JP2004205057A - プレート型熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】インナーフィンを有するプレート型熱交換器において、インナーフィンの各部に内部流体を均一に流通させると共に、全体として放熱性能を向上させたものの提供。
【解決手段】長手方向両端部に出入口1,2を配置した第1プレート3と第2プレート4の出入口近傍に、幅方向に対して傾斜し且つ互いに交差する波形曲折面5,6を配置し、第1プレート3,第2プレート4の中間部に平坦面7を形成し、その平坦面7間にインナーフィン9を配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】長手方向両端部に出入口1,2を配置した第1プレート3と第2プレート4の出入口近傍に、幅方向に対して傾斜し且つ互いに交差する波形曲折面5,6を配置し、第1プレート3,第2プレート4の中間部に平坦面7を形成し、その平坦面7間にインナーフィン9を配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周縁が立ち上げられて皿状に形成された一対のプレートの周縁を液密に接合して内部に偏平な流路を形成し、その両端部に流体の出入口を設けると共に、中間部にインナーフィンを介装したいわゆるドロンカップ型熱交換器に関し、特に、インナーフィンの各部に流体を均一に流通させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドロンカップ型熱交換器は、少なくとも一方が皿状に形成された一対のプレートを有し、内部にインナーフィンが介装されると共に、両端部に流体の出入口を有する。そして一方の出入口からオイル等の液体を流通し、偏平な内部を通過して他方の出入口に導き、その間に内部流体とプレートの外側流体との間で熱交換を行うものである。このようなプレート型熱交換器は、一対の出入口を結ぶ直接上の近傍に最も流体が流れ易く、その直線から幅方向に離れるに従って流体が流通し難い欠点がある。
【0003】
そこで、出入口が存在する端部に流体拡散用のフィンを配置し、各部に流体を均一に流通させる提案がされている(例えば、特許文献1参照。)。
これはプレートの出入口近傍に拡散フィンを配置してプレートの幅方向に内部流体を流し、プレートの中間部にはそれに直交する方向にフィン列を配置したものである。
さらに他の従来技術として、プレートの出入口周囲に放射方向に伸びる打出しを上下一対のプレートに夫々同方向に設け、その打出しどうしを互いに当接して仕切状にしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭59−37985号公報
【特許文献2】
実開昭59−37986号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1によるプレート型熱交換器は、流体の出入口部における拡散フィンと中間部におけるフィンとを別個に製作し、別個にプレート内に内装する必要があり、部品点数が多くなる共に、その組立てが面倒である欠点があった。
次に、特許文献2によるプレート型熱交換器は、プレート自体に打出し溝を放射状に形成して仕切にするものであるから、部品点数が前者のものよりも少なく組立てが容易である特徴がある。しかしながら、このよう放射溝を設けても、結局は一対の出入口間を直線的に結ぶ線に沿って多くの流体が流通し、周縁程流通し難い点はあまり改善できない。
そこで本発明は、プレートフィン型熱交換器の出入口において、確実に流体を幅方向に拡散できると共に、さらに進んで出入口部における熱交換を促進できるものを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、少なくとも一方が、皿状に形成され且つ長手方向両端部に出入口(1)(2)が形成された一対の第1プレート(3) と第2プレート(4) とを有し、両プレート(3)(4)の周縁を互いに液密に接合して内部に偏平な流路が形成されてなるプレート型熱交換器において、
両プレート(3)(4)は、その長手方向に両端部に波形曲折面(5)(6)が形成され、中間部に平坦面(7) が形成され、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの幅方向に対して、傾斜した多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置され、
