシステム中、伝送帯域制御装置30a,30bの基本的な構成を示すブロック図である。この伝送帯域制御装置30a,30bは、図1に示したレイヤ3スイッチ15a,15b,17a,17bに接続される一方の入出力ポート群50と、無線機4a,4bに接続される他方の入出力ポート群60と、これら入出力ポート群50,60間に配置される伝送帯域制御手段としての送受信制御部70とを備えている。
【0043】
一方の入出力ポート群50は、レイヤ3スイッチ15a,15bに接続されるリアルタイム系の通信ポートである100BASE−TXデータの入出力ポート51s,51rと、レイヤ3スイッチ17a,17bに接続されるデータ系の通信ポートである100BASE−TXデータの入出力ポート52s,52rから構成されている。
【0044】
他方の入出力ポート群60は、無線機4a,4bに接続される、リアルタイム系通信用に割り当てられた送信ポートであるCH1出力ポート61sと受信ポートであるCH1入力ポート61rと、定常時には、データ系通信用に割り当てられ、リアルタイム系通信側にオーバーフローの可能性が発生したときには一部または全部がリアルタイム系通信用に割り当てられる送信ポートであるCH2出力ポート62sと受信ポートであるCH2入力ポート62rとから構成されている。
【0045】
なお、無線機4a,4bは、それぞれが無線区間であるリアルタイム系用の固定帯域伝送路(CH1固定帯域伝送路)100Rと、データ系用の固定帯域伝送路(CH2固定帯域伝送路)100Dを利用するので、図4中、入出力ポート61s,61rの近くと、入出力ポート62s,62rの近くに、便宜上、符号100Rと100Dを記載している。
【0046】
図4に示す送受信制御部70は、全体がPLD(プログラムロジックデバイス)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、あるいはマイクロコンピュータ等により分割して、あるいは一体的に構成される。
【0047】
この送受信制御部70は、基本的には、オーバーフロー検出部55と送信制御部64,84、受信制御部66,86、多数決判定部68、および受信メモリスイッチ72と送信メモリスイッチ82とを備える。
【0048】
オーバーフロー検出部55は、第1の送受信端末101a,101bから第1の中継装置であるレイヤ3スイッチ15a,15bを経由して送信されるリアルタイム系データのデータ量を監視するデータ量監視手段として機能する。
【0049】
送受信制御部70は、このオーバーフロー検出部55により監視しているデータ量が閾値TH以下のとき、いわゆる定常時には、固定帯域伝送路100の伝送帯域をレイヤ3スイッチ15a,15b(換言すれば第1の送受信端末101a,101b)とレイヤ3スイッチ17a,17b(換言すれば第2の送受信端末102a,102b)との間で一定比率、この実施形態では1:1(それぞれ6.3[Mbps])に割り当てるとともに、監視しているデータ量が閾値TH以上となったとき、いわゆるデータが集中してきているとの判断時には、レイヤ3スイッチ15a,15b(換言すれば第1の送受信端末101a,101b)に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させて(この実施形態では定常時の比率1:1を、データ集中時には、第1の送受信端末101a,101bの割当帯域:第2の送受信端末102a,102bの割当帯域=3:1=9.45[Mbps]:3.15[Mbps]に増加させて)、リアルタイム通信を優先させる制御を行う機能を有する。
【0050】
レイヤ3スイッチ15a,15bに接続されているリアルタイム系の入出力ポート51s,51rは、一方の100BASE−TXインタフェース54に接続され、レイヤ3スイッチ17a,17bに接続されているデータ系の入出力ポート52s、52rは、他方の100BASE−TXインタフェース74に接続される。
【0051】
100BASE−TXインタフェース54,74は、それぞれ、入出力ポート51s,51r、52s,52r側から順にRJ−45コネクタとトランスとPHY部とGMI部とMAC処理部からなり、100[Mbps]のシリアルデータと8ビット幅のパラレルデータの相互信号変換{シリパラ(シリアル/パラレル)変換とパラシリ(パラレル/シリアル)変換}を行うとともに、書込アドレスWRADRと読出アドレスRDADRを発生する。
【0052】
すなわち、一方の100BASE−TXインタフェース54は、入力ポート51sから供給されたリアルタイム系データをシリパラ変換し、書込アドレスWRADRで一時的に送信バッファ56に書き込むとともに、一時的に受信バッファ58に書き込まれているリアルタイム系データをパラシリ変換し出力ポート51rに供給する。
【0053】
また、他方の100BASE−TXインタフェース54は、同様に、入力ポート52sから供給されたデータ系データをシリパラ変換し、書込アドレスWRADRで一時的に送信バッファ76に書き込むとともに、一時的に受信バッファ78に書き込まれているデータ系データをパラシリ変換し出力ポート52rに供給する。
【0054】
ここで、リアルタイム通信を行う第1の送受信端末101a,101bの送信データであるリアルタイム系データを一時的に記憶する送信バッファ56および、その受信データを一時的に記憶する受信バッファ58のメモリ容量は、これら送受信バッファ56,58での総遅延時間が通話に違和感を与えない程度の短い時間(1無線区間の場合には、最大で300[ms]程度、なお、たとえば、沖縄と北海道の間を50無線区間に分割しているような場合では、6[ms]/1区間の遅延まで許容される。)となるように設計されている。
【0055】
その一方、非リアルタイム通信を行う第2の送受信端末102a,102bの送受信データであるデータ系データをそれぞれ一時的に記憶する送受信バッファ76,78は、たとえば、数10ミリ秒−数分程度、好ましくは1秒−数秒程度の時間に設計する。送受信バッファ56,58,76,78は、それぞれたとえばFIFO(先入れ先出し)メモリで構成される。
【0056】
