JP2004200774A - 円偏波平面アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が図りやすい高利得な円偏波平面アンテナを提供すること。
【解決手段】誘電体基板1上に、縮退分離素子3を装荷した同形状のパッチ電極2を4個配設して、各パッチ電極2と給電点Pとを給電ライン4にて接続した円偏波平面アンテナにおいて、4個のパッチ電極2のうち、第1のパッチ電極2aと第2のパッチ電極2bは向きを揃えて並列に配置して給電点Pからの電気長を等しく設定し、第3のパッチ電極2cと第4のパッチ電極2dは、第1および第2のパッチ電極2a,2bとは向きを逆にして並列に配置すると共に、給電点Pからの電気長を第1および第2のパッチ電極2a,2bよりも給電位相差180度分だけ長く設定する。そして、第1および第3のパッチ電極2a,2cの相対向する側と、第2および第4のパッチ電極2b,2dの相対向する側を、給電ライン4に接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】誘電体基板1上に、縮退分離素子3を装荷した同形状のパッチ電極2を4個配設して、各パッチ電極2と給電点Pとを給電ライン4にて接続した円偏波平面アンテナにおいて、4個のパッチ電極2のうち、第1のパッチ電極2aと第2のパッチ電極2bは向きを揃えて並列に配置して給電点Pからの電気長を等しく設定し、第3のパッチ電極2cと第4のパッチ電極2dは、第1および第2のパッチ電極2a,2bとは向きを逆にして並列に配置すると共に、給電点Pからの電気長を第1および第2のパッチ電極2a,2bよりも給電位相差180度分だけ長く設定する。そして、第1および第3のパッチ電極2a,2cの相対向する側と、第2および第4のパッチ電極2b,2dの相対向する側を、給電ライン4に接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッチ電極を放射素子として円偏波電波の送信や受信を行う円偏波平面アンテナに係り、特に、誘電体基板上に複数個のパッチ電極を並設して利得を高めた円偏波平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体基板の両面にそれぞれパッチ電極と接地導体を設け、切欠き等の縮退分離素子を装荷した該パッチ電極に所定の高周波電流を給電して円偏波電波を放射させるようにしたパッチアンテナは、小型で安価な円偏波平面アンテナとして各方面で利用されるようになっている。しかしながら、共振長に応じて大きさが規定されるパッチ電極は、小さくなればなるほどアンテナの利得は低下してしまうので、大きな利得が要求される場合には、利得を向上させるための対策が必要となる。
【0003】
そこで従来、図3に示すように、誘電体基板上に複数個のパッチ電極を並設して利得を高めた円偏波平面アンテナが提案されている。同図において、誘電体基板1の片面には、縮退分離素子としての切欠き3を設けた同形状のパッチ電極2が向きを揃えて4個並設されていると共に、給電点Pと各パッチ電極2とを接続する給電ライン4が延設されている。各パッチ電極2はいずれも図示下端中央部が給電ライン4に接続されており、この接続箇所から給電点Pに至る給電ライン4の電気長はどのパッチ電極2もすべて等しい。誘電体基板1の他面にはほぼ全面に図示せぬ接地導体が設けられており、この接地導体とは非接触の図示せぬ給電ピンが誘電体基板1を貫通して給電点Pにはんだ付けされている。なお、パッチ電極2と給電ライン4は、誘電体基板1上に銅や銀等の導体板または導体層を設けてなるマイクロストリップ素子とマイクロストリップラインである。
【0004】
このように概略構成されるアンテナは、4個のパッチ電極2が同形状で向きを揃えた配置になっており、かつ、各パッチ電極2に接続されている給電ライン4の電気長が等しくて給電位相差が生じないため、同相給電される各パッチ電極2から放射される円偏波電波はすべて同じになる。したがって、パッチ電極2が1個だけの場合に比べて利得を約4倍に高めることができる。また、4個のパッチ電極2を矩形領域の四隅に分散して配置させることができるため、例えばパッチ電極を3個あるいは5個配設する場合に比べて、誘電体基板1上に無駄なスペースが生じにくいという利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の円偏波平面アンテナでは、各パッチ電極2の同じ箇所(図示下端中央部)が給電ライン4と接続されている関係上、給電点Pと各パッチ電極2とを接続する給電ライン4を、誘電体基板1上の広い領域に形成しなければならない。それゆえ、給電ライン4を形成するスペースを確保するために、隣接するパッチ電極2どうしの間隔を不所望に広げたり、誘電体基板1を不所望に大型化しなければならぬ場合があり、アンテナの小型化が図りにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化が図りやすい高利得な円偏波平面アンテナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明の円偏波平面アンテナでは、誘電体基板上に縮退分離素子を装荷した同形状のパッチ電極を給電点の周囲に略対称に4個配設し、各パッチ電極と前記給電点とをそれぞれ給電ラインにて接続すると共に、前記誘電体基板の他面側に接地導体を設け、前記4個のパッチ電極のうち、第1のパッチ電極と第2のパッチ電極は向きを揃えて並列に配置して前記給電点からの電気長を等しく設定し、第3のパッチ電極と第4のパッチ電極は、前記第1および第2のパッチ電極とは向きを逆にして並列に配置すると共に、前記給電点からの電気長を前記第1および第2のパッチ電極よりも給電位相差180度分だけ長く設定し、かつ、前記第1および第3のパッチ電極は相対向する側を前記給電ラインに接続し、前記第2および第4のパッチ電極も相対向する側を前記給電ラインに接続した。
