JP2004201564A - ロールベーラにおける梱包装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロールベールの梱包装置を、電装については、ベールチャンバー内におけるロールベールの成形が所定の径に達して、所定の成形圧となってきたときに、それを検出して知らせる電動ブザー程度とし、トワイン・ネットのを繰り出しおよび始動と終了とリセットとの、殆どの動作を、メカニカルな機械装置で実現できるようにする。
【解決手段】ロールベーラAの機体aに、常時回転するピニオンギヤPGと、それに噛み合う欠歯部dを具備する大径の駆動ギヤDGとを、軸支し、かつ、該駆動ギヤDGはストッパーSとこれに衝合するトリガーTとにより、欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置から始動して再び欠歯部dがピニオンギヤPG臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御しておき、トリガーTをストッパーSから外して始動させる作動を、ロールベールRの成形の終了時に少し開放してくるリヤチャンバーfの開放回動の動作により行わせる。
【選択図】 図1
【解決手段】ロールベーラAの機体aに、常時回転するピニオンギヤPGと、それに噛み合う欠歯部dを具備する大径の駆動ギヤDGとを、軸支し、かつ、該駆動ギヤDGはストッパーSとこれに衝合するトリガーTとにより、欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置から始動して再び欠歯部dがピニオンギヤPG臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御しておき、トリガーTをストッパーSから外して始動させる作動を、ロールベールRの成形の終了時に少し開放してくるリヤチャンバーfの開放回動の動作により行わせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、圃場に刈倒されている牧草・藁稈などの飼料作物を、ロールベーラが、それの機体の前端側に設けたピックアップ装置によりピックアップして機体に装架してあるベールチャンバー内に順次送り込んでロールベールに成形したときに、そのロールベールの外周面にネットを巻き付けて梱包処理し、この状態でロールベールを機体から放出していけるように、ロールベーラの機体に装架しておくロールベーラにおけるネット巻装置についての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロールベーラには、それの機体に装架したベールチャンバー内で成形したロールベールを、梱包状態として放出するために、そのロールベールの外周を、トワイン、またはネットにより巻き締めて梱包する梱包装置が装備される。
【0003】
このロールベーラに装備される梱包装置は、従前のものにあっては、トワインまたはネットの繰り出し側を、対向する一対のエンドレスベルトにより挟持せしめておいて、そのエンドレスベルトを、電磁式のクラッチ機構の入・切制御によって駆動させることで行うか、繰出ロールと誘導ロールおよびテンションロールらを組み合わせた繰出機構に、繰り出し側の端部を挟持せしめておいて、その繰出機構を、通電のオン・オフにより作動が制御されるモーターにより駆動せしめることで行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロールベーラにおける梱包装置は、従前のものにあっては、通常、トワインを用い、これを巻束から繰出機構により繰り出して、ベールチャンバー内で成形し終えたロールベールの周面に巻き付けて梱包するいわゆるトワイン仕様の形態のものであり、繰り出したトワインを、ロールベールの周面に巻き付けるときに、繰り出し位置をロールベールの軸方向に順次変位させて、螺旋に巻き付けていくようにし、この変位を軸方向に数回繰り返すようにすることから、梱包し終えるまでにロールベールを回転させる回数が多く、時間がかかる問題がある。
【0005】
また、トワインを繰り出す繰出機構を駆動するための駆動モーターおよびそれの制御のための配線回路等の電装にコストが嵩む問題がある。
【0006】
ロールベールの梱包を、トワインに換えてネットの巻束から繰出機構により繰り出すネットにより行う、いわゆるネット仕様の形態のロールベーラにおける梱包装置は、トワイン仕様の梱包装置が、梱包を終えるまでに数十回ベールを回転させることにより時間がかかることから、この作業時間を短縮するために数回のネットの巻付けで梱包が終了するネット巻きによる梱包手段として、開発されたものであるが、巾の広いネットを繰り出すための繰出機構の構成がエンドレスベルトを用いるなどで複雑になり、そのうえ、駆動モーターおよびそれの制御のための配線回路などの電装を要することで、コストが嵩む問題がある。
【0007】
本発明は、従前のロールベーラにおけるベールの梱包装置に生じている上述の問題を解消するためになされたものであって、トワイン仕様、またはネット仕様に構成するロールベーラにおけるロールベールの梱包装置を、電装については、ベールチャンバー内におけるロールベールの成形が所定の径に達して、所定の成形圧となってきたときに、それを検出して知らせる電動ブザー程度とし、トワイン・ネットを繰り出す繰出機構の駆動およびそれの作動の始動と終了とリセットとの、殆どの動作を、メカニカルな機械装置で実現できるようにすることと、このトワイン・ネットを繰り出す繰出機構およびそれを駆動する駆動手段を、トワインの繰り出しとネットの繰り出しとの両方に共通して利用できるようにして、ロールベーラに、トワイン仕様の梱包装置とネット仕様の梱包装置とを併せて装備し得るようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして、この目的を達成するための手段として、本発明においては、ロールベーラの機体に、その機体に軸支される駆動軸に伝導してその駆動軸の回転により常時回転するピニオンギヤを軸支するとともに、このピニオンギヤに噛み合って駆動される大径の駆動ギヤを、それの周面の歯部の一部に欠歯部を具備せしめてピニオンギヤと噛み合う位置に軸支し、かつ、この駆動ギヤは、周方向の一方向に回転するよう付勢して、ストッパーとこれに衝合するトリガーとにより、欠歯部がピニオンギヤに臨む位置から始動して再び欠歯部がピニオンに臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御しておき、この駆動ギヤを始動させるトリガーをストッパーから外す作動を、ロールベールの成形の終了による成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーの開放回動の動作により行わせ、この駆動ギヤでネット・トワインを繰り出す繰出機構を駆動せしめ、この駆動ギヤの一回転の動作の間の繰出機構の作動により、ネット・トワインを所定長さ繰り出すようにする手段を提起するものである。
【0009】
また、このベールチャンバー内で成形するロールベールの成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーの開放回動の動作をもってトリガーを作動させて、機体に設けてある駆動軸により回転するピニオンギヤに欠歯部のある大径の駆動ギヤを噛み合わせ、その駆動ギヤの回転によりトワイン繰出装置の繰出機構およびネット繰出装置の繰出機構を作動させる機械的な駆動手段が、トワイン繰出装置の繰出機構と、ネット繰出装置の繰出機構との両方に適用できることと、これにより作動させるトワイン繰出装置の繰出機構およびネット繰出装置の繰出機構が、それらに対するトワイン・ネットの導入を停止しておくことにより、空回りしてトワイン・ネットの繰り出しを行わない状態となることから、機体には、トワイン繰出装置と、ネット繰出装置とを、上下に並列させて装架しておき、このトワイン繰出装置の繰出機構とネット繰出装置の繰出機構とを、前述の成形終了時のリヤチャンバーの少しの開放回動の動作でトリガーを作動させて、常時回転しているよう機体に設けておくピニオンに対し欠歯部のある大径の駆動ギヤに噛み合わせ、その駆動ギヤの一回転の回動の動作により繰出機構を駆動させることにより、その駆動ギヤを共用させて機体に並設したトワイン繰出装置とネット繰出装置の両方を駆動せしめる手段を併せて提起するものである。
【0010】
さらに、上述の如く、トワイン繰出装置とネット繰出装置とを機体に並設して、それらを、前述の駆動ギヤを共用させて駆動する際に、トワイン繰出装置から引き出されるトワインの繰り出しが、軸方向に長いゴムロールからなる繰出ロールとこれに対向するアイドラロールとの組み合わせからなる繰出機構によっても、支障なく行われることから、繰出機構をこのように構成することで、ネット繰出装置の繰出機構とトワイン繰出装置の繰出機構とに、共用させる手段を提起するものである。
【0011】
また、上述のロールベールの成形終了時の成形圧によりリヤチャンバーが少し開放回動する動作によりトリガーを作動させて、常時回転させておくピニオンに対し噛み合わせることで一回転する欠歯部のある大径の駆動ギヤにより、繰出機構を駆動して、トワイン・ネットを所定長さ分づつ繰り出すようにする駆動手段において、それの駆動ギヤに、同軸で一緒に回転する盤状のカム輪を並列させて組み込み、そのカム輪の周面に設けたカム面に、回動端側に設けたカムロールが接触することでロールピン中心に回動するコントロールアームを、駆動ギヤの一回転の回転ごとに一回の往復回動を行うよう組み合わせ、これにより、繰出機構により繰り出したトワイン・ネットを切断させるナイフを、繰り出すトワイン・ネットがロールベールを梱包するに要する所定の繰り出し長さとなったタイミングで切断位置に引き出し、切断を終えた後に非切断位置に戻すようコントロールさせれば、機械的手段だけで繰出機構を駆動し得るこの駆動手段に機械的手段だけでナイフの作動を制御し得ることから、このようにする手段を併せて提起し、さらに、このように組み込むコントロ−ルアームの作動で、ネット繰出装置のネットの巻束を装填するネット軸に設けたブレーキドラムに接触させるブレーキシューの作動を制御せしめて、繰り出すネットに付与する緊張圧をコントロールさせる手段を提起するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に発明の実施の態様を、実施例の図面に随い詳述する。
まず、ロールベーラAの機体aには、その機体aに装架せる原動機の出力軸に対し伝導して回転する回転軸1を、常時回転するように軸支し、これにピニオンギヤPGを装着して、回転軸1により常時回転するように設ける。
【0013】
ロールベーラAは、図1にあるように、クローラよりなる走行装置bにより走行する車体フレームに、ロールベールRを成形するベールチャンバーcを装備せしめた機体aを装架し、その機体aの側方に原動機および操縦席を配位して車体フレームに装架して、その原動機により走行装置bを駆動し自走して走行する自走型のものに限らず、機体をトラクタの車体に連結し、そのトラクタに牽引させて走行する牽引型に構成したものであってよい。
【0014】
