JP2004207019A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ガスと酸化ガスからなる混合ガスの原料ガスをセル板全体に拡散させて発電させることにより、高出力で燃料利用率が高い燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料極及び空気極を有する略円盤状のセル板18を上下方向に間隔を隔てて複数積層させた略円柱状のセル積層体11と、セル積層体11を収容する収納容器12と、収納容器12の内部のセル積層体11に燃料ガス及び酸化ガスを混合した原料ガス14を供給するガス供給口15と、セル積層体11で発電に供された排気ガス16を収納容器12から排出するガス排出口17とを備え、セル積層体11を、その軸心を中心に回転自在に支持した燃料電池10である。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料極及び空気極を有する略円盤状のセル板18を上下方向に間隔を隔てて複数積層させた略円柱状のセル積層体11と、セル積層体11を収容する収納容器12と、収納容器12の内部のセル積層体11に燃料ガス及び酸化ガスを混合した原料ガス14を供給するガス供給口15と、セル積層体11で発電に供された排気ガス16を収納容器12から排出するガス排出口17とを備え、セル積層体11を、その軸心を中心に回転自在に支持した燃料電池10である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に関し、特に燃料ガスと酸化ガスとの混合ガスを原料ガスに用いる固体電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料が有する化学エネルギーを熱エネルギーや機械エネルギーを経由することなく電気エネルギーに直接変換するため、高いエネルギー変換効率を得ることができる。ここで、原料ガスとして燃料ガスと酸化ガスとの混合ガスを用いる固体電解質型燃料電池(以下、SOFCという)は、燃料ガスと酸化ガスとが混合しないように分離する必要がないため、ガスシールが不要であるなどのメリットを有する。
【0003】
しかし、その一方、混合ガス導入タイプのSOFCは、通常のガス分離タイプに比較して低出力で、燃料利用率も低いなどの問題がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002-151098公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、混合ガスからなる原料ガスをセル板の全体に拡散させることにより、高出力で燃料利用率が高い燃料電池を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る燃料電池は、略円盤状に形成されたセル板をその板厚方向に所定の間隔を隔てて複数積層させた略円柱状のセル積層体と、該セル積層体を収容する収納容器と、該収納容器内のセル積層体に対して燃料ガス及び酸化ガスを混合した混合ガスからなる原料ガスを供給するガス供給手段と、前記セル積層体で発電に供された排気ガスを収納容器から排出するガス排出手段とを備え、前記セル積層体を、セル板の径方向の中心部を軸支してセル板の周方向に回転自在に構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を構成するセル板の表面又は裏面の全体に原料ガスがまんべんなく行き渡るため、セル板の全体で効率的に発電が行われ、高出力で高い燃料利用効率が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は第1実施形態による燃料電池10を示す斜視図である。
【0010】
この燃料電池10は、略円柱状に形成されたセル積層体11と、該セル積層体11を収容する収納容器12と、セル積層体11を回転させる駆動モーター13とを備えており、収納容器12の側面20には、原料ガス14を収納容器12の内部に供給するガス供給口15、及び発電に供されて排気ガス16を排出するガス排出口17が形成されている。
【0011】
セル積層体11は、円盤状のセル板18をその板厚方向である上下方向に間隔を隔てて複数積層させることによって略円柱状に形成されている。このセル板18は、一方の面が燃料極で他方の面が空気極になっている。即ち、最も上側のセル板18aは、上面が燃料極で下面が空気極に形成されており、上から2番目のセル板18bも、上面が燃料極で下面が空気極に形成されている。このように、対向する面同士が異なる極になるように交互にセル板18を積層させている。また、セル板18は、上下に所定の間隔を隔てて配設されているため、隣接するセル板同士18,18の間には、隙間19が形成されている。この隙間19に原料ガス14が流れ込んで、セル板18に形成された空気極又は燃料極に供給されることによって発電が行われる。
