【0001】
【発明の属する技術分野】
近年開発されつつあるアンチセンスDNA等の重要中間体として利用されるN4−アシルシチジン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N4−アシルシチジン誘導体の合成に関する従来技術の代表的な例として、5−メチル−2’−デオキシシチジンに対して、ベンゾイル化を行い、次いで過剰に水酸基がベンゾイ化されたものを加水分解することによって、N4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンを得る方法が挙げられる(Nucleic Acids Res.,(1987)、15(1)、219やChem.Pharm.Bull.,(1986)、34(1)、51等)。
【0003】
この方法の問題点として、N4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンを反応液から分離する際に、結晶化を阻害する不純物を除去するために抽出やカラム操作を必要とするなど煩雑な単離操作を必要とする。さらに収率が65〜73%であり、工業的製法として満足できるものではない。
さらに、出発原料となる5−メチル−2’−デオキシシチジンの合成法をも考慮すると、水酸基の保護、脱保護が有効に行われてない。具体的に述べると、5−メチル−2’−デオキシシチジンは、チミン誘導体と水酸基が保護されたデオキシリボース誘導体を反応した後に脱保護を行うことによりチミジンを得て、再度水酸基を保護しアミノ化、脱保護を行うことによって合成される(チミジンの合成法:NUCLEOSIDE & NUCLEOTIDES,(1989),8(5&6),1075)。そのためにN4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンまでの製造工程数が長くなる欠点を有する。
【0004】
【非特許文献1】Nucleic Acids Res.,(1987)、15(1)、219.
【0005】
【非特許文献2】Chem.Pharm.Bull.,(1986)、34(1)、51.
【0006】
【非特許文献3】NUCLEOSIDE & NUCLEOTIDES,(1989),8(5&6),1075)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はN4−アシルシチジン誘導体について、操作が簡便であり、収率の優れた工業的製造法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、結晶性が向上するような保護基を付した3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジンを出発原料にして、ベンゾイル化、続く加水分解を行うと、N4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンが簡便な単離操作で収率よく得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
これは反応中間体であるN4−ベンゾイル−3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジンが結晶性に優れるために、簡便に反応液から収率よく分離することが可能になる上に、次工程のN4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンの結晶化を阻害する不純物を除去することができている。そのため、従来必要であった抽出やカラム操作などの煩雑な単離操作が不要になり、濾過操作で目的物である一般式(4)で表される化合物が収率良く且つ純度良く得られることが可能になった。これらのことから判るように、結晶性にすぐれた中間体である一般式(3)を経由することは、本発明の特徴を成している。
【0010】
また、本発明は水酸基を保護したチミジンを有効に活用してN4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンを得ることができ、従来法に比べて工程数が簡略化できるので工業的製造法として適している。
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1)[化6]
【0011】
【化6】
(式中、Xは炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基、ハロゲン原子、水素原子を表し、R1およびR2はそれぞれ独立して、置換されてもよい芳香族アシル基、置換されてもよい芳香族スルホニル基、置換されてもよいベンジル基を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、置換された水酸基を表す。)で表されるウリジン誘導体を、一般式(2)[化7]
【0012】
【化7】
(式中、X、R1、R2、R3は前記の通り。)で表されるシチジン誘導体に変換した化合物に対して、溶媒中でアシル化剤を反応させることにより、一般式(3)[化8]
【0013】
【化8】
(式中、X、R1、R2、R3は前記の通り。Yは炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基、置換されてもよい芳香族を表す。)で表される化合物を得た後に、一般式(3)の化合物を塩基の存在下で加水分解して、一般式(4)[化9]
【0014】
【化9】
(式中、X、Y、R3は前記の通り。)を得る製造法であり、
[2] R1およびR2はそれぞれ独立して、置換されてもよい芳香族アシル基を表し、R3は水素原子、置換された水酸基を表す[1]に記載の方法であり、[3] R1、R2がp−クロロベンゾイル基である[1]又は[2]に記載の方法であり、
[4] Xがメチル基、Yがフェニル基である[1]〜[3]の何れか一項に記載の方法であり、
[5] 一般式(5)[化10]
【0015】
【化10】
(式中、R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、置換された水酸基を表す。)で表される化合物であり、
[6] 一般式(5)におけるR3が水素原子、又は置換された水酸基を表す[5]に記載の化合物である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で表される化合物において、Xにおける炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基とは、直鎖状あるいは分岐したアルキル基を表す。
具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
【0017】
炭素数2〜4のアルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基などが挙げられる。
【0018】
炭素数2〜4のアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、プロパギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
【0019】
炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基の例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基などが挙げられる。
【0020】
ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
R1およびR2における水酸基の保護基は結晶性が向上するものが適する。
【0021】
置換されてもよい芳香族アシル基および芳香族スルホニル基における芳香環上の置換基は、無置換でもよいし芳香環上の任意の位置に置換基があってもよい。また、複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基がある場合はその置換基は同一であってもそれぞれ異なるものであってもよい。
