JP2004199509A - シリーズレギュレータおよびそれを用いるスイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクリート部品から成り、電圧検出部24で検出された出力電圧VOUTに対応して、出力制御部25が出力ライン23に直列に介在されたFETQ1のゲートを制御することで、前記出力電圧VOUTを安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータ21において、部品点数を削減する。
【解決手段】通常のスイッチング電源装置では、1次側と2次側との間の絶縁のために使用されるフォトカプラPC1を、前記絶縁の必要のないこのドロッパ式のシリーズレギュレータ21において、回路の簡略化のために使用する。したがって、複数のトランジスタや抵抗などのディスクリート部品を、該フォトカプラPC1の1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】通常のスイッチング電源装置では、1次側と2次側との間の絶縁のために使用されるフォトカプラPC1を、前記絶縁の必要のないこのドロッパ式のシリーズレギュレータ21において、回路の簡略化のために使用する。したがって、複数のトランジスタや抵抗などのディスクリート部品を、該フォトカプラPC1の1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドロッパ式のシリーズレギュレータと、メイン制御とは別に、該シリーズレギュレータを2次側の出力電圧安定化のために用いる多出力のスイッチング電源装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチング電源装置は、定格負荷時に効率が最大となるように設計されており、最小負荷時や待機時の効率については、対策がなされていなかった。ところが、最近、地球温暖化対策としてCO2 の排出規制が叫ばれ、特に常時電源に接続されたままの電子機器に関しては、最も動作時間の長い前記待機時の消費電力を下げることが急務となってきた。
【0003】
ところで、前記多出力のスイッチング電源装置では、最も負荷の大きい主巻線のメイン出力の電圧は、その出力電圧に応じたフィードバック制御によって安定化されるけれども、別巻き線のサブ出力については、前記ドロッパ式のシリーズレギュレータを用いて安定化される。そのシリーズレギュレータとして、最もよく使用されるのは、3端子レギュレータICである。3端子レギュレータは、簡単に回路を構成できるけれども、前記サブ出力の負荷が大きく、たとえば出力電圧が24V以上に大きい場合は、これに相当する3端子レギュレータの種類が少なく、コストも高くなる。また、前記待機時に外部から信号を受取り、出力をoffにするような付加機能を有するものが少ない。そこで上記条件のある場合、サブ出力をディスクリート部品から成るシリーズレギュレータで構成することが多い。
【0004】
図15は、スイッチング電源装置における別巻き線1のサブ出力回路として用いられる典型的な従来技術のシリーズレギュレータ2の電気回路図である。このシリーズレギュレータ2は、ディスクリート部品で構成され、大略的に、トランスの別巻き線1の誘起電圧を、ダイオードd1および平滑コンデンサc1で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン3に直列に介在されたP型のFETq1のインピーダンスを変化することで、安定化された所望とする出力電圧VOUTを得るようになっている。ここで、前記出力電圧が低い3端子レギュレータの場合は、FETq1のソース側が入力端子となり、ドレイン側が出力端子となり、GND端子を合わせて、3端子となる。
【0005】
そして、このシリーズレギュレータ2には、前記出力電圧VOUTの安定化のために、該出力電圧VOUTを検出する電圧検出部4と、その電圧検出部4で検出された出力電圧VOUTに対応して前記FETq1のゲート−ソース間の電圧を制御することで該FETq1のインピーダンスを制御し、前記出力電圧VOUTを安定化する出力制御部5とが設けられている。
【0006】
前記電圧検出部4は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗r1,r2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータicと、前記FETq1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータicとともに直列に接続される抵抗r3,r4と、前記抵抗r3,r4の接続点にベースが接続されるP型のトランジスタq2と、前記FETq1の出力側で、電源ライン間に前記トランジスタq2とともに直列に接続される抵抗r5,r6とを備えて構成される。
【0007】
前記出力制御部5は、前記抵抗r5,r6の接続点にベースが接続されるN型のトランジスタq3と、前記FETq1の入力側で、電源ライン間に前記トランジスタq3とともに直列に接続される抵抗r7と、前記トランジスタq3のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタq4と、前記制御トランジスタq4のコレクタを前記FETq1のゲートに接続する抵抗r8と、前記FETq1のゲート−ソース間に介在される抵抗r9とを備えて構成される。
【0008】
上述のように構成されるシリーズレギュレータ2において、シャントレギュレータicのレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗r1,r2による出力電圧VOUTの分圧値が、たとえば前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータicのアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、トランジスタq2のベース電流を引込み、これによって該トランジスタq2のコレクタ電流が増加し、抵抗r5,r6を経て、トランジスタq3のベースに流れ込む電流が増加する。
【0009】
したがって、トランジスタq3のコレクタ電流が増加し、抵抗r7を介して流れる制御トランジスタq4のベース電流は減少し、該制御トランジスタq4のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETq1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETq1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0010】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータicの基準電圧より小さくなる程、アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、トランジスタq2のベース電流を抑制し、これによって該トランジスタq2のコレクタ電流が減少し、トランジスタq3のベースに流れ込む電流が減少する。したがって、トランジスタq3のコレクタ電流が減少し、制御トランジスタq4のベース電流は増加し、該制御トランジスタq4のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETq1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETq1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化されている。
【0011】
また、前記のように待機時に外部から信号を受取り、出力をoffにする制御信号回路13を設けた場合は、図16のようになる。図16は、他の従来技術のシリーズレギュレータ12の電気回路図である。この図16において、上述の図15の構成に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。前記制御信号回路13は、前記制御トランジスタq4のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタq5と、外部からの制御信号を前記トランジスタq5のベースに与える抵抗r10,r11とを備えて構成される。
【0012】
したがって、前記制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタq5がonして制御トランジスタq4のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタq4がoffしてFETq1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタq5がoffして、前述のような通常の動作が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来技術では、シリーズレギュレータ2の例では、トランジスタがq1〜q4の4個、抵抗がr1〜r9の9個、ICがシリーズレギュレータicの1個と部品点数が多いので、前記のようにディスクリート部品で構成した場合、部品コスト、実装コスト、実装スペースが嵩むという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、部品点数を削減し、コストおよびスペースを削減することができるシリーズレギュレータおよびそれを用いるスイッチング電源装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリーズレギュレータは、ディスクリート部品から成り、電圧検出部で検出された出力電圧に対応して、出力制御部が出力ラインに直列に介在されたパワー素子の制御端子を制御することで、前記出力電圧を安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、前記電圧検出部と出力制御部との間に、フォトカプラを含む制御伝達経路を有することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、たとえばスイッチング電源装置では、1次側と2次側との間の絶縁のために使用されるフォトカプラを、前記絶縁の必要のないドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、ディスクリート部品から成る場合には、回路の簡略化のために使用する。
【0017】
したがって、複数のトランジスタや抵抗などの部品を、該フォトカプラ1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【0018】
また、本発明のシリーズレギュレータでは、前記パワー素子は、P型のFETQ1から成り、前記電圧検出部は、前記出力電圧を分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成され、前記出力制御部は、前記フォトダイオードD2とともに前記制御伝達経路となるフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1の制御端子に接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、シャントレギュレータIC1のレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗R1,R2による出力電圧の分圧値が、前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータIC1のアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、前記フォトカプラPCのフォトダイオードD2のカソードから電流を引込み、これによって該フォトダイオードD2の輝度が増加する。したがって、フォトカプラPCのフォトトランジスタQ2のコレクタ電流が増加し、これによって抵抗R4を介して流れる制御トランジスタQ3のベース電流は減少し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0020】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータIC1の基準電圧より小さくなる程、アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、フォトダイオードD2のカソード電流を抑制し、これによって該フォトダイオードD2の輝度が減少する。したがって、フォトトランジスタQ2のコレクタ電流が減少し、これによって制御トランジスタQ3のベース電流は増加し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化される。
【0021】
