JP2004203201A - 自動車用電気式空気清浄器 - Google Patents
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Abstract
【課題】リークを防ぎながら、小型化及び集塵効率の低下抑制又は向上を図りつつ、部品点数又は組み立て工数の増加を招かない空気清浄器を提供する。
【解決手段】空気流入口27及び空気放出口28を備えた通風ケース4に、放電極5及び放電対向電極30を備えた荷電部7と、集塵極2及び集塵対向電極6を備えた集塵部8とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。
【選択図】 図6
【解決手段】空気流入口27及び空気放出口28を備えた通風ケース4に、放電極5及び放電対向電極30を備えた荷電部7と、集塵極2及び集塵対向電極6を備えた集塵部8とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、放電極から集塵部に向けて空中放電を生じさせず、全体構成を小型化し、かつ集塵効率を向上させる技術改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気中の粉塵を収集、除去する目的の電気式空気清浄器は、例えば空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した構成である。これは自動車用電気式空気清浄器(以下、本発明ではこの自動車用電気式空気清浄器を空気清浄器と呼ぶ)でも変わらない。しかし、自動車内空間は大きさに制限があり、空気清浄器は通常よりも強く小型化が望まれる。
【0003】
ところが、空気清浄器の小型化は放電極と集塵極又は集塵対向電極とを接近させ、放電極及び放電対向電極間のコロナ放電電流が集塵極又は集塵対向電極へ漏れる、すなわちリークの虞が生まれる。このため、空気清浄器の小型化、特に通風方向の小型化については、前記リークを招かない工夫、例えば放電極、集塵極又は集塵対向電極の電極構造や、各電極の位置関係又は距離を工夫しなければならない。これに対し、特許文献1では、第1電極部材(放電極)と第2電極部材(集塵極)との放電間隙L1を6〜10mmにしている。これは、放電極と集塵極又は集塵対向電極とにおける絶縁距離の最適値を示すことで、リークを防止している。
【0004】
特許文献2では、対向電極(集塵対向電極)のイオン化電極(集塵極)側先端と集塵電極(集塵極)のイオン化電極側先端の風方向の差をL2とし、対向電極と集塵電極との間隔をL1としたとき、L1≦L2≦3L1に設定するとしている。これは、放電極、集塵極及び集塵対向電極それぞれの位置関係を特定することで、リークを防止している。
【0005】
特許文献3では、放電板(板状の放電極)と集塵板(板状の集塵極)とを空気の流れ方向と交互に離間対向させて平行に配設しながら、放電板の突起部(荷電部位)と対向する集塵板を前記突起部から等距離になるように湾曲させている(特許文献1中第2図参照)。これは、放電板の突起部に対して集塵板の距離を等距離にし、安定かつ均等な電場を形成することで、リークを防止している。
【0006】
特許文献4では、荷電部と集塵部との間で、かつ放電極(放電極)に対向した位置に放電極とコレクタ集塵極(集塵極)間の絶縁性を高める樹脂製のプレートを設けるとしている。これは、樹脂製プレートの存在により沿面距離を長くして、リークを防止している。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−209664号公報(第1〜2頁、第1及び4図)
【特許文献2】
特開昭60−238171号公報(第2〜3頁、第2〜4図)
【特許文献3】
実全平01−114050号公報(第7〜10頁、第1〜3図)
【特許文献4】
特開平11−000576号公報(第2〜3頁、図1及び3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1は、リークを防止する放電間隙を絶対量で提示している。しかし、リークを生じない放電間隙は、各電極の構造や、荷電部又は集塵部に加えられる印加電圧の極性又は大きさ等により変化する設計的事項である。この点、特許文献2は、集塵電極先端及び集塵対向電極先端の差L2と、前記各電極の間隔L1との相対的関係を定義しているが、あくまで放電極に対する集塵極又は集塵対向電極の関係が重要であり、十分にリークが防止されるか明らかでない。
【0009】
特許文献3は、荷電部位と対向する集塵板を前記突起部から等距離になるように湾曲させており、前記距離を絶縁距離に定めれば、リークの発生を防止することができる。しかし、この特許文献3が提示する空気清浄器は、放電極及び集塵極が共に板状の電極板からなり、しかも両者が空気の流れ方向と交互に離間対向させて平行に配設してある構成に限定しているため、汎用性がない。
【0010】
特許文献4は、リークを防ぐに必要十分な沿面距離を構成するため、別部材である樹脂製プレートを設けるわけであるが、これは部品点数の増加、組立工数の増加等、実際の製品としてコスト増を招く問題を引き起こす。また、樹脂製プレートが脱落した場合、リークが発生しやすくなる危険性がある。
【0011】
リークを防ぐには、放電極から集塵極を遠ざける、すなわち絶縁距離を長くするとよい。しかし、集塵効率を高めるために通常集塵極は放電極より多く設けられるため、特定の放電極に対する各集塵極の距離が異なり、最も直近の放電極及び集塵極のリークを防ごうとすると、他の集塵極が離隔しすぎるようになる。これは、集塵効率の低下を招く。また、放電極から集塵極を遠ざけると、小型化を目指す空気清浄器では、集塵極の小型化に結びつき、集塵効率に結びつく集塵極の表面積を低下させ、結局集塵効率の低下を招くことになる。
【0012】
そこで、第1に空気清浄器のリークを防ぎながら、空気清浄器の小型化及び集塵効率の低下抑制又は向上を図ることを目的とし、第2に前記目的に際して部品点数又は組み立て工数の増加を招かないようにする空気清浄器について検討することとした。
【0013】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、集塵極通風方向前端及び集塵対向電極通風方向前端を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。ここで、「絶縁距離」とは、放電極と集塵極又は集塵対向電極との間でリークが発生しない最小直線距離を意味する。この絶縁距離は、各電極構成や印加電圧の正負又は大小によって変化するが、前記電極構成や印加電圧の正負又は大小は設計的事項だから、絶縁距離は自ずと決定される値となる。
