JP2004200671A - 量子井戸構造を有する半導体光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】量子井戸構造を構成する半導体層の結晶性を良好に維持しつつ発光効率等の性能の改善を図る。
【解決手段】量子井戸活性層に酸素をドーピングする。まずn型GaN光ガイド層405上に、TMG10sccm, TMI30sccm, O2 20sccm及びNH310slmを供給して10nmのn型In0.02Ga0.98N障壁層550を形成する。つづいてTMIの供給量を50sccmに増量し、3nmのアンドープIn0.2Ga0.8N井戸層553を形成する。この工程を3周期繰り返し、最後はn型In0.02Ga0.98N障壁層550で終了する。このように形成した多重量子井戸構造活性層420上にTMG15sccm, TMA5sccm, 不純物として(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層407を形成した。
【選択図】 図9

Description

本発明は、量子井戸構造を有する半導体素子およびその製造方法に関する。
III族窒化物半導体光素子において、活性層を障壁層と井戸層とが交互に積層された量子井戸構造とする技術が広く用いられている。量子井戸構造の採用により、素子の高出力化を図ることができる。
こうした量子井戸構造の障壁層に対し、通常はシリコンがドーピングされるが、いくつかの文献においてはシリコン以外の不純物を導入することが示唆されている。
特開2001−185758号公報(特許文献1)には、2種類の元素をドナー不純物として用いる技術が記載されている。具体的には、2族元素をアクセプタ元素とし、ドナー不純物として4族元素である炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)を用いる技術が記載されている。また4族元素をアクセプタ元素とした場合には、ドナー不純物として、6B族元素の硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)を用いることができると記載されている。
特開2002−185085号公報(特許文献2)には、多重量子井戸構造の井戸層もしくは障壁層に導入する不純物として、Si、Ge、O、C、Zn、Be、Mgが例示されている。
以上のように、量子井戸構造の障壁層に対しシリコン以外の不純物を導入する可能性がいくつかの公報で示唆されている。しかしながら、これらの公報には、酸素や硫黄等、シリコン以外の不純物を実際に量子井戸構造の半導体層に導入した事実は記載されておらず、これらの不純物を量子井戸に導入して素子特性を向上させたことの報告もされていない。現在、量子井戸障壁層へ導入する不純物としては、事実上シリコンのみが用いられている。この理由について以下、説明する。
その第一の理由は、シリコン以外の不純物のドーピングを行う場合、所望の濃度を導入することが困難だからである。その理由は明らかではないが、シリコンとIII族元素との反応により生成する化合物の蒸気圧に比べ、酸素等、シリコン以外の不純物元素とIII族元素との反応により生成する化合物の蒸気圧が、より高い値を示すことが要因のひとつと推察される。
第二の理由は、シリコンと比較した場合、他の不純物元素はキャリア発生効率が劣ると考えられていたからである。実際、シリコンよりも酸素等の不純物の方がキャリア発生効率は低い。
第三の理由は、光素子構造を形成するプロセスを考慮すると、シリコン以外の不純物のドーピングは不利と考えられていたからである。半導体レーザの構造を例に挙げて説明すると、当該構造は、たとえば基板上にn型クラッド層、活性層がこの順で積層した構造となる。この構造を形成するプロセスでは、n型クラッド層を形成した後、同じ不純物を用いて活性層を形成することが合理的である。n型クラッド層の形成では、不純物導入効率およびキャリア発生効率に優れ、また、使用実績のあるシリコンが使用される。したがって、その上の活性層を形成するときも、プロセスの効率上、クラッド層と同じ不純物が使用されるのが現状であった。
以上の理由から、量子井戸構造の障壁層に対しシリコン以外の不純物を導入すること、シリコン以外の不純物を導入した量子井戸を素子に応用することは、事実上、行われていなかった。上記公報も、シリコン以外の不純物を導入する可能性を示唆する記載はあっても、それらは抽象的な記載にとどまり、具体的な開示はなされていない。特に、シリコン以外の不純物が、本来の機能を発揮できる程度に導入された半導体層構造や素子を具体的にどのように作製するか等については何ら記載がない。
一方、特許文献3および4には、発光層に酸素をドーピングした発光ダイオードが記載されている。しかしながら、これらの公報に記載されている酸素ドーピング方法は、発光層へ均一に酸素をドープすることは困難であり、In濃度の濃淡や、組成の異なる層の界面における欠陥の発生等に応じ、発光層中に酸素が不均一に分布することが避けられなかった。こうした因子の影響を排除して発光層に均一に酸素をドープする方法はこれらの文献には記載されていない。後述するように、量子井戸構造の発光層を採用した場合、井戸層および障壁層に均一に酸素ドープすることは特殊な技術的手法を要するところ、このような作製方法は上記文献には記載されていない。
文献3の段落0022には以下のことを示唆する記載がある。
(i)In濃度の異なるInGaN層の界面では、ミスフィット転位等の発生により、酸素原子が集中的に捕獲されやすい。
(ii)InGaN層は、In濃度の低い主体相とIn濃度の高い従属相からなる多相構造を有する。酸素はIn濃度の高い従属相に取り込まれやすい。
したがって、In0.1Ga0.9N井戸層/GaN障壁層からなるMQWに同文献記載の酸素ドーピング法を適用すると、界面に酸素原子が集中的に捕獲されることや、In高濃度領域に酸素が高濃度で分布するものと考えられる。
一方、文献4には、終端井戸層内に、伝導帯および価電子帯が低ポテンシャル側に屈曲したバンド構成を形成するとともに、この終端井戸層に酸素をドープする構成が記載されている。この構成に対応する作用として、段落0063に、「終端井戸層からの発光強度を増加させる作用を有する。」と記載されている。しかしながら、量子井戸構造の発光層に酸素ドープする構成の直接的な記載はなく、また、酸素が均一にドープされた量子井戸構造の発光層を作る方法は記載されていない。
また、これらの公報に記載されている具体的構成は、サファイア等の異種基板を用いた発光ダイオードにとどまり、低転位基板を用いた場合に発光層へ酸素ドープすること、およびその効果については何ら記載されていない。
特開2001−185758号公報 特開2002−185085号公報(段落0016) 特開2000−164925号公報 特開2000−133884号公報
本発明は上記事情に鑑み、量子井戸構造を構成する半導体層の結晶性を良好に維持しつつ発光効率等の性能の改善を図ることを目的とする。
本発明によれば、基板と、該基板上に設けられた、III族窒化物半導体からなる井戸層および障壁層を含む量子井戸構造の発光層とを備え、前記井戸層および障壁層に、周期表第6B族元素からなる不純物が略均一にドープされていることを特徴とする半導体発光素子が提供される。
従来技術の項で述べたように、酸素や硫黄のような周期表第6B族元素を井戸層および障壁層に均一にドープすることは通常のドーピング手法では困難である。酸素等は、III族窒化物半導体中へ導入しにくく、特に、所望の濃度を制御性良く導入することは非常に困難である。また、酸素等は、量子井戸構造、特にInを含む量子井戸構造中で均一に分布させることが困難である。これは、酸素等の不純物は、In濃度の異なる2つの層の界面や、結晶中の欠陥に集中しやすい性質を有することに起因するものと推察される。
これに対し本発明者は、成長温度をある程度高温にしつつ酸素を過剰に供給する方法により、酸素等の不純物を略均一にドープした発光層を安定的に得ることに成功し、本発明の完成に至った。
量子井戸の不純物としてシリコンを用いた場合、その直上の層の品質に悪影響を及ぼすことがあり、この影響を抑制するためには、量子井戸中のシリコン濃度分布を精密に制御することが必要となる。これに対し、本発明は不純物として周期表第6B族元素を用いるため、層成長への悪影響が抑制され、細かな濃度分布制御等が不要となる。これは、ドープされた障壁層上に井戸層が形成されると、井戸層中に点欠陥が増加したり井戸層と障壁層の界面が乱雑となったりすることがあるのに対し、周期表第6B族元素、特にO、S、Seでは、このような弊害が少ないことによる。また、シリコン、ゲルマニウム、スズ、鉛のような周期表第4B族元素がIII族元素を置換して無理にIII族サイトに入るため、結晶に歪が入りやすいのに対し、周期表第6B族元素は窒化物半導体で生じやすい窒素空孔を埋める形で半導体層中に導入されるため、アンドープであれば生じるはずの欠陥を却って低減できることもその理由のひとつと考えられる。
また本発明によれば、第6B族元素不純物が発光層に略均一にドープされているため、発光特性を安定的に改善できる。その理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
第一の理由は、窒素空孔等を埋める効果が井戸層および障壁層にわたって得られることである。不均一ドープでは、こうした効果が一部の場所においてのみ発揮されるが、均一ドープにすれば、井戸層および障壁層において窒素空孔を埋めることができ、発光層の結晶品質を向上できる。
