JP2004203297A - 自動車用アルミホイールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性能を満足しつつ、軽量化と低費用化を実現し得る自動車用アルミホイールの製造方法を提案する。
【解決手段】リブ部5の背面に、外径が1mm〜6mmの加圧痕17を面方向に連続させてなる点圧加工を行うことにより、その表層に圧縮残留応力が付与されてなるリブ背面エンボス領域15を形成するようにしたから、従来のショットピーニング加工に比して、該領域15にほぼ均一に圧縮残留応力を付加できると共に、充分な深さまで該圧縮残留応力を付加でき、この自動車用アルミホイール1の疲労寿命を安定的に大きく向上させることが可能である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のハブに取り付けられるハブ部と、タイヤが装着されるリム部と、該ハブ部とリム部との間に形成されたスポーク部とからなる自動車用アルミホイールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金製の自動車用アルミホイールにあっては、優れた意匠性や、軽量化及び繰安性等を発揮し得ることから、近年、自動車への装着率が大幅に増大している。このようなアルミホイールは、鋳造や鍛造によって製造されることが一般的である。ここで、鍛造で成形されるアルミホイールは、鋳造成形されたものに比して、強度的に優れ、かつ疲労寿命も高くなることから、優れた軽量ホイールを製造することが可能である。しかし、この鍛造には、高価な鍛造用のプレス機器が必要となるため、これによって製造されたアルミホイールは高価なものとなる。
【0003】
一方、鋳造は、比較的安価にアルミホイールを製造できるという利点があり、近年、この製造方法が主流となっている。しかし、上述のように、この鋳造成形されたアルミホイールは、鍛造成形されたものに比して、強度及び疲労寿命が低いことから、薄肉化して軽量化することには限界があり、その重量は、鍛造成形のものより重くなっていた。
【0004】
ここで、自動車のハブに取り付けられるハブ部と、タイヤが装着されるリム部と、該ハブ部とリム部との間に形成されたスポーク部とから形成される、一般的なアルミホイールを、自動車に装着した場合、走行時に、スポーク部の、ハブ部と連成されるリブ部の背面に、最も強い応力(引張応力)が作用する。これにより、ホイールの疲労寿命は、リブ部の背面の破壊によって決まることが周知であった。そのため、鍛造成形のものより強度的に低くなる、鋳造成形のアルミホイールでは、このリブ部の肉厚を充分に確保する必要があった。
【0005】
このような鋳造により成形されたアルミホイールを軽量化するためには、上記したリブ部の強度を向上させ、疲労寿命を延ばす必要がある。そのため、アルミニウムの疲労寿命を向上する方法として、ショットピーニング加工(例えば、特許文献1)が用いられている。これは、アルミホイールのリブ部背面に作用する引張応力に対して、このショットピーニング加工によって該リブ部背面に圧縮残留応力を付加することにより、このリブ部の疲労寿命を向上させるようにする方法である。これにより、このリブ部を薄肉化でき、当該アルミホイールを軽量化することが可能であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−208415号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の、鋳造成形したアルミホイールを、そのリブ部背面にショットピーニング加工することにより軽量化したものにあって、該ショットピーニング加工では、リブ部背面に約0.2mm程度の深さまでしか圧縮残留応力を付加できない。このように圧縮残留応力の付加層が比較的浅いと、過大な負荷が作用した場合には、この付加層を越えて引張歪みが生じ、破壊することとなる。そのため、アルミホイールの疲労寿命を向上させるには限界があった。また、ショットピーニング加工では、加工領域の全域を比較的均質に加工処理し、圧縮残留応力をほぼ均一に付加することが難しい。