JP2004201368A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

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JP2004201368A
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Kazuhiro Fujii
和広 藤井
Shunji Ito
俊二 伊藤
Shoji Omori
荘司 大森
Masahei Wachi
雅平 和知
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Abstract

【課題】変流器の設置に伴う据付け工期長期化の虞れのないガス絶縁開閉装置を提供すること。
【解決手段】ケーブル終端接続部2に変流器4を内蔵させ、一体にモールドし、現地での変流器取付作業及び試験工程が省略できるようにしたもの。
このとき、更に導体40と、その端子41、42を設けることもできる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力ケーブルに接続されて使用するガス絶縁開閉装置に係り、特に電力ケーブルを介して受電する需要家において使用するのに好適なガス絶縁開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁用と消弧用に6弗化硫黄(SF6)ガスを用いたガス絶縁開閉装置は、その優れた性能が従来から広く知られている。そこで、近年、電力ケーブル受電に際しても、これがしばしば用いられるようになっているが、このとき受電部に変流器が必要であるとされている。
【0003】
ここで、この変流器は、需要家側の内部における事故の検出と計測を目的としているため、通常、責任分界点から内側の需要家による手配区分となり、他方、このときの電力供給用ケーブルは、電力供給側の、例えば電力会社の手配区分となる。
【0004】
ところで、このようなガス絶縁開閉装置の場内及び現地据付までの手順は、通常、以下のようになっている。すなわち、まず、ガス絶縁開閉装置の試験を製造工場内で実施し、この後、寸法や質量などの輸送制限内に入る適度な大きさに分割されてから現地に搬入する。
【0005】
そして、現地で組立を行ない、それが終了した後、ガス絶縁開閉装置や他の制御盤などの試験が完了してから電力供給用のケーブルが接続されるが、変流器の取付は、このときのケーブルの接続作業に合わせて行なわれ、従って、取付完了後に変流器の単体試験が必要となる
ところで、この場合の変流器としては、通常、計測すべき電流が流れる導体を1次巻線とする、いわゆる貫通形が用いられるが、これは一般にリング状の鉄心に2次巻線となる導線をトロイダル巻きした円形のドーナツ形をしており、従って、このままでは、電力供給用ケーブルに変流器を取付けるのが困難である。
【0006】
そこで、従来から、ドーナツ形の本体が2分割できるようにした分割形変流器が採用されている。そして、このような分割形変流器は、通常、外径が300mm程度で、厚さは250mmから360mm、質量も50kgから120kg程度とかなりの大きさになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、分割形の変流器が使用されている点に配慮がされておらず、ガス絶縁開閉装置の設置工期短縮に問題があった。
【0008】
上記したように、分割形の変流器は、かなりの大きさと重量になる上、取付構造も複雑になっているので、工数が多く、時間も多く要するなど作業性が悪く、しかも現地で変流器を取り付けるので、別途、現地でも変流器の試験が必要であり、このため、ガス絶縁開閉装置の設置が長期化してしまうのである。
【0009】
また、変流器の仕様は当該需要家の設備容量や管轄の電力会社などによって異なる上、一般に変流器の仕様決定は、本体となるガス絶縁開閉装置に比べて遅れがちで、変流器の入手のための手配が遅くなる傾向にあり、分割形の場合、特に著しく、これも設置工期短縮の阻害要因となっていた。
【0010】
本発明の目的は、変流器の設置に伴う据付け工期長期化の虞れのないガス絶縁開閉装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ケーブル終端接続部を備えたガス絶縁開閉装置において、前記ケーブル終端部が、その中に変流器を内蔵した状態で一体にモールド成形されているようにして達成される。
【0012】
このとき、前記変流器がドーナツ形の本体を備えた貫通形の変流器であり、前記ケーブル終端部は、前記ドーナツ形の本体の中を通る導体と、この導体に接続された端子も含めて一体にモールド成形されているようにしても上記目的が達成される。
【0013】
同じく、このとき、前記変流器が広帯域対応形変流器であるようにしても、上記目的が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるガス絶縁開閉装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0015】
図1は、T形ケーブル終端接続部を備えたガス絶縁開閉装置(以下、GISと記す)に本発明を適用した場合の一実施形態で、図において、1はGIS(GISの容器)、2はケーブル終端接続部(T形ケーブル終端接続部)、3は電力ケーブル、そして4は貫通形の変流器である。
【0016】
GIS1の中には接点機構に接続された母線導体10があり、これに対して、バネ嵌合方式の接続機構11により、終端接続部2内の母線導体20が結合されている。そして、この母線導体20には、更にT形導体部21が設けてある。
【0017】
そこで、このT形導体部21の中で、接続部22を介して電力ケーブル3の導体30を結合させることができ、こによりGIS1に対する電力ケーブル3の接続が与えられるようになっている。
【0018】
そして、このケーブル終端接続部2は、母線導体20とT形導体部21を内蔵した状態で全体が合成樹脂材、例えばエポキシ樹脂材によりモールド成形され、しかもこのとき、変流器4も内蔵させた状態で一体にモールドされている。
【0019】
ここで、変流器4は、そのドーナツ形の本体の中にケーブル終端接続部2の母線導体20を貫通させた状態でモールドされ、これにより、この母線導体20を1次巻線とする貫通形の変流器として機能する。
【0020】
このとき、モールド成形したケーブル終端接続部2には、図1に示すように、蓋23で区切られた空間部24が形成してあり、蓋23を取り外すことにより、接続部22による接続作業が行なえるようにしてある。
【0021】