第二の理由は、必要な濃度のキャリアを安定的に発生できることである。酸素等の第6B族元素不純物は、キャリア発生効率が低いため、良好な発光特性を得るためのキャリアを充分に発生させることが困難である。充分な量のキャリアを発生させるためには酸素を高濃度に導入する必要があるが、前述したように、酸素等の不純物は一般に不均一な分布となりやすい。このため、高濃度の不純物を導入しようとすると、局所的にきわめて高濃度の不純物が導入される領域が生じ、その領域において結晶品質が低下するという課題が発生する。均一ドープではこうした課題を解決でき、結晶品質の低下を抑制しつつ充分な量の不純物を導入することができる。
以上により、均一ドープによる発光特性向上効果が得られるものと考えられる。
本発明において、第6B族元素不純物が発光層に略均一にドープされるが、略均一とは、最高濃度が最低濃度の5倍以下であることをいう。不純物濃度はSIMS(二次イオン質量分析)により検出することができる。なお、ここでいう不純物濃度は、SIMS測定で分析可能な解像度におけるものであり、たとえば発光層の積層方向に約1nm毎に平均不純物濃度を測定して得られる結果から判断できる。
なお、上記発明において、周期表第6B族元素からなる不純物は、井戸層および障壁層からなる領域に均一にドープされる。この不純物は、発光領域全体にわたって均一に分布することが好ましい。すなわち、井戸層の各部分に略均一に分布するとともに、障壁層の各部分に略均一に分布する態様とすることが好ましい。なお、上記領域は、発光層全体であってもよいし発光層の一部分であってもよい。たとえば、発光層のうち基板側の部分には上記不純物が導入されず、その上部に上記不純物が均一に分布していてもよい。発光層を構成するすべての井戸層および障壁層に上記不純物が均一に分布していてもよい。
また、本発明によれば、表面転位密度が1×10cm−2未満のIII族窒化物半導体基板と、その上に設けられた、III族窒化物半導体からなる井戸層および障壁層を含む量子井戸構造の発光層とを備え、前記発光層は、周期表第6B族元素を不純物として含むことを特徴とする半導体発光素子が提供される。
一般に、III族窒化物半導体では、窒素の蒸気圧が高いため、また、一般的なV族原料であるNH3の分解効率が悪いため、結晶中に窒素空孔が生成しやすいということがよく知られている。結晶中に窒素空孔が多く生じると、結晶の品質が低下する。6B族元素は、こうした窒素空孔に入り結晶品質を向上させることにも寄与し得る。
ところで、サファイア等の異種材料基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させた場合は、基板と半導体層の格子定数の相違等に起因し、基板と半導体層の界面から引き継がれる形で結晶中に多数の欠陥が導入される。この場合は、窒素空孔に起因する結晶欠陥は相対的に無視できる程度のものとなる。したがって、窒素空孔を埋めて結晶品質を向上させる6B族元素の機能は、異種基板上の成長では顕著に現れない。
一方、III族窒化物半導体基板のような低転位基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させた場合、基板との界面から引き継がれる結晶欠陥は比較的少なく、窒素空孔由来の欠陥の占める割合が相対的に大きくなる。この場合、窒素空孔を埋めて結晶品質を向上させる6B族元素の機能が顕著となる。
すなわち、III族窒化物半導体基板のような低転位基板上に結晶成長させた層構造では、低転位基板と6B族元素の機能との相乗作用により、結晶品質の向上が図られ、良好な発光効率が安定的に実現することが可能となる。
上記半導体発光素子において、基板と発光層との間に、周期表第4B族元素を含む半導体層を備えた構成としてもよい。また、この半導体層は、発光層に接して設けても良い。発光層より下の層とは、n型半導体層、たとえばn型クラッド層などをいう。量子井戸構造の発光層以外の半導体層に対するドーピングでは、不純物の種類による半導体層の品質への影響は比較的少ない。したがって、これらの層へのドーピングでは、導入効率やキャリア生成効率の良いキャリアを選択することが好ましい。こうした観点から、上記構成における発光層の下部の層には、導入効率等の点で優れる、周期表第4B族元素を選択している。このような層構造の例としては、シリコンをドープしたn型クラッド層上に、酸素をドープした量子井戸活性層を形成した構造が挙げられる。
さらに本発明によれば、周期表第6B族元素を含有するドーピングガス、III族原料ガスおよび窒素源ガスを含む混合ガスを用い、気相成長法により基板上にIII族窒化物半導体からなる発光層を形成する工程を含み、ドーピングガスのモル流量を、III族原料ガスのモル流量よりも過剰にすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法が提供される。
従来、周期表第6B族元素を不純物としてドープすることは通常行われていなかった。これは、周期表第6B族元素を不純物として用いた場合、ドーピング効率が低く、所望の性能を発現させることが困難だったからである。本発明においては、こうした問題を解決するため、ドーピングガスのモル流量を、III族原料ガスのモル流量よりも過剰にしている。すなわち、ドーピングガスのモル流量を、III族原料ガスのモル流量よりも多くしている。こうすることにより、III族窒化物半導体層中に、実効的な量の周期表第6B族元素を安定的にドーピングすることが可能となる。
上記製造方法において、気相成長法により、基板上に周期表第4B族元素を不純物として含有するIII族窒化物半導体層を形成した後、発光層を形成する工程を実施してもよい。このように複数の半導体層に対し、それぞれ異なる種類の不純物をドープする場合、半導体層成長中に不純物ガスの切り替え工程が必要になる。この過程における意図しない化合物の生成を抑制することが重要となる。特に、上記のようにシリコンを不純物とする成膜工程から酸素を不純物とする成膜工程への切り替えを要する場合、シリコン酸化膜が堆積する懸念が生じる。
こうした対策のため、上記製造方法において、III族元素サイトに入る不純物を含有するIII族窒化物半導体層を形成した後、成膜ガスをパージし、次いで発光層を形成するようにしてもよい。こうすることにより、不純物ガスの切り替え工程における問題を解消することができる。
本発明において、周期表第6B族元素および周期表第4B族元素は、n型不純物として用いることができる。
本発明において、発光層は量子井戸構造の層とすることができる。この場合、発光層を形成する工程は、井戸層および障壁層を交互に形成する工程を含み、障壁層を形成する際にドーピングガスを導入する構成となる。量子井戸は、単一井戸でも多重井戸でもよい。このような発光層に本発明を適用した場合、量子井戸における結晶品質の低下を抑えつつ発光効率の向上を図ることができ、効果的である。ここで、量子井戸を構成する障壁層とは井戸層を挟む上下に位置し、井戸層よりもバンドギャップが大きい層を指す。単一量子井戸構造の場合も、井戸層を挟む上下両層を障壁層と定義する。
本発明において、周期表第6B族元素としては、O、S、Se、Teを例示できる。一方、周期表第4B族元素は、たとえば、Si、Ge、Sn等を挙げることができる。
本発明において、発光層とは、キャリアが発光再結合する層のことをいう。但し、量子井戸層でキャリアを発光再結合させる素子の場合には、井戸層及び障壁層を含む単一または多重量子井戸構造の全体を発光層と定義する。なお、素子がレーザの場合には、発光層のことを活性層と呼ぶことが多い。
本発明に係る量子井戸構造は、半導体レーザ、発光ダイオード等の発光素子、太陽電池、光センサー等の受光素子、変調器等に適用することができ、また、FET(電界効果型トランジスタ)等の電子素子に適用することもできる。具体的には、発光素子の活性層や光導波路層等に適用した場合、優れた発光効率を実現することができる。一方、電子デバイスにおいてn型GaNを成長する際、GaN系半導体では欠陥が非常に多いため、大きな易動度を得るためには多量のn型不純物を添加する必要がある。その際、本発明に示すようにそのn型層の下層部のみにn型不純物のドーピングを行い、その後にアンドープ層を成長することにより、さらに上層に成長する層の結晶性を悪化させることなく良質のn型半導体層が得られる。なお、本発明における積層方向とは、基板上に半導体層が積層していく方向をいう。
本発明によれば、周期表第6B族元素を含む量子井戸構造を採用するため、量子井戸構造を構成する半導体層の結晶性が良好に維持され、発光寿命、発光効率に優れた半導体光素子を実現することができる。
本発明において採用する量子井戸構造は、発光層の少なくとも一部に周期表第6B族元素が導入されている。この量子井戸構造において、障壁層が、周期表第6B族元素を含みn型の導電型を有する領域を含むように構成されていることが好ましい。井戸層が周期表第6B族元素を含んでいても良い。
周期表第6B族元素としては、O、S、Se、Te等の元素が例示される。このうちO、S、Seは、安定的にキャリアを発生することができ、好ましい。また、O、Sは取扱が容易なため好ましい。特にOは、量子井戸構造へ導入した場合、実施例にて後述するように、PL(フォトルミネッセンス)特性を顕著に改善することができる。
不純物をOとする場合は、ドーピングガスとして、O2、H22、H2Oや、これらと不活性ガス等の混合ガスを用いることができる。また、不純物をSとする場合は、ドーピングガスとして、H2Sや、これらとH2ガス等の混合ガスを用いることができる。さらに、不純物をSeとする場合は、ドーピングガスとして、H2Seや、これらとH2ガス等の混合ガスを用いることができる。