送信バッファ56,76に書き込まれているリアルタイム系データは、送信制御部64,84により無線機4a,4b側の伝送帯域(伝送割当帯域)に応じた読出アドレスRDADRで読み出されてラッチされ、パラシリ変換されてCH1出力ポート61sおよびCH2出力ポート62sを通じて、CH1,CH2送信データ(ビットストリームデータ)として無線機4a,4bに供給される。
【0057】
オーバーフロー検出部55は、上述したように、第1の送受信端末101a,101bから送信されるリアルタイム系データのデータ量を監視するデータ量監視手段としての機能を有しているが、より具体的には、送信バッファ56の読出アドレスRDADRと書込アドレスWRADRのアドレス差が外部の入力装置(不図示)により設定可能な閾値TH(閾値THは、この実施形態では800バイトに対応するアドレス差とされている。)より小さくなったときに、オーバーフローの可能性が発生することを知らせるためにレベル「1」となるオーバーフローアラーム信号Soaを送信制御部64に供給する。
【0058】
レベル「1」のオーバーフローアラーム信号Soaを受けた送信制御部64は、制御信号(フラグ)Fovを、CH1送信データのデータ伝送単位毎に複数個(この実施形態では、5個)挿入し(埋め込んで、あるいは付加し)、出力ポート61sおよび無線機4a,4bを通じて他局側の無線機4a,4bの受信制御部66にCH1受信データとして送る。
【0059】
オーバーフローアラーム信号Soaがレベル「1」となった後に、送信制御部64および送信制御部84は、データ系の固定帯域伝送路100Dの伝送帯域の一部(この実施形態では、半分の3.15[Mbps])をオーバーフローの可能性がなくなるまで、すなわちオーバーフローが復旧するまで(この実施形態では、後述するオーバーフロー制御イネーブル信号Seがレベル「0」となるまで)リアルタイム系データの伝送に割り当てる制御処理を行う。
【0060】
この割当変更制御処理(帯域拡大縮小処理)のために送信バッファ56,76と送信制御部84との間に送信メモリスイッチ82を設けている。
【0061】
他局側の無線機4a,4bの受信制御部66は、CH1受信データから制御情報Fovを抽出して、多数決判定部68に送る。
【0062】
多数決判定部68は、制御情報Fovの5個中3個を検出した時点で、レベル「1」の制御情報Fovを含むCH1受信データを受信したことを受信制御部66,受信制御部86にオーバーフロー制御イネーブル信号Seのレベルを「1」として通知する。
【0063】
この通知後に、受信制御部66および受信制御部86は、データ系の固定帯域伝送路100Dの伝送帯域の一部(この実施形態では、半分の3.15[Mbps])を、オーバーフローの可能性がなくなるまで、すなわちオーバーフローが復旧するまで(オーバーフロー制御イネーブル信号Seがレベル「0」となるまで)、リアルタイム系データの伝送に割り当てる制御処理を行う。
【0064】
この割当変更制御処理(帯域拡大縮小処理)のために、受信制御部66,86と受信バッファ58との間に受信メモリスイッチ72を設けている。
【0065】
送信メモリスイッチ82は、送信バッファ56からのリアルタイム系のデータ入力ポートXと送信バッファ76からのデータ系のデータ入力ポートYを有し、出力ポートZが送信制御部84の入力ポートに接続されている。この送信メモリスイッチ82は、送信制御部64からの切替制御信号RPSにより切り替えられ、定常時には、入力ポートYと出力ポートZが接続され、オーバーフローアラーム発生時には、入力ポートXと入力ポートYとが1:2の帯域ずつ出力ポートZに接続される。
【0066】
一方、受信メモリスイッチ72は、受信制御部66からのリアルタイム系のデータ入力ポートUと受信制御部86からのリアルタイム系(データ系ではないことに注意)のデータ入力ポートVを有し、出力ポートWがリアルタイム系のデータメモリである受信バッファ58に接続されている。この受信メモリスイッチ72は、多数決判定部68からの切替制御信号WPSにより切り替えられ、定常時には、入力ポートUと出力ポートWが接続され、オーバーフロー制御イネーブル信号Seがレベル「1」となったときには、入力ポートUと入力ポートVとが2:1の帯域ずつ出力ポートWに接続される。
【0067】
上述したリアルタイム系の送信制御部64は、速度変換機能(パラシリ変換)とタイミング発生機能と制御情報Fovの挿入機能とを有する。データ系の送信制御部84は、速度変換機能(パラシリ変換)とタイミング発生機能とを有する。
【0068】
また、リアルタイム系の受信制御部66は、速度変換機能(シリパラ変換)とフレーム同期機能と制御情報Fovの分離機能とを有する。データ系の受信制御部86は、速度変換機能(シリパラ変換)とフレーム同期機能とタイミング発生機能とを有する。
【0069】
この場合、送信制御部64,84には、基準クロック発生器57からフレームタイミング発生器59を通じて6.3[MHz]の基準クロックと、これを分周したサブフレームクロックおよびマルチフレームクロックが供給されている。なお、繁雑となり理解しにくくなるので図示はしていないが、6.3[MHz]の基準クロック等、必要なクロックが送受信制御部70を構成する各ブロックに供給されている。
【0070】
受信バッファ58,78に書き込まれたデータは、100BASE−TXインタフェース54,74からの読出アドレスRDADRで読み出され、出力ポート51r,52r側に出力される。出力された受信データは、レイヤ3スイッチ15a,17a,15b、17bにおいてMACアドレスあるいはIPアドレスが参照されて、対応するサーバ10a,パーソナルコンピュータ12a,12b、IP電話機7a,7bあるいはIPテレビ電話9a,9bへ振り分けられる。
【0071】
図5は、入出力ポート61s,61r,62s,62rから送受信されるCH1、CH2データの送信伝送単位および受信伝送単位である6.3[Mbps]用マルチフレームMFのフォーマットの一例を示している。
【0072】
マルチフレームMFは、たとえば500[μs]の時間長を有し、それぞれが6.3[Mbps]のデータ容量の第1−第4の4個のサブフレーム(単に、フレームともいう。)SF1−SF4から構成されている。
【0073】