対向する両プレート(3)(4)の前記平坦面(7) 間には、インナーフィン(9) が介装されたことを特徴とするプレート型熱交換器である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、前記出入口(1)(2)の回りに平面ハの字状または逆ハの字状の多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置されたプレート型熱交換器である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)の各波の稜線(8)(8a) は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、60度〜80度の角度に形成されたプレート型熱交換器である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)どうしは、その交差部で互いにろう付けされたプレート型熱交換器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明のプレート型熱交換器の一部破断正面図であり、図2は図1のII−II矢視断面略図、図3は同熱交換器に用いられるインナーフィン9の一例を示す要部斜視図、図4は図2のIV−IV矢視断面略図である。
【0010】
この例は、外周が略方形(小判形でもよい)で互いに整合する上下一対の皿状の第1プレート3,第2プレート4と、その中間部に介装されるインナーフィン9とを有する。夫々の第1プレート3,第2プレート4の外周は立ち上げられ、浅い皿状に形成される。そしてこの例では、第2プレート4の開口端外周に第1プレート3が嵌着される。なお、両者はその開口縁に図示しない小フランジを設け、その小フランジ(外フランジおよび内フランジを含む)において、互いに接触するように構成してもよい。また、この例は第1プレート3の長手方向両端部の幅方向中央に一対の出入口1,2が形成されている。
【0011】
次に、第1プレート3,第2プレート4の両端部には出入口1部分を除いて、平面ハの字状または逆ハの字状の波形曲折面5,6が配置されている。即ち、第1プレート3には逆ハの字状の波形曲折面5が形成され、第2プレート4にはハの字状の波形曲折面6が形成されている。従って第1プレート3の波形曲折面5と第2プレート4の波形曲折面6とは、互いに逆向きである。そして夫々の角度は、長手方向に平行な中心線に対して60°〜80°に形成されている。即ち、図4において波形曲折面6の各波の稜線8aと、中心線となす各θが60°〜80°である。
【0012】
次に、第1プレート3,第2プレート4の中間部は平坦面7で形成されている。そして図2に示す如く、上下一対の第1プレート3,第2プレート4内の平坦面7間に、一例として図3に示すインナーフィン9が介装される。このとき、対向するプレート3,4の夫々の波形曲折面5,6の稜線は互いに交差し、その交差部が接触する。
このようにしてなる各第1プレート3,第2プレート4の少なくとも一方の表面には、ろう材が被覆またはろう材が介装されて組み立てられる。そして全体が高温の炉内に挿入され、接触部が互いにろう付け固定される。
【0013】
この熱交換器コアは一例として、一方の出入口1からオイル等の高温流体が両プレート3,4間に流入し、第1プレート3,第2プレート4の外面側に冷却水等の低温流体が流通する。出入口1から流入した液体は、波形曲折面5,6で互いに交差する溝に沿ってジグザグ状に幅方向に拡散しつつ右方に移動する。そしてインナーフィン9を流通して右端部の波形曲折面5,6に達し、両者の溝をジグザグ状に流通して他方の出入口2から流出する。そして、それらの間に冷却水等により冷却される。この冷却は平坦面7のみならず、波形曲折面5,6を流通する間にも効果的に行われる。
【0014】
この例において、波形曲折面5,6のウェーブ角度θと放熱性能との関係は図7の如くなる。即ち、各プレートの中心線と波の稜線とのなす角(ウェーブ角度θ)は、それが0から次第に大きくなるとき60°まで急激に放熱性能が向上し、60°以上ではそれが緩やかに上昇する。また、80°を少し越えた位置で急激に放熱性能が低下する。これは、θを大きくする程放熱性能は増加する傾向にあるが、同時に圧力損失も高くなり、略90°になると流れを遮断し放熱性能が急激に低下することを意味する。
次に、圧力損失の増加割合に対する放熱性能の増加割合をみると、図8の如くθが80°でピークになる。図7および図8からウェーブ角度θは60°〜80°の範囲において最も効果的であることが判る。そこで一つの本発明は、そのウェーブ角度はこの範囲とした。
【0015】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示すプレート型熱交換器の正面図であり、図6は図5のVI−VI矢視断面図である。
