JP2004206072A - 先球光ファイバ、並びにコリメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い製造効率で形状ばらつきの少ない先球光ファイバのコリメータを提供する。
【解決手段】 光が伝搬するコアを有する光ファイバ1の先端に、前記光ファイバ1よりコアの大きな光ファイバもしくはコアの区別の無い光ファイバ2を接続し、前記光ファイバ2の先端に、前記光ファイバ2よりコアの大きい光ファイバもしくはコアの区別の無い光ファイバ3を接続して、前記光ファイバ3のみを加熱溶融し、完全に球状化した先球部を有する先球光ファイバとする。前記光ファイバ3の外径は前記光ファイバ1の外径よりも大きくする。前記光ファイバ2の外径は前記光ファイバ1の外径よりも大きく、前記光ファイバ3の外径よりも小さくする。前記第3の光ファイバの外径は、放電加熱によって所望の曲率半径を持つ先球部が形成されるときの消失体積が、小さくなるように設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光通信等において、光ファイバもしくは前記光ファイバを用いた小型で低反射のコリメータに関する。
光通信システムにおいて光の伝搬路として用いられる光ファイバは、その中心部に光を伝搬させるコアと、コアの周囲に形成されて且つコアよりも屈折率の小さいクラッド層を備える。この光ファイバの端部は発光素子、受光素子やフィルタ素子に対向させて配置される。光ファイバ中を伝搬してきた光が、端部では空気による屈折率差により、反射戻り光が発生して、半導体レーザ等の発光素子に戻るために発振状態が不安定となる問題があった。そのため、光ファイバの端部を斜めに切断すること、端部を球面化すること、あるいは空気との屈折率差を緩和する反射防止膜を端部に設けること等が、反射戻り光を抑制することを目的に行われている。
また、光ファイバ間にミラーなどの素子を挿入するために、光ファイバからの出射光をレンズによりコリメートして再び光ファイバに結合することが行われている。レンズには屈折率分布型のGRINレンズなどが用いられている。しかし、GRINレンズは、光ファイバに比べて寸法が大きく、使い勝手が悪いという問題がある。
光ファイバの端部を球面化することで、発光素子や受光素子への光の結合を行えることが、特許文献1にて開示されている。先球溶融部の先端でビームを十分拡げるために、光が伝搬する第1の光ファイバの端部に、この光ファイバのコア部と屈折率が等価で単一屈折率を持ち同一外径からなる第2の光ファイバを接続し、その第2の光ファイバの先端を球面化し、それら一対の球面化した光ファイバを対向させてコリメータとして使用できることが特許文献2に開示されている。本願明細書の図8はその構成を示している。
特開昭54−20747号公報(第2頁、第4図) 特開平5−288956号公報(第3頁、図1(b))
特許文献1の構成は、本願明細書の図7に示すように、光ファイバ1の先端を単に丸めて球状部5にしたを形成した場合、球の曲率半径Rは光ファイバの半径(D1/2)より大きくなるが、コア端部での曲率はあまり小さくできない。このため、光ファイバの端部からの光は、先球先端を球状部5にする前と殆ど変わらずに出射されるために、光素子等と高結合にする事ができない。
高結合とは、光ファイバと光素子間、もしくは光ファイバ同士間を高効率で結合し、光の漏れを抑制することをいう。また、反射戻り光もほぼ同程度存在してしまうことなどの問題点がある。
特許文献2の構成は、第2の光ファイバの先端の球面化5は、最も簡単にはアーク放電加熱やマイクロトーチ加熱などにより熱溶融させて行う。第1の光ファイバおよび第2の光ファイバの外径を125μmとしたとき、光ファイバ間の距離を4mm以上として光の高結合が実現できる曲率半径200μm以上の先球部を形成するためには、球面化前の第2の光ファイバの長さL2を5mm以上にする必要があり、所望の曲率半径に達するまで、加熱源に向かって光ファイバの送りを何度か繰り返す必要があり、加工に長時間を要して作製効率が悪いという問題があった。
また、先球部先端から平行光、もしくは所望の出射角度で光ビーム4を出射させるためには、先球部先端と第1の光ファイバの端面との距離を適切に設定する必要があるが、加熱源の熱揺らぎによって、その長さ(以下レンズ長Tと呼ぶ)がばらつく問題がある。さらに、第1の光ファイバと第2の光ファイバの外径が等しく屈折率差が小さい場合、その境界面を判別することが難しい。正確にレンズ長Tを測定することができず、レンズ長Tがばらついてしまうという問題もある。その結果、光ビーム4の出射角度がばらつき、高効率で結合できない問題があった。