【0022】
芳香環上の置換基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基、フェニル基や2−ピリジニル,3−ピリジニル、4−ピリジニルなどの芳香環等が挙げられる。
【0023】
置換されてもよい芳香族アシル基の具体例としては、4−メトキシベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2−ニトロベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、3,5−ジニトロベンゾイル基、4−アミノベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、3,5−ジクロロベンゾイル基、2,4−ジクロロベンゾイル基、パークロロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基などが挙げられる。
【0024】
置換されてもよい芳香族スルホニル基の例としては、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−メトキシベンゼンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、3−ニトロベンゼンスルホニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニル基、4−アミノベンゼンスルホニル基、2,4−ジアミノベンゼンスルホニル基、4−クロロベンゼンスルホニル基、2,4−ジクロロベンゼンスルホニル基、2,5−ジクロロベンゼンスルホニル基、4−ブロモベンゼンスルホニル基、4−アセトキシベンゼンスルホニル基、4−プロピオニルオキシベンゼンスルホニル基、4−アセチルアミノベンゼンスルホニル基、4−ベンゾイルアミノベンゼンスルホニル基、4−アセチルベンゼンスルホニル基、4−ベンゾイルベンゼンスルホニル基、4−フェニルベンゼンスルホニル基などが挙げられる。
【0025】
置換されてもよいベンジル基における置換基は、無置換でもよいし芳香環上の任意の位置に置換基があってもよい。また、複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基がある場合はその置換基は同一であってもそれぞれ異なるものであってもよい。
【0026】
ベンジル基上の置換基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基、フェニル基や2−ピリジニル,3−ピリジニル、4−ピリジニルなどの芳香環等が挙げられる。
【0027】
置換されてもよいベンジル基を例としては、ベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−シアノベンジル基などが挙げられる。
【0028】
R3におけるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0029】
炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基とは、直鎖状あるいは分岐したアルキル基を表す。
具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
【0030】
炭素数2〜4のアルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基などが挙げられる。
【0031】
炭素数2〜4のアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、プロパギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
【0032】
置換された水酸基とは、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、エーテル、ウレタン、シリル基などの一般的な水酸基の保護基となりうる置換基により置換された水酸基を表す。
【0033】
水酸基の保護基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルオキシエチル基、アセトキシメチル基、アセトキシエチル基、ベンゾイルオキシメチル基、ベンゾイルオキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、プロパルギル基、アリル基等のアルキル基、または、アルキル基の先にさらに置換されたアルキル基、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基等のアリール基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、3−メトキシベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2−ニトロベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基などのアシル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基などのウレタン基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、2−メチルベンゼンスルホニル基、3−メチルベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリクロロメタンスルホニル基等のスルホン酸エステル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基が挙げられる。
【0034】
置換された水酸基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、2−メトキシベンジルオキシ基、3−メトキシベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、メトキシエチルオキシ基、エトキシエチルオキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、ベンジルオキシエトキシ基、アセトキシメトキシ基、アセトキシエトキシ基、ベンゾイルオキシメトキシ基、ベンゾイルオキシエトキシ基、メトキシエトキシ基、プロパルギルオキシ基、アリルオキシ基、フェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基、2−ピリジニルオキシ基、3−ピリジニルオキシ基、4−ピリジニルオキシ基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、2−メトキシベンゾイルオキシ基、3−メトキシベンゾイルオキシ基、4−メトキシベンゾイルオキシ基、2−メチルベンゾイルオキシ基、3−メチルベンゾイルオキシ基、4−メチルベンゾイルオキシ基、2−ニトロベンゾイルオキシ基、3−ニトロベンゾイルオキシ基、4−ニトロベンゾイルオキシ基、4−フェニルベンゾイルオキシ基、2−クロロベンゾイルオキシ基、3−クロロベンゾイルオキシ基、4−クロロベンゾイルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、メチルアミノカルボニルオキシ基、エチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基、フェニルアミノカルボニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、2−メチルベンゼンスルホニルオキシ基、3−メチルベンゼンスルホニルオキシ基、4−メチルベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。
【0035】
一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物において、Yにおける炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