ロールベーラAが牽引型である場合には、機体aに装架する回転軸1は、トラクタのPTO軸に対しユニバーサルジョイント軸を介し接続・伝導するよう機体に設ける入力軸と伝導して駆動されることで、常時回転するように設ける回転軸とし、これに、ピニオンギヤPGを設ける。
【0015】
そして、機体aには、このように常時回転しているように設けるピニオンギヤPGと噛み合う位置に、外周の歯部の周方向の一部に欠歯部dを具備せしめた大径の駆動ギヤDGを軸支する。
【0016】
この駆動ギヤDGは、繰出機構を駆動する駆動力を得るためのもので、一枚のギヤに形成してよいものであるが、ピニオンギヤPGに噛み合って回転する欠歯部dのある欠歯ギヤG1と、繰出機構を駆動する繰出ピニオンギヤ80に噛み合わせる欠歯部eのある欠歯繰出ギヤG2とに分けて、これらが一緒に回転するように一体的に組み合わせた形態のものとしてよい。
【0017】
さらに、この駆動ギヤDGが、それの欠歯部がピニオンギヤPGに対向している位置から、周方向の一方向における回動を始動して、歯部がピニオンギヤPGに噛み合い、これにより、欠歯部が再びピニオンギヤPGと対向する位置を占めるまで一回転する動作により得られる駆動力で、繰出機構を駆動して、トワイン・ネットを繰り出したとき、そのトワイン・ネットがベールチャンバーc内で回転しているロールベールRを緊縛して梱包し終えた時点において、ナイフにより切断させるタイミングをコントロールするために、周面にカム面を形成したカム輪2を、一緒に回転するように組み合わせて、図2にあるように、ピニオンギヤPGに噛み合わす周面の歯部の一部に欠歯部dのある欠歯ギヤG1と、カム輪2と、繰出ピニオンギヤ80に噛み合わす周面の歯部の一部に欠歯部eのある欠歯繰出ギヤG2とを三枚重ね状に並列させて、これらが一緒に回転するように一体的に組み合わせることで、駆動ギヤDGを構成するようにしてもよく、このように構成することはむしろ有効である。
【0018】
駆動ギヤDGは常態においては、それの欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置を占めて、そのピニオンギヤPGが空転している状態として停止しており、これを駆動回転する方向に少し回転させることで、歯部がピニオンギヤPGと噛み合う状態となって回転を始め、一回転して再び欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置を占めることで一回転の動作を終えるようにする。
【0019】
このため、この駆動ギヤDGは、駆動回転する方向に回転していくようにバネにより付勢しておくか、組み合わせたカム輪2のカム面に接当させるカムロールを軸支するコントロールアームの動きにより駆動回転する方向に回転力が作用するようにしておいて、この機械的な付勢による回転の作動を、駆動ギヤDGに設けておくストッパーSと、機体a側に設けておくトリガーTとの衝合により規制しておいて、このトリガーTをストッパーSから外す作動により、駆動ギヤDGが前記付勢による回転で欠歯部を越して歯部がピニオンギヤPGに噛み合うまでの初期回動を行い、これによりピニオンギヤPGとの噛み合いによる一回転の駆動回転が始まるようにする。
【0020】
そして、この駆動ギヤDGをピニオンギヤPGに噛み合う位置に動かすためにトリガーTをストッパーSから外す作動を、機体aに設けてあるベールチャンバーc内でのロールベールRの成形が進行して、所定の成形圧に達してくることで、リヤチャンバーfが少し開放回動してくる動作を利用し、これによりトリガーTを作動させるようにする。
【0021】
このリヤチャンバーfが、ロールベールRの成形圧により少し開放してくる動作を利用して行うトリガーTの作動は、図3にあるように、ロールベーラAの機体aに、ベールチャンバーc内のロールベールRの成形圧が所定の圧力に達して、リヤチャンバーfが少し開放回動してきたときに、それの感知作動に基づき、手動操作でクラッチレバー30を操作することで、開閉ギヤ31の作動でリヤチャンバーfを開閉させるように装備される開閉機構Bの作動を用いる。この開閉機構Bは、それに組み込まれている圧縮リンク3が、リヤチャンバーfの少しの開放回動の際に、図4において、支点軸32中心に反時計方向に回動してくるようになるから、この動作を利用し、これに感知ワイヤーwの基端側を連繋し、この感知ワイヤーwの先端側を、図1にあるように、支点軸4中心に回動するよう機体aに設けておくトリガーTに連繋しておいて、この圧縮リンク3の動作によりトリガーTを作動させ、これにより機械的手動により駆動ギヤDGの駆動の始動が得られるようにする。この始動のためにトリガーTをストッパーSから外す作動は、ロールベールRの成形の際に、その成形装置に生ずる動きを取り出す適宜の機械的手段で行ってよい。
【0022】
図5は、上述した如く、ベールチャンバーc内で成形されるロールベールRが所定の径に達したときの成形圧でリヤチャンバーfが少し開放回動してくる動作を利用してトリガーTを動かし、駆動ギヤDGの始動を行わせるようにする手段を組み込んだロールベーラAの実施例の要部を示している。
【0023】
同図において、DGは欠歯ギヤG1の表側にカム輪2を並設し、裏側に欠歯繰出ギヤG2を並設して、これらにより三枚重ね状に組み立てた駆動ギヤ、Sはその駆動ギヤDGの一部を切欠いて示している欠歯ギヤG1の裏側に設けたストッパー、TはストッパーSに衝合して欠歯ギヤG1の回転を所定の位置においてストップさせているトリガー、wはこのトリガーTをリヤチャンバーfが少し開放回動する動作により機械的手段でストッパーSから外れる位置に動かすよう、リヤチャンバーfの開閉機構Bに組み込まれた圧縮リンク3に基端側を連繋して先端側を該トリガーTに連繋した感知ワイヤーを示している。
【0024】
また、Nは機体aに装架したネット繰出装置、61はそれのネット軸60に装填したネットの巻束、nはそれから引き出されるネット、Kは繰出機構、Mはネット繰出装置Nの上方に配位して機体aに装架したトワイン繰出装置、tはそれから引き出されるトワインを示している。そして、この実施例では、繰出機構Kは、ネットnの繰り出しとトワインtの繰り出しの両方を行なうよう共用させたものとしてある。
【0025】
前述のトリガーTは、駆動ギヤDGに設けるストッパーSに対しスライド自在に機体aに設けて、それを感知ワイヤーwに連繋し、ロールベールRの成形圧によりリヤチャンバーfが少し開放する動作によって感知ワイヤーwが引かれる作動で、ストッパーSから外れる位置に引き込まれ、その引き込み作動がエンドに達したとき、駆動ギヤDGが始動してストッパーSがトリガーTとの衝合位置を越したタイミングにおいて、トリガーTと感知ワイヤーwとの連繋部に設けておくロックが外れて、その連繋部に介装しておくバネによりトリガーTがストッパーSの回動軌跡に飛び出していき、ロールベールRの放出を終えてリヤチャンバーfが閉鎖して、圧縮リンク3が旧の位置に戻り、感知ワイヤーwが押し込まれてくることで再び連繋部のロックが係合して、トリガーTと感知ワイヤーwとが連繋してリセットされるようにしてよいものであるが、この例においては、作動が的確に行われるようにすることと、機構を簡略化するために、このトリガーTは、図5にあるよう二つのアーム40・41がL字型に連結するアングル状に形成して、それの交点部位を支点軸4により機体aに軸支してバネ42により支点軸4中心に反時計回りに回動するよう付勢しておき、一方のアーム40の先端側をストッパーSに対向させ、他方のアーム41を感知ワイヤーwと連繋して、それの牽引によりトリガーTが支点軸4中心に図5においてバネ42の付勢に抗して時計方向に回動させることで、一方のアーム40の先端側がストッパーSから外れる位置に回動するようにしている。
【0026】
この手段では、ロールベールRの成形圧が所定の圧力に達することで、リヤチャンバーfが少し開放回動することにより感知ワイヤーwが引かれてトリガーTがストッパーSの回動軌跡から外れるように動いたとき、リヤチャンバーfが閉鎖回動を行うまで、感知ワイヤーwが引かれたままになることで、ストッパーSが回動軌跡から外れた位置に保持されることから、トリガーTをストッパーSから外して始動させた駆動ギヤDGが一回転して、欠歯部eがピニオンギヤPGに臨む位置まできたときに、ストッパーSに衝合させて所定の回転位置にストップさせるのに、トリガーT略同形のL字型に形成したリセット金具5を用いそれによりストップさせるようにしている。
【0027】
このリセット金具5は、トリガーTと略同形のL字型に形成されて、そのトリガーTと並列して前述の支点軸4に軸支され、かつ、バネ50により水平な方向のアーム51が支点軸4中心に上方に回動するよう付勢されている。そして、このリセット金具5の水平な方向のアーム51は、トリガーTの水平な方向のアーム40よりも少し長く形成してあって、図5にあるようトリガーTの水平な方向のアーム40の先端部がストッパーSに衝合して駆動ギヤDGの回転を停止させている状態のときに、このリセット金具5の水平な方向のアーム51の先端側がストッパーSの下面側を越して駆動ギヤDGの回転方向の後方に突出するようにしてあり、これにより、このリセット金具5は、トリガーTが感知ワイヤーwによる牽引で、水平なアーム40が下方に回動してストッパーSから外れて駆動ギヤDGの回転方向の規制を解除したときに、バネ50の付勢により水平なアーム51を上向きに回動させるバネ50の力が、ストッパーSを押し上げるように働き、これにより、駆動ギヤDGを、図6において矢印で示している方向に回転させるようになる。
【0028】
即ち、このリセット金具5は、それに連繋したバネ50が、駆動ギヤDGを始動の際に、回転方向に回転させるよう付勢するバネとして働くようにしてある。
【0029】
このリセット金具5がストッパーSを押し上げて駆動ギヤDGを回転させる作動は、リセット金具5の垂直方向のアーム52が機体aに設けてある固定のストッパー53に衝合するまでの回動作動により行われるが、この間に、駆動ギヤDGは、図7にあるようピニオンギヤPGに欠歯ギヤG1の歯部が噛み合うことで、そのピニオンギヤPGの駆動で回転する状態となる。
【0030】
そして、この駆動ギヤDGの駆動回転によりストッパーSが一緒に回動して離れていくことで、リセット金具5はそれの垂直な方向のアーム52が図8にあるよう機体aに固定して設けておくストッパー53に衝合して、バネ50による支点軸4中心の回動は停止し、以後、この状態位置に保持される。
【0031】
この状態は、図8にあるよう、リセット金具5の水平な方向のアーム51の先端が、駆動ギヤDGに設けたストッパーSの回動軌跡を横切る位置を占める状態としてあり、これにより、ピニオンギヤPGの駆動で駆動ギヤDGが、それの欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置まで一回転してきたときに、回動してくるストッパーSが図9にあるように、このリセット金具5の水平な方向のアーム51の先端に突き当たって回転が停止し、その停止位置の規制が行われるようになる。
【0032】
そして、この図5の状態から始まり図9の状態で停止する駆動ギヤDGの一回転の動作により、これに噛み合う繰出ピニオンギヤ80を作動させて、繰出機構Kを駆動し、図1にあるよう機体aに装架してあるトワイン装置Mに装填したトワインの巻束、または、ネット繰出装置Nのネット軸60に装填したネットの巻束61から、トワインまたはネットを、それの繰り出し端側がベールチャンバーc内のロールベールRに届く程度の長さ分だけ繰り出す作動を行わせるようにする。
