【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット用記録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢を有し、インク吸収性に優れ、かつ印字画像の室内保存性が改良されたインクジェット用記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上にインク溶媒に対して膨潤性の有るバインダーからなる膨潤型インク受容層や非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる空隙型インク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭56−80489号、同平5−286228号、特公平6−427号公報等には膨潤型の記録材料の開示がなされ、特開昭55−51583号、同昭56−157号、同昭57−107879号、同昭57−107880号、同昭59−230787号、同昭62−160277号、同昭62−184879号、同昭62−183382号、及び同昭64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同平10−193776号、同平10−203006号、同平10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが開示されている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。また、特開平9−286165号、同平10−181190号公報に微粉砕された沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報に微粉砕されたゲル法シリカの使用例が開示されている。
【0005】
近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に上記無機微粒子等を主体とするインク受容層が塗設された記録材料が提案されている。
【0006】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性を高めるためにインク受容層の空隙率を高める必要がある。従って、無機微粒子の塗布量を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率を低減する必要があった。
【0007】
特に気相法シリカのような無機微粒子を用いた多孔質記録材料は、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問題を有している。即ち、光による変色や大気中の微量ガスによる変色が生じやすく、特に大気中の微量ガスによる変色はより重要な問題であった。
【0008】
大気中の微量ガスによる変色を防止するために、特開昭61−177279号公報には含窒素複素環メルカプト系化合物を用いる事が記載され、特開平7−314882号公報にはジチオカルバミン酸、チオシアン酸等の化合物を用いることが記載されている。しかし、画像保存性改良効果が十分でなかったり、白地の変色をもたらしたり、さらにはその化合物自体が毒性を有していたりして、十分満足できるものではなかった。
【0009】
特開昭61−163886号公報には染料の耐光性向上剤として、特開平7−314883号、同平8−25796号公報には記録シート自体の変色防止剤として、チオ尿素化合物を使用することが開示されている。また、特開2001−260519号(特許文献1)、同2002−36717号公報には、チオ尿素化合物と他の化合物を組み合わせて使用することで、耐光性及び大気中の微量ガスによる変色を防止することが開示されている。しかし、これらの特許では全て低分子のチオ尿素化合物を使用しており、化合物自体に毒性があるものが多く、また微量ガスによる変色には効果があるが、耐光性を逆に悪化させる場合がある等の問題があった。
【0010】
特開2000−263928号公報(特許文献2)には、ジシアンジアミド−ポリアルキレンポリアミン系重縮合物を使用することでフタロシアニン系シアン染料の耐光性を改良する提案が、特開2001−270221号公報には、ジシアンジアミド系重縮合物を使用することで画像の耐光性と耐ガス性を改良する提案がされているが、インク吸収性が低下したり、染料によっては耐光性が低下する等の問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−260519号公報(第2頁、第6頁)
【特許文献2】
特開2000−263928号公報(第2頁、第3頁、第5頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フォトライクな高光沢と高いインク吸収性を有し、室内保存性が改良されたインクジェット用記録材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について種々検討した結果、主として下記の手段により本発明の目的が達成された。
【0014】
(1)支持体上にインク受容層を設けたインクジェット用記録材料において、該インク受容層がチオ尿素基を導入した構造を有するポリマー化合物を有することを特徴とするインクジェット用記録材料。
【0015】
(2)前記インク受容層が、無機微粒子と親水性バインダーを含有する前記(1)に記載のインクジェット用記録材料。
【0016】
(3)前記ポリマー化合物が、ポリアミン類にチオ尿素基を導入した構造を有する前記(1)または(2)に記載のインクジェット用記録材料。
【0017】
(4)前記ポリマー化合物が、ポリエチレンイミンにチオ尿素基を導入した構造を有する前記(3)に記載のインクジェット用記録材料。
【0018】
(5)前記ポリマー化合物が、ポリアルキレンポリアミン−ジシアンジアミド樹脂にチオ尿素基を導入した構造を有する前記(3)に記載のインクジェット用記録材料。
【0019】
(6)前記ポリマー化合物が、ポリアルキレンポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂にチオ尿素基を導入した構造を有する前記(3)に記載のインクジェット用記録材料。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体は、一般紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙類や不織布、耐水性支持体が使用される。耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、および紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられるが、特に印字画像のしわの発生を防止するにはフィルムや樹脂被覆紙が好ましい。本発明に用いられる支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好ましい。
【0021】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0022】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0023】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。ただし、原紙の密度は剛直性のためには1.10g/cm3以下、好ましくは0.6〜1.05g/cm3である。密度が小さすぎると樹脂被覆を行っても均一な表面平滑性が得られにくい。
【0024】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0025】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0026】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂の場合は、走行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、そのおもて面または両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(おもて面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などに加工される。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。特に、樹脂被覆時に樹脂層表面を型付けされたクーリングロールに押圧することや樹脂被覆紙を型付けロールで後加工すること等により樹脂被覆紙のインク受容層を設ける面のJIS−B0601で規定されるカットオトフ値0.8mmでの中心線平均粗さを0.1〜5μm、好ましくは0.1〜4μmとすることで画像の経時ひび割れが良化される。樹脂被覆層表面が鏡面の場合よりも上記範囲の中心線平均粗さとすることでインク受容層と樹脂被覆層とが接する界面の面積が広くなるのでしみ込んだインクの溶剤が界面全体に広がりにくくなるために強度低下が少なくなるためと推測される。中心線平均粗さが5μmより大きいと手触りや印字画像の見栄えが低下する。
【0027】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0028】
本発明のインク受容層に用いられる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、シリカ、アルミナ、あるいはアルミナ水和物が好ましく、特に気相法シリカ、微粉砕された湿式法シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が好ましい。
【0029】
合成シリカには、気相法によるものと湿式法によるものがある。気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0030】
本発明に特に好ましく用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0031】
本発明のインク受容層には、気相法シリカをカチオン性化合物の存在下で、該気相法シリカの平均凝集粒径が300nm以下になるまで分散したものが好ましく使用できる。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次に高圧ホモジナイザーやメディアミルを使用して分散を行うことが好ましく、特に高圧ホモジナイザー分散が好ましい。
【0032】
湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば日本シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に微小粒子が溶解し、比較的大きな一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販さている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックスとして市販されている。
【0033】
本発明のインク受容層には湿式法シリカを水性媒体中で平均二次粒子径400nm以下に粉砕した微粒子が好ましく使用できる。特に5μm以上の平均二次粒子径を有する沈降法シリカを、カチオン性化合物の存在下、水性媒体中でメディアミルを使用して平均二次粒子径400nm以下に微粉砕した粒子が好ましく使用できる。メディアミルとしてはボールミル、遊星型ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等が挙げられ、特にビーズミルが好ましく使用できる。
【0034】
シリカ分散に使用するカチオン性化合物としては、後述するインク受容層に印字画像のインク滲みを抑えるために含有させるカチオン性化合物と同様のものが使用可能であるが、特にポリジアリルアミン誘導体の構成単位を有するカチオン性ポリマーが好ましい。カチオン性化合物の使用量はシリカに対して1〜10質量%が好ましい。
【0035】
本発明のインク受容層に含有されるアルミナ、およびアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形や、球状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者の何れかを使用してもよいし併用してもよい。特に平均一次粒径が5〜30nmでアスペクト比2〜7の板状アルミナ水和物の使用により光沢性、印字濃度、およびインク吸収性が良好となる。
【0036】
本発明のアルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0037】
本発明のアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0038】
本発明のシリカ、アルミナ、及びアルミナ水和物等の平均一次粒径とは、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求め、平均した。平板状アルミナ水和物の平均厚さは、アルミナ水和物をフィルム上に塗布したシートの断裁面の観察より得られ、アルミナ水和物のアスペクト比は平均厚さに対する平均粒径の比で得られる。本発明のシリカ、アルミナ、及びアルミナ水和物等の凝集粒子や二次粒子の平均粒径は希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して得られる。
【0039】
本発明において、インク受容層で使用される無機微粒子の固形分総量の範囲は8〜40g/m2であり、好ましくは10〜35g/m2である。上記範囲とすることで、インク吸収性が良好で、インク受容層の強度が強くなり、表面のひび割れが防止されるので好ましい。
【0040】
また本発明において、無機微粒子の含有量は、インク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50〜95質量%であり、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは65〜90質量%である。以上の範囲とすることで、インク受容層の強度とインク吸収性が良好となる。
【0041】
本発明において、インク受容層が単層の場合と、2層以上の同一配合か異なった配合の層を設ける場合とがある。好ましくは支持体に近い層にシリカ微粒子を使用し、離れた層にアルミナ水和物を使用することでインク吸収性と光沢性に優れた記録材料が得られる。
【0042】
本発明において、インク受容層で無機微粒子とともに用いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0043】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
【0044】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0045】
親水性バインダー量は、無機微粒子に対して40質量%以下、好ましくは35質量%以下であり、特に10〜30質量%が好ましい。このように親水性バインダーの比率を小さくすることによって、インク吸収性は向上するが、印字後の保存性、すなわち耐光性、耐ガス性が低下しやすく、本発明は、これらの性能を同時に満足させることを特徴とする。
【0046】
本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸、ほう砂またはほう酸塩が好ましい。
【0047】
本発明は、インク受容層に高空隙型のインク受容層を使用した場合でも、上記チオ尿素基を導入した構造を有するポリマー化合物をインク受容層に含有させることで画像の保存性、特に耐ガス性を著しく改良するものである。好ましくはポリアミン類にチオ尿素基を導入した構造を有するポリマー化合物である。本発明でポリマー化合物とは、モノマー化合物の重合反応によって得られる分子量1000以上の化合物である。低分子量のチオ尿素化合物は毒性に問題があったが、高分子量にすることによって毒性が低減されることが予想され、例えばチオ尿素のLD50(経口RAT)が125mg/kgであるのに対し、下記実施例のポリマー化合物1は2g/kg以上であった。また、ポリアミン類にチオ尿素基を導入することによって、インク中の染料が本発明のポリマー化合物と相互作用し、染料がチオ尿素基の近傍に位置するため、より有効に画像の保存性向上効果を発揮するものと考えられる。
【0048】