【0036】
置換されてもよい芳香族は、無置換でもよいし芳香環上の任意の位置に置換基があってもよい。また、複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基がある場合は、その置換基は同一であってもそれぞれ異なるものであってもよい。
【0037】
芳香環上の置換基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基、フェニル基や2−ピリジニル,3−ピリジニル、4−ピリジニルなどの芳香環等が挙げられる。
【0038】
置換されてもよい芳香族の具体例としては、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、パークロロフェニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。
【0039】
一般式(2)で表される化合物の製造法は、J.C.S Chem.Comn.,1089,1981などに記載の方法を参考にしても合成することができる。
【0040】
一般式(2)で表される化合物から一般式(3)で表される化合物の反応におけるアシル化剤は、酸ハライドや酸無水物等が挙げられ、好ましくは酸無水物である。
【0041】
アシル化剤の使用量は当量以上あれば限定されることはないが、経済的観点から一般式(2)で表される化合物に対して1〜3当量が好ましい。
【0042】
アシル化の際に使用される溶媒は、アミド系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒等が挙げられ、特に限定されることはない。
使用される溶媒の具体例として、アミド系溶媒ではDMF、アルコール系溶媒ではエタノール、イソプロパノール、ニトリル系溶媒ではアセトニトリル、ケトン系溶媒ではアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エーテル系溶媒ではTHF、ジオキサンなどが挙げることができる。
【0043】
アシル化の際の反応温度は、0℃以上溶媒の沸点以下であり、好適には、室温以上溶媒の沸点以下である。
【0044】
アシル化反応終了後、一般式(3)で表される化合物が析出するので、濾過操作をおこない不純物と分別することを必要とする。
【0045】
一般式(3)で表される化合物は塩基の存在下で溶媒中で加水分解して一般式(4)で表される化合物とする。
【0046】
上記加水分解に使用される塩基は、無機塩基、有機塩基で限定されることはない。具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基や、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の有機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は反応が完結すれば限定されることはない。
【0047】
上記加水分解に使用される溶媒は特に限定されることはないが、水溶性の溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、DMF、アセトニトリルなどである。また、水と混合して使用することができ、その比率は問わない。
【0048】
加水分解の際の反応温度は、特に限定されることはないが、好ましくは、室温以下−10℃である。
【0049】
加水分解終了後は、反応液を酸で中和することを要する。その際、使用する酸は特に限定されることはないが、塩酸、硫酸などが挙げられる。使用する酸の量は、反応液のpHが3以上7以下になるように設定すればよい。
【0050】
中和終了後、一般式(4)で表される化合物が晶析するので、濾過操作等で単離する事により目的とするN4-アシルシチジン誘導体を得ることが出来る。
【0051】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に示すが、これらに限定されるものではない。
[参考例1]
3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジンの合成
3’,5’−(p−クロロベンゾイル)チミジン 5.0gのアセトニトリル20mL懸濁液に、トリエチルアミン3.13mLおよびN−メチルピロリジン2.2mLを加え,0℃になるまで冷却した。冷却下、p−トルエンスルホニルクロリド3.85gのアセトニトリル7mL溶液を滴下した後、10℃以下を保ちながら4時間攪拌した。0℃になるまで冷却したのちに、28%アンモニア水20mLを3℃以下を保ちながら滴下した。3℃以下を保ちながら3時間攪拌後、ろ過を行い、アセトニトリル−水(1:1 vol/vol)溶液20mLおよびアセトニトリル5mLにて洗浄した。粗結晶をメタノール100mLに懸濁させて5℃以下を保ちながら1.5時間攪拌した後、ろ過し、メタノール洗浄して得られた固体を減圧下乾燥することにより、表題の化合物3.96gを白色固体として得た。
【0052】
[実施例1]
N4−ベンゾイル−3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジンの合成
アセトニトリル2Lに参考例の方法に従って合成した3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジン98.0g(純度:93.4%)と無水安息香酸50.7gを加えて、65℃で5時間反応した。室温まで冷却した後に、析出物を濾過して表題の化合物を得た。
収量 109.1g(純度:93.8%)
収率 93.1%
1H NMR(CDCl3) 1.92ppm(3H,d,J=0.98)、2.3(1H,m)、2.8(1H,m)、4.56(1H,m)、4.70(1H,m)、4.80(1H,m)、5.62(1H,m)、6.44(1H,m)、7.4−7.5(8H,m)、8.00(4H,m)、8.30(2H,m)、13.29(1H,brs)IR(KBr) 1718.7cm−1、1596.2、1570.21275.1、1093.7
【0053】
[実施例2]
N4−ベンゾイル−3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジンの合成
イソプロピルアルコール200mlに3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジン5.0g(純度:94.1%)と無水安息香酸2.40gを加えて、65℃で4.5時間反応した。さらに無水安息香酸0.87gを加えて3時間反応した。室温まで冷却した後に、析出物を濾過して表題の化合物を得た。
収量 5.56g(純度:95.1%)
収率 93.5%
【0054】
[実施例3]
N4−ベンゾイル−5−メチル−2’−デオキシシチジンの合成
水酸化ナトリウム16.2gに水180mlとエタノール720mlを加えて氷冷した。これに実施例1で得られたN4−ベンゾイル−3’,5’−ジ−O−(p−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオキシシチジン90.0gを装入して、同温で1.5時間反応した。反応終了後、2Nの塩酸水で中和して、1.5時間攪拌した。析出した化合物を濾過し、表題の化合物を得た。
収量 43.7g(純度:97.1%)
収率 91.2%
【0055】
【発明の効果】
本発明により、N4−アシルシチジン誘導体が、工程数が少なく、かつ煩雑な操作を必要とせず、濾過操作で収率よく合成することが可能になった。このような本発明は、工業的製法として適している。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an N 4 -acyl cytidine derivative used as an important intermediate such as antisense DNA which is being developed in recent years.