そのため、リブ部背面に作用した引張応力が、圧縮残留応力の少ない部位で応力集中することとなり、疲労寿命を充分かつ安定的に発揮できないという問題もあった。さらに、鋳造成形にあっては、表層に欠陥が生じる場合があり、該欠陥を、ショットピーニング加工による圧縮残留応力では充分に除去できないという問題もあった。而して、ショットピーニング加工では、疲労寿命の向上作用が小さく、アルミホイールの軽量化に限界が生じていた。そのため、アルミホイールの軽量化は、比較的安価な鋳造成形のホイールを、鍛造成形並の重量にするまでに至っていなかった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決し、充分な疲労寿命を満足すると共に、軽量化と低費用化とを可能とし得る、自動車用ホイールを提案することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動車のハブに取り付けられるハブ部と、タイヤが装着されるリム部と、該ハブ部とリム部との間に形成されたスポーク部とからなる自動車用アルミホイールの製造方法において、該スポーク部の、ハブ部と連成されるリブ部の背面に、外径が1mm〜6mmの加圧痕を面方向に連続させてなる点圧加工を行うことにより、その表層に圧縮残留応力が付与されてなるリブ背面エンボス領域を形成するようにしたことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
ここで、自動車用アルミホイールにあっては、上述したように、自動車に装着された場合に、リブ部の背面に強い引張応力が作用する。そのため、このリブ部背面に、予め圧縮残留応力が存在する状態、すなわち、圧縮歪みを付加しておくことにより、引張応力によって生じる引張歪みの許容量を高め、強度と疲労寿命を向上させることが可能となる。上記の本発明の製造方法にあっては、このリブ部の背面に適切に圧縮残留応力を付加することにより、疲労寿命を向上させるようにする方法である。すなわち、点圧加工によって外径が1mm〜6mmの加圧痕を面方向に連続させたリブ背面エンボス領域を形成することにより、該リブ背面エンボス領域が面方向に比較的均整に加圧痕を有するものとなるから、圧縮残留応力をほぼ均一に付加させることができると共に、リブ背面エンボス領域に約2mm程度の深さまで該圧縮残留応力を付加させることができる。このようなリブ背面エンボス領域が形成された自動車用アルミホイールにあっては、比較的大きな引張応力が作用した場合にあっても、該応力により生じる引張歪みに耐えることができると共に、該リブ背面エンボス領域でほぼ均質に引張歪みに耐えることができ、上述した従来のショットピーニング加工に比して、疲労寿命を安定的に大きく向上させることが可能となる。一方、この点圧加工によって、リブ背面エンボス領域では鋳造成形により生じた表層の欠陥も充分に除去することができるから、疲労寿命をさらに向上させることが可能である。
【0011】
ここで、点圧加工によりリブ背面エンボス領域に形成する、外径が1mm〜6mmの加圧痕にあっては、1mmより小さくした場合には、該リブ背面エンボス領域にムラなく均整に加圧痕を形成することが難しく、また、6mmより大きくした場合には、加工痕内で圧縮残留応力の大きさに偏りを生じることとなり得る。而して、上記したように、優れた疲労寿命を安定的に発揮させるためには、前記範囲の加圧痕を形成する必要がある。さらに、この加圧痕を、外径が2mm〜5mmに形成することにより、一層優れた疲労寿命を発揮させ得るから、好適に用いることができる。
【0012】
上述した点圧加工が、ハンマーで打圧してなるハンマリング加工によるものであるとする製造方法(請求項2)が提案される。かかる方法にあっては、上述した点圧加工を、ハンマリング加工により行うようにした方法である。このハンマリング加工によって加工痕を形成することにより、ハンマーの打圧で生じる衝撃をリブ背面エンボス領域のさらに深部まで浸透させ得るから、圧縮残留応力を充分な深さまで付加することが可能である。
【0013】