【0014】
本発明にいう「放電極」、「放電対向電極」、「集塵極」又は「集塵対向電極」は、電圧を印加する荷電部位(針状突起等)やGND(接地)である線又は板を多数並設した構成の電気的単位を意味する。これから、「集塵極通風方向前端及び集塵対向電極通風方向前端を結ぶ仮想的な側面視倣い縁」は、集塵極を構成する各集塵板前縁と、集塵対向電極を構成するGND板前縁とを結んでできる仮想線を意味し、「放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧」は、放電極を構成する各放電板後縁から絶縁距離を半径とする略円弧を意味する。
【0015】
より具体的には、集塵部は、集塵板を並設した梯子構造の集塵極と集塵対向板を並設した梯子構造の集塵対向電極とからなり、集塵板通風方向前縁及び集塵対向板通風方向前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。すなわち、側面視倣い縁は、集塵極及び集塵対向電極(GNDとは限らない)を構成する多数の集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結んでできる仮想線であり、前記仮想線が放電板後縁から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う構成の空気清浄器である。
【0016】
上記空気清浄器の各集塵板及び集塵対向板は、それぞれ通風方向長さを変えることができる。例えば、放電極と通風方向同一線上に集塵板があれば、前記集塵板を最短として、この集塵板の両隣に若干長い(通風方向に若干突出した)集塵対向板、更にその両隣により長い(通風方向に若干突出した)集塵板、と続く。これは、総集塵板の面積の拡大をもたらし、ひいては集塵効率の向上という効果をもたらす。
【0017】
ここで、放電極と通風方向同一線上にある基準集塵板A0の長さをLa0、放電極からの絶縁距離をINSとし、この基準集塵板A0からピッチPs間隔で第n集塵対向板Kn及び第n集塵板Anを交互に並設する場合、各第n集塵対向板Knの長さLkn、各第n集塵板Anの長さLanは次の式で表される。
Lkn=La0+(INS−√(INS2−(n*Ps)2))
Lan=La0+(INS−√(INS2−(2n*Ps)2))
上記各式におけるnは自然数(1,2,3,…)である。更に、放電極のピッチPhを上記ピッチPsの自然数倍とすれば、
n=Ph/(2*Ps)
となる。
【0018】
集塵極を集塵板を並設した梯子構造で構成する場合、例えばフレーム内に多数の集塵板を架設して構成してもよいが、一体成形品として構成する方が好ましい。そこで、集塵極は、半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形する。半導電性樹脂を用いるのは、電界生成のために必要な高電圧を印加できる適度な抵抗率(体積抵抗率)を備えながらも、集塵極及び集塵対向電極が直接又は間接(導電性の物体の媒介等)に接触した場合でもリーク電流の発生を制限して発熱を抑制でき、しかも製造又は加工が容易な材料だからである。好ましい半導電性樹脂は、体積抵抗率1010〜1013Ωcmの樹脂材料である。樹脂製の一体成形品であるから、この集塵極の製造は容易である。
【0019】
同様に、対となる集塵対向電極は、導電性樹脂からなる集塵対向板を並設した梯子構造に一体成形する。導電性樹脂を用いるのは、通常集塵対向電極は印加電極(集塵極)に対する接地電極(GND)を構成するからで、上述同様、集塵極及び集塵対向電極が直接又は間接(導電性の物体の媒介等)に接触した場合でもリーク電流の発生を制限して発熱を抑制でき、しかも製造又は加工が容易な材料だからである。例えば、帯電粉塵の放出を防止する中和機能付空気清浄器の場合は、集塵極及び集塵対向電極それぞれに逆極性の高電圧を印加する関係から、上記集塵極同様の半導電性樹脂を用いる。接地電極(GND)を形成する集塵対向電極の材料として好ましい導電性樹脂は、体積抵抗率107Ωcm以下の樹脂材料である。
【0020】
半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極は、閉塞状況にある車内の温度上昇により、熱膨張する。これから、こうした半導電性樹脂の一体成形品である集塵極は、弾支状態で通風ケースに固着し、給電部を弾支状態で固着するとよい。固着手段は、プッシュオンナットや、スプリングワッシャを介したネジ等を例示できる。これにより、弾支部位(プッシュオンナットやスプリングワッシャ等)の可動範囲で集塵極は膨張でき、熱膨張による物理的変形又は破損を回避できる。この場合、上記絶縁距離INSはこの熱膨張分を含めて設定する必要がある。同様に、集塵極も、弾支状態で通風ケースに固着するとよい。
【0021】
また、半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極は、上述のように熱膨張による物理的変形又は破損を免れても、多数の集塵板を一体に成形したことによる応力が残存し、温度変化に伴って前記応力が集塵極の変形をもたらす可能性がある。そこで、本発明の集塵極は、各集塵板の表面を梨地にすることで、残存応力の低減を果たした。ここで、本発明に言う「梨地」とは各集塵板表面における微少な凹凸を意味し、例えば1/1000〜1/100mm程度の起伏を指す。この梨地を施した集塵板は離型性もよく、また僅かながら集塵板の面積を増やし、集塵効率の向上をもたらす効果がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づく空気清浄器の一例を表した分解斜視図、図2は半導電性樹脂からなる集塵板1を並設した梯子構造に一体成形した集塵極2の平面図、図3は同集塵極2への給電板3の取付構造を表した部分斜視図、図4は表面を梨地化した集塵板2の表面を表す部分斜視図、図5は通風ケース4への同集塵極2の取付構造を表した部分斜視図であり、図6は放電極5と集塵極1及び集塵対向電極6との位置関係を表す部分側面図である。
【0023】
