JP2004202286A - 底泥の土壌化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】底泥を環境汚染を引き起こさない安全な改良土に安価に再生し、植生土や緑地造成土として有効利用することを可能とする底泥の土壌化処理方法を提供する。
【解決手段】ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化する。
【選択図】図1
【解決手段】ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダムや湖沼等の底泥をマグネシアセメントで固化し破砕して、植栽可能な土壌に改良する底泥の土壌化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダムや湖沼等に底泥が堆積し、容積が激減する問題が多発している。この問題は底泥を浚渫することにより解決されるが、新たに浚渫した底泥をいかに最終処分するかの問題が生じる。
【0003】
この浚渫した底泥の大量処理は、従来、以下に挙げるイ)〜ニ)の内いずれかの方法により行われている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
イ)底泥を普通ポルトランドセメント又は高炉セメント等で固化する。
ロ)底泥を処理用地で天日乾燥し、放置する。
ハ)底泥を機械で脱水し、再利用する。
ニ)底泥に固化材を添加して高圧脱水し、高強度な材料として再利用する。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−288600号公報
【特許文献2】
特開2001−121193号公報
【特許文献3】
特開2001−300589号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記イ)の方法は、固化土のpH値が11〜12と非常に高く、表面を流れる雨水等が強アルカリとなるため、埋設地周辺の環境汚染の悪影響が懸念され、埋土用地の確保が困難という問題がある。更に有機性の底泥の場合、普通ポルトランドセメント又は高炉セメントを混練してもなかなか固化しないこともあり、底泥中のアンモニアが塩析し周囲に悪臭を放つ等々の問題もある。更に、このような普通ポルトランドセメント又は高炉セメント等で固化した底泥の上に植栽する場合には、該固化した底泥の上に1〜2m程度覆土し、その覆土に植樹する。そのため、覆土用の山砂を確保するための費用を必要とし、結果として植栽に要するコストが高くなると云う問題がある。
【0006】
上記ロ)の方法は、大量の底泥を天日乾燥するための広大な処理用地を必要とし、その処理用地の確保が困難という問題がある。更に、底泥の多くは粘土又はシルトであるために表面が乾燥しても全体が乾燥する迄に長時間を要し、雨が降ると元通りの性状になる。また、乾燥された底泥は粒度分布が悪い上に地耐力が出ないため、天日乾燥後の処理用地の用途が制限されるという問題がある。
【0007】
上記ハ)の方法は、脱水のコストが高い上、脱水処理された底泥は粒度分布が悪いため、処理土の利用用途は制限され、植栽にも不向きであった。
【0008】
上記ニ)の方法は、1m3あたりの処理費用が高いため、該方法による改良土の再利用は専ら対費用効果のある道路材などの付加価値の高い用途にのみ限定されている。
【0009】
上記の通り、イ)〜ニ)のいずれの方法によっても、改良土は、その土質の特徴又は対費用効果などの経済的な理由から、その有効利用の範囲が限られ、植生土や緑地造成土として利用されていなかった。
【0010】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決して、底泥を環境汚染を引き起こすことのない、より安全な改良土に安価に再生し、且つ植物が生育可能な植生土や緑地造成土として有効利用することを可能とする、底泥の土壌化処理方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化する工程を特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して埋め立て用地へ流し込んで固化し、該底泥固化土の表面を植樹可能な1〜2m程度の深さ迄破砕し粒状化する工程を特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等の底泥を露出させ、原位置土の底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕又は粒状化して前記ダムや湖沼等の底から目的地へ搬出する工程を特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理方法において、底泥固化土を粒状化した粒状化処理土の粒径は、およそ100mm以下とすること特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理方法において、底泥固化土の破砕時又は破砕後にピートモス等のpH調整剤を添加し、粒状化処理土のpH値を植物が生育可能な数値に調整することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載した底泥の土壌化処理方法において、pH値は、9.5以下とすることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項2に記載した底泥の土壌化処理方法において、埋め立て用地において固化された底泥固化土の表面を粒状化した土層に排水手段を設けること、前記土層中の余剰水を排水手段へ集水可能とする排水勾配を前記土層に設けることをそれぞれ特徴とする。