この量子井戸構造における不純物の導入量は、量子井戸を構成する半導体層に導入された後、実効的な濃度のキャリアを発生させ、素子特性の改善に寄与する程度の量とすることが望まれる。ここで、多重量子井戸へ不純物を導入する場合、素子特性の改善効果を検討するには一量子井戸あたりのシート濃度に基づいて議論することが適切である。たとえば井戸数3、障壁層および井戸層の厚みを各7nmとし(量子井戸全厚みは49nm)、量子井戸全体の平均不純物濃度をxcm-3とすると、一量子井戸あたりのシート濃度は、
x×49×10-7/3=16×10-7×x(cm-2
となる。
本発明者らの検討によれば、量子井戸一個あたりの不純物のシート濃度、すなわち、発光層の厚みをd(nm)、周期表第6B族元素の発光層における平均体積濃度をx(cm-3)、量子井戸数をnとしたときに、
xd×10-7/n
で定義される不純物濃度を、3×1011cm-2以上とすることにより、発光素子の特性に改善効果が現れることが確認された。
次に好適なキャリア濃度について説明する。本発明者らがSIMS分析とホール測定を対比させ、検討したところ、酸素の場合、キャリア濃度は元素濃度の1/20倍であるというデータが得られた。この関係は、酸素以外の6B族元素についてもほぼ成り立つ。III族窒化物半導体中に酸素以外の6B族元素を導入したときに生成するエネルギー準位の伝導帯からの深さが、酸素および他の6B族元素で、ほぼ同等の値をとるからである。
この関係を用いると、発光素子の特性を改善するためには、キャリア濃度を
3×1011cm-2×(1/20)=1.5×1010cm-2
以上とすることが望まれる。
以上、発光素子の特性を向上させるための好ましい不純物濃度、キャリア濃度について説明した。次に、発光素子特性の中でも特にPL(フォトルミネッセンス)特性の改善効果が安定的に得られる、量子井戸一個あたりの濃度範囲について説明する。実施例1、図4〜5にて後述するように、III族窒化物半導体発光素子のInGaN量子井戸においては、キャリア濃度を、0.3×1012cm-2以上、好ましくは0.6×1012cm-2以上とすることが好ましい。不純物の元素濃度に換算すると、これを20倍して0.6×1013cm-2以上、好ましくは1.3×1013cm-2以上となる。キャリア濃度や不純物濃度をこのようにすることによって、良好なPL特性が得られる。
一方、不純物の導入量が多い場合でも一定程度のPL特性向上効果が認められ、この意味ではドープ量の上限について制限がない。ただし、過剰なドープ量の場合、結晶品質の低下により素子の諸特性の不安定化をもたらす場合がある。この観点からは、キャリア濃度を7×1012cm-2以下、不純物濃度を14×1013cm-2以下とすることが好ましい。
以上、酸素の例を挙げて好ましいドープ量を説明したが、酸素以外のS、Se、Teといった6B族元素についても同様にあてはまる。不純物元素濃度と、その不純物から発生するキャリア濃度との量的関係は、半導体層中における当該不純物のドナーレベルに強く依存するところ、上記元素のドナーレベルはほぼ同じ程度の値であるからである。
量子井戸構造を形成するための下地となる基板は、種々のものを採用することができる。たとえば、GaN、AlGaN等のIII族窒化物半導体基板、サファイア、SiC、MgAl24等の異種材料基板等を用いることができる。このうち、III族窒化物半導体基板を用いた場合、上記不純物導入との相乗作用により、発光効率の改善効果が、より一層顕著となる。この点について、以下、説明する。
一般に、III族窒化物半導体では、窒素の蒸気圧が高いため、また、一般的なV族原料であるNH3の分解効率が悪いため、結晶中に窒素空孔が生成しやすいということがよく知られている。結晶中に窒素空孔が多く生じると、結晶の品質が低下する。6B族元素は、こうした窒素空孔に入り結晶品質を向上させることにも寄与し得る。
ところで、サファイア等の異種材料基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させた場合は、基板と半導体層の格子定数の相違等に起因し、基板と半導体層の界面から引き継がれる形で結晶中に多数の欠陥が導入される。この場合は、窒素空孔に起因する結晶欠陥は相対的に無視できる程度のものとなる。したがって、窒素空孔を埋めて結晶品質を向上させる6B族元素の機能は、異種基板上の成長では顕著に現れない。
一方、III族窒化物半導体基板のような低転位基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させた場合、基板との界面から引き継がれる結晶欠陥は比較的少なく、窒素空孔由来の欠陥の占める割合が相対的に大きくなる。この場合、窒素空孔を埋めて結晶品質を向上させる6B族元素の機能が顕著となる。
すなわち、III族窒化物半導体基板のような低転位基板上に結晶成長させた層構造では、低転位基板と6B族元素の機能との相乗作用により、結晶品質の向上が図られ、良好な発光効率が安定的に実現することが可能となる。
上記観点から、III族窒化物半導体基板の表面転位密度は,たとえば108個/cm2以下、好ましくは107個/cm2以下とする。このような低転位基板は、たとえば以下に示すFIELO(Facet-Initiated Epitaxial Lateral Overgrowth)あるいはペンディオエピタキシ法等により得ることができる。
(FIELO法)
サファイア等の基板上に薄いGaNを形成し、その上にストライプ状のSiO2マスクを形成する。マスク開口部にGaNを選択横方向成長させることにより、表面転位密度の少ないGaN層が得られる。これは転位がSiO2マスクでブロックされるだけでなく、選択横方向成長時に基板水平方向に曲げられる為である。この方法は、「応用物理 第68巻、第7号(1999年)第774頁〜第779頁」等に記載されている。
(ペンディオエピタキシ法)
基板上に低温バッファ層を形成した後、単結晶からなるGaN層を形成する。次いでマスクを用いて選択エッチングすることによりストライプ状に延びたGaNのパターンを形成する。このGaNストライプの上面または側面から結晶成長させることにより、表面転位密度の少ない下地層を形成することができる。ペンディオエピタキシ法については、たとえば「Tsvetankas.Zhelevaet.Al.;MRSInternet J. Nitride Semicond.Res. 4S1、G3.38(1999)」等に記載されている。
なお、III族窒化物半導体基板の表面転位密度は、エッチピットを測定する、あるいは、断面部をTEM観察する等、公知の方法により測定することができる。
本発明における「III族窒化物半導体」は、一般式InxAlyGaN(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される窒化ガリウム系半導体としたときに効果的である。また、III族窒化物半導体層は、ウルツ鉱型の結晶構造を有するものとしたときに、より効果的である。このような材料を用いた場合、活性層中に大きなピエゾ電界が発生し、ピエゾ電界の影響が顕著となることから、本発明によるピエゾ電界の抑制効果がより顕著に発揮される。
本発明に係る量子井戸構造は、III族窒化物半導体からなる井戸層および障壁層が、[x,y,−(x+y),z](x、yは任意の整数であり、zは自然数)で表される結晶軸方向に交互に積層してなる構成を有する。たとえば、ウルツ鉱型の結晶構造を有するIII族窒化物半導体層であって、結晶成長軸が、c軸方向、すなわち[0001]方向に正の成分を有する半導体層とすることができる。このような半導体層として、たとえば、窒化ガリウム系半導体を例に挙げれば、(1−101)面、(11−21)面等を成長面とする半導体層が例示される。
このような結晶成長面の違いは、たとえば最表面がいかなる元素から構成されているかを評価することによって特定することができる。半導体材料としてInxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)を選択し、C面、すなわち(0001)面を結晶成長面とした場合、最表面はGa面(c面)となる。最表面がいかなる面であるかを確認するためには、X線分析が有効であるが、表面を所定の薬液でウエットエッチングすることにより簡便に確認することもできる。たとえば、窒化ガリウム系半導体の場合、水酸化カリウムのようなエッチング剤は、N極性の面だけをエッチングすることが知られており、これを用いることによりGa面(c面)かN面(−c面)か、容易に判定することができる。
本発明で規定する結晶成長面を有する半導体層とするためには、結晶成長基板、基板の結晶成長面、半導体層の成長条件等を適宜選択することが重要である。また、基板表面の洗浄を適切な条件で行うことも重要であり、たとえば、サファイアc面上に、C面、すなわち(0001)面を結晶成長面とする半導体層を成長させるためには、基板表面を水素雰囲気下、所定の条件で熱処理することが有効である。
本発明は、井戸層がInを含む構成に適用した場合、より効果的である。Inは活性層中で相分離を起こしやすいことが知られている。このため量子井戸中にピエゾ電界が発生すると、Inの相分離による組成不均一と、ピエゾ電界とによる作用とが相俟って、発振波長が多波長になる、或いは注入電流によって発光波長分布が変動するといった現象を引き起こす場合がある。本発明によれば、このような現象を効果的に抑制でき、Inを含む量子井戸活性層本来の特性を発揮させることができる。
本発明における、酸素が均一にドープされた量子井戸構造の発光層は、たとえば以下の条件を採用し、適宜製造条件を調整することにより形成することができる。
(i)基板温度:650〜900℃、好ましくは745〜780℃
(ii)成長速度:0.1〜10μm/h、好ましくは0.1〜1μm/h
または
Ga原料供給量:2〜200μmol/min、好ましくは2〜23.3μmol/min
