JP2004202576A - 対向する平行な2面を有する鍛造用金型、金型の設計方法、鍛造方法及び鍛造成形品 - Google Patents

対向する平行な2面を有する鍛造用金型、金型の設計方法、鍛造方法及び鍛造成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工精度に優れ、高品質の鍛造成形品を得ることができると共に、生産コスト低減することのできる鍛造用金型を提供すること。
【解決手段】 金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型22と上金型21の組み合わせからなり、前記下金型22は母型24と入子型23とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型23は母型24の内側に配設され中心部に鍛造成形孔26が設けられた金型であって、前記入子型23の鍛造成形孔26を囲む内壁面が少なくとも1組の、前記上金型21の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値であるので、外殻形状の平行度等の寸法精度を向上することができる。また、後加工である切削加工等が不要となり、生産コストを低減することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鍛造用金型、鍛造成形品、鍛造方法に関し、詳しくは対向する平行な2面を有する鍛造用金型及、その金型を用いた鍛造成形品及び鍛造方法に関するものである。
上金型及び下金型から構成された金型を使用して鍛造される外殻形状が少なくとも一対の、前記金型の動作方向にほぼ平行な面を有する成形品として、例えば、図1に示すような形状の成形品がある。ここで符号11面と符号12面とが一対の対向する平行な2面を有している。また、符号11面と符号12面とは、鍛造する上型の動作方向に対して、ほぼ平行な1組の面である。
従来、このような形状を有する成形品を得るためには、押出し材などを切断、切削加工することにより成形し、求められている面の平行度を得ていた。
一方、成形手段として鍛造を用いることもできる。しかし、鍛造による製造方法の場合は、鍛造加工後に金型からの鍛造成形品排出をより容易にするために、積極的に上型の動作方向軸に対して下型の上部を外側に広げた、すなわち抜き勾配を設けた金型が一般に用いられている。また、鍛造時の荷重により金型が弾性変形するので下型の上部が外側に広がるために、自然と製品に抜き勾配が発生していた。その結果成形された鍛造成形品は上部が広がった形状を有していた。このように従来の鍛造成形品の対向しあう2面はどうしても角度を有した状態であり、平行度などの要求された寸法精度の確保が不十分であるので、平行度などの寸法精度を得るために鍛造後に切削加工を施していた。
また、鍛造用金型の成形孔の一部を平行に形成しても、鍛造時に金型が荷重によって変形してしまい、平行な2面を有する鍛造品を製造することは、非常に困難であった。更に、鍛造に使用する金型の鍛造用キャビティを有するインサート部材を分割形成し、このインサート部材を外側から補強リング部材で締まり嵌めする構造のものとして、特許文献1に示すようなものが知られている。
特開平7−178495号公報
従来の切削加工により製造する方法は、多量の切削屑が発生するために製品重量に対し素材重量を多くすることが必要であるため、材料歩留りが悪く製造コストが高いという問題があった。また、機械加工の削り出しに多くの作業時間が必要なため、生産性を高めることができなかった。
一方、鍛造による製造方法を用いた場合では、従来の切削加工により製造する方法に比べ切削屑が少なく、材料歩留り、生産性が良くなるが、形状に抜き勾配があるため、対向する2面が高い精度の平行である形状を得るためには最終的には切削加工を必要としていた。更に、文献1に記載された鍛造用金型では、内側インサート22と外側インサート20をアンダカット部で嵌合し、内側インサートの嵌合方向の寸法を短くするものであるが、本発明のように焼き嵌め応力を調整して、鍛造製品の平行面を精確に加工しようとする技術思想が存在しない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、後工程の機械加工が不要または低減し、歩留りが良く、コストが低減され、品質が良好である鍛造成形品を容易に鍛造することのできる鍛造用金型を提供することを目的とする。
1)上記課題を解決するための第1の発明は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられた金型であって、前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値であることを特徴とする鍛造用金型である。
2)上記課題を解決するための第2の発明は、前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、締まり嵌め位置が成形孔径と母型外径との積の平方根と、1〜1.1との積の値の位置であることを特徴とする1)に記載の鍛造用金型である。
3)上記課題を解決するための第3の発明は、前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、母型と入子型の嵌め合う面の構造が、入子型が抜けにくい構造であることを特徴とする1)または2)に記載の鍛造用金型である。
4)上記課題を解決するための第4の発明は、前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、入子型の材質が母型の材質より硬いことを特徴とする1)乃至3)のいずれか1に記載の鍛造用金型である。
5)上記課題を解決するための第5の発明は、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面の傾きが上金型の動作方向軸から成形孔の外側方向に0〜0.5度であることを特徴とする1)乃至4)のいずれか1に記載の鍛造用金型である。
6)上記課題を解決するための第6の発明は、前記成形孔を囲む内壁面の表面の表面平均粗さRaが0.05〜25μmであることを特徴とする1)乃至5)のいずれか1に記載の鍛造用金型である。