本発明はこのような課題を鑑みなされたもので、高結合、かつ高い製造効率で先球光ファイバとコリメータを得ることをその目的とする。
まず、光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、前記第1の光ファイバのコアよりの大きな径のコアを持つ光ファイバもしくはコアの区別の無い第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバの先端に、前記第2の光ファイバのコアより大きな径のコアを持つ光ファイバもしくはコアの区別の無い第3の光ファイバを接続して、前記第3の光ファイバのみを加熱溶融し、完全に球状化して先球部を形成して先球光ファイバとする。前記第3の光ファイバの外径は前記第1の光ファイバの外径よりも大きくする。前記第2の光ファイバの外径は前記第1の光ファイバの外径よりも大きく、前記第3の光ファイバの外径よりも小さくする。前記第3の光ファイバの外径は、放電加熱によって所望の曲率半径を持つ先球部が形成されるときの蒸発に伴う消失体積が、小さくなるように設定する。
光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、前記第1の光ファイバのコアよりの大きな径のコアを持つ光ファイバもしくはコアの区別の無い第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバを加熱溶融し、先球部を形成する先球光ファイバであって、前期第2の光ファイバの外径は、放電加熱によって所望の曲率半径を持つ先球部が形成されるときの蒸発に伴う消失体積が、小さくなるように設定する。
先球光ファイバを2個以上組み合わせてコリメータとする。
[1] 本発明の先球光ファイバは、光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバの先端に、第3の光ファイバを接続した光ファイバであり、
前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
前記第3の光ファイバは、前記第2の光ファイバのコア径D2よりも大きいコア径D3を持つ光ファイバ、もしくは前記第2の光ファイバのコア径D2よりも大きい外径D5でコアのみで構成した光ファイバであり、
前記第3の光ファイバのみを加熱溶融して、球状化した先球部を有していることを特徴とする。前記第3の光ファイバが完全な球状化を施されて先球部を構成していることが望ましい。
ここでいう「完全な球状化」という用語は、光ファイバの先端が加熱されて溶融し、表面張力で球面化して、原型のロッド形状を留めていない状態のこととして用いる。加熱溶融前の前記第3の光ファイバの長さが一定であれば、一定体積の前記第3の光ファイバ部のみを溶融することによって、形成される先球部の曲率半径のバラツキは極めて小さくすることができる。
[2] 上記[1]本発明の先球光ファイバについて、前記第3の光ファイバの外径D5は、前記第1の光ファイバの外径D1よりも大きいことを特徴とする。光ファイバの接続は、異径接合であっても、市販の光ファイバ融着接続機を用いることにより実施することができる。第3の光ファイバの外径D5を大きくすることによって、先球部の曲率半径を大きくすることが容易となる。つまり、第3の光ファイバがより短い長さで、同等の曲率半径Rの先球部を形成することができる。短くすることにより、加熱源の熱揺らぎによる光ファイバの溶ける長さのバラツキを小さくすることができ、レンズ長Tおよび先球部の曲率半径Rのバラツキを低減することができる。
[3] 上記[2]の本発明の先球光ファイバについて、さらに、前記第2の光ファイバの外径D4が前記第1の光ファイバの外径D1より大きく、前記第3の光ファイバの外径D5より小さくする。前記第2の光ファイバと前記第3の光ファイバの境界がより明瞭になり、前記第3の光ファイバ部のみを溶融することが容易になる。その結果、より高精度で曲率半径R、およびレンズ長Tの制御が可能である。また、前記第2の光ファイバと前記第1の光ファイバの境界がより明瞭になり、先球部先端と第1の光ファイバの端面との距離、レンズ長をより簡便かつ正確に測定することができる。
[4] 上記[1]乃至[3]に係る本発明の先球光ファイバについて、前記第3の光ファイバが放電加熱により球状化した時の、蒸発に伴う消失体積は、球状化前の前記第3の光ファイバの体積の20%以下であり、前記第3の光ファイバの長さL3が1000μm以上4000μm以下であり、球状化した部分の曲率半径Rに対して、前記第3の光ファイバの外径D5は数1を満たすことを特徴とする。