本発明のポリアミン類としては、モノマー単位としてエチレンイミン、プロピレンイミン、ビニルアミン、アリルアミン、N−置換アリルアミン等の含窒素モノマー単位が単独重合した構造のポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、あるいは異種の上記モノマー単位が共重合した共重合型ポリアミン類、上記含窒素モノマー単位と重合可能な、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、もしくは(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー単位とを共重合した共重合体型ポリアミン類、ポリアクリルアミドやポリアクリロニトリルを変性して得られるポリアミン類等が挙げられる。好ましくは、含窒素モノマー単位からなるポリアミン類であり、特にポリエチレンイミンが好ましい。
【0049】
また、本発明のポリアミン類として、ポリアルキレンポリアミン−ジシアンジアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂も好ましい。これらの樹脂は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンとジシアンジアミドまたはエピクロロヒドリンの縮合反応によって得ることができる樹脂で、市販品も容易に入手することが出来る。
【0050】
ポリアミン類へのチオ尿素基の導入は、ポリアミン類にイソチオシアナートを反応させてポリアミン類のアミノ基をチオ尿素基に変換する方法、或いはポリアミン類に二硫化炭素を反応させてポリアミン類の窒素−窒素間にチオ尿素基を導入する方法等によって行うことができる。イソチオシアナートを反応させる方法において使用されるイソチオシアナートに特に限定は無いが、生成するポリマーが水溶性を有することが好ましく、メチルイソチオシアナート、エチルイソチオシアナート等の炭素数の少ないアルキルイソチオシアナートが好ましい。
【0051】
ポリアミン類のアミノ基のチオ尿素基への変換は、アミノ基の10〜90%の範囲で行われれ、30〜70%の範囲が好ましい。チオ尿素基が10%よりも少ないとチオ尿素基による耐ガス性の効果が小さくなり、一方アミノ基を完全にチオ尿素基に変換するのは、イソチオシアナート類または二硫化炭素を過剰に使用する必要があり、合成反応が経済的で無いと共に、処理が困難となる。また、アミノ基を残存させることで染料との相互作用が発生し、染料がチオ尿素基の近傍に配置して、チオ尿素基が効果的に働くと考えられる。
【0052】
ポリアミン類として、ポリアルキレンポリアミン−ジシアンジアミド樹脂を使用した場合には、樹脂の構造が単純な直鎖構造では無いため、チオ尿素基への置換がアミノ基の何%かは明確でないが、原料樹脂に対するチオ尿素基の割合をチオ尿素導入比率(wt%)とすると、10〜80wt%が好ましく、特に10〜60%が好ましい。
【0053】
これらポリアミン類の質量平均分子量は1000〜50万が好ましく、特に5千〜10万が好ましい。高分子量であることが毒性の点では好ましいと考えられるが、質量平均分子量が50万を越えると粘度が高くなりすぎ、塗布液に添加した場合に塗布し難くなるため好ましくない。
【0054】
また、ポリアミン類にチオ尿素基を導入した構造を有するポリマー化合物は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や蟻酸、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸の塩になっていることが好ましい。
【0055】
本発明のポリマー化合物のインク受容層中における単位面積当たりの含有量は、一般的には0.1〜6g/m2であり、0.2〜5g/m2がより好ましい。上記化合物が0.1g/m2より少ないと耐ガス性等の効果が得にくく、6g/m2より多いとインク吸収性が低下しやすく、コストも高くなる。
【0056】
本発明におけるインク受容層には印字画像のインク滲みを抑えるためにカチオン性ポリマーやカチオン性の水溶性金属化合物を含有させても良い。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0057】
これらのカチオン性ポリマーの使用量はインク受容層中の無機微粒子に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。使用量が少ないとインクの滲み改良効果が得にくく、多いと印字画像の耐光性が低下する。
【0058】
本発明では耐光性からはカチオン性ポリマーよりも水溶性金属化合物が好ましく用いられる。水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、チタン、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸亜鉛、塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタン、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0059】
本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0060】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0061】
[Al2(OH)nCl6−n]m 一般式1
[Al(OH)3]nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n 一般式3
【0062】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0063】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0064】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%である。
【0065】
上記したカチオン性化合物は2種以上を併用することができる。例えば、カチオン性ポリマーと水溶性金属化合物を併用するのが好ましい。
【0066】
本発明において、インク受容層の膜面pHが2〜6であることが好ましく、特に3〜5.5が好ましい。膜面pHの好ましい範囲とすることで更に保存性が向上する。インク受容層の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面pHである。
【0067】
インク受容層のpHは、塗布液の段階で調整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくことが所定の膜面pHにするために必要である。塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0068】
本発明のインク受容層には、更に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
【0069】
本発明において、インク受容層に界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク受容層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0070】
本発明において、インク受容層には更に、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0071】
本発明では、耐傷性を改良する目的で、インク受容層上にコロイダルシリカを主体とした保護層をインク吸収性を低下させない程度、固形分で5g/m2程度以下で設けても良い。コロイダルシリカの一般的な一次粒子の平均粒径は5〜100nm程度であり、平均粒径が10〜500nm程度の二次粒子を形成しているほうがインク吸収性からは好ましい。市販の球状のものとして日産化学社製、スノーテックス20等、触媒化成工業社製、カタロイドUSB等が挙げられ、鎖状のものとして日産化学社製、スノーテックスUP等が挙げられ、パールネックレス状のものとして日産化学社製、スノーテックスPS−M等が使用出来る。保護層にも本発明のチオ尿素を導入した構造を有するポリマー化合物を含有させてよい。また、インク受容層に本発明のチオ尿素を導入した構造を有するポリマー化合物を添加しないで保護層の塗布組成物のみに添加して、インク受容層上に保護層を塗布してもよい。
【0072】
本発明において、インク受容層の塗布方法、および保護層、裏塗り層を設ける場合の塗布方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0073】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは固形分質量部を意味する。なお、以下の実施例に使用したポリマー化合物は以下の通りである。
【0074】
ポリマー化合物A:ポリエチレンイミン(質量平均分子量1万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、リンゴ酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物B:ポリエチレンイミン(質量平均分子量1万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、酢酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物C:ポリエチレンイミン(質量平均分子量1万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、塩酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物D:ポリエチレンイミン(質量平均分子量7万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、リンゴ酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物E:ポリエチレンイミン(質量平均分子量7万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、酢酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物F:ポリエチレンイミン(質量平均分子量7万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した後、塩酸で中和してpH5.5に調整した化合物。
ポリマー化合物G:ポリアリルアミン(質量平均分子量1万)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
ポリマー化合物H:ポリアリルアミン(質量平均分子量5千)をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の50%をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
ポリマー化合物I:ジエチレントリアミン−ジシアンジアミド樹脂に16重量%のメチルイソチオシアナートを反応させて、アミノ基をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
ポリマー化合物J:トリエチレンテトラミン−ジシアンジアミド樹脂に40重量%のメチルイソチオシアナートを反応させて、アミノ基をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
ポリマー化合物K:トリエチレンテトラミン−エピクロロヒドリン樹脂をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の30%をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
ポリマー化合物L:トリエチレンテトラミン−エピクロロヒドリン樹脂をメチルイソチオシアナートと反応させて、アミノ基の40%をN−メチルチオ尿素基に変換した化合物。
【0075】
実施例1
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる170g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布して表面の樹脂被覆層を設け、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布して裏面の樹脂被覆層を設けて樹脂被覆紙を用意した。
【0076】
上記支持体上表面の樹脂被覆層上に、コロナ放電処理後、高圧ホモジナイザーで分散した気相法シリカを使用して下記組成に調製したインク受容層用塗液を、気相法シリカの塗布量が固形分で20g/m2となるようにスライドビード方式で塗布、15℃で30秒間、40℃で3分間乾燥して実施例1のインクジェット用記録材料を作成した。尚、いずれの記録材料もインク受容層の膜面pHが4.2になるように調整した。
【0077】
<インク受容層の組成>
気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) 100部
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ポリビニルアルコール 24部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWANOL AM−2150、日本サーファクタント製)
ポリマー化合物A 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
(理研グリーン株製、ピュラケムWT)
【0078】
実施例2
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Bを使用した以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット用記録材料を得た。
【0079】
実施例3
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Cを使用した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用記録材料を得た。
【0080】
実施例4
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Dを使用した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット用記録材料を得た。
【0081】
実施例5
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Eを使用した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット用記録材料を得た。
【0082】
実施例6
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Fを使用した以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット用記録材料を得た。
【0083】
実施例7
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Gを使用した以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット用記録材料を得た。
【0084】
実施例8
実施例1でインク受容層を下記組成の2層、および下記組成の保護層をインク受容層の気相法シリカ、およびアルミナ水和物の塗布量を固形分で18g/m2、および5g/m2とし、保護層の塗布量は固形分で3g/m2となるようにスライドビードコーターで同時に塗布した以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェット用記録材料を得た。
【0085】
<インク受容層下層組成>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径15nm)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 15部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWANOL AM−2150、日本サーファクタント製)