本発明の空気清浄器の外観構成は、図1に見られるように、従来公知の同種清浄器とあまり変わりはなく、平面視略方形で樹脂製の通風ケース4に、通風方向上流(図1中上)へ荷電部7を、通風方向下流(図1中下)へ集塵部8を、前記記載順に内蔵している。これから、本例の通風ケース4は、上方開口を空気流入口27、同下方開口を空気放出口28とする。また、通風ケース4の外側面に、一定範囲に制御した高電圧を放電極5及び集塵極2へ印加する制御部9を付設している。
【0024】
荷電部7は、通風ケース4に嵌合する樹脂製の荷電取付枠体10に、放電板11及び放電対向板12(本例ではGND板)を平行かつ交互に配列した構造である。放電板11は、通風方向前縁(以下前縁と略する)に多数の針13を並設した金属平板で、前記針13の先端を荷電部位として放電し、吸入した空気中の粉塵を帯電させる。放電板11は、非常に薄い金属板(0.1〜0.3mm程度)で形成されるため、通風方向後縁(以下後縁と略する)14を全長にわたって通風方向上流に向けて折り返し、剛性を高めている。前記折り返しは鋭角であるが、荷電部位である針13がより先鋭であるので、放電板後縁14から放電が生じることはない。放電対向電極30を構成する放電対向板12は、通風方向後縁を丸めた金属平板である。
【0025】
集塵部8は、通風ケース4に嵌合する集塵取付上枠体15に集塵板1を並設した梯子構造の集塵極2と、通風ケース4に嵌合する集塵取付下枠体16に集塵対向板17を並設した梯子構造の集塵対向電極6とからなる。集塵極1は、図2に見られるように、半導電性樹脂で集塵取付上枠体15及び集塵板2を一体に成形した構成で、図3に見られるように、プッシュオンナット18により給電板3(給電部)を接続している。
【0026】
更に、本例の各集塵板1は、図4に見られるように、表面を梨地化している。この梨地化した表面は、1/1000〜1/100mmの範囲の微少な起伏からなる。この梨地化は、成形に際して一体成形の成型圧力を低下させ、離型性を向上させると共に、成形後の残存応力の低下や、集塵板1の総表面積の増加に寄与している。
【0027】
集塵対向電極17は、導電性樹脂で集塵取付下枠体16及び集塵対向板12を一体に成形した構成であり、基本的な外観構成は上述の集塵極2と変わらない。本例では集塵極2及び集塵対向電極6を積層し(図1参照)、それぞれの集塵板1及び集塵対向板12が平行かつ互い違いに間隔を開けて並ぶように、集塵極2における集塵板1の配列と集塵対向電極6における集塵対向板17の配列とを1/2ピッチずらしている。
【0028】
半導電性樹脂又は導電性樹脂の一体成形品である集塵極2又は集塵対向電極6は、それぞれ熱膨張による影響が懸念される。本発明では、こうした熱膨張する集塵極2又は集塵対向電極6を強固に位置拘束して変形又は破損を招かないように、例えば図3に見られるように、集塵極2に設けた取付突起29に対してプッシュオンナット18により給電板3を接続している(集塵対向電極6への結線も同様)。更に、図5に見られるように、集塵極2の集塵取付上枠体15に設けた上固着部位19及び集塵対向電極6の集塵取付下枠体16に設けた下固着部位20を、それぞれプッシュオンナット18により通風ケース4に固着している。これにより、集塵極及2び集塵対向電極6が通風ケース4に対してそれぞれ弾支状態で固着され、半導電性樹脂又は導電性樹脂の熱膨張による集塵極2又は集塵対向電極6の変形を各プッシュオンナット18で吸収できる。
【0029】
本発明は、荷電部7及び集塵部8間のリークを防止するために両者の絶縁距離INSを保ちながら、できる限り集塵板1の総表面積を増やすように、図6に見られるように、集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係にしている。すなわち、各集塵板1及び集塵対向板17は、直近の放電板後縁14から絶縁距離INSだけそれぞれ離隔した前縁21,22を有し、交互に通風方向上流に向けて突出する通風方向長さを有している。本例では更に、放電対向板12の後方に集塵板1が対応するように集塵板1及び集塵対向板17を並べており、集塵板1をできる限り放電対向板12に接近できるようにしている。これにより、荷電部7及び集塵部8の限界までの接近を図りながら、リークの発生を防止し、しかもできる限り集塵板1の総表面積を増やすことができる。
【0030】
図7は本例の空気清浄器に用いる給電制御を担う制御部9を表す回路構成図であり、図8は荷電部7及び集塵部8それぞれの印加電圧及び合計電流の特性図である。集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係は、荷電部7及び集塵部8の印加電圧と、前記印加電圧下での荷電部7及び集塵部8に流れる電流とが、共に定常である場合に有効である。ところが、集塵板1に粉塵が付着したり、周辺環境が変化(気温、湿度の変化)し、放電板11及び集塵板1の表面電圧が変動し、また放電極5又は集塵極2に流れる電流も変化するため、リーク防止に設定した位置関係の条件が崩れる可能性がある。
【0031】
そこで、本例では、(1)表面電圧の変動に伴う印加電圧の変動を監視して、所定範囲からの印加電圧の異常を防止すると共に、(2)放電極5又は集塵極2に流れる電流を監視し、基本的にはこの電流値の変動に合わせて前記出力電圧を加減調節する制御部9(フィードバック制御部)を設けている。
【0032】
本例の制御部9は、発振回路24、高圧整流回路25及び監視回路26からなる。発振回路24は、印加電圧の基礎となる交流電圧を車載バッテリ(図示略)から生成する。高圧整流回路25は、前記交流電圧を段階的に昇圧し、低次の昇圧段階にある交流高電圧を整流して集塵部8へ0〜−4.2kVの直流高電圧を、更に昇圧して高次の昇圧段階にある交流高電圧を整流して荷電部7へ0〜−7.2kVの直流高電圧を、それぞれ印加電圧として供給する。
【0033】
荷電部7及び集塵部8の荷電電圧は、同一の高圧整流回路25から異なる昇圧段階で整流し、出力している。このため、荷電部7及び集塵部8の荷電電圧は、各昇圧段数に応じた比例関係にある。本例では、交流高電圧又は整流後の直流高電圧を計測し、昇圧段数に応じて荷電部7又は集塵部8の印加電圧に監視回路26で換算している。図7中、高圧整流回路25から監視回路26への引出線が1つ、高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8へそれぞれ引出線が1つずつあるのは、監視対象の計測値が1つで、同一の高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8へそれぞれの印加電圧を供給していることを意味する。