7)上記課題を解決するための第7の発明は、前記成形孔を囲む内壁面の表面に窒化処理が施されていることを特徴とする1)乃至6)のいずれか1に記載の鍛造用金型である。
8)上記課題を解決するための第8の発明は、前記母型と入子型とが締まり嵌め構造の締まり嵌め位置が複数箇所であることを特徴とする1)乃至7)のいずれか1に記載の鍛造用金型である。
9)上記課題を解決するための第9の発明は、前記1)乃至8)のいずれか1に記載の金型を使用して製造したことを特徴とする鍛造成形品である。
10)上記課題を解決するための第10の発明は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型上金型の組み合わせからなる金型で、下金型が母型と母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられている入子型とを含んだ構成であり、母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられている金型を使用した鍛造方法であって、前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であり、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値である金型を使用したことを特徴とする鍛造方法である。
11)上記課題を解決するための第11の発明は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられる金型の設計方法であって、
前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面を少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面として構成し、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値となるように設計することを特徴とする金型の設計方法である。
12)上記課題を解決するための第12の発明は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられる金型の設計方法であって、前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面を少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面として構成し、前記母型と入子型との焼き嵌め応力が、(1/0.3)×(−200×入子型成形孔と母型外径との比+160)以上であるように締まり嵌め位置および締め代を設計することを特徴とする金型の設計方法である。
13)上記課題を解決するための第13の発明は、前記締まり嵌め位置および締め代を設計するに際し、先ず、焼き嵌め応力値を算出し、この値が所定値以上であった場合に、初めて金型変形量を算出することを特徴とする請求項12に記載の金型の設計方法である。
本発明の鍛造用金型は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型上金型の組み合わせからなる鍛造用金型で、下金型が母型と母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられている入子型とを含んだ構成であり、母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられている鍛造用金型において、入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値であることを特徴とする鍛造用金型であるので、それを用いて鍛造した成形品において、外殻形状に含まれる上金型の動作方向軸に平行な面において少なくとも一対の対向しあう2面の平行度などの寸法精度を得るための加工が不要または低減される。
その結果、本発明の鍛造用金型を用いることにより、外殻形状の平行度等の寸法精度が良好な鍛造成形品を容易に製造できる。また、後工程である機械加工により高い精度を出す加工工程が不要または低減されるので、生産コストを低減できる。更に、十分な内部応力を有するので、金型寿命を延長することができる。
また、本願発明の鍛造用金型を使用した鍛造方法によれば、対向する平行な2面を有する鍛造製品を寸法精度よく、安価に製造することができる。
後工程の機械加工が不要または低減し、歩留りが良く、コストが低減され、品質が良好である鍛造成形品を容易に鍛造することのできる鍛造用金型を得るという目的を、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値であることによって実現した。
以下図面に従って、本発明の鍛造用金型の一例を説明する。ここで、本発明の鍛造用金型10は、金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型22と上金型21の組み合わせからなり、前記下金型22は母型24と入子型23とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型23は母型24の内側に配設され中心部に鍛造成形孔26が設けられた金型であって、この入子型23の鍛造成形孔26を囲む内壁面が少なくとも1組の、前記上金型21の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値である。
例えば、図1に示すような上金型の動作方向軸に対し平行な外殻面11、12を有している外殻形状の上金型の動作方向軸に対し垂直方向断面(外殻面)13が四角状である形状を有した鍛造成形品を鍛造するのに用いる鍛造用金型である。対向する2面の傾きが上金型の動作方向軸から成形孔の外側方向に0.5度以下であるとは、図1中に符号11、12に対応する金型部位であり、符号14、15で示す角度が0.5度以下であることを云う。
本発明の鍛造用金型の一例を図2に基づいて説明する。この鍛造用金型10は、上下動する加圧パンチからなる上金型21及び、鍛造用素材を受け入れる下金型22を構成する入子型23、母型24および成形品を下金型22内から取り出すためのノックアウトピン25を含んで構成されている。また、入子型23は、その中央部に成形孔26を有しており、この成形孔26の鍛造品外殻面11、12に対応する内周壁26a、26bが、外側方向に0〜0.5度に形成されている。そして、母型24と入子型23は締まり嵌め構造によって組み立てられている。