【0012】
一方、収納容器12は略円筒状に形成され、前記セル積層体11を収容している。この収納容器12の側面20の上部にはガス供給口15が設けられ、該ガス供給口15から、酸化ガスと燃料ガスとの混合ガスである原料ガス14が収納容器12の内部のセル積層体11に供給される。前記酸化ガスとして酸素又は空気等を用いることができ、燃料ガスとしてメタンガス等の炭化水素ガスを好適に用いることができる。
【0013】
また、収納容器12の側面20の下部にはガス排出口17が形成されており、該ガス排出口17からは、発電に供せられた排気ガス16を排出するように構成されている。
【0014】
セル積層体11には、セル板18の径方向の中心部に回転軸21が取り付けられており、該回転軸21は上下方向に延設されている。この回転軸21の上端部21aはモータ13に接続されており、該モータ13によって回転軸21が自由に回転するように構成されている。
【0015】
図2は図1の燃料電池10を概略的に示した斜視図であってセル積層体11を構成するセル板18を一枚のみ示したものである。この図2を用いて、第1実施形態による燃料電池10の作用を簡単に説明する。
【0016】
まず、前記ガス供給口15から原料ガス14が収納容器12の内部に供給される。この原料ガス14は、セル板18とセル板18とに形成された隙間19に送られる。ここで、セル積層体18はモータ13によって図1,2の矢印方向Rに回転しているため、この回転によって原料ガス14はセル板18の表面全体又は裏面全体に拡散する。セル板18の表面又は裏面には、空気極又は燃料極が形成されているため、セル板18の全体に原料ガス14が行き渡ることによって、発電を非常に効率的に行うことができる。
【0017】
本実施形態によれば、原料ガス14が燃料ガスと酸化ガスからなる混合ガスであるため、燃料ガスと酸化ガスを互いにシールする必要がなく、製造が容易な燃料電池10を得ることができる。また、セル積層体11が回転して原料ガス14の拡散性が向上するため、燃料利用率が向上し、高い出力値を得ることができる。なお、燃料ガスとしては、例えば炭化水素ガスが好ましく、酸化ガスとしては、空気が好ましい。また、燃料電池10の起動時には、電極表面で炭化水素が直接燃焼するため急速な昇温が可能であり、空気極側と燃料極側に同じガスを供給するため、電解質がガス分離性を有する必要がなく、上下電極がショートしない構造とし、電解質が多孔質でガスが透過しても良い。
【0018】
[第2の実施形態]
次に第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一部位は同一符号を付して、同じ説明は省略する。
【0019】
第2実施形態による燃料電池30は、図3に示すように、第1実施形態に対して、セル積層体11の回転をモータ駆動でなく原料ガス14を吹き付けることによって行うように構成している。
【0020】
収納容器12の側面20には、縦長に形成されたガス供給装置31が配設され、該ガス供給装置31によってセル積層体11の側部に原料ガス14を横方向から吹き付けている。ガス供給装置31には、図示しない供給口が上下方向に並んで複数設けられており、図4に示すように、セル板18及びセル積層体11の側部のうち、中心部から外れた部位に向けて原料ガス14を吹き付ける。また、セル積層体11に固定された回転軸32は、外方から回転力を受けると、自由に回転できるように支持されている。
【0021】
前記第2実施形態による燃料電池30の作用を簡単に説明する。
【0022】
まず、図3,4に示すように、ガス供給装置31からセル積層体11の側部に向けて原料ガス14を吹き付けると、セル板18の側面に原料ガス14が当たりガス流れの勢いによってセル積層体11は矢印R方向に自由に回転する。また、原料ガス14はセル板同士18,18の隙間19に流れこんでセル板18の表面又は裏面全体に行き渡るため、セル板18の表面全体又は裏面全体に拡散する。ここで、セル板18の表面又は裏面には、空気極又は燃料極が形成されているため、セル板18の全体に原料ガス14が行き渡ることによって、発電を非常に効率的に行うことができる。なお、セル積層体11の回転に駆動装置等を用いることなく、原料ガス14の供給によってセル積層体11を効率的に回転させることができるため、コストが安価となる。
【0023】
[第3の実施形態]
第3の実施形態による燃料電池40は、図5に示すように、基本的に第2の実施形態による燃料電池30と同様の構成をしているが、セル板18の上面に上方に延びる翼部41が形成されている点で異なる。
【0024】
この翼部41は、図6に示すように、セル板18の中心部から径方向の外方に向けて放射状に広がるように形成されており、平面視略への字状に湾曲して形成されている。なお、翼部41は、セル板18に一体に形成しても良く、別体に形成した翼をセル板18に固定しても良い。
【0025】