【0086】
<インク受容層上層組成>
アルミナ水和物 100部
(平均一次粒径14nm、アスペクト比5の平板状粒子)
硝酸 1部
ポリビニルアルコール 15部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ポリマー化合物A 6部
両性界面活性剤 0.5部
(商品名:SWANOL AM−2150、日本サーファクタント製)
【0087】
<保護層組成>
コロイダルシリカ 60部
(日産化学社製、スノーテックスOL−40、平均一次粒径45nm)
コロイダルシリカ 40部
(日産化学社製、スノーテックスOZL、平均一次粒径80nm)
ポリビニルアルコール 5部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 2部
ポリマー化合物A 3部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWANOL AM−2150、日本サーファクタント製)
【0088】
実施例9
実施例8で樹脂被覆紙支持体をアート紙(三菱製紙製、特菱アートA、210g/m2)に代えた以外は同様にして実施例9のインクジェット用記録材料を得た。
【0089】
実施例10
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Hを使用した以外は実施例1と同様にして実施例10のインクジェット用記録材料を得た。
【0090】
実施例11
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Iを使用した以外は実施例1と同様にして実施例11のインクジェット用記録材料を得た。
【0091】
実施例12
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Jを使用した以外は実施例1と同様にして実施例12のインクジェット用記録材料を得た。
【0092】
実施例13
実施例8でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Jを使用した以外は実施例8と同様にして実施例13のインクジェット用記録材料を得た。
【0093】
実施例14
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Kを使用した以外は実施例1と同様にして実施例14のインクジェット用記録材料を得た。
【0094】
実施例15
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Lを使用した以外は実施例1と同様にして実施例15のインクジェット用記録材料を得た。
【0095】
実施例16
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000、4部)と沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に得られた予備分散物をビーズミルに、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率80容量%、円盤周速10m/秒の条件で1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均二次粒子径200nmのシリカ分散液1を得た。
【0096】
実施例1で使用した支持体上に下記組成のインク受容層塗布液を、乾燥塗布量が沈降法シリカの塗布量が固形分で20g/m2となるようにスライドビード方式で塗布・乾燥した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
界面活性剤 0.1部
ポリマー化合物A 3部
【0097】
実施例17
実施例16でインク受容層を下記組成の2層、および下記組成の保護層をインク受容層の沈降法シリカ、およびアルミナ水和物の塗布量を固形分で18g/m2、および5g/m2とし、保護層の塗布量は固形分で3g/m2となるようにスライドビードコーターで同時に塗布した以外は実施例16と同様にして実施例17のインクジェット用記録材料を得た。
【0098】
<インク受容層下層組成>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
界面活性剤 0.1部
【0099】
<インク受容層上層組成>
擬ベーマイト 100部
(平均一次粒径14nm、平均二次粒径160nm、角柱状粒子)
ほう酸 0.5部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(商品名:SWANOL AM−2150、日本サーファクタント製)
ポリマー化合物A 6部
【0100】
<保護層組成>
コロイダルシリカ 100部
(日産化学社製、スノーテックスAK−L、平均一次粒径40nm)
ポリビニルアルコール 5部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 2部
両界面活性剤 0.3部
ポリマー化合物A 3部
【0101】
比較例1
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aを抜いた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記録材料を得た。
【0102】
比較例2
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてチオ尿素を使用した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録材料を得た。
【0103】
比較例3
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリエチレンイミン(質量平均分子量1万)を使用した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット用記録材料を得た。
【0104】
比較例4
実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aに代えてポリマー化合物Iの原料であるジシアンジアミド−ジエチレントリアミン樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット用記録材料を得た。
【0105】
比較例5
実施例16でインク受容層の組成のポリマー化合物Aを抜いた以外は実施例16と同様にして比較例5のインクジェット用記録材料を得た。
【0106】
得られた各々のインクジェット記録材料について、白紙部光沢性、インク吸収性、印字後の保存性(耐光性及び耐ガス性)を評価した。その結果を表1に示す。
【0107】
<白紙部光沢性>
記録材料の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:カラー写真並の高い光沢感が有る。
△:アート、コート紙並の光沢感が有る。
×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0108】
<インク吸収性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いて、シアン、マゼンタ、イエローをそれぞれベタ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:やや転写するが実使用可。
×:転写し実使用不可。
【0109】
<耐光性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いてシアン、マゼンタ、イエローのインクでそれぞれベタ印字を行い、透明フィルムで密閉し、アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600W/m2で30時間照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の濃度)を求め、各色の中で最も残存率が低いものを表示した。
【0110】
<耐ガス性>
上記耐光性試験と同様に印字後、暗室内壁面に室温で100日間曝露した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)を求め、各色画像の内、最も残存率が低いものを表示した。
【0111】
【表1】
【0112】
耐傷性として記録材料表面と裏面を重ねて擦った場合の傷の発生のしにくさの評価では、実施例8、13、17の記録材料が優れていた。
【0113】
上記結果から明らかなように実施例1〜17のインクジェット用記録材料は良好な白紙部光沢性、インク吸収性、耐光性、および耐ガス性を有している。実施例8、13、17は、2層のインク受容層上に保護層を設け、表面に近いインク受容層及び保護層に本発明のポリマー化合物を含有した場合であるが、実施例1、12、16よりも単位面積当たりの本発明のポリマー化合物の量は少ないが良好な耐光性、および耐ガス性を示し、白紙部光沢性は他の実施例、比較例よりも優れていた。実施例9は実施例8で支持体を樹脂被覆紙からアート紙に代えた場合であるが、画像にややしわが発生したが、インク吸収性に優れ、白紙部光沢性、耐光性、および耐ガス性は実施例8同様に良好であった。実施例16は微粉砕した沈降法シリカを使用した場合であるが、良好な白紙部光沢性、インク吸収性、耐光性、および耐ガス性を示した。インク受容層の組成のポリマー化合物Aを抜いた比較例1及び5は、耐光性、および耐ガス性が大きく低下した。実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aをチオ尿素にに代えた比較例2は、比較的良好な耐ガス性を示したが、耐光性が悪化した。実施例1でインク受容層の組成のポリマー化合物Aをポリエチレンイミンに代えた比較例3は、耐ガス性が僅かに向上したが、耐光性が大きく低下した。また、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン樹脂に代えた比較例4は、耐ガス性が向上したが、耐光性が大きく低下した。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、高いインク吸収性、高光沢でかつ画像の室内保存性の改良されたフォトライクなインクジェット記録材料が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink-jet recording material, and more particularly to an ink-jet recording material having high photo-like gloss, excellent ink absorbency, and improved indoor storage of printed images.
[0002]
[Prior art]
As a recording material used in the ink jet recording method, a swellable ink receiving layer made of a binder having a swelling property with respect to an ink solvent on a support called a normal paper or an ink jet recording paper or an amorphous silica There is known a recording material provided with a void-type ink receiving layer formed of a pigment and a water-soluble binder such as polyvinyl alcohol.
[0003]
For example, JP-A-56-80489, JP-A-5-286228 and JP-B-6-427 disclose swellable recording materials, and are disclosed in JP-A-55-51583 and JP-A-56-157. Nos. 57-107879, 57-107880, 59-230787, 62-160277, 62-184879, 62-183382, and 64-11877. As disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Publication No. H10-163, a recording material obtained by applying a silicon-containing pigment such as silica to a paper support together with an aqueous binder has been proposed.
[0004]
In addition, Japanese Patent Publication No. 3-56552, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2-188287, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-81064, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-119423, Japanese Patent Application Laid-open No. 10-175365, Japanese Patent Application No. 10-193776, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-203006. JP-A-10-217601, JP-A-11-20300, JP-A-11-20306, and JP-A-11-34481 disclose synthetic silica fine particles obtained by a gas phase method (hereinafter, referred to as gas phase method silica). Is disclosed. This fumed silica is an ultrafine particle having an average primary particle diameter of several nm to several tens of nm, and is characterized by high gloss. JP-A-62-174183, JP-A-2-276670, JP-A-5-32037, JP-A-6-199034 and the like disclose recording materials using alumina or alumina hydrate. Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 9-286165 and 10-181190 disclose examples of the use of finely ground precipitated silica, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-277712 discloses examples of the use of finely ground gel silica. ing.
[0005]
In recent years, as photo-like recording sheets have been demanded, glossiness has become increasingly important, and water resistance of polyolefin resin-coated paper (a laminate of polyolefin resin such as polyethylene on both sides of paper) and polyester film There has been proposed a recording material in which an ink receiving layer mainly composed of the above-mentioned inorganic fine particles is coated on a support.