さらに、かかるハンマリング加工にあっては、ハンマを適正に駆動制御することにより、引張応力が強く作用するリブ部背面に加圧痕を形成するようにしたものであるから、新たに加工用の金型を必要しないと共に、高度な精密機械等も必要とせず、比較的容易に加工を行うことができる。そのため、この加工に要する費用を抑制できるという優れた利点もある。而して、鋳造成形されるアルミホイールに、本発明のハンマリング加工を行い、強度と疲労寿命とを向上させることによって、比較的安価な鋳造成形から製造費用を大きく増大させることなく、ほぼ同等の製造費用で、鍛造成形並に軽量化されたアルミホイールを製造することが可能となる。また、鍛造成形されるアルミホイールに、本発明のハンマリング加工することにより、一層の軽量化を行うことも可能である。
【0014】
点圧加工が、押圧子で点状に押圧してなるものであるとする製造方法(請求項3)が提案される。かかる方法にあっては、押圧子を比較的緩やかに点状に押圧することにより、形成した加圧痕の周囲に充分かつ均整な圧縮残留応力を付加させることができる。また、このような押圧子を用いる加工にあっても、上述したハンマリング加工と同様、新たに高度な精密機械等を必要とせず、加工費を抑制することできる。これにより、鋳造成形によるアルミホイールを、該鋳造成形から製造費用を増大させることなく、鍛造成形並に軽量化させることが可能である。さらに、鍛造成形されるアルミホイールに用いれば、一層の軽量化を行うことも可能である。
【0015】
また、点圧加工が、パンチで点圧してなるパンチング加工によるものであるとする製造方法(請求項4)が提案される。このパンチング加工としては、パンチを打圧してハンマーとして用いて、加圧痕を形成するハンマリング加工を施すことができる。また、パンチを押圧子として用いて、比較的緩やかに点状に押圧することにより、加圧痕を形成することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態例を添付図面に従って説明する。
図1は自動車用アルミホイール1の縦断面図であり、この自動車用アルミホイール1は、リム部4と、ハブ孔6をその中央に具備するハブ部2と、該リム部4とハブ部2とを連結するスポーク部3とからなる。ここで、スポーク部3は、ハブ部2とリム部4との間に6本形成されている(図2参照)。そして、本実施形態例にあっては、自動車用アルミホイール1は、高温で溶解したアルミニウム合金の溶湯を、所定の金型により形成されるキャビティに圧入する、いわゆる鋳造成形によって製造されるものとしている。
【0017】
上記のリム部4には、両側の開口縁にタイヤのサイドウォール部を支持するフランジ部9a,9bが形成されている。そして、自動車に装着された場合に外側(意匠面側)となるホイール表面側のフランジ部9aに、タイヤのビードを着座させるビードシート部10aが連成されており、該ビードシード部10aのホイール背面方向に、タイヤリムの内側位置を規定するために隆起してなるハンプ部11aが設けられている。さらに、このハンプ部11aには、タイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部12が、該ドロップ部12からホイール径方向に立ち上がったウエル部13を介して設けられている。また、このドロップ部12のホイール背面方向には、ホイール軸方向に対して傾斜するレッジ部14が形成されており、このレッジ部14は、ハンプ部11bを介してホイール背面側のビートシート部10bと連なっている。そして、このビードシード部10bが、ホイール背面側のフランジ部9bに連成されている。
【0018】
また、このリム部4の、ホイール表面側のフランジ部9aから、ホイール半径方向内側に向かって、スポーク部3が連成されている。このスポーク部3は、図2のホイール背面図のように、中央にハブ孔6が形成され、該ハブ孔6のホイール半径方向外側にほぼ均等間隔で配設されたボルト孔7を備えるハブ部2と、該ボルト孔7の半径方向外側で連成されている。ここで、このスポーク部3の、ハブ部2と連成する領域がリブ部5となる。そして、ハブ部2の背面側に、自動車のハブと連結されるハブ取付面8が形成されており、該ハブ取付面8の半径方向外側に連成されるリブ部5の背面領域に、本発明にかかるリブ背面エンボス領域15が形成される。