各フレームSFは、125[μs]の時間長を有し、データ伝送用の98個の各8ビットのタイムスロットTSと、同期用・リンク用の1個の5ビットのタイムスロットEFから構成されている。
【0074】
最初の第1フレームSF1の同期・リンク用タイムスロットEFには、「1100D(Dはデータリンクビット)」が、次の第2フレームSF2のタイムスロットEFには、「10100」が、さらに次の第3フレームSF3のタイムスロットEFには、「111SD(Sは対局警報ビット)」が、最後の第4フレームSF4のタイムスロットEFには、「CCCCC(CはCRCチェックビット)」が、それぞれ書き込まれる。
【0075】
マルチフレームMFは、さらに、第1−第4フレームSF1−SF4中、49番目のタイムスロットTS49と、第1フレームSF1中、98番目のタイムスロットTS98が送信制御部64による制御情報Fovの挿入用(制御情報埋め込み用)のタイムスロットとして準備されている。
【0076】
マルチフレームMF中、これら5つのタイムスロットTS49,TS98のそれぞれの第1ビットに、オーバーフローアラーム信号Soaに基づく制御情報Fovが書き込まれる。5個の制御情報Fovは、オーバーフローアラーム信号Soaが能動状態(オーバーフローの可能性がある状態であり、この実施形態ではレベル「1」)であるとき、全て「1」にセットされ、オーバーフローアラーム信号Soaが受動状態(オーバーフローの可能性がない状態であり、この実施形態ではレベル「0」)であるとき、全て「0」にクリアされる。
【0077】
すなわち、オーバーフローアラーム信号Soaに基づく制御情報Fovは、マルチフレームMFの第1フレームSF1でのタイムスロットTS49,TS98、第2−第4フレームSF2−SF4のタイムスロットTS98を使用して送信制御部64から伝送される。
【0078】
これにより、マルチフレームMF中、合計5ビットで1つの同一内容(同値)の制御情報Fovを送信し、受信側では、多数決判定部68による多数決判定(この場合、3個以上検出したとき)により制御情報Fovからオーバーフロー情報を検出し確定する。
【0079】
このように多数決判定とするのは、固定帯域伝送路100において、フェージング等によるノイズを原因とするビット反転あるいはバースト誤りがあっても、正確にオーバーフロー情報を検出するためであるが、その分、データ伝送帯域が減少するので、電波状態がよければ3個であってもよく1個であってもよい。もちろん、電波状態が悪い場合には7個以上設けてもよい。この制御情報Fovの通信のために、この実施形態では、伝送帯域が、実質的に1チャンネルあたり6.3[Mbps]から6.144[Mbbps]に僅かに減少している。
【0080】
図6は、無線機4a,4bの内部構成を示すブロック図である。各無線機4a,4bは、送信部200a,200bと受信部202a,202bと送受共用部204a,204bとから構成されている。
【0081】
伝送帯域制御装置30a,30bの出力ポート61s、62sから、それぞれ送信されるCH1−CH2送信データ(ビットストリームデータ)が、送信信号処理部210において、次段の変調部212の変調方式に応じた無線フレームとなるように並び変えられる。また、並び替えの際には、無線フレームとして同期ビットや付加ビットを多重することが可能となっており、上述した制御情報Fovは、この無線フレームまたは無線フレームに多重化される付加ビットに挿入する構成としてもよい。
【0082】
送信信号処理部210から出力される2チャンネル分のデータは、変調部212でデジタル変調され、デジタル変調後のIF信号が周波数変換部で、マイクロ波である、たとえば6.5[GHz]のRF信号とされ、このRF信号が電力増幅部216で増幅され、自局の無線機4aの送受共用部204aからアンテナを通じて空間に電波が放射される。
【0083】
その一方、自局の送受共用部204aでは、対局の無線機4bから放射された周波数の僅かに異なるRF信号(たとえば、周波数6.5[GHz]に対して周波数160[MHz]だけ異なる信号)の電波を受信し、受信電波を分離して自局の受信部202aを構成する低雑音増幅部226に送る。
【0084】
低雑音増幅部226で増幅された受信RF信号は、周波数変換部224でIF信号とされ、復調部222で復調され、2チャンネル分の出力データが受信信号処理部220に供給される。
【0085】
受信信号処理部220は、多重された無線フレームを分離し、制御情報が付加されたCH1−CH2受信データ(ビットストリームデータ)を復元して、伝送帯域制御装置30bの入力ポート61r,62rに供給する。
【0086】
実際上、図7に示すように、マイクロ波多重無線システム32が構成され、地点Aの自局の無線機4aは、自局送信部200aと自局受信部202aと送受共用部204aを含み、地点Bの対局の無線機4bは、対局送信部200bと対局受信部202bと送受共用部204bを含む。
【0087】
この場合、通信の上り下りは、独立して通信する、いわゆる複信方式になっている。すなわち、太めの点線と一点鎖線で示すように、自局送信部200aと対局受信部202bが通信しているとき、同時に対局送信部200bと自局受信部202aが通信を行うことができる双方向通信となっている。
【0088】
上り下りは固定帯域伝送路100により独立して通信するが、図4に示した伝送帯域制御装置30a,30bの動作を説明する際には、便宜上、同一の図面を使用して説明する。
【0089】
この実施形態に係る伝送帯域制御装置30a,30bを含むマイクロ波多重無線システム32は、基本的には以上のように構成されかつ動作するものであり、次に伝送帯域制御装置30a,30bのより詳細な動作をA.概要動作、B.図8の送信側処理フローチャートおよび図9の受信側処理フローチャートを参照するオーバーフローアラーム発生時におけるリアルタイム系伝送とデータ系伝送との間の帯域割当切替の詳細動作の順に説明する。
【0090】
A.概要動作
無線機4a,4bに対するリアルタイム通信を行う遅延の許されないメディアである第1送受信端末101a,101bと非リアルタイム通信を行う遅延の比較的に許されるメディアである第2送受信端末102a,102bとのインタフェースを、2系列の100BASE−TXインタフェース54,74の構成としている。