(iii)In組成:0.01〜0.25
または
In原料供給量:1〜100μmol/min、好ましくは6.66〜11.1μmol/min
(iv)酸素原料供給量:10-5〜10-1 mol/min、好ましくは10-4〜10-2 mol/min
上記(i)〜(iv)をいずれも満たす条件とすることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。実施例および参考例においてドーピングガスとして用いるシラン (SiH4)は、10ppmに水素希釈したものを用いている。また、各実施例では、発光波長が400〜410nm程度となるように素子を設計した。また、量子井戸構造形成工程において酸素をドーピングする実施例では、酸素ドーピングガスのモル流量を、III族原料ガスのモル流量よりも過剰にしている。
〈実施例1〉
本実施例では、酸素をドーピングした量子井戸構造を作製し、その特性を評価した。
図1は、本実験例で用いた試料の層構造を示す図である。サファイア基板1300上に成膜されたアンドープGaN層1301の上部に量子井戸層構造の半導体多層膜を有し、その上部に保護膜1304が形成されている。量子井戸を構成する障壁層1302および井戸層1303は、いずれもInGaNにより構成されている。酸素ドープは、障壁層および井戸層を成長する際、窒素で希釈した酸素を成膜室内に導入することによって行っている。
図2は、基板温度765℃で作製した試料の室温でのホール測定結果である。図2(a)より、いずれの不純物についても、供給量に比例してキャリア濃度が制御できること、酸素ドープはシリコンドープよりもドーピング効率が低いことが確認された。また、図2(b)より、シリコンドープに比べ、酸素ドープの方が、易動度に対するキャリア濃度依存性が顕著であることが確認された。このことから、酸素ドープにより量子井戸層の特性を制御することの困難性が理解される。なお、このホール測定結果と後述のSIMS分析結果(図6)から、酸素ドーピングの場合、ドーピングした酸素の1/20がキャリアを生成することが確認された。
図3は、キャリア濃度(酸素ドープ量に比例する)の成長温度依存性を示す図である。前述のように、本実験における酸素導入は、障壁層および井戸層成長時に酸素を導入しているが、この層成長のときの基板温度を横軸にとっている。図の結果から、酸素のドープ量は温度依存性が強く、高温成長では著しく低い濃度の酸素しかドープされないことがわかる。また、温度が低すぎる場合もドープ量はかえって減少しているが(図中、735℃のデータ)、これは酸素が取り込まれすぎて結晶性が悪化しているためと思われる。なお基板温度の上昇とともに酸素ドープ量が低下していることから、この強い温度依存性は酸素の分解効率によるものではない。一方、通常の不純物として利用されているシリコンは、温度依存性がきわめて小さい。このことは、InGaNの成長温度である700〜800℃、n型AlGaNクラッド層成長時の温度である1000〜1150℃のいずれにおいても、同等の導入効率が得られことからも明らかである。以上のことから、酸素をドーピングする場合、発光素子の特性を向上させることのできる程度の濃度をドープするためのドープ条件は、非常に狭い範囲内にあることがわかる。
図4および図5は、図1の構造について、PL(フォトルミネッセンス)特性のキャリア濃度依存性を評価したものである。図4(a)は積分強度、図4(b)は発光寿命、図5(a)はFWHM(Full Width of Half Maximum)、図5(b)は発光波長をそれぞれ示している。グラフ中、「シートキャリア濃度」とあるのは、量子井戸一個あたりのシートキャリア濃度を意味する。
これらの結果から、一量子井戸あたりの濃度範囲を、
0.6×1012cm-2以上7×1012cm-2以下のキャリア濃度(シート濃度)
1.3×1013cm-2以上14×1013cm-2以下の元素濃度(シート濃度)
とすることにより、良好なPL特性が安定的に得られることが明らかになった。なお、本実施例で用いたPL(フォトルミネッセンス)特性の評価方法は、量子井戸層以外の層構造以外の影響は受けない。したがって上記の結果は、類似の量子井戸構造を有する様々な半導体レーザや発光ダイオード等に対しても同様にあてはまる。
図6は、図1と同様の構造について、量子井戸中の酸素濃度をSIMSにより分析した結果である。量子井戸中に酸素が2×1019cm-3程度存在していることが確認された。量子井戸層全体の厚みは49nm、井戸数3であるので、一量子井戸あたりの元素濃度(シート濃度)は、
2×1019(cm-3)×49×10-7/3=3.3×1013(cm-2
となる。
以上の実験はサファイア基板を用いたものであったが、前述したFIELO法により得た低転位GaN基板(表面転位密度1017個以下)を用いた実験したところ、上記と同様、優れたPL特性を示す構造が得られた。図7は、サファイア基板を用いた構造とGaN基板を用いた構造の発光特性を比較したものである。FIELO基板を用いたものも、良好な発光強度、発光寿命を示すことが確認された。
〈実施例2〉
本実施例では、酸素ドープした量子井戸活性層を有する半導体レーザを作製し、評価した。
図8は本実施例に係るIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。図8において、C面を表面とする厚さ330μmのサファイア基板401上に、厚さ40nmの低温GaNバッファー層402、厚さ1.5μmのn型GaNコンタクト層403、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層404、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層405、厚さ3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ10nmのIn0.02Ga0.98N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層420、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層407、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層408、厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層409、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層410、Ni / Auの2層金属からなるp電極411、Ti / Alの2層金属n電極412が形成されている。図8において、p型クラッド層409とp型GaNコンタクト層410はエッチングによって幅3μmのストライプ状のリッジ構造413に加工され、リッジの頭部を除いて形成されたSiO2膜414によって電流をリッジ部分のみに狭窄している。また、図8において、エッチングによりn型GaNコンタクト層403を露出させ、その上面にn電極412を形成している。
次に、図8の層構造の工程について説明する。各半導体層の形成には有機金属化学気相成長装置(以下MOCVD)を用いた。成長圧力は半導体層の成長のすべての領域で100Torrとした。またV族元素供給源としてアンモニア(以下NH3)を、III族元素供給源としてトリメチルガリウム(以下TMG)、トリメチルアルミニウム(以下TMA)、トリメチルインジウム(以下TMI)、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(以下(EtCp)2Mg)、H2希釈10 ppmのシラン (以下SiH4)、N2希釈20%の酸素(O2)を用い、有機金属についてはそれぞれのシリンダー温度を−10℃、20℃、30℃、30℃として、圧力760TorrのN2でバブリングすることにより、その飽和蒸気を反応管内に供給した。まず、反応管内にC面を表面とするサファイア基板401を設置し、水素雰囲気下で1100℃に加熱し、基板表面の清浄を行った。次に基板温度を500℃とし、TMG5sccm及びNH310slmを供給してサファイア基板401上に40nmの低温GaNバッファー層402を形成した。次にTMGの供給を中止し、基板温度を1100℃とした。ついでTMG15sccm, 不純物としてのSiH45sccm及びNH310slmを供給して基板上に厚さ1.5μmのn型GaNコンタクト層403を形成した。さらに、基板上にTMG15sccm, TMA5sccm, SiH45sccm及びNH310slmを供給し、厚さ1μmのn型 Al0.07Ga0.93Nクラッド層404を、ついでTMG15sccm, SiH45sccm及びNH310slmを供給し、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層405を形成した。つぎに、基板401の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI50sccmもしくは30sccm、O5sccm及びNH310slmを供給して基板上に膜厚3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と膜厚5nmのIn0.02Ga0.98N障壁層の3周期からなる多重量子井戸構造活性層420を形成した。