【0018】
【発明の実施形態及び実施例】
請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥を環境汚染源と成り得ない安全な改良土として、且つ植生土又は緑化造成土として利用可能な改良土に再生する方法として好適に実施される。
【0019】
本発明の土壌化処理方法の基本的な工程としては、ダムや湖沼等の底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化することを特徴とする(請求項1〜3記載の発明)。更に、必要に応じてピートモス等のpH調整剤を添加して粒状化した底泥固化土(以下、粒状化処理土と云う。)のpH値を、植物が生育可能な数値に調整することを特徴とする(請求項5記載の発明)。
【0020】
以下、各実施形態について逐次説明する。
≪第1の実施形態≫
図1は、請求項1に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
【0021】
以下、図1に示した工程フローに沿って説明する。
先ず、工程a)においてダムや湖沼等から浚渫した底泥が貯留された施工ピット10にマグネシアセメントを添加し、前記底泥と前記マグネシアセメントを混練する。この混練作業は、例えばミキシングバケットやロータリー式攪拌混合処理機を要するバックホーを使用して行われる。
【0022】
このようにマグネシアセメントを固化材として使用する理由は、I)先ず一つ目には、改良土のpH値をポルトランドセメント又は高炉セメントで作成した改良土よりもpH値を低く抑えるためである。II)二つ目には、マグネシアセメントはアンモニアのpH値(=11.4)よりも低いpH値(=10.5)を持つので、従来技術の如くセメントと底泥との混練時におけるアンモニア臭の発生を防止することができるからである。
【0023】
III)三つ目には、マグネシアセメントは、ポルトランドセメントや高炉セメントのように六価クロムを含有していないので、その底泥固化土による土壌又は地下水などの六価クロム汚染を防止することができるからである。更に、IV)四つ目には、鉛、ひ素、カドミウム、水銀等の重金属の不溶効果もあるからである。
【0024】
次に工程b)では、マグネシアセメントと混練された底泥を施工ピット10内で例えば7〜28日間程度養生し、土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1.0MPa程度の一軸圧縮強さ)を得るように固化する。
【0025】
続く工程c)では、固化した底泥、即ち底泥固化土をバックホーや耕うん機等を使用して破砕し粒状化する。粒状化処理は、粒状化処理土の粒径がおよそ100mm以下となるように十分に行う(請求項4記載の発明)。底泥固化土を100mm以下の粒径に粒状化することにより、粒状化処理土が団粒構造を採りやすいようになり、延いてはその排水性、通気性を高め、地力に富む土へ改良できるのである。
【0026】
斯くして、得られた粒状化処理土は、施工ピット10から搬出され、様々な現場において法面の盛土、植生土や緑地造成土、道路材等、様々な用途に利用される。
【0027】
なお、粒状化処理土への植樹は、該粒状化処理土のpH値が9.5以下であることを確認した後に行う。pH値が9.5より高い場合は、底泥固化土の破砕時又は破砕後にピートモス等の酸性のpH調整剤を添加し、粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植樹する植物が生育できる数値に調整する(請求項5及び6記載の発明)。つまり、前記粒状化処理土をより植栽に供する植物の生育に適した土壌に改良すべくpH値を調整する。
【0028】
≪第2の実施形態≫
図2は、請求項2に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
以下、図2に示した工程フローに沿って説明する。
【0029】
先ず、工程h)でダムや湖沼等から浚渫した底泥を圧送管5を介して埋立地30に向かって圧送する。圧送管5の途中にはラインミキサー2が設けられ、該ラインミキサー2においてマグネシアセメントを底泥に混練する。混練された底泥は、圧送管5を更に進み、前記埋立地30に流し込まれる。
固化材としてマグネシアセメントを使用した理由は、上記した第1の実施形態と同様である。