【0019】
次に、本発明の要部にかかる点圧加工として、ハンマリング加工をリブ部5の背面に行う方法について説明する。
所定の鋳造用金型により形成されたキャビティ内に、アルミニウム合金を高温で溶解した溶湯を注入し、冷却する鋳造工程(図示省略)を行った後、該金型から取り外し、バリや、該鋳造工程では成形できない不要部分等を切削する切削工程(図示省略)が行われる。このようにして、所定形状に成形された自動車用アルミホイール1に、その背面側から、上述したリブ部5の背面に、パンチで構成されるハンマー16aを打圧するハンマリング加工(パンチング加工)を施す。ここで、ハンマー16aは先端に、先端半径が約10mmの皿状の点圧部20が形成されている。
【0020】
このハンマリング加工にあっては、所定圧力により制御され、進退方向に駆動制御するハンマー16aを、図3(イ)のように、リブ部5の背面に打圧していく。ここで、このハンマー16aを、点圧部20の押し込み量が約0.2mmとなるように打圧することにより、打圧した跡に外径が約4mmの加圧痕17を形成する。そして、このハンマー16aを、加圧痕17が面方向に連続して形成されるように、複数回連続して打圧することにより、図3(ロ)のように、該加圧痕17が全域に亘るリブ背面エンボス領域15が形成されることとなる。このハンマー16aの打圧によって生じる衝撃力により、リブ背面エンボス領域15の表層には、約2mmの深さまで充分な圧縮歪みを生成することができ、圧縮残留応力の付加された状態を形成することができる。さらに、この圧縮残留応力が、このリブ背面エンボス領域15でほぼ均一に付加されることとなり得る。ここで、このハンマリング加工は、ハンマー16aを制御することにより、圧縮残留応力を付加する必要のあるリブ部5の背面領域を適正に打圧するものであるから、新たな金型や高度な精密機械等を導入することなく、適切な領域にリブ背面エンボス領域15を形成することができるため、これに要する加工費を抑制することが可能である。
【0021】
次に、上述のように、リブ背面エンボス領域15が形成された自動車用アルミホイール1を、回転曲げ耐久試験(試験方法JIS D 4103 5.1)により疲労寿命を調べた。ここで、回転曲げ耐久試験は、一定速度で回転するホイールのハブ取付面に曲げモーメントを与える試験であり、ホイールに亀裂や破損等の異常が発生するまで継続し、異常の生じた回転数を疲労寿命の指標とした。ここで、自動車用のホイールは、自動車を構成する各種部品にあって、最も重要な保安部品の一つであることから、様々な規格が存在し、該規格を満足する要求性能が求められている。すなわち、前記の回転曲げ耐久試験にあっても、所定の要求性能が定められている。
【0022】
また、上述したハンマリング加工を実行せず、その代わりにショットピーニング加工をリブ部5の背面領域に施した自動車用アルミホイール(図示せず)を、比較例として、この回転曲げ耐久試験により疲労寿命を調べた。尚、この比較例の自動車用アルミホイールは、ショットピーニング加工を行った以外は、上述した本実施形態例の自動車用アルミホイール1と同じ材料、同じ製造方法を用い、その説明を省略する。ここで、ショットピーニング加工は、実施形態例のハンマリング加工を施した領域(リブ背面エンボス領域15)とほぼ同じ面積に行われている。
【0023】
上述した回転曲げ耐久試験を行った結果、本実施形態例の、ハンマリング加工によりリブ背面打圧領域15を形成した自動車用アルミホイール1は、比較例の、ショットピーニング加工を施した自動車用アルミホイールに比して、疲労寿命が大きく向上することとなった。而して、本発明にかかるハンマリング加工は、アルミホイールの疲労寿命を向上させる有効な方法であると言える。
【0024】
また、比較例の自動車用アルミホイールも、所定の要求性能は満足していることから、本実施形態例による疲労強度向上分を、リブ部5の薄肉化によるホイール軽量化に転化させることも可能である。これによって、疲労寿命の要求性能を満足しつつ軽量化した結果、鋳造成形による自動車用アルミホイール1は、鍛造成形並の軽量ホイールとすることが可能となる。すなわち、本発明の、ハンマリング加工をリブ部5の背面に施し、自動車用アルミホイール1の疲労寿命を向上させることにより、従来の鋳造成形にかかる製造費用から大きく費用を増加することなく、ほぼ同等の製造費用で、鍛造成形とほぼ同じレベルに軽量化された自動車用アルミホイール1を製造することができる。