ここで、締まり嵌め構造とは、次のように組み立てたものであり、図3に基づいて説明する。先ず、外側の母型24を加熱することにより熱膨張させる。その膨張した状態で母型24の内側に入子型23を挿入する。その後、母型24の温度を室温にまで下げる。その結果、熱膨張していた母型24は熱膨張から開放され入子型23を締め付けることになる。その結果、入子型23に内部圧縮応力が発生する。
一方、従来は鍛造用金型を組み合わせる場合に、締め代は入子型23の外径Hが30mmまでは0.07〜0.09mm程度に、120mmまでは0.15〜0.18mmに、180mmまでは0.17〜0.20mm程度に設計していた。この事はたとえば、プレス技術(日刊工業新聞社発行)第39巻第11号74ぺ一ジ等に開示されている。また、締め代の値は実測値から((H−J)/2)で求めることができる。ここで、Hは組み合わせる前の状態での入子型23の外径の長さで、Jは組み合わせる前の状態での母型24の内径の長さである。
また、一般に締まり嵌め構造で組み合わせた時の入子型と母型の境界位置を締まり嵌め位置といい、成形孔の重心位置を中心とした直径で表現する。入子型と母型の境界が円でない場合、たとえば入子型の形状が正多角柱の場合などは、成形孔の断面の重心位置を中心とした入子型の内接円を締まり嵌め位置という。例えば、図2中の符号27に示すものである。従来、この締まり嵌め位置は、試行錯誤によって決定されていた。
一方、成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され母型24と入子型23とが締まり嵌め構造を有している本発明の鍛造用金型10では、例えば、締まり嵌め位置27が65mm以上であって、締め代が入子型外径と0.003以上(好ましくは0.003〜0.005)の値との積の値として設計することにより得ることができる。例えば、入子型の外径が130mmで、締まり嵌め位置が130mmであって締め代が0.39mm以上であるのが好ましい。さらに、入子型の締まり嵌め位置27は、成形孔径(G)と母型外径(D)との積の平方根と1〜1.1との積の値(以下に数1で示す)となっている鍛造用金型であるものが好ましい。成形孔断面の輪郭形状が円でない場合、たとえば長方形の場合などは、成形孔径として輪郭形状の外接円の直径を用いる。又は、母型外形の輪郭形状が円でない場合、たとえば正多角形の場合などは、母型外径として輪郭形状の内接円の直径を用いる。
Figure 2004202576
締め代が入子型外径と0.003未満の値との積の値である場合、内部応力が低く、対向する2面の傾きが大きくなる。また、成形面の表面のうねり、湾曲が発生するおそれがある。締まり嵌め位置27が、成形孔径Gと母型外径Dとの積の平方根に1未満の値を掛け合わせた値である場合、内部応力に対し入子型の厚さが薄くなり金型に損傷が起こるおそれがある。また、成形孔径Gと母型外径Dとの積の平方根に1.1を超えた値を掛け合わせた値である場合、内部応力に対し母型の厚さが薄くなり鍛造用金型に損傷が起こるおそれがある。よって成形孔径Gと母型外径Dとの積の平方根に1〜1.1の範囲の値を掛け合わせたものが好ましい。なお、締まり嵌め位置27が65mm以上(好ましくは、65〜150mm)であるとしているのは、締まり嵌め位置をこれ未満に設定すると内部応力に対して入子型の厚さが薄くなり金型に損傷が起こる虞れがあるからである 。
以上の結果、本発明の鍛造用金型10は、従来の鍛造用金型に比べ、内部応力が、成形孔26を囲む平行な面が成形時に外側に開くことを抑えるに充分に大きな値を有した鍛造用金型となる。図4に本発明の金型、および従来の金型の成形品外径と母型外径との比に対する内部圧縮応力(以下、焼き嵌め応力と称す。)の関係を示す。「成形品外径と母型外径との比」(ここで、「成形品外径は、「成形品外径」又は「入子型成形孔径」と同じものを意味する。)をパラメータにして用いるのは、応力は相似形状で検討することができ、またその結果を鍛造装置、成形品の形状が変わった場合に汎用的に応用することができるからである。図4より、製品外径と母型外径の比が0.2〜0.5の範囲において、従来に比べ本発明のほうが高い焼き嵌め応力を付加することができる。この範囲未満では成形品が小さくなり過ぎこの範囲を越えると母型が割れ易くなり、この範囲で実施するのが実用的であり好ましい。
例えば、製品外径と母型外径の比が0.2の場合、本発明の鍛造用金型の例として母型(円形)外径200mm、製品外径(入子型成形孔外接円径)40mm、入子型(円形)外径90mm、焼き嵌め代0.27mm、とすると、焼き嵌め応力が400MPaである。この場合、締まり嵌め位置は入子型外径の90mmとなり、これは(製品外径(40mm)×母型外径(200mm))の平方根に1.00を掛け合わせたものとなっている。この場合、締め代(焼き嵌め代)は入子型外径(90mm)と0.0030を掛け合わせたものになっている。
一方、製品外径と母型外径の比が0.2の場合の、前述した設計で得られる従来の鍛造用金型の例として、母型外径(円形)240mm、製品外径(入子型成形孔外接円径)48mm、入子型(円形)外径107mmである場合は、焼き嵌め代は0.18mmとなり、焼き嵌め応力が220MPaであった。この場合、締まり嵌め位置は入子型外径の107mmとなり、これは(製品外径(48mm)×母型外径(240mm))の平方根に0.99を掛け合わせたものとなっている。この場合、締め代(焼き嵌め代)は入子型外径(107mm)と0.0017を掛け合わせたものになっている。
同様に、例えば、製品外径と母型外径の比が0.3の場合、本発明の鍛造用金型の例として母型外径200mm、製品外径(入子型成形孔径)60mm、入子型外径110mm、焼き嵌め代0.33mm、とすると、焼き嵌め応力が320MPaである。一方、製品外径と母型外径の比が0.3の場合の、前述した設計で得られる従来の鍛造用金型の例として、母型外径240mm、製品外径(入子型成形孔径)72mm、入子型外径131mm、焼き嵌め代0.2mm、とすると、焼き嵌め応力が、160MPaであった。