本実施形態による燃料電池40による作用を説明する。まず、ガス供給装置31からセル積層体11の側部に向けて原料ガス14が横方向に吹き付けられると、該原料ガス14はセル板18,18の間隙19に流れ込む。この原料ガス14は、前記翼部41に当たることによって、翼部41にガス流れによる抵抗力を付与するため、セル積層体11が矢印R方向に効率的に回転する。なお、本実施形態によれば、翼部41で原料ガス14の流れを効率的に受けるため、第2実施形態による燃料電池30よりもセル積層体11が効果的に回転し、原料ガス14の拡散性が向上する。
【0026】
[第4の実施形態]
第4の実施形態による燃料電池は、基本的に第2及び第3の実施形態による燃料電池と同様の構成をしているが、図7に示すように、セル板18の側面にセル板18の径方向に放射状に延びる翼部42が形成されている点で異なる。
【0027】
セル板18は、前述したように所定の板厚を有する円盤状に形成されており、図8に示すように、このセル板18の外周面である側面43には、薄い一枚の板状の翼部42が円周方向に一定のピッチを隔てて形成されている。翼部42は、セル板18の上面及び下面に対して斜め方向に傾斜して設けられており、下方に向かう原料ガス14の流れによってセル板18が回転する方向に抵抗を受けることができるように構成されている。なお、前記翼部42は、セル板18に一体に形成しても良いが、別体に作成したのちセル板18に取り付けても良い。
【0028】
本実施形態による燃料電池によれば、図示しないガス供給装置から下方に向けて原料ガス14をセル積層体11に対して吹き付けると、セル板18の翼部42にガス流が当たる。該翼部42は、前述したように、セル板18の表面及び裏面に対して傾斜して取り付けられているため、セル板18に回転力が付与される。このため、セル積層体11のガス流による回転効率が向上し、セル板18の表面及び裏面全体に原料ガス14が行き渡ることによって、ガス拡散性が向上し、効率的な発電を行うことができる。
【0029】
[第5の実施形態]
第5の実施形態による燃料電池は、基本的に第4の実施形態による燃料電池と同様の構成をしているが、図9に示すように、一枚のセル板を円周方向に沿って複数の扇形状のセル部材44に分割することによって、セル板45を羽根車形状に形成している点で異なる。
【0030】
このセル部材44は、中央部に向かうにつれて徐々に先細り形状となる扇形状に形成されており、隣接するセル部材44,44は互いに一定の間隙を隔てて周方向に配設されている。また、それぞれのセル部材44は、扇風機に取り付けられるファンの羽根のように一定の傾斜角度をもって回転軸32に取り付けられている。
【0031】
本実施形態による燃料電池による作用を説明する。まず、図示しないガス供給装置から下方に向けて原料ガス14をセル積層体に対して吹き付けると、セル板45のセル部材44にガス流が当たる。このセル部材44は、前述したように、一定角度に傾斜した状態で回転軸32に固定されているため、原料ガスのガス流によってセル積層体が効率的に回転する。また、セル部材44の表面及び裏面全体には、空気極及び燃料極が形成されているため、発電がセル板全体に亘って行われ、燃料利用率が向上して高い出力値を得ることができる。
【0032】
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、図10に示すように、第1〜第5の実施形態による燃料電池10,30,40を用いた燃料電池システム50である。
【0033】
この燃料電池システム50においては、図10に示すように、燃料電池51にA/Fセンサー52及び加湿器53を介してガス混合機54が接続され、A/Fセンサー55を介してバーナー56を接続し、これらを図示しないガス流れ制御手段(コンピューター)によって制御できるように構成している。
【0034】
この燃料電池システム50においては、燃料ボンベ57から供給される燃料ガスと外気58からブロワー59を介して得られる空気とを前記ガス混合機54に送り、該ガス混合機54内で混合する。また、空気と燃料ガスとの混合比は、ガス混合機54の下流に配置されたA/Fセンサー52で検知し、混合ガスに加湿が必要なときは、加湿器53に混合ガスが流通するように分岐弁60を切り替えるように構成されている。
【0035】
さらに、燃料電池51の下流にあるA/Fセンサー55で燃料電池排気中の未反応燃料ガスの濃度を検知する。このとき、未反応燃料ガスが一定値(例えば、30%)以上であるときは、未反応燃料ガスを前記バーナー56に送って燃焼処理を行う。また、燃料電池システム50の起動時には、燃料ガスと空気をバーナー56に送って燃焼させ、燃料電池51を加熱する。
【0036】