【0030】
次に、工程i)では、埋立地30においてマグネシアセメントと混練された底泥を例えば7〜28日間程度養生し、土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1MPa程度の一軸圧縮強さ)又は目的の地耐力を得るよう固化する。
【0031】
その後、工程j)において該底泥固化土の表面を植樹可能な深さ迄破砕し粒状化する。この粒状化処理は、上記した第1の実施形態と同様の手法よって同様の作用効果を得るべく、粒状化処理土の粒径を100mm以下となるように実施される(請求項4記載の発明)。
【0032】
なお、埋め立て地における底泥固化土の厚さが例えば2m以上と厚い場合は、埋め立て用地の底泥固化土の表面を植樹する植物に合わせて1〜2m程の深度まで粒状化する。そして、粒状化した土層中の余分な水が埋め立て地周辺の土壌へ拡散・浸透して自然に排水されるように余剰水用の排水手段となる排水路を設ける。例えば排水路となるパイプ材を使用した暗渠を設けたり、又は排水路として機能する溝11を底泥固化土の表面を新たに粒状化して設ける。これら排水路を設ける際には、更に粒状化処理土中の余剰水が前記排水路へ集水されるように、粒状化処理土の土層の底面に排水勾配を設ける(以上請求項7記載の発明)(図3参照)。
【0033】
一方、埋め立て地における底泥固化土の厚さが例えば1〜2mと薄い場合は、植栽予定の箇所について埋め立て前の地表面深度Dまで前記底泥固化土を粒状化する。つまり、粒状化処理土に浸透した水分が埋め立て地の周囲の土壌へ拡散・浸透をできるようにして該粒状化処理土における余剰水の排水性を確保するのである(図4参照)。
【0034】
次に、工程k)では粒状化処理土のpH値を測定し、上記した第1の実施形態と同様にピートモス等の酸性のpH調整剤を添加して、事前に粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植樹する植物が生育可能な数値に調整し(請求項5及び6記載の発明)、その後前記粒状化処理土へ植樹する。
斯くして、一連の底泥の土壌化処理方法の工程が終了となり、底泥による埋め立て用地を植栽可能な地力豊かな土地へと改良される。
【0035】
≪第3の実施形態≫
図5は、請求項3に記載した底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
【0036】
以下、図5に示した工程フローに沿って説明する。なお、本実施形態では、調整池6の底泥を土壌化処理する場合を例に説明する。
先ず、工程w)では、調整池6の水をポンプ等(図示せず)で抜いて該調整池6の底に溜まった底泥を露出する。
【0037】
次に工程x)で原位置土の底泥に上記した第1、2の実施形態と同様の手法及び理由によりマグネシアセメントを混練し、養生させて土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1.0MPa程度の一軸圧縮強さ)又は目的の地耐力を得るよう固化する。
【0038】
続く工程y)では、固化した底泥固化土を破砕と同時に粒状化して前記ダムや湖沼等の底から搬出し、堤7に嵩上げ及び腹付け盛土をする。なお、前記堤7に嵩上げ又は腹付け盛土しない場合は、植栽用の植生土等として前記底泥固化土を有効利用するために、他の現場に搬出される。
【0039】
また、前記底泥固化土の粒状化処理は、前記底泥固化土を破砕する際に同時に実施するのが好ましい。もちろん、粒状化処理は底泥固化土を破砕した後目的地に搬出する前に実施しても良いし、搬出後に目的地の現場で行っても良い。因みに、前記粒状化処理は上記した第1、2の実施形態と同様の手法によって同様の作用効果を得るべく、粒状化処理土の粒径が100mm以下となるように行われる(請求項4記載の発明)。
【0040】
なお、盛土された堤7の法面はその法面安定のために張芝や樹木等を植樹する必要がある。そのため、上記した第1,2の実施形態と同様の手法により、前記粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植栽する植物が生育可能なpH値に調整する(請求項5及び6記載の発明)。
【0041】
次に工程z)において、粒状化処理土が盛土された堤7の法面に張芝や樹木などを植樹し、法面保護を行う。
斯くして、一連の底泥の土壌化処理方法の工程が終了となる。
【0042】
以下に、上記した第1〜3の実施形態のいずれか一に基づいた、より具体的な実施例及びその実施例により製造された底泥の粒状化処理土の土質データ等の結果について説明する。
【0043】
(第1実施例)
室内実験において、下記[表1]に示した性質を有する底泥に、マグネシアセメントnを土粒子実質重量比5%、10%、15%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
下記[表2]に前記粒状化処理土の土質データを示す。
【0046】
【表2】
【0047】
(第2実施例)