【0033】
繰り出されたトワインまたはネットは、それの繰り出し側の端部が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付くことで、駆動ギヤDGが回転を停止している状態において、ロールベールRの回転により引き続いて繰り出され、それにより、ロールベールRの周面に巻き付いて梱包していく。
【0034】
これにより、トワインまたはネットによる梱包が終了すると、ロールベールRは、リヤチャンバーfの開放回動により機外に放出される。
【0035】
このリヤチャンバーfの開放回動は、機体aに設けてあるクラッチレバー30を手動で操作して、図10にあるよう機体aに装架してある開閉ギヤ31を作動させることで、その開閉ギヤ31に基端を軸支してある押上リンク33を押し上げていくことで行われ、このとき、押上リンク33の上端側の長穴34に嵌合する圧縮リンク3のロックピン3aが押し上げられることで、圧縮リンク3が支点軸32中心に時計回りに回動し、感知ワイヤーwの上方への牽引を解除する。
【0036】
これによりトリガーTは、それに連繋しているバネ42の付勢により感知ワイヤーwを引き込みながら垂直方向のアーム41が機体aに固定装設してあるストッパーSに衝突するまで回動して、図11にあるよう水平な方向のアーム40の先端側が、駆動ギヤDGの一回転の作動で回動してきたストッパーSの前面に臨む位置を占めるようになる。
【0037】
このとき、リセット金具5は、それの水平な方向のアーム51の先端がストッパーSに衝合している状態位置にあるが、このロールベールRの放出作動の際に行われるリヤチャンバーfの開放回動により、図1にあるようリヤチャンバーfに連繋するリセフトリンクg・hが連動して作動することで、図12にあるよう、バネ50の付勢に抗して支点軸4中心に時計回りに回動し、水平な方向のアーム40を下方に動かし、ストッパーSから引き離して同図12に示す状態位置を占め、ストッパーSに対する衝合を、トリガーTと入れ換わるようになる。
【0038】
そして、ロールべールRの放出作動に引き続いて行われるリヤチャンバーfの閉鎖回動で、前述のリセットリンクg・hによって押し込まれることで、図5にある状態に戻り、これにより、駆動ギヤDGが一回転し、この間に繰出機構Kが、トワインまたはネットを所定長さ分だけ繰り出す作動を行い、かつ、繰り出したトワインまたはネットがロールベールRの周面に巻き付いて所定の梱包工程を終え、そのロールベールRが放出されて、次のロールベールRを梱包する待機状態にリセットされるようになる。
【0039】
次に、前述の駆動ギヤDGが一回転する動作により行わす繰出機構Kの作動をコントロールする制御手段について説明する。
【0040】
図13は、駆動ギヤDGが待機状態にある前述の図5を再掲したものであり、同図において、60は機体aに装架したネット繰出装置Nのネット軸、61はそのネット軸60に装填したネットの巻束、62はそのネット軸60の基端側に装設したブレーキドラム、63はこれに摺接するブレーキシュー64を取り付け支点軸65により回動するよう機体aに支架したブレーキ金具、7はロールピン70中心に回動するよう機体aに支架したコントロールアーム、71はそれの先端側に軸支したカムローラ、72はコントロールアーム7と一体化して前記ロールピン70に支架した解除アーム、G2は駆動ギヤDGの欠歯ギヤG1と並列させた欠歯繰出ギヤ、80はその欠歯繰出ギヤG2と噛み合って回転することにより繰出機構Kを作動させる繰出ピニオンギヤ、81はこれにラチエット刃状に噛み合う位置決め金具、82は繰出ピニオンギヤ80の回転軸83に設けたゴムローラよりなる繰出ロール、84はこれに対向して遊動回転するアイドラロールで、前記繰出ロール82とで繰出機構Kを構成している。9は繰り出されるトワイン・ネットを所定の繰り出し長さ位置において切断するナイフ、90はナイフ9を非作動位置に収蔵するよう囲うナイフケース、91はナイフ9を支持するナイフベース92を支軸93中心に下向きに回動するよう牽引して、ナイフ9を切断位置に飛び出させるバネ、94はコントロールアーム7に連繋してナイフベース92をナイフ9がナイフケース90内に収蔵された位置に回動させるナイフリンク、95は、駆動ギヤDGが一回転の動作を終えて、繰出ピニオンギヤ80の駆動ギヤDGによる駆動が停止している状態となり、この一回転の間に繰り出されたネットまたはトワインの繰り出し端が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付いて繰出機構Kの繰出ロール82を空転させて引き出し、ロールベールRの梱包を行わせている状態において、その梱包が終了したタイミングを検出させるタイマーナイフ、96はこのタイマーナイフ95を軸支するタイマー金具、97はタイマーナイフ95がトワイン・ネットの繰り出しが梱包に要する所定長さとなったことをカウントしたときに、ナイフ9を切断位置に飛び出させるようナイフベース92とタイマー金具96を連繋するタイマーリンクであり、これらの作動は、駆動ギヤDGに組み込んだカム輪2とそれのカム面20にカムローラ71が衝合するコントロールアーム7とにより制御される。
【0041】
次に、このカム輪2とコントロールアーム7とによる各部材の作動の制御について説明する。
【0042】
前述の図5を再掲した図13に示す待機状態から、リヤチャンバーfの少しの開放回動でトリガーTが引かれることにより駆動ギヤDGが図13において矢印に示している方向に回動し、それにより、ピニオンギヤPGが図7を再掲した図14にあるよう駆動ギヤDGの欠歯ギヤG1の歯部の始端側に噛み合うと、駆動ギヤDGは、この欠歯ギヤG1がピニオンギヤPGで駆動されて回転を始めるようになる。
【0043】
しかし、駆動ギヤDGの欠歯繰出ギヤG2により駆動される繰出ピニオンギヤ80は、欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eに位置していることで駆動されず、欠歯部eのエンドに達して欠歯繰出ギヤG2の歯部の始端と噛み合うまでの間は回転を停止している状態に保持される。
【0044】
この間の駆動ギヤDGの回転の動作で、一緒に回転するカム輪2のカム面20に接当しているカムローラ71が、カム面20を登り出し、このカムローラ71を軸支しているコントロールアーム7が図14(図7の再掲)においてロールピン70中心に反時計方向に回動し、これと一緒に回動する解除アーム72が同方向に回動して、ブレーキ金具63を支点軸65中心に時計方向に回動させていき、それの取付面に取り付けたブレーキシュー64のブレーキドラム62に対する圧接を解除して緩めていく。
【0045】
コントロールアーム7の回転軸となるロールピン70に一体的に組み付けた解除アーム72には、図15にあるように、バネアーム720が一体的に設けられ、これと前述のブレーキ金具63との間に、そのブレーキ金具63を支点軸65中心に反時計方向に回動させるよう付勢するバネ721が張設してあり、かつ、この解除アーム72には、ネット軸60に装填したネットの巻束61の周面に接するセンサ金具722が設けてあって、これにより、ブレーキ金具63を支点軸65中心に反時計回りに回動させるバネ721 のバネ圧を、ネット軸60に装填したネットの巻束61の径に応じて変動させるようにしてある。
【0046】
このコントロールアーム7によるブレーキドラム62に対する制御により所定の制動が解された状態となったところで、図16にあるよう繰出ピニオンギヤ80に対し欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eがエンドに達して歯部の始端に繰出ピニオンギヤ80が噛み合い、これにより繰出機構Kが駆動ギヤDGとして回転する欠歯繰出ギヤG2により駆動されて、ネットnをネットの巻束61から繰り出すようになる。
【0047】
このとき、ネットnは、ネットの巻束61から手動の操作で、誘導ロール66・67を経た状態として引き出し、その引き出した端部を、繰出機構Kの繰出ピニオンギヤ80の軸83に設けたゴムロールよりなる繰出ロール82とこれに対向するアイドラロール84との間に挿し込んで挟持せしめた状態として作業を開始する。
【0048】
なお、この手動の操作は、図5にあるようにトワイン装置Mの巻束から横送り装置mを経て引き出されるトワインtによりロールベールRの梱包を行わす場合も同様であり、そのときは、ネットnに換えて、横送り装置mからガイドを経て引き出されるトワインtの引き出し側の端部を、繰出機構Kの繰出ロール82とアイドラロール84との間に挿し込んでおいて、作業を開始するようにしておく。
【0049】
また、この駆動ギヤDGがピニオンギヤPGによる駆動で、欠歯繰出ギヤG2に対し繰出ピニオンギヤ80が噛み合っていくとき、カム輪2の回転によりコントロールアーム7の先端のカムローラ71が、図16にあるようにカム面20を登っていく動作により、コントロールアーム7が図16において反時計方向に回動することで、ナイフリンク94が図16において矢印方向に引かれ、ナイフベース92を支点軸93中心に反時計方向に回動させて、ナイフ9をナイフケース90内に引き込んだ非切断状態とし、この状態を、カムローラ71がカム輪2の外周面を転動する間保持するようになる。
【0050】
そして、このナイフリンク94の作動によりナイフ9をナイフケース90内に収蔵するよう支軸93中心に反時計回りに回動するナイフベース92は、それの回動作動により、このナイフベース92に連繋するタイマーリンク97を押し上げて、それの上端側が連結するタイマー金具96を支点軸98中心に反時計回りに回動させ、このタイマー金具96の下端側に支点軸950中心に回動するよう軸支してあるタイマーナイフ95を、図17・図18にあるよう右方に動かし、図19にあるよう繰出ピニオンギヤ80を右方に越した位置を占めた状態とする。
【0051】
この動作は、カムローラ71がカム面20を登り切って上死点に達した図19の状態となるまで行われ、以後、カムローラ71がカム輪2の外周を転動していく間この状態に保持され、この状態において、繰出ピニオンギヤ80が欠歯繰出ギヤG2の歯部に噛み合って駆動されることでネットまたはトワインの繰り出しが行われ、駆動ギヤDGが一回転したところで、ピニオンギヤPGが欠歯ギヤG1の欠歯部dに臨み繰出ピニオンギヤ80が欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eに臨むことで、欠歯繰出ギヤG2による繰出ピニオンギヤ80の駆動が終了し、ネットnまたはトワインtは所定長さだけ繰り出される。
【0052】
このトワイン・ネットの繰り出し長さは、それの繰出側の端部が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付く長さに設定してあり、また、繰出ピニオンギヤ80が欠歯部eに位置して自由に回転することから、繰り出されたトワイン・ネットはそれの繰出端がロールベールRの周面に巻き付いてそれを梱包しながら引き続いて繰り出されていく。
【0053】
このとき、繰出ロール82とそれの回転軸である繰出ピニオンギヤ80の軸83との間には、ワンウエイクラッチを介装しておくことで、ブレーキシュー64による巻束61の回転に対する制動により、ネット・トワインに所定の緊張を与えた状態として、ロールベールRの周面に巻き付かせていく。