同様に、例えば、製品外径と母型外径の比が0.4の場合、本発明の鍛造用金型の例として母型外径200mm、製品外径(入子型成形孔径)80mm、入子型外径127mmである場合は、焼き嵌め代は0.38mmとなり、焼き嵌め応力が260MPaである。一方製品外径と母型外径の比が0.4の場合の、前述した設計で得られる従来の鍛造用金型の例として、母型外径240mm、製品外径(入子型成形孔径)96mm、入子型外径151mmである場合は、焼き嵌め代は0.2mmとなり、焼き嵌め応力が110MPaであった。製品外径と母型外径の比が0.4の場合の、前述した設計で得られる別の従来の鍛造用金型の例として、母型外径103mm、製品外径(入子型成形孔径)41mm、入子型外径65mm、焼き嵌め代0.18mm、とすると、焼き嵌め応力が、240MPaであった。
同様に、例えば、製品外径と母型外径の比が0.5の場合、本発明の鍛造用金型の例として母型外径200mm、製品外径(入子型成形孔径)100mm、入子型外径142mm、焼き嵌め代0.43mm、とすると、焼き嵌め応力が200MPaである。一方製品外径と母型外径の比が0.5の場合の、前述した設計で得られる従来の鍛造用金型の例として、母型外径240mm、製品外径(入子型成形孔径)120mm、入子型外径169mmである場合は、焼き嵌め代は0.2mmとなり、焼き嵌め応力が、80MPaであった。このように、本発明の鍛造用金型10では、いずれの製品外径と母型外径の比においても従来の鍛造用金型より、焼き嵌め応力が大きくなり、鍛造時において製品の上部が外側方向に広がるのを抑制できる点において好ましいことがわかる。
本発明では、例えば、母型外径=200mm、成形孔の対向する2面の寸法=42mm、(成形孔の外接円径は60mm。)(ここでは、成形孔断面が円でないので、式1のGには外接円径を適用することになる。)入子型の外径=110mm、締まり嵌め位置=110mmとする。母型(材質SKD61)、入子型(材質SKDll)の縦弾性係数、ポアッソン比をそれぞれ、202GPa、200GPa、0.3、0.3とする。本発明の鍛造用金型10では、例えば締め代を0.39とするので、締まり嵌め構造により発生する応力は320MPaとなる。本発明の鍛造用金型10は、従来の鍛造用金型に比べ約2倍以上の応力を負荷することが可能となる。
焼き嵌め応力の算出式は、たとえば、機械工学便覧(日本機械学会発行改訂第4版)第4編材料力学第8章円筒、球および円板8.6組み合わせ円筒および焼き嵌め8.6.1厚肉組み合わせ円筒(「4−73」ぺージ。)に開示されている。
一方、従来法で設計された鍛造用金型では、前述した経験値より締め代は0.18であるので応力は180MPaとなり、鍛造用金型は鍛造時に外側に開いてしまい平行な面を有した成形品を得ることができない。本発明の鍛造用金型は、成形時に平行面が外側に開くことを抑えるに充分な内部応力を有しているので、鍛造用金型は鍛造時にも実質的に抜き勾配を有しない鍛造用金型となる。これを用いて鍛造成形品を製造すると鍛造成形の際に鍛造用金型の変形が抑制される。その結果、外殻形状が少なくとも1組の上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成された鍛造成形品を容易に、かつ、精度よく製造することができる。
本発明の金型は、「入子型成形孔と母型外径との比」が0.2〜0.5の範囲において、焼き嵌め応力が[数2]を満たすものとなるものがより好ましい。この条件を満たすように金型を設計することにより、容易に平行な2面を有する金型を得ることができるからである。
Figure 2004202576
これは、図4において、(0.2,400)(0.5,200)の2点を通る直線以上の範囲になる。
さらに、締まり嵌め箇所を1箇所としているが、2つ以上の複数としてもよい。複数とする場合、例えば、母型24が内母型と外母型とから構成されており、入子型23が内入子型と外入子型とから構成されている場合、先ず内入子型と外入子型との間で前述した本願発明の方法により、締まり嵌め位置を決定し、次に、外入子型と内母型との間で、本発明の方法により締まり嵌め位置を決定し、更に、内母型と外母型との間で、本発明の方法により締まり嵌め位置を決定してゆく。以上の手順により、複数の締まり嵌め位置を順次決定する。さらに、本発明の鍛造用金型においては、成形孔を囲む内壁面の上金型の動作方向長さの一部が平行な面となっている場合もあるし、または動作方向長さの全体が平行な面となっている場合もある。
本発明の鍛造用金型は、母型24と入子型23との締まり嵌め構造において、母型24と入子型23の嵌め合う面の形状が入子型が抜けにくい構造であるのが好ましい。例えば、図3では入子型外径Hと母型内径Jがストレートである形状の鍛造用金型について説明したが、入子型外径と母型内径の形状は、上金型動作方向軸の上下方向に円錐形でテーパー形状を有してもよい。
図5(a)〜(c)は、本発明の他の実施の形態を示す要部縦断面図である。図5(a)は、本願発明における入子型23と母型24の締まり嵌め構造を示す他の実施の形態である。本実施の形態において、入子型23の外径Hと母型24の内径Jが下方向に拡大したテーパー状に形成されている。以上のように構成した場合、入子型23を抜けにくい構造とすることができる。
図5(b)は、本願発明における入子型23と母型24の締まり嵌め構造を示す別の実施の形態である。本実施の形態において、入子型23の外径Hと母型24の内径Jが下方向に縮小したテーパー状に形成されている。以上のように構成した場合、上金型21による押圧力を入子型23と母型24の双方で受け止める事ができるために、鍛造用金型10の耐用寿命を延長することができる。
図5(c)は、本願発明における入子型23と母型24の締まり嵌め構造を示す別の実施の形態である。本実施の形態において、入子型23の外径Hと母型24の内径Jが下方向に縮小したテーパー状に形成されると共にリング押え51がボルト52によって固着されている。
以上のように構成した場合、上金型21による押圧力を入子型23と母型24の双方で受け止める事ができるために、鍛造用金型10の耐用寿命を延長することができると共に、入子型23が反って反発の働きをしても、入子型23が抜けるのを阻止することができる。