屋外実験において、含水比84.5%、pH4.0の底泥に、マグネシアセメントnを土粒子実質重量比6%、10%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。
【0048】
下記[表3]に前記マグネシアセメントnを用いた粒状化処理土の土質データを示す。
【0049】
【表3】
【0050】
また、前記粒状化処理土、即ち含水率84.5%の底泥に土粒子実質重量比6%のマグネシアセメントを添加した粒状化処理土について作成からおよそ半年後に行った土壌評価試験の結果及び植栽実験の結果を下記[表4]及び[表5]にそれぞれ示す。なお、植栽実験は、前記粒状化処理土に椿、青木、柘植、柊をそれぞれ植樹し、6ヶ月後の生育状態を目視観測した。
【0051】
下記[表4]に示すように、前記粒状化処理土のpH値は9.0迄下がり、また、有効水分量、全窒素、有効態リン酸など植生に必要な水分や肥料が含まれていることが確認された。下記[表5]では、前記植栽実験の結果として、いずれの樹木も良好に生育可能であることが確認された。
【0052】
【表4】
土壌評価試験の結果(pH調整無し)
*右表中のドットは、各項目について実際に測定された数値を示す。
【0053】
【表5】
【0054】
(第3実施例)
室内実験において、下記[表6]に示した性質を有する底泥に、マグネシアセメントn、mを土粒子実質重量比5%、10%、15%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。また、対比実験として、同様の条件で前記底泥に高炉セメントを添加し、粒状化した粒状化処理土を作成した。
【0055】
【表6】
【0056】
下記[表7]に前記マグネシアセメントn、m及び高炉セメントを用いた粒状化処理土の土質データをそれぞれ示す。
【0057】
【表7】
【0058】
上記した実施例1〜3の各データを参照すると、いずれの粒状化処理土も実験直後においてはpH9.5以下には成らなかったが、実施例2における実際の現場ではpH調整を行わなくとも半年後にそのpH値が9.0となり、植物が十分に生育可能な土壌になることが確認された。また、高炉セメントとの対比実験からも明らかなように、ポルトランドセメント又は高炉セメントを用いた粒状化処理土と比較すると平均してpH値がおよそ1ポイント低下していること、即ち塩基濃度が1/10であることが確認された。
【0059】
また、上記[表4]のデータ結果を参照すると少なくとも、屋外においておよそ半年間放置した粒状化処理土は、数値的には植栽可能となることが確認された。更に、この半年間放置した粒状化処理土の植栽実験により、少なくとも椿、青木、柘植、柊の植栽が可能であることが確認された。
【0060】
以上に説明したように、請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法によれば、従来技術のセメントのように高アルカリ水による環境汚染は皆無であり、従来技術の如く底泥から粒状化処理土を作成する際のアンモニア臭の発生も防止できる。また、特殊な固化材を使用する必要はなく、単純な作業工程からなるので極めて安価に底泥を粒状化処理土に再生することができる。
【0061】
更に、底泥を植物の生育が可能な植生土や緑地造成土として有効利用することができる。
つまり、本発明によれば、底泥を従来技術による底泥の粒状化処理土に比べて安全で、且つ、植生土や緑地造成土等幅広く利用可能な粒状化処理土として安価に再生することができるのである。
【0062】
【本発明が奏する効果】
請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法によれば、底泥を六価クロム等による環境汚染を引き起こすことのないより安全な改良土に再生することができる。
【0063】
また、底泥を植物の生育が可能な植生土や緑地造成土として有効利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第1実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
【図2】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第2実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
【図3】粒状化処理を概略的に示した説明図である。
【図4】異なる粒状化処理を概略的に示した説明図である。
【図5】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第3実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダムや湖沼等の底泥をマグネシアセメントで固化し破砕して、植栽可能な土壌に改良する底泥の土壌化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダムや湖沼等に底泥が堆積し、容積が激減する問題が多発している。この問題は底泥を浚渫することにより解決されるが、新たに浚渫した底泥をいかに最終処分するかの問題が生じる。