【0034】
荷電部7又は集塵部8へ流れる電流は、直接計測し、監視回路26に取り込んでいる。この電流は、荷電部7又は集塵部8それぞれ個別に計測できることが望ましいが、そのための回路構成や、後述の制御の判断が難しくなる等の問題から、本例では荷電部7又は集塵部8へ流れる電流を一体に合計電流として計測、監視している。これから、本例の監視回路26は、高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8への各印加電圧と、荷電部7及び集塵部8へ流れる合計電流とを監視し、各計測値の変動に従って発振回路24が生成する交流電圧を加減調節する。
【0035】
本例の監視回路26による調節は、例えば次のようになる。絶縁距離INS=7.2mm、荷電部7の放電板11及び放電対向板12のピッチ=10.5mm、集塵部8の集塵板1(半導電性樹脂:1010〜1013Ωcm)及び集塵対向板17(導電性樹脂:107Ωcm以下)のピッチ=2.625mmとして構成した本発明の空気清浄器の場合、図8に見られる特性図に従って、荷電部7の印加電圧は−6.0kVを基準とし、−7.2kVが上限(本例では絶対量を見ている)となるように、また集塵部8の印加電圧は−3.6kVを基準とし、−4.2kVが上限となるように、そして合計電流は150μAを基準とし、200μAが上限となるように、それぞれ調節する。
【0036】
放電板11に粉塵が付着すると、荷電部7への印加電圧が上昇し、本例のように同一の高圧整流回路25を共用している集塵部8への印加電圧も上昇する。この場合、監視回路は、荷電部7への印加電圧を監視し、例えば上記上限値(−7.2kV)を超えないように、発振回路24が生成する交流電圧を調節する。これにより、同一の高圧整流回路25を共用している集塵部8への印加電圧も調節され、荷電部7から集塵部8へのリークの発生を防止できる。こうして、本発明が定めた集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係によるリークの抑制は、こうした制御部9の印加電圧又は電流の加減調節によって、常に最適に保つことができるようになる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の空気清浄器により、第1に空気清浄器のリークを防ぎながら、空気清浄器の小型化及び集塵効率の低下抑制又は向上を図ることができる効果が得られる。前記効果は、主として本発明が定めた集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係によるが、更に上述した制御部を設けることで、温度又は湿度の変化や粉塵の付着によっても、リークを抑制できるようになる。
【0038】
また、集塵極を半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形したり、対となる集塵対向電極を導電性樹脂からなる集塵対向板を並設した梯子構造に一体成形することで、上記位置関係の容易な設定を実現するほか、部品点数及び組み立て工数を低減させることができる効果を得る。例えば、集塵極及び集塵対向電極を、それぞれ一体の部材としてプッシュオンナットで通風ケースに固着することは、樹脂製品である集塵極又は集塵対向電極の温度又は湿度の変化による膨張又は収縮の体積変化を吸収するだけでなく、組み立て工数の低減の効果となる。
【0039】
このほか、本発明が定める集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係や集塵板表面の梨地化は、集塵極の総面積を増加させることに繋がり、集塵効率の向上をもたらす。このように、本発明の空気清浄器は、集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係の最適化を中心に、部品点数及び組み立て工数の低減や、集塵効率といった工業製品としての空気清浄器の費用対効果を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく空気清浄器の一例を表した分解斜視図である。
【図2】半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極の平面図である。
【図3】同集塵極への給電板の取付構造を表した部分斜視図である。
【図4】表面を梨地化した集塵板の表面を表す部分斜視図である。
【図5】通風ケースへの同集塵極の取付構造を表した部分斜視図である。
【図6】放電極と集塵極及び集塵対向電極との位置関係を表す部分側面図である。
【図7】本例の空気清浄器に用いる給電制御を担う制御部を表す回路構成図である。
【図8】荷電部及び集塵部それぞれの印加電圧及び合計電流の特性図である。
【符号の説明】
1 集塵板
2 集塵極
3 給電板
4 通風ケース
5 放電極
6 集塵対向電極
7 荷電部
8 集塵部
11 放電板
12 放電対向板
14 放電板後縁
17 集塵対向板
21 集塵板前縁
22 集塵対向板前縁
23 側面視倣い縁
30 放電対向電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、放電極から集塵部に向けて空中放電を生じさせず、全体構成を小型化し、かつ集塵効率を向上させる技術改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気中の粉塵を収集、除去する目的の電気式空気清浄器は、例えば空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した構成である。これは自動車用電気式空気清浄器(以下、本発明ではこの自動車用電気式空気清浄器を空気清浄器と呼ぶ)でも変わらない。しかし、自動車内空間は大きさに制限があり、空気清浄器は通常よりも強く小型化が望まれる。
【0003】
ところが、空気清浄器の小型化は放電極と集塵極又は集塵対向電極とを接近させ、放電極及び放電対向電極間のコロナ放電電流が集塵極又は集塵対向電極へ漏れる、すなわちリークの虞が生まれる。このため、空気清浄器の小型化、特に通風方向の小型化については、前記リークを招かない工夫、例えば放電極、集塵極又は集塵対向電極の電極構造や、各電極の位置関係又は距離を工夫しなければならない。これに対し、特許文献1では、第1電極部材(放電極)と第2電極部材(集塵極)との放電間隙L1を6〜10mmにしている。これは、放電極と集塵極又は集塵対向電極とにおける絶縁距離の最適値を示すことで、リークを防止している。