【0008】
このように構成された円偏波平面アンテナは、第1および第2のパッチ電極と第3および第4のパッチ電極の向きが逆転しているが、第1および第2のパッチ電極と第3および第4のパッチ電極は給電ラインの電気長が位相差180度分だけずらしてあるので、これら4個のパッチ電極から放射される円偏波電波はすべて同じになって高利得なアンテナが得られる。また、このアンテナでは給電ラインを、第1および第3のパッチ電極間の領域と、第2および第4のパッチ電極間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点を含む中央領域とに集約して設けることができるので、第1および第2のパッチ電極どうしの間隔や、第3および第4のパッチ電極どうしの間隔を不所望に広げる必要がなくなる。さらに、4個のパッチ電極全体を包囲する領域に給電ライン用のスペースを確保する必要もなくなる。そのため、各パッチ電極を効率よく配設したり誘電体基板をコンパクトな大きさに抑えることが可能となって、アンテナの小型化が図りやすくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る円偏波平面アンテナの平面図、図2は該アンテナの断面図であり、図3に対応する部分には同一符号を付してある。
【0010】
図1,2に示す円偏波平面アンテナは、誘電体基板1と、この誘電体基板1の片面に設けられた同形状の4個のパッチ電極(マイクロストリップ素子)2と、各パッチ電極2を給電点Pと接続している給電ライン(マイクロストリップライン)4と、誘電体基板1の他面のほぼ全面に設けられた接地導体5と、誘電体基板1を貫通して給電点Pにはんだ付けされた給電ピン6とを備えた構成となっている。
【0011】
4個のパッチ電極2は、矩形領域の四隅に各パッチ電極2が位置するように、給電点Pの周囲に略対称に配設されている。これらのパッチ電極2には縮退分離素子としての切欠き3が設けられているので、各パッチ電極2は円偏波電波を放射する放射素子として動作する。4個のパッチ電極2のうち、図1の上部左右に位置する第1のパッチ電極2aと第2のパッチ電極2bは向きを揃えて並列に配置されており、これらのパッチ電極2a,2bの図示下端中央部がそれぞれ給電ライン4の短寸線路4a,4bに接続されている。ただし、第1のパッチ電極2aから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L1と、第2のパッチ電極2bから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L2は等しい。また、図1の下部左右に位置する第3のパッチ電極2cと第4のパッチ電極2dは、第1および第2のパッチ電極2a,2bとは向きを逆にして並列に配置されており、これら第3および第4のパッチ電極2c,2dの図示上端中央部がそれぞれ給電ライン4の迂回線路4c,4dに接続されている。第3のパッチ電極2cから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L3と、第4のパッチ電極2dから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L4は等しいが、この電気長L3,L4は、第1および第2のパッチ電極2a,2bから給電点Pまでの電気長L1,L2よりも給電位相差180度分だけ長く設定されている。つまり、迂回線路4c,4dの線路長を短寸線路4a,4bよりも所定寸法だけ長くしておくことによって、第3および第4のパッチ電極2c,2dには第1および第2のパッチ電極2a,2bよりも180度位相の遅れた信号が給電されるようになっている。
【0012】
給電点Pにはんだ付けされている給電ピン6は、接地導体5とは非接触で、図示せぬアンテナ回路に接続されている。そして、この給電ピン6や給電ライン4を介して、各パッチ電極2(第1〜第4のパッチ電極2a〜2d)に所定の高周波電流が給電されるようになっている。
【0013】
このように構成された円偏波平面アンテナでは、同形状な4個のパッチ電極2のうち、第1および第2のパッチ電極2a,2bと第3および第4のパッチ電極2c,2dの向きが逆転しているが、前者のパッチ電極2a,2bと後者のパッチ電極2c,2dは給電ライン4の電気長が位相差180度分だけずらしてあるので、結局、4個のパッチ電極2から放射される円偏波電波はすべて同じになって、利得を大幅に高めることができる。
【0014】