この例が図1および図2のそれと異なる点は、第1プレート3,第2プレート4の両端に夫々一対づつの出入口1,2a、出入口2,1aが形成されている。そして多数の第1プレート3,第2プレート4が積層され、各プレートの一つ置きに第1流体10と第2流体11とが交互に流通する。即ち、図5および図6において、出入口1,2間に第1流体10が流通し、出入口1a,2a間に第2流体11が流通する。
【0016】
そのために、図5において第2プレート4の出入口1a,2aは、その孔縁部が凹陥し、それが第1プレート3の孔縁部と接触する。そして第1プレート3の下面側を第2流体11が流通する。第2プレート4の出入口1,2は、平坦面7と同一位置にあり、出入口1から第1流体10が流入し、この例では最上面の第2プレート4とそれに対向する第1プレート3との間に第1流体10が流通する。そして出入口2aと出入口1aとの間に第2流体11が、その第1プレート3の下面側を流通する。そして、第1流体10と第2流体11との間に熱交換が行われるものである。
【0017】
なお、図5および図6はいわゆるスタック型の熱交換器であるが、本発明はこれに限定されるものでは勿論ない。この例でも、第2流体11および第1流体10は夫々第1プレート3,第2プレート4の両端部において幅方向に拡散して流通し、インナーフィン9の各部において均一に流体が流通する。それと共に、第1プレート3および第2プレート4の波形曲折面5,6において攪拌され、熱交換がその両端部でも促進される。
【0018】
次、図9は本発明のさらに他の実施の形態を示し、この実施の形態が図1のそれと異なる点は、波形曲折面5,6の向きが幅方向に対して全て同一方向に形成されていることである。
なお、第1プレート3の波形曲折面5と第2プレート4の波形曲折面6とは互いに逆向きであり、両者の稜線は互いに交差する。
【0019】
【発明の作用・効果】
本発明のプレート型熱交換器は、第1プレート3,第2プレート4の長手方向両端部に波形曲折面5,6が形成され、中間部に平坦面7が形成されている。そして夫々の波形曲折面5,6はプレートの幅方向に対して傾斜した多数の波の稜線8,8aが並列され、それらの稜線8,8aは対向する第1プレート3,第2プレート4で互いに交差するように形成されているから、両端部に位置する出入口1,2から流出入する流体は第1プレート3と第2プレート4との波の稜線方向に沿って移動すると共に、対向する稜線により幅方向に拡散する。
【0020】
即ち、互いに交差する上下一対の波によって両者間を流通する流体はジグザク状に流通し、各プレートの両端部で均一に広がる。それによって、平坦面7間に存在するインナーフィン9の両端縁から流体が夫々均一に流入し熱交換性能を向上し得る。
しかも、第1プレート3,第2プレート4は互い交差する波形曲折面5,6の存在により流体が攪拌されて熱交換を促進する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレート型熱交換器の第1の実施の形態を示す一部破断正面図。
【図2】図1のII−II矢視断面図。
【図3】同熱交換器に用いられるインナーフィン9の一例を示す要部斜視図。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図。
【図5】本発明のプレート型熱交換器の第2の実施の形態を示す正面図。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図。
【図7】本発明の波形曲折面5,6におけるウェーブ角θと放熱性能の関係を示す説明図。
【図8】同ウェーブ角θを横軸とし、縦軸に圧力損失増加割合に対する放熱性能増加割合を示した説明図。
【図9】本発明のプレート型熱交換器の第3の実施の形態を示す正面図。
【符号の説明】
1,1a,2,2a 出入口
3 第1プレート
4 第2プレート
5,6 波形曲折面
7 平坦面
8 稜線
8a 稜線
9 インナーフィン
10 第1流体
11 第2流体
【発明の属する技術分野】
本発明は、周縁が立ち上げられて皿状に形成された一対のプレートの周縁を液密に接合して内部に偏平な流路を形成し、その両端部に流体の出入口を設けると共に、中間部にインナーフィンを介装したいわゆるドロンカップ型熱交換器に関し、特に、インナーフィンの各部に流体を均一に流通させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドロンカップ型熱交換器は、少なくとも一方が皿状に形成された一対のプレートを有し、内部にインナーフィンが介装されると共に、両端部に流体の出入口を有する。そして一方の出入口からオイル等の液体を流通し、偏平な内部を通過して他方の出入口に導き、その間に内部流体とプレートの外側流体との間で熱交換を行うものである。このようなプレート型熱交換器は、一対の出入口を結ぶ直接上の近傍に最も流体が流れ易く、その直線から幅方向に離れるに従って流体が流通し難い欠点がある。