[0006]
Conventionally, a paper support that has been generally used has its own role as an ink absorbing layer, but a water-resistant support such as the above-mentioned polyolefin resin-coated paper is different from a paper support. Since the ink cannot be absorbed, it is necessary to increase the porosity of the ink receiving layer in order to increase the ink absorbency of the ink receiving layer provided on the support. Therefore, it was necessary to increase the coating amount of the inorganic fine particles and further reduce the ratio of the binder to the inorganic fine particles.
[0007]
In particular, a porous recording material using inorganic fine particles such as fumed silica has a problem that a printed image is easily discolored during storage after printing. That is, discoloration due to light or discoloration due to trace gas in the air is likely to occur, and discoloration due to trace gas in the atmosphere has been a more important problem.
[0008]
In order to prevent discoloration due to trace gases in the atmosphere, JP-A-61-177279 describes the use of a nitrogen-containing heterocyclic mercapto compound, and JP-A-7-314882 discloses that dithiocarbamic acid and thiocyanate are used. It describes that a compound such as an acid is used. However, the effect of improving image storability was not sufficient, discoloration of a white background was caused, and furthermore, the compound itself had toxicity and was not sufficiently satisfactory.
[0009]
In JP-A-61-163886, a thiourea compound is used as an agent for improving the light fastness of a dye, and in JP-A-7-314883, and in JP-A-8-25796, as a discoloration preventing agent for a recording sheet itself. Is disclosed. JP-A-2001-260519 (Patent Document 1) and JP-A-2002-36717 disclose light resistance and discoloration due to a trace gas in the atmosphere by using a thiourea compound in combination with another compound. Is disclosed. However, these patents all use low-molecular-weight thiourea compounds, many of which are toxic to the compounds themselves, and are effective for discoloration by trace gases, but may degrade light resistance. There were some problems.
[0010]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-270221 discloses a proposal for improving the light fastness of a phthalocyanine cyan dye by using a dicyandiamide-polyalkylene polyamine polycondensate. Has been proposed to improve the light fastness and gas fastness of an image by using a dicyandiamide-based polycondensate, but there are problems such as a decrease in ink absorbency and a decrease in light fastness depending on a dye. there were.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 2001-260519 A (pages 2 and 6)
[Patent Document 2]
JP-A-2000-263928 (pages 2, 3 and 5)
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an ink jet recording material having photo-like high gloss and high ink absorption, and having improved storage stability in a room.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies on the above problems, the present inventors have achieved the object of the present invention mainly by the following means.
[0014]
(1) An ink jet recording material comprising an ink receiving layer provided on a support, wherein the ink receiving layer has a polymer compound having a structure in which a thiourea group is introduced.
[0015]
(2) The ink jet recording material according to (1), wherein the ink receiving layer contains inorganic fine particles and a hydrophilic binder.
[0016]
(3) The inkjet recording material according to (1) or (2), wherein the polymer compound has a structure in which a thiourea group is introduced into a polyamine.
[0017]
(4) The inkjet recording material according to (3), wherein the polymer compound has a structure in which a thiourea group is introduced into polyethyleneimine.
[0018]
(5) The inkjet recording material according to (3), wherein the polymer compound has a structure in which a thiourea group is introduced into a polyalkylene polyamine-dicyandiamide resin.
[0019]
(6) The inkjet recording material according to (3), wherein the polymer compound has a structure in which a thiourea group is introduced into a polyalkylene polyamine-epichlorohydrin resin.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
As the support used in the present invention, papers such as general paper, art paper, coated paper and synthetic paper, nonwoven fabrics and water-resistant supports are used. Examples of the water-resistant support include a polyester resin such as polyethylene terephthalate, a diacetate resin, a triacetate resin, an acrylic resin, a polycarbonate resin, a polyvinyl chloride, a polyimide resin, a plastic resin film such as cellophane and celluloid, and a polyolefin on at least one side of paper. A resin-coated paper obtained by laminating a resin may be mentioned, and a film or a resin-coated paper is particularly preferable for preventing wrinkles in a printed image. The thickness of the support used in the present invention is preferably about 50 to 300 μm.
[0021]
The base paper constituting the resin-coated paper preferably used in the present invention is not particularly limited, and generally used paper can be used. More preferably, for example, a smooth base paper used for a photographic support is used. preferable. As the pulp constituting the base paper, natural pulp, recycled pulp, synthetic pulp or the like may be used alone or in combination of two or more. The base paper is blended with additives generally used in papermaking, such as a sizing agent, a paper strength enhancer, a filler, an antistatic agent, a fluorescent whitening agent, and a dye.
[0022]
Further, a surface sizing agent, a surface strength agent, a fluorescent whitening agent, an antistatic agent, a dye, an anchoring agent and the like may be applied on the surface.
[0023]
The thickness of the base paper is not particularly limited, but preferably has good surface smoothness, such as applying a pressure by a calender or the like during papermaking or after papermaking, and has a basis weight of 30 to 250 g / g. m 2 Is preferred. However, the density of the base paper is 1.10 g / cm for rigidity. 3 Or less, preferably 0.6 to 1.05 g / cm 3 It is. If the density is too low, it is difficult to obtain uniform surface smoothness even with resin coating.
[0024]
As the resin of the resin-coated paper, a polyolefin resin or a resin that is cured by an electron beam can be used. The polyolefin resin is a low-density polyethylene, high-density polyethylene, polypropylene, polybutene, a homopolymer of an olefin such as polypentene or a copolymer of two or more olefins such as an ethylene-propylene copolymer and a mixture thereof, Those having various densities and melt viscosity indices (melt index) can be used alone or in combination.
[0025]
Also, in the resin of the resin-coated paper, white pigments such as titanium oxide, zinc oxide, talc, calcium carbonate, fatty acid amides such as stearic acid amide and arachidic amide, zinc stearate, calcium stearate, aluminum stearate, stearin Fatty acid metal salts such as magnesium oxide, antioxidants such as Irganox 1010 and Irganox 1076, blue pigments and dyes such as cobalt blue, ultramarine blue, cecilian blue, phthalocyanine blue, and magenta such as cobalt violet, fast violet, and manganese purple It is preferable to add various additives such as pigments and dyes, fluorescent brighteners and ultraviolet absorbers in an appropriate combination.
[0026]
In the case of polyolefin resin, the resin-coated paper that is preferably used in the present invention is produced by a so-called extrusion coating method in which a resin that is heated and melted on a running base paper is manufactured by a so-called extrusion coating method. Is coated with a resin. In the case of a resin which is cured by an electron beam, the resin is applied by a commonly used coater such as a gravure coater or a blade coater, and then irradiated with an electron beam to cure and coat the resin. Further, it is preferable to perform an activation treatment such as a corona discharge treatment or a flame treatment on the base paper before coating the resin on the base paper. The surface (front surface) of the support on which the ink receiving layer is applied is processed into a glossy surface, a matte surface, or the like, depending on the application. It is not necessary to coat the back surface with a resin, but it is preferable to coat the resin from the viewpoint of curling prevention. The back surface is usually a matte surface, and the front surface or both front and back surfaces can be subjected to an activation treatment such as a corona discharge treatment or a flame treatment as required. Although the thickness of the resin coating layer is not particularly limited, it is generally coated on the surface or both the front and back to a thickness of 5 to 50 μm on one side. In particular, the surface of the resin-coated paper on which the ink receiving layer is provided is specified by JIS-B0601 by pressing the surface of the resin layer against a molded cooling roll at the time of resin coating or by post-processing the resin-coated paper with the molding roll. By setting the center line average roughness at a cut-off value of 0.8 mm to 0.1 to 5 μm, and preferably 0.1 to 4 μm, cracks over time in the image are improved. By setting the center line average roughness within the above range as compared with the case where the surface of the resin coating layer is a mirror surface, the area of the interface where the ink receiving layer and the resin coating layer are in contact with each other becomes large, so that the solvent of the ink soaked becomes difficult to spread over the entire interface Therefore, it is presumed that the decrease in strength is reduced. If the center line average roughness is larger than 5 μm, the touch and the appearance of the printed image are reduced.
[0027]
The support in the present invention may be coated with various back coat layers for antistatic properties, transport properties, curling prevention properties, and the like. The back coat layer can contain an inorganic antistatic agent, an organic antistatic agent, a hydrophilic binder, a latex, a curing agent, a pigment, a surfactant and the like in an appropriate combination.
[0028]
Examples of the inorganic fine particles used in the ink receiving layer of the present invention include various known fine particles such as silica, alumina, alumina hydrate, calcium carbonate, magnesium carbonate, and titanium dioxide. Fumed silica, finely pulverized wet-process silica, alumina, and alumina hydrate are particularly preferred.
[0029]
Synthetic silica includes those obtained by a gas phase method and those obtained by a wet method. The fumed silica is also called a dry method with respect to a wet method, and is generally produced by a flame hydrolysis method. Specifically, a method of making silicon tetrachloride by burning it with hydrogen and oxygen is generally known, but instead of silicon tetrachloride, silanes such as methyltrichlorosilane and trichlorosilane may be used alone or in silicon tetrachloride. And can be used in a mixed state. The fumed silica is commercially available as Aerosil from Nippon Aerosil Co., Ltd. and QS type from Tokuyama Co., Ltd. and can be obtained.