【0025】
次に、上述したハンマリング加工の代わりに、点圧加工をパンチングによる押圧加工により行う方法について説明する。
リブ部5の背面に、押圧子(パンチ)16bを比較的緩やかに点状に押圧する押圧加工(パンチング加工)を行うことにより、リブ背面エンボス領域15を形成する(図3参照)。かかる押圧加工にあっては、先端半径が約10mmの点圧部20が先端に形成された押圧子16bを、リブ部5の背面に、押し込み量が約0.2mmとなるように複数回押し付けることによって、外径約4mmの加圧痕17を面方向に連続してなるリブ背面エンボス領域15を形成する。
【0026】
この押圧加工によっても、上述したハンマリング加工の場合と同様に、この押圧子16bの押圧により、リブ背面エンボス領域15の表層には、約2mmの深さまで圧縮歪みを生じさせえ、圧縮残留応力の付加することができると共に、該圧縮残留応力がほぼ均一に付加することができる。さらに、この押圧加工は、押圧子16bを制御することにより、リブ部5の背面領域に適正に圧縮残留応力を付加するものであるから、高度な精密機械等を導入することなく、適切な領域にリブ背面エンボス領域15を形成することができるため、この加工費を抑制することが可能である。
【0027】
このような押圧加工によりリブ背面エンボス領域15が形成された自動車用アルミホイール1を、回転曲げ耐久試験(試験方法JIS D 4103 5.1)により疲労寿命を調べた。その結果、上述したハンマリング加工を行った場合と同等の疲労寿命を発揮できることがわかった。
【0028】
上述したハンマリング加工又は押圧加工にあっては、先端半径が約10mmの点圧部20を約0.2mm押し込むようにして、外径が約4mmの加圧痕17を形成するようにした方法であるが、該点圧部20の押し込み量を変更して、外径が約1mm〜6mmの加圧痕17を形成するようにしても良い。又は、点圧部20の先端半径を変更して、この先端半径に従って所定の押し込み量を設定することにより、外径が約1mm〜6mmの加圧痕17を形成することもできる。例えば、先端半径が約15mmの点圧部20を、約0.15mm押し込むことにより、外径が約4mmの加圧痕17を形成できる。このような外径の加圧痕17を形成した場合にあっても、リブ背面エンボス領域15は適正な圧縮残留応力を有するものとなり、疲労寿命を充分に向上させ得る。
【0029】
上述した本実施形態例にあっては、加圧痕17が残存するリブ背面エンボス領域15を形成した自動車用アルミホイール1であるが、ハンマリング加工又は押圧加工の後に、該加圧痕17を切削刃やヤスリ等により削除し、該リブ背面エンボス領域15を平滑化するようにしても良い。このように平滑化した場合にあっても、圧縮残留応力が保持されるから、上述と同様、疲労寿命を適切に向上させることが可能である。
【0030】
また、上述したハンマリング加工又は押圧加工にあって、ハンマー16a又は押圧子16bに、複数の点圧部20を形成し、加工回数を少なくするようにしても良い。これにより、加工工程の時間短縮ができるから、加工費を一層低減することができる。
【0031】
このように、本実施形態例にあっては、鋳造成形により製造する自動車用アルミホイール1にハンマリング加工又はパンチング加工を行うようにした製造方法であるが、これら加工を、鍛造成形により製造する場合にも適用することが可能である。かかる鍛造成形されたアルミホイールは、一層疲労寿命が向上することとなるから、この疲労寿命の向上分を軽量化に転化することができ、さらに優れた軽量ホイールを製造することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、自動車用アルミホイールの製造方法において、ハブ部と連成されるリブ部の背面に、外径が1mm〜6mmの加圧痕を面方向に連続させてなる点圧加工を行うことにより、その表層に圧縮残留応力が付与されてなるリブ背面エンボス領域を形成するようにしたものであるから(請求項1)、該リブ背面エンボス領域が面方向に比較的均整に加圧痕を有するものとなり、圧縮残留応力をほぼ均一に付加させることができると共に、約2mm程度の深さまで圧縮残留応力を付加させることができる。