ここで、多重量子井戸構造活性層420の形成について詳しく説明する。まず、多重量子井戸構造活性層420の形成前には、SiH4を用いたn型GaN光ガイド層405の形成が行なわれているため、SiH4と次に使用するO2が配管や反応管内で反応して、SiO2などが生成されてしまう怖れがある。そこで、n型GaN光ガイド層405の形成終了後、いったん成長を中断し、パージガスを流し、10秒程度以上のパージを行なう。この際に反応間に供給するパージガスはNH3とキャリアのみである。一般にGaNは比較的高温(約1000℃程度以上)でH2キャリアを用いて成長を行うのに対し、InGaNは比較的低温(700〜800℃程度)でN2キャリアを用いて成長することが多いため、この間に基板の降温やキャリアガス切り替えを行なうと良い。
なお、本実施形態では、光ガイド層405の不純物としてSiを用い、活性層420の不純物として酸素を用いた。両方とも酸素をドープする方法も考えられるが、本実施形態のようにすることで、良好な発光特性が安定的に得られる。
つづいてサファイア基板401の温度を800℃に保持し、図9に示すような量子井戸構造を形成する。まずn型GaN光ガイド層405上に、TMG10sccm, TMI30sccm, O2 20sccm及びNH310slmを供給して10nmのn型In0.02Ga0.98N障壁層550を形成する。つづいてTMIの供給量を50sccmに増量し、酸素の供給を停止し、3nmのIn0.2Ga0.8N井戸層553を形成する。この工程を3周期繰り返し、最後はn型In0.02Ga0.98N障壁層550で終了する。以上の活性層形成工程を、成長装置から取り出すことなく実施した。前述したように、Siドープに比べ酸素ドープは基板温度に敏感なので、ドープ量を実用的な範囲(たとえば設計値の1/2程度から2倍程度まで)に抑えるためには、基板温度に関し±5℃の制御が必要である。これは十分に実現可能な程度である。
このように形成した多重量子井戸構造活性層420上にTMG15sccm, TMA5sccm, 不純物として(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層407を形成した。ついで基板401の温度を1100℃に保持し、基板上にTMG15sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給して厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層408を形成した。ついでTMG15sccm, TMA5sccm, 不純物として(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給してp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層409を形成した。
つぎに基板上にTMG15sccm, (EtCp)2Mg5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層410を形成した。その後、基板401を成長装置より取り出し、エッチングによりp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層409とp型GaNコンタクト層410を幅3μmのストライプ状のリッジ構造413に加工した。さらにリッジの頭部を除いてSiO2膜414を形成し、Ni / Auの2層金属からなるp電極411を真空蒸着により形成した。また、エッチングによりn型 GaNコンタクト層403を露出させ、その上面にTi / Alの2層金属からなるn電極412を真空蒸着により形成した。
本実施形態では、量子井戸構造活性層420を形成する際、大流量の酸素を流している。Siをドープする場合、SiH4の供給量が2.2 nmol/min(10 ppm、5 sccm)であるのに対し、本実施例でのO2の供給量は0.36 mmol/min(20%、20 sccm、O原子換算)と5桁程度も多い。これは、Si-Nの結合が比較的強い(439±38 kJ/mol)ために、結晶表面に付着したSiは再蒸発することなくほぼすべて結晶中に取り込まれるのに対し、Ga-Oの結合が比較的弱い(353.6±41.8 kJ/mol)ために、結晶表面に付着したOのうち大部分は再蒸発することが原因と考えられる。このことは、Oドープした試料のキャリア濃度が強く基板温度に依存することとも符合する(図3)。
得られた半導体レーザの活性層は、図9のように、n型領域を含む障壁層/井戸層がこの順で積層した構造を有する。各層におけるシートキャリア濃度は、1.5×1012cm-2程度であり、酸素濃度は、3×1013cm-2程度であった。
なお、上記と同様のプロセスで半導体層を形成した試料についてウエットエッチングによる簡易評価を行い、p型GaNコンタクト層410の極性を調べたところ、この層の表面はGa面(c面)であることが確認された。
本実施例の半導体レーザについて、発光強度および発光寿命を常法により評価したところ、発光強度は17a.u.、発光寿命は3.25nsであった。本実施例によれば、活性層の結晶性を良好に維持しつつ発光効率を向上させることができる。
また本実施例で示した製造方法によれば、InGaN量子井戸活性層の不純物ドーピングの際、水素による組成変動等を防止できるという利点もある。InGaNの成長工程のキャリアガスは、窒素等の不活性ガスが望ましい。水素キャリアを用いると、水素がInの取り込まれ効率に影響を与え、InGaN組成、InGaN発光波長の変動をもたらすことがあるためである。ここで、シリコンのドーピングガスであるSiH4は、通常、水素希釈されている。したがって、このドーピングガスを用いてInGaNの成長を行った場合、水素の存在によりInGaN組成、InGaN発光波長が変動する場合がある。本実施例では、酸素をドーパントとし、これを窒素で希釈したドーピングガスを用いている。窒素を希釈ガスとして用いるため、Inの取り込まれ効率の変動が少なく、安定したInGaN組成およびInGaN発光波長を得ることができる。
〈実施例3〉
本実施例では、GaN低転位基板上にIII族窒化物半導体層を成長させ、酸素ドープした量子井戸活性層を有する半導体レーザを作製し、評価した。図10は、本実施例に係るIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。このIII−V族窒化物半導体レーザは、C面を表面とする厚さ330μmのn型GaN基板651上にレーザ構造が形成されている。このn型GaN基板651は、前述したFIELO法により作製したものであり、リン酸系溶液を用いて発生させたエッチングピットの密度を測定したところ、表面転位密度が108個/cm2未満であった。基板の表面転位密度が低いため、その上部に形成される活性層の転位密度を低減でき、n型不純物のドーピングプロファイルによる発光効率の向上効果が、より顕著に得られる。以下、本実施例の半導体レーザの製造方法について説明する。
まずn型GaN基板651上に、厚さ1.5μmのn型 GaN層652、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層653、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層654、厚さ3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ10nmのIn0.02Ga0.98N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層655、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層656、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層657、p型GaN光ガイド層657上に形成され、方向の幅2μmのストライプ状開口部663を持った厚さ0.2μmの酸化珪素マスク658、酸化珪素マスク658上に選択的に形成された厚さ0.5μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層659、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層660、Ni / Auの2層金属からなるp電極661、Ti / Alの2層金属n電極32が形成されている。
次に、半導体層の形成工程について説明する。半導体層の形成にはMOCVDを用いた。成長圧力はすべての領域で100Torrとした。またV族元素供給源としてNH3を、III族元素供給源としてTMG、TMA、TMI、 (EtCp)2Mg、SiH4を用い、有機金属についてはそれぞれのシリンダー温度を-10℃、20℃、30℃として、圧力760TorrのN2でバブリングすることにより、その飽和蒸気を反応管内に供給した。まず、反応管内にC面を表面とするn型GaN基板651を設置し、水素雰囲気下で1100℃に加熱し、ついでTMG15sccm, ドーパントとしてのSiH45sccm及びNH310slmを供給して基板上に厚さ1.5μmのn型GaN層652を形成した。さらに、基板上にTMG15sccm, TMA5sccm, SiH45sccm及びNH310slmを供給し、厚さ1μmのn型 Al0.07Ga0.93Nクラッド層653を、ついでTMG15sccm, SiH45sccm及びNH310slmを供給し、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層654を形成した。つぎに、N型GaN基板651の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI50sccmもしくは30sccm及びNH310slmを供給して基板上に膜厚3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と膜厚10nmのIn0.02Ga0.98N障壁層の3周期からなる多重量子井戸構造活性層655を形成した。