[0002]
[Prior art]
As a typical example of the prior art relating to the synthesis of N 4 -acyl cytidine derivatives, 5-methyl-2′-deoxycytidine is subjected to benzoylation, and then hydrolysis of an excessively benzoylated hydroxyl group. A method for obtaining N 4 -benzoyl-5-methyl-2′-deoxycytidine (Nucleic Acids Res., (1987), 15 (1), 219 and Chem. Pharm. Bull., (1986), 34 (1), 51 etc.).
[0003]
As a problem of this method, when N 4 -benzoyl-5-methyl-2′-deoxycytidine is separated from the reaction solution, extraction or column operation is required to remove impurities that inhibit crystallization. A complicated isolation operation is required. Further, the yield is 65 to 73%, which is not satisfactory as an industrial production method.
Furthermore, considering the method of synthesizing 5-methyl-2'-deoxycytidine as a starting material, protection and deprotection of a hydroxyl group are not effectively performed. More specifically, 5-methyl-2'-deoxycytidine is obtained by reacting a thymine derivative with a deoxyribose derivative having a protected hydroxyl group and then performing deprotection to obtain thymidine, and protecting the hydroxyl group again to aminate it. (Thymidine synthesis method: NUCLOSIDE & NUCLEOTIDES, (1989), 8 (5 & 6), 1075). For this reason, there is a disadvantage that the number of production steps up to N4-benzoyl-5-methyl-2'-deoxycytidine becomes long.
[0004]
[Non-Patent Document 1] Nucleic Acids Res., (1987), 15 (1), 219.
[0005]
[Non-Patent Document 2] Chem. Pharm. Bull., (1986), 34 (1), 51.
[0006]
[Non-Patent Document 3] NUCLEOSIDE & NUCLEOTIDES, (1989), 8 (5 & 6), 1075)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an industrial production method for an N 4 -acyl cytidine derivative, which is simple in operation and excellent in yield.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above-mentioned problems, and as a result, have found that 3 ′, 5′-di-O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl having a protecting group for improving the crystallinity. the 2'-deoxycytidine in the starting material, benzoylation, when a subsequent hydrolysis, N 4 - that benzoyl-5-methyl-2'-deoxycytidine is obtained in good yield by a simple isolation procedure Heading, the present invention has been completed.
[0009]
This is because N 4 -benzoyl-3 ′, 5′-di-O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2′-deoxycytidine, which is a reaction intermediate, has excellent crystallinity. In addition to the above, it is possible to remove the impurities which inhibit the crystallization of N 4 -benzoyl-5-methyl-2′-deoxycytidine in the next step. Therefore, complicated isolation operations such as extraction and column operation, which were conventionally required, are not required, and the compound represented by the general formula (4), which is the target product, can be obtained in good yield and purity by filtration operation. Is now possible. As can be seen from these facts, passing through the general formula (3) which is an intermediate having excellent crystallinity is a feature of the present invention.
[0010]
Further, the present invention is N 4 by effectively utilizing the thymidine protected hydroxyl - benzoyl-5-methyl-2'-deoxycytidine can be obtained industrially since the number of steps can be simplified as compared with the conventional method Suitable as a manufacturing method.
That is, the present invention
[1] General formula (1)
[0011]
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(Wherein X is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms which may be substituted, an alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms, an alkynyl group having 2 to 4 carbon atoms, and a halogen atom having 1 to 4 carbon atoms. Represents an alkyl group, a halogen atom, a hydrogen atom, and R1 and R2 each independently represent an aromatic acyl group which may be substituted, an aromatic sulfonyl group which may be substituted, or a benzyl group which may be substituted; R3 represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, a cyano group, an alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms, an alkynyl group having 2 to 4 carbon atoms, or a substituted hydroxyl group. The uridine derivative is represented by the general formula (2)
[0012]
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(Wherein X, R1, R2, and R3 are as described above), and a compound converted to a cytidine derivative is reacted with an acylating agent in a solvent to give a compound of the general formula (3) 8]
[0013]
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(Wherein X, R1, R2, and R3 are as described above, and Y represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms which may be substituted or an aromatic group which may be substituted). After that, the compound of the general formula (3) is hydrolyzed in the presence of a base to give a compound of the general formula (4)
[0014]
Embedded image
(Wherein X, Y, and R3 are as described above).