図6(a)は、本発明の入子型と母型の関係の別の実施例を示す断面図である。本実施の形態において、成形孔26の形成された入子型61の外側の一部である上端に段部61aを形成したものである。この段部61aは、図6(a)では、入子型61の上端外周に形成された環状凹部と対応する母型62の内周に形成された環状突出とから構成されている。
以上のように構成した場合、入子型61と母型62が段部61aで係合されるために、入子型61が抜け出る虞がない。
図6(b)は、本発明の入子型と母型の関係の別の実施例を示す断面図である。本実施の形態において、成形孔26の形成された入子型65の外側の一部に段部65aを形成したものである。この段部65aは、図6(b)では、入子型65の下端外周に形成された環状突部と対応する母型66の下端内周に形成された環状凹部とから構成されている。
以上のように構成した場合、入子型65と母型66が段部65aで係合されるために、入子型65が抜け出ることがない。
本発明の鍛造用金型10は、母型24と入子型23との締まり嵌め構造において、母型24と入子型23との材質の硬度が入子型23のほうが硬い部材を使用することが好ましい。鍛造用金型10を組み合わせる際に、入子型23を損傷なく圧入することができるからである。また、本発明の鍛造用金型10は、入子型23の材料がダイス鋼(例えば、JIS SKD11。)(より好ましくは、ハイス鋼または超硬。)であるのが好ましい。軟鋼を使用すると弾性変形が大きくなり、これを用いて鍛造成形品を鍛造した際に、テーパーが付き易い。また、成形面にうねりや湾曲が発生するおそれがあるからである。
本発明の鍛造用金型10は、成形孔26を囲む内壁面の表面平均粗さをRa=0.05〜25μm(より好ましくは0.05〜1.6μm)とするのがより好ましい。0.05μm未満では、金型加工時に精度を確保するのが困難であり、25μmを越えると鍛造時に素材の焼き付きが起こるからである。
また、本発明の鍛造用金型10は、成形孔26を囲む内壁面の表面に窒化処理を施すことが好ましい。その結果、下金型22から成形品が排出される工程で、成形品と下金型22が接触した際に、焼き付きやカジリが発生して表面精度が悪くなるという不具合の発生を抑えることができるからである。また、焼き付きやカジリが発生した箇所に、鍛造時にかかる荷重によって割れの起点となることを抑えることができ、鍛造用金型の耐久寿命を向上することができる。
本発明の鍛造用金型は、温間鍛造、冷間鍛造を問わず、従来の鍛造方法に使用することができる。また、鍛造素材の材料として種々の金属材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、およびこれらを主成分とする合金を挙げることができる。アルミニウム合金として、例えば、JIS6061、2017合金等を使用することができる。
次に、本発明の金型の設計方法の基本フローについて説明する。
1)先ず、成形品の形状が与えられるとその大きさから使用する装置が決まり、そこに取りつける母型から母型の外径Dが決定される。
2)続いて、成形品の大きさから成形孔径Gを求める。
3)次に、成形孔径Gと母型の外径Dとから締まり嵌め位置を65mm以上となるように数式1に基づいて決める。係数は仮に決めておく。
4)次に、締まり嵌め位置を入子型外径Hとして、それに係数0.003(締め代係数)を掛けて締め代を求める。
5)以上で金型の初期設計が完了する。
6)初期設定に基づいて実際の金型を製作し鍛造成形を試行する。
7)平行度、平面度等が満足しないなどの不具合が発生した場合は、締め代係数を0.003から徐々に大きくして、4)以降の工程を繰り返し、不具合が無くなることを確認する。
8)7)の処理で不具合がなくならない場合は、締まり嵌め位置を調整し、3)以降の工程を繰り返し、不具合が無くなることを確認する。
9)以上で金型設計が完了する。
さらに、図4より、入子型成形孔Gと母型外径Dとの比0.2〜0.5に対して焼き嵌め応力が、[数2]を満たすことを上記設計フローの4)の時点で確認するにより、平行な部位で成形孔が外側に開くことを抑えた金型とすることができる。その金型を用いて鍛造した成形品は、外殻形状に含まれる上金型の動作方向軸に平行な面において少なくとも一対の対向しあう2面の平行度などの寸法精度を得るための加工が不要または低減されるので好ましい。
次に、本発明の金型の設計方法により、複雑な形状の金型を設計する場合について説明する。
複雑な形状金型の場合の成形品の一例を図9に示す。図9に示す成形品は、異なる平行な2面が段差を有して組み合わさった形状を有している。
上金型の動作方向軸に対して平行な外殻面91、92とこれに段差を有する同様に平行な外殻面91a、92aを備えた成形品の一例である。ここで、基本的な設計思想は前述と同様であるが、主成形方向に平行な形状を部分的に有する金型の場合、または、成形品の断面に凹凸が組み合わさっておりその断面を円形状に近似して設計すると不都合が生じる場合には、以下のように、設計することができる。
例えば、主成形方向に平行な形状を部分的に有する場合は平行な部分での断面に対して前述した設計を施し、複数の異なった平行な部分を有する場合はそれぞれの箇所での断面に対して前述した設計を施する。さらに、それらが全て図4の条件を満たすように、金型を設計することが好ましい。その結果、その金型を用いて鍛造した成形品は、外殻形状に含まれる上金型の動作方向軸に平行な面において少なくとも一対の対向しあう2面の平行度などの寸法精度を得るための加工が不要または低減されるので好ましい。
また、シミュレーションを設計に組み込むことによって、金型設計の手直し工数を低減することができる。次に、シミュレーションを組み込んだ設計方法の一例を図10に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップS1では、単純形状での実験結果を元に、入子型・焼き嵌め形状の基礎設計を行う。ここで、平行な部分での断面に対して前述した設計により、焼き嵌め代、締まり嵌め位置の初期値を与えておく。
次に鍛造シミュレーションを実施し、金型形状を求める。
本発明で使用する鍛造シミュレーションは、ステップS2の成形シミュレーションとステップS3の金型変形シミュレーションの2段階を有している。ステップS2では、金型成形孔に投入された素材が成形されていく状態をシミュレーションするが、金型は剛体として取り扱うことで計算時間の短縮を図る。ステップS3では、金型は弾性体として扱い、ステップS2の結果から得られた成形品表面力のデータを金型に与え、それが反映された時の金型の変形を演算で求める。