したがって、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータと比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と、トランジスタを2個、抵抗を3個削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに部品点数が少ない分、待機時の消費電力の低減にもなる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0022】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される制御信号回路33をさらに有することを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタQ11がoffして、通常の動作が行われる。
【0024】
こうして、待機時の効率を上げることができる。
【0025】
また、本発明のシリーズレギュレータは、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21の直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される制御信号回路43をさらに有することを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値が相対的に小さい状態で、通常の動作が行われている。これに対して、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0027】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、前記電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値によって規定される過電流制限値と比較し、その比較結果に応じて前記制御トランジスタQ3のベース電流を制御するコンパレータ54とを備えて構成される過電流保護回路52をさらに有することを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より低い場合、すなわち負荷電流が前記分圧抵抗R31,R32によって規定される過電流制限値より小さい場合は、コンパレータ54の出力がオープンとなり、過電流保護動作は行われず、通常動作が行われる。
【0029】
これに対して、電流検知抵抗R33の端子間電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より高い場合、すなわち負荷電流が前記過電流制限値より大きくなる程、前記コンパレータ54は出力をローレベルとし、制御トランジスタQ3のベース電流を引込む。したがって、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり,該FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0030】
したがって、負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限し、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。
【0031】
特に、小容量の電源であれば、サブ出力の過負荷に対してメイン制御部の過電流保護回路が動作して全出力がシャットダウンされて保護がかかるが、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがあるので、そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。また、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンし、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0032】
また、本発明のシリーズレギュレータでは、出力端間に平滑コンデンサC11を設けるとともに、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成される放電回路55をさらに有することを特徴とする。
【0033】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33が出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、該平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る。
【0034】
したがって、出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けても、前記放電回路55を設けることで、瞬時に出力をシャットダウンさせることができる。
【0035】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には開閉用のスイッチ部を含む出力回路61およびその出力シャットダウン用の制御信号回路66を備え、前記制御信号回路66は、トランスの主巻き線62からの電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61のゲートを制御する制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成されることを特徴とする。
【0036】
上記の構成によれば、第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、メイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンすることができる。
【0037】
したがって、サブ出力とメイン出力とがオフするのに時間差を持たせることで、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0038】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力では、出力電圧VOUT MAINの1次側へのフィードバック用の分圧抵抗R62をさらにR621,R622に分割するとともに、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続され、前記分圧抵抗R621と並列に設けられるトランジスタQ72とを備えて構成される出力電圧設定回路71を設けることを特徴とする。
【0039】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonしている。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われる。
【0040】
これに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffする。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下する。
【0041】
このようにして、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT MAINを低下することができる。
【0042】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、メイン出力の出力端に介在される抵抗R89およびフォトダイオードD82の直列回路と、前記フォトダイオードD82とフォトカプラPC3を構成し、主スイッチング素子Q81のスイッチングを制御する制御IC85において発振周波数を決定する並列抵抗R87、R88の一方と直列に設けられるフォトトランジスタQ83とを備えて構成される発振周波数変換回路80をさらに備えることを特徴とする。
【0043】
上記の構成によれば、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、制御IC85の発振周波数f1は、前記並列抵抗R87、R88の抵抗値で決定される。これに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって前記並列抵抗R87、R88の一方が開放されて、前記発振周波数f2は、他方の並列抵抗で決定される。
【0044】
これによって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って開閉用のスイッチ部を含む出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数を低下することができる。
【0045】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備えることを特徴とする。
【0046】
上記の構成によれば、スイッチング電源装置のメイン出力は1次側へのフィードバック制御によってその出力電圧が安定化されているのに対して、サブ出力に前記のドロッパ式のシリーズレギュレータを設けることで、該サブ出力の出力電圧も安定化することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第1の形態について、図1に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0048】
図1は、本発明の実施の第1の形態のシリーズレギュレータ21の電気回路図である。このシリーズレギュレータ21は、ディスクリート部品で構成され、スイッチング電源装置におけるトランスの別巻き線22のサブ出力回路として用いられる。このシリーズレギュレータ21は、大略的に、前記別巻き線22の誘起電圧を、ダイオードD1および平滑コンデンサC1で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン23に直列に介在されたP型のFETQ1のインピーダンスを変化することで、安定化された所望とする出力電圧VOUTを得るようになっている。
【0049】
そして、このシリーズレギュレータ21では、前記出力電圧VOUTの安定化のために、該出力電圧VOUTを検出する電圧検出部24と、その電圧検出部24で検出された出力電圧VOUTに対応して、前記FETQ1のゲート−ソース間の電圧を制御することで該FETQ1のインピーダンスを制御し、前記出力電圧VOUTを安定化する出力制御部25とが設けられている。
【0050】
前記電圧検出部24は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成される。
【0051】
前記出力制御部25は、前記フォトダイオードD2とフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1のゲートに接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成される。
【0052】
注目すべきは、このシリーズレギュレータ21では、上述のように前記電圧検出部24と出力制御部25との間に、フォトカプラPC1を含む制御伝達経路を有することである。その制御伝達経路によるフィードバック制御動作は、以下のとおりである。すなわち、シャントレギュレータIC1のレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗R1,R2による出力電圧VOUTの分圧値が、前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータIC1のアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、前記フォトカプラPC1のフォトダイオードD2のカソードから電流を引込み、これによって該フォトダイオードD2の輝度が増加する。
【0053】
したがって、フォトカプラPC1のフォトトランジスタQ2のコレクタ電流が増加し、これによって抵抗R4を介して流れる制御トランジスタQ3のベース電流は減少し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0054】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータIC1の基準電圧より小さくなる程、該アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、フォトダイオードD2のカソード電流を抑制し、これによって該フォトダイオードD2の輝度が減少する。したがって、フォトトランジスタQ2のコレクタ電流が減少し、制御トランジスタQ3のベース電流は増加し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化される。
【0055】
したがって、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータ2と比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と部品点数を削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに、部品点数が少ない分、待機時の消費電力を低減することができる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0056】
本発明の実施の第2の形態について、図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0057】