【0091】
そして、IP電話機7a,7b等、遅延の許されないメディアである第1の送受信端末101a,101bと一方の100BASE−TXインタフェース54との間に、一方のレイヤ3スイッチ15a,15bを設け、LAN20a,20b等、放送等の配信画像も含む遅延の比較的許されるメディアである第2の送受信端末102a,102bとの間に他方のレイヤ3スイッチ17a,17bを設けている。
【0092】
このように、レイヤ3スイッチ15a,15b、17a,17bと100BASE−TXインタフェース54,74により、リアルタイム系とデータ系との送受信系列を分離することで、遅延の許されないメディア、いわゆるリアルタイム系のメディアである第1の送受信端末101a,101b間のいわゆるリアルタイムの通信が断線とならないように保護するようにしている。
【0093】
換言すれば、遅延の許されるメディア、いわゆるデータ系のメディアである第2の送受信端末102a,102b間の通信のデータ伝送量に左右されないで、遅延の許されないメディアである第1の送受信端末101a、101b間のデータ遅延を送受信バッファ56,58のメモリ容量を制限することで許容範囲内の短い遅延時間とする。
【0094】
上述したように、固定帯域伝送路100の伝送帯域は、6.3[Mbps]の2系列(合計約13[Mbps])としている。無線機4a,4bの入力には、2系列の100BASE−TXインタフェース54,74の2本のCH1,CH2送信データが入力される。
【0095】
各入力は、瞬間的には、100BASE−TXのデータ転送速度の100[Mbps]となることがあるが、長い時間における平均的なデータ転送速度はそれぞれ6.3[Mbps]以下となるようにマイクロ波多重無線システム32のネットワーク系の設計、すなわち各レイヤ3スイッチ15a,15b,17a,17bに収容される端末数を制限している。
【0096】
図4において、送信側について説明すると、送信メモリスイッチ82は、定常時には、送信制御部64により、送信バッファ76と送信制御部84とが接続されるように切り替えられている。
【0097】
この定常時は、遅延の許されないメディアである第1の送受信端末101a,101bからレイヤ3スイッチ15a,15bを経由して伝送されたシリアル送信データが入力ポート51sを介して、その一方、遅延の比較的許されるメディアである第2の送受信端末102a,102bからレイヤ3スイッチ17a,17bを経由して伝送されたシリアル送信データが入力ポート52sを介して、それぞれ100BASE−TXインタフェース54,74を通りパラレルデータとされ、一時的にデータ伝送速度が高くなることを吸収するために設けられた送信バッファ56,76を介して送信制御部64,84に供給される。
【0098】
送信制御部64,84は、パラレルデータを、それぞれ6.3[Mbps]のシリアルデータ列に変換し、無線機4a,4bへCH1,CH2送信データとして送り出す。
【0099】
一方、定常時ではなく、遅延の許されないメディアである第1の送受信端末101a,101bからのシリアルデータのデータ量が多くなってきた場合、送信メモリスイッチ82は、送信制御部64により、送信制御部84が送信バッファ76と送信バッファ56に対してそれぞれ同じ割合(伝送帯域)で接続されるように切り替えられる。このように切り替えれば、出力ポート61sに係る固定帯域伝送路100Rにおける全伝送帯域6.3[Mbps]と出力ポート62sに係る固定帯域伝送路100Dにおける全伝送帯域6.3[Mbps]の半分の伝送帯域3.15[Mbps]の合計で約9.5[Mbps]の伝送帯域が遅延の許されないメディアである第1の送受信端末101a,101b用に割り当てられる制御が行われる。
【0100】
この割当制御は、基本的には、オーバーフロー検出部55の検出結果であるオーバーフローアラーム信号Soaに基づいて送信制御部64が契機処理を行う。すなわち、送信制御部64は、オーバーフローアラーム信号Soaに基づくオーバーフロー情報である制御情報FovをCH1データに付加して自局側から対局側へ送信する。
【0101】
このように制御すれば、遅延の許されない第1の送受信端末101a,101bのデータが多い場合には、無線区間である固定帯域伝送路100のリアルタイム系データ伝送帯域の割り当てを増加させることができる。
【0102】
なお、このとき、遅延の比較的許される第2の送受信端末102a,102bは、伝送帯域が3.2[Mbps]に減少してしまうために待ち時間が長くなるが、メモリ容量の比較的に大きい送信バッファ76に一時的に多量のデータが記憶されることになるので、データが欠落することがない。
【0103】
また、受信側では、受信制御部66により制御情報Fovを判別して、送信側と同期して自動的に受信メモリスイッチ72を切り替えることにより、元通りの100BASE−TXのパラレルデータにもどすことができる。
【0104】
なお、上記の処理以外の処理として、オーバーフロー検出部55でオーバーフローアラームを検出した場合には、100BASE−TXインタフェース54を通じてレイヤ3スイッチ15a,15bへ所定の信号を出力することにより、レイヤ3スイッチ15a,15b内のメモリに一時的に送信データを保存する機能を利用して、送信バッファ56のメモリ段数をできる限り小さくして遅延を少なくするように制御することもできる。
【0105】
以上のように制御することで、QOS(Quality of Service)技術を使用しなくても、遅延を許されないメディアである第1送受信端末101a,101bの送受信の優先化が図られ、かつQOS技術ではパケット、すなわちフレーム毎に優先フレームかどうかを確認するためにレイヤ3スイッチ15a,15bを通る回数が多くなると、確認のための遅延が問題となるが、この実施形態に係る技術では、フレーム毎に確認を行う必要がないので、QOS技術を採用した場合に比較して遅延量の少ない回線が提供できる。したがって、たとえば、品質のよいIP電話網等を実現することが可能である。
【0106】
なお、地点Bから地点Aへの送信も同様であるので、以下の詳細説明では、繁雑となるのを回避するため、地点Aから地点Bへの送信を例として説明する。