【0004】
特許文献2では、対向電極(集塵対向電極)のイオン化電極(集塵極)側先端と集塵電極(集塵極)のイオン化電極側先端の風方向の差をL2とし、対向電極と集塵電極との間隔をL1としたとき、L1≦L2≦3L1に設定するとしている。これは、放電極、集塵極及び集塵対向電極それぞれの位置関係を特定することで、リークを防止している。
【0005】
特許文献3では、放電板(板状の放電極)と集塵板(板状の集塵極)とを空気の流れ方向と交互に離間対向させて平行に配設しながら、放電板の突起部(荷電部位)と対向する集塵板を前記突起部から等距離になるように湾曲させている(特許文献1中第2図参照)。これは、放電板の突起部に対して集塵板の距離を等距離にし、安定かつ均等な電場を形成することで、リークを防止している。
【0006】
特許文献4では、荷電部と集塵部との間で、かつ放電極(放電極)に対向した位置に放電極とコレクタ集塵極(集塵極)間の絶縁性を高める樹脂製のプレートを設けるとしている。これは、樹脂製プレートの存在により沿面距離を長くして、リークを防止している。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−209664号公報(第1〜2頁、第1及び4図)
【特許文献2】
特開昭60−238171号公報(第2〜3頁、第2〜4図)
【特許文献3】
実全平01−114050号公報(第7〜10頁、第1〜3図)
【特許文献4】
特開平11−000576号公報(第2〜3頁、図1及び3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1は、リークを防止する放電間隙を絶対量で提示している。しかし、リークを生じない放電間隙は、各電極の構造や、荷電部又は集塵部に加えられる印加電圧の極性又は大きさ等により変化する設計的事項である。この点、特許文献2は、集塵電極先端及び集塵対向電極先端の差L2と、前記各電極の間隔L1との相対的関係を定義しているが、あくまで放電極に対する集塵極又は集塵対向電極の関係が重要であり、十分にリークが防止されるか明らかでない。
【0009】
特許文献3は、荷電部位と対向する集塵板を前記突起部から等距離になるように湾曲させており、前記距離を絶縁距離に定めれば、リークの発生を防止することができる。しかし、この特許文献3が提示する空気清浄器は、放電極及び集塵極が共に板状の電極板からなり、しかも両者が空気の流れ方向と交互に離間対向させて平行に配設してある構成に限定しているため、汎用性がない。
【0010】
特許文献4は、リークを防ぐに必要十分な沿面距離を構成するため、別部材である樹脂製プレートを設けるわけであるが、これは部品点数の増加、組立工数の増加等、実際の製品としてコスト増を招く問題を引き起こす。また、樹脂製プレートが脱落した場合、リークが発生しやすくなる危険性がある。
【0011】
リークを防ぐには、放電極から集塵極を遠ざける、すなわち絶縁距離を長くするとよい。しかし、集塵効率を高めるために通常集塵極は放電極より多く設けられるため、特定の放電極に対する各集塵極の距離が異なり、最も直近の放電極及び集塵極のリークを防ごうとすると、他の集塵極が離隔しすぎるようになる。これは、集塵効率の低下を招く。また、放電極から集塵極を遠ざけると、小型化を目指す空気清浄器では、集塵極の小型化に結びつき、集塵効率に結びつく集塵極の表面積を低下させ、結局集塵効率の低下を招くことになる。
【0012】
そこで、第1に空気清浄器のリークを防ぎながら、空気清浄器の小型化及び集塵効率の低下抑制又は向上を図ることを目的とし、第2に前記目的に際して部品点数又は組み立て工数の増加を招かないようにする空気清浄器について検討することとした。
【0013】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、集塵極通風方向前端及び集塵対向電極通風方向前端を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。ここで、「絶縁距離」とは、放電極と集塵極又は集塵対向電極との間でリークが発生しない最小直線距離を意味する。この絶縁距離は、各電極構成や印加電圧の正負又は大小によって変化するが、前記電極構成や印加電圧の正負又は大小は設計的事項だから、絶縁距離は自ずと決定される値となる。
【0014】
本発明にいう「放電極」、「放電対向電極」、「集塵極」又は「集塵対向電極」は、電圧を印加する荷電部位(針状突起等)やGND(接地)である線又は板を多数並設した構成の電気的単位を意味する。これから、「集塵極通風方向前端及び集塵対向電極通風方向前端を結ぶ仮想的な側面視倣い縁」は、集塵極を構成する各集塵板前縁と、集塵対向電極を構成するGND板前縁とを結んでできる仮想線を意味し、「放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧」は、放電極を構成する各放電板後縁から絶縁距離を半径とする略円弧を意味する。
【0015】
より具体的には、集塵部は、集塵板を並設した梯子構造の集塵極と集塵対向板を並設した梯子構造の集塵対向電極とからなり、集塵板通風方向前縁及び集塵対向板通風方向前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う空気清浄器である。すなわち、側面視倣い縁は、集塵極及び集塵対向電極(GNDとは限らない)を構成する多数の集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結んでできる仮想線であり、前記仮想線が放電板後縁から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う構成の空気清浄器である。
【0016】
上記空気清浄器の各集塵板及び集塵対向板は、それぞれ通風方向長さを変えることができる。例えば、放電極と通風方向同一線上に集塵板があれば、前記集塵板を最短として、この集塵板の両隣に若干長い(通風方向に若干突出した)集塵対向板、更にその両隣により長い(通風方向に若干突出した)集塵板、と続く。これは、総集塵板の面積の拡大をもたらし、ひいては集塵効率の向上という効果をもたらす。
【0017】