【0054】
そして、トワイン・ネットが、ベールチャンバーc内のロールベールRの周面にからみついて、それの回転により繰り出される状態となったとき、コントロールアーム7の先端のカムローラ71は、図20にあるよう、カム輪2の外周面から脱してカム面20のくびれ込んだ部位に臨む位置に動き、これにより、このカムローラ71に連結するナイフリンク94が左方に動いてタイマー金具96を図19において時計回りに回動させて、タイマーナイフ95を、図20にあるよう繰出ピニオンギヤ80の軸83の一方の軸端部に設けている周面に螺旋溝を設けたカウンタ軸Pの周面に当接する状態とする。
【0055】
これにより、ベールチャンバーc内のロールベールRの回転によるトワイン・ネットの繰り出しが行われるとき、繰出ロール82の一回転ごとにタイマーナイフ95がカウンタ軸の周面に設けた螺旋の溝を一刻みづつそのカウンタ軸の軸方向に順次動いていき、そのタイマーナイフ95がカウンタ軸の軸端部に達することで図22にあるようカウンタ軸から外れ、これによりタイマーナイフ95およびこれを支持するタイマー金具96が自由になって、バネ91の付勢によりナイフベース92を図23にあるよう下向き回動させ、ナイフ9をナイフケース90から飛び出させてトワイン・ネットを切断していくようになる。
【0056】
このとき、切断されたネットnは位置決め金具81のラチェット刃が繰出ギヤ80に噛み合って、繰出ギヤ80の逆回転を阻止することで、ネットnの緊張度を一定に保持するようになる。
【0057】
従って、駆動ギヤDGが一回転の動作を行って回転を停止させた状態で、ロールベールRに巻き付いて行われるトワイン・ネットの繰り出しが、所定長さとなったことをタイマーナイフ95とカウンタ軸とで機械的に検出されて、タイマーナイフ95がカウンタ軸から外れる機械的な動作によりナイフ9を切断位置に動かすように制御される。
【0058】
そして、これにより、トワイン・ネットによる一つの成形したロールベールRの梱包が終了し、リヤチャンバーfの開放回動でロールベールRが放出され、リヤチャンバーfが閉鎖されることにより再び前述の図5にある待機状態に戻り、次のロールベールRの成形を待って、それをトワイン・ネットnの繰出により梱包していくようになる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ロールベーラにおけるベールの梱包装置を、電装については、ベールチャンバー内におけるロールベールの成形が所定の径に達して所定の成形圧になってきたときに、それを検出して知らせる電動ブザー程度として、トワイン・ネットを繰り出す繰出機構の駆動およびそれの作動の始動と終了とリセットとの殆どの動作を、メカニカルな機械装置で実現できるようになる。
【0060】
また、このトワイン・ネットを繰り出す繰出機構およびそれを駆動する駆動手段が、トワインの繰り出しとネットの繰り出しとの両方に共通して利用できるようになって、ロールベーラにトワイン仕様の梱包装置とネット仕様の梱包装置とを併せて装備し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手段を実施せるロールベーラの全体の概要説明図である。
【図2】同上ロールベーラに組み込む駆動ギヤを、ピニオンギヤに噛合わす欠歯ギヤと繰出機構を駆動する繰出ピニオンギヤに噛み合わせる欠歯繰出ギヤとカム輪との三枚重ね状態に組み立てた例の斜視図である。
【図3】同上ロールベーラに組み込んだリヤチャンバーの開閉機構の全体の側面図である。
【図4】同上のリヤチャンバーの開閉機構の一部省略した拡大側面図である。
【図5】同上ロールベーラに組み込んだ梱包装置の一部破断した側面図である。
【図6】同上の梱包装置の、リヤチャンバーの開放回動でワイヤーを介しトリガーが引かれて駆動ギヤが回転を始めた状態時の一部破断した側面図である。
【図7】同上の梱包装置の、駆動ギヤの歯部にピニオンギヤが噛み合って、そのピニオンギヤによる駆動が始動した状態時の側面図である。
【図8】同上の梱包装置の、駆動ギヤの駆動の開始により、繰出ピニオンギヤが欠歯繰出ギヤに噛合った状態時の側面図である。
【図9】同上の梱包装置の、駆動ギヤのピニオンギヤの駆動による回転が、一回転を終えて停止し、この一回転の間に行われた繰出ピニオンギヤによる繰出機構の駆動で所定長さに繰出されたネットが、ベールチャンバー内のロールベールに巻き付いて引き続き繰り出されている状態時の一部破断した側面図である。
【図10】同上の梱包装置の、同上状態時から、ロールベールの梱包の終了により、リヤチャンバーの開閉機構が、リヤチャンバーを開放させる作動によってトリガーに連繋するワイヤーの牽引を解放していく作用の説明図である。
【図11】同上の梱包装置の、ワイヤーの牽引の解により、トリガーが当初の位置に復帰し、かつ、梱包を終えたネットがナイフにより切断された状態時の一部破断した側面図である。
【図12】同上の梱包装置の、リヤチャンバーの閉鎖回動によりリセット金具が当初の位置に回動して、リセットされた状態時の側面図である。
【図13】同上の梱包装置の、待機状態時の一部破断した側面図である。
【図14】同上の梱包装置の、同上状態時からトリガーが引かれてピニオンギヤが駆動ギヤに噛み合い始めた状態時の説明図である。
【図15】同上の梱包装置の、ネット軸に設けたブレーキドラムを制動するブレーキ機構部分の側面図である。
【図16】同上の梱包装置の、駆動ギヤがピニオンギヤにより駆動し始めた状態時におけるコントロールアームによるブレーキ機構部およびタイマーナイフをコントロールする作用の説明図である。
【図17】同上梱包装置の、同上状態時におけるタイマーナイフの動きの一部破断した説明図である。
【図18】同上梱包装置の、同上状態時から駆動ギヤがさらに回転して、繰出ピニオンギヤが欠歯繰出ギヤに噛み合って駆動回転し始め、タイマーナイフが繰出ピニオンギヤを越し、ナイフがナイフケース内に収納された状態の一部破断した説明図である。
【図19】同上梱包装置の、同上状態での駆動ギヤの回転により繰出ピニオンギヤが駆動されて作動する繰出機構の作動で、ネットが繰り出されている状態の説明図である。
【図20】同上梱包装置の、駆動ギヤが一回転の作動を終え、繰出ピニオンギヤが、欠歯繰出ギヤの欠歯部に位置して、歯部との噛み合いが外れ繰出ピニオンギヤの軸端部のカウンタ軸の周面にタイマーナイフが接した状態で、繰出端がロールベールにからみついたネットが、繰出ピニオンギヤを空転させて引き出されてロールベールを梱包している状態の一部破断した説明図である。
【図21】同上梱包装置の、同上状態でのネットの引き出しによるロールベールの梱包が引き続いて行われている状態の一部破断した説明図である。
【図22】同上梱包装置の、ロールベールによるネットの引き出しが所定の長さに達してタイマーナイフがカウンタ軸から外れた状態時の一部破断した説明図である。
【図23】同上梱包装置の、タイマーナイフがカウンタ軸から外れてタイマー金具が自由に回動する状態時となることでナイフベースがバネによりナイフを切断位置に動かしネットの切断を行った状態の一部破断した説明図である。
【符号の説明】
A…ロールベーラ、B…開閉機構、DG…駆動ギヤ、G1…欠歯ギヤ、G2…欠歯繰出ギヤ、K…繰出機構、M…トワイン装置、N…ネット繰出装置、PG…ピニオンギヤ、R…ロールベール、S…ストッパー、T…トリガー、a…機体、b…走行装置、c…ベールチャンバー、d・e…欠歯部、f…リヤチャンバー、g・h…リセットリンク、t…トワイン、m…横送り装置、n…ネット、w…感知ワイヤー、1…回転軸、2…カム輪、20…カム面、3…圧縮リンク、3a…ロックピン、30…クラッチレバー、31…開閉ギヤ、32…支点軸、33…押上リンク、34…長穴、4…支点軸、40・41…アーム、42…バネ、5…リセット金具、50…バネ、51・52…アーム、53…ストッパー、60…ネット軸、61…ネットの巻束、62…ブレーキドラム、63…ブレーキ金具、64…ブレーキシュー、65…支点軸、66・67…誘導ロール、7…コントロールアーム、70…ロールピン、71…カムローラ、72…解除アーム、720…バネアーム、721…バネ、722…センサ金具、80…繰出ピニオンギヤ、81…位置決め金具、82…繰出ロール、83…回転軸、84…アイドラロール、9…ナイフ、90…ナイフケース、91…バネ、92…ナイフベース、93…支軸、94…ナイフリンク、95…タイマーナイフ、950…支点軸、96…タイマー金具、97…タイマーリンク。
【発明が属する技術分野】
本発明は、圃場に刈倒されている牧草・藁稈などの飼料作物を、ロールベーラが、それの機体の前端側に設けたピックアップ装置によりピックアップして機体に装架してあるベールチャンバー内に順次送り込んでロールベールに成形したときに、そのロールベールの外周面にネットを巻き付けて梱包処理し、この状態でロールベールを機体から放出していけるように、ロールベーラの機体に装架しておくロールベーラにおけるネット巻装置についての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロールベーラには、それの機体に装架したベールチャンバー内で成形したロールベールを、梱包状態として放出するために、そのロールベールの外周を、トワイン、またはネットにより巻き締めて梱包する梱包装置が装備される。
【0003】
このロールベーラに装備される梱包装置は、従前のものにあっては、トワインまたはネットの繰り出し側を、対向する一対のエンドレスベルトにより挟持せしめておいて、そのエンドレスベルトを、電磁式のクラッチ機構の入・切制御によって駆動させることで行うか、繰出ロールと誘導ロールおよびテンションロールらを組み合わせた繰出機構に、繰り出し側の端部を挟持せしめておいて、その繰出機構を、通電のオン・オフにより作動が制御されるモーターにより駆動せしめることで行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロールベーラにおける梱包装置は、従前のものにあっては、通常、トワインを用い、これを巻束から繰出機構により繰り出して、ベールチャンバー内で成形し終えたロールベールの周面に巻き付けて梱包するいわゆるトワイン仕様の形態のものであり、繰り出したトワインを、ロールベールの周面に巻き付けるときに、繰り出し位置をロールベールの軸方向に順次変位させて、螺旋に巻き付けていくようにし、この変位を軸方向に数回繰り返すようにすることから、梱包し終えるまでにロールベールを回転させる回数が多く、時間がかかる問題がある。
【0005】
また、トワインを繰り出す繰出機構を駆動するための駆動モーターおよびそれの制御のための配線回路等の電装にコストが嵩む問題がある。
【0006】
ロールベールの梱包を、トワインに換えてネットの巻束から繰出機構により繰り出すネットにより行う、いわゆるネット仕様の形態のロールベーラにおける梱包装置は、トワイン仕様の梱包装置が、梱包を終えるまでに数十回ベールを回転させることにより時間がかかることから、この作業時間を短縮するために数回のネットの巻付けで梱包が終了するネット巻きによる梱包手段として、開発されたものであるが、巾の広いネットを繰り出すための繰出機構の構成がエンドレスベルトを用いるなどで複雑になり、そのうえ、駆動モーターおよびそれの制御のための配線回路などの電装を要することで、コストが嵩む問題がある。