【0003】
この浚渫した底泥の大量処理は、従来、以下に挙げるイ)〜ニ)の内いずれかの方法により行われている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
イ)底泥を普通ポルトランドセメント又は高炉セメント等で固化する。
ロ)底泥を処理用地で天日乾燥し、放置する。
ハ)底泥を機械で脱水し、再利用する。
ニ)底泥に固化材を添加して高圧脱水し、高強度な材料として再利用する。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−288600号公報
【特許文献2】
特開2001−121193号公報
【特許文献3】
特開2001−300589号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記イ)の方法は、固化土のpH値が11〜12と非常に高く、表面を流れる雨水等が強アルカリとなるため、埋設地周辺の環境汚染の悪影響が懸念され、埋土用地の確保が困難という問題がある。更に有機性の底泥の場合、普通ポルトランドセメント又は高炉セメントを混練してもなかなか固化しないこともあり、底泥中のアンモニアが塩析し周囲に悪臭を放つ等々の問題もある。更に、このような普通ポルトランドセメント又は高炉セメント等で固化した底泥の上に植栽する場合には、該固化した底泥の上に1〜2m程度覆土し、その覆土に植樹する。そのため、覆土用の山砂を確保するための費用を必要とし、結果として植栽に要するコストが高くなると云う問題がある。
【0006】
上記ロ)の方法は、大量の底泥を天日乾燥するための広大な処理用地を必要とし、その処理用地の確保が困難という問題がある。更に、底泥の多くは粘土又はシルトであるために表面が乾燥しても全体が乾燥する迄に長時間を要し、雨が降ると元通りの性状になる。また、乾燥された底泥は粒度分布が悪い上に地耐力が出ないため、天日乾燥後の処理用地の用途が制限されるという問題がある。
【0007】
上記ハ)の方法は、脱水のコストが高い上、脱水処理された底泥は粒度分布が悪いため、処理土の利用用途は制限され、植栽にも不向きであった。
【0008】
上記ニ)の方法は、1m3あたりの処理費用が高いため、該方法による改良土の再利用は専ら対費用効果のある道路材などの付加価値の高い用途にのみ限定されている。
【0009】
上記の通り、イ)〜ニ)のいずれの方法によっても、改良土は、その土質の特徴又は対費用効果などの経済的な理由から、その有効利用の範囲が限られ、植生土や緑地造成土として利用されていなかった。
【0010】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決して、底泥を環境汚染を引き起こすことのない、より安全な改良土に安価に再生し、且つ植物が生育可能な植生土や緑地造成土として有効利用することを可能とする、底泥の土壌化処理方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化する工程を特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して埋め立て用地へ流し込んで固化し、該底泥固化土の表面を植樹可能な1〜2m程度の深さ迄破砕し粒状化する工程を特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等の底泥を露出させ、原位置土の底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕又は粒状化して前記ダムや湖沼等の底から目的地へ搬出する工程を特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理方法において、底泥固化土を粒状化した粒状化処理土の粒径は、およそ100mm以下とすること特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理方法において、底泥固化土の破砕時又は破砕後にピートモス等のpH調整剤を添加し、粒状化処理土のpH値を植物が生育可能な数値に調整することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載した底泥の土壌化処理方法において、pH値は、9.5以下とすることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項2に記載した底泥の土壌化処理方法において、埋め立て用地において固化された底泥固化土の表面を粒状化した土層に排水手段を設けること、前記土層中の余剰水を排水手段へ集水可能とする排水勾配を前記土層に設けることをそれぞれ特徴とする。
【0018】
【発明の実施形態及び実施例】
請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法は、ダムや湖沼等から浚渫した底泥を環境汚染源と成り得ない安全な改良土として、且つ植生土又は緑化造成土として利用可能な改良土に再生する方法として好適に実施される。