ここで、放電極と通風方向同一線上にある基準集塵板A0の長さをLa0、放電極からの絶縁距離をINSとし、この基準集塵板A0からピッチPs間隔で第n集塵対向板Kn及び第n集塵板Anを交互に並設する場合、各第n集塵対向板Knの長さLkn、各第n集塵板Anの長さLanは次の式で表される。
Lkn=La0+(INS−√(INS2−(n*Ps)2))
Lan=La0+(INS−√(INS2−(2n*Ps)2))
上記各式におけるnは自然数(1,2,3,…)である。更に、放電極のピッチPhを上記ピッチPsの自然数倍とすれば、
n=Ph/(2*Ps)
となる。
【0018】
集塵極を集塵板を並設した梯子構造で構成する場合、例えばフレーム内に多数の集塵板を架設して構成してもよいが、一体成形品として構成する方が好ましい。そこで、集塵極は、半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形する。半導電性樹脂を用いるのは、電界生成のために必要な高電圧を印加できる適度な抵抗率(体積抵抗率)を備えながらも、集塵極及び集塵対向電極が直接又は間接(導電性の物体の媒介等)に接触した場合でもリーク電流の発生を制限して発熱を抑制でき、しかも製造又は加工が容易な材料だからである。好ましい半導電性樹脂は、体積抵抗率1010〜1013Ωcmの樹脂材料である。樹脂製の一体成形品であるから、この集塵極の製造は容易である。
【0019】
同様に、対となる集塵対向電極は、導電性樹脂からなる集塵対向板を並設した梯子構造に一体成形する。導電性樹脂を用いるのは、通常集塵対向電極は印加電極(集塵極)に対する接地電極(GND)を構成するからで、上述同様、集塵極及び集塵対向電極が直接又は間接(導電性の物体の媒介等)に接触した場合でもリーク電流の発生を制限して発熱を抑制でき、しかも製造又は加工が容易な材料だからである。例えば、帯電粉塵の放出を防止する中和機能付空気清浄器の場合は、集塵極及び集塵対向電極それぞれに逆極性の高電圧を印加する関係から、上記集塵極同様の半導電性樹脂を用いる。接地電極(GND)を形成する集塵対向電極の材料として好ましい導電性樹脂は、体積抵抗率107Ωcm以下の樹脂材料である。
【0020】
半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極は、閉塞状況にある車内の温度上昇により、熱膨張する。これから、こうした半導電性樹脂の一体成形品である集塵極は、弾支状態で通風ケースに固着し、給電部を弾支状態で固着するとよい。固着手段は、プッシュオンナットや、スプリングワッシャを介したネジ等を例示できる。これにより、弾支部位(プッシュオンナットやスプリングワッシャ等)の可動範囲で集塵極は膨張でき、熱膨張による物理的変形又は破損を回避できる。この場合、上記絶縁距離INSはこの熱膨張分を含めて設定する必要がある。同様に、集塵極も、弾支状態で通風ケースに固着するとよい。
【0021】
また、半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極は、上述のように熱膨張による物理的変形又は破損を免れても、多数の集塵板を一体に成形したことによる応力が残存し、温度変化に伴って前記応力が集塵極の変形をもたらす可能性がある。そこで、本発明の集塵極は、各集塵板の表面を梨地にすることで、残存応力の低減を果たした。ここで、本発明に言う「梨地」とは各集塵板表面における微少な凹凸を意味し、例えば1/1000〜1/100mm程度の起伏を指す。この梨地を施した集塵板は離型性もよく、また僅かながら集塵板の面積を増やし、集塵効率の向上をもたらす効果がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づく空気清浄器の一例を表した分解斜視図、図2は半導電性樹脂からなる集塵板1を並設した梯子構造に一体成形した集塵極2の平面図、図3は同集塵極2への給電板3の取付構造を表した部分斜視図、図4は表面を梨地化した集塵板2の表面を表す部分斜視図、図5は通風ケース4への同集塵極2の取付構造を表した部分斜視図であり、図6は放電極5と集塵極1及び集塵対向電極6との位置関係を表す部分側面図である。
【0023】
本発明の空気清浄器の外観構成は、図1に見られるように、従来公知の同種清浄器とあまり変わりはなく、平面視略方形で樹脂製の通風ケース4に、通風方向上流(図1中上)へ荷電部7を、通風方向下流(図1中下)へ集塵部8を、前記記載順に内蔵している。これから、本例の通風ケース4は、上方開口を空気流入口27、同下方開口を空気放出口28とする。また、通風ケース4の外側面に、一定範囲に制御した高電圧を放電極5及び集塵極2へ印加する制御部9を付設している。
【0024】
荷電部7は、通風ケース4に嵌合する樹脂製の荷電取付枠体10に、放電板11及び放電対向板12(本例ではGND板)を平行かつ交互に配列した構造である。放電板11は、通風方向前縁(以下前縁と略する)に多数の針13を並設した金属平板で、前記針13の先端を荷電部位として放電し、吸入した空気中の粉塵を帯電させる。放電板11は、非常に薄い金属板(0.1〜0.3mm程度)で形成されるため、通風方向後縁(以下後縁と略する)14を全長にわたって通風方向上流に向けて折り返し、剛性を高めている。前記折り返しは鋭角であるが、荷電部位である針13がより先鋭であるので、放電板後縁14から放電が生じることはない。放電対向電極30を構成する放電対向板12は、通風方向後縁を丸めた金属平板である。
【0025】
集塵部8は、通風ケース4に嵌合する集塵取付上枠体15に集塵板1を並設した梯子構造の集塵極2と、通風ケース4に嵌合する集塵取付下枠体16に集塵対向板17を並設した梯子構造の集塵対向電極6とからなる。集塵極1は、図2に見られるように、半導電性樹脂で集塵取付上枠体15及び集塵板2を一体に成形した構成で、図3に見られるように、プッシュオンナット18により給電板3(給電部)を接続している。
【0026】
更に、本例の各集塵板1は、図4に見られるように、表面を梨地化している。この梨地化した表面は、1/1000〜1/100mmの範囲の微少な起伏からなる。この梨地化は、成形に際して一体成形の成型圧力を低下させ、離型性を向上させると共に、成形後の残存応力の低下や、集塵板1の総表面積の増加に寄与している。
【0027】
集塵対向電極17は、導電性樹脂で集塵取付下枠体16及び集塵対向板12を一体に成形した構成であり、基本的な外観構成は上述の集塵極2と変わらない。本例では集塵極2及び集塵対向電極6を積層し(図1参照)、それぞれの集塵板1及び集塵対向板12が平行かつ互い違いに間隔を開けて並ぶように、集塵極2における集塵板1の配列と集塵対向電極6における集塵対向板17の配列とを1/2ピッチずらしている。