前記構成を有する燃料電池システム50によれば、燃料利用率が50〜80%と良好であり、発電出力が向上する。また、電解質が独立しているので、短絡が防止され、さらに、ガス流路を分離しないため、ガスシールが不要になり、構造が大幅に簡素化され、小型化及び低コスト化が可能となる。そして、起動時には、電極表面で炭化水素等の燃料ガスが直接燃焼するため、急速昇温が可能である。なお、空気極及び燃料極に同じ原料ガスを流通するため、電解質はガス分離性を有する必要がないという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図2】図1のセル積層体を構成するセルを一枚のみ示した燃料電池の斜視図である。
【図3】第2実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図4】図3の燃料電池を構成するセル積層体を上方から見た概略図である。
【図5】第3実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図6】図5の燃料電池を構成するセル積層体を上方から見た概略図である。
【図7】第4実施形態による燃料電池のセル積層体を斜め上方から見た概略図である。
【図8】図7のセル板を側方から見た拡大側面図である。
【図9】第5実施形態による燃料電池のセル積層体を上方から見た概略図である。
【図10】第6実施形態による燃料電池システムの全体構成を概略的に示す回路図である。
【符号の説明】
10,30,40 燃料電池
11 セル積層体
12 収納容器
13 モータ(駆動手段)
14 原料ガス
15 ガス供給口(ガス供給手段)
17 ガス排出口(ガス排出手段)
18,45 セル板
31 ガス供給装置(ガス供給手段)
41,42 翼部
44 セル部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に関し、特に燃料ガスと酸化ガスとの混合ガスを原料ガスに用いる固体電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料が有する化学エネルギーを熱エネルギーや機械エネルギーを経由することなく電気エネルギーに直接変換するため、高いエネルギー変換効率を得ることができる。ここで、原料ガスとして燃料ガスと酸化ガスとの混合ガスを用いる固体電解質型燃料電池(以下、SOFCという)は、燃料ガスと酸化ガスとが混合しないように分離する必要がないため、ガスシールが不要であるなどのメリットを有する。
【0003】
しかし、その一方、混合ガス導入タイプのSOFCは、通常のガス分離タイプに比較して低出力で、燃料利用率も低いなどの問題がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002-151098公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、混合ガスからなる原料ガスをセル板の全体に拡散させることにより、高出力で燃料利用率が高い燃料電池を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る燃料電池は、略円盤状に形成されたセル板をその板厚方向に所定の間隔を隔てて複数積層させた略円柱状のセル積層体と、該セル積層体を収容する収納容器と、該収納容器内のセル積層体に対して燃料ガス及び酸化ガスを混合した混合ガスからなる原料ガスを供給するガス供給手段と、前記セル積層体で発電に供された排気ガスを収納容器から排出するガス排出手段とを備え、前記セル積層体を、セル板の径方向の中心部を軸支してセル板の周方向に回転自在に構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を構成するセル板の表面又は裏面の全体に原料ガスがまんべんなく行き渡るため、セル板の全体で効率的に発電が行われ、高出力で高い燃料利用効率が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は第1実施形態による燃料電池10を示す斜視図である。
【0010】
この燃料電池10は、略円柱状に形成されたセル積層体11と、該セル積層体11を収容する収納容器12と、セル積層体11を回転させる駆動モーター13とを備えており、収納容器12の側面20には、原料ガス14を収納容器12の内部に供給するガス供給口15、及び発電に供されて排気ガス16を排出するガス排出口17が形成されている。
【0011】
セル積層体11は、円盤状のセル板18をその板厚方向である上下方向に間隔を隔てて複数積層させることによって略円柱状に形成されている。このセル板18は、一方の面が燃料極で他方の面が空気極になっている。即ち、最も上側のセル板18aは、上面が燃料極で下面が空気極に形成されており、上から2番目のセル板18bも、上面が燃料極で下面が空気極に形成されている。このように、対向する面同士が異なる極になるように交互にセル板18を積層させている。また、セル板18は、上下に所定の間隔を隔てて配設されているため、隣接するセル板同士18,18の間には、隙間19が形成されている。この隙間19に原料ガス14が流れ込んで、セル板18に形成された空気極又は燃料極に供給されることによって発電が行われる。