ここで、多重量子井戸構造活性層655の形成について図11を用いて詳しく説明する。N型GaN基板651の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI30sccm,O2(酸素)20sccm及びNH310slmを供給して10nmのn型In0.02Ga0.98N層750を形成する。次にTMIの供給量を50sccmに増量し、3nmのアンドープIn0.2Ga0.8N層753を形成する。この工程を3周期繰り返し、最後はn型In0.02Ga0.98N層750で終了する。以上の活性層形成工程を、成長装置から取り出すことなく実施した。
図10にもどり、つぎに量子井戸構造活性層655上にTMG15sccm, TMA5sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層656を形成した。ついでN型GaN基板651の温度を1100℃に保持し、基板上にTMG15sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給して厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層657を形成した。つぎに酸化珪素マスク658を形成した。まずN型GaN基板651を室温まで冷却したのち成長装置から取り出し、スパッタ装置により膜厚0.2μmの酸化珪素膜を形成したのち、フォトリソグラフ工程及びエッチング工程によって幅2.0μmの開口部663を形成した。その後、再びN型GaN基板651を成長装置に設置して1100℃に加熱し、TMG15sccm, TMA5sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給してp型Al0.2Ga0.8Nクラッド層659を形成した。つぎにTMG15sccm, (EtCp)2Mg5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層660を形成した。その後、基板を成長装置より取り出し、リッジの頭部を除いて酸化珪素膜664を形成し、Ni / Auの2層金属からなるp電極661を真空蒸着により形成した。また、N型GaN基板651の裏面にTi / Alの2層金属からなるn電極662を真空蒸着により形成した。
得られた半導体レーザの活性層は、図11のように、n型領域を含む障壁層/井戸層がこの順で積層した構造を有する。シートキャリア濃度は、1×1012cm-2程度であり、酸素濃度は、2×1013cm-2程度であった。
なお、上記と同様のプロセスで半導体層を形成した試料についてウエットエッチングによる簡易評価を行い、p型GaNコンタクト層660の極性を調べたところ、この層の表面はGa面(c面)であることが確認された。
本実施例の半導体レーザについて、発光強度および発光寿命を常法により評価したところ、発光強度は18a.u.、発光寿命は4.0nsであった。本実施例によれば、活性層の結晶性を良好に維持しつつ発光効率を向上させることができる。
〈参考例1〉
図13は本例に係るIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。図13において、このIII−V族窒化物半導体レーザは、C面を表面とする厚さ330μmのn型GaN基板601上にレーザ構造が形成されている。このn型GaN基板601は、前述したFIELO法により作製したものであり、リン酸系溶液を用いて発生させたエッチングピットの密度を測定したところ、表面転位密度が108個/cm2未満であった。基板の表面転位密度が低いため、その上部に形成される活性層の転位密度を低減でき、n型不純物のドーピングプロファイルによる発光効率の向上効果が、より顕著に得られる。以下、本例の半導体レーザの製造方法について説明する。
まずn型GaN基板601上に、厚さ1.5μmのn型 GaN層602、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層603、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層604、厚さ3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ10nmのIn0.02Ga0.98N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層605、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層606、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層607、p型GaN光ガイド層607上に形成され、方向の幅2μmのストライプ状開口部613を持った厚さ0.2μmの酸化珪素マスク608、酸化珪素マスク608上に選択的に形成された厚さ0.5μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層609、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層610、Ni / Auの2層金属からなるp電極611が形成されている。また、n型GaN基板601の裏面にn電極32が形成されている。
次に、半導体層の形成工程について説明する。半導体層の形成にはMOCVDを用いた。成長圧力はすべての領域で100Torrとした。またV族元素供給源としてNHを、III族元素供給源としてTMG、TMA、TMI、 (EtCp)2Mg、SiHを用い、有機金属についてはそれぞれのシリンダー温度を-10℃、20℃、30℃として、圧力760TorrのN2でバブリングすることにより、その飽和蒸気を反応管内に供給した。まず、反応管内にC面を表面とするn型GaN基板601を設置し、水素雰囲気下で1100℃に加熱し、ついでTMG15sccm, ドーパントとしてのSiH5sccm及びNH10slmを供給して基板上に厚さ1.5μmのn型GaN層602を形成した。さらに、基板上にTMG15sccm, TMA5sccm, SiH5sccm及びNH10slmを供給し、厚さ1μmのn型 Al0.07Ga0.93Nクラッド層603を、ついでTMG15sccm, SiH5sccm及びNH10slmを供給し、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層604を形成した。つぎに、N型GaN基板601の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI50sccmもしくは30sccm及びNH10slmを供給して基板上に膜厚3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と膜厚10nmのIn0.02Ga0.98N障壁層の3周期からなる多重量子井戸構造活性層605を形成した。
ここで、多重量子井戸構造活性層605の形成について図14を用いて詳しく説明する。N型GaN基板601の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI30sccm, SiH5sccm及びNH10slmを供給して2.5nmのn型In0.02Ga0.98N層701を形成する。次にSiHの供給のみを停止し、他の原料を100秒間供給し続け、7.5nmのアンドープIn0.02Ga0.98N層702を形成する。さらにTMIの供給量を50sccmに増量し、3nmのアンドープIn0.2Ga0.8N層703を形成する。この工程を3周期繰り返し、最後はアンドープIn0.02Ga0.98N層702で終了する。以上の活性層形成工程を、成長装置から取り出すことなく実施した。
図13にもどり、つぎに量子井戸構造活性層605上にTMG15sccm, TMA5sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH10slmを供給し、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層606を形成した。ついでN型GaN基板601の温度を1100℃に保持し、基板上にTMG15sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH10slmを供給して厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層607を形成した。つぎに酸化珪素マスク608を形成した。まずN型GaN基板601を室温まで冷却したのち成長装置から取り出し、スパッタ装置により膜厚0.2μmの酸化珪素膜を形成したのち、フォトリソグラフ工程及びエッチング工程によって幅2.0μmの開口部613を形成した。その後、再びN型GaN基板601を成長装置に設置して1100℃に加熱し、TMG15sccm, TMA5sccm, ドーパントとして(EtCp)2Mg 5sccm及びNH10slmを供給してp型Al0.2Ga0.8Nクラッド層609を形成した。つぎにTMG15sccm, (EtCp)2Mg5sccm及びNH10slmを供給し、厚さ0.05μmのp型GaNコンタクト層610を形成した。その後、基板を成長装置より取り出し、リッジの頭部を除いて酸化珪素膜614を形成し、Ni / Auの2層金属からなるp電極611を真空蒸着により形成した。また、N型GaN基板601の裏面にTi / Alの2層金属からなるn電極32を真空蒸着により形成した。