図2は、本発明の実施の第2の形態のシリーズレギュレータ31の電気回路図である。このシリーズレギュレータ31は、前述のシリーズレギュレータ21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ31では、前記図16で示すシリーズレギュレータ12と同様に、制御信号回路33が設けられていることである。
【0058】
前記制御信号回路33は、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される。
【0059】
したがって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタQ11がoffして、上述のような通常の動作が行われる。
【0060】
こうして、待機時の効率を上げることができる。
【0061】
本発明の実施の第3の形態について、図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0062】
図3は、本発明の実施の第3の形態のシリーズレギュレータ41の電気回路図である。このシリーズレギュレータ41は、前述のシリーズレギュレータ31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ41では、前記制御信号回路33に類似した制御信号回路43が設けられていることである。
【0063】
前記制御信号回路43は、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21から成る直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される。
【0064】
したがって、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に小さい状態で、通常の動作が行われている。これに対して、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して待機時の消費電力を抑えることができる。
【0065】
本発明の実施の第4の形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0066】
図4は、本発明の実施の第4の形態のシリーズレギュレータ51の電気回路図である。このシリーズレギュレータ51は、前述のシリーズレギュレータ31,41に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ51では、前記制御信号回路33,43が合わせて設けられていることである。これらの制御信号回路33,43の動作は、前述と同様である。
【0067】
したがって、待機時に、サブ出力が不要なモードでは前記第1の制御信号をアクティブのハイレベルとして該サブ出力を完全にシャットダウンし、サブ出力が低くても必要なモードでは前記第2の制御信号をアクティブのローレベルとして該サブ出力の出力電圧VOUTを低下する。このようにして、2つの制御信号を切換えるだけで、待機時に要求される2次側出力に対応することができる。
【0068】
本発明の実施の第5の形態について、図5〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0069】
図5〜図8は、本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aの電気回路図である。これらのシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aは、前述のシリーズレギュレータ21,31,41,51にそれぞれ類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、これらのシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aでは、前述の各シリーズレギュレータ21,31,41,51に、過電流保護回路52が設けられていることである。
【0070】
前記過電流保護回路52は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、コンパレータ54とを備えて構成されている。前記出力電圧VOUTの分圧値はコンパレータ54の非反転入力端子に入力され、前記電流検知抵抗R33を流れる電流によって発生した電圧は前記コンパレータ54の反転入力端子に入力される。前記コンパレータ54の出力端子は、前記フォトトランジスタQ2のコレクタ、したがって制御トランジスタQ3のベースに接続される。
【0071】
前記コンパレータ54は、電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より低い場合、すなわち負荷電流が前記分圧抵抗R31,R32によって規定される過電流制限値より小さい場合は、出力がオープンとなり、過電流保護動作は行われず、上述のような通常動作が行われる。
【0072】
これに対して、電流検知抵抗R33の端子間電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より高い場合、すなわち負荷電流が前記過電流制限値より大きくなる程、前記コンパレータ54は出力をローレベルとし、制御トランジスタQ3のベース電流を引込む。したがって、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり,該FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0073】
このように負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限することで、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。
【0074】
通常、小容量の電源であれば、サブ出力の過負荷に対してメイン制御部の過電流保護回路が動作して全出力がシャットダウンされて保護がかかるが、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがある。そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。また、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンし、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0075】
本発明の実施の第6の形態について、図9〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0076】
図9は、本発明の実施の第6の形態のシリーズレギュレータ31bの電気回路図である。このシリーズレギュレータ31bは、前述のシリーズレギュレータ31に類似している。注目すべきは、このシリーズレギュレータ31bでは、サブ出力の安定化のために平滑コンデンサC11が設けられるとともに、その平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る放電回路55が設けられていることである。
【0077】
前記放電回路55は、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成されている。
【0078】
したがって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33のトランジスタQ11が制御トランジスタQ3をoffさせ、出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、前述のように平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る。
【0079】
したがって、サブ出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けた場合、図10(a)で示すように、時刻t1において前記第1の制御信号がアクティブとなって出力がシャットダウンされても、前記出力電圧VOUTは緩やかに低下してゆくことになるのに対して、前記放電回路55を設けることで、図10(b)で示すように瞬時にサブ出力をシャットダウンさせることができる。
【0080】
図11は、上述のようなシリーズレギュレータ31bを備えるスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。この図11の例では、メイン出力には、開閉用のスイッチ部を含む出力回路61が設けられている。前記出力回路61は、大略的に、トランスの主巻き線62の誘起電圧を、ダイオードD61および平滑コンデンサC61で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61をオン/オフさせることで、出力電圧VOUT MAINの開閉を行っている。
【0081】
電圧検出部64は、前記主巻き線62の誘起電圧を分圧する分圧抵抗R61,R62と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC2と、前記FETQ61の入力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC2とともに直列に接続されるフォトダイオードD62および抵抗R63と、前記分圧抵抗R61,R62の接続点と前記抵抗R6とシャントレギュレータIC2との接続点とを接続する2つの直列コンデンサC63,C64と、前記コンデンサC63と並列に設けられる抵抗R69と、前記フォトダイオードD62と並列に設けられる抵抗R60とを備えて構成される。
【0082】
この電圧検出部64は、前述の電圧検出部24と同様に動作し、ただし検出した前記主巻き線62の誘起電圧は、フォトダイオードD62によって構成されるフォトカプラPC2を介して、図示しない1次側の制御回路へフィードバックされる。前記直列コンデンサC63,C64および抵抗R69は、シャントレギュレータIC2のカソード電圧を入力にフィードバックし、発振を安定化させるために設けられている。
【0083】
出力制御部65は、前記FETQ61のゲート電流を制御するN型の制御トランジスタQ63と、前記制御トランジスタQ63のベースを前記FETQ61の入力側に接続する抵抗R64と、前記制御トランジスタQ63のコレクタを前記FETQ61のゲートに接続する抵抗R65と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R66とを備えて構成される。
【0084】
制御信号回路66は、前記制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成される。
【0085】
したがって、図12で示すように、時刻t1に前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、さらに放電回路55の短絡トランジスタQ40がonして、サブ出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、このメイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンされる。
【0086】
このようにして、メイン出力にもオン/オフ制御部を持たせて、サブ出力とメイン出力とがオフするのに時間差を持たせることで、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0087】
図13は、前述のシリーズレギュレータ31bを備える他のスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。この図13のスイッチング電源装置において、上述の図11のスイッチング電源装置に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。この図13の構成では、メイン出力には、前記の開閉用のスイッチ部を含む出力回路61は設けられていないけれども、前記出力回路61における電圧検出部64に類似した電圧検出部64aとともに、出力電圧設定回路71などを備える出力回路72が設けられている。
【0088】
前記出力電圧設定回路71は、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続されるトランジスタQ72とを備えて構成される。また、これに対応して、前記電圧検出部64における分圧抵抗R62は、この電圧検出部64aでは、分圧抵抗R621,R622にさらに分割され、GND側の分圧抵抗R621と並列に前記トランジスタQ72が設けられる。
【0089】
したがって、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonしている。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、前記シャントレギュレータIC2のレファレンス端子にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われる。