【0007】
本発明は、従前のロールベーラにおけるベールの梱包装置に生じている上述の問題を解消するためになされたものであって、トワイン仕様、またはネット仕様に構成するロールベーラにおけるロールベールの梱包装置を、電装については、ベールチャンバー内におけるロールベールの成形が所定の径に達して、所定の成形圧となってきたときに、それを検出して知らせる電動ブザー程度とし、トワイン・ネットを繰り出す繰出機構の駆動およびそれの作動の始動と終了とリセットとの、殆どの動作を、メカニカルな機械装置で実現できるようにすることと、このトワイン・ネットを繰り出す繰出機構およびそれを駆動する駆動手段を、トワインの繰り出しとネットの繰り出しとの両方に共通して利用できるようにして、ロールベーラに、トワイン仕様の梱包装置とネット仕様の梱包装置とを併せて装備し得るようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして、この目的を達成するための手段として、本発明においては、ロールベーラの機体に、その機体に軸支される駆動軸に伝導してその駆動軸の回転により常時回転するピニオンギヤを軸支するとともに、このピニオンギヤに噛み合って駆動される大径の駆動ギヤを、それの周面の歯部の一部に欠歯部を具備せしめてピニオンギヤと噛み合う位置に軸支し、かつ、この駆動ギヤは、周方向の一方向に回転するよう付勢して、ストッパーとこれに衝合するトリガーとにより、欠歯部がピニオンギヤに臨む位置から始動して再び欠歯部がピニオンに臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御しておき、この駆動ギヤを始動させるトリガーをストッパーから外す作動を、ロールベールの成形の終了による成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーの開放回動の動作により行わせ、この駆動ギヤでネット・トワインを繰り出す繰出機構を駆動せしめ、この駆動ギヤの一回転の動作の間の繰出機構の作動により、ネット・トワインを所定長さ繰り出すようにする手段を提起するものである。
【0009】
また、このベールチャンバー内で成形するロールベールの成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーの開放回動の動作をもってトリガーを作動させて、機体に設けてある駆動軸により回転するピニオンギヤに欠歯部のある大径の駆動ギヤを噛み合わせ、その駆動ギヤの回転によりトワイン繰出装置の繰出機構およびネット繰出装置の繰出機構を作動させる機械的な駆動手段が、トワイン繰出装置の繰出機構と、ネット繰出装置の繰出機構との両方に適用できることと、これにより作動させるトワイン繰出装置の繰出機構およびネット繰出装置の繰出機構が、それらに対するトワイン・ネットの導入を停止しておくことにより、空回りしてトワイン・ネットの繰り出しを行わない状態となることから、機体には、トワイン繰出装置と、ネット繰出装置とを、上下に並列させて装架しておき、このトワイン繰出装置の繰出機構とネット繰出装置の繰出機構とを、前述の成形終了時のリヤチャンバーの少しの開放回動の動作でトリガーを作動させて、常時回転しているよう機体に設けておくピニオンに対し欠歯部のある大径の駆動ギヤに噛み合わせ、その駆動ギヤの一回転の回動の動作により繰出機構を駆動させることにより、その駆動ギヤを共用させて機体に並設したトワイン繰出装置とネット繰出装置の両方を駆動せしめる手段を併せて提起するものである。
【0010】
さらに、上述の如く、トワイン繰出装置とネット繰出装置とを機体に並設して、それらを、前述の駆動ギヤを共用させて駆動する際に、トワイン繰出装置から引き出されるトワインの繰り出しが、軸方向に長いゴムロールからなる繰出ロールとこれに対向するアイドラロールとの組み合わせからなる繰出機構によっても、支障なく行われることから、繰出機構をこのように構成することで、ネット繰出装置の繰出機構とトワイン繰出装置の繰出機構とに、共用させる手段を提起するものである。
【0011】
また、上述のロールベールの成形終了時の成形圧によりリヤチャンバーが少し開放回動する動作によりトリガーを作動させて、常時回転させておくピニオンに対し噛み合わせることで一回転する欠歯部のある大径の駆動ギヤにより、繰出機構を駆動して、トワイン・ネットを所定長さ分づつ繰り出すようにする駆動手段において、それの駆動ギヤに、同軸で一緒に回転する盤状のカム輪を並列させて組み込み、そのカム輪の周面に設けたカム面に、回動端側に設けたカムロールが接触することでロールピン中心に回動するコントロールアームを、駆動ギヤの一回転の回転ごとに一回の往復回動を行うよう組み合わせ、これにより、繰出機構により繰り出したトワイン・ネットを切断させるナイフを、繰り出すトワイン・ネットがロールベールを梱包するに要する所定の繰り出し長さとなったタイミングで切断位置に引き出し、切断を終えた後に非切断位置に戻すようコントロールさせれば、機械的手段だけで繰出機構を駆動し得るこの駆動手段に機械的手段だけでナイフの作動を制御し得ることから、このようにする手段を併せて提起し、さらに、このように組み込むコントロ−ルアームの作動で、ネット繰出装置のネットの巻束を装填するネット軸に設けたブレーキドラムに接触させるブレーキシューの作動を制御せしめて、繰り出すネットに付与する緊張圧をコントロールさせる手段を提起するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に発明の実施の態様を、実施例の図面に随い詳述する。
まず、ロールベーラAの機体aには、その機体aに装架せる原動機の出力軸に対し伝導して回転する回転軸1を、常時回転するように軸支し、これにピニオンギヤPGを装着して、回転軸1により常時回転するように設ける。
【0013】
ロールベーラAは、図1にあるように、クローラよりなる走行装置bにより走行する車体フレームに、ロールベールRを成形するベールチャンバーcを装備せしめた機体aを装架し、その機体aの側方に原動機および操縦席を配位して車体フレームに装架して、その原動機により走行装置bを駆動し自走して走行する自走型のものに限らず、機体をトラクタの車体に連結し、そのトラクタに牽引させて走行する牽引型に構成したものであってよい。
【0014】
ロールベーラAが牽引型である場合には、機体aに装架する回転軸1は、トラクタのPTO軸に対しユニバーサルジョイント軸を介し接続・伝導するよう機体に設ける入力軸と伝導して駆動されることで、常時回転するように設ける回転軸とし、これに、ピニオンギヤPGを設ける。
【0015】
そして、機体aには、このように常時回転しているように設けるピニオンギヤPGと噛み合う位置に、外周の歯部の周方向の一部に欠歯部dを具備せしめた大径の駆動ギヤDGを軸支する。
【0016】
この駆動ギヤDGは、繰出機構を駆動する駆動力を得るためのもので、一枚のギヤに形成してよいものであるが、ピニオンギヤPGに噛み合って回転する欠歯部dのある欠歯ギヤG1と、繰出機構を駆動する繰出ピニオンギヤ80に噛み合わせる欠歯部eのある欠歯繰出ギヤG2とに分けて、これらが一緒に回転するように一体的に組み合わせた形態のものとしてよい。
【0017】
さらに、この駆動ギヤDGが、それの欠歯部がピニオンギヤPGに対向している位置から、周方向の一方向における回動を始動して、歯部がピニオンギヤPGに噛み合い、これにより、欠歯部が再びピニオンギヤPGと対向する位置を占めるまで一回転する動作により得られる駆動力で、繰出機構を駆動して、トワイン・ネットを繰り出したとき、そのトワイン・ネットがベールチャンバーc内で回転しているロールベールRを緊縛して梱包し終えた時点において、ナイフにより切断させるタイミングをコントロールするために、周面にカム面を形成したカム輪2を、一緒に回転するように組み合わせて、図2にあるように、ピニオンギヤPGに噛み合わす周面の歯部の一部に欠歯部dのある欠歯ギヤG1と、カム輪2と、繰出ピニオンギヤ80に噛み合わす周面の歯部の一部に欠歯部eのある欠歯繰出ギヤG2とを三枚重ね状に並列させて、これらが一緒に回転するように一体的に組み合わせることで、駆動ギヤDGを構成するようにしてもよく、このように構成することはむしろ有効である。
【0018】
駆動ギヤDGは常態においては、それの欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置を占めて、そのピニオンギヤPGが空転している状態として停止しており、これを駆動回転する方向に少し回転させることで、歯部がピニオンギヤPGと噛み合う状態となって回転を始め、一回転して再び欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置を占めることで一回転の動作を終えるようにする。
【0019】
このため、この駆動ギヤDGは、駆動回転する方向に回転していくようにバネにより付勢しておくか、組み合わせたカム輪2のカム面に接当させるカムロールを軸支するコントロールアームの動きにより駆動回転する方向に回転力が作用するようにしておいて、この機械的な付勢による回転の作動を、駆動ギヤDGに設けておくストッパーSと、機体a側に設けておくトリガーTとの衝合により規制しておいて、このトリガーTをストッパーSから外す作動により、駆動ギヤDGが前記付勢による回転で欠歯部を越して歯部がピニオンギヤPGに噛み合うまでの初期回動を行い、これによりピニオンギヤPGとの噛み合いによる一回転の駆動回転が始まるようにする。
【0020】
そして、この駆動ギヤDGをピニオンギヤPGに噛み合う位置に動かすためにトリガーTをストッパーSから外す作動を、機体aに設けてあるベールチャンバーc内でのロールベールRの成形が進行して、所定の成形圧に達してくることで、リヤチャンバーfが少し開放回動してくる動作を利用し、これによりトリガーTを作動させるようにする。
【0021】
このリヤチャンバーfが、ロールベールRの成形圧により少し開放してくる動作を利用して行うトリガーTの作動は、図3にあるように、ロールベーラAの機体aに、ベールチャンバーc内のロールベールRの成形圧が所定の圧力に達して、リヤチャンバーfが少し開放回動してきたときに、それの感知作動に基づき、手動操作でクラッチレバー30を操作することで、開閉ギヤ31の作動でリヤチャンバーfを開閉させるように装備される開閉機構Bの作動を用いる。この開閉機構Bは、それに組み込まれている圧縮リンク3が、リヤチャンバーfの少しの開放回動の際に、図4において、支点軸32中心に反時計方向に回動してくるようになるから、この動作を利用し、これに感知ワイヤーwの基端側を連繋し、この感知ワイヤーwの先端側を、図1にあるように、支点軸4中心に回動するよう機体aに設けておくトリガーTに連繋しておいて、この圧縮リンク3の動作によりトリガーTを作動させ、これにより機械的手動により駆動ギヤDGの駆動の始動が得られるようにする。この始動のためにトリガーTをストッパーSから外す作動は、ロールベールRの成形の際に、その成形装置に生ずる動きを取り出す適宜の機械的手段で行ってよい。
【0022】
図5は、上述した如く、ベールチャンバーc内で成形されるロールベールRが所定の径に達したときの成形圧でリヤチャンバーfが少し開放回動してくる動作を利用してトリガーTを動かし、駆動ギヤDGの始動を行わせるようにする手段を組み込んだロールベーラAの実施例の要部を示している。