【0107】
B.図8の送信側処理フローチャートおよび図9の受信側処理フローチャートを参照するオーバーフローアラーム発生時におけるリアルタイム系伝送とデータ系伝送との間の帯域割当切替の詳細動作の説明
上述したように、定常時には、リアルタイム系データとデータ系データがそれぞれ固定帯域伝送路100Rと100Dを使用して全二重通信が行われている。そこで、まず、送信側のステップS1において、オーバーフローアラームの発生の検出処理が行われる。
【0108】
この場合、オーバーフロー検出部55は、第1の送受信端末101aから送信されるデータ量(伝送帯域)、すなわち100BASE−TXインタフェース54から出力されるデータ量(伝送帯域)が閾値TH以下であるかどうかを判定するための置換判定として、100BASE−TXインタフェース54からの書込アドレスWRADRの値と送信制御部64からの読出アドレスRDADRの値との差を基準クロック(CLK)毎に判定する。なお、基準クロックの周期は、1/6.312[MHz]=160[ns]である。
【0109】
そして、差が閾値TH=800バイト以下になった場合には、データ量が閾値以上に増加してオーバーフロー発生の可能性、この場合、送信バッファ56が満杯となってリアルタイム系データを書き込むことができなくなる状態が発生する可能性があると判定する。
【0110】
図10のタイミング図に示すように、時点t1において、オーバーフローアラーム信号Soaが、オーバーフローの可能性のないことを示すレベル「0」からオーバーフローの可能性があることを示すレベル「1」に変化する。
【0111】
図10は、オーバーフローアラーム発生時(時点t1)および復旧時(時点t6)における送信側のタイミング図を示しており、それぞれ、例としてのオーバーフローアラーム信号Soa、送信制御部64によるオーバーフローアラーム信号Soaの状態(ステータス)の監視タイミングDT、出力ポート61sから出力されるリアルタイム系データのCH1マルチフレームMF1−1〜MF1−8、出力ポート62sから出力されるデータ系データのCH2マルチフレームMF2−1〜MF2−8、多数決判定部68から出力されるオーバーフロー制御イネーブル信号Se(レベル「1」でイネーブル)、送信制御部64から送信メモリスイッチ82の制御入力ポートに供給される切替信号RPSの変化内容、および各マルチフレームMFタイミング毎のリアルタイム系データとデータ系データの伝送帯域の変化[Mbps]を示している。
【0112】
オーバーフローアラーム信号Soaが、時点t1でレベル「1」に変化した後、次の監視タイミングDT(監視タイミングは、各マルチフレームMFの先頭としている。)の時点t2において、送信制御部64によりオーバーフローアラームが発生していることが検出され、その時点t2において、ステップS1の判定が肯定となる。なお、監視タイミングDTは、さらに短い期間でもよく、長い時間としてもよい。
【0113】
次に、ステップS2において、送信制御部64は、マルチフレームMF1−2のサブフレームSF1のタイムスロットTS49の制御情報Fovをセット(Fov←1)して(挿入して)送信を開始する。
【0114】
そして、ステップS3において、そのマルチフレームMF1−2のサブフレームSF4のタイムスロットTS49に挿入される最後の制御情報Fovのセットおよび送信が完了したかどうかを判定する。
【0115】
このとき、ステップS2,S3において、時点t2−t3間のマルチフレームMF1−2をCH1送信データとして、またマルチフレームMF2−2をCH2送信データとして伝送帯域制御装置30aの出力ポート61s、62sから自局送信部200aに転送すると、自局送信部200aから送受共用部204a、無線伝送路である固定帯域伝送路100を経由して、対局側の送受共用部204bで受信され対局受信部202bを通じて伝送帯域制御装置30bの受信制御部66,86でマルチフレームMF1−2、MF2−2がそれぞれ受信される。
【0116】
送信制御部64は、マルチフレームMF1−2を送信した次のマルチフレームMF1−3の開始時点t3から、ステップS4の帯域切替(この場合、帯域拡大)処理を行う。
【0117】
図11は、受信側のそれぞれ、例としての受信制御部66,86による制御情報の検出タイミングDT、入力ポート61rに供給されるCH1受信データのマルチフレームMF1−1〜MF1−8、入力ポート62rに供給されるCH2受信データのマルチフレームMF2−1〜MF2−8、多数決判定部68による多数決判定結果信号md、多数決判定部68から出力されるオーバーフロー制御イネーブル信号Se(レベル「1」でイネーブル)、多数決判定部68から受信メモリスイッチ72の制御入力ポートに供給される切替信号WPSの変化内容、および各マルチフレームMFタイミング毎のリアルタイム系データとデータ系データの伝送帯域の変化[Mbps](図10と同じ図を再掲)を示すタイミング図である。
【0118】
ステップS11で受信制御部66,86は、時点t3以降において、マルチフレームMF1−2を構成するフレームSF1−SF4を順次受信し、制御情報Fovの検出タイミングDT(図11参照)、すなわち第1フレームSF1のタイムスロットTS49,TS98、第2−第4フレームSF2−SF4のタイムスロットTS49で、制御情報Fovを順次検出し抽出して多数決判定部68に送る。
【0119】
次に、そのステップS11において、多数決判定部68は、制御情報Fovのデータ内容が全て正しく検出されれば、マルチフレームMF1−2中、第2フレームSF2のタイムスロットTS49に埋め込まれている3個目の制御情報Fov=1を検出した時点t2aで、もし、2個の制御情報Fovがノイズ等により読出不能であれば時点t2bで、次のマルチフレームMF1−3の開始時点t3以降、ステップS12において、帯域切替(この場合、帯域拡大)処理を行わせるため、時点t3において、オーバーフロー制御イネーブル信号Seをレベル「1」のイネーブル状態、すなわちオーバーフロー制御時の状態として、受信制御部66,86に供給する。
【0120】
これにより、時点t3以降、ステップS12(受信側)の帯域割当の変更処理(この場合、リアルタイム系伝送帯域の帯域拡大処理)が行われる。