また、この円偏波平面アンテナにおいては、図1に示すように給電ライン4が比較的狭い領域に集中して形成されている。つまり、第1および第3のパッチ電極2a,2cが相対向する側を給電ライン4(短寸線路4aや迂回線路4c)に接続しており、かつ第2および第4のパッチ電極2b,2dが相対向する側を給電ライン4(短寸線路4bや迂回線路4d)に接続しているので、結局、給電ライン4は、第1および第3のパッチ電極2a,2c間の領域と、第2および第4のパッチ電極2b,2d間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点Pを含む中央領域とに集約して設けることができる。それゆえ、第1および第2のパッチ電極2a,2bどうしの間隔や、第3および第4のパッチ電極2c,2dどうしの間隔を不所望に広げる必要はなく、各パッチ電極2を効率よく配設することができる。また、4個のパッチ電極2全体を包囲する領域に給電ライン4用のスペースを確保する必要もないので、誘電体基板1をコンパクトな大きさに抑えることができる。したがって、高利得でありながら小型化に好適な円偏波平面アンテナとなっている。
【0015】
なお、縮退分離素子を含めた各パッチ電極2の形状は上記実施形態例に限定されるものではなく、給電ライン4のパターン形状も適宜選択可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0017】
給電点の周囲に略対称に配設した4個のパッチ電極から放射される円偏波電波がすべて同じになるため、高利得なアンテナが得られる。また、給電ラインを、第1および第3のパッチ電極間の領域と、第2および第4のパッチ電極間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点を含む中央領域とに集約して設けることができるので、給電ライン用に広いスペースを確保する必要がなくなり、アンテナの小型化が図りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る円偏波平面アンテナの平面図である。
【図2】該アンテナの断面図である。
【図3】従来例に係る円偏波平面アンテナの平面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板
2 パッチ電極
2a 第1のパッチ電極
2b 第2のパッチ電極
2c 第3のパッチ電極
2d 第4のパッチ電極
3 切欠き(縮退分離素子)
4 給電ライン
4a,4b 短寸線路
4c,4d 迂回線路
5 接地導体
6 給電ピン
P 給電点
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッチ電極を放射素子として円偏波電波の送信や受信を行う円偏波平面アンテナに係り、特に、誘電体基板上に複数個のパッチ電極を並設して利得を高めた円偏波平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体基板の両面にそれぞれパッチ電極と接地導体を設け、切欠き等の縮退分離素子を装荷した該パッチ電極に所定の高周波電流を給電して円偏波電波を放射させるようにしたパッチアンテナは、小型で安価な円偏波平面アンテナとして各方面で利用されるようになっている。しかしながら、共振長に応じて大きさが規定されるパッチ電極は、小さくなればなるほどアンテナの利得は低下してしまうので、大きな利得が要求される場合には、利得を向上させるための対策が必要となる。
【0003】
そこで従来、図3に示すように、誘電体基板上に複数個のパッチ電極を並設して利得を高めた円偏波平面アンテナが提案されている。同図において、誘電体基板1の片面には、縮退分離素子としての切欠き3を設けた同形状のパッチ電極2が向きを揃えて4個並設されていると共に、給電点Pと各パッチ電極2とを接続する給電ライン4が延設されている。各パッチ電極2はいずれも図示下端中央部が給電ライン4に接続されており、この接続箇所から給電点Pに至る給電ライン4の電気長はどのパッチ電極2もすべて等しい。誘電体基板1の他面にはほぼ全面に図示せぬ接地導体が設けられており、この接地導体とは非接触の図示せぬ給電ピンが誘電体基板1を貫通して給電点Pにはんだ付けされている。なお、パッチ電極2と給電ライン4は、誘電体基板1上に銅や銀等の導体板または導体層を設けてなるマイクロストリップ素子とマイクロストリップラインである。
【0004】
このように概略構成されるアンテナは、4個のパッチ電極2が同形状で向きを揃えた配置になっており、かつ、各パッチ電極2に接続されている給電ライン4の電気長が等しくて給電位相差が生じないため、同相給電される各パッチ電極2から放射される円偏波電波はすべて同じになる。したがって、パッチ電極2が1個だけの場合に比べて利得を約4倍に高めることができる。また、4個のパッチ電極2を矩形領域の四隅に分散して配置させることができるため、例えばパッチ電極を3個あるいは5個配設する場合に比べて、誘電体基板1上に無駄なスペースが生じにくいという利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の円偏波平面アンテナでは、各パッチ電極2の同じ箇所(図示下端中央部)が給電ライン4と接続されている関係上、給電点Pと各パッチ電極2とを接続する給電ライン4を、誘電体基板1上の広い領域に形成しなければならない。