【0023】
同図において、DGは欠歯ギヤG1の表側にカム輪2を並設し、裏側に欠歯繰出ギヤG2を並設して、これらにより三枚重ね状に組み立てた駆動ギヤ、Sはその駆動ギヤDGの一部を切欠いて示している欠歯ギヤG1の裏側に設けたストッパー、TはストッパーSに衝合して欠歯ギヤG1の回転を所定の位置においてストップさせているトリガー、wはこのトリガーTをリヤチャンバーfが少し開放回動する動作により機械的手段でストッパーSから外れる位置に動かすよう、リヤチャンバーfの開閉機構Bに組み込まれた圧縮リンク3に基端側を連繋して先端側を該トリガーTに連繋した感知ワイヤーを示している。
【0024】
また、Nは機体aに装架したネット繰出装置、61はそれのネット軸60に装填したネットの巻束、nはそれから引き出されるネット、Kは繰出機構、Mはネット繰出装置Nの上方に配位して機体aに装架したトワイン繰出装置、tはそれから引き出されるトワインを示している。そして、この実施例では、繰出機構Kは、ネットnの繰り出しとトワインtの繰り出しの両方を行なうよう共用させたものとしてある。
【0025】
前述のトリガーTは、駆動ギヤDGに設けるストッパーSに対しスライド自在に機体aに設けて、それを感知ワイヤーwに連繋し、ロールベールRの成形圧によりリヤチャンバーfが少し開放する動作によって感知ワイヤーwが引かれる作動で、ストッパーSから外れる位置に引き込まれ、その引き込み作動がエンドに達したとき、駆動ギヤDGが始動してストッパーSがトリガーTとの衝合位置を越したタイミングにおいて、トリガーTと感知ワイヤーwとの連繋部に設けておくロックが外れて、その連繋部に介装しておくバネによりトリガーTがストッパーSの回動軌跡に飛び出していき、ロールベールRの放出を終えてリヤチャンバーfが閉鎖して、圧縮リンク3が旧の位置に戻り、感知ワイヤーwが押し込まれてくることで再び連繋部のロックが係合して、トリガーTと感知ワイヤーwとが連繋してリセットされるようにしてよいものであるが、この例においては、作動が的確に行われるようにすることと、機構を簡略化するために、このトリガーTは、図5にあるよう二つのアーム40・41がL字型に連結するアングル状に形成して、それの交点部位を支点軸4により機体aに軸支してバネ42により支点軸4中心に反時計回りに回動するよう付勢しておき、一方のアーム40の先端側をストッパーSに対向させ、他方のアーム41を感知ワイヤーwと連繋して、それの牽引によりトリガーTが支点軸4中心に図5においてバネ42の付勢に抗して時計方向に回動させることで、一方のアーム40の先端側がストッパーSから外れる位置に回動するようにしている。
【0026】
この手段では、ロールベールRの成形圧が所定の圧力に達することで、リヤチャンバーfが少し開放回動することにより感知ワイヤーwが引かれてトリガーTがストッパーSの回動軌跡から外れるように動いたとき、リヤチャンバーfが閉鎖回動を行うまで、感知ワイヤーwが引かれたままになることで、ストッパーSが回動軌跡から外れた位置に保持されることから、トリガーTをストッパーSから外して始動させた駆動ギヤDGが一回転して、欠歯部eがピニオンギヤPGに臨む位置まできたときに、ストッパーSに衝合させて所定の回転位置にストップさせるのに、トリガーT略同形のL字型に形成したリセット金具5を用いそれによりストップさせるようにしている。
【0027】
このリセット金具5は、トリガーTと略同形のL字型に形成されて、そのトリガーTと並列して前述の支点軸4に軸支され、かつ、バネ50により水平な方向のアーム51が支点軸4中心に上方に回動するよう付勢されている。そして、このリセット金具5の水平な方向のアーム51は、トリガーTの水平な方向のアーム40よりも少し長く形成してあって、図5にあるようトリガーTの水平な方向のアーム40の先端部がストッパーSに衝合して駆動ギヤDGの回転を停止させている状態のときに、このリセット金具5の水平な方向のアーム51の先端側がストッパーSの下面側を越して駆動ギヤDGの回転方向の後方に突出するようにしてあり、これにより、このリセット金具5は、トリガーTが感知ワイヤーwによる牽引で、水平なアーム40が下方に回動してストッパーSから外れて駆動ギヤDGの回転方向の規制を解除したときに、バネ50の付勢により水平なアーム51を上向きに回動させるバネ50の力が、ストッパーSを押し上げるように働き、これにより、駆動ギヤDGを、図6において矢印で示している方向に回転させるようになる。
【0028】
即ち、このリセット金具5は、それに連繋したバネ50が、駆動ギヤDGを始動の際に、回転方向に回転させるよう付勢するバネとして働くようにしてある。
【0029】
このリセット金具5がストッパーSを押し上げて駆動ギヤDGを回転させる作動は、リセット金具5の垂直方向のアーム52が機体aに設けてある固定のストッパー53に衝合するまでの回動作動により行われるが、この間に、駆動ギヤDGは、図7にあるようピニオンギヤPGに欠歯ギヤG1の歯部が噛み合うことで、そのピニオンギヤPGの駆動で回転する状態となる。
【0030】
そして、この駆動ギヤDGの駆動回転によりストッパーSが一緒に回動して離れていくことで、リセット金具5はそれの垂直な方向のアーム52が図8にあるよう機体aに固定して設けておくストッパー53に衝合して、バネ50による支点軸4中心の回動は停止し、以後、この状態位置に保持される。
【0031】
この状態は、図8にあるよう、リセット金具5の水平な方向のアーム51の先端が、駆動ギヤDGに設けたストッパーSの回動軌跡を横切る位置を占める状態としてあり、これにより、ピニオンギヤPGの駆動で駆動ギヤDGが、それの欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置まで一回転してきたときに、回動してくるストッパーSが図9にあるように、このリセット金具5の水平な方向のアーム51の先端に突き当たって回転が停止し、その停止位置の規制が行われるようになる。
【0032】
そして、この図5の状態から始まり図9の状態で停止する駆動ギヤDGの一回転の動作により、これに噛み合う繰出ピニオンギヤ80を作動させて、繰出機構Kを駆動し、図1にあるよう機体aに装架してあるトワイン装置Mに装填したトワインの巻束、または、ネット繰出装置Nのネット軸60に装填したネットの巻束61から、トワインまたはネットを、それの繰り出し端側がベールチャンバーc内のロールベールRに届く程度の長さ分だけ繰り出す作動を行わせるようにする。
【0033】
繰り出されたトワインまたはネットは、それの繰り出し側の端部が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付くことで、駆動ギヤDGが回転を停止している状態において、ロールベールRの回転により引き続いて繰り出され、それにより、ロールベールRの周面に巻き付いて梱包していく。
【0034】
これにより、トワインまたはネットによる梱包が終了すると、ロールベールRは、リヤチャンバーfの開放回動により機外に放出される。
【0035】
このリヤチャンバーfの開放回動は、機体aに設けてあるクラッチレバー30を手動で操作して、図10にあるよう機体aに装架してある開閉ギヤ31を作動させることで、その開閉ギヤ31に基端を軸支してある押上リンク33を押し上げていくことで行われ、このとき、押上リンク33の上端側の長穴34に嵌合する圧縮リンク3のロックピン3aが押し上げられることで、圧縮リンク3が支点軸32中心に時計回りに回動し、感知ワイヤーwの上方への牽引を解除する。
【0036】
これによりトリガーTは、それに連繋しているバネ42の付勢により感知ワイヤーwを引き込みながら垂直方向のアーム41が機体aに固定装設してあるストッパーSに衝突するまで回動して、図11にあるよう水平な方向のアーム40の先端側が、駆動ギヤDGの一回転の作動で回動してきたストッパーSの前面に臨む位置を占めるようになる。
【0037】
このとき、リセット金具5は、それの水平な方向のアーム51の先端がストッパーSに衝合している状態位置にあるが、このロールベールRの放出作動の際に行われるリヤチャンバーfの開放回動により、図1にあるようリヤチャンバーfに連繋するリセフトリンクg・hが連動して作動することで、図12にあるよう、バネ50の付勢に抗して支点軸4中心に時計回りに回動し、水平な方向のアーム40を下方に動かし、ストッパーSから引き離して同図12に示す状態位置を占め、ストッパーSに対する衝合を、トリガーTと入れ換わるようになる。
【0038】
そして、ロールべールRの放出作動に引き続いて行われるリヤチャンバーfの閉鎖回動で、前述のリセットリンクg・hによって押し込まれることで、図5にある状態に戻り、これにより、駆動ギヤDGが一回転し、この間に繰出機構Kが、トワインまたはネットを所定長さ分だけ繰り出す作動を行い、かつ、繰り出したトワインまたはネットがロールベールRの周面に巻き付いて所定の梱包工程を終え、そのロールベールRが放出されて、次のロールベールRを梱包する待機状態にリセットされるようになる。
【0039】
次に、前述の駆動ギヤDGが一回転する動作により行わす繰出機構Kの作動をコントロールする制御手段について説明する。
【0040】
図13は、駆動ギヤDGが待機状態にある前述の図5を再掲したものであり、同図において、60は機体aに装架したネット繰出装置Nのネット軸、61はそのネット軸60に装填したネットの巻束、62はそのネット軸60の基端側に装設したブレーキドラム、63はこれに摺接するブレーキシュー64を取り付け支点軸65により回動するよう機体aに支架したブレーキ金具、7はロールピン70中心に回動するよう機体aに支架したコントロールアーム、71はそれの先端側に軸支したカムローラ、72はコントロールアーム7と一体化して前記ロールピン70に支架した解除アーム、G2は駆動ギヤDGの欠歯ギヤG1と並列させた欠歯繰出ギヤ、80はその欠歯繰出ギヤG2と噛み合って回転することにより繰出機構Kを作動させる繰出ピニオンギヤ、81はこれにラチエット刃状に噛み合う位置決め金具、82は繰出ピニオンギヤ80の回転軸83に設けたゴムローラよりなる繰出ロール、84はこれに対向して遊動回転するアイドラロールで、前記繰出ロール82とで繰出機構Kを構成している。9は繰り出されるトワイン・ネットを所定の繰り出し長さ位置において切断するナイフ、90はナイフ9を非作動位置に収蔵するよう囲うナイフケース、91はナイフ9を支持するナイフベース92を支軸93中心に下向きに回動するよう牽引して、ナイフ9を切断位置に飛び出させるバネ、94はコントロールアーム7に連繋してナイフベース92をナイフ9がナイフケース90内に収蔵された位置に回動させるナイフリンク、95は、駆動ギヤDGが一回転の動作を終えて、繰出ピニオンギヤ80の駆動ギヤDGによる駆動が停止している状態となり、この一回転の間に繰り出されたネットまたはトワインの繰り出し端が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付いて繰出機構Kの繰出ロール82を空転させて引き出し、ロールベールRの梱包を行わせている状態において、その梱包が終了したタイミングを検出させるタイマーナイフ、96はこのタイマーナイフ95を軸支するタイマー金具、97はタイマーナイフ95がトワイン・ネットの繰り出しが梱包に要する所定長さとなったことをカウントしたときに、ナイフ9を切断位置に飛び出させるようナイフベース92とタイマー金具96を連繋するタイマーリンクであり、これらの作動は、駆動ギヤDGに組み込んだカム輪2とそれのカム面20にカムローラ71が衝合するコントロールアーム7とにより制御される。
