JP2004206510A - 車両運行システム - Google Patents

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Abstract

【課題】通行規制区域への規制対象車両の進入を防止するとともに、車両の運行管理システムを安価に提供する。
【解決手段】車両1側に、車両1の位置を測定する位置測定装置3と、位置測定装置3により測定された位置情報を管理センター10に送信すると共に管理センター10から通行規制情報を受信する車両側通信装置4と、通行規制情報をドライバーに知らせるための警報装置5が設置され、管理センター10側に、通行規制情報を格納する記憶装置11と、車両側通信装置4から送信される車両の位置情報を受信すると共に車両側通信装置4に通行規制情報を送信するセンター側通信装置10Bが設置され、少なくとも当該車両が通行規制区域に接近すると、管理センター10から送られてくる通行規制情報に基づいて警報装置5がドライバーに警告を行う
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば大型車両と当該車両の運行管理を行う管理センターを有する車両運行システムに関するものであって、通行規制区域への規制対象車両である大型車量の進入を防止するとともに、車両の運行管理システムを安価に提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
大型車両は、その運行によって道路の破損、騒音、排気ガスによる公害を招き、事故が起きた場合に重大事故になりやすいなど、社会的負担が大きいため、都市部への乗り入れが規制されていたり、ロードプライシングと呼ばれる迂回路への誘導などが行われている。また、有料道路の料金所等での誘導や取り締まりなども行われている。
【0003】
従来、所定の通路上を通過する車両の、大型車、小型車両などの車型を判別する装置、およびその判別の結果に基づき所定車型の車両を撮影する装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、大型車両が進入禁止区域に入ろうとする時点で車両を検知し警告を行う大型車用警告装置付き道路標識(例えば、特許文献2参照)や、車載用ナビゲーション装置において大型車両が高さ制限や重量制限等により走行不可能な道路にユーザを案内しないような装置(例えば、特許文献3参照)があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−216288号公報([発明の属する技術分野]の項)
【特許文献2】
特開2000−215390号公報([請求項1])
【特許文献3】
特開平11−2535号公報([発明の効果]の項)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、大型車がETCや前記特許文献1(特開2002−216288号公報)の車型判定装置および車両撮影装置が設置された道路を通過する場合は、その通行情報はわかるが、通行規制区域全てにこれらの装置を設置することは現実的ではない。
【0007】
また、前記特許文献2の大型車用警告装置付き道路標識(特開2000−215390号公報)や前記特許文献3の車載用ナビゲーション装置(特開平11−2535号公報)は通信機能を持たないため、日時や状況によって変わる道路規制には対応できないものであった。また、故意に若しくは過失によって通行規制区域を通過する車両に対し警告し、また、その車両を発見して取り締まることは困難であった。
【0008】
また、GPS等による位置測定装置と車両の運行情報の記録や通信により、車両の運行情報をリアルタイムで計測できる運行管理システムは既に存在し、運行の管理やドライバーへの指示に有効活用されているが、データベースや通信システム等の運行システムの費用全部を事業者が負担しなければならないため、規模の小さな事業者では導入が難しく普及していなかった。
【0009】
更に、従来は車両の運行記録のデータは事業者が管理している事と、データの量が膨大であること等によって、たとえ通行規制区域を走っていることを示すデータがあったとしても、警察や自治体、ましてや騒音等直接の迷惑を受けている地域住民がそれらのデータにアクセスすることはできなかった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、以下の目的を達成する。
(1)ドライバーに対し通行規制区域の情報と迂回路等の情報を提供する事。
(2)通行規制区域へ進入した車両を特定できるようにする事、またその記録が残るようにする事。