[2] The method according to [1], wherein R1 and R2 each independently represent an aromatic acyl group which may be substituted, and R3 represents a hydrogen atom or a substituted hydroxyl group. The method according to [1] or [2], wherein R2 is a p-chlorobenzoyl group,
[4] The method according to any one of [1] to [3], wherein X is a methyl group and Y is a phenyl group,
[5] General formula (5)
[0015]
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(In the formula, R3 represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, a cyano group, an alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms, an alkynyl group having 2 to 4 carbon atoms, or a substituted hydroxyl group.) Is a compound represented by
[6] The compound according to [5], wherein R3 in the general formula (5) represents a hydrogen atom or a substituted hydroxyl group.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the compound represented by the general formula (1), the optionally substituted alkyl group having 1 to 4 carbon atoms in X represents a linear or branched alkyl group.
Specific examples include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, and an isobutyl group.
[0017]
Examples of the alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms include an ethenyl group and a propenyl group.
[0018]
Examples of the alkynyl group having 2 to 4 carbon atoms include an ethynyl group, a 1-propynyl group, a propargyl group, a 1-butynyl group, a 2-butynyl group, and a 3-butynyl group.
[0019]
Examples of the alkyl group substituted with a halogen atom having 1 to 4 carbon atoms include a fluoromethyl group, a trifluoromethyl group, a perfluoroethyl group, a perfluoropropyl group, a chloromethyl group, a dichloromethyl group, a trichloromethyl group, Examples include a pentachloroethyl group, a perchloropropyl group, a perchlorobutyl group, a bromomethyl group, and an iodomethyl group.
[0020]
Examples of the halogen atom include fluorine, chlorine, bromine and iodine.
As the hydroxyl-protecting group for R1 and R2, those having improved crystallinity are suitable.
[0021]
The substituent on the aromatic ring in the aromatic acyl group and the aromatic sulfonyl group which may be substituted may be unsubstituted or may have a substituent at an arbitrary position on the aromatic ring. Further, a substituent may be present at a plurality of positions. When there are a plurality of substituents, the substituents may be the same or different.
[0022]
Examples of the substituent on the aromatic ring include an alkyl group such as a methyl group, an ethyl group and an isopropyl group, a methoxy group, an ethoxy group, an n-propyloxy group, an alkyloxy group such as an i-propyloxy group, a nitro group, Substituted or unsubstituted amino groups such as amino group, methylamino group, ethylamino group, n-propylamino group, i-propylamino group, dimethylamino group and diethylamino group; halogen groups such as fluoro group, chloro group and bromo group , Formyl group, acetyl group, propionyl group, acyl group such as benzoyl group, formyloxy group, acetyloxy group, propionyloxy group, acyloxy group such as benzoyloxy group, formamide group, acetamido group, amide group such as benzamide group, Phenyl group, 2-pyridinyl, 3-pyridinyl, 4-pyridinyl Aromatic rings such as such as Le, and the like.
[0023]
Specific examples of the optionally substituted aromatic acyl group include 4-methoxybenzoyl, 4-methylbenzoyl, 2-nitrobenzoyl, 3-nitrobenzoyl, 4-nitrobenzoyl, 3,5-dinitro Benzoyl group, 4-aminobenzoyl group, 4-dimethylaminobenzoyl group, 4-chlorobenzoyl group, 4-bromobenzoyl group, 3,5-dichlorobenzoyl group, 2,4-dichlorobenzoyl group, perchlorobenzoyl group, 4 -Phenylbenzoyl group and the like.
[0024]
Examples of the aromatic sulfonyl group which may be substituted include a 4-methylbenzenesulfonyl group, a 4-methoxybenzenesulfonyl group, a 2-nitrobenzenesulfonyl group, a 3-nitrobenzenesulfonyl group, a 4-nitrobenzenesulfonyl group, and a 2,4- Dinitrobenzenesulfonyl, 4-aminobenzenesulfonyl, 2,4-diaminobenzenesulfonyl, 4-chlorobenzenesulfonyl, 2,4-dichlorobenzenesulfonyl, 2,5-dichlorobenzenesulfonyl, 4-bromobenzenesulfonyl Group, 4-acetoxybenzenesulfonyl group, 4-propionyloxybenzenesulfonyl group, 4-acetylaminobenzenesulfonyl group, 4-benzoylaminobenzenesulfonyl group, 4-acetylbenzenesulfonyl group, 4-benzoyi group Benzenesulfonyl groups, such as 4-phenyl-benzenesulfonyl group.
[0025]
The substituent in the optionally substituted benzyl group may be unsubstituted or may be present at any position on the aromatic ring. Further, a substituent may be present at a plurality of positions. When there are a plurality of substituents, the substituents may be the same or different.