それゆえ、給電ライン4を形成するスペースを確保するために、隣接するパッチ電極2どうしの間隔を不所望に広げたり、誘電体基板1を不所望に大型化しなければならぬ場合があり、アンテナの小型化が図りにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化が図りやすい高利得な円偏波平面アンテナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明の円偏波平面アンテナでは、誘電体基板上に縮退分離素子を装荷した同形状のパッチ電極を給電点の周囲に略対称に4個配設し、各パッチ電極と前記給電点とをそれぞれ給電ラインにて接続すると共に、前記誘電体基板の他面側に接地導体を設け、前記4個のパッチ電極のうち、第1のパッチ電極と第2のパッチ電極は向きを揃えて並列に配置して前記給電点からの電気長を等しく設定し、第3のパッチ電極と第4のパッチ電極は、前記第1および第2のパッチ電極とは向きを逆にして並列に配置すると共に、前記給電点からの電気長を前記第1および第2のパッチ電極よりも給電位相差180度分だけ長く設定し、かつ、前記第1および第3のパッチ電極は相対向する側を前記給電ラインに接続し、前記第2および第4のパッチ電極も相対向する側を前記給電ラインに接続した。
【0008】
このように構成された円偏波平面アンテナは、第1および第2のパッチ電極と第3および第4のパッチ電極の向きが逆転しているが、第1および第2のパッチ電極と第3および第4のパッチ電極は給電ラインの電気長が位相差180度分だけずらしてあるので、これら4個のパッチ電極から放射される円偏波電波はすべて同じになって高利得なアンテナが得られる。また、このアンテナでは給電ラインを、第1および第3のパッチ電極間の領域と、第2および第4のパッチ電極間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点を含む中央領域とに集約して設けることができるので、第1および第2のパッチ電極どうしの間隔や、第3および第4のパッチ電極どうしの間隔を不所望に広げる必要がなくなる。さらに、4個のパッチ電極全体を包囲する領域に給電ライン用のスペースを確保する必要もなくなる。そのため、各パッチ電極を効率よく配設したり誘電体基板をコンパクトな大きさに抑えることが可能となって、アンテナの小型化が図りやすくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る円偏波平面アンテナの平面図、図2は該アンテナの断面図であり、図3に対応する部分には同一符号を付してある。
【0010】
図1,2に示す円偏波平面アンテナは、誘電体基板1と、この誘電体基板1の片面に設けられた同形状の4個のパッチ電極(マイクロストリップ素子)2と、各パッチ電極2を給電点Pと接続している給電ライン(マイクロストリップライン)4と、誘電体基板1の他面のほぼ全面に設けられた接地導体5と、誘電体基板1を貫通して給電点Pにはんだ付けされた給電ピン6とを備えた構成となっている。
【0011】
4個のパッチ電極2は、矩形領域の四隅に各パッチ電極2が位置するように、給電点Pの周囲に略対称に配設されている。これらのパッチ電極2には縮退分離素子としての切欠き3が設けられているので、各パッチ電極2は円偏波電波を放射する放射素子として動作する。4個のパッチ電極2のうち、図1の上部左右に位置する第1のパッチ電極2aと第2のパッチ電極2bは向きを揃えて並列に配置されており、これらのパッチ電極2a,2bの図示下端中央部がそれぞれ給電ライン4の短寸線路4a,4bに接続されている。ただし、第1のパッチ電極2aから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L1と、第2のパッチ電極2bから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L2は等しい。また、図1の下部左右に位置する第3のパッチ電極2cと第4のパッチ電極2dは、第1および第2のパッチ電極2a,2bとは向きを逆にして並列に配置されており、これら第3および第4のパッチ電極2c,2dの図示上端中央部がそれぞれ給電ライン4の迂回線路4c,4dに接続されている。第3のパッチ電極2cから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L3と、第4のパッチ電極2dから給電点Pに至る給電ライン4の電気長L4は等しいが、この電気長L3,L4は、第1および第2のパッチ電極2a,2bから給電点Pまでの電気長L1,L2よりも給電位相差180度分だけ長く設定されている。つまり、迂回線路4c,4dの線路長を短寸線路4a,4bよりも所定寸法だけ長くしておくことによって、第3および第4のパッチ電極2c,2dには第1および第2のパッチ電極2a,2bよりも180度位相の遅れた信号が給電されるようになっている。
【0012】
給電点Pにはんだ付けされている給電ピン6は、接地導体5とは非接触で、図示せぬアンテナ回路に接続されている。そして、この給電ピン6や給電ライン4を介して、各パッチ電極2(第1〜第4のパッチ電極2a〜2d)に所定の高周波電流が給電されるようになっている。
【0013】
このように構成された円偏波平面アンテナでは、同形状な4個のパッチ電極2のうち、第1および第2のパッチ電極2a,2bと第3および第4のパッチ電極2c,2dの向きが逆転しているが、前者のパッチ電極2a,2bと後者のパッチ電極2c,2dは給電ライン4の電気長が位相差180度分だけずらしてあるので、結局、4個のパッチ電極2から放射される円偏波電波はすべて同じになって、利得を大幅に高めることができる。
【0014】