(3)通行規制区域への進入を不正に回避する手段をなくする事。
(4)事業者に対するシステム費用の負担を低減する事。
(5)事業者に対し、車両の位置情報のリアルタイム把握など、業務上のメリットを出し、導入が推進されるようにする事。
(6)通行規制区域周辺に住む一般市民においても、通行規制区域へ進入してくる車両の情報を入手できるようにする事。
(7)合法的な運行に関する情報は、事業者及びドライバーのプライバシーが確保されるようにする事。
(8)通行規制区域で、規制速度や規制騒音を守らせるための具体的手段を提供する事。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両運行システムは、車両と当該車両の運行管理を行う管理センターとを備えた車両運行システムであって、車両側に、当該車両の位置を測定する位置測定装置と、位置測定装置により測定された位置情報を管理センターに送信すると共に管理センターから通行規制情報を受信する車両側通信装置と、通行規制情報をドライバーに知らせるための警報装置が設置され、管理センター側に、通行規制情報を格納する記憶装置、車両側通信装置から送信される車両の位置情報を受信すると共に車両側通信装置に通行規制情報を送信するセンター側通信装置が設置されるものである。そして、当該車両が通行規制区域に接近すると、管理センターから送られてくる通行規制情報に基づいて警報装置がドライバーに警告を行ったり、迂回道路を表示したりするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の詳細について図面を参照して説明する。図1はこの発明の実施の形態1による車両運行システムを示す概念図である。ここでは、車両の位置測定及び通信する手法として準天頂衛星を使った例を示している。
【0013】
図において、車両1は主に大型の貨物車、例えば車両重量が4トンを超える大型車両を表わし、道路2は大型車の通行が規制されている通行規制道路を示している。
【0014】
まず、車両1に搭載する機器として、準天頂衛星7,8,9(後述)からの電波をアンテナで受信して車両1の位置を測定する位置測定装置3と、位置測定装置3で測定された車両の位置情報を管理センター10に送信すると共に管理センター10から通行規制情報を受信するための車両側通信装置(デジタル通信装置)4と、車両のドライバーに通行規制情報を知らせるための警報装置5と、車両の位置情報と通行規制情報に基づいて車速やエンジン回転に制限を加える車両制御装置6が存在する。
【0015】
車両1の運行中は、位置測定装置3により車両1の位置を逐次測定する。本実施の形態では、将来の準天頂衛星7,8,9を使った位置測定装置3の例を示しているが、すでに普及している全地球測位システム(GPS)による位置測定装置でも良い。準天頂衛星7,8,9を使った位置測定装置は位置精度が高精度(測位の誤差は数10cm程度)であるので、通行規制として例えば騒音防止のために大型車両は中央レーンの走行に規制されているような場合でも、車両1がレーンのどこを走っていたかがわかるので、より正確な対応が可能である。
【0016】
車両側通信装置4は、管理センター10へ車両の位置測定情報を送信するため、又は管理センター10から通行規制情報を受信するために使用される。本実施の形態では、国内全域で使用できるように送受信ともに準天頂衛星を介したデジタル通信装置を使用しているが、すでに普及している携帯電話、業務用デジタル無線機、PHS、又は将来普及が見込まれている狭域無線通信(DSRC;Dedicated Short Range Communications)など、管理センター10と双方向に通信が出来るものであればよい。
【0017】
警報装置5は、ドライバーに管理センター10から送信される通行規制情報を伝えるための装置であり、通行規制情報や迂回情報を画面で表示する装置でも良いし、音声に変換して警告する装置でも良い。もちろん既に普及しているナビゲーション画面に情報を表示する方法でも良い。
【0018】
車両制御装置6は、通行規制内容が速度制限であったり、騒音制限であったりした場合に使用されるものである。通行規制が速度制限に使用される場合は、車両1の速度を制限速度+α以下に制限する。具体的には制限速度をエンジン制御装置(ECU)に伝え、エンジン制御装置は当該制限速度になるように燃料カット等を実施する。通行規制が騒音制限の場合は、車両1のエンジン回転数を制限して、騒音の大きい高回転での使用を出来ないようにする。具体的には上限回転数をエンジン制御装置(ECU)に伝え、エンジン制御装置は上限回転数になるように燃料カット等を実施する。なお、本実施の形態では詳しく触れてはいないが、車両1が盗難に遭った場合など、車両制御装置6でエンジンを止める機能を持ってもよい。