シミュレーションには、FEM(有限要素法)解析を用いることができる。FEM解析は、連続体力学に基づいて定式化される境界値問題をコンピュータを用いて数値解析によって解くものである。境界値問題には、鍛造品の変形特性を表す構成式、応力の釣り合いを表す変分原理式、金型との摩擦、接触を表す境界条件式の3つの基礎式があるが、実際の現象をモデル化するときの近似の程度やモデル化手法を顧慮して選択する。FEM解析は、(1)演算に用いるデータを準備および作成するプリ処理、(2)準備作成したデータを基にした演算の実行、および、(3)演算実行後に結果を表示および評価するポスト処理、の3段階の解析手順を有している。
ステップS2の成形シミュレーションは、具体的には以下のように行われる。
まず、ステップS2のプリ処理では、以下の(a)〜(d)の処理が実行される。
S2(a)では、鍛造品形状データを作成する。
与えられた成形品(鍛造品)の形状および寸法を基に忠実に鍛造品CADデータを作成し形状データとする。
S2(b)では、簡易金型形状データを作成する。
次に簡易金型形状データを作成する。CADのブーリアン演算を用いて鍛造品形状CADデータを反転させて抜いた形状から成形孔形状データを作成し、別途あらかじめ設計したパンチ・ダイス形状に基づいて分割・加工して形状データを作成する。鍛造品内面に接しない部分の形状データは計算に影響を及ぼさない範囲で近似的に作成しても構わない。また、入れ子・焼き嵌めは一体として形状データを作成する。
S2(c)では、素材形状データを作成する。
次に、素材CADデータを、別途あらかじめ設計された素材形状および寸法に基づいて作成し形状データとする。
S2(d)では、これら(a)〜(c)の形状データを計算データストアー部に取り込み、解析用形状データとする。さらに次ぎのようなデータを成形条件パラメーターに設定する。例えば、パンチの移動量、移動速度、タイミング、素材−金型間の位置設定、摩擦条件、成形品材料特性値(応力−歪関係)、材料温度である。
温間鍛造の場合は、金型温度、熱伝達係数、熱伝導度を設定条件に追加するのが好ましい。
次に、ステップS2の演算実行段階では、(a)〜(d)のプリ処理によって作成されたデータを基に非線形有限要素法プログラムを実行し演算する。プログラムの実行により鍛造の成形過程をシミュレートし、最終的に成形品が金型に与える力をデータとして得る。ステップS2において、ポスト処理は計算結果の確認程度の処理で良く、特にそれ以上の処理は必要としない。成形不良の確認処理を追加するのが好ましい。
ステップS3の金型変形シミュレーションは、具体的には以下のように行われる。まず、ステップS3のプリ処理では、以下のS3(e)〜(g)の処理が実行される。
ステップS3(e)では、実金型(入れ子・焼き嵌め)形状データを作成する。ステップS2(a)において作成した鍛造品形状CADデータを反転させて抜いた形状から成形孔形状データを作成し、ステップS1において設計した入れ子・焼き嵌め形状に基づいて入れ子・焼き嵌め形状CADデータを作成し、計算データストアー部に取り込んで解析用形状データとする。
ステップS3(f)では、金型表面境界条件を設定する。計算データ内部の座標空間において、S3(e)で作成した実金型形状データをステップS2の成形シミュレーションと同一位置に配置し、ステップS2の成形シミュレーション結果で有られた成形品表面力のデータを境界条件として与える。
S3(g)では、以下のようなデータを条件パラメーターとして設定する。
入れ子−焼き嵌め間の位置設定・摩擦条件・締め代、金型材料特性値(弾性率、ポアソン比)、入れ子・焼き嵌めの固定境界条件、拘束条件を設定する。
次に、ステップS3の演算実行段階では、S3(e)〜(g)のプリ処理によって作成されたデータをもとに非線形有限要素法プログラムまたは線形有限要素法プログラムを実行して金型変形をシミュレートする。
線形有限要素法プログラムを用いる場合は、金型材料特性値(弾性率、ポアソン比)を設定する。非線形有限要素法プログラムを用いる場合は、さらに塑性域の特性値、つまり応力−歪の関係のデータを設定する。
ポスト処理では、演算結果より金型変形を調査する。成形品は金型の反転形状であるため、金型変形より成形品形状を調査することができる。
以上のようにしてFEM解析により成形品の形状状態の調査が行える。
次に、ステップS4において、まず、成形形状不良(例えば平行度、平面度。)が許容値に入るか否かを判定する。単純形状の実験と同条件のシミュレーションを既に実施しておき、実験の成形品に発生した形状不良と計算上の金型変形量の関係を定量的に掴んでおく。この関係を参照して、形状不良が発生すると判断された場合はステップS5に進む。
ステップS5において、締め代の変更で形状不良が回避できると判断された場合は締め代の増加量を設定し、再度ステップS3に戻る。ステップS3ではS3(g)の締め代の値を変更するだけで良く、その他の変更は必要ない。締め代の変更で形状不良が回避できないと判断された場合は、ステップS6に移動して実金型形状の変更を検討する。パラメーターは締め代位置である。形状変更後、ステップS3(e)に戻り、ステップS6にて変更された実金型形状に基づいて実金型形状データを再作成し、ステップS3の金型変形シミュレーションを実施する。次のステップS4において成形品の形状不良が発生しないと判断された場合は、鍛造金型の設計を終了する。
ステップ3の前に、実金型の焼き嵌め応力を計算するステップ(ステップS3A)を設けるのが好ましい。ステップS3Aでは、ステップS3と同様の処理を用いて(f)を省略し、すなわち成形品表面力の値をゼロとし、ステップS3(e)と同様のS3A(e)、ステップS3(g)と同様のS3A(g)のプリ処理によって作成されたデータをもとに非線形有限要素法プログラムを実行して金型変形をシミュレートし、ポスト処理で応力を求めることができる。