このようなリブ背面エンボス領域を形成した自動車用アルミホイールは、従来のショットピーニング加工を行ったものに比して、該リブ背面エンボス領域でほぼ均等に、比較的大きな引張応力に耐えることができ、疲労寿命を安定的に大きく向上させることが可能となる。また、この点圧加工により、リブ背面エンボス領域では鋳造成形で生じた外層の欠陥も充分に除去でき、疲労寿命をさらに向上させ得る。
【0033】
ここで、点圧加工が、ハンマーで打圧してなるハンマリング加工によるものであるとする製造方法(請求項2)にあっては、ハンマーの打圧で生じる衝撃により圧縮残留応力を充分な深さまで付加することができる。また、このようなハンマリング加工には、新たな金型や、高度な精密機械等を必要とせず、その加工費を抑制できるという優れた利点もある。而して、鋳造成形されるアルミホイールに、本発明のハンマリング加工を行うことにより、比較的安価な鋳造成形の製造費用で、鍛造成形並に軽量化されたアルミホイールを製造することも可能である。尚、鍛造成形されるアルミホイールに、このハンマリング加工を行うことにより、一層軽量化することもできる。
【0034】
点圧加工が、押圧子で点状に押圧してなるものであるとする製造方法(請求項3)にあっては、押圧子を比較的緩やかに点状に押圧することにより、加圧痕の周囲に充分かつ均整な圧縮残留応力を付加させることができる。また、このような押圧子を用いる加工にあっても、上述したハンマリング加工と同様、新たに高度な精密機械等を必要とせず、加工費を抑制することできる。これにより、鋳造成形によるアルミホイールを、製造費用を増大させることなく、鍛造成形並に軽量化させることが可能である。尚、鍛造成形されるアルミホイールに用いれば、一層の軽量化を行うことも可能である。
【0035】
また、点圧加工が、パンチで点圧してなるパンチング加工によるものであるとする製造方法(請求項4)にあっては、該パンチング加工として、パンチをハンマーとして用いて打圧するハンマリング加工や、パンチを押圧子として用いて押圧する加工を行うことにより、上述と同様に、圧縮残留応力が適切に付加されたリブ背面エンボス領域を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用アルミホイール1の縦断面図である。
【図2】本発明の自動車用アルミホイール1の背面図である。
【図3】本発明にかかる、ハンマリング加工又は押圧加工を表す説明図である。
【符号の説明】
1 自動車用アルミホイール
2 ハブ部
3 スポーク部
4 リム部
5 リブ部
15 リブ背面エンボス領域
16a ハンマー(パンチ)
16b 押圧子(パンチ)
17 加圧痕

Claims (4)

  1. 自動車のハブに取り付けられるハブ部と、タイヤが装着されるリム部と、該ハブ部とリム部との間に形成されたスポーク部とからなる自動車用アルミホイールの製造方法において、
    前記スポーク部の、ハブ部と連成されるリブ部の背面に、外径が1mm〜6mmの加圧痕を面方向に連続させてなる点圧加工を行うことにより、その表層に圧縮残留応力が付与されてなるリブ背面エンボス領域を形成するようにしたことを特徴とする自動車用アルミホイールの製造方法。
  2. 点圧加工が、ハンマーで打圧してなるハンマリング加工によるものである請求項1記載の自動車用アルミホイールの製造方法。
  3. 点圧加工が、押圧子で点状に押圧してなるものである請求項1記載の自動車用アルミホイールの製造方法。
  4. 点圧加工が、パンチで点圧してなるパンチング加工によるものである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用アルミホイールの製造方法。
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