【0019】
次に、車両運行システムの施設側(インフラ側)の説明を行う。7,8,9は準天頂衛星a,b,cを示す。現在の準天頂衛星の計画では、日本と豪州の間を高度3万6千kmで8の字の起動で飛ぶ衛星を3基打ち上げ、常にいずれか1機の衛星が日本の天頂近くに位置するようにする。準天頂衛星の通信は、天頂付近にある準天頂衛星aを経由して行う。位置測定は他の2つの衛星の信号も使用して行われる。
【0020】
車両1の車両側通信装置4からの通信データは準天頂衛星7を経由し、地上にある管理センター10に送られる。管理センター10には、準天頂衛星7を介して車両側通信装置4との間で通信データを送受信するセンター側通信装置10Bと、通行規制情報、地図情報、並びに各車両から送信されてくる運行状況を記憶する記憶装置11と、センター側通信装置10B及び記憶装置11を制御する制御部10Aが設置されている。記憶装置11はインターネット接続装置12を経由して、インターネット13に接続されている。インターネット13には、事業者のコンピュータ(PC)14と個人のコンピュータ(PC)15が接続されている。
【0021】
次に、本実施の形態の車両運行システムの動作について説明する。
車両1が運行しているとき、当該車両の位置測定装置3は準天頂衛星7,8,9を利用して車両1の位置を測定する。そして、車両1の位置情報は車両側通信装置4を介して管理センター10のセンター側通信装置10Bに送られ、管理センター10の記憶装置11に逐次記録されていく。車両1が通行規制区域、例えば公害を防ぐためロードシュアリングが実施され、大型車の通り抜けが禁止されている幹線道路に近づいている場合、管理センター10では記憶装置11の中にある通行規制区域情報や、現在の車両1の位置等の情報をもとに、通行規制道路への接近の警告と迂回道路の情報を、準天頂衛星7を経由して車両1の車両側通信装置4に送信する。車両側通信装置4は前記情報を警報装置5に送り、警報装置5は画面表示や合成音声警告などにより、ドライバーに通行規制道路へ接近を知らせるとともに迂回路を示す。ドライバーはこの情報をもとに、迂回路に車両1を進行させ、通行規制区域へ進入しないようにする。
【0022】
もし、ドライバーが警告を無視して通行規制区域に進入した場合、警報装置5は定期的に警告をし、迂回路を指示することでドライバーへ通行規制区域外への進行を働きかける。ただし、車両の目的地が通行規制区域内の場合もあるので、ドライバーが操作すれば、一時的に警報装置5を停止させることが出来る。
【0023】
車両1が通行規制区域内から出れば、車両1の位置情報に基づき、警報装置5による警報を停止する。この動作は、通信により管理センター10の指示に従っても良いし、車両1に搭載された位置測定装置3と警報装置5に記録された通行規制区域情報により、車両1で単独で判断しても良い。
【0024】
通行規制区域の規制が、騒音を防止するために、複数ある走行車線の内道路中央側を通るように規制がされている場合は、準天頂衛星7,8,9による高精度位置測定結果を利用し、中央車線以外を車両1が走行している場合に、警報装置5は通行する車線情報を指示する。
【0025】
車両制御装置6は、通行規制道路で、最高速度制限や騒音制限がかけられている場合、管理センター10の指示にしたがってエンジン回転の制御を行い、車速やエンジン回転を制限する働きを持つ。また、当該車両のナンバー、エンジン回転、燃料消費率、ブレーキ頻度、加速度などの様々な車両・走行情報を車両側通信装置4を介して管理センター10に供給する役割も併せて持つ。
【0026】
次に、車両運行システムの管理センター10側の動作について説明する。
管理センター10の機能は、運行中の車両1への前述した情報を提供すると共に、インターネット13を通じて車両1の管理事業者、道路管理者、並びに通行規制道路周辺の住民への運行情報を提供する。
【0027】
まず、インターネット13を通じた車両1の管理事業者への情報提供の仕組みについて説明する。なお、管理センター10の記憶装置11には車両1の運行中の位置情報が逐次記憶されていることが前提である。
【0028】
図2は、車両1の管理事業者が事業者PC14からインターネット13経由で管理センター10の車両情報にアクセスする場合のフローチャートである。なお、このフローチャートは概念を示したもので、実際のプログラムのフローチャートはもっと複雑なものとなる。
【0029】
図2において、まず、事業者はPC14等インターネット接続可能な機器から、管理センター10のコンピュータにインターネット13を経由して接続する。