更に、このとき、変流器4のドーナツ形の本体の中を通して導線40が設けてあり、その両端を外部に引き出すための2個の端子41、42も一緒にモールドされている。なお、ここで変流器4の端子は省略してある。
【0022】
そうすると、この実施形態では、ケーブル終端接続部2自体に変流器4が一体にモールドしてあるので、これが分割の最小単位になり、このため、GIS1を設置箇所に搬入するため、寸法や質量などの輸送制限内に入る適度な大きさに分割された際でも、ケーブル終端接続部2自体に変流器4が一体にモールドされた状態のままであることには変わりはない。
【0023】
そこで、この実施形態によれば、GISの現地での据付けに際して、別途、変流器2の取付作業が必要になることはなく、また、この変流器2について、現地に搬入する前に必要な試験を実施しておけば、現地での試験も不要になる。
【0024】
従って、この実施形態によれば、現地での変流器の取付け作業や試験が不要にでき、その分、ガス絶縁開閉装置の設置期間を短縮することができ、コストの低減と共に需要家の要求にも容易に応えることができる。
【0025】
また、この実施形態によれば、変流器の分割作業と再組立作業が不要になるので、品質の保持が容易で、高い信頼性を得ることができる。
【0026】
しかも、この実施形態では、ケーブル終端接続部2に導線40と端子41、42が設けてあるので、これにより誘導及び充電電流による変流器の誤動作防止用のキャンセル回路の結線が容易となり、変流器自身の特性測定用としても使用可能である。
【0027】
従来技術では、このような導線についても、現地で変流器に取り付けなければならないので、このための作業が現地で必要になり、そのため時間もかかるが、上記実施形態によれば、このような作業は不要で、その分、工期が短縮でき、従って、更にコストの低減が図れ、需要家の要求にも多く応えることができる。
【0028】
ところで、近年、ワイドレンジ形、或いは広帯域対応形と呼ばれ、広い電流範囲にわたってそのまま対応が可能な変流器が実用化されている。そこで、本発明の実施に際しても、ケーブル終端接続部2に一体にモールドすべき変流器4として、このような広帯域対応形変流器の適用が可能である。
【0029】
そうすると、このように、変流器4として広帯域対応形変流器を使用した場合は、変流器の仕様について、需要家の設備容量や管轄の電力会社などの要求を待つ必要がなくなるので、設置工期短縮の阻害要因が除かれ、更に工期の短縮とコストの低減を得ることができる。
【0030】
但し、この広帯域対応形変流器の場合、その2次負担は1VA程度なので、制御・保護・計測に使用する継電器には、軽負担のデジタル形継電器を採用するのが望ましい。
【0031】
このように、変流器のコンパクト化を図り、2次負担を軽減するためデジタル継電器を採用した場合には、変流器の大きさを、外径約200mm、厚さ約30mm程度と、外形だけみても従来技術の場合より約65%となり、かなり小さくすることができた。
【0032】
上述の変流器を採用することにより、従来、電力ケーブルの外側に取付けていた変流器を、ケーブル終端接続部モールドに内蔵することが可能となった。
【0033】
また、この変流器内蔵のケーブル終端接続部には、変流器を貫通する導体を合わせてモールドすることにより、外部より変流器の試験や接地線接続も可能となる。
【0034】
ところで、以上は、図1から明らかなように、T形ケーブル終端接続部2の母線導体20側に変流器4を内蔵させ、一体モールドした場合の一実施形態であるが、図2は、T形ケーブル終端接続部2のケーブル接続側に変流器4を内蔵させて一体にモールドした場合の一実施形態で、この場合、各構成要素は、図1の場合と同じであるので、詳しい説明は割愛する。
【0035】
一方、図3は、ストレート形導体部25を備えたケーブル終端接続部2のケーブル接続側に変流器4を内蔵させ、一体にモールドした場合の一実施形態で、この場合は、ケーブル終端接続部2のかなりの部分がGIS1の内部に入り込んでいて、電力ケーブル3の接続端側31に変流器4が配置されている。
【0036】
また、このように、ケーブル終端接続部2のかなりの部分がGIS1の内部に入り込んでいるので、この実施形態の場合は、GIS1の容器に端子台12が設けてあり、ここに端子41、42が接続され、これにより導線40の接続部が外部に引き出せるようにしてある。
【0037】
従って、詳しい説明は省略するが、これら図2と図3の実施形態によっても、図1の実施形態と同様な作用効果が得られることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、ケーブル端末処理後の変流器取付作業及び試験工程が省略できるので、現地作業工程数が少なくでき、工期を大幅に短縮することができる。
しかも、変流器の分割と再組立が不要にできるので、品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス絶縁開閉装置の第一の実施形態を示す内部構造図である。
【図2】本発明によるガス絶縁開閉装置の第二の実施形態を示す内部構造図である。
【図3】本発明によるガス絶縁開閉装置の第三の実施形態を示す内部構造図である。
【符号の説明】
1 ガス絶縁開閉装置(GIS)
2 ケーブル終端接続部
3 電力ケーブル
4 変流器(貫通形の変流器)
10 母線導体(接点機構側の母線導体)
11 バネ嵌合方式の接続機構
12 端子台
20 導体母線(接続部側の母線導体)
21 T形導体部
22 接続部
23 蓋
24 空間部
25 ストレート形導体部
30 導体(電力ケーブルの導体)
40 導線
41、42 端子

Claims (3)

  1. ケーブル終端接続部を備えたガス絶縁開閉装置において、
    前記ケーブル終端部が、その中に変流器を内蔵した状態で一体にモールド成形されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 請求項1に記載のガス絶縁開閉装置において、
    前記変流器がドーナツ形の本体を備えた貫通形の変流器であり、
    前記ケーブル終端部は、前記ドーナツ形の本体の中を通る導体と、この導体に接続された端子も含めて一体にモールド成形されていることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガス絶縁開閉装置において、前記変流器が広帯域対応形変流器であることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
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