また、この円偏波平面アンテナにおいては、図1に示すように給電ライン4が比較的狭い領域に集中して形成されている。つまり、第1および第3のパッチ電極2a,2cが相対向する側を給電ライン4(短寸線路4aや迂回線路4c)に接続しており、かつ第2および第4のパッチ電極2b,2dが相対向する側を給電ライン4(短寸線路4bや迂回線路4d)に接続しているので、結局、給電ライン4は、第1および第3のパッチ電極2a,2c間の領域と、第2および第4のパッチ電極2b,2d間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点Pを含む中央領域とに集約して設けることができる。それゆえ、第1および第2のパッチ電極2a,2bどうしの間隔や、第3および第4のパッチ電極2c,2dどうしの間隔を不所望に広げる必要はなく、各パッチ電極2を効率よく配設することができる。また、4個のパッチ電極2全体を包囲する領域に給電ライン4用のスペースを確保する必要もないので、誘電体基板1をコンパクトな大きさに抑えることができる。したがって、高利得でありながら小型化に好適な円偏波平面アンテナとなっている。
【0015】
なお、縮退分離素子を含めた各パッチ電極2の形状は上記実施形態例に限定されるものではなく、給電ライン4のパターン形状も適宜選択可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0017】
給電点の周囲に略対称に配設した4個のパッチ電極から放射される円偏波電波がすべて同じになるため、高利得なアンテナが得られる。また、給電ラインを、第1および第3のパッチ電極間の領域と、第2および第4のパッチ電極間の領域と、これら両領域に挟まれて給電点を含む中央領域とに集約して設けることができるので、給電ライン用に広いスペースを確保する必要がなくなり、アンテナの小型化が図りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る円偏波平面アンテナの平面図である。
【図2】該アンテナの断面図である。
【図3】従来例に係る円偏波平面アンテナの平面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板
2 パッチ電極
2a 第1のパッチ電極
2b 第2のパッチ電極
2c 第3のパッチ電極
2d 第4のパッチ電極
3 切欠き(縮退分離素子)
4 給電ライン
4a,4b 短寸線路
4c,4d 迂回線路
5 接地導体
6 給電ピン
P 給電点
Claims (1)
- 誘電体基板上に縮退分離素子を装荷した同形状のパッチ電極を給電点の周囲に略対称に4個配設し、各パッチ電極と前記給電点とをそれぞれ給電ラインにて接続すると共に、前記誘電体基板の他面側に接地導体を設け、
前記4個のパッチ電極のうち、第1のパッチ電極と第2のパッチ電極は向きを揃えて並列に配置して前記給電点からの電気長を等しく設定し、第3のパッチ電極と第4のパッチ電極は、前記第1および第2のパッチ電極とは向きを逆にして並列に配置すると共に、前記給電点からの電気長を前記第1および第2のパッチ電極よりも給電位相差180度分だけ長く設定し、
かつ、前記第1および第3のパッチ電極は相対向する側を前記給電ラインに接続し、前記第2および第4のパッチ電極も相対向する側を前記給電ラインに接続したことを特徴とする円偏波平面アンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363897A JP2004200774A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 円偏波平面アンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363897A JP2004200774A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 円偏波平面アンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004200774A true JP2004200774A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32761921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002363897A Withdrawn JP2004200774A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 円偏波平面アンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004200774A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7903030B2 (en) | 2005-06-06 | 2011-03-08 | Panasonic Corporation | Planar antenna device and radio communication device using the same |
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- 2002-12-16 JP JP2002363897A patent/JP2004200774A/ja not_active Withdrawn
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