【0041】
次に、このカム輪2とコントロールアーム7とによる各部材の作動の制御について説明する。
【0042】
前述の図5を再掲した図13に示す待機状態から、リヤチャンバーfの少しの開放回動でトリガーTが引かれることにより駆動ギヤDGが図13において矢印に示している方向に回動し、それにより、ピニオンギヤPGが図7を再掲した図14にあるよう駆動ギヤDGの欠歯ギヤG1の歯部の始端側に噛み合うと、駆動ギヤDGは、この欠歯ギヤG1がピニオンギヤPGで駆動されて回転を始めるようになる。
【0043】
しかし、駆動ギヤDGの欠歯繰出ギヤG2により駆動される繰出ピニオンギヤ80は、欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eに位置していることで駆動されず、欠歯部eのエンドに達して欠歯繰出ギヤG2の歯部の始端と噛み合うまでの間は回転を停止している状態に保持される。
【0044】
この間の駆動ギヤDGの回転の動作で、一緒に回転するカム輪2のカム面20に接当しているカムローラ71が、カム面20を登り出し、このカムローラ71を軸支しているコントロールアーム7が図14(図7の再掲)においてロールピン70中心に反時計方向に回動し、これと一緒に回動する解除アーム72が同方向に回動して、ブレーキ金具63を支点軸65中心に時計方向に回動させていき、それの取付面に取り付けたブレーキシュー64のブレーキドラム62に対する圧接を解除して緩めていく。
【0045】
コントロールアーム7の回転軸となるロールピン70に一体的に組み付けた解除アーム72には、図15にあるように、バネアーム720が一体的に設けられ、これと前述のブレーキ金具63との間に、そのブレーキ金具63を支点軸65中心に反時計方向に回動させるよう付勢するバネ721が張設してあり、かつ、この解除アーム72には、ネット軸60に装填したネットの巻束61の周面に接するセンサ金具722が設けてあって、これにより、ブレーキ金具63を支点軸65中心に反時計回りに回動させるバネ721 のバネ圧を、ネット軸60に装填したネットの巻束61の径に応じて変動させるようにしてある。
【0046】
このコントロールアーム7によるブレーキドラム62に対する制御により所定の制動が解された状態となったところで、図16にあるよう繰出ピニオンギヤ80に対し欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eがエンドに達して歯部の始端に繰出ピニオンギヤ80が噛み合い、これにより繰出機構Kが駆動ギヤDGとして回転する欠歯繰出ギヤG2により駆動されて、ネットnをネットの巻束61から繰り出すようになる。
【0047】
このとき、ネットnは、ネットの巻束61から手動の操作で、誘導ロール66・67を経た状態として引き出し、その引き出した端部を、繰出機構Kの繰出ピニオンギヤ80の軸83に設けたゴムロールよりなる繰出ロール82とこれに対向するアイドラロール84との間に挿し込んで挟持せしめた状態として作業を開始する。
【0048】
なお、この手動の操作は、図5にあるようにトワイン装置Mの巻束から横送り装置mを経て引き出されるトワインtによりロールベールRの梱包を行わす場合も同様であり、そのときは、ネットnに換えて、横送り装置mからガイドを経て引き出されるトワインtの引き出し側の端部を、繰出機構Kの繰出ロール82とアイドラロール84との間に挿し込んでおいて、作業を開始するようにしておく。
【0049】
また、この駆動ギヤDGがピニオンギヤPGによる駆動で、欠歯繰出ギヤG2に対し繰出ピニオンギヤ80が噛み合っていくとき、カム輪2の回転によりコントロールアーム7の先端のカムローラ71が、図16にあるようにカム面20を登っていく動作により、コントロールアーム7が図16において反時計方向に回動することで、ナイフリンク94が図16において矢印方向に引かれ、ナイフベース92を支点軸93中心に反時計方向に回動させて、ナイフ9をナイフケース90内に引き込んだ非切断状態とし、この状態を、カムローラ71がカム輪2の外周面を転動する間保持するようになる。
【0050】
そして、このナイフリンク94の作動によりナイフ9をナイフケース90内に収蔵するよう支軸93中心に反時計回りに回動するナイフベース92は、それの回動作動により、このナイフベース92に連繋するタイマーリンク97を押し上げて、それの上端側が連結するタイマー金具96を支点軸98中心に反時計回りに回動させ、このタイマー金具96の下端側に支点軸950中心に回動するよう軸支してあるタイマーナイフ95を、図17・図18にあるよう右方に動かし、図19にあるよう繰出ピニオンギヤ80を右方に越した位置を占めた状態とする。
【0051】
この動作は、カムローラ71がカム面20を登り切って上死点に達した図19の状態となるまで行われ、以後、カムローラ71がカム輪2の外周を転動していく間この状態に保持され、この状態において、繰出ピニオンギヤ80が欠歯繰出ギヤG2の歯部に噛み合って駆動されることでネットまたはトワインの繰り出しが行われ、駆動ギヤDGが一回転したところで、ピニオンギヤPGが欠歯ギヤG1の欠歯部dに臨み繰出ピニオンギヤ80が欠歯繰出ギヤG2の欠歯部eに臨むことで、欠歯繰出ギヤG2による繰出ピニオンギヤ80の駆動が終了し、ネットnまたはトワインtは所定長さだけ繰り出される。
【0052】
このトワイン・ネットの繰り出し長さは、それの繰出側の端部が、ベールチャンバーc内で回転しているロールベールRの周面にからみ付く長さに設定してあり、また、繰出ピニオンギヤ80が欠歯部eに位置して自由に回転することから、繰り出されたトワイン・ネットはそれの繰出端がロールベールRの周面に巻き付いてそれを梱包しながら引き続いて繰り出されていく。
【0053】
このとき、繰出ロール82とそれの回転軸である繰出ピニオンギヤ80の軸83との間には、ワンウエイクラッチを介装しておくことで、ブレーキシュー64による巻束61の回転に対する制動により、ネット・トワインに所定の緊張を与えた状態として、ロールベールRの周面に巻き付かせていく。
【0054】
そして、トワイン・ネットが、ベールチャンバーc内のロールベールRの周面にからみついて、それの回転により繰り出される状態となったとき、コントロールアーム7の先端のカムローラ71は、図20にあるよう、カム輪2の外周面から脱してカム面20のくびれ込んだ部位に臨む位置に動き、これにより、このカムローラ71に連結するナイフリンク94が左方に動いてタイマー金具96を図19において時計回りに回動させて、タイマーナイフ95を、図20にあるよう繰出ピニオンギヤ80の軸83の一方の軸端部に設けている周面に螺旋溝を設けたカウンタ軸Pの周面に当接する状態とする。
【0055】
これにより、ベールチャンバーc内のロールベールRの回転によるトワイン・ネットの繰り出しが行われるとき、繰出ロール82の一回転ごとにタイマーナイフ95がカウンタ軸の周面に設けた螺旋の溝を一刻みづつそのカウンタ軸の軸方向に順次動いていき、そのタイマーナイフ95がカウンタ軸の軸端部に達することで図22にあるようカウンタ軸から外れ、これによりタイマーナイフ95およびこれを支持するタイマー金具96が自由になって、バネ91の付勢によりナイフベース92を図23にあるよう下向き回動させ、ナイフ9をナイフケース90から飛び出させてトワイン・ネットを切断していくようになる。
【0056】
このとき、切断されたネットnは位置決め金具81のラチェット刃が繰出ギヤ80に噛み合って、繰出ギヤ80の逆回転を阻止することで、ネットnの緊張度を一定に保持するようになる。
【0057】
従って、駆動ギヤDGが一回転の動作を行って回転を停止させた状態で、ロールベールRに巻き付いて行われるトワイン・ネットの繰り出しが、所定長さとなったことをタイマーナイフ95とカウンタ軸とで機械的に検出されて、タイマーナイフ95がカウンタ軸から外れる機械的な動作によりナイフ9を切断位置に動かすように制御される。
【0058】
そして、これにより、トワイン・ネットによる一つの成形したロールベールRの梱包が終了し、リヤチャンバーfの開放回動でロールベールRが放出され、リヤチャンバーfが閉鎖されることにより再び前述の図5にある待機状態に戻り、次のロールベールRの成形を待って、それをトワイン・ネットnの繰出により梱包していくようになる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ロールベーラにおけるベールの梱包装置を、電装については、ベールチャンバー内におけるロールベールの成形が所定の径に達して所定の成形圧になってきたときに、それを検出して知らせる電動ブザー程度として、トワイン・ネットを繰り出す繰出機構の駆動およびそれの作動の始動と終了とリセットとの殆どの動作を、メカニカルな機械装置で実現できるようになる。
【0060】
また、このトワイン・ネットを繰り出す繰出機構およびそれを駆動する駆動手段が、トワインの繰り出しとネットの繰り出しとの両方に共通して利用できるようになって、ロールベーラにトワイン仕様の梱包装置とネット仕様の梱包装置とを併せて装備し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手段を実施せるロールベーラの全体の概要説明図である。
【図2】同上ロールベーラに組み込む駆動ギヤを、ピニオンギヤに噛合わす欠歯ギヤと繰出機構を駆動する繰出ピニオンギヤに噛み合わせる欠歯繰出ギヤとカム輪との三枚重ね状態に組み立てた例の斜視図である。
【図3】同上ロールベーラに組み込んだリヤチャンバーの開閉機構の全体の側面図である。
【図4】同上のリヤチャンバーの開閉機構の一部省略した拡大側面図である。
【図5】同上ロールベーラに組み込んだ梱包装置の一部破断した側面図である。
【図6】同上の梱包装置の、リヤチャンバーの開放回動でワイヤーを介しトリガーが引かれて駆動ギヤが回転を始めた状態時の一部破断した側面図である。
【図7】同上の梱包装置の、駆動ギヤの歯部にピニオンギヤが噛み合って、そのピニオンギヤによる駆動が始動した状態時の側面図である。
【図8】同上の梱包装置の、駆動ギヤの駆動の開始により、繰出ピニオンギヤが欠歯繰出ギヤに噛合った状態時の側面図である。
【図9】同上の梱包装置の、駆動ギヤのピニオンギヤの駆動による回転が、一回転を終えて停止し、この一回転の間に行われた繰出ピニオンギヤによる繰出機構の駆動で所定長さに繰出されたネットが、ベールチャンバー内のロールベールに巻き付いて引き続き繰り出されている状態時の一部破断した側面図である。
【図10】同上の梱包装置の、同上状態時から、ロールベールの梱包の終了により、リヤチャンバーの開閉機構が、リヤチャンバーを開放させる作動によってトリガーに連繋するワイヤーの牽引を解放していく作用の説明図である。
【図11】同上の梱包装置の、ワイヤーの牽引の解により、トリガーが当初の位置に復帰し、かつ、梱包を終えたネットがナイフにより切断された状態時の一部破断した側面図である。