【0012】
一方、収納容器12は略円筒状に形成され、前記セル積層体11を収容している。この収納容器12の側面20の上部にはガス供給口15が設けられ、該ガス供給口15から、酸化ガスと燃料ガスとの混合ガスである原料ガス14が収納容器12の内部のセル積層体11に供給される。前記酸化ガスとして酸素又は空気等を用いることができ、燃料ガスとしてメタンガス等の炭化水素ガスを好適に用いることができる。
【0013】
また、収納容器12の側面20の下部にはガス排出口17が形成されており、該ガス排出口17からは、発電に供せられた排気ガス16を排出するように構成されている。
【0014】
セル積層体11には、セル板18の径方向の中心部に回転軸21が取り付けられており、該回転軸21は上下方向に延設されている。この回転軸21の上端部21aはモータ13に接続されており、該モータ13によって回転軸21が自由に回転するように構成されている。
【0015】
図2は図1の燃料電池10を概略的に示した斜視図であってセル積層体11を構成するセル板18を一枚のみ示したものである。この図2を用いて、第1実施形態による燃料電池10の作用を簡単に説明する。
【0016】
まず、前記ガス供給口15から原料ガス14が収納容器12の内部に供給される。この原料ガス14は、セル板18とセル板18とに形成された隙間19に送られる。ここで、セル積層体18はモータ13によって図1,2の矢印方向Rに回転しているため、この回転によって原料ガス14はセル板18の表面全体又は裏面全体に拡散する。セル板18の表面又は裏面には、空気極又は燃料極が形成されているため、セル板18の全体に原料ガス14が行き渡ることによって、発電を非常に効率的に行うことができる。
【0017】
本実施形態によれば、原料ガス14が燃料ガスと酸化ガスからなる混合ガスであるため、燃料ガスと酸化ガスを互いにシールする必要がなく、製造が容易な燃料電池10を得ることができる。また、セル積層体11が回転して原料ガス14の拡散性が向上するため、燃料利用率が向上し、高い出力値を得ることができる。なお、燃料ガスとしては、例えば炭化水素ガスが好ましく、酸化ガスとしては、空気が好ましい。また、燃料電池10の起動時には、電極表面で炭化水素が直接燃焼するため急速な昇温が可能であり、空気極側と燃料極側に同じガスを供給するため、電解質がガス分離性を有する必要がなく、上下電極がショートしない構造とし、電解質が多孔質でガスが透過しても良い。
【0018】
[第2の実施形態]
次に第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一部位は同一符号を付して、同じ説明は省略する。
【0019】
第2実施形態による燃料電池30は、図3に示すように、第1実施形態に対して、セル積層体11の回転をモータ駆動でなく原料ガス14を吹き付けることによって行うように構成している。
【0020】
収納容器12の側面20には、縦長に形成されたガス供給装置31が配設され、該ガス供給装置31によってセル積層体11の側部に原料ガス14を横方向から吹き付けている。ガス供給装置31には、図示しない供給口が上下方向に並んで複数設けられており、図4に示すように、セル板18及びセル積層体11の側部のうち、中心部から外れた部位に向けて原料ガス14を吹き付ける。また、セル積層体11に固定された回転軸32は、外方から回転力を受けると、自由に回転できるように支持されている。
【0021】
前記第2実施形態による燃料電池30の作用を簡単に説明する。
【0022】
まず、図3,4に示すように、ガス供給装置31からセル積層体11の側部に向けて原料ガス14を吹き付けると、セル板18の側面に原料ガス14が当たりガス流れの勢いによってセル積層体11は矢印R方向に自由に回転する。また、原料ガス14はセル板同士18,18の隙間19に流れこんでセル板18の表面又は裏面全体に行き渡るため、セル板18の表面全体又は裏面全体に拡散する。ここで、セル板18の表面又は裏面には、空気極又は燃料極が形成されているため、セル板18の全体に原料ガス14が行き渡ることによって、発電を非常に効率的に行うことができる。なお、セル積層体11の回転に駆動装置等を用いることなく、原料ガス14の供給によってセル積層体11を効率的に回転させることができるため、コストが安価となる。
【0023】
[第3の実施形態]
第3の実施形態による燃料電池40は、図5に示すように、基本的に第2の実施形態による燃料電池30と同様の構成をしているが、セル板18の上面に上方に延びる翼部41が形成されている点で異なる。
【0024】
この翼部41は、図6に示すように、セル板18の中心部から径方向の外方に向けて放射状に広がるように形成されており、平面視略への字状に湾曲して形成されている。なお、翼部41は、セル板18に一体に形成しても良く、別体に形成した翼をセル板18に固定しても良い。