【0003】
そこで、出入口が存在する端部に流体拡散用のフィンを配置し、各部に流体を均一に流通させる提案がされている(例えば、特許文献1参照。)。
これはプレートの出入口近傍に拡散フィンを配置してプレートの幅方向に内部流体を流し、プレートの中間部にはそれに直交する方向にフィン列を配置したものである。
さらに他の従来技術として、プレートの出入口周囲に放射方向に伸びる打出しを上下一対のプレートに夫々同方向に設け、その打出しどうしを互いに当接して仕切状にしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭59−37985号公報
【特許文献2】
実開昭59−37986号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1によるプレート型熱交換器は、流体の出入口部における拡散フィンと中間部におけるフィンとを別個に製作し、別個にプレート内に内装する必要があり、部品点数が多くなる共に、その組立てが面倒である欠点があった。
次に、特許文献2によるプレート型熱交換器は、プレート自体に打出し溝を放射状に形成して仕切にするものであるから、部品点数が前者のものよりも少なく組立てが容易である特徴がある。しかしながら、このよう放射溝を設けても、結局は一対の出入口間を直線的に結ぶ線に沿って多くの流体が流通し、周縁程流通し難い点はあまり改善できない。
そこで本発明は、プレートフィン型熱交換器の出入口において、確実に流体を幅方向に拡散できると共に、さらに進んで出入口部における熱交換を促進できるものを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、少なくとも一方が、皿状に形成され且つ長手方向両端部に出入口(1)(2)が形成された一対の第1プレート(3) と第2プレート(4) とを有し、両プレート(3)(4)の周縁を互いに液密に接合して内部に偏平な流路が形成されてなるプレート型熱交換器において、
両プレート(3)(4)は、その長手方向に両端部に波形曲折面(5)(6)が形成され、中間部に平坦面(7) が形成され、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの幅方向に対して、傾斜した多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置され、
対向する両プレート(3)(4)の前記平坦面(7) 間には、インナーフィン(9) が介装されたことを特徴とするプレート型熱交換器である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、前記出入口(1)(2)の回りに平面ハの字状または逆ハの字状の多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置されたプレート型熱交換器である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)の各波の稜線(8)(8a) は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、60度〜80度の角度に形成されたプレート型熱交換器である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)どうしは、その交差部で互いにろう付けされたプレート型熱交換器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明のプレート型熱交換器の一部破断正面図であり、図2は図1のII−II矢視断面略図、図3は同熱交換器に用いられるインナーフィン9の一例を示す要部斜視図、図4は図2のIV−IV矢視断面略図である。
【0010】
この例は、外周が略方形(小判形でもよい)で互いに整合する上下一対の皿状の第1プレート3,第2プレート4と、その中間部に介装されるインナーフィン9とを有する。夫々の第1プレート3,第2プレート4の外周は立ち上げられ、浅い皿状に形成される。そしてこの例では、第2プレート4の開口端外周に第1プレート3が嵌着される。なお、両者はその開口縁に図示しない小フランジを設け、その小フランジ(外フランジおよび内フランジを含む)において、互いに接触するように構成してもよい。また、この例は第1プレート3の長手方向両端部の幅方向中央に一対の出入口1,2が形成されている。