【0028】
半導電性樹脂又は導電性樹脂の一体成形品である集塵極2又は集塵対向電極6は、それぞれ熱膨張による影響が懸念される。本発明では、こうした熱膨張する集塵極2又は集塵対向電極6を強固に位置拘束して変形又は破損を招かないように、例えば図3に見られるように、集塵極2に設けた取付突起29に対してプッシュオンナット18により給電板3を接続している(集塵対向電極6への結線も同様)。更に、図5に見られるように、集塵極2の集塵取付上枠体15に設けた上固着部位19及び集塵対向電極6の集塵取付下枠体16に設けた下固着部位20を、それぞれプッシュオンナット18により通風ケース4に固着している。これにより、集塵極及2び集塵対向電極6が通風ケース4に対してそれぞれ弾支状態で固着され、半導電性樹脂又は導電性樹脂の熱膨張による集塵極2又は集塵対向電極6の変形を各プッシュオンナット18で吸収できる。
【0029】
本発明は、荷電部7及び集塵部8間のリークを防止するために両者の絶縁距離INSを保ちながら、できる限り集塵板1の総表面積を増やすように、図6に見られるように、集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係にしている。すなわち、各集塵板1及び集塵対向板17は、直近の放電板後縁14から絶縁距離INSだけそれぞれ離隔した前縁21,22を有し、交互に通風方向上流に向けて突出する通風方向長さを有している。本例では更に、放電対向板12の後方に集塵板1が対応するように集塵板1及び集塵対向板17を並べており、集塵板1をできる限り放電対向板12に接近できるようにしている。これにより、荷電部7及び集塵部8の限界までの接近を図りながら、リークの発生を防止し、しかもできる限り集塵板1の総表面積を増やすことができる。
【0030】
図7は本例の空気清浄器に用いる給電制御を担う制御部9を表す回路構成図であり、図8は荷電部7及び集塵部8それぞれの印加電圧及び合計電流の特性図である。集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係は、荷電部7及び集塵部8の印加電圧と、前記印加電圧下での荷電部7及び集塵部8に流れる電流とが、共に定常である場合に有効である。ところが、集塵板1に粉塵が付着したり、周辺環境が変化(気温、湿度の変化)し、放電板11及び集塵板1の表面電圧が変動し、また放電極5又は集塵極2に流れる電流も変化するため、リーク防止に設定した位置関係の条件が崩れる可能性がある。
【0031】
そこで、本例では、(1)表面電圧の変動に伴う印加電圧の変動を監視して、所定範囲からの印加電圧の異常を防止すると共に、(2)放電極5又は集塵極2に流れる電流を監視し、基本的にはこの電流値の変動に合わせて前記出力電圧を加減調節する制御部9(フィードバック制御部)を設けている。
【0032】
本例の制御部9は、発振回路24、高圧整流回路25及び監視回路26からなる。発振回路24は、印加電圧の基礎となる交流電圧を車載バッテリ(図示略)から生成する。高圧整流回路25は、前記交流電圧を段階的に昇圧し、低次の昇圧段階にある交流高電圧を整流して集塵部8へ0〜−4.2kVの直流高電圧を、更に昇圧して高次の昇圧段階にある交流高電圧を整流して荷電部7へ0〜−7.2kVの直流高電圧を、それぞれ印加電圧として供給する。
【0033】
荷電部7及び集塵部8の荷電電圧は、同一の高圧整流回路25から異なる昇圧段階で整流し、出力している。このため、荷電部7及び集塵部8の荷電電圧は、各昇圧段数に応じた比例関係にある。本例では、交流高電圧又は整流後の直流高電圧を計測し、昇圧段数に応じて荷電部7又は集塵部8の印加電圧に監視回路26で換算している。図7中、高圧整流回路25から監視回路26への引出線が1つ、高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8へそれぞれ引出線が1つずつあるのは、監視対象の計測値が1つで、同一の高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8へそれぞれの印加電圧を供給していることを意味する。
【0034】
荷電部7又は集塵部8へ流れる電流は、直接計測し、監視回路26に取り込んでいる。この電流は、荷電部7又は集塵部8それぞれ個別に計測できることが望ましいが、そのための回路構成や、後述の制御の判断が難しくなる等の問題から、本例では荷電部7又は集塵部8へ流れる電流を一体に合計電流として計測、監視している。これから、本例の監視回路26は、高圧整流回路25から荷電部7及び集塵部8への各印加電圧と、荷電部7及び集塵部8へ流れる合計電流とを監視し、各計測値の変動に従って発振回路24が生成する交流電圧を加減調節する。
【0035】
本例の監視回路26による調節は、例えば次のようになる。絶縁距離INS=7.2mm、荷電部7の放電板11及び放電対向板12のピッチ=10.5mm、集塵部8の集塵板1(半導電性樹脂:1010〜1013Ωcm)及び集塵対向板17(導電性樹脂:107Ωcm以下)のピッチ=2.625mmとして構成した本発明の空気清浄器の場合、図8に見られる特性図に従って、荷電部7の印加電圧は−6.0kVを基準とし、−7.2kVが上限(本例では絶対量を見ている)となるように、また集塵部8の印加電圧は−3.6kVを基準とし、−4.2kVが上限となるように、そして合計電流は150μAを基準とし、200μAが上限となるように、それぞれ調節する。
【0036】
放電板11に粉塵が付着すると、荷電部7への印加電圧が上昇し、本例のように同一の高圧整流回路25を共用している集塵部8への印加電圧も上昇する。この場合、監視回路は、荷電部7への印加電圧を監視し、例えば上記上限値(−7.2kV)を超えないように、発振回路24が生成する交流電圧を調節する。これにより、同一の高圧整流回路25を共用している集塵部8への印加電圧も調節され、荷電部7から集塵部8へのリークの発生を防止できる。こうして、本発明が定めた集塵板前縁21及び集塵対向板前縁22を結ぶ仮想的な側面視倣い縁23が放電板後縁14から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係によるリークの抑制は、こうした制御部9の印加電圧又は電流の加減調節によって、常に最適に保つことができるようになる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の空気清浄器により、第1に空気清浄器のリークを防ぎながら、空気清浄器の小型化及び集塵効率の低下抑制又は向上を図ることができる効果が得られる。前記効果は、主として本発明が定めた集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係によるが、更に上述した制御部を設けることで、温度又は湿度の変化や粉塵の付着によっても、リークを抑制できるようになる。