【0019】
本発明の土壌化処理方法の基本的な工程としては、ダムや湖沼等の底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化することを特徴とする(請求項1〜3記載の発明)。更に、必要に応じてピートモス等のpH調整剤を添加して粒状化した底泥固化土(以下、粒状化処理土と云う。)のpH値を、植物が生育可能な数値に調整することを特徴とする(請求項5記載の発明)。
【0020】
以下、各実施形態について逐次説明する。
≪第1の実施形態≫
図1は、請求項1に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
【0021】
以下、図1に示した工程フローに沿って説明する。
先ず、工程a)においてダムや湖沼等から浚渫した底泥が貯留された施工ピット10にマグネシアセメントを添加し、前記底泥と前記マグネシアセメントを混練する。この混練作業は、例えばミキシングバケットやロータリー式攪拌混合処理機を要するバックホーを使用して行われる。
【0022】
このようにマグネシアセメントを固化材として使用する理由は、I)先ず一つ目には、改良土のpH値をポルトランドセメント又は高炉セメントで作成した改良土よりもpH値を低く抑えるためである。II)二つ目には、マグネシアセメントはアンモニアのpH値(=11.4)よりも低いpH値(=10.5)を持つので、従来技術の如くセメントと底泥との混練時におけるアンモニア臭の発生を防止することができるからである。
【0023】
III)三つ目には、マグネシアセメントは、ポルトランドセメントや高炉セメントのように六価クロムを含有していないので、その底泥固化土による土壌又は地下水などの六価クロム汚染を防止することができるからである。更に、IV)四つ目には、鉛、ひ素、カドミウム、水銀等の重金属の不溶効果もあるからである。
【0024】
次に工程b)では、マグネシアセメントと混練された底泥を施工ピット10内で例えば7〜28日間程度養生し、土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1.0MPa程度の一軸圧縮強さ)を得るように固化する。
【0025】
続く工程c)では、固化した底泥、即ち底泥固化土をバックホーや耕うん機等を使用して破砕し粒状化する。粒状化処理は、粒状化処理土の粒径がおよそ100mm以下となるように十分に行う(請求項4記載の発明)。底泥固化土を100mm以下の粒径に粒状化することにより、粒状化処理土が団粒構造を採りやすいようになり、延いてはその排水性、通気性を高め、地力に富む土へ改良できるのである。
【0026】
斯くして、得られた粒状化処理土は、施工ピット10から搬出され、様々な現場において法面の盛土、植生土や緑地造成土、道路材等、様々な用途に利用される。
【0027】
なお、粒状化処理土への植樹は、該粒状化処理土のpH値が9.5以下であることを確認した後に行う。pH値が9.5より高い場合は、底泥固化土の破砕時又は破砕後にピートモス等の酸性のpH調整剤を添加し、粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植樹する植物が生育できる数値に調整する(請求項5及び6記載の発明)。つまり、前記粒状化処理土をより植栽に供する植物の生育に適した土壌に改良すべくpH値を調整する。
【0028】
≪第2の実施形態≫
図2は、請求項2に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
以下、図2に示した工程フローに沿って説明する。
【0029】
先ず、工程h)でダムや湖沼等から浚渫した底泥を圧送管5を介して埋立地30に向かって圧送する。圧送管5の途中にはラインミキサー2が設けられ、該ラインミキサー2においてマグネシアセメントを底泥に混練する。混練された底泥は、圧送管5を更に進み、前記埋立地30に流し込まれる。
固化材としてマグネシアセメントを使用した理由は、上記した第1の実施形態と同様である。
【0030】
次に、工程i)では、埋立地30においてマグネシアセメントと混練された底泥を例えば7〜28日間程度養生し、土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1MPa程度の一軸圧縮強さ)又は目的の地耐力を得るよう固化する。
【0031】
その後、工程j)において該底泥固化土の表面を植樹可能な深さ迄破砕し粒状化する。この粒状化処理は、上記した第1の実施形態と同様の手法よって同様の作用効果を得るべく、粒状化処理土の粒径を100mm以下となるように実施される(請求項4記載の発明)。
【0032】