[0030]
The average particle size of the primary particles of fumed silica particularly preferably used in the present invention is preferably 30 nm or less, and more preferably 15 nm or less in order to obtain higher gloss. More preferably, the average particle size of the primary particles is 3 to 15 nm (particularly, 3 to 10 nm) and the specific surface area by the BET method is 200 m. 2 / G or more (preferably 250 to 500 m 2 / G). The BET method referred to in the present invention is one of the methods for measuring the surface area of a powder by a gas phase adsorption method, and is a method for determining the total surface area of 1 g of a sample, that is, the specific surface area from an adsorption isotherm. Usually, nitrogen gas is often used as the adsorption gas, and a method of measuring the amount of adsorption from the change in pressure or volume of the gas to be adsorbed is most often used. The most prominent expression of the isotherm for multimolecular adsorption is the Brunauer, Emmett, and Teller equation, which is called the BET equation and is widely used for determining the surface area. The amount of adsorption is determined based on the BET equation, and the surface area is obtained by multiplying the area occupied by one adsorbed molecule on the surface.
[0031]
For the ink receiving layer of the present invention, a dispersion of fumed silica in the presence of a cationic compound until the average agglomerated particle size of the fumed silica becomes 300 nm or less can be preferably used. As a dispersion method, it is preferable to perform pre-mixing of the fumed silica and the dispersion medium by ordinary propeller stirring, turbine stirring, homomixer stirring, or the like, and then perform dispersion using a high-pressure homogenizer or a media mill, Particularly, a high-pressure homogenizer dispersion is preferable.
[0032]
The wet method silica is further classified into a precipitation method silica, a gel method silica, and a sol method silica depending on the production method. Precipitated silica is produced by reacting sodium silicate and sulfuric acid under alkaline conditions, and the silica particles that have grown are aggregated and sedimented, and then are commercialized through the steps of filtration, washing, drying, pulverization and classification. Precipitated silica is commercially available, for example, as Nip Seal from Nippon Silica Co., Ltd., and as Tok Seal and Fine Seal from Tokuyama Corporation. Gel silica is produced by reacting sodium silicate and sulfuric acid under acidic conditions. In this case, the fine particles dissolve during aging and re-precipitate so as to combine the primary particles between the relatively large primary particles, so that clear primary particles disappear and relatively hard aggregated particles having an internal void structure. To form For example, it is commercially available as Mizukasil from Mizusawa Chemical Co., Ltd. and as SiloJet from Grace Japan Co., Ltd. The sol-processed silica is also called colloidal silica, and is obtained by heating and aging a silica sol obtained by double decomposition of sodium silicate with an acid or the like through an ion-exchange resin layer, and is commercially available, for example, as Snowtex from Nissan Chemical Industries, Ltd. .
[0033]
For the ink receiving layer of the present invention, fine particles obtained by pulverizing wet-process silica in an aqueous medium to an average secondary particle diameter of 400 nm or less can be preferably used. In particular, particles obtained by finely pulverizing precipitated silica having an average secondary particle diameter of 5 μm or more in an aqueous medium using a media mill to an average secondary particle diameter of 400 nm or less in the presence of a cationic compound can be preferably used. Examples of the media mill include a ball mill, a planetary ball mill, a bead mill, a sand grinder, and the like, and a bead mill can be particularly preferably used.
[0034]
As the cationic compound to be used for silica dispersion, the same as the cationic compound to be contained in the ink receiving layer described later to suppress the ink bleeding of the printed image can be used, and particularly, the structural unit of the polydiallylamine derivative may be used. Is preferred. The amount of the cationic compound to be used is preferably 1 to 10% by mass relative to silica.
[0035]
Alumina and alumina hydrate contained in the ink receiving layer of the present invention are aluminum oxide and its hydrate, and may be crystalline or amorphous, and have an amorphous shape, a spherical shape, a plate shape, or the like. Is used. Either of them may be used or both may be used. In particular, gloss, print density, and ink absorbency are improved by using a plate-like alumina hydrate having an average primary particle size of 5 to 30 nm and an aspect ratio of 2 to 7.
[0036]
As the alumina of the present invention, γ-alumina which is a γ-type crystal of aluminum oxide is preferable, and among them, δ group crystal is preferable. Although γ-alumina can reduce primary particles to about 10 nm, usually, secondary particles having a size of several thousand to several tens of thousands nm are subjected to ultrasonic or high-pressure homogenizer, 50 to 100 μm by a facing collision type jet pulverizer, or the like. Those pulverized to about 300 nm can be preferably used.
[0037]
The alumina hydrate of the present invention is Al 2 O 3 ・ NH 2 It is represented by a constitutive formula of O (n = 1 to 3). The case where n is 1 represents alumina hydrate having a boehmite structure, and the case where n is greater than 1 and less than 3 represents alumina hydrate having a pseudo-boehmite structure. It can be obtained by a known production method such as hydrolysis of aluminum alkoxide such as aluminum isopropoxide, neutralization of aluminum salt with alkali, hydrolysis of aluminate and the like.
[0038]
The average primary particle size of the silica, alumina, and alumina hydrate of the present invention is the diameter of a circle equal to the projected area of each of 100 particles present in a certain area by observation of the dispersed particles by an electron microscope. The particle size was determined and averaged. The average thickness of the tabular alumina hydrate is obtained by observing the cut surface of the sheet coated with the alumina hydrate on the film, and the aspect ratio of the alumina hydrate is the ratio of the average particle size to the average thickness. can get. The average particle size of aggregated particles and secondary particles of the silica, alumina, and alumina hydrate of the present invention can be obtained by measuring a dilute dispersion with a laser diffraction / scattering particle size distribution analyzer.
[0039]
In the present invention, the range of the total solid content of the inorganic fine particles used in the ink receiving layer is from 8 to 40 g / m. 2 And preferably 10 to 35 g / m 2 It is. The above range is preferable because the ink absorption is good, the strength of the ink receiving layer is increased, and the surface is prevented from cracking.
[0040]
In the present invention, the content of the inorganic fine particles is 50 to 95% by mass, preferably 60 to 95% by mass, more preferably 65 to 90% by mass, based on the total solid content of the ink receiving layer. is there. With the above range, the strength of the ink receiving layer and the ink absorbability are improved.
[0041]
In the present invention, there are a case where the ink receiving layer is a single layer and a case where two or more layers of the same composition or different compositions are provided. Preferably, by using silica fine particles in a layer close to the support and using alumina hydrate in a layer remote therefrom, a recording material having excellent ink absorbency and gloss can be obtained.
[0042]
In the present invention, as the hydrophilic binder used together with the inorganic fine particles in the ink receiving layer, various known binders can be used, but a hydrophilic binder which has high transparency and can obtain higher permeability of the ink is preferably used. . In using the hydrophilic binder, it is important that the hydrophilic binder does not swell during the initial permeation of the ink and does not block the voids. From this viewpoint, a hydrophilic binder having a relatively low swelling property at around room temperature is preferable. Used. Particularly preferred hydrophilic binders are fully or partially saponified polyvinyl alcohols or cationically modified polyvinyl alcohols.
[0043]
Particularly preferred among polyvinyl alcohols are those partially or completely saponified with a saponification degree of 80% or more. Those having an average polymerization degree of 200 to 5000 are preferred.
[0044]
Further, as the cation-modified polyvinyl alcohol, for example, as described in JP-A-61-10483, a tertiary amino group or a quaternary ammonium group is contained in the main chain or side chain of the polyvinyl alcohol. Polyvinyl alcohol.
[0045]
The amount of the hydrophilic binder is 40% by mass or less, preferably 35% by mass or less, particularly preferably 10 to 30% by mass, based on the inorganic fine particles. By reducing the ratio of the hydrophilic binder in this manner, the ink absorbency is improved, but the storage stability after printing, that is, light resistance and gas resistance are apt to decrease, and the present invention satisfies these performances simultaneously. It is characterized by making it.
[0046]
In the present invention, it is preferable to use a crosslinking agent (hardening agent) together with the hydrophilic binder. Specific examples of the crosslinking agent include aldehyde compounds such as formaldehyde and glutaraldehyde, ketone compounds such as diacetyl and chloropentanedione, bis (2-chloroethylurea), 2-hydroxy-4,6-dichloro-1, 3,5-triazine, a compound having a reactive halogen as described in U.S. Pat. No. 3,288,775; divinyl sulfone; a compound having a reactive olefin as described in U.S. Pat. No. 3,635,718; N-methylol compounds as described in Patent Nos. 2,732,316, isocyanates as described in U.S. Patent No. 3,103,437, and U.S. Patents 3,017,280 and 2,983,611. Aziridine compounds as described in US Pat. No. 3,100,704 and carbodiimide-based compounds as described in US Pat. No. 3,091,537, epoxy compounds, halogen carboxaldehydes such as mucochloric acid, dioxane derivatives such as dihydroxydioxane, inorganic crosslinkers such as chrome alum, zirconium sulfate, boric acid, borate, borax, etc. These can be used alone or in combination of two or more. Among these, boric acid, borax or borate is particularly preferred.