[0026]
Examples of the substituent on the benzyl group include an alkyl group such as a methyl group, an ethyl group and an isopropyl group, an oxy group such as a methoxy group, an ethoxy group, an n-propyloxy group and an i-propyloxy group, a nitro group, Substituted or unsubstituted amino groups such as amino group, methylamino group, ethylamino group, n-propylamino group, i-propylamino group, dimethylamino group and diethylamino group; halogen groups such as fluoro group, chloro group and bromo group , Formyl group, acetyl group, propionyl group, acyl group such as benzoyl group, formyloxy group, acetyloxy group, propionyloxy group, acyloxy group such as benzoyloxy group, formamide group, acetamido group, amide group such as benzamide group, Phenyl group, 2-pyridinyl, 3-pyridinyl, 4-pi Jiniru aromatic ring, and the like, such as.
[0027]
Examples of a benzyl group which may be substituted include a benzyl group, a 4-methylbenzyl group, a 2,4,6-trimethylbenzyl group, a 4-methoxybenzyl group, a 2-nitrobenzyl group, a 3-nitrobenzyl group, -Nitrobenzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-bromobenzyl group, 4-cyanobenzyl group and the like.
[0028]
The halogen atom in R3 represents a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom.
[0029]
The optionally substituted alkyl group having 1 to 4 carbon atoms means a linear or branched alkyl group.
Specific examples include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, and an isobutyl group.
[0030]
Examples of the alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms include an ethenyl group and a propenyl group.
[0031]
Examples of the alkynyl group having 2 to 4 carbon atoms include an ethynyl group, a 1-propynyl group, a propargyl group, a 1-butynyl group, a 2-butynyl group, and a 3-butynyl group.
[0032]
The substituted hydroxyl group means a hydroxyl group substituted by a substituent that can be a general hydroxyl-protecting group such as a carboxylic acid ester, a sulfonic acid ester, an ether, a urethane, and a silyl group.
[0033]
Examples of the hydroxyl-protecting group include methyl, ethyl, isopropyl, n-butyl, i-butyl, t-butyl, pentyl, benzyl, 2-methoxybenzyl, and 3-methoxybenzyl. , 4-methoxybenzyl, 2-methylbenzyl, 3-methylbenzyl, 4-methylbenzyl, methoxyethyl, ethoxyethyl, benzyloxymethyl, benzyloxyethyl, acetoxymethyl, acetoxyethyl An alkyl group such as a benzoyloxymethyl group, a benzoyloxyethyl group, a methoxyethoxyethyl group, a propargyl group and an allyl group, or an alkyl group further substituted with an alkyl group, a phenyl group, a 2-methoxyphenyl group, -Methoxyphenyl group, 4-methoxyphenyl group, 4-phenylphenyl , 2-pyridinyl group, 3-pyridinyl group, aryl group such as 4-pyridinyl group, formyl group, acetyl group, propionyl group, benzoyl group, 2-methoxybenzoyl group, 3-methoxybenzoyl group, 4-methoxybenzoyl group, 2-methylbenzoyl group, 3-methylbenzoyl group, 4-methylbenzoyl group, 2-nitrobenzoyl group, 3-nitrobenzoyl group, 4-nitrobenzoyl group, 4-phenylbenzoyl group, 2-chlorobenzoyl group, 3- Chlorobenzoyl group, acyl group such as 4-chlorobenzoyl group, aminocarbonyl group, dimethylaminocarbonyl group, methylaminocarbonyl group, ethylaminocarbonyl group, diethylaminocarbonyl group, urethane group such as phenylaminocarbonyl group, methanesulfonyl group, Ethanesulfoni Group, benzenesulfonyl group, 2-methylbenzenesulfonyl group, 3-methylbenzenesulfonyl group, 4-methylbenzenesulfonyl group, trifluoromethanesulfonyl group, sulfonic acid ester group such as trichloromethanesulfonyl group, trimethylsilyl group, triethylsilyl group, and silyl groups such as a t-butyldimethylsilyl group and a t-butyldiphenylsilyl group.