得られた半導体レーザの活性層は、図14のように、障壁層アンドープ領域/井戸層/障壁層n型領域がこの順で積層した構造を有する。各層のプロファイルは以下のとおりであった。
障壁層アンドープ領域(In0.02Ga0.98N層702):層厚7.5nm、Si濃度1×1017cm−3未満
井戸層(アンドープIn0.2Ga0.8N層703):層厚3nm、Si濃度1×1017cm−3未満
障壁層n型領域(n型In0.02Ga0.98N層701):層厚2.5nm、Si濃度(平均値)4×1018cm−3
Si濃度はSIMSにより測定した。
また、上記と同様のプロセスで半導体層を形成した試料についてウエットエッチングによる簡易評価を行い、p型GaNコンタクト層610の極性を調べたところ、この層の表面はGa面(c面)であることが確認された。
本例の半導体レーザについて、発光強度および発光寿命を常法により評価したところ、発光強度は12a.u.、発光寿命は1.0nsであった。
本例では、n型不純物をドープした障壁層を成長した後、n型不純物原料を停止する時間を設けることにより、反応管内部や成長装置の配管内に残留したn型不純物原料が井戸層成長中に供給されることを防ぐことができるため、井戸層がn型不純物に汚染されず、高品質な井戸層が得られる。この結果、上記のように発光効率の高い発光素子を得ることができる。
また、障壁層のうち井戸層直下の部分については、成長を阻害するn型不純物を導入せずアンドープとし、結晶性の向上を図っている。このアンドープ層を成長している間に、ドープ層形成時に劣化した結晶性が回復する。このため、その上に形成される井戸層の結晶性を向上させることができ、この点からも、発光素子の発光効率が改善される。
さらに本例では、結晶成長下地基板として、低転位密度のN型GaN基板601を用いている。このため、サファイア基板を用いた場合よりも量子井戸活性層の結晶性が良好であり、上記Si濃度プロファイルの採用による発光効率の改善効果がより顕著となる。
なお、本例では、n型不純物ドープ層701とアンドープ層702の二種類の層で障壁層を形成しているが、この二種類のn型不純物の濃度の違う層の間に、スロープ状に濃度変化する層、階段状に濃度変化する層を挿入し、濃度変化させることによっても同様の効果を得ることができる。
〈参考例2〉
参考例1、図13に示した半導体レーザにおいて、活性層のSiドーピングプロファイルを図15(a)、(c)および(e)のようにした試料をそれぞれ作製・評価した。
試料aは、図15(a)のn型不純物ドーピングプロファイルを採用したものであり、障壁層10nm、井戸層3nmとしている。
試料bは、図15(c)のn型不純物ドーピングプロファイルを採用したものであり、障壁層10nm、井戸層3nmとし、障壁層アンドープ領域を5nm、障壁層n型領域を5nmとしている。
試料cは、図15(e)のn型不純物ドーピングプロファイルを採用したものであり、障壁層10nm、井戸層3nmとし、障壁層アンドープ領域を5nm、障壁層n型領域を各2.5nmとしている。
試料a、bおよびcにおいて、障壁層アンドープ領域ではSi濃度1×1017cm−3未満、障壁層n型領域ではSi濃度(平均値)を4×1018cm−3とした。結果を表1に示す。
〈参考例3〉
参考例1、図13に示した半導体レーザにおいて、障壁層n型領域(n型In0.02Ga0.98N層701)のSi濃度(平均値)を1×1019cm−3とした試料を作製・評価した。結果を表1に示す。本例のSi濃度では、発光効率はかえって低下することが明らかになった。
Figure 2004200671
〈実施例4〉
本実施例では、酸素ドーピング量子井戸活性層を有するIII−V族窒化物発光ダイオードを作製、評価した。
図12は本実施例に係るIII−V族窒化物発光ダイオードの概略断面図である。図12において、C面を表面とする厚さ330μmのサファイア基板1001上に、厚さ100nmの低温GaNバッファー層1002、厚さ4μmのn型 GaNコンタクト層1003、厚さ3nmのOドープIn0.45Ga0.55Nからなる量子井戸層1004、厚さ100nmのp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層1005、厚さ0.5μmのp型GaNコンタクト層1006、Ni / Auの2層金属からなるp電極1007、Ti / Alの2層金属n電極1008が形成されている。エッチングによりn型 GaNコンタクト層1003を露出させ、その上面にn電極1008を形成している。
次に、図12の層構造の形成工程について説明する。各半導体層の形成には有機金属化学気相成長装置(以下MOCVD)を用いた。成長圧力は半導体層の成長のすべての領域で100Torrとした。またV族元素供給源としてアンモニア(以下NH3)を、III族元素供給源としてトリメチルガリウム(以下TMG)、トリメチルアルミニウム(以下TMA)、トリメチルインジウム(以下TMI)、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(以下(EtCp)2Mg)、H2希釈10 ppmのシラン (以下SiH4)、N2希釈20%の酸素(O2)を用い、有機金属についてはそれぞれのシリンダー温度を−10℃、20℃、30℃、30℃として、圧力760TorrのN2でバブリングすることにより、その飽和蒸気を反応管内に供給した。まず、反応管内にC面を表面とするサファイア基板1001を設置し、水素雰囲気下で1100℃に加熱し、基板表面の清浄を行った。次に基板温度を500℃とし、TMG5sccm及びNH310slmを供給してサファイア基板1001上に100nmの低温GaNバッファー層1002を形成した。次にTMGの供給を中止し、基板温度を1100℃とした。ついでTMG15sccm, ドーパントとしてのSiH45sccm及びNH310slmを供給して基板上に厚さ4μmのn型GaNコンタクト層1003を形成した。つぎに、サファイア基板1001の温度を800℃に保持し、TMG10sccm, TMI50sccmもしくは30sccm、O2 20sccm及びNH310slmを供給して基板上に膜厚3nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層1004を形成した。
このように形成した量子井戸層1004上にTMG15sccm, TMA5sccm, 不純物として(EtCp)2Mg 5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ100nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層1005を形成した。ついで基板1001の温度を1100℃に保持し、サファイア基板上にTMG15sccm, (EtCp)2Mg5sccm及びNH310slmを供給し、厚さ0. 5μmのp型GaNコンタクト層1006を形成した。その後、基板1001を成長装置より取り出し、Ni / Auの2層金属からなるp電極1007を真空蒸着により形成した。また、エッチングによりn型 GaNコンタクト層1003を露出させ、その上面にTi / Alの2層金属からなるn電極1008を真空蒸着により形成した。最後にウエハを350μm□に切断し、素子を得た。本実施例の発光ダイオードについて、性能評価したところ、良好な発光強度および発光寿命が得られた。
〈参考例4〉
本例では、酸素を流すことなく、水分を含むアンモニアガスを用いて酸素ドーピングした量子井戸構造を作製したこと以外は実施例2と同様にして半導体レーザを作製し、評価した。アンモニア中の水分量は15ppm(重量基準)とした。
得られた半導体レーザの量子井戸活性層をSIMSにより分析したところ、酸素濃度の最大値が酸素濃度の最低値の10倍を超える値となった。また、本例の半導体レーザの発光強度は10a.u以下であった。
〈実施例5〉
本実施例は、硫黄(S)をドーピングした量子井戸構造の活性層に関する。ドーピング種類が異なること以外は、本実施例に係る層構造は、実施例1の図1で説明したものと同様の層構造となっている。すなわち、サファイア基板1300上に成膜されたアンドープGaN層1301の上部に量子井戸層構造の半導体多層膜を有し、その上部に保護膜1304が形成されている。量子井戸を構成する障壁層1302および井戸層1303は、いずれもInGaNにより構成されており、これらにS(硫黄)がドープされている。硫黄ドープは、障壁層および井戸層を成長する際、水素(H2)で希釈した硫化水素(H2S)を成膜室内に導入することによって行う。
硫黄を用いた場合も、酸素を用いた場合と同様、供給量に比例してキャリア濃度を制御することができる。しかし、やはり酸素ドープと同様、シリコンドープよりもドーピング効率が低く、かつ、シリコンドープに比べて易動度に対するキャリア濃度依存性が顕著である。したがって、量子井戸層の特性を制御することは容易ではない。さらに、酸素ドーピングと同様、ドーピングした不純物のおよそ1/20がキャリアを生成する。
加えて、硫黄のドープ量は、酸素の場合と同じく、温度依存性が強く、高温成長では著しく低い濃度の硫黄しかドープされない。また、温度が低すぎる場合も硫黄が取り込まれすぎて結晶性が悪化してキャリア密度は減少する。したがって、硫黄をドーピングする場合も、酸素と同じく、発光素子の特性を向上させることのできる程度の濃度をドープするためのドープ条件は、非常に狭い範囲内にあることとなる。