[0047]
The present invention provides an ink receiving layer comprising a polymer compound having a structure in which the thiourea group is introduced, even when a high void type ink receiving layer is used as the ink receiving layer. This significantly improves the properties. Preferably, it is a polymer compound having a structure in which a thiourea group is introduced into a polyamine. In the present invention, the polymer compound is a compound having a molecular weight of 1,000 or more obtained by a polymerization reaction of a monomer compound. Although a low molecular weight thiourea compound had a toxicity problem, it is expected that the toxicity will be reduced by increasing the molecular weight. For example, while the LD50 (oral RAT) of thiourea is 125 mg / kg, The polymer compound 1 of the following example was 2 g / kg or more. Also, by introducing a thiourea group into the polyamines, the dye in the ink interacts with the polymer compound of the present invention, and the dye is located near the thiourea group, so that the effect of improving the preservability of the image is more effectively achieved. It is thought that it exerts.
[0048]
As the polyamines of the present invention, as a monomer unit, ethyleneimine, propyleneimine, vinylamine, allylamine, polyethyleneimine having a structure in which a nitrogen-containing monomer unit such as N-substituted allylamine is homopolymerized, polypropyleneimine, polyvinylamine, polyallylamine, or Copolymer type polyamines in which different types of the above-mentioned monomer units are copolymerized, for example, ethylene oxide, propylene oxide, or (meth) acrylamide, (meth) acrylic acid, (meth) acrylate, which can be polymerized with the above-mentioned nitrogen-containing monomer unit. And polyamines obtained by modifying polyacrylamide and polyacrylonitrile. Preferred are polyamines comprising a nitrogen-containing monomer unit, and particularly preferred is polyethyleneimine.
[0049]
Further, as the polyamines of the present invention, a polyalkylene polyamine-dicyandiamide resin and a polyalkylene polyamine-epichlorohydrin resin are also preferable. These resins can be obtained by a condensation reaction of a polyalkylenepolyamine such as diethylenetriamine or triethylenetetramine with dicyandiamide or epichlorohydrin, and a commercially available resin can be easily obtained.
[0050]
The introduction of thiourea groups into polyamines is carried out by reacting polyamines with isothiocyanate to convert amino groups of polyamines into thiourea groups, or by reacting polyamines with carbon disulfide to reduce the nitrogen of polyamines. -A method of introducing a thiourea group between nitrogens. There is no particular limitation on the isothiocyanate used in the method of reacting isothiocyanate, but it is preferable that the resulting polymer has water solubility, and alkylisothiocyanates having a small number of carbon atoms, such as methyl isothiocyanate and ethyl isothiocyanate. Ossinate is preferred.
[0051]
The conversion of amino groups to thiourea groups in polyamines is carried out in the range of 10 to 90% of the amino groups, preferably in the range of 30 to 70%. If the thiourea group is less than 10%, the gas resistance effect of the thiourea group is reduced, while the amino group is completely converted to a thiourea group by using an excess of isothiocyanates or carbon disulfide. And the synthesis reaction is not economical and the processing becomes difficult. Further, it is considered that the interaction with the dye is caused by leaving the amino group, the dye is arranged near the thiourea group, and the thiourea group works effectively.
[0052]
When a polyalkylenepolyamine-dicyandiamide resin is used as the polyamines, the substitution of thiourea groups is not clear what percentage of the amino groups, because the resin structure is not a simple linear structure. When the ratio of thiourea groups to the thiourea introduction ratio (wt%) is preferably 10 to 80 wt%, particularly preferably 10 to 60%.
[0053]
The mass average molecular weight of these polyamines is preferably from 1,000 to 500,000, particularly preferably from 5,000 to 100,000. It is considered that a high molecular weight is preferable in terms of toxicity. However, if the weight average molecular weight exceeds 500,000, the viscosity becomes too high, and it is difficult to apply when added to a coating solution, which is not preferable.
[0054]
Polymer compounds having a structure in which thiourea groups are introduced into polyamines are salts of inorganic acids such as hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid, and phosphoric acid, and salts of organic acids such as formic acid, acetic acid, lactic acid, citric acid, and malic acid. Is preferred.
[0055]
The content of the polymer compound of the present invention per unit area in the ink receiving layer is generally 0.1 to 6 g / m2. 2 0.2 to 5 g / m 2 Is more preferred. 0.1 g / m of the above compound 2 If the amount is less, it is difficult to obtain the effects such as gas resistance, and 6 g / m 2 If the amount is larger, the ink absorbency tends to decrease, and the cost increases.
[0056]
The ink receiving layer in the invention may contain a cationic polymer or a cationic water-soluble metal compound in order to suppress ink bleeding of a printed image. Examples of the cationic polymer include polyethyleneimine, polydiallylamine, polyallylamine, alkylamine polymers, JP-A-59-20696, JP-A-59-33176, JP-A-59-33177, JP-A-59-1555088, and JP-A-59-155088. No. 60-11389, No. 60-49990, No. 60-83882, No. 60-109894, No. 62-198493, No. 63-49478, No. 63-115780, No. Sho-63 63-280681, JP-A-1-40371, JP-A-6-234268, JP-A-7-125411, JP-A-10-193776 and the like. Is preferably used. The molecular weight of these cationic polymers is preferably 5,000 or more, more preferably about 5,000 to 100,000.
[0057]
The amount of these cationic polymers used is 0.5 to 10% by mass, preferably 1 to 7% by mass, based on the inorganic fine particles in the ink receiving layer. If the amount is small, it is difficult to improve the bleeding of the ink.
[0058]
In the present invention, a water-soluble metal compound is preferably used rather than a cationic polymer from the viewpoint of light resistance. Examples of the water-soluble metal compound include a water-soluble polyvalent metal salt. Water-soluble salts of metals selected from calcium, barium, manganese, copper, cobalt, nickel, aluminum, iron, zinc, titanium, zirconium, chromium, magnesium, tungsten, and molybdenum. Specifically, for example, calcium acetate, calcium chloride, calcium formate, calcium sulfate, barium acetate, barium sulfate, barium phosphate, manganese chloride, manganese acetate, manganese formate dihydrate, manganese ammonium sulfate hexahydrate, chloride Copper, ammonium copper (II) chloride dihydrate, copper sulfate, cobalt chloride, cobalt thiocyanate, cobalt sulfate, nickel sulfate hexahydrate, nickel chloride hexahydrate, nickel acetate tetrahydrate, nickel sulfate Ammonium hexahydrate, nickel amidosulfate tetrahydrate, aluminum sulfate, aluminum sulfite, aluminum thiosulfate, polyaluminum chloride, aluminum nitrate nonahydrate, aluminum chloride hexahydrate, ferrous bromide, chloride Ferrous, ferric chloride, ferrous sulfate, ferric sulfate, zinc bromide, zinc chloride, zinc nitrate Hydrate, zinc sulfate, zinc p-phenol sulfonate, titanium chloride, titanium sulfate, titanium lactate, zirconium acetate, zirconium chloride, zirconium chloride octahydrate, zirconium hydroxychloride, chromium acetate, chromium sulfate, magnesium sulfate, Magnesium chloride hexahydrate, magnesium citrate nonahydrate, sodium phosphotungstate, sodium tungsten citrate, 12 tungstophosphoric acid n hydrate, 12 tungstosilicic acid 26 hydrate, molybdenum chloride, 12 molybdophosphoric acid n-hydrate and the like.
[0059]
In the present invention, a water-soluble aluminum compound or a water-soluble compound containing a Group 4A element in the periodic table is particularly preferable. As the water-soluble aluminum compound, for example, as an inorganic salt, aluminum chloride or a hydrate thereof, aluminum sulfate or a hydrate thereof, ammonium alum and the like are known. Further, there is a basic polyaluminum hydroxide compound which is an inorganic aluminum-containing cationic polymer. Particularly, a basic polyaluminum hydroxide compound is preferable.
[0060]
The basic polyaluminum hydroxide compound has a main component represented by the following general formula 1, 2, or 3, and includes, for example, [Al 6 (OH) Fifteen ] 3+ , [Al 8 (OH) 20 ] 4+ , [Al Thirteen (OH) 34 ] 5+ , [Al 21 (OH) 60 ] 3+ And water-soluble polyaluminum hydroxide stably containing a basic and high-molecular polynuclear condensed ion such as
[0061]
[Al 2 (OH) n Cl 6-n ] m General formula 1
[Al (OH) 3 ] n AlCl 3 General formula 2
Al n (OH) m Cl (3 nm) 0 <m <3n General formula 3
[0062]
These are water treatment agents under the name of polyaluminum chloride (PAC) from Taki Kagaku Co., Ltd., and polyaluminum hydroxide (Paho) from Asada Kagaku Co., Ltd., and from Riken Green Co., Ltd. It is marketed under the name of Purachem WT and for the same purpose from other manufacturers, and various grades are readily available. In the present invention, these commercially available products can be used as they are, but some of them have an inappropriately low pH. In such a case, the pH can be appropriately adjusted and used.
[0063]
The water-soluble compound containing a Group 4A element of the periodic table used in the present invention is not particularly limited as long as it is water-soluble, but a water-soluble compound containing titanium or zirconium is preferable. For example, water-soluble compounds containing titanium include titanium chloride, titanium sulfate, and titanium lactate; water-soluble compounds containing zirconium include zirconium acetate, zirconium oxychloride, zirconium hydroxychloride, zirconium nitrate, basic zirconium carbonate, and zirconium ammonium carbonate. , Potassium zirconium carbonate, zirconium sulfate, zirconium fluoride compounds and the like are known. Some of these compounds have an inappropriately low pH, and in such a case, the pH can be appropriately adjusted and used. In the present invention, the term "water-soluble" refers to a condition in which 1% by weight or more is dissolved in water at normal temperature and normal pressure.