【0011】
次に、第1プレート3,第2プレート4の両端部には出入口1部分を除いて、平面ハの字状または逆ハの字状の波形曲折面5,6が配置されている。即ち、第1プレート3には逆ハの字状の波形曲折面5が形成され、第2プレート4にはハの字状の波形曲折面6が形成されている。従って第1プレート3の波形曲折面5と第2プレート4の波形曲折面6とは、互いに逆向きである。そして夫々の角度は、長手方向に平行な中心線に対して60°〜80°に形成されている。即ち、図4において波形曲折面6の各波の稜線8aと、中心線となす各θが60°〜80°である。
【0012】
次に、第1プレート3,第2プレート4の中間部は平坦面7で形成されている。そして図2に示す如く、上下一対の第1プレート3,第2プレート4内の平坦面7間に、一例として図3に示すインナーフィン9が介装される。このとき、対向するプレート3,4の夫々の波形曲折面5,6の稜線は互いに交差し、その交差部が接触する。
このようにしてなる各第1プレート3,第2プレート4の少なくとも一方の表面には、ろう材が被覆またはろう材が介装されて組み立てられる。そして全体が高温の炉内に挿入され、接触部が互いにろう付け固定される。
【0013】
この熱交換器コアは一例として、一方の出入口1からオイル等の高温流体が両プレート3,4間に流入し、第1プレート3,第2プレート4の外面側に冷却水等の低温流体が流通する。出入口1から流入した液体は、波形曲折面5,6で互いに交差する溝に沿ってジグザグ状に幅方向に拡散しつつ右方に移動する。そしてインナーフィン9を流通して右端部の波形曲折面5,6に達し、両者の溝をジグザグ状に流通して他方の出入口2から流出する。そして、それらの間に冷却水等により冷却される。この冷却は平坦面7のみならず、波形曲折面5,6を流通する間にも効果的に行われる。
【0014】
この例において、波形曲折面5,6のウェーブ角度θと放熱性能との関係は図7の如くなる。即ち、各プレートの中心線と波の稜線とのなす角(ウェーブ角度θ)は、それが0から次第に大きくなるとき60°まで急激に放熱性能が向上し、60°以上ではそれが緩やかに上昇する。また、80°を少し越えた位置で急激に放熱性能が低下する。これは、θを大きくする程放熱性能は増加する傾向にあるが、同時に圧力損失も高くなり、略90°になると流れを遮断し放熱性能が急激に低下することを意味する。
次に、圧力損失の増加割合に対する放熱性能の増加割合をみると、図8の如くθが80°でピークになる。図7および図8からウェーブ角度θは60°〜80°の範囲において最も効果的であることが判る。そこで一つの本発明は、そのウェーブ角度はこの範囲とした。
【0015】
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示すプレート型熱交換器の正面図であり、図6は図5のVI−VI矢視断面図である。
この例が図1および図2のそれと異なる点は、第1プレート3,第2プレート4の両端に夫々一対づつの出入口1,2a、出入口2,1aが形成されている。そして多数の第1プレート3,第2プレート4が積層され、各プレートの一つ置きに第1流体10と第2流体11とが交互に流通する。即ち、図5および図6において、出入口1,2間に第1流体10が流通し、出入口1a,2a間に第2流体11が流通する。
【0016】
そのために、図5において第2プレート4の出入口1a,2aは、その孔縁部が凹陥し、それが第1プレート3の孔縁部と接触する。そして第1プレート3の下面側を第2流体11が流通する。第2プレート4の出入口1,2は、平坦面7と同一位置にあり、出入口1から第1流体10が流入し、この例では最上面の第2プレート4とそれに対向する第1プレート3との間に第1流体10が流通する。そして出入口2aと出入口1aとの間に第2流体11が、その第1プレート3の下面側を流通する。そして、第1流体10と第2流体11との間に熱交換が行われるものである。
【0017】
なお、図5および図6はいわゆるスタック型の熱交換器であるが、本発明はこれに限定されるものでは勿論ない。この例でも、第2流体11および第1流体10は夫々第1プレート3,第2プレート4の両端部において幅方向に拡散して流通し、インナーフィン9の各部において均一に流体が流通する。それと共に、第1プレート3および第2プレート4の波形曲折面5,6において攪拌され、熱交換がその両端部でも促進される。
【0018】