【0025】
本実施形態による燃料電池40による作用を説明する。まず、ガス供給装置31からセル積層体11の側部に向けて原料ガス14が横方向に吹き付けられると、該原料ガス14はセル板18,18の間隙19に流れ込む。この原料ガス14は、前記翼部41に当たることによって、翼部41にガス流れによる抵抗力を付与するため、セル積層体11が矢印R方向に効率的に回転する。なお、本実施形態によれば、翼部41で原料ガス14の流れを効率的に受けるため、第2実施形態による燃料電池30よりもセル積層体11が効果的に回転し、原料ガス14の拡散性が向上する。
【0026】
[第4の実施形態]
第4の実施形態による燃料電池は、基本的に第2及び第3の実施形態による燃料電池と同様の構成をしているが、図7に示すように、セル板18の側面にセル板18の径方向に放射状に延びる翼部42が形成されている点で異なる。
【0027】
セル板18は、前述したように所定の板厚を有する円盤状に形成されており、図8に示すように、このセル板18の外周面である側面43には、薄い一枚の板状の翼部42が円周方向に一定のピッチを隔てて形成されている。翼部42は、セル板18の上面及び下面に対して斜め方向に傾斜して設けられており、下方に向かう原料ガス14の流れによってセル板18が回転する方向に抵抗を受けることができるように構成されている。なお、前記翼部42は、セル板18に一体に形成しても良いが、別体に作成したのちセル板18に取り付けても良い。
【0028】
本実施形態による燃料電池によれば、図示しないガス供給装置から下方に向けて原料ガス14をセル積層体11に対して吹き付けると、セル板18の翼部42にガス流が当たる。該翼部42は、前述したように、セル板18の表面及び裏面に対して傾斜して取り付けられているため、セル板18に回転力が付与される。このため、セル積層体11のガス流による回転効率が向上し、セル板18の表面及び裏面全体に原料ガス14が行き渡ることによって、ガス拡散性が向上し、効率的な発電を行うことができる。
【0029】
[第5の実施形態]
第5の実施形態による燃料電池は、基本的に第4の実施形態による燃料電池と同様の構成をしているが、図9に示すように、一枚のセル板を円周方向に沿って複数の扇形状のセル部材44に分割することによって、セル板45を羽根車形状に形成している点で異なる。
【0030】
このセル部材44は、中央部に向かうにつれて徐々に先細り形状となる扇形状に形成されており、隣接するセル部材44,44は互いに一定の間隙を隔てて周方向に配設されている。また、それぞれのセル部材44は、扇風機に取り付けられるファンの羽根のように一定の傾斜角度をもって回転軸32に取り付けられている。
【0031】
本実施形態による燃料電池による作用を説明する。まず、図示しないガス供給装置から下方に向けて原料ガス14をセル積層体に対して吹き付けると、セル板45のセル部材44にガス流が当たる。このセル部材44は、前述したように、一定角度に傾斜した状態で回転軸32に固定されているため、原料ガスのガス流によってセル積層体が効率的に回転する。また、セル部材44の表面及び裏面全体には、空気極及び燃料極が形成されているため、発電がセル板全体に亘って行われ、燃料利用率が向上して高い出力値を得ることができる。
【0032】
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、図10に示すように、第1〜第5の実施形態による燃料電池10,30,40を用いた燃料電池システム50である。
【0033】
この燃料電池システム50においては、図10に示すように、燃料電池51にA/Fセンサー52及び加湿器53を介してガス混合機54が接続され、A/Fセンサー55を介してバーナー56を接続し、これらを図示しないガス流れ制御手段(コンピューター)によって制御できるように構成している。
【0034】
この燃料電池システム50においては、燃料ボンベ57から供給される燃料ガスと外気58からブロワー59を介して得られる空気とを前記ガス混合機54に送り、該ガス混合機54内で混合する。また、空気と燃料ガスとの混合比は、ガス混合機54の下流に配置されたA/Fセンサー52で検知し、混合ガスに加湿が必要なときは、加湿器53に混合ガスが流通するように分岐弁60を切り替えるように構成されている。
【0035】
さらに、燃料電池51の下流にあるA/Fセンサー55で燃料電池排気中の未反応燃料ガスの濃度を検知する。このとき、未反応燃料ガスが一定値(例えば、30%)以上であるときは、未反応燃料ガスを前記バーナー56に送って燃焼処理を行う。また、燃料電池システム50の起動時には、燃料ガスと空気をバーナー56に送って燃焼させ、燃料電池51を加熱する。
【0036】