Figure 2004206072
数1は、すなわち、0.04×(R3/2)≦D5≦0.1×(R3/2)という関係式である。好ましくは、右辺の0.1を0.10とする。
数1の関係を満たす外径の第3の光ファイバを用いることによって、蒸発に伴う消失体積が小さく、短時間で効率よく所望の曲率半径を持つ先球部を形成することが可能である。
[5] 本発明の他の先球光ファイバは、光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバの先端に、先球形状の部材を接続した光ファイバであって、
前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
前記先球形状の部材の曲率半径Rは、前記第2の光ファイバのコア径D2より大きいか、もしくは前記外径D4より大きいことを特徴とする。
[6] 本発明の他の先球光ファイバは、光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続した光ファイバであって、
前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
前記第2の光ファイバを加熱溶融し、球状化した先球部を有し、
前記第2の光ファイバが放電加熱により球状化した時の蒸発に伴う蒸発体積は、前記第2の光ファイバの球状化する部分の溶融前体積の20%以下であり、球状化した後の曲率半径Rに対して、前記第2の光ファイバの外径が数2を満たすことを特徴とする。ここで、前記第2の光ファイバの外径は、コア径D2の光ファイバの外径、若しくはコアのみの光ファイバの外径D4に相当する。
Figure 2004206072
数2としては、すなわち、0.04×(R3/2)≦D4≦0.1×(R3/2)という関係式を用いる。好ましくは、右辺の0.1を0.10とする。
前記第2の光ファイバはすべて溶融させるわけではないので、溶融せずにロッド形状を留める部分と、球状化する部分に分かれる。数2の関係を満たす外径の第2の光ファイバを用いることによって、球状化する部分が、溶融するときの蒸発に伴う消失体積が小さく、短時間で効率よく所望の曲率半径を持つ先球部を形成することが可能である。
[7] 上記[1]乃至[6]のいずれかの本発明に係る先球光ファイバを用いてコリメータを構成することができる。例えば、一対の前記先球光ファイバを対向させて用いることを特徴とするコリメータである。
より詳細には、上記本発明に係る光球光ファイバのいずれかを用いて、前記先球光ファイバ同士で光の出射および入射を行うか、または発光もしくは受光素子と前記先球光ファイバ間で光の伝達を行うことを特徴とする。要は、先球光ファイバにより光の伝達を高結合で行うコリメータを構成する。一方の先球光ファイバからコリメートした光(即ち平行光線化した光)を出射し、その平行光線を他方の先球光ファイバに入射させることにより、高結合のコリメータを構成することができる。
ここで、"コリメータ"という用語は、光ファイバのコア端部から出射された光が任意の向きに広がらないように光を収束させる部材、光ファイバのコア端部から出射された光を平行光線に変換して伝播させる部材、光ファイバのコア端部から出射される光が対向する光ファイバの端面もしくはコリメータの受光面に入射される程度に光線を平行化するための部材等を含む用語として用いる。
以下、本発明に係る実施例を説明する。ただし、これら実施例により本発明が限定されるものではない。なお、類似の部品については同じ符号で説明する。
(実施例1)
図1は本発明に適用する先球光ファイバコリメータの一実施例に係る断面図である。この先球光ファイバコリメータは、光が伝搬するコアを有する光ファイバ1の先端に光ファイバ1のコア6の径よりも大きいコアを持つ第2の光ファイバ2を融着接続し、さらに第2の光ファイバ2の先端にコアのみで構成される第3の光ファイバ3を接続し、第3の光ファイバ3を加熱溶融させて、完全に球状化して先球部5を形成した。2つの先球光ファイバコリメータを対向させて光ビーム4の出射および入射するものである。コア6から先球部5を伝播した光は光ビーム4となって先球光ファイバから出射された。光ビーム4はコリメートされた平行光線、すなわちコリメート光となった。光ファイバ1はコア6とそれを覆うクラッド層7で構成させている。図面において符号1はコア6とクラッド層7からなる光ファイバを示しており、クラッド層7のみをさしている訳ではない。