[0064]
In the present invention, the content of the water-soluble metal compound in the ink receiving layer is preferably from 0.1 to 10% by mass, more preferably from 1 to 5% by mass, based on the inorganic fine particles.
[0065]
Two or more of the above cationic compounds can be used in combination. For example, it is preferable to use a cationic polymer and a water-soluble metal compound in combination.
[0066]
In the invention, the surface pH of the ink receiving layer is preferably from 2 to 6, particularly preferably from 3 to 5.5. The storage stability is further improved by adjusting the pH of the film surface to a preferable range. The pH of the surface of the ink receiving layer is determined by the method described in J. Org. This is the surface pH measured after 30 seconds using distilled water according to the method described in TAPPI Paper Pulp Test Method N0.49.
[0067]
The pH of the ink receiving layer is preferably adjusted at the stage of the coating solution, but since the pH of the coating solution does not always coincide with the film surface pH in a state where the coating is dried, the relationship between the coating solution and the film surface pH is determined. Is required to be determined in advance by experiments or the like in order to obtain a predetermined film surface pH. The pH of the coating solution is adjusted by appropriately combining an acid or an alkali. Examples of the acid include inorganic acids such as hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, and phosphoric acid, and organic acids such as acetic acid, citric acid, and succinic acid. Examples of the alkali include sodium hydroxide, ammonia water, potassium carbonate, and trisodium phosphate. Alternatively, as the weak alkali, an alkali metal salt of a weak acid such as sodium acetate is used.
[0068]
The ink receiving layer of the present invention may contain various oil droplets for further improving the brittleness of the film. Such oil droplets include hydrophobic high-boiling organic solvents having a solubility in water at room temperature of 0.01% by mass or less (for example, liquid paraffin, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, silicone oil, etc.) and polymer particles ( For example, particles obtained by polymerizing one or more polymerizable monomers such as styrene, butyl acrylate, divinylbenzene, butyl methacrylate, and hydroxyethyl methacrylate) can be contained. Such oil droplets can be preferably used in the range of 10 to 50% by mass based on the hydrophilic binder.
[0069]
In the present invention, a surfactant can be added to the ink receiving layer. The surfactant used may be any of anionic, cationic, nonionic and betaine types, and may be of low molecular weight or high molecular weight. One or two or more surfactants are added to the ink receiving layer coating solution. When two or more surfactants are used in combination, an anionic surfactant and a cationic surfactant are used in combination. It is not preferable. The addition amount of the surfactant is preferably 0.001 to 5 g, more preferably 0.01 to 3 g, per 100 g of the binder constituting the ink receiving layer.
[0070]
In the present invention, the ink-receiving layer further contains a coloring dye, a coloring pigment, a fixing agent for the ink dye, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a dispersant for the pigment, a defoaming agent, a leveling agent, a preservative, and a fluorescent whitening agent. Various known additives such as a viscosity stabilizer and a pH adjuster can also be added.
[0071]
In the present invention, for the purpose of improving the scratch resistance, a protective layer mainly composed of colloidal silica is formed on the ink receiving layer at a solid content of 5 g / m to the extent that the ink absorbency is not reduced. 2 You may provide below. The average primary particle size of colloidal silica is generally about 5 to 100 nm, and it is more preferable to form secondary particles having an average particle size of about 10 to 500 nm from the viewpoint of ink absorbency. Commercially available spherical products include Nissan Chemical Co., Snowtex 20, etc., and Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd., Cataloid USB, etc., and chain-like products include Nissan Chemical Co., Snowtex UP, etc., and a pearl necklace For example, Snowtex PS-M manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd. can be used. The protective layer may also contain a polymer compound having a structure in which thiourea of the present invention is introduced. Alternatively, the protective layer may be coated on the ink receiving layer by adding only the coating composition for the protective layer without adding the polymer compound having a structure in which thiourea of the present invention is introduced to the ink receiving layer.
[0072]
In the present invention, known methods can be used for the method of applying the ink receiving layer and the method of applying the protective layer and the backing layer. For example, there are a slide bead method, a curtain method, an extrusion method, an air knife method, a roll coating method, a rod bar coating method, and the like.
[0073]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the contents of the present invention are not limited to the examples. In addition, a part means a solid content mass part. The polymer compounds used in the following examples are as follows.
[0074]
Polymer compound A: polyethyleneimine (mass average molecular weight 10,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of amino groups into N-methylthiourea groups, and then neutralized with malic acid to pH 5.5. Prepared compound.
Polymer compound B: polyethyleneimine (mass average molecular weight 10,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of the amino groups into N-methylthiourea groups, and then neutralized with acetic acid to adjust the pH to 5.5. Compound.
Polymer compound C: polyethyleneimine (mass average molecular weight 10,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of the amino groups to N-methylthiourea groups, and then neutralized with hydrochloric acid to adjust the pH to 5.5. Compound.
Polymer compound D: polyethyleneimine (mass average molecular weight 70,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of amino groups into N-methylthiourea groups, and then neutralized with malic acid to pH 5.5. Prepared compound.
Polymer compound E: polyethyleneimine (mass average molecular weight 70,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of amino groups into N-methylthiourea groups, and then neutralized with acetic acid to adjust pH to 5.5. Compound.
Polymer compound F: polyethyleneimine (mass average molecular weight 70,000) was reacted with methyl isothiocyanate to convert 50% of amino groups into N-methylthiourea groups, and then neutralized with hydrochloric acid to adjust the pH to 5.5. Compound.
Polymer compound G: a compound in which 50% of amino groups are converted to N-methylthiourea groups by reacting polyallylamine (mass average molecular weight 10,000) with methyl isothiocyanate.
Polymer compound H: a compound in which 50% of amino groups are converted to N-methylthiourea groups by reacting polyallylamine (weight average molecular weight: 5,000) with methyl isothiocyanate.
Polymer compound I: a compound obtained by reacting 16% by weight of methyl isothiocyanate with a diethylenetriamine-dicyandiamide resin to convert an amino group into an N-methylthiourea group.
Polymer compound J: a compound obtained by reacting 40% by weight of methyl isothiocyanate with a triethylenetetramine-dicyandiamide resin to convert an amino group into an N-methylthiourea group.
Polymer compound K: a compound obtained by reacting a triethylenetetramine-epichlorohydrin resin with methyl isothiocyanate to convert 30% of amino groups to N-methylthiourea groups.
Polymer compound L: Compound obtained by reacting triethylenetetramine-epichlorohydrin resin with methyl isothiocyanate to convert 40% of amino groups to N-methylthiourea groups.
[0075]
Example 1
170 g / m of a pulp blend of LBKP (50 parts) and LBSP (50 parts) as a support 2 25 g / m 2 of a resin composition comprising low-density polyethylene (70 parts), high-density polyethylene (20 parts) and titanium oxide (10 parts) on the surface of the base paper 2 A resin coating layer on the front surface is provided by coating, and a resin composition comprising high-density polyethylene (50 parts) and low-density polyethylene (50 parts) on the back surface is 25 g / m2. 2 The resin-coated paper was prepared by coating and providing a resin coating layer on the back surface.
[0076]
On the resin coating layer on the upper surface of the support, after a corona discharge treatment, a coating liquid for an ink receiving layer prepared to the following composition using fumed silica dispersed with a high-pressure homogenizer, the coating amount of fumed silica Is 20g / m in solid content 2 The coating material was applied by a slide bead method and dried at 15 ° C. for 30 seconds and at 40 ° C. for 3 minutes to prepare the ink jet recording material of Example 1. In addition, all the recording materials were adjusted so that the film surface pH of the ink receiving layer became 4.2.
[0077]
<Composition of ink receiving layer>
Fumed silica (average primary particle diameter 7 nm, specific surface area 300 m by BET method) 2 / G) 100 parts
Dimethyl diallyl ammonium chloride homopolymer 4 parts
(Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., Sharoll DC902P, molecular weight 9000)
Polyvinyl alcohol 24 parts
(Product name: PVA235, manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Boric acid 5 parts
Amphoteric surfactant 0.3 part
(Product name: SWANOL AM-2150, manufactured by Nippon Surfactant)
Polymer compound A 3 parts
Basic poly aluminum hydroxide 2 parts
(Purichem WT, manufactured by RIKEN Green Co., Ltd.)
[0078]
Example 2
An ink jet recording material of Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that polymer compound B was used instead of polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0079]
Example 3
An ink jet recording material of Example 3 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound C was used in place of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0080]
Example 4
An ink jet recording material of Example 4 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound D was used in place of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0081]
Example 5
An ink jet recording material of Example 5 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the polymer compound E was used in place of the polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0082]
Example 6
An ink jet recording material of Example 6 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound F was used in place of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0083]
Example 7
An ink jet recording material of Example 7 was obtained in the same manner as in Example 1 except that polymer compound G was used in place of polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0084]
Example 8
In Example 1, the ink receiving layer was composed of two layers having the following composition, and the protective layer having the following composition was composed of the ink receiving layer. 2 , And 5 g / m 2 And the coating amount of the protective layer is 3 g / m3 in solid content. 2 Thus, an ink jet recording material of Example 8 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the composition was simultaneously applied with a slide bead coater.