次、図9は本発明のさらに他の実施の形態を示し、この実施の形態が図1のそれと異なる点は、波形曲折面5,6の向きが幅方向に対して全て同一方向に形成されていることである。
なお、第1プレート3の波形曲折面5と第2プレート4の波形曲折面6とは互いに逆向きであり、両者の稜線は互いに交差する。
【0019】
【発明の作用・効果】
本発明のプレート型熱交換器は、第1プレート3,第2プレート4の長手方向両端部に波形曲折面5,6が形成され、中間部に平坦面7が形成されている。そして夫々の波形曲折面5,6はプレートの幅方向に対して傾斜した多数の波の稜線8,8aが並列され、それらの稜線8,8aは対向する第1プレート3,第2プレート4で互いに交差するように形成されているから、両端部に位置する出入口1,2から流出入する流体は第1プレート3と第2プレート4との波の稜線方向に沿って移動すると共に、対向する稜線により幅方向に拡散する。
【0020】
即ち、互いに交差する上下一対の波によって両者間を流通する流体はジグザク状に流通し、各プレートの両端部で均一に広がる。それによって、平坦面7間に存在するインナーフィン9の両端縁から流体が夫々均一に流入し熱交換性能を向上し得る。
しかも、第1プレート3,第2プレート4は互い交差する波形曲折面5,6の存在により流体が攪拌されて熱交換を促進する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレート型熱交換器の第1の実施の形態を示す一部破断正面図。
【図2】図1のII−II矢視断面図。
【図3】同熱交換器に用いられるインナーフィン9の一例を示す要部斜視図。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図。
【図5】本発明のプレート型熱交換器の第2の実施の形態を示す正面図。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図。
【図7】本発明の波形曲折面5,6におけるウェーブ角θと放熱性能の関係を示す説明図。
【図8】同ウェーブ角θを横軸とし、縦軸に圧力損失増加割合に対する放熱性能増加割合を示した説明図。
【図9】本発明のプレート型熱交換器の第3の実施の形態を示す正面図。
【符号の説明】
1,1a,2,2a 出入口
3 第1プレート
4 第2プレート
5,6 波形曲折面
7 平坦面
8 稜線
8a 稜線
9 インナーフィン
10 第1流体
11 第2流体
Claims (4)
- 少なくとも一方が、皿状に形成され且つ長手方向両端部に出入口(1)(2)が形成された一対の第1プレート(3) と第2プレート(4) とを有し、
両プレート(3)(4)の周縁を互いに液密に接合して内部に偏平な流路が形成されてなるプレート型熱交換器において、
両プレート(3)(4)は、その長手方向に両端部に波形曲折面(5)(6)が形成され、中間部に平坦面(7) が形成され、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの幅方向に対して、傾斜した多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置され、
対向する両プレート(3)(4)の前記平坦面(7) 間には、インナーフィン(9) が介装されたことを特徴とするプレート型熱交換器。 - 請求項1において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、前記出入口(1)(2)の回りに平面ハの字状または逆ハの字状の多数の波の稜線(8)(8a) が並列され、
対向する両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)は、夫々の稜線(8)(8a) が互いに交差するように配置されたプレート型熱交換器。 - 請求項1または請求項2において、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)の各波の稜線(8)(8a) は、プレートの長手方向に平行な中心線に対して、60度〜80度の角度に形成されたプレート型熱交換器。 - 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
両プレート(3)(4)の前記波形曲折面(5)(6)どうしは、その交差部で互いにろう付けされたプレート型熱交換器。
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2002
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