先球光ファイバがコリメータとなることを図2の断面図を用いて詳細に説明する。光が伝搬するコア6を有する第1の光ファイバ1の先端に第1の光ファイバ1のコア径D0よりも大きいコア径D2の第2の光ファイバ2を融着接続して、さらに第2の光ファイバ2の先端にコアのみで構成される第3の光ファイバ3を接続し、第3の光ファイバ3を加熱溶融させて、完全に球状化5した先球光ファイバにおいて、先球光ファイバからの出射光4がコリメート光(すなわちビーム4)となる条件は、先球部5の曲率半径Rと先球部5の先端から第1の光ファイバ1のコア6までの距離(レンズ長)T、コアからのビーム拡がり角(NA)が次式の条件を満たす必要がある。
Figure 2004206072
数3において、n0は空気、n1は第2の光ファイバ2および第3光ファイバ3のコアの屈折率である。第2の光ファイバ2および第3の光ファイバ3のコア屈折率は等しいとした。
また、第1の光ファイバ1のコアからのビームが第2の光ファイバ2のクラッド層に当たらない条件を満足する必要がある。この関係は数4のように示される。
Figure 2004206072
さらに、ビームの拡がり角NAが大きすぎると数3を満足することはできないため、数5の関係を満足する必要がある。
Figure 2004206072
そして、加熱溶融して先球部5を作製することから、第1の光ファイバ1のコアが先球部5の内部に存在しないため数6の関係を満足する必要がある。
Figure 2004206072
数3〜数6を満足するような先球部5の形状を計算した結果を図3のグラフに示す。ビーム拡がり角NAに対して、先球部の曲率半径Rと、コアと先端部までの距離Tをパラメータとして計算を行った。グラフの横軸はNAとし、グラフ縦軸は(曲率半径/コア径)、すなわち2R/D2とした。RとTについては第2の光ファイバ2のコア径D2によって規格化している。2R/D2は1以上、NAは0.01以上且つ0.7以下、2T/D2は1.985以上且つ32以下であり、図3のグラフで中央上部の除外部分を除いた斜線部の関係を満足する様に先球部を作製することで先球光ファイバコリメータを実現できる。各々の斜線は2T/D2=4〜32の範囲について計算したものに相当する。
第3の光ファイバ3の長さL3を設定するために、溶融する第3の光ファイバ3の長さL3と先球部の曲率半径の関係Rを計算する。曲率半径Rの先球部5の体積VRと、球面化前の外径D5、長さL3の第3の光ファイバ3の体積VLが等しいすると、L3は数7で求められる。
Figure 2004206072
数7において、D4は第2の光ファイバ2の外径である。
外径よりも小さい直径の先球部5を作製することはできないため、以下の式を満たす。
Figure 2004206072
第2の光ファイバ2の長さL2は、数3〜数6で求めたレンズ長Tの設定に対して、次式の数9で求められる。
Figure 2004206072
外径D1=125μm、コア径D0=10μmのシングルモード光ファイバに、第2の光ファイバ2として外径D4=250μm、コア径D2=200μmの光ファイバを融着接続し、さらにその先端部に第3の光ファイバ3として外径D5=250μmでコアのみで形成される光ファイバを融着接続し、コアのみの外径250μmの第3の光ファイバ3をアーク放電により溶融加熱して完全に球状化5することで、先球光ファイバを作製した。所望の曲率半径R=220μm、レンズ長T=810μmとするために、数7乃至数9から、第3の光ファイバ3の長さL3=890μm、第2の光ファイバ2の長さL2=410μmとした。
しかし、作製した先球光ファイバの先球部5の曲率半径Rを測定したところ、200μmであり、設定値220μmより小さかった。これは第3の光ファイバ3の体積すべてが先球部5となった訳ではなく、溶融中に体積の一部が蒸発し飛散しているためである。
図4に第3の光ファイバ3の長さL3に対する蒸発する体積の割合を示す。横軸は第3の光ファイバ3の長さL3、縦軸は蒸発して消失する体積Vvapを球状化前の第3の光ファイバ3の体積VLで除算した消失体積比である。第3の光ファイバ3が短いときは切断した断面の角が丸くなる過程が主であり、先球にならずに消失体積比が大きい。また、長すぎる場合も消失体積比が大きくなる。熱源である放電の大きさ(〜1mm)に対して第3の光ファイバ3の長さL3が大きくなると、完全に溶融させるために放電に向かって光ファイバを送らなければならない。そのとき先球部5がより高温である放電プラズマの中心に近づくため、消失体積比が多くなる。