硫黄の場合も、一量子井戸あたりの濃度範囲を、0.6×1012cm-2以上7×1012cm-2以下のキャリア濃度(シート濃度)1.3×1013cm-2以上14×1013cm-2以下の元素濃度(シート濃度)とすることにより、良好なPL特性が安定的に得られる。なお、量子井戸構造のPL特性は、他の層構造以外の影響は基本的には受けない。したがって上記の内容は、類似の量子井戸造を有する様々な半導体レーザや発光ダイオード等に対しても同様にあてはまる。
上記実施例はサファイア基板を用いたものであるが、前述したFIELO法により得た低転位GaN基板(表面転位密度1017個以下)を用いても、上記と同様、優れたPL特性を示す構造が得られる。
以上、実施例に基づいて本発明の内容を詳述した。これらについては、発光層にドープされた不純物の濃度の最大値が最小値の5倍以下となっており、優れた発光特性が得られる。
実施例1および実施例5で用いた試料の層構造を示す図である。 実施例1におけるホール測定結果を示すグラフである。 キャリア濃度(酸素ドープ量に比例する)の成長温度依存性を示す図である。 図1の構造を有する半導体レーザについて、PL(フォトルミネッセンス)特性のキャリア濃度依存性を評価した結果を示す図である。 図1の構造を有する半導体レーザについて、PL(フォトルミネッセンス)特性のキャリア濃度依存性を評価した結果を示す図である。 図1と同様の構造について、量子井戸中の酸素濃度をSIMSにより分析した結果を示す図である。 サファイア基板を用いた構造とGaN基板を用いた構造の発光特性を比較した図である。 実施例2で説明したIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。 図8における多重量子井戸構造活性層の構造を示す図である。 実施例3で説明したIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。 図10における多重量子井戸構造活性層の構造を示す図である。 実施例4で説明したIII−V族窒化物半導体発光ダイオードの概略断面図である。 参考例で説明したIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。 参考例で説明したIII−V族窒化物半導体レーザの概略断面図である。 参考例で説明したIII−V族窒化物半導体レーザのドーピングプロファイルを説明するための図である。
符号の説明
401 サファイア基板
402 低温GaNバッファー層
403 n型GaNコンタクト層
404 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
405 n型GaN光ガイド層
406 多重量子井戸構造活性層
407 p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層
408 p型GaN光ガイド層
409 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
410 p型GaNコンタクト層
411 p電極
412 n電極
413 リッジ構造
414 SiO2
420 多重量子井戸構造活性層
550 n型In0.02Ga0.98N障壁層
553 アンドープIn0.2Ga0.8N井戸層
601 n型GaN基板
602 n型GaN層
603 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
604 n型GaN光ガイド層
605 多重量子井戸構造活性層
606 p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層
607 p型GaN光ガイド層
608 酸化珪素マスク
609 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
610 p型GaNコンタクト層
611 p電極
612 n電極
613 開口部
614 酸化珪素膜
651 n型GaN基板
652 n型GaN層
653 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
654 n型GaN光ガイド層
655 多重量子井戸構造活性層
656 p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層
657 p型GaN光ガイド層
658 酸化珪素マスク
659 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
660 p型GaNコンタクト層
661 p電極
662 n電極
663 開口部
664 酸化珪素膜
701 n型In0.02Ga0.98N層
702 アンドープIn0.02Ga0.98N層
703 アンドープIn0.2Ga0.8N層
750 n型In0.02Ga0.98N層
751 n型In0.02Ga0.98N層
752 アンドープIn0.02Ga0.98N層
753 アンドープIn0.2Ga0.8N層
1300 サファイア基板
1301 アンドープGaN層
1302 障壁層
1303 井戸層
1304 保護膜

Claims (15)

  1. 基板と、該基板上に設けられた、III族窒化物半導体からなる井戸層および障壁層を含む量子井戸構造の発光層とを備え、前記井戸層および障壁層に、周期表第6B族元素からなる不純物が略均一にドープされていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子において、前記井戸層および障壁層にドープされた前記不純物の濃度の最大値が前記不純物の濃度の最小値の5倍以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子において、前記基板が表面転位密度が1×108cm-2未満のIII族窒化物半導体基板であることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 表面転位密度が1×108cm-2未満のIII族窒化物半導体基板と、その上に設けられた、III族窒化物半導体からなる井戸層および障壁層を含む量子井戸構造の発光層とを備え、前記発光層は、周期表第6B族元素を不純物として含むことを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記基板と前記発光層との間に、周期表第4B族元素を不純物として含む半導体層を備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記周期表第6B族元素は、OまたはSであることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記障壁層は、前記周期表第6B族元素を含みn型の導電型を有する領域を含むことを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の半導体発光素子において、前記発光層の厚みをd(nm)、前記周期表第6B族元素の前記発光層における平均体積濃度をx(cm-3)、量子井戸数をnとしたときに、
    xd×10-7/n
    で定義される不純物濃度が、3×1011cm-2以上であることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の半導体発光素子において、前記発光層の厚みをd(nm)、前記発光層における平均キャリア濃度をy(cm-3)、量子井戸数をnとしたときに、
    yd×10-7/n
    で定義されるキャリア濃度が、1.5×1010cm-2以上であることを特徴とする半導体発光素子。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の半導体発光素子において、前記障壁層はInを含むことを特徴とする半導体発光素子。
  11. 周期表第6B族元素を含有するドーピングガス、III族原料ガスおよび窒素源ガスを含む混合ガスを用い、気相成長法により基板上にIII族窒化物半導体からなる発光層を形成する工程を含み、ドーピングガスのモル流量を、III族原料ガスのモル流量よりも過剰にすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法において、気相成長法により、前記基板上に周期表第4B族元素を不純物として含有するIII族窒化物半導体層を形成した後、前記発光層を形成する工程を実施することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法において、周期表第4B族元素を不純物として含有するIII族窒化物半導体層を形成した後、該III族窒化物半導体層を形成するのに用いた成膜ガスをパージし、次いで前記発光層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  14. 請求項11乃至13いずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記発光層は量子井戸構造を有し、前記発光層を形成する工程は、井戸層および障壁層を交互に形成する工程を含み、前記障壁層を形成する際に前記ドーピングガスを導入することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  15. 請求項11乃至14いずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、周期表第6B族元素は、OまたはSであることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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