[0034]
Examples of the substituted hydroxyl group include methoxy, ethoxy, isopropyloxy, n-butyloxy, i-butyloxy, t-butyloxy, pentyloxy, benzyloxy, 2-methoxybenzyloxy, -Methoxybenzyloxy group, 4-methoxybenzyloxy group, 2-methylbenzyloxy group, 3-methylbenzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, methoxyethyloxy group, ethoxyethyloxy group, benzyloxymethoxy group, benzyl Oxyethoxy, acetoxymethoxy, acetoxyethoxy, benzoyloxymethoxy, benzoyloxyethoxy, methoxyethoxy, propargyloxy, allyloxy, phenyloxy, 2-methoxyphenyloxy, 3-methoxyphenyl Nyloxy, 4-methoxyphenyloxy, 4-phenylphenyloxy, 2-pyridinyloxy, 3-pyridinyloxy, 4-pyridinyloxy, formyloxy, acetyloxy, propionyloxy, benzoyloxy, 2- Methoxybenzoyloxy group, 3-methoxybenzoyloxy group, 4-methoxybenzoyloxy group, 2-methylbenzoyloxy group, 3-methylbenzoyloxy group, 4-methylbenzoyloxy group, 2-nitrobenzoyloxy group, 3-nitro Benzoyloxy group, 4-nitrobenzoyloxy group, 4-phenylbenzoyloxy group, 2-chlorobenzoyloxy group, 3-chlorobenzoyloxy group, 4-chlorobenzoyloxy group, aminocarbonyloxy group, dimethylaminoca Bonyloxy group, methylaminocarbonyloxy group, ethylaminocarbonyloxy group, diethylaminocarbonyloxy group, phenylaminocarbonyloxy group, methanesulfonyloxy group, ethanesulfonyloxy group, benzenesulfonyloxy group, 2-methylbenzenesulfonyloxy group, 3 -Methylbenzenesulfonyloxy group, 4-methylbenzenesulfonyloxy group, trifluoromethanesulfonyloxy group, trichloromethanesulfonyloxy group, trimethylsilyloxy group, triethylsilyloxy group, t-butyldimethylsilyloxy group, t-butyldiphenylsilyloxy And the like.
[0035]
In the compound represented by the general formula (3) or (4), examples of the optionally substituted alkyl group having 1 to 4 carbon atoms in Y include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group and an isopropyl group. Group, n-butyl group, isobutyl group and the like.
[0036]
The aromatic which may be substituted may be unsubstituted or may have a substituent at any position on the aromatic ring. Further, a substituent may be present at a plurality of positions. When there are a plurality of substituents, the substituents may be the same or different.
[0037]
Examples of the substituent on the aromatic ring include an alkyl group such as a methyl group, an ethyl group and an isopropyl group, a methoxy group, an ethoxy group, an n-propyloxy group, an alkyloxy group such as an i-propyloxy group, a nitro group, Substituted or unsubstituted amino groups such as amino group, methylamino group, ethylamino group, n-propylamino group, i-propylamino group, dimethylamino group and diethylamino group; halogen groups such as fluoro group, chloro group and bromo group , Formyl group, acetyl group, propionyl group, acyl group such as benzoyl group, formyloxy group, acetyloxy group, propionyloxy group, acyloxy group such as benzoyloxy group, formamide group, acetamido group, amide group such as benzamide group, Phenyl group, 2-pyridinyl, 3-pyridinyl, 4-pyridinyl Aromatic rings such as such as Le, and the like.
[0038]
Specific examples of the aromatic that may be substituted include phenyl, 2-methoxyphenyl, 3-methoxyphenyl, 4-methoxyphenyl, 2-methylphenyl, 3-methylphenyl, and 4-methylphenyl. Group, 2-nitrophenyl group, 3-nitrophenyl group, 4-nitrophenyl group, 3,5-dinitrophenyl group, 2-aminophenyl group, 3-aminophenyl group, 4-aminophenyl group, 4-dimethylamino Phenyl, 2-chlorophenyl, 3-chlorophenyl, 4-chlorophenyl, 2-bromophenyl, 3-bromophenyl, 4-bromophenyl, 3,5-dichlorophenyl, 2,4-dichlorophenyl, Examples include a perchlorophenyl group and a 4-phenylphenyl group.
[0039]
The method for producing the compound represented by the general formula (2) is described in J. C. S Chem. Comn. , 1089, 1981, etc., can also be synthesized.
[0040]
The acylating agent in the reaction of the compound represented by the general formula (2) with the compound represented by the general formula (3) includes an acid halide and an acid anhydride, and is preferably an acid anhydride.
[0041]
The amount of the acylating agent to be used is not limited as long as it is equal to or more than the equivalent. However, from an economic viewpoint, the amount is preferably 1 to 3 equivalents to the compound represented by the general formula (2).
[0042]
Solvents used in the acylation include amide solvents, alcohol solvents, nitrile solvents, ketone solvents, ether solvents and the like, and are not particularly limited.
Specific examples of the solvent used include DMF for amide solvents, ethanol, isopropanol for alcohol solvents, acetonitrile for nitrile solvents, acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone for ketone solvents, and THF and dioxane for ether solvents. Can be mentioned.
[0043]
The reaction temperature at the time of acylation is from 0 ° C. to the boiling point of the solvent, preferably from room temperature to the boiling point of the solvent.
[0044]
After the completion of the acylation reaction, the compound represented by the general formula (3) precipitates. Therefore, it is necessary to perform a filtration operation to separate the compound from impurities.
[0045]
The compound represented by the general formula (3) is hydrolyzed in a solvent in the presence of a base to give a compound represented by the general formula (4).
[0046]
The base used for the hydrolysis is not limited to an inorganic base or an organic base. Specific examples include inorganic bases such as lithium hydroxide, sodium hydroxide, potassium hydroxide, and ammonia; and organic bases such as methylamine, ethylamine, propylamine, butylamine, cyclohexylamine, dicyclohexylamine, sodium methoxide, and sodium ethoxide. Bases.