【0090】
これに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffする。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、前記シャントレギュレータIC2のレファレンス端子にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、1次側へのフィードバック制御によって、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下する。
【0091】
このようにして、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT MAINを低下することができる。
【0092】
図14は、前述のシリーズレギュレータ31bを備えるさらに他のスイッチング電源装置の電気回路図である。この図14の例で注目すべきは、前述の図11の例と同様に、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数が低下されることである。このため、発振周波数変換回路80が設けられている。
【0093】
1次側回路81は、平滑コンデンサC81と、抵抗R81〜R84と、主スイッチング素子Q81とを備えて構成される。直流入力電圧DC INPUTは、平滑コンデンサC81で平滑化される。前記平滑コンデンサC81の端子間には、1次巻き線82と、主スイッチング素子Q81と、電流検知抵抗R81との直列回路が接続される。前記主スイッチング素子Q81がonすることで該主スイッチング素子Q81を流れる電流は、前記電流検知抵抗R81によって電圧に変換され、該電流検知抵抗R81と並列に設けられる分圧抵抗R82,R83によって分圧されて取出される。
【0094】
一方、制御巻き線83に関連して設けられる制御回路84は、制御IC85と、抵抗R85,R86と、コンデンサC82〜C87と、ダイオードD81と、フォトトランジスタQ82とを備えて構成される。前記制御巻き線83に誘起された電圧は、ダイオードD81および平滑コンデンサC82によって整流・平滑化されて制御IC85の電源となる。また、前記制御IC85には、電源投入直後には、前記直流入力電圧DC INPUTが起動抵抗R85を介して与えられる。このため、ノイズ除去用のコンデンサC86が設けられている。
【0095】
そして、前記主巻き線62の誘起電圧は、前記電圧検出部64のフォトダイオードD62とフォトカプラPC2を構成するフォトトランジスタQ82を介して、1次側へフィードバックされる。すなわち、前記制御IC85は、抵抗R86およびコンデンサC85の直列回路に定電流を流しており、前記フォトトランジスタQ82がこの直列回路に並列に設けられている。したがって、前記主巻き線62の誘起電圧が高くなる程、シャントレギュレータIC2のインピーダンスが低くなり、フォトダイオードD62の輝度が増加して、フォトトランジスタQ82のインピーダンスが低下し、制御IC85の前記直列回路への出力端の電圧が低下する。
【0096】
また、前記主スイッチング素子Q81を流れる電流を前記電流検知抵抗R81によって変換した電圧は、分圧抵抗R82,R83によって制御IC85の検知レベルに分圧され、コンデンサC87で平滑化されてフィードバックされる。
【0097】
さらにまた、前記発振周波数変換回路80は、抵抗R87〜R89と、フォトカプラPC3とを備えて構成される。ここで、制御IC85には、内部の発振回路に、外付けの発振用のコンデンサC83,C84および抵抗R87、R88が設けられている。このうち、発振周波数は、α/(C83*(R87//R88))で表される。ただし、αは定数である。したがって、並列抵抗R87,R88の一方(図14ではR87)に対して直列に設けたフォトカプラPC3のフォトトランジスタQ83をon/offすることで、発振周波数を変化することができる。
【0098】
前記フォトカプラPC3のフォトダイオードD82は、抵抗R89と直列に接続されて、前記平滑コンデンサC62の端子間に設けられており、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、発振周波数f1は、前記α/(C83*(R87//R88))で決定される。
【0099】
これに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88から開放されて、前記発振周波数f2は、α/(C83*R88)で決定される。したがって、f1>f2となり、待機時における発振周波数を低下し、主スイッチング素子Q81のスイッチング損失を減らし、低消費電力化を図ることができる。
【0100】
【発明の効果】
本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、ディスクリート部品から成り、電圧検出部で検出された出力電圧に対応して、出力制御部が出力ラインに直列に介在されたパワー素子の制御端子を制御することで、前記出力電圧を安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、通常、絶縁のために使用されるフォトカプラを、前記電圧検出部と出力制御部との間の制御伝達に用いる。
【0101】
それゆえ、複数のトランジスタや抵抗などの部品を、該フォトカプラ1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【0102】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記パワー素子をP型のFETQ1とし、前記電圧検出部を、前記出力電圧を分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成し、前記出力制御部を、前記フォトダイオードD2とともに制御伝達経路となるフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1の制御端子に接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成する。
【0103】
それゆえ、前記フォトカプラを用いるシリーズレギュレータを具体的に構成し、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータと比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と、トランジスタを2個、抵抗を3個削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに部品点数が少ない分、待機時の消費電力の低減にもなる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0104】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される制御信号回路33をさらに有する。
【0105】
それゆえ、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の効率を上げることができる。
【0106】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21の直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される制御信号回路43をさらに有する。
【0107】
それゆえ、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値が相対的に小さい状態で、通常の動作が行わ、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0108】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、前記電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値によって規定される過電流制限値と比較し、その比較結果に応じて前記制御トランジスタQ3のベース電流を制御するコンパレータ54とを備えて構成される過電流保護回路52をさらに有する。
【0109】
それゆえ、負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限し、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。また、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがあるので、そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。さらにまた、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンするので、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0110】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、出力端間に平滑コンデンサC11を設けるとともに、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成される放電回路55をさらに有する。
【0111】
それゆえ、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33が出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、該平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取るので、出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けても、この放電回路55を設けることで、瞬時に出力をシャットダウンさせることができる。
【0112】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には開閉用のスイッチ部を含む出力回路61およびその出力シャットダウン用の制御信号回路66を備え、前記制御信号回路66を、トランスの主巻き線62からの電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61のゲートを制御する制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成する。
【0113】
それゆえ、第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、メイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンすることができる、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0114】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には、出力電圧VOUT MAINの1次側へのフィードバック用の分圧抵抗R62をさらにR621,R622に分割するとともに、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続され、前記分圧抵抗R621と並列に設けられるトランジスタQ72とを備えて構成される出力電圧設定回路71を設ける。
【0115】
それゆえ、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonして、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われるのに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffし、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下するので、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT
MAINを低下することができる。
【0116】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、メイン出力の出力端に介在される抵抗R89およびフォトダイオードD82の直列回路と、前記フォトダイオードD82とフォトカプラPC3を構成し、主スイッチング素子Q81のスイッチングを制御する制御IC85において発振周波数を決定する並列抵抗R87、R88の一方と直列に設けられるフォトトランジスタQ83とを備えて構成される発振周波数変換回路80をさらに備える。
【0117】