前記構成を有する燃料電池システム50によれば、燃料利用率が50〜80%と良好であり、発電出力が向上する。また、電解質が独立しているので、短絡が防止され、さらに、ガス流路を分離しないため、ガスシールが不要になり、構造が大幅に簡素化され、小型化及び低コスト化が可能となる。そして、起動時には、電極表面で炭化水素等の燃料ガスが直接燃焼するため、急速昇温が可能である。なお、空気極及び燃料極に同じ原料ガスを流通するため、電解質はガス分離性を有する必要がないという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図2】図1のセル積層体を構成するセルを一枚のみ示した燃料電池の斜視図である。
【図3】第2実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図4】図3の燃料電池を構成するセル積層体を上方から見た概略図である。
【図5】第3実施形態による燃料電池を示す斜視図である。
【図6】図5の燃料電池を構成するセル積層体を上方から見た概略図である。
【図7】第4実施形態による燃料電池のセル積層体を斜め上方から見た概略図である。
【図8】図7のセル板を側方から見た拡大側面図である。
【図9】第5実施形態による燃料電池のセル積層体を上方から見た概略図である。
【図10】第6実施形態による燃料電池システムの全体構成を概略的に示す回路図である。
【符号の説明】
10,30,40 燃料電池
11 セル積層体
12 収納容器
13 モータ(駆動手段)
14 原料ガス
15 ガス供給口(ガス供給手段)
17 ガス排出口(ガス排出手段)
18,45 セル板
31 ガス供給装置(ガス供給手段)
41,42 翼部
44 セル部材
Claims (7)
- 燃料極及び空気極を有する略円盤状のセル板を板厚方向に所定の間隔を隔てて複数積層させてなる略円柱状のセル積層体と、該セル積層体を収容する収納容器と、該収納容器内のセル積層体に燃料ガス及び酸化ガスを混合した原料ガスを供給するガス供給手段と、前記セル積層体で発電に供されたガスを収納容器から排出するガス排出手段とを備えた燃料電池であって、
前記セル積層体を、その軸心を中心に回転自在に支持したことを特徴とする燃料電池。 - 前記セル積層体を駆動手段によって回転するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記ガス供給手段で、原料ガスをセル積層体の側部に吹き付けることによって前記セル積層体を回転するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記セル積層体を構成するセル板に、セル積層体の側部に吹き付けるガス流に対して抵抗を受ける翼部を形成し、前記ガス供給手段で原料ガスをセル積層体の側部に吹き付けて前記翼部にガス流を当てることにより、前記セル積層体を回転するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
- 前記ガス供給手段で、原料ガスをセル積層体に軸心方向に沿って吹き付けることによって前記セル積層体を回転するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記セル積層体を構成するセル板の外周に、セル積層体の軸心方向のガス流に対して抵抗を受ける翼部を形成し、前記ガス供給手段で原料ガスをセル積層体に軸心方向に沿って吹き付けて前記翼部にガス流を当てることにより、前記セル積層体を回転するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
- 前記セル積層体を構成するセル板を、複数に分割したセル部材によって羽根車形状に構成し、前記ガス供給手段で原料ガスをセル積層体に軸心方向に沿って吹き付けて前記セル部材にガス流を当てることにより、前記セル積層体を回転するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012505496A (ja) * | 2008-10-07 | 2012-03-01 | インテリジェント エナジー リミテッド | 燃料電池集合体 |
KR101146679B1 (ko) | 2009-08-14 | 2012-05-22 | 한국과학기술원 | 디스크형 고체산화물 연료전지 제조 방법 |
KR101187870B1 (ko) | 2010-09-14 | 2012-10-05 | 이정용 | 아연볼 공급 및 배출의 동시수행이 가능한 아연-공기 연료전지 반응셀 유니트 |
WO2014063908A1 (en) * | 2012-10-23 | 2014-05-01 | Metacon Ab | Disc shaped fuel cell |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374382A patent/JP2004207019A/ja active Pending
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