【図12】同上の梱包装置の、リヤチャンバーの閉鎖回動によりリセット金具が当初の位置に回動して、リセットされた状態時の側面図である。
【図13】同上の梱包装置の、待機状態時の一部破断した側面図である。
【図14】同上の梱包装置の、同上状態時からトリガーが引かれてピニオンギヤが駆動ギヤに噛み合い始めた状態時の説明図である。
【図15】同上の梱包装置の、ネット軸に設けたブレーキドラムを制動するブレーキ機構部分の側面図である。
【図16】同上の梱包装置の、駆動ギヤがピニオンギヤにより駆動し始めた状態時におけるコントロールアームによるブレーキ機構部およびタイマーナイフをコントロールする作用の説明図である。
【図17】同上梱包装置の、同上状態時におけるタイマーナイフの動きの一部破断した説明図である。
【図18】同上梱包装置の、同上状態時から駆動ギヤがさらに回転して、繰出ピニオンギヤが欠歯繰出ギヤに噛み合って駆動回転し始め、タイマーナイフが繰出ピニオンギヤを越し、ナイフがナイフケース内に収納された状態の一部破断した説明図である。
【図19】同上梱包装置の、同上状態での駆動ギヤの回転により繰出ピニオンギヤが駆動されて作動する繰出機構の作動で、ネットが繰り出されている状態の説明図である。
【図20】同上梱包装置の、駆動ギヤが一回転の作動を終え、繰出ピニオンギヤが、欠歯繰出ギヤの欠歯部に位置して、歯部との噛み合いが外れ繰出ピニオンギヤの軸端部のカウンタ軸の周面にタイマーナイフが接した状態で、繰出端がロールベールにからみついたネットが、繰出ピニオンギヤを空転させて引き出されてロールベールを梱包している状態の一部破断した説明図である。
【図21】同上梱包装置の、同上状態でのネットの引き出しによるロールベールの梱包が引き続いて行われている状態の一部破断した説明図である。
【図22】同上梱包装置の、ロールベールによるネットの引き出しが所定の長さに達してタイマーナイフがカウンタ軸から外れた状態時の一部破断した説明図である。
【図23】同上梱包装置の、タイマーナイフがカウンタ軸から外れてタイマー金具が自由に回動する状態時となることでナイフベースがバネによりナイフを切断位置に動かしネットの切断を行った状態の一部破断した説明図である。
【符号の説明】
A…ロールベーラ、B…開閉機構、DG…駆動ギヤ、G1…欠歯ギヤ、G2…欠歯繰出ギヤ、K…繰出機構、M…トワイン装置、N…ネット繰出装置、PG…ピニオンギヤ、R…ロールベール、S…ストッパー、T…トリガー、a…機体、b…走行装置、c…ベールチャンバー、d・e…欠歯部、f…リヤチャンバー、g・h…リセットリンク、t…トワイン、m…横送り装置、n…ネット、w…感知ワイヤー、1…回転軸、2…カム輪、20…カム面、3…圧縮リンク、3a…ロックピン、30…クラッチレバー、31…開閉ギヤ、32…支点軸、33…押上リンク、34…長穴、4…支点軸、40・41…アーム、42…バネ、5…リセット金具、50…バネ、51・52…アーム、53…ストッパー、60…ネット軸、61…ネットの巻束、62…ブレーキドラム、63…ブレーキ金具、64…ブレーキシュー、65…支点軸、66・67…誘導ロール、7…コントロールアーム、70…ロールピン、71…カムローラ、72…解除アーム、720…バネアーム、721…バネ、722…センサ金具、80…繰出ピニオンギヤ、81…位置決め金具、82…繰出ロール、83…回転軸、84…アイドラロール、9…ナイフ、90…ナイフケース、91…バネ、92…ナイフベース、93…支軸、94…ナイフリンク、95…タイマーナイフ、950…支点軸、96…タイマー金具、97…タイマーリンク。
Claims (5)
- ロールベーラAの機体aに、その機体aに軸支される駆動軸に伝導してその駆動軸の回転により常時回転するピニオンギヤPGを軸支するとともに、このピニオンギヤPGに噛み合って駆動される大径の駆動ギヤDGを、それの周面の歯部の一部に欠歯部dを具備せしめて前記ピニオンギヤPGと噛み合う位置に軸支し、かつ、該駆動ギヤDGは周方向の一方向に回転するよう付勢してストッパーSとこれに衝合するトリガーTとにより、欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置から始動して再び欠歯部dがピニオンギヤPG臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御しておき、この駆動ギヤDGを始動させるトリガーTをストッパーSから外す作動を、ロールベールRの成形の終了時にそれの成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーfの開放回動の動作により行わせ、これにより始動する駆動ギヤDGによりネット・トワインを繰り出す繰出機構Kを駆動せしめて、この駆動ギヤDGの一回転の動作の間の繰出機構Kの作動によりネット・トワインの所定長さの繰り出しを行わすことを特徴とするロールベーラにおける梱包装置。
- ロールベーラAの機体aに、その機体aに軸支される駆動軸に伝導してその駆動軸の回転により常時回転するピニオンギヤPGを軸支するとともに、このピニオンギヤPGに噛み合って駆動される大径の駆動ギヤDGを、それの周面の歯部の一部に欠歯部dを具備せしめて前記ピニオンギヤPGと噛み合う位置に軸支して、その駆動ギヤDGは周方向の一方向に回転するよう付勢してストッパーSとこれに衝合するトリガーTとにより、欠歯部dがピニオンギヤPGに臨む位置から始動して再び欠歯部dがピニオンギヤPG臨む位置までの一回転ごとの回転を行うよう制御し、そのトリガーTをリヤチャンバーfの開閉機構Bにワイヤーwを介し連繋して、そのトリガーTをストッパーSから外して駆動ギヤDGを始動させる作動を、ロールベールRの成形の終了時にそのロールベールRの成形圧により少し開放してくるリヤチャンバーfの開放回動の動作により行わせておき、この機体aに、トワインの巻束61から引き出されるトワインtを誘導して繰出機構により繰出すトワイン繰出装置Mと、ネットの巻束61から引き出されるネットnを繰出機構により繰出すネット繰出装置Nとを、上下に並列させて装架し、このトワイン繰出装置Mの繰出機構およびネット繰出装置Nの繰出機構を、前記駆動ギヤDGに噛み合わせて、並設したトワイン繰出装置Mとネット繰出装置Nとを駆動ギヤDGにより行わすことを特徴とするロールベーラにおける梱包装置。
- 駆動ギヤDGを周面の歯部の一部に欠歯部dを設けてそれの歯部をピニオンギヤPGに噛み合わせる大径の欠歯ギヤG1と、周面の歯部の一部に欠歯部eを設けてそれの歯部を繰出機構Kの繰出ピニオンギヤ80に噛み合わせる欠歯繰出ギヤG2とを、同軸で一緒に回転するよう並列・組合わせて組立てることを特徴とする請求項2記載のロールベーラにおける梱包装置。
- 駆動ギヤDGには、同軸で一緒に回転する盤状のカム輪2を並列させて組込み、このカム輪2の周面に設けたカム面20に、回動端側に設けたカムロール71が接触することでロールピン70中心に回動するコントロールアーム7を、駆動ギヤDGの一回転の回転ごとに一回の往復回動を行なうよう組み合わせ、このコントロールアーム7により、繰り出したトワイン・ネットを切断させるナイフ9を、繰り出すトワイン・ネットがロールベールRを梱包する所定の繰り出し長さとなったタイミングで切断位置に引き出し、切断を終えた後に非切断位置に戻すよう制御せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載のロールベーラにおける梱包装置。
- 駆動ギヤDGには、同軸で一緒に回転する盤状のカム輪2を並列させて組込み、このカム輪2の周面に設けたカム面20に、回動端側に設けたカムロール71が接触することでロールピン70中心に回動するコントロールアーム7を、駆動ギヤDGの一回転の回転ごとに一回の往復回動を行なうよう組み合わせ、このコントロールアーム7により、ネット繰出装置Nのネットの巻束61を装填するネット軸60に設けたブレーキドラム62に接触させるブレーキシュー64の作動を制御せしめて、繰出機構Kによりネットの巻束61から引き出して繰出すネットnに対し付与する緊張圧をコントロールさせることを特徴とする請求項1または請求項2記載のロールベーラにおける梱包装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002374014A JP2004201564A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | ロールベーラにおける梱包装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002374014A JP2004201564A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | ロールベーラにおける梱包装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201564A true JP2004201564A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32812156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002374014A Pending JP2004201564A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | ロールベーラにおける梱包装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004201564A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7784400B2 (en) | 2008-12-30 | 2010-08-31 | Cnh America Llc | Duckbill cam geometry for reduced actuation forces |
CN108848954A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-23 | 甘肃省机械科学研究院有限责任公司 | 一种青贮打捆机布网、断网装置 |
CN109759271A (zh) * | 2019-02-01 | 2019-05-17 | 浙江普莱得电器有限公司 | 一种滚涂机的切换结构及滚涂机 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374014A patent/JP2004201564A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108848954B (zh) * | 2018-07-06 | 2023-04-11 | 甘肃省机械科学研究院有限责任公司 | 一种青贮打捆机布网、断网装置 |
CN109759271A (zh) * | 2019-02-01 | 2019-05-17 | 浙江普莱得电器有限公司 | 一种滚涂机的切换结构及滚涂机 |
CN109759271B (zh) * | 2019-02-01 | 2024-03-15 | 浙江普莱得电器股份有限公司 | 一种滚涂机的切换结构及滚涂机 |
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