次にステップ21では、事業者を特定するコードである登録IDコードとセキュリティーのためのパスワードを入力する。これらの情報は暗号化等でインターネット上でのセキュリティーが確保されている。
ステップ22では、情報を取り出したい自社管理の車両ナンバーを入力する。
ステップ23では、出力したい日時を指定する。
ステップ24では、検索該当する車両情報を検索する。なお次のステップ25の出力形式の指定が先にきても良い。
ステップ25では、出力形式を指定する。ここで地図表示が指定された場合、ステップ26に進み、グラフィカルにプラウザ上の地図に経路を表示させる。テキスト出力が指定された場合、ステップ27に進み、時刻と通過地点の情報をテキスト出力する。このテキスト出力は、事業者PC14内部に専用の管理ソフトウェアがある場合使用されるものである。専用の管理ソフトウェアは、管理センター10に自動でアクセスする機能をもち、複数の車両の位置情報を同時に管理できる。また運行データを恒久的に保存できる機能をもつ。もちろん位置情報だけでなく、車両のナンバーや、エンジン回転、燃料消費率、ブレーキ頻度、加速度などの車両・走行情報を取り出すようにすることも出来る。
ステップ28では、他の車両情報を連続して取り出すか否かを確認する。連続して取得する場合、ステップ22の車両ナンバーの入力に戻る。
車両情報の取得が終了した場合はステップ29に進む。ステップ29では車両情報を削除するか確認する。削除が選ばれた場合、ステップ30に進み、アクセス車両情報を管理センター10の記憶装置11から削除する。
【0030】
なお、ここでは示していないが、事業主の機密性確保及び記憶装置11の容量増大を防ぐため、一定時間後に消去するように設定することも可能である。ただし、通行規制区域への進入の情報は外部から消去できないシステムになっている。これは違法行為の証拠を消去させないためである。
また、長期間の保管が必要な場合に備え、バックアップ装置に通行規制区域へ進入した情報のコピーを保管しても良い。
道路管理者や警察は、この情報を基に通行規制区域を違法に通行するドライバーや事業者に警告を与えることが出来る。
【0031】
一方、通行規制道路周辺に住んでいて日々騒音や公害の被害にあっている個人や、大型車両の通行禁止になっているはずの通学路等での安全に不安を持っている学校などからインタネット経由して、管理センターにアクセスすることが出来る。
【0032】
図3は通行規制区域周辺住民の個人宅PC15からインターネット13経由で管理センター10の車両情報にアクセスするときのフローチャートである。図2と同様、概念を示したものある。
【0033】
まずステップ40で、個人宅からPC15等インターネット接続可能な機器から、管理センター10のコンピュータにインターネット13を経由して接続する。
次にステップ41では、個人を特定するコードである登録IDコードを入力する。本来公開情報であり、IDコード入力省略しても良いが、アクセス数の無秩序な増大により、管理センター10のインターネット接続装置12がオーバーロードにならないために設けている。
ステップ42では、規制内容の選択が出来る。なお、前記ステップ41でIDコード入力していれば、地域が特定できるので、規制内容の選択数は少なくなる。
ステップ43では、出力したい日時を指定する。
ステップ44では、検索該当する車両情報を検索する。なお次のステップ45の出力形式の指定が先にきても良い。
ステップ45では、出力形式の指定を行う。ここで地図・台数表示が指定された場合、ステップ46に進み、グラフィカルにプラウザ上の地図に経路を表示させるとともに台数を線の太さで表し表示する。詳細出力が指定された場合、ステップ47に進み、該当車両のナンバーと管理事業者名をテキストで出力する。
ステップ48では、他の車両情報を連続して取り出すかを確認する。連続して取得する場合、ステップ42の規制内容の選択に戻る。
【0034】
このように個人からでも通行規制区域内での通行データと通行した車両のナンバー、管理事業者を検索可能にしている。これにより、騒音や排気ガスなどの被害を受けた住民自らが違反車両を特定することが出来るシステムになっている。
そのため、道路管理者による監視が不充分である場合にも、市民活動で悪質な違反者の情報を集めることが可能である。
【0035】