[0085]
<Lower layer composition of ink receiving layer>
100 parts of fumed silica
(Average primary particle size 15nm)
Dimethyl diallyl ammonium chloride homopolymer 4 parts
(Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., Sharoll DC902P, molecular weight 9000)
Boric acid 3 parts
15 parts of polyvinyl alcohol
(Product name: PVA235, manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Amphoteric surfactant 0.3 part
(Product name: SWANOL AM-2150, manufactured by Nippon Surfactant)
[0086]
<Ink receiving layer upper layer composition>
Alumina hydrate 100 parts
(Tabular particles having an average primary particle size of 14 nm and an aspect ratio of 5)
Nitric acid 1 part
15 parts of polyvinyl alcohol
(Product name: PVA235, manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
6 parts of polymer compound A
0.5 parts of amphoteric surfactant
(Product name: SWANOL AM-2150, manufactured by Nippon Surfactant)
[0087]
<Protective layer composition>
Colloidal silica 60 parts
(Nissan Chemical Industries, Snowtex OL-40, average primary particle size 45 nm)
Colloidal silica 40 parts
(Nissan Chemical Industries, Snowtex OZL, average primary particle size 80 nm)
5 parts of polyvinyl alcohol
(Saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Boric acid 2 parts
Polymer compound A 3 parts
Amphoteric surfactant 0.3 part
(Product name: SWANOL AM-2150, manufactured by Nippon Surfactant)
[0088]
Example 9
In Example 8, the resin-coated paper support was art paper (Mitsubishi Paper Mills, Tokishi Art A, 210 g / m2). 2 ) Was obtained in the same manner as in Example 9 except that the above-described method was used.
[0089]
Example 10
An ink jet recording material of Example 10 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the polymer compound H was used in place of the polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0090]
Example 11
An ink jet recording material of Example 11 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound I was used in place of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0091]
Example 12
An ink jet recording material of Example 12 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound J was used in place of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0092]
Example 13
An ink jet recording material of Example 13 was obtained in the same manner as in Example 8, except that polymer compound J was used in place of polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0093]
Example 14
An ink jet recording material of Example 14 was obtained in the same manner as in Example 1 except that Polymer Compound K was used instead of Polymer Compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0094]
Example 15
An ink jet recording material of Example 15 was obtained in the same manner as in Example 1 except that polymer compound L was used instead of polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0095]
Example 16
Dimethyl diallyl ammonium chloride homopolymer (molecular weight 9,000, 4 parts) and sedimentation silica (Nip seal VN3, average secondary particle size 23 μm, 100 parts) are added to water, and a saw tooth blade type disperser (blade peripheral speed) is used. (30 m / sec) to make a preliminary dispersion. Next, the obtained preliminary dispersion was passed through a bead mill once under the conditions of zirconia beads having a diameter of 0.3 mm, a filling rate of 80% by volume, and a disk peripheral speed of 10 m / sec. A silica dispersion liquid 1 having a secondary particle diameter of 200 nm was obtained.
[0096]
The ink receiving layer coating solution having the following composition was coated on the support used in Example 1 and the coated amount of the dried silica was 20 g / m2 in terms of solid content. 2 Was applied and dried by a slide bead method so that
<Ink receiving layer coating liquid>
Silica dispersion liquid 1 (as silica solid content) 100 parts
15 parts of polyvinyl alcohol
(Saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Boric acid 3 parts
Surfactant 0.1 part
Polymer compound A 3 parts
[0097]
Example 17
In Example 16, the ink receiving layer was composed of two layers having the following composition, and the protective layer having the following composition was composed of the ink receiving layer. 2 , And 5 g / m 2 And the coating amount of the protective layer is 3 g / m3 in solid content. 2 Thus, an ink jet recording material of Example 17 was obtained in the same manner as in Example 16 except that the application was performed simultaneously with a slide bead coater.
[0098]
<Lower layer composition of ink receiving layer>
Silica dispersion liquid 1 (as silica solid content) 100 parts
15 parts of polyvinyl alcohol
(Saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Boric acid 3 parts
Surfactant 0.1 part
[0099]
<Ink receiving layer upper layer composition>
100 parts of pseudo boehmite
(Average primary particle size 14 nm, average secondary particle size 160 nm, prismatic particles)
0.5 parts of boric acid
Polyvinyl alcohol 12 parts
(Saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Surfactant 0.3 part
(Product name: SWANOL AM-2150, manufactured by Nippon Surfactant)
6 parts of polymer compound A
[0100]
<Protective layer composition>
100 parts of colloidal silica
(Nissan Chemical Industries, Snowtex AK-L, average primary particle size 40 nm)
5 parts of polyvinyl alcohol
(Saponification degree 88%, average polymerization degree 3500)
Boric acid 2 parts
Both surfactants 0.3 parts
Polymer compound A 3 parts
[0101]
Comparative Example 1
An ink jet recording material of Comparative Example 1 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the polymer compound A of the composition of the ink receiving layer was omitted in Example 1.
[0102]
Comparative Example 2
An ink jet recording material of Comparative Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that thiourea was used in place of the polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0103]
Comparative Example 3
A recording material for inkjet of Comparative Example 3 was obtained in the same manner as in Example 1 except that polyethyleneimine (mass average molecular weight 10,000) was used in place of the polymer compound A in the composition of the ink receiving layer.
[0104]
Comparative Example 4
An ink jet recording material of Comparative Example 4 was obtained in the same manner as in Example 1, except that dicyandiamide-diethylenetriamine resin, which was a raw material of polymer compound I, was used in place of polymer compound A in the composition of the ink receiving layer. .
[0105]
Comparative Example 5
A recording material for inkjet of Comparative Example 5 was obtained in the same manner as in Example 16 except that the polymer compound A of the composition of the ink receiving layer was omitted in Example 16.
[0106]
With respect to each of the obtained ink jet recording materials, the glossiness of a blank portion, the ink absorbency, and the storage stability after printing (light fastness and gas fastness) were evaluated. Table 1 shows the results.
[0107]
<Blank gloss>
The glossiness of the blank portion of the recording material before printing was observed with oblique light and evaluated according to the following criteria.
:: High glossiness comparable to a color photograph.
Δ: There is glossiness comparable to art and coated paper.
X: Sinking glossiness comparable to high-quality paper.
[0108]
<Ink absorption>
Using an inkjet printer (PM-770C, manufactured by Seiko Epson Corporation), cyan, magenta, and yellow were each printed solidly, and immediately after printing, PPC paper was superimposed on the printing portion, lightly pressed, and the amount of ink transferred to the PPC paper was measured. The degree was visually observed and evaluated according to the following criteria.
:: No transfer at all.
Δ: Slightly transferred but actually usable.
×: Transfer is not possible.
[0109]
<Light resistance>
Using an inkjet printer (Seiko Epson PM-770C), solid printing was performed using cyan, magenta, and yellow inks respectively, sealed with a transparent film, and 600 W / m using an Atlas Suntest CPS photobleaching tester. 2 After irradiating for 30 hours, the density of the printed portion was measured, and the image remaining ratio (density after irradiation / density before irradiation) was determined. The lowest remaining ratio among the colors was displayed.
[0110]
<Gas resistance>
After printing in the same manner as in the light resistance test, after exposure to the wall surface in a dark room at room temperature for 100 days, the density of the printed portion was measured, and the image remaining ratio (density after exposure / density before exposure) was determined. , With the lowest remaining rate.
[0111]
[Table 1]
[0112]
The recording materials of Examples 8, 13 and 17 were excellent in the evaluation of the scratch resistance when the front and back surfaces of the recording material were rubbed on top of each other.
[0113]
As is clear from the above results, the ink jet recording materials of Examples 1 to 17 have good white paper gloss, ink absorbency, light resistance, and gas resistance. Examples 8, 13 and 17 are cases where a protective layer was provided on two ink receiving layers and the polymer compound of the present invention was contained in the ink receiving layer and the protective layer near the surface. Although the amount of the polymer compound of the present invention per unit area was smaller than that of Comparative Examples 16 and 17, it exhibited good light fastness and gas fastness, and the glossiness of the blank portion was superior to the other Examples and Comparative Examples. Example 9 is a case in which the support was changed from resin-coated paper to art paper in Example 8, but the image was slightly wrinkled. The gas properties were as good as in Example 8. Example 16 was a case where finely ground precipitated silica was used, and exhibited good white paper gloss, ink absorbency, light fastness, and gas fastness. In Comparative Examples 1 and 5, in which the polymer compound A having the composition of the ink receiving layer was omitted, the light resistance and the gas resistance were significantly reduced. Comparative Example 2 in which the polymer compound A of the composition of the ink receiving layer was replaced with thiourea in Example 1 showed relatively good gas resistance, but light resistance was deteriorated. In Comparative Example 3 in which the polymer compound A of the composition of the ink receiving layer in Example 1 was replaced with polyethyleneimine, the gas resistance was slightly improved, but the light resistance was greatly reduced. In Comparative Example 4 in which dicyandiamide-diethylenetriamine resin was used, gas resistance was improved, but light resistance was significantly reduced.
[0114]
【The invention's effect】
According to the present invention, a photo-like ink jet recording material having high ink absorption, high gloss, and improved image storability in a room can be obtained.