【0121】
すなわち、この時点t3以降、時点t8までオーバーフロー制御イネーブル信号Seがレベル「1」の期間に、切替制御信号WPSに基づくオーバーフロー制御中の処理が行われ、マルチフレームMFがオーバーフロー制御中のマルチフレームMF1−3〜MF1−6,MF2−3〜MF2−6とされる。
【0122】
ここで、オーバーフロー制御時において行われる帯域変換機能について図12−図15をも参照して定常時と比較しながら説明する。
【0123】
まず、定常時、たとえば、時点t2−t3間におけるCH1送信データであるマルチフレームMF1−2と、CH2送信データであるマルチフレームMF2−2について説明する。
【0124】
このとき、送信メモリスイッチ82は、出力ポートZと入力ポートYが接続され、データ系データが流れるようになっている。そして、リアルタイム系の送信バッファ56から送信制御部64により読み出されるリアルタイム系データは、図12の最も上側に例として示すようにタイムスロットTS1−TS4用として、それぞれ8ビットのパラレルデータabcd…の順で読み出される。たとえば、パラレルデータaは、a0,a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7の8ビットを有する。
【0125】
そして、読み出されたパラレルデータabcd…は、送信制御部64によりタイムスロットTSの周期で上向きの矢印(56出力ラッチタイミング)で示す時点でラッチされ、6.3[Mbps]のクロックでシリアルデータabcd…{たとえば、シリアルデータaはa=(a0,a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)である。}に変換されタイムスロットTS1−TS4のCH1のMF1−2データとしてCH1の出力ポート61sに出力される。
【0126】
一方、データ系の送信バッファ76の出力側に送信制御部84により読み出されるデータ系データは、図12の最も下側に例として示すようにタイムスロットTS1−TS4用として、それぞれ8ビットのパラレルデータABCD…の順で読み出される。たとえば、パラレルデータAは、A0,A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7の8ビットを有する。
【0127】
そして、読み出されたパラレルデータABCD…は、送信制御部84によりタイムスロットTSの周期で上向きの矢印(76出力ラッチタイミング)で示す時点でラッチされ、6.3[Mbps]のクロックでシリアルデータABCD…{たとえば、シリアルデータAは、A=(A0,A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7)である。}にパラシリ変換および速度変換されタイムスロットTS1−TS4のCH2のMF2−2データとしてCH2の出力ポート62sに出力される。
【0128】
受信側では、受信メモリスイッチ72の出力ポートWと入力ポートUが接続され、リアルタイム系のデータが流れるようになっている。そして、タイムスロットTS1−TS4のCH1のシリアルデータabcd…およびCH2のシリアルデータABCD…が、それぞれ、受信制御部66,86でシリパラ変換および速度変換され、受信バッファ58にパラレルデータabcd…の順に、また受信バッファ78にパラレルデータABCD…の順にデータが書き込まれる。
【0129】
図13は、以上説明した定常時のリアルタイム系データおよびデータ系データの流れを、矢線、およびシリアルデータのアルファベット「ab」,「ba」,「AB」,「BA」を代表して付加して示している。
【0130】
次に、オーバーフロー制御時、たとえば、時点t3−t4間におけるCH1送信データであるマルチフレームMF1−3,MF1−4と、CH2送信データであるマルチフレームMF2−3,MF2−4について説明する。
【0131】
このとき、送信メモリスイッチ82は、図14のCH2のMF2−3に示すように、データ系のデータAB…に対してリアルタイム系のデータcf…が交互に流れるように、出力ポートZに対する入力ポートYと入力ポートXの接続が切替信号RPSにより切り替えられる。
【0132】
すなわち、リアルタイム系の送信バッファ56の出力側に送信制御部64,84(送信制御部84によっても読み出されることに留意する。)により読み出されるリアルタイム系データは、図14に例として示すように、それぞれ8ビットのパラレルデータabcdefg…の順で読み出されるが、データadgj…は1倍速で、データbcefhi…は2倍速で読み出される。
【0133】
その一方、データ系の送信バッファ76の出力側に送信制御部64により読み出されるデータ系データは、図14に例として示すように、それぞれ8ビットのパラレルデータABC…の順で1/2倍速で読み出される。
【0134】
8ビットのパラレルデータabcdefg…の順で読み出されたリアルタイム系データおよび8ビットのパラレルデータABC…の順で読み出されたデータ系データは、矢印で示す時点でそれぞれラッチされる。
【0135】
ただし、データabdeg…はリアルタイム系の送信制御部64によりラッチされ、データcf…は、データ系の送信制御部84によりラッチされる。また、データABC…はデータ系の送信制御部84によりラッチされる。
【0136】
送信制御部64によりラッチされたパラレルデータabdeg…は、送信制御部64により6.3[Mbps]のクロックによりCH1マルチフレームMF1−3のタイムスロットTS1−TS4のシリアルデータabde…に展開される。
【0137】
その一方、送信制御部84によりラッチされたパラレルデータAcBf…は、送信制御部84により6.3[Mbps]のクロックによりCH2マルチフレームMF2−3のタイムスロットTS1−TS4のシリアルデータAcBf…に展開される。
【0138】
そして、シリアルデータのマルチフレームMF1−3は、CH1出力ポート61sおよび無線機4aを通じてリアルタイム系の固定帯域伝送路100Rで無線伝送され、その一方シリアルデータのマルチフレームMF2−3は、CH2出力ポート62sおよび無線機4aを通じてデータ系の固定帯域伝送路100Dで無線伝送される。