実金型の焼き嵌め応力を求めた場合は、ステップS3Aで求めた応力が所定の条件を満足することを判定するルーチンを含ませるのが好ましい。所定の条件としては、図4の斜線部、または数式2の範囲とすることができる。この判定ルーチンを入れることにより、変形量をシミュレーションで求める前に、金型の設計状態の可/不可が判断できる。よって演算時間が長い金型変形量シミュレーション演算のステップS3を省略することができるので全体の演算時間を短縮することができる。前述したように必要に応じて、変形量シミュレーション演算のステップS3を確認の為に入れることもできる。判定ルーチンで不可と判断された場合は、前述した条件を満たす範囲で、締まり嵌め位置、締め代の値を変更させて、ステップS3Aを再度実行させるのが好ましい。
以上の方法は、「まず金型を剛体として成形品の変形を解きその時の金型への圧力を求め、次にその圧力を弾性体とした金型に与えて金型変形を解く」としている。
この方法は、アルミニウム合金の鍛造(特に温間鍛造。)ではアルミ合金と金型の変形抵抗が3桁ほど違うので金型変形はアルミ合金の変形に比べごくわずかであると仮定しており、この仮定で計算することにより計算時間の短縮化が図れるので好ましい。平行な面の精度を対象としているので、成形シミュレーションの段階での金型のメッシュ化を省略することができる。
金型変形による成形品に発生する抜き勾配をシミュレーションで直接求めようとすると、抜き勾配形状は金型全体形状の大きさに対して非常に小さい(例えば1/1000。)ので、解析時にメッシュを細かく設定することになり、その結果メッシュ数が膨大になりそれに従って演算時間も膨大になり実用的ではなかった。
しかし、本発明では、締め代、締まり嵌め位置に設定した制限条件のもとで応力の演算をすれば良く、メッシュはR形状部に節点が2点以上当る程度に設定すれば良く、演算時間を大幅に短縮でき好ましい。また、焼き嵌め応力を判定するルーチンを含ませることで、抜き勾配の発生を予測しながら演算するので、演算時間の短縮だけでなく演算結果の精度を高める効果を得ることができる。
一方、成形途中の金型変形を考慮する必要がある場合がある。例えば、コンプレッサーのローターのように金型の成形孔の中に薄い板が立っているような場合、成形時にその薄い板の上から素材のアルミニウム合金が数十トンの荷重と共に覆い被さってくることになるので、金型の一部(例えば薄い板。)に変形が発生しその結果アルミニウム合金の塑性流動状態に影響が予想される。アルミニウム合金の塑性流動状態に影響が出れば金型に対する力にも影響がでることになり、金型の変形が無いと仮定した場合との誤差が大きくなるおそれがある。よって、このような形状の製品の金型を設計する場合は、前述の方法のような2ステップ方式を用いず、1ステップで「金型と成形品の変形を同時に解く」方法を用いるのが好ましい。この時、成形シミュレーションの段階で金型の変形を求められる程度に金型を充分にメッシュ化することが好ましい。その場合でも、条件付で演算することにより演算時間の短縮を図ることができる。
以下に本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、図7に示す鍛造用金型を用いて、図8に示すような外観のハンド部品を製造した。ハンド部品とは産業機器等のチャッキング部分に用いられるものである。ハンド部品の形状は、81面と82面の傾きが鉛直面に対して、0.5度以下であることが求められている。鍛造用素材としては、連続鋳造法で製造されたJIS6061のアルミニウム合金鋳造棒を熱間押出し加工によって最大幅50mmの柱状にしたものを、さらに長さ24mmに切断したものを用いた。
鍛造用金型は、入子型の外径が120mmで締め代が0.36mm(=入子型外径(120mm)×0.003)として締まり嵌め構造を施して組み立てた。母型外径=240mm、対向する2面間の寸法=26mm、成形孔の外接円=54mmとした。締まり嵌め位置は、120mmであった。母型は、材質SKD61、入子型は材質SKD11としたので、各縦弾性係数、ポアッソン比をそれぞれ、202GPa、200GPa、0.3、0.3である。以上から、焼き嵌め応力は390MPaとなった。
また、成形孔を囲む内壁面の表面仕上は、Raで1.5μmとなるように磨きを施した。また、成形孔を囲む内壁面の表面には窒化処理を施した。金型、素材に潤滑材を塗布した後、鍛造荷重を60tとして温間鍛造で成形した。鍛造後、ノックアウトピンで鍛造したハンド部品を下金型から上方へ送り取り出した。以上の結果、製品の外殻形状は、上金型動作方向軸に平行な面で対向する2面の傾きが、好ましい値の0.5度以下である0.3度となった。更に、外観に関しても、本実施例の鍛造品は、カジリや焼き付きの発生が見られなかった。
別の本発明の鍛造用金型は、入子型の外径Hが156mmで締め代が0.47mm(=入子型外径(H:156mm)×0.003)として締まり嵌め構造を施して組み立てた。母型外径=D:240mm、対向する2面間の寸法=60mm、成形孔の外接円=98mmとした。締まり嵌め位置は、156mmであった。母型、入子型の材質は前述と同じとした。
製品の外殻形状は、上金型動作方向軸に平行な面で対向する2面の傾きが、好ましい値の0.5度以下である0.3度となった。更に、外観に関しても、本実施例の鍛造品は、カジリや焼き付きの発生が見られなかった。
比較のため従来の鍛造用金型を用いて鍛造した。入子型の締まり嵌め位置は、直径98mmの位置とした。また、締め代は0.18mmとした。焼き嵌め応力は230MPaであった。成形孔を囲む内壁面の表面仕上は、Raで30μmであった。また、成形孔を囲む内壁面の表面には窒化処理を施さなかった。母型、入子型の材質その他の条件は、本願発明の実施例と同じとした。
以上のような鍛造用金型を用いて鍛造したところ、得られた成形品は、上金型動作方向軸に平行な面の傾きが0.5度を超えた0.7度となった。また、外観に関しても、カジリや焼き付きが発生していた。
図9に示す成形品を鍛造する金型を本発明のシミュレーションで設計した。設計結果に基づいて製作した金型を用いて鍛造した。試作した結果、修正手直しをすることなく平行部の抜き勾配が0.4の成形品を得ることができた。また、外観に関しても、カジリや焼き付きの発生はなかった。
このように、本発明の鍛造用金型を用いることにより、鍛造の後工程である機械加工を不要或いは、低減することにより、歩留りを向上させ、コストを低減することができる。また、抜き勾配のほとんどない鍛造成形品を容易に鍛造することができる。