それゆえ、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、制御IC85の発振周波数f1は、前記並列抵抗R87、R88の抵抗値で決定されるのに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって前記並列抵抗R87、R88の一方が開放されて、前記発振周波数f2は、他方の並列抵抗で決定されるので、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って前記の出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数を低下することができる。
【0118】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備える。
【0119】
それゆえ、スイッチング電源装置のメイン出力は1次側へのフィードバック制御によってその出力電圧が安定化されているのに対して、さらにサブ出力の出力電圧も安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図2】本発明の実施の第2の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図3】本発明の実施の第3の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図4】本発明の実施の第4の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図5】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図6】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図7】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図8】
本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図9】本発明の実施の第6の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図10】図9で示すシリーズレギュレータにおける放電回路の動作を説明するための波形図である。
【図11】図9で示すシリーズレギュレータを備えるスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。
【図12】図11で示すスイッチング電源装置の動作を説明するための波形図である。
【図13】図9で示すシリーズレギュレータを備える他のスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。
【図14】図9で示すシリーズレギュレータを備えるさらに他のスイッチング電源装置の電気回路図である。
【図15】スイッチング電源装置における別巻き線のサブ出力回路として用いられる典型的な従来技術のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図16】他の従来技術のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【符号の説明】
21,31,41,51 シリーズレギュレータ
21a,31a,41a,51a;31b シリーズレギュレータ
22 別巻き線
23,53,63 電源ライン
24,64,64a 電圧検出部
25,65 出力制御部
33 制御信号回路
43 制御信号回路
52 過電流保護回路
54 コンパレータ
55 放電回路
61 出力回路
62 主巻き線
66 制御信号回路
71 出力電圧設定回路
72 出力回路
80 発振周波数変換回路
81 1次側回路
82 1次巻き線
83 制御巻き線
84 制御回路
85 制御IC
C1,C11,C61,C62,C81 平滑コンデンサ
C63,C64 直列コンデンサ
C65;C82〜C87 コンデンサ
D1,D61,D81 ダイオード
D2,D62,D82 フォトダイオード
IC1,IC2 シャントレギュレータ
PC1〜PC3 フォトカプラ(制御伝達経路)
Q1,Q61 P型のFET
Q2,Q82,Q83 フォトトランジスタ
Q3,Q63 N型の制御トランジスタ
Q11,Q21,Q65 N型のトランジスタ
Q31 N型の短絡トランジスタ
Q71,Q72 トランジスタ
Q81 主スイッチング素子
R1,R2;R31,R32;R61,R62;R621,R622 分圧抵抗
R3〜R6 抵抗
R11,R12;R20〜R22;R41,R42 抵抗
R33,R81 電流検知抵抗
R40 放電抵抗
R60,R63〜R69;R71,R72;R81〜R86 抵抗
R70 バイアス抵抗
R82,R83 分圧抵抗
R85 起動抵抗
R87〜R89 抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドロッパ式のシリーズレギュレータと、メイン制御とは別に、該シリーズレギュレータを2次側の出力電圧安定化のために用いる多出力のスイッチング電源装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチング電源装置は、定格負荷時に効率が最大となるように設計されており、最小負荷時や待機時の効率については、対策がなされていなかった。ところが、最近、地球温暖化対策としてCO2 の排出規制が叫ばれ、特に常時電源に接続されたままの電子機器に関しては、最も動作時間の長い前記待機時の消費電力を下げることが急務となってきた。
【0003】
ところで、前記多出力のスイッチング電源装置では、最も負荷の大きい主巻線のメイン出力の電圧は、その出力電圧に応じたフィードバック制御によって安定化されるけれども、別巻き線のサブ出力については、前記ドロッパ式のシリーズレギュレータを用いて安定化される。そのシリーズレギュレータとして、最もよく使用されるのは、3端子レギュレータICである。3端子レギュレータは、簡単に回路を構成できるけれども、前記サブ出力の負荷が大きく、たとえば出力電圧が24V以上に大きい場合は、これに相当する3端子レギュレータの種類が少なく、コストも高くなる。また、前記待機時に外部から信号を受取り、出力をoffにするような付加機能を有するものが少ない。そこで上記条件のある場合、サブ出力をディスクリート部品から成るシリーズレギュレータで構成することが多い。
【0004】
図15は、スイッチング電源装置における別巻き線1のサブ出力回路として用いられる典型的な従来技術のシリーズレギュレータ2の電気回路図である。このシリーズレギュレータ2は、ディスクリート部品で構成され、大略的に、トランスの別巻き線1の誘起電圧を、ダイオードd1および平滑コンデンサc1で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン3に直列に介在されたP型のFETq1のインピーダンスを変化することで、安定化された所望とする出力電圧VOUTを得るようになっている。ここで、前記出力電圧が低い3端子レギュレータの場合は、FETq1のソース側が入力端子となり、ドレイン側が出力端子となり、GND端子を合わせて、3端子となる。
【0005】
そして、このシリーズレギュレータ2には、前記出力電圧VOUTの安定化のために、該出力電圧VOUTを検出する電圧検出部4と、その電圧検出部4で検出された出力電圧VOUTに対応して前記FETq1のゲート−ソース間の電圧を制御することで該FETq1のインピーダンスを制御し、前記出力電圧VOUTを安定化する出力制御部5とが設けられている。
【0006】
前記電圧検出部4は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗r1,r2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータicと、前記FETq1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータicとともに直列に接続される抵抗r3,r4と、前記抵抗r3,r4の接続点にベースが接続されるP型のトランジスタq2と、前記FETq1の出力側で、電源ライン間に前記トランジスタq2とともに直列に接続される抵抗r5,r6とを備えて構成される。
【0007】
前記出力制御部5は、前記抵抗r5,r6の接続点にベースが接続されるN型のトランジスタq3と、前記FETq1の入力側で、電源ライン間に前記トランジスタq3とともに直列に接続される抵抗r7と、前記トランジスタq3のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタq4と、前記制御トランジスタq4のコレクタを前記FETq1のゲートに接続する抵抗r8と、前記FETq1のゲート−ソース間に介在される抵抗r9とを備えて構成される。
【0008】
上述のように構成されるシリーズレギュレータ2において、シャントレギュレータicのレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗r1,r2による出力電圧VOUTの分圧値が、たとえば前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータicのアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、トランジスタq2のベース電流を引込み、これによって該トランジスタq2のコレクタ電流が増加し、抵抗r5,r6を経て、トランジスタq3のベースに流れ込む電流が増加する。
【0009】
したがって、トランジスタq3のコレクタ電流が増加し、抵抗r7を介して流れる制御トランジスタq4のベース電流は減少し、該制御トランジスタq4のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETq1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETq1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0010】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータicの基準電圧より小さくなる程、アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、トランジスタq2のベース電流を抑制し、これによって該トランジスタq2のコレクタ電流が減少し、トランジスタq3のベースに流れ込む電流が減少する。したがって、トランジスタq3のコレクタ電流が減少し、制御トランジスタq4のベース電流は増加し、該制御トランジスタq4のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETq1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETq1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化されている。
【0011】
また、前記のように待機時に外部から信号を受取り、出力をoffにする制御信号回路13を設けた場合は、図16のようになる。図16は、他の従来技術のシリーズレギュレータ12の電気回路図である。この図16において、上述の図15の構成に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。前記制御信号回路13は、前記制御トランジスタq4のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタq5と、外部からの制御信号を前記トランジスタq5のベースに与える抵抗r10,r11とを備えて構成される。
【0012】
したがって、前記制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタq5がonして制御トランジスタq4のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタq4がoffしてFETq1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタq5がoffして、前述のような通常の動作が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来技術では、シリーズレギュレータ2の例では、トランジスタがq1〜q4の4個、抵抗がr1〜r9の9個、ICがシリーズレギュレータicの1個と部品点数が多いので、前記のようにディスクリート部品で構成した場合、部品コスト、実装コスト、実装スペースが嵩むという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、部品点数を削減し、コストおよびスペースを削減することができるシリーズレギュレータおよびそれを用いるスイッチング電源装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリーズレギュレータは、ディスクリート部品から成り、電圧検出部で検出された出力電圧に対応して、出力制御部が出力ラインに直列に介在されたパワー素子の制御端子を制御することで、前記出力電圧を安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、前記電圧検出部と出力制御部との間に、フォトカプラを含む制御伝達経路を有することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、たとえばスイッチング電源装置では、1次側と2次側との間の絶縁のために使用されるフォトカプラを、前記絶縁の必要のないドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、ディスクリート部品から成る場合には、回路の簡略化のために使用する。