【0139】
受信側では、無線機4bを介しCH1およびCH2入力ポート61r、62rを通じて受信制御部66,86にそれぞれシリアルデータのマルチフレームMF1−3,MF2−3が供給される。
【0140】
このとき多数決判定部68からの切替制御信号WPSにより受信メモリスイッチ72が、データ系のデータABCDEF…に対してリアルタイム系のデータcfi…が交互に流れるように出力ポートWに対する入力ポートU,Vの接続が切り替えられる。
【0141】
そして、タイムスロットTS1−TS4のCH1のシリアルデータabde…およびCH2のシリアルデータAcBf…が、それぞれ、受信制御部66,86でシリパラ変換され、受信バッファ58,78にデータがそれぞれ元のパラレルデータabcdefg…および元のパラレルデータABC…の順に復元されて書き込まれる。
【0142】
すなわち、受信側でも送信側と同様な、いわゆる「てれこ」となる制御を行ってデータの復元を行い、リアルタイム系の受信バッファ58にパラレルデータをabcdef…の順に、データ系の受信バッファ78にパラレルデータをABC…の順に書き込む。
【0143】
図15は、以上説明したオーバーフロー制御時のリアルタイム系データおよびデータ系データの流れを、矢線、および図14に示したシリアルデータのアルファベットの列の一部を代表して付加して示している。
【0144】
このように、オーバーフロー制御時には、リアルタイム系データのデータ伝送帯域が定常時に比較して1.5倍に拡大されるので、データ量の集中によるオーバーフローの可能性の発生を軽減することができる。
【0145】
次に、ステップS5に対応する時点t6においてオーバーフローが復旧したことをオーバーフロー検出部55により検出した場合には、ステップS6において、送信制御部64によりCH1のマルチフレームMF1−6に対して制御情報Fovがレベル「0」にクリアされ、ステップS7においてその処理の完了が判断される。
【0146】
受信側では、CH1のマルチフレームMF1−6を受信制御部66で受信し、時点t8において、多数決判定部68は、オーバーフロー制御イネーブル信号Seをレベル「0」の非イネーブル状態、すなわち定常時の状態として、送信制御部64,84および受信制御部66,86に供給する。
【0147】
これにより、時点t8以降、ステップS14(受信側)の帯域割当の変更処理(この場合、元の1:1の帯域割当にもどす縮小処理)が行われる。
【0148】
以下、送信側では、ステップS1−S8の処理が繰り返され、これに同期して受信側ではステップS11−S14の処理が繰り返される。
【0149】
以上詳細に説明したように、上述した実施形態によれば、自局側の伝送帯域制御装置30aは、レイヤ3スイッチ15aを経由して供給されるIP電話機7a等からのリアルタイム通信における100BASE−TXデータのデータ集中を監視し、オーバーフローの可能性があると判断したとき、対局側の伝送帯域制御装置30bに通知し、パーソナルコンピュータ12a等からのリアルタイム通信における100BASE−TXデータの固定帯域伝送路100における伝送帯域を縮小し、その分、IP電話機7a,7b等のリアルタイム通信の伝送帯域を同期して拡大する。
【0150】
このように制御することで、固定帯域伝送路100を利用して、100BASE−TX等のLANデータの非リアルタイム通信と、IP電話・IPテレビ会議等のリアルタイム通信とを混在して通信する際に、リアルタイム通信のオーバーフローを軽減することができる。
【0151】
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、たとえば、マルチフレームMF単位での制御処理以外に、サブフレームSFあるいはタイムスロットTS単位で制御処理を行うなど、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0152】
サブフレームSFあるいはタイムスロットTS単位で制御処理を行う場合には、制御情報Fov以外に、開始位置情報を送る必要があるが、当業者であれば、サブフレームSFの構成を変更することにより、どのようにでも実現することが可能である。
【0153】
また、上述した実施形態のように、制御情報Fovを先に送って制御を開始する方式以外に、遅延は増加するが、先に受信バッファ58にデータを送って記憶し、後から制御情報Fovを送って制御をしながら受信バッファ58から読み出すように構成を変更することも可能である。
【0154】
さらに、上述した実施形態では、オーバーフロー検出部55によりオーバーフロー発生の可能性を検出する閾値THと、オーバーフローの復旧を検出する閾値THを同じ値としているが、異なる値とすることもできる。異なる値に設定することにより、オーバーフローの可能性を検出し、その復旧を頻繁に繰り返すような入力があった場合、いわゆるばたつきがあった場合に、オーバーフロー状態となる確率を軽減することができる。
【0155】
また、上述した実施形態では、リアルタイム通信および非リアルタイム通信の固定帯域伝送路100R,100Dの2系統で説明しているが、リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Rがm系統、非リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Dをn系統とした任意の組み合わせとすることができる(m≧0,n≧1)。
【0156】
m≧nの場合は、リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Rの1系統に対して、非リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Dを1系統を対応させる。あるいはリアルタイム通信の複数の固定帯域伝送路100Rの系統のそれぞれに対して、競合が発生した場合の優先順位を付けて非リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Dを使用するように実施することもできる。
【0157】