なお、埋め立て地における底泥固化土の厚さが例えば2m以上と厚い場合は、埋め立て用地の底泥固化土の表面を植樹する植物に合わせて1〜2m程の深度まで粒状化する。そして、粒状化した土層中の余分な水が埋め立て地周辺の土壌へ拡散・浸透して自然に排水されるように余剰水用の排水手段となる排水路を設ける。例えば排水路となるパイプ材を使用した暗渠を設けたり、又は排水路として機能する溝11を底泥固化土の表面を新たに粒状化して設ける。これら排水路を設ける際には、更に粒状化処理土中の余剰水が前記排水路へ集水されるように、粒状化処理土の土層の底面に排水勾配を設ける(以上請求項7記載の発明)(図3参照)。
【0033】
一方、埋め立て地における底泥固化土の厚さが例えば1〜2mと薄い場合は、植栽予定の箇所について埋め立て前の地表面深度Dまで前記底泥固化土を粒状化する。つまり、粒状化処理土に浸透した水分が埋め立て地の周囲の土壌へ拡散・浸透をできるようにして該粒状化処理土における余剰水の排水性を確保するのである(図4参照)。
【0034】
次に、工程k)では粒状化処理土のpH値を測定し、上記した第1の実施形態と同様にピートモス等の酸性のpH調整剤を添加して、事前に粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植樹する植物が生育可能な数値に調整し(請求項5及び6記載の発明)、その後前記粒状化処理土へ植樹する。
斯くして、一連の底泥の土壌化処理方法の工程が終了となり、底泥による埋め立て用地を植栽可能な地力豊かな土地へと改良される。
【0035】
≪第3の実施形態≫
図5は、請求項3に記載した底泥の土壌化処理方法の工程フローの一例を概略的に示している。
【0036】
以下、図5に示した工程フローに沿って説明する。なお、本実施形態では、調整池6の底泥を土壌化処理する場合を例に説明する。
先ず、工程w)では、調整池6の水をポンプ等(図示せず)で抜いて該調整池6の底に溜まった底泥を露出する。
【0037】
次に工程x)で原位置土の底泥に上記した第1、2の実施形態と同様の手法及び理由によりマグネシアセメントを混練し、養生させて土壌としての適度な強度(例えば0.1〜1.0MPa程度の一軸圧縮強さ)又は目的の地耐力を得るよう固化する。
【0038】
続く工程y)では、固化した底泥固化土を破砕と同時に粒状化して前記ダムや湖沼等の底から搬出し、堤7に嵩上げ及び腹付け盛土をする。なお、前記堤7に嵩上げ又は腹付け盛土しない場合は、植栽用の植生土等として前記底泥固化土を有効利用するために、他の現場に搬出される。
【0039】
また、前記底泥固化土の粒状化処理は、前記底泥固化土を破砕する際に同時に実施するのが好ましい。もちろん、粒状化処理は底泥固化土を破砕した後目的地に搬出する前に実施しても良いし、搬出後に目的地の現場で行っても良い。因みに、前記粒状化処理は上記した第1、2の実施形態と同様の手法によって同様の作用効果を得るべく、粒状化処理土の粒径が100mm以下となるように行われる(請求項4記載の発明)。
【0040】
なお、盛土された堤7の法面はその法面安定のために張芝や樹木等を植樹する必要がある。そのため、上記した第1,2の実施形態と同様の手法により、前記粒状化処理土のpH値を9.5以下又は植栽する植物が生育可能なpH値に調整する(請求項5及び6記載の発明)。
【0041】
次に工程z)において、粒状化処理土が盛土された堤7の法面に張芝や樹木などを植樹し、法面保護を行う。
斯くして、一連の底泥の土壌化処理方法の工程が終了となる。
【0042】
以下に、上記した第1〜3の実施形態のいずれか一に基づいた、より具体的な実施例及びその実施例により製造された底泥の粒状化処理土の土質データ等の結果について説明する。
【0043】
(第1実施例)
室内実験において、下記[表1]に示した性質を有する底泥に、マグネシアセメントnを土粒子実質重量比5%、10%、15%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
下記[表2]に前記粒状化処理土の土質データを示す。
【0046】
【表2】
【0047】
(第2実施例)
屋外実験において、含水比84.5%、pH4.0の底泥に、マグネシアセメントnを土粒子実質重量比6%、10%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。
【0048】
下記[表3]に前記マグネシアセメントnを用いた粒状化処理土の土質データを示す。
【0049】
【表3】
【0050】
また、前記粒状化処理土、即ち含水率84.5%の底泥に土粒子実質重量比6%のマグネシアセメントを添加した粒状化処理土について作成からおよそ半年後に行った土壌評価試験の結果及び植栽実験の結果を下記[表4]及び[表5]にそれぞれ示す。なお、植栽実験は、前記粒状化処理土に椿、青木、柘植、柊をそれぞれ植樹し、6ヶ月後の生育状態を目視観測した。
【0051】
下記[表4]に示すように、前記粒状化処理土のpH値は9.0迄下がり、また、有効水分量、全窒素、有効態リン酸など植生に必要な水分や肥料が含まれていることが確認された。下記[表5]では、前記植栽実験の結果として、いずれの樹木も良好に生育可能であることが確認された。
【0052】
【表4】
土壌評価試験の結果(pH調整無し)