【0017】
したがって、複数のトランジスタや抵抗などの部品を、該フォトカプラ1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【0018】
また、本発明のシリーズレギュレータでは、前記パワー素子は、P型のFETQ1から成り、前記電圧検出部は、前記出力電圧を分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成され、前記出力制御部は、前記フォトダイオードD2とともに前記制御伝達経路となるフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1の制御端子に接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、シャントレギュレータIC1のレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗R1,R2による出力電圧の分圧値が、前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータIC1のアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、前記フォトカプラPCのフォトダイオードD2のカソードから電流を引込み、これによって該フォトダイオードD2の輝度が増加する。したがって、フォトカプラPCのフォトトランジスタQ2のコレクタ電流が増加し、これによって抵抗R4を介して流れる制御トランジスタQ3のベース電流は減少し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0020】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータIC1の基準電圧より小さくなる程、アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、フォトダイオードD2のカソード電流を抑制し、これによって該フォトダイオードD2の輝度が減少する。したがって、フォトトランジスタQ2のコレクタ電流が減少し、これによって制御トランジスタQ3のベース電流は増加し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化される。
【0021】
したがって、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータと比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と、トランジスタを2個、抵抗を3個削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに部品点数が少ない分、待機時の消費電力の低減にもなる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0022】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される制御信号回路33をさらに有することを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタQ11がoffして、通常の動作が行われる。
【0024】
こうして、待機時の効率を上げることができる。
【0025】
また、本発明のシリーズレギュレータは、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21の直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される制御信号回路43をさらに有することを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値が相対的に小さい状態で、通常の動作が行われている。これに対して、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0027】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、前記電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値によって規定される過電流制限値と比較し、その比較結果に応じて前記制御トランジスタQ3のベース電流を制御するコンパレータ54とを備えて構成される過電流保護回路52をさらに有することを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より低い場合、すなわち負荷電流が前記分圧抵抗R31,R32によって規定される過電流制限値より小さい場合は、コンパレータ54の出力がオープンとなり、過電流保護動作は行われず、通常動作が行われる。
【0029】
これに対して、電流検知抵抗R33の端子間電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より高い場合、すなわち負荷電流が前記過電流制限値より大きくなる程、前記コンパレータ54は出力をローレベルとし、制御トランジスタQ3のベース電流を引込む。したがって、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり,該FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0030】
したがって、負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限し、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。
【0031】
特に、小容量の電源であれば、サブ出力の過負荷に対してメイン制御部の過電流保護回路が動作して全出力がシャットダウンされて保護がかかるが、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがあるので、そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。また、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンし、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0032】
また、本発明のシリーズレギュレータでは、出力端間に平滑コンデンサC11を設けるとともに、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成される放電回路55をさらに有することを特徴とする。
【0033】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33が出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、該平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る。
【0034】
したがって、出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けても、前記放電回路55を設けることで、瞬時に出力をシャットダウンさせることができる。
【0035】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には開閉用のスイッチ部を含む出力回路61およびその出力シャットダウン用の制御信号回路66を備え、前記制御信号回路66は、トランスの主巻き線62からの電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61のゲートを制御する制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成されることを特徴とする。
【0036】
上記の構成によれば、第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、メイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンすることができる。
【0037】
したがって、サブ出力とメイン出力とがオフするのに時間差を持たせることで、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0038】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力では、出力電圧VOUT MAINの1次側へのフィードバック用の分圧抵抗R62をさらにR621,R622に分割するとともに、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続され、前記分圧抵抗R621と並列に設けられるトランジスタQ72とを備えて構成される出力電圧設定回路71を設けることを特徴とする。
【0039】
上記の構成によれば、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonしている。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われる。
【0040】
これに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffする。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下する。
【0041】
このようにして、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT MAINを低下することができる。
【0042】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、メイン出力の出力端に介在される抵抗R89およびフォトダイオードD82の直列回路と、前記フォトダイオードD82とフォトカプラPC3を構成し、主スイッチング素子Q81のスイッチングを制御する制御IC85において発振周波数を決定する並列抵抗R87、R88の一方と直列に設けられるフォトトランジスタQ83とを備えて構成される発振周波数変換回路80をさらに備えることを特徴とする。
【0043】
上記の構成によれば、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、制御IC85の発振周波数f1は、前記並列抵抗R87、R88の抵抗値で決定される。これに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって前記並列抵抗R87、R88の一方が開放されて、前記発振周波数f2は、他方の並列抵抗で決定される。
【0044】
これによって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って開閉用のスイッチ部を含む出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数を低下することができる。
【0045】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備えることを特徴とする。
【0046】
上記の構成によれば、スイッチング電源装置のメイン出力は1次側へのフィードバック制御によってその出力電圧が安定化されているのに対して、サブ出力に前記のドロッパ式のシリーズレギュレータを設けることで、該サブ出力の出力電圧も安定化することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第1の形態について、図1に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0048】
図1は、本発明の実施の第1の形態のシリーズレギュレータ21の電気回路図である。このシリーズレギュレータ21は、ディスクリート部品で構成され、スイッチング電源装置におけるトランスの別巻き線22のサブ出力回路として用いられる。このシリーズレギュレータ21は、大略的に、前記別巻き線22の誘起電圧を、ダイオードD1および平滑コンデンサC1で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン23に直列に介在されたP型のFETQ1のインピーダンスを変化することで、安定化された所望とする出力電圧VOUTを得るようになっている。
【0049】
そして、このシリーズレギュレータ21では、前記出力電圧VOUTの安定化のために、該出力電圧VOUTを検出する電圧検出部24と、その電圧検出部24で検出された出力電圧VOUTに対応して、前記FETQ1のゲート−ソース間の電圧を制御することで該FETQ1のインピーダンスを制御し、前記出力電圧VOUTを安定化する出力制御部25とが設けられている。