その一方、n≦mの場合は、リアルタイム通信の複数の固定帯域伝送路100Rの系統のそれぞれに対して、競合が発生した場合の優先順位を付けて非リアルタイム通信の固定帯域伝送路100Dを使用するように実施することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、非リアルタイム通信とリアルタイム通信が混在する固定帯域伝送路を利用する通信において、リアルタイム通信を優先するように伝送帯域の割り当てを変更しているので、リアルタイム通信におけるオーバーフローを軽減すること、あるいは完全になくすことができる。
【0159】
より具体的には、電話、テレビ会議等の遅延を許されないメディアの通信におけるオーバーフローの発生を軽減すること、あるいは完全になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の伝送帯域制御装置が組み込まれた多重無線システムの構成を示すブロック図である。
【図2】多重通信路を光ファイバで代替した光多重伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図3】多重通信路を有線であるメタリックケーブルで代替した有線多重伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図4】この実施形態の伝送帯域制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】送受信されるマルチフレームフォーマットの構成例を示す説明図である。
【図6】図1例の多重無線システム中、無線機の内部構成を示すブロック図である。
【図7】多重無線システムにおける上り方向と下り方向の相互通信の説明に供されるブロック図である。
【図8】伝送帯域制御に係る送信側の動作説明に供されるフローチャートである。
【図9】伝送帯域制御に係る受信側の動作説明に供されるフローチャートである。
【図10】オーバーフローアラーム発生時における送信側の動作説明に供されるタイミング図である。
【図11】オーバーフローアラーム発生時における受信側の動作説明に供されるタイミング図である。
【図12】定常時における送信バッファに対する書込読出動作の説明に供されるタイミング図である。
【図13】定常時におけるデータの流れを示す動作説明図である。
【図14】オーバーフロー制御時における送信バッファに対する書込読出動作の説明に供されるタイミング図である。
【図15】オーバーフロー制御時におけるデータの流れを示す動作説明図である。
【図16】従来技術に係る多重無線システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2…マイクロ波多重無線システム 4a,4b…無線機
6a,6b…電話機 7a,7b…IP電話機
8a,8b…テレビ電話 9a,9b…IPテレビ電話
10a,10b…サーバ
12a,12b…パーソナルコンピュータ
14a,14b…交換機
15a,15b…レイヤ3スイッチ(第1の中継装置)
16a,16b…端局装置
17a,17b…レイヤ3スイッチ(第2の中継装置)
18a,18b…MPEG2CODEC回路
20a,20b…LAN 30a,30b…伝送帯域制御装置
32…マイクロ波多重無線システム 32F…光多重伝送システム
34a,34b…光伝送装置 34c,34d…多重化装置
50,60…入出力ポート群 51s,52s…入力ポート
51r,52r…出力ポート
54,74…100BASE−TXインタフェース
56,76…送信バッファ 55…オーバーフロー検出部
58,78…受信バッファ 57…基準クロック発生器
59…フレームタイミング発生器 61s…CH1出力ポート
61r…CH1入力ポート 62s…CH2出力ポート
62r…CH2入力ポート 64,84…送信制御部
66,86…受信制御部 68…多数決判定部
70…送受信制御部 72…受信メモリスイッチ
82…送信メモリスイッチ
100、100D,100R…固定帯域伝送路
100F…光ファイバ 100M…メタリックケーブル
101a,101b…第1の送受信端末
102a,102b…第2の送受信端末

Claims (4)

  1. リアルタイム通信を行う第1の送受信端末に接続される第1の中継装置および非リアルタイム通信を行う第2の送受信端末に接続される第2の中継装置と複数の全二重の固定帯域伝送路との間に挿入される伝送帯域制御装置であって、
    前記第1の送受信端末から前記第1の中継装置を経由して送信されるデータ量を監視するデータ量監視手段と、
    監視しているデータ量が閾値以下のときには、前記固定帯域伝送路の伝送帯域を前記第1の中継装置と前記第2の中継装置との間で一定比率に割り当て、監視しているデータ量が閾値以上となったときには、前記第1の中継装置に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させて、前記リアルタイム通信を優先させる制御を行う伝送帯域制御手段と
    を備えることを特徴とする伝送帯域制御装置。
  2. 請求項1記載の伝送帯域制御装置において、
    前記固定帯域伝送路は、一定伝送単位毎にデータが伝送されるものであり、
    ある伝送単位期間に自局側の前記データ量監視手段で監視しているデータ量が閾値以上となったときに、自局側の前記伝送帯域制御手段は、次以降の伝送単位期間で、前記割り当て変更の制御情報を対局側の伝送帯域制御手段に送信し、
    前記自局側および前記対局側の伝送帯域制御手段は、前記次以降の伝送単位期間から同期して前記第1の中継装置に割り当てられる伝送帯域の比率を増加させる
    ことを特徴とする伝送帯域制御装置。
  3. 請求項1または2記載の伝送帯域制御装置において、
    前記一定伝送単位は、フレーム単位あるいはマルチフレーム単位である
    ことを特徴とする伝送帯域制御装置。
  4. 請求項1−3のいずれか1項に記載の伝送帯域制御装置において、
    前記固定帯域伝送路には、無線伝送路、光伝送路あるいは有線伝送路の少なくとも一つの伝送路が含まれる
    ことを特徴とする伝送帯域制御装置。
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