【0038】
また、集塵極を半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形したり、対となる集塵対向電極を導電性樹脂からなる集塵対向板を並設した梯子構造に一体成形することで、上記位置関係の容易な設定を実現するほか、部品点数及び組み立て工数を低減させることができる効果を得る。例えば、集塵極及び集塵対向電極を、それぞれ一体の部材としてプッシュオンナットで通風ケースに固着することは、樹脂製品である集塵極又は集塵対向電極の温度又は湿度の変化による膨張又は収縮の体積変化を吸収するだけでなく、組み立て工数の低減の効果となる。
【0039】
このほか、本発明が定める集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係や集塵板表面の梨地化は、集塵極の総面積を増加させることに繋がり、集塵効率の向上をもたらす。このように、本発明の空気清浄器は、集塵板前縁及び集塵対向板前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電板通風方向後端から絶縁距離INSを半径とする略円弧に沿う位置関係の最適化を中心に、部品点数及び組み立て工数の低減や、集塵効率といった工業製品としての空気清浄器の費用対効果を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく空気清浄器の一例を表した分解斜視図である。
【図2】半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形した集塵極の平面図である。
【図3】同集塵極への給電板の取付構造を表した部分斜視図である。
【図4】表面を梨地化した集塵板の表面を表す部分斜視図である。
【図5】通風ケースへの同集塵極の取付構造を表した部分斜視図である。
【図6】放電極と集塵極及び集塵対向電極との位置関係を表す部分側面図である。
【図7】本例の空気清浄器に用いる給電制御を担う制御部を表す回路構成図である。
【図8】荷電部及び集塵部それぞれの印加電圧及び合計電流の特性図である。
【符号の説明】
1 集塵板
2 集塵極
3 給電板
4 通風ケース
5 放電極
6 集塵対向電極
7 荷電部
8 集塵部
11 放電板
12 放電対向板
14 放電板後縁
17 集塵対向板
21 集塵板前縁
22 集塵対向板前縁
23 側面視倣い縁
30 放電対向電極
Claims (8)
- 空気流入口及び空気放出口を備えた通風ケースに、放電極及び放電対向電極を備えた荷電部と、集塵極及び集塵対向電極を備えた集塵部とを前記記載順で並べて内蔵した自動車用電気式空気清浄器において、集塵極通風方向前端及び集塵対向電極通風方向前端を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿うことを特徴とする自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵部は、集塵板を並設した梯子構造の集塵極と集塵対向板を並設した梯子構造の集塵対向電極とからなり、集塵板通風方向前縁及び集塵対向板通風方向前縁を結ぶ仮想的な側面視倣い縁が放電極通風方向後端から絶縁距離を半径とする略円弧に沿う請求項1記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵極は、半導電性樹脂からなる集塵板を並設した梯子構造に一体成形してなる請求項2記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵極は、弾支状態で通風ケースに固着する請求項3記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵極は、弾支状態で給電部を固着する請求項3記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵極は、各集塵板の表面を梨地にした請求項3記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵対向電極は、導電性樹脂からなる集塵対向板を並設した梯子構造に一体成形してなる請求項2記載の自動車用電気式空気清浄器。
- 集塵極は、弾支状態で通風ケースに固着する請求項6記載の自動車用電気式空気清浄器。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007225246A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気調和機 |
CN107529453A (zh) * | 2017-09-11 | 2018-01-02 | 广东美的制冷设备有限公司 | 静电除尘模块及空气调节装置 |
KR101830182B1 (ko) * | 2016-03-02 | 2018-02-20 | 엘지전자 주식회사 | 집진장치 및 공기조화기 |
CN114669396A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-06-28 | 有研资源环境技术研究院(北京)有限公司 | 一种高压静电式空气净化装置 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374490A patent/JP2004203201A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP2007225246A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気調和機 |
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