【0050】
前記電圧検出部24は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成される。
【0051】
前記出力制御部25は、前記フォトダイオードD2とフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1のゲートに接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成される。
【0052】
注目すべきは、このシリーズレギュレータ21では、上述のように前記電圧検出部24と出力制御部25との間に、フォトカプラPC1を含む制御伝達経路を有することである。その制御伝達経路によるフィードバック制御動作は、以下のとおりである。すなわち、シャントレギュレータIC1のレファレンス端子に加えられた前記分圧抵抗R1,R2による出力電圧VOUTの分圧値が、前記内部の基準電圧より大きくなる程、該シャントレギュレータIC1のアノード−カソード間のインピーダンスは低下し、前記フォトカプラPC1のフォトダイオードD2のカソードから電流を引込み、これによって該フォトダイオードD2の輝度が増加する。
【0053】
したがって、フォトカプラPC1のフォトトランジスタQ2のコレクタ電流が増加し、これによって抵抗R4を介して流れる制御トランジスタQ3のベース電流は減少し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0054】
これに対して、前記出力電圧VOUTの分圧値が、シャントレギュレータIC1の基準電圧より小さくなる程、該アノード−カソード間のインピーダンスは上昇し、フォトダイオードD2のカソード電流を抑制し、これによって該フォトダイオードD2の輝度が減少する。したがって、フォトトランジスタQ2のコレクタ電流が減少し、制御トランジスタQ3のベース電流は増加し、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低下し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が上昇し、FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが低下し、出力電圧VOUTは、上がる方向に制御される。このようにして、前記出力電圧VOUTが安定化される。
【0055】
したがって、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータ2と比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と部品点数を削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに、部品点数が少ない分、待機時の消費電力を低減することができる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0056】
本発明の実施の第2の形態について、図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0057】
図2は、本発明の実施の第2の形態のシリーズレギュレータ31の電気回路図である。このシリーズレギュレータ31は、前述のシリーズレギュレータ21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ31では、前記図16で示すシリーズレギュレータ12と同様に、制御信号回路33が設けられていることである。
【0058】
前記制御信号回路33は、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される。
【0059】
したがって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の消費電力が削減される。これに対して、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルとなると、トランジスタQ11がoffして、上述のような通常の動作が行われる。
【0060】
こうして、待機時の効率を上げることができる。
【0061】
本発明の実施の第3の形態について、図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0062】
図3は、本発明の実施の第3の形態のシリーズレギュレータ41の電気回路図である。このシリーズレギュレータ41は、前述のシリーズレギュレータ31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ41では、前記制御信号回路33に類似した制御信号回路43が設けられていることである。
【0063】
前記制御信号回路43は、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21から成る直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される。
【0064】
したがって、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に小さい状態で、通常の動作が行われている。これに対して、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して待機時の消費電力を抑えることができる。
【0065】
本発明の実施の第4の形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0066】
図4は、本発明の実施の第4の形態のシリーズレギュレータ51の電気回路図である。このシリーズレギュレータ51は、前述のシリーズレギュレータ31,41に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、このシリーズレギュレータ51では、前記制御信号回路33,43が合わせて設けられていることである。これらの制御信号回路33,43の動作は、前述と同様である。
【0067】
したがって、待機時に、サブ出力が不要なモードでは前記第1の制御信号をアクティブのハイレベルとして該サブ出力を完全にシャットダウンし、サブ出力が低くても必要なモードでは前記第2の制御信号をアクティブのローレベルとして該サブ出力の出力電圧VOUTを低下する。このようにして、2つの制御信号を切換えるだけで、待機時に要求される2次側出力に対応することができる。
【0068】
本発明の実施の第5の形態について、図5〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0069】
図5〜図8は、本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aの電気回路図である。これらのシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aは、前述のシリーズレギュレータ21,31,41,51にそれぞれ類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、これらのシリーズレギュレータ21a,31a,41a,51aでは、前述の各シリーズレギュレータ21,31,41,51に、過電流保護回路52が設けられていることである。
【0070】
前記過電流保護回路52は、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、コンパレータ54とを備えて構成されている。前記出力電圧VOUTの分圧値はコンパレータ54の非反転入力端子に入力され、前記電流検知抵抗R33を流れる電流によって発生した電圧は前記コンパレータ54の反転入力端子に入力される。前記コンパレータ54の出力端子は、前記フォトトランジスタQ2のコレクタ、したがって制御トランジスタQ3のベースに接続される。
【0071】
前記コンパレータ54は、電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より低い場合、すなわち負荷電流が前記分圧抵抗R31,R32によって規定される過電流制限値より小さい場合は、出力がオープンとなり、過電流保護動作は行われず、上述のような通常動作が行われる。
【0072】
これに対して、電流検知抵抗R33の端子間電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値より高い場合、すなわち負荷電流が前記過電流制限値より大きくなる程、前記コンパレータ54は出力をローレベルとし、制御トランジスタQ3のベース電流を引込む。したがって、該制御トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが上昇し、FETQ1のゲート−ソース間の電圧が下がり,該FETQ1のソース−ドレイン間のインピーダンスが上昇し、出力電圧VOUTは、下がる方向に制御される。
【0073】
このように負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限することで、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。
【0074】
通常、小容量の電源であれば、サブ出力の過負荷に対してメイン制御部の過電流保護回路が動作して全出力がシャットダウンされて保護がかかるが、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがある。そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。また、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンし、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0075】
本発明の実施の第6の形態について、図9〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0076】
図9は、本発明の実施の第6の形態のシリーズレギュレータ31bの電気回路図である。このシリーズレギュレータ31bは、前述のシリーズレギュレータ31に類似している。注目すべきは、このシリーズレギュレータ31bでは、サブ出力の安定化のために平滑コンデンサC11が設けられるとともに、その平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る放電回路55が設けられていることである。
【0077】
前記放電回路55は、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成されている。
【0078】
したがって、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33のトランジスタQ11が制御トランジスタQ3をoffさせ、出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、前述のように平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取る。
【0079】
したがって、サブ出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けた場合、図10(a)で示すように、時刻t1において前記第1の制御信号がアクティブとなって出力がシャットダウンされても、前記出力電圧VOUTは緩やかに低下してゆくことになるのに対して、前記放電回路55を設けることで、図10(b)で示すように瞬時にサブ出力をシャットダウンさせることができる。
【0080】
図11は、上述のようなシリーズレギュレータ31bを備えるスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。この図11の例では、メイン出力には、開閉用のスイッチ部を含む出力回路61が設けられている。前記出力回路61は、大略的に、トランスの主巻き線62の誘起電圧を、ダイオードD61および平滑コンデンサC61で整流・平滑して得られた直流電圧を電源とし、ハイレベル側の電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61をオン/オフさせることで、出力電圧VOUT MAINの開閉を行っている。
【0081】
電圧検出部64は、前記主巻き線62の誘起電圧を分圧する分圧抵抗R61,R62と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC2と、前記FETQ61の入力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC2とともに直列に接続されるフォトダイオードD62および抵抗R63と、前記分圧抵抗R61,R62の接続点と前記抵抗R6とシャントレギュレータIC2との接続点とを接続する2つの直列コンデンサC63,C64と、前記コンデンサC63と並列に設けられる抵抗R69と、前記フォトダイオードD62と並列に設けられる抵抗R60とを備えて構成される。