The amount of the base used is not limited as long as the reaction is completed.
[0047]
The solvent used for the hydrolysis is not particularly limited, but a water-soluble solvent is preferable. For example, methanol, ethanol, isopropanol, THF, DMF, acetonitrile and the like. Further, it can be used by mixing with water, and the ratio is not limited.
[0048]
The reaction temperature at the time of the hydrolysis is not particularly limited, but is preferably −10 ° C. or lower at room temperature.
[0049]
After completion of the hydrolysis, it is necessary to neutralize the reaction solution with an acid. At this time, the acid used is not particularly limited, and examples thereof include hydrochloric acid and sulfuric acid. The amount of the acid used may be set so that the pH of the reaction solution is 3 or more and 7 or less.
[0050]
After completion of the neutralization, the compound represented by the general formula (4) is crystallized, so that the target N 4 -acyl cytidine derivative can be obtained by isolation by filtration or the like.
[0051]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
[Reference Example 1]
Synthesis of 3 ′, 5′-di-O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2′-deoxycytidine 3 ′, 5 ′-(p-chlorobenzoyl) thymidine 5.0 g suspension in acetonitrile 20 mL Then, 3.13 mL of triethylamine and 2.2 mL of N-methylpyrrolidine were added, and the mixture was cooled to 0 ° C. Under cooling, a solution of 3.85 g of p-toluenesulfonyl chloride in 7 mL of acetonitrile was added dropwise, and the mixture was stirred for 4 hours while keeping the temperature at 10 ° C or lower. After cooling to 0 ° C., 20 mL of 28% aqueous ammonia was added dropwise while maintaining the temperature at 3 ° C. or lower. After stirring for 3 hours while maintaining the temperature at 3 ° C. or lower, the mixture was filtered and washed with 20 mL of acetonitrile-water (1: 1 vol / vol) solution and 5 mL of acetonitrile. The crude crystals were suspended in 100 mL of methanol and stirred for 1.5 hours while maintaining the temperature at 5 ° C. or lower, followed by filtration, washing with methanol, and drying the obtained solid under reduced pressure to give 3.96 g of the title compound. Obtained as a white solid.
[0052]
[Example 1]
Synthesis of N 4 -benzoyl-3 ′, 5′-di-O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2′-deoxycytidine 3 ′, 5′-dithiol synthesized with 2 L of acetonitrile according to the method of Reference Example. 98.0 g (purity: 93.4%) of -O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2'-deoxycytidine and 50.7 g of benzoic anhydride were added, and the mixture was reacted at 65 ° C for 5 hours. After cooling to room temperature, the precipitate was filtered to give the title compound.
Yield 109.1 g (purity: 93.8%)
93.1% yield
1 H NMR (CDCl 3 ) 1.92 ppm (3H, d, J = 0.98), 2.3 (1H, m), 2.8 (1H, m), 4.56 (1H, m), 4 0.70 (1H, m), 4.80 (1H, m), 5.62 (1H, m), 6.44 (1H, m), 7.4-7.5 (8H, m), 8. 00 (4H, m), 8.30 (2H, m), 13.29 (1H, brs) IR (KBr) 1718.7 cm-1, 1596.2, 1570.21275.1, 1093.7
[0053]
[Example 2]
N 4 - benzoyl-3 ', 5'-di -O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2'-deoxycytidine 3 Synthesis of isopropyl alcohol 200ml of', 5'-di -O- (p- 5.0 g (purity: 94.1%) of chlorobenzoyl) -5-methyl-2′-deoxycytidine and 2.40 g of benzoic anhydride were added, and the mixture was reacted at 65 ° C. for 4.5 hours. Further, 0.87 g of benzoic anhydride was added and reacted for 3 hours. After cooling to room temperature, the precipitate was filtered to give the title compound.
Yield 5.56 g (purity: 95.1%)
93.5% yield
[0054]
[Example 3]
Synthesis of N 4 -benzoyl-5-methyl-2′-deoxycytidine 180 ml of water and 720 ml of ethanol were added to 16.2 g of sodium hydroxide and cooled with ice. 90.0 g of N4-benzoyl-3 ′, 5′-di-O- (p-chlorobenzoyl) -5-methyl-2′-deoxycytidine obtained in Example 1 was added thereto, and the mixture was heated at the same temperature. For 1.5 hours. After completion of the reaction, the mixture was neutralized with 2N aqueous hydrochloric acid and stirred for 1.5 hours. The precipitated compound was filtered to obtain the title compound.
Yield 43.7 g (purity: 97.1%)
91.2% yield
[0055]
【The invention's effect】
The present invention, N 4 - acylcytidine derivatives, fewer steps, and without requiring a complicated operation, it has become possible to synthesize a high yield by filtration. The present invention is suitable as an industrial manufacturing method.