*右表中のドットは、各項目について実際に測定された数値を示す。
【0053】
【表5】
【0054】
(第3実施例)
室内実験において、下記[表6]に示した性質を有する底泥に、マグネシアセメントn、mを土粒子実質重量比5%、10%、15%でそれぞれ添加し、7日間又は28日間材令後に100mm以下の大きさに破砕し、粒状化処理土を得た。また、対比実験として、同様の条件で前記底泥に高炉セメントを添加し、粒状化した粒状化処理土を作成した。
【0055】
【表6】
【0056】
下記[表7]に前記マグネシアセメントn、m及び高炉セメントを用いた粒状化処理土の土質データをそれぞれ示す。
【0057】
【表7】
【0058】
上記した実施例1〜3の各データを参照すると、いずれの粒状化処理土も実験直後においてはpH9.5以下には成らなかったが、実施例2における実際の現場ではpH調整を行わなくとも半年後にそのpH値が9.0となり、植物が十分に生育可能な土壌になることが確認された。また、高炉セメントとの対比実験からも明らかなように、ポルトランドセメント又は高炉セメントを用いた粒状化処理土と比較すると平均してpH値がおよそ1ポイント低下していること、即ち塩基濃度が1/10であることが確認された。
【0059】
また、上記[表4]のデータ結果を参照すると少なくとも、屋外においておよそ半年間放置した粒状化処理土は、数値的には植栽可能となることが確認された。更に、この半年間放置した粒状化処理土の植栽実験により、少なくとも椿、青木、柘植、柊の植栽が可能であることが確認された。
【0060】
以上に説明したように、請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法によれば、従来技術のセメントのように高アルカリ水による環境汚染は皆無であり、従来技術の如く底泥から粒状化処理土を作成する際のアンモニア臭の発生も防止できる。また、特殊な固化材を使用する必要はなく、単純な作業工程からなるので極めて安価に底泥を粒状化処理土に再生することができる。
【0061】
更に、底泥を植物の生育が可能な植生土や緑地造成土として有効利用することができる。
つまり、本発明によれば、底泥を従来技術による底泥の粒状化処理土に比べて安全で、且つ、植生土や緑地造成土等幅広く利用可能な粒状化処理土として安価に再生することができるのである。
【0062】
【本発明が奏する効果】
請求項1〜7に記載した発明に係る底泥の土壌化処理方法によれば、底泥を六価クロム等による環境汚染を引き起こすことのないより安全な改良土に再生することができる。
【0063】
また、底泥を植物の生育が可能な植生土や緑地造成土として有効利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第1実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
【図2】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第2実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
【図3】粒状化処理を概略的に示した説明図である。
【図4】異なる粒状化処理を概略的に示した説明図である。
【図5】本発明に係る底泥の土壌化処理方法の第3実施形態の工程フローを概略的に示した流れ図である。
Claims (7)
- ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕して粒状化する工程を特徴とする、底泥の土壌化処理方法。
- ダムや湖沼等から浚渫した底泥にマグネシアセメントを混練して埋め立て用地へ流し込んで固化し、該底泥固化土の表面を植樹可能な1〜2m程度の深さ迄破砕し粒状化する工程を特徴とする、底泥の土壌化処理方法。
- ダムや湖沼等の底泥を露出させ、原位置土の底泥にマグネシアセメントを混練して固化し、該底泥固化土を破砕又は粒状化して前記ダムや湖沼等の底から目的地へ搬出する工程を特徴とする、底泥の土壌化処理方法。
- 底泥固化土を粒状化した粒状化処理土の粒径は、およそ100mm以下とすること特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理方法。
- 底泥固化土の破砕時又は破砕後にピートモス等のpH調整剤を添加し、粒状化処理土のpH値を植物が生育可能な数値に調整することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した底泥の土壌化処理法。
- pH値は、9.5以下とすることを特徴とする、請求項5に記載した底泥の土壌化処理方法。
- 埋め立て用地において固化された底泥固化土の表面を粒状化した土層に排水手段を設けること、前記土層中の余剰水を排水手段へ集水可能とする排水勾配を前記土層に設けることをそれぞれ特徴とする、請求項2に記載した底泥の土壌化処理方法。
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