【0082】
この電圧検出部64は、前述の電圧検出部24と同様に動作し、ただし検出した前記主巻き線62の誘起電圧は、フォトダイオードD62によって構成されるフォトカプラPC2を介して、図示しない1次側の制御回路へフィードバックされる。前記直列コンデンサC63,C64および抵抗R69は、シャントレギュレータIC2のカソード電圧を入力にフィードバックし、発振を安定化させるために設けられている。
【0083】
出力制御部65は、前記FETQ61のゲート電流を制御するN型の制御トランジスタQ63と、前記制御トランジスタQ63のベースを前記FETQ61の入力側に接続する抵抗R64と、前記制御トランジスタQ63のコレクタを前記FETQ61のゲートに接続する抵抗R65と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R66とを備えて構成される。
【0084】
制御信号回路66は、前記制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成される。
【0085】
したがって、図12で示すように、時刻t1に前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、さらに放電回路55の短絡トランジスタQ40がonして、サブ出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、このメイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンされる。
【0086】
このようにして、メイン出力にもオン/オフ制御部を持たせて、サブ出力とメイン出力とがオフするのに時間差を持たせることで、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0087】
図13は、前述のシリーズレギュレータ31bを備える他のスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。この図13のスイッチング電源装置において、上述の図11のスイッチング電源装置に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。この図13の構成では、メイン出力には、前記の開閉用のスイッチ部を含む出力回路61は設けられていないけれども、前記出力回路61における電圧検出部64に類似した電圧検出部64aとともに、出力電圧設定回路71などを備える出力回路72が設けられている。
【0088】
前記出力電圧設定回路71は、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続されるトランジスタQ72とを備えて構成される。また、これに対応して、前記電圧検出部64における分圧抵抗R62は、この電圧検出部64aでは、分圧抵抗R621,R622にさらに分割され、GND側の分圧抵抗R621と並列に前記トランジスタQ72が設けられる。
【0089】
したがって、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonしている。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、前記シャントレギュレータIC2のレファレンス端子にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われる。
【0090】
これに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffする。これによって、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、前記シャントレギュレータIC2のレファレンス端子にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、1次側へのフィードバック制御によって、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下する。
【0091】
このようにして、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT MAINを低下することができる。
【0092】
図14は、前述のシリーズレギュレータ31bを備えるさらに他のスイッチング電源装置の電気回路図である。この図14の例で注目すべきは、前述の図11の例と同様に、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数が低下されることである。このため、発振周波数変換回路80が設けられている。
【0093】
1次側回路81は、平滑コンデンサC81と、抵抗R81〜R84と、主スイッチング素子Q81とを備えて構成される。直流入力電圧DC INPUTは、平滑コンデンサC81で平滑化される。前記平滑コンデンサC81の端子間には、1次巻き線82と、主スイッチング素子Q81と、電流検知抵抗R81との直列回路が接続される。前記主スイッチング素子Q81がonすることで該主スイッチング素子Q81を流れる電流は、前記電流検知抵抗R81によって電圧に変換され、該電流検知抵抗R81と並列に設けられる分圧抵抗R82,R83によって分圧されて取出される。
【0094】
一方、制御巻き線83に関連して設けられる制御回路84は、制御IC85と、抵抗R85,R86と、コンデンサC82〜C87と、ダイオードD81と、フォトトランジスタQ82とを備えて構成される。前記制御巻き線83に誘起された電圧は、ダイオードD81および平滑コンデンサC82によって整流・平滑化されて制御IC85の電源となる。また、前記制御IC85には、電源投入直後には、前記直流入力電圧DC INPUTが起動抵抗R85を介して与えられる。このため、ノイズ除去用のコンデンサC86が設けられている。
【0095】
そして、前記主巻き線62の誘起電圧は、前記電圧検出部64のフォトダイオードD62とフォトカプラPC2を構成するフォトトランジスタQ82を介して、1次側へフィードバックされる。すなわち、前記制御IC85は、抵抗R86およびコンデンサC85の直列回路に定電流を流しており、前記フォトトランジスタQ82がこの直列回路に並列に設けられている。したがって、前記主巻き線62の誘起電圧が高くなる程、シャントレギュレータIC2のインピーダンスが低くなり、フォトダイオードD62の輝度が増加して、フォトトランジスタQ82のインピーダンスが低下し、制御IC85の前記直列回路への出力端の電圧が低下する。
【0096】
また、前記主スイッチング素子Q81を流れる電流を前記電流検知抵抗R81によって変換した電圧は、分圧抵抗R82,R83によって制御IC85の検知レベルに分圧され、コンデンサC87で平滑化されてフィードバックされる。
【0097】
さらにまた、前記発振周波数変換回路80は、抵抗R87〜R89と、フォトカプラPC3とを備えて構成される。ここで、制御IC85には、内部の発振回路に、外付けの発振用のコンデンサC83,C84および抵抗R87、R88が設けられている。このうち、発振周波数は、α/(C83*(R87//R88))で表される。ただし、αは定数である。したがって、並列抵抗R87,R88の一方(図14ではR87)に対して直列に設けたフォトカプラPC3のフォトトランジスタQ83をon/offすることで、発振周波数を変化することができる。
【0098】
前記フォトカプラPC3のフォトダイオードD82は、抵抗R89と直列に接続されて、前記平滑コンデンサC62の端子間に設けられており、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、発振周波数f1は、前記α/(C83*(R87//R88))で決定される。
【0099】
これに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88から開放されて、前記発振周波数f2は、α/(C83*R88)で決定される。したがって、f1>f2となり、待機時における発振周波数を低下し、主スイッチング素子Q81のスイッチング損失を減らし、低消費電力化を図ることができる。
【0100】
【発明の効果】
本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、ディスクリート部品から成り、電圧検出部で検出された出力電圧に対応して、出力制御部が出力ラインに直列に介在されたパワー素子の制御端子を制御することで、前記出力電圧を安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、通常、絶縁のために使用されるフォトカプラを、前記電圧検出部と出力制御部との間の制御伝達に用いる。
【0101】
それゆえ、複数のトランジスタや抵抗などの部品を、該フォトカプラ1つで代用することができ、部品点数を削減することができる。
【0102】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記パワー素子をP型のFETQ1とし、前記電圧検出部を、前記出力電圧を分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成し、前記出力制御部を、前記フォトダイオードD2とともに制御伝達経路となるフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1の制御端子に接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成する。
【0103】
それゆえ、前記フォトカプラを用いるシリーズレギュレータを具体的に構成し、前述の図15で示す従来のシリーズレギュレータと比較すると、前記電圧検出部4,24と出力制御部5,25との間の制御伝達経路を、トランジスタq2,q3からフォトカプラPC1に置換えることで、該フォトカプラPC1の部品点数は増加するけれども、他の構成は、トランジスタがQ1,Q3の2個、抵抗がR1〜R6の6個、ICがシャントレギュレータIC1の1個と、トランジスタを2個、抵抗を3個削減でき、部品コスト、実装コスト、実装スペースを削減することができる。さらに部品点数が少ない分、待機時の消費電力の低減にもなる。また、従来のシリーズレギュレータ2におけるトランジスタq2,q3のバイアスの設定を考慮せず、簡単に定数決定を行うことができる。
【0104】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される制御信号回路33をさらに有する。
【0105】
それゆえ、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ11がonして制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間を短絡し、これによって該制御トランジスタQ3がoffしてFETQ1もoffし、サブ出力は出力されなくなり、待機時の効率を上げることができる。
【0106】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記シャントレギュレータIC1のレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21の直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される制御信号回路43をさらに有する。
【0107】
それゆえ、前記第2の制御信号が非アクティブのハイレベルとなると、トランジスタQ21がonして分圧抵抗R2と並列に抵抗R20が接続されることになり、これによって前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値が相対的に小さい状態で、通常の動作が行わ、前記第2の制御信号がアクティブのローレベルとなると、トランジスタQ21がoffして、前記レファレンス端子にフィードバックされる出力電圧VOUTの分圧値は相対的に大きくなり、その結果、前記出力電圧VOUTが低下して、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0108】
さらにまた、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、前記電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値によって規定される過電流制限値と比較し、その比較結果に応じて前記制御トランジスタQ3のベース電流を制御するコンパレータ54とを備えて構成される過電流保護回路52をさらに有する。
【0109】
それゆえ、負荷電流が大きくなる程、前記制御トランジスタQ3のベース電流、したがってFETQ1を流れる電流を制限し、前記出力電圧VOUTは、いわゆるフの字の垂下特性を示す。このようにして、過電流保護動作を実現し、過電流によるFETQ1の加熱破壊を防ぐことができる。また、容量の大きな電源では、メインの過電流保護回路が動作するまでにサブ出力に過大な負荷電流が