尚、本発明の実施の形態では、リング押えをボルトによって金型に固定する例について説明したが、これに限ることなく、他の固定手段であってもよい。
少なくとも対向する2面が平行な鍛造成形品の一例を示す斜視図である。 本発明の鍛造用金型の使用される鍛造機械の一例を示す要部縦断面図である。 入子型の成形孔と母型と関係を示す模式図である。 本願発明と従来の鍛造用金型による製品外径と母型の比と焼き嵌め応力との関係を示す説明図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の他の実施の形態を示す要部縦断面図である。 図6(a)、(b)は、本発明の入子型と母型の関係の別の実施例を示す断面図である。 本発明の鍛造用金型の使用される鍛造機械の一例を示す要部縦断面図である。 鍛造成形品の一例であるハンド部品を示す斜視図である。 異なる平行な2面が段差を有して組み合わされた形状を有する鍛造成形品の一例を示す斜視図である。 シミュレーションを組み込んだ設計方法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 鍛造用金型
11 外殻面
12 外殻面
13 外殻面
14 面の傾き
15 面の傾き
21 上金型
22 下金型
23 入子型
24 母型
25 ノックアウトピン
26 成形孔
27 入子型と母型の境界位置
51 リング押え
52 ボルト
61 入子型
61a 段部
65 入子型
65a 段部
66 母型
62 母型
81 外殻面
82 外殻面

Claims (13)

  1. 金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられた金型であって、
    前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値であることを特徴とする鍛造用金型。
  2. 前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、締まり嵌め位置が成形孔径と母型外径との積の平方根と、1〜1.1との積の値の位置であることを特徴とする請求項1に記載の鍛造用金型。
  3. 前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、母型と入子型の嵌め合う面の構造が、入子型が抜けにくい構造であることを特徴とする請求項1または2項に記載の鍛造用金型。
  4. 前記母型と入子型との締まり嵌め構造において、入子型の材質が母型の材質より硬いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  5. 前記上金型の動作方向にほぼ平行な面の傾きが上金型の動作方向軸から成形孔の外側方向に0〜0.5度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  6. 前記成形孔を囲む内壁面の表面の表面平均粗さRaが0.05〜25μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  7. 前記成形孔を囲む内壁面の表面に窒化処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  8. 前記母型と入子型とが締まり嵌め構造の締まり嵌め位置が複数箇所であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  9. 前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の金型を使用して製造したことを特徴とする鍛造成形品。
  10. 金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型上金型の組み合わせからなる金型で、下金型が母型と母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられている入子型とを含んだ構成であり、母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられている金型を使用した鍛造方法であって、
    前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面が少なくとも1組の、上金型の動作方向にほぼ平行な面から構成され、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であり、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値である金型を使用したことを特徴とする鍛造方法。
  11. 金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられる金型の設計方法であって、
    前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面を少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面として構成し、締まり嵌め位置が65mm以上の位置であって、その締め代が入子型外径と0.003以上の値との積の値となるように設計することを特徴とする金型の設計方法。
  12. 金属素材から鍛造成形品を鍛造するための下金型と上金型の組み合わせからなり、前記下金型は母型と入子型とが締まり嵌め構造により組み立てられると共に、前記入子型は母型の内側に配設され中心部に鍛造成形孔が設けられる金型の設計方法であって、
    前記入子型の鍛造成形孔を囲む内壁面を少なくとも1組の、前記上金型の動作方向にほぼ平行な面として構成し、
    前記母型と入子型との焼き嵌め応力が、(1/0.3)×(−200×入子型成形孔と母型外径との比+160)以上であるように締まり嵌め位置および締め代を設計することを特徴とする金型の設計方法。
  13. 前記締まり嵌め位置および締め代を設計するに際し、
    先ず、焼き嵌め応力値を算出し、この値が所定値以上であった場合に、
    初めて金型変形量を算出することを特徴とする請求項12に記載の金型の設計方法。
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