第3の光ファイバ3の長さL3が1000μm〜4000μmのとき、消失体積比が0.2(20%)以下であり小さい。第2の光ファイバ2を外径125μm、コア径100μm、第3の光ファイバ3をコアのみで構成される外径250μmとした場合でも、同様に第3の光ファイバ3の長さL3が1000μm〜4000μmのときに消失体積比が小さかった。すなわち外径に依らず第3の光ファイバ3の長さL3が1000μm〜4000μmのときに消失体積比が小さく、もっとも効率的に先球部5を作製することができる。逆に所望の曲率半径Rをもつ先球部5を、蒸発に伴う消失体積が少なく効率的に作製するために、あらかじめ第3の光ファイバ3の外径D5を設定しなければならない。長さL3が1000μm〜4000μmの第3の光ファイバ3が完全に溶融して、曲率半径Rの先球部5が作製されるとき、数6から、第3の光ファイバ3の外径D5は数1を満たさなければならない。数1が、蒸発量を低く抑え先球部5を作製するために、第3の光ファイバ3の外径D5が満たすべき条件である。
数1としては、0.04×(R3/2)≦D5≦0.1×(R3/2)という関係式を用いる。好ましくは、右辺の0.1を0.10とする。
本実施例の所望の曲率半径R=220μmとするためには、第3の光ファイバ3の外径D5は数1より130μm以上326μm以下である必要がある。本実施例においてはD5=250μmであり、条件を満たし、蒸発に伴う消失体積も小さい。仮に第2の光ファイバ2を外径125μm、コア径100μm、第3の光ファイバ3をコアのみで構成される外径125μmとした場合、本条件を満たさず蒸発に伴う消失体積も大きい。作製条件としては不適当である。
蒸発に伴う消失体積を考慮して第3の光ファイバ3を外径D5=250μm、長さL3を1150μmとして、曲率半径R=220μm、レンズ長T=810μmの先球光ファイバを作製することができた。
2本の先球光ファイバを距離4.8mm隔てて対向させ、挿入損失ILを測定したところ、0.3dBであった。先球部からの反射戻り光は55dB以上と低反射であった。先球部5に反射防止膜を施すことで挿入損失および反射戻り光量をさらに低減できる。
ここで挿入損失ILとはIL=−10Log10(P1/P0)で表され、パワーP0は光源とセンサーを光ファイバで接続した状態で、パワーP1は対向する先球光ファイバコリメータをそれぞれ光源とセンサーに接続した場合である。
(実施例2)
外径125μm、コア径10μmのシングルモード光ファイバに、第2の光ファイバ2として外径180μm、コア径150μmの光ファイバを融着接続し、さらにその先端部に第3の光ファイバ3として外径250μmでコアのみで形成される光ファイバを融着接続し、溶融加熱してコアのみの外径250μmの第3の光ファイバ3をアーク放電により完全に球状化5することで、曲率半径R=220μm、レンズ長T=810μmの先球部5を形成し、先球光ファイバコリメータを作製した。その作製過程を図5に示す。図中(a)は加熱溶融前、(b)は溶融中、(c)は溶融後の形状を示している。
溶融は熱源に近い先端部から始まり、先端が球面化5する。同時に第3の光ファイバ3の長さL3は短くなってゆく。溶融が続くと(c)のように第3の光ファイバ3全体が球状化する。完全に球状化した時点で加熱を止める。実施例2の場合、第2の光ファイバ2の外径D4と第3の光ファイバ3の外径D5が異なるため、第2、第3の光ファイバの境界がより明瞭である。このため、第3の光ファイバ3の形状を判断して、第3の光ファイバ3のみが完全に球状化5した時点で加熱を停止して、所望の曲率半径の先球部5を作製することができる。第2、第3の光ファイバが同径である場合に比べ、第3の光ファイバ3のみを完全に球状化5することがより容易となる。その結果、作製する先球部5の曲率半径Rのばらつきをさらに低減することができる。また、この構成でも実施例1に近い高結合を実現することができた。
(実施例3)
外径125μm、コア径10μmのシングルモード光ファイバに、第2の光ファイバ2として外径250μmでコアのみで形成される光ファイバを融着接続し、第2の光ファイバ2をアーク放電により完全に球状化5することで、曲率半径R=220μm、レンズ長T=810μmの先球部5を形成し、先球光ファイバコリメータを作製した。図6にその断面図を示す。第3の光ファイバを接続する手間が省略できるため、より量産に向いている。この構成でも実施例1、2に近い高結合を実現することができた。