以上のように実施の形態1によれば、車両1側に、車両の位置を測定する位置測定装置3と、位置測定装置3により測定された位置情報を管理センター10に送信すると共に管理センター10から通行規制情報を受信する車両側通信装置4と、通行規制情報をドライバーに知らせるための警報装置5が設置され、管理センター10側に、通行規制情報を格納する記憶装置11と、車両側通信装置4から送信される車両1の位置情報を受信すると共に車両側通信装置4に通行規制情報を送信するセンター側通信装置10Bが設置され、少なくとも車両1が通行規制区域に接近すると、管理センター10から送られてくる通行規制情報に基づいて警報装置5がドライバーに警告を行ったり、迂回道路を表示したりするので、通行規制区域への規制該当車の乗り入れを効果的に予防し、地域の公害低減や交通安全に寄与することができると共に、車両の管理事業者も対しても安価な運行管理システムを提供することができる。
【0036】
また、位置測定装置3による車両1の位置の測定、並びに車両側通信装置4とセンター側通信装置10Bの間の情報の送受信を、準天頂衛星7,8,9を使用して行うようにしたので、車線規制にまで対応可能な高精度の位置測定が可能となると共に、車両が全国どこでも通信可能になるという効果がある。
【0037】
また、管理センター10の記憶装置11に車両側通信装置4から送信される車両1の位置情報を記録するようにしたので、事業者による車両の運行管理が容易になると共に、道路管理者や警察による通行規制区域を違法に通行するドライバーや事業者に警告するのにも容易となる。
【0038】
更に、管理センター10の記憶装置11に車両側通信装置4から送信される車両・走行情報(車両ナンバー、エンジン回転、燃料消費率、ブレーキ頻度、加速度など)を記録するようにしたので、事業者による車両の運行管理や、道路管理者や警察による監視がより一層容易となる。
【0039】
また、管理センター10の記憶装置11に記録されている情報をインターネット13を通して事業者又は個人に公開するようにしたので、事業者に対するシステム導入費用を低減することができ、また事業者に対し車両の位置情報のリアルタイム把握など業務上のメリットを出すことができ、更に、通行規制区域周辺に住む一般市民においても、通行規制区域へ進入してくる車両の情報を入手し、違法車両の監視を支援し、実際に通行規制区域の騒音や安全を向上させることができる。
【0040】
また、管理センター10の記憶装置11において、通行規制区域外の車両の位置情報又は車両・走行情報を一定期間後に自動的に消去するようにしたので、車両の事業主の機密性を確保することができ、記憶装置11の容量増大を防止することができる。
【0041】
また、車両1側に、管理センター10からの通行規制情報に基づき車両の車速又はエンジン回転数を制限する車両制御装置を設置したので、最高速度制限や騒音制限がある地域に進入した場合、管理センター10の指示にしたがって、車速やエンジン回転を制限することができ規制速度や規制騒音を遵守することができる。
【0042】
実施の形態2.
上記実施の形態で説明した車両運行システムにおいて、車載機器である位置測定装置3と車両側通信装置4と警報装置5は車両の運行中は常に動作し、定期的に管理センター10と情報のやり取りを行う必要がある。不正に本システムの車載機器を本来の車両から取り替えたり、停止させたりすると、車両の位置はわからなくなるので、車両ナンバーに対応して特定する装置が必要になる。
【0043】
実施の形態2では、車両の特定手段に関して説明する。例えば、車両制御装置6に固有のセキュリティーコードを記憶させ、車両制御装置6をエンジン制御装置内に組み込み、管理センター10側から送られてきたセキュリティーコードと車両制御装置6側で照合させ、コードが不一致の場合は、エンジン出力を制限したり、エンジンの始動を停止させたりして、不正に本システムを停止させたり、他の車両に移したりすることを困難にするといった方法が考えられる。もちろん、このセキュリティコードをよりセキュリティーの高い可変コードとして定期的に車両制御装置6に内蔵したEEPROM等の書き換え可能なメモリに定期的に更新して、セキュリティーコードを外部から解読困難にしても良い。
【0044】
また、すでに考案されている電子ナンバープレートに電気的に記録されているナンバーを、電子プレートナンバーから有線又は無線の通信で、本システムの車両側通信装置4に読み込み、その内容を管理センター10のセンター側通信装置10Bに送信する。管理センター10側では、記憶装置11に最初に登録された車両ナンバーと照合し、ナンバーが不一致の場合は不正使用であると判断し、管理センター10の記憶装置11に不正利用の事実を記録すると共に、管理センター10から、通信装置を介して、車両制御装置6にエンジンの出力の制限やエンジンを停止させる指示を出し、本車両運行システムの不正な使用を防止させても良い。
【0045】
本システムの利点.
また、本運行システムの利点として、大型車両はその運行管理記録や税法上での各種記録が必要であるので、それらの記録と、管理センター10の記憶装置11にある運行記録とを照合して、不正に本システムを移動や停止させたかどうかが確認できる。
【0046】
さらに本システムは車両の運行状況を安価に提供することも重要なポイントであって、本システムを停止させることは、顧客サービスの低下につながり事業者にもメリットが少ない。
【0047】
他にも、詳細な運行状況が得られることを利用し、安全運転がなされている車両については、保険会社が本システムを搭載していることを前提にして保険料を割り引くといったことも可能になる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車両側に、当該車両の位置を測定する位置測定装置と、位置測定装置により測定された位置情報を管理センターに送信すると共に管理センターから通行規制情報を受信する車両側通信装置と、通行規制情報をドライバーに知らせるための警報装置が設置され、管理センター側に、通行規制情報を格納する記憶装置、車両側通信装置から送信される車両の位置情報を受信すると共に車両側通信装置に通行規制情報を送信するセンター側通信装置が設置されているので、通行規制区域への規制該当車両の乗り入れを効果的に予防して地域の公害低減や安全に寄与するとともに、車両の管理事業者へも安価に運行管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による車両運行システムを示す概念図である。
【図2】この発明の実施の形態1による車両の管理事業者への運行情報提供のフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1による地域住民への規制違反車両情報提供のフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両、2 通行規制道路、3 位置測定装置、4 車両側通信装置、5 警報装置、6 車両制御装置、7 準天頂衛星a、8 準天頂衛星b、9 準天頂衛星c、10 管理センター、10A 制御部、10B センター側通信装置、11 記憶装置、12 インターネット接続装置、13 インターネット、14 事業者用パーソナルコンピュータ、15 個人用パーソナルコンピュータ。

Claims (9)

  1. 車両と当該車両の運行管理を行う管理センターとを備えた車両運行システムであって、
    車両側に、当該車両の位置を測定する位置測定装置、当該位置測定装置により測定された位置情報を前記管理センターに送信すると共に前記管理センターから通行規制情報を受信する車両側通信装置、当該通行規制情報をドライバーに知らせるための警報装置が設置され、
    管理センター側に、通行規制情報を格納する記憶装置、前記車両側通信装置から送信される前記車両の位置情報を受信すると共に前記車両側通信装置に通行規制情報を送信するセンター側通信装置が設置されている車両運行システム。
  2. 前記位置測定装置による前記車両の位置の測定、並びに前記車両側通信装置と前記センター側通信装置の間の情報の送受信は、準天頂衛星を使用して行うことを特徴とする請求項1に記載の車両運行システム。
  3. 前記管理センターの記憶装置は、前記車両側通信装置から送信される前記車両の位置情報を記録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両運行システム。
  4. 前記管理センターの記憶装置は、前記車両側通信装置から送信される前記車両の車両・走行情報を記録することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両運行システム。
  5. 前記管理センターの記憶装置に記録されている情報をインターネットを通して事業者又は個人に公開していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両運行システム。
  6. 前記管理センターの記憶装置において、通行規制区域外の前記車両の位置情報又は車両・走行情報を一定期間後に自動的に消去することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両運行システム。
  7. 前記車両側には、前記管理センターからの通行規制情報に基づき前記車両の車速を制限する車両制御装置を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両運行システム。
  8. 前記車両側には、前記管理センターからの通行規制情報に基づき前記車両のエンジンの回転数を制限する車両制御装置を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両運行システム。
  9. 前記車両側及び前記管理センター側に、それぞれ当該車両の特定情報を保有し、両特定情報を照合させて不一致の場合、前記車両制御装置は当該車両の走行に制限を加えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の車両運行システム。
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