以上、本発明によれば、光が伝搬する第1の光ファイバに接続する第2、第3の光ファイバの長さ、コア径、外径を適切に設定し、第3の光ファイバのみを球状化することによって、所望の曲率半径を持つ高結合の先球光ファイバをばらつき少なく高い製造効率で製造することができる。また、球状化と同時に第1の光ファイバの端から先球先端までの距離も決まるので、出射ビームの特性ばらつきも小さく、安定したコリメート特性が得られる。
本発明は、光通信等において、光ファイバもしくは前記光ファイバを用いた小型で低反射のコリメータとして利用することが出来る。
本発明の一実施例の先球光ファイバコリメータの断面図である。 本発明の一実施例の先球光ファイバコリメータを説明する断面図である。 本発明の先球光ファイバの条件を説明するためのグラフである。 本発明の先球光ファイバの加工前長さと蒸発量の関係を説明するためのグラフである。 本発明の先球光ファイバを作製する過程を説明するための図である。 本発明の一実施例の先球光ファイバを説明する断面図である。 従来の先球光ファイバを説明するための図である。 従来の先球光ファイバを説明するための図である。
符号の説明
1 光ファイバ、 2 光ファイバ、 3 光ファイバ、
4 光ビーム、 5 先球部、 6 コア、 7 クラッド層

Claims (7)

  1. 光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバの先端に、第3の光ファイバを接続した光ファイバであり、
    前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
    前記第3の光ファイバは、前記第2の光ファイバのコア径D2よりも大きいコア径D3を持つ光ファイバ、もしくは前記第2の光ファイバのコア径D2よりも大きい外径D5でコアのみで構成された光ファイバであり、
    前記第3の光ファイバのみを加熱溶融し、球状化した先球部を有していることを特徴とする先球光ファイバ。
  2. 前記第3の光ファイバの外径D5は、前記第1の光ファイバの外径D1よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の先球光ファイバ。
  3. 前記第2の光ファイバの外径D4は、前記第1の光ファイバの外径D1よりも大きく、前記第3の光ファイバの外径D5よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の先球光ファイバ。
  4. 前記第3の光ファイバが放電加熱により球状化した時の蒸発に伴う消失体積は、前記第3の光ファイバの球状化前の体積の20%以下であり、前記第3の光ファイバの長さL3が1000μm以上4000μm以下であり、球状化した部分の曲率半径Rに対して、前記第3の光ファイバの外径D5が数1を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の先球光ファイバ。
    Figure 2004206072
  5. 光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続し、前記第2の光ファイバの先端に、先球形状の部材を接続した光ファイバであって、
    前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
    前記先球形状の部材の曲率半径Rは、前記第2の光ファイバのコア径D2より大きいか、もしくは前記外径D4より大きいことを特徴とする先球光ファイバ。
  6. 光が伝搬するコアを有する第1の光ファイバの先端に、第2の光ファイバを接続した光ファイバであって、
    前記第2の光ファイバは、前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きいコア径D2を持つ光ファイバ、もしくは前記第1の光ファイバのコア径D0よりも大きい外径D4でコアのみで構成された光ファイバであり、
    前記第2の光ファイバを加熱溶融し、球状化した先球部を有し、
    前記第2の光ファイバが放電加熱により球状化した時の蒸発に伴う蒸発体積は、前記第2の光ファイバの球状化する部分の溶融前体積の20%以下であり、球状化した後の曲率半径Rに対して、前記第2の光ファイバの外径が数2を満たすことを特徴とする先球光ファイバ。
    Figure 2004206072
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の先球光ファイバを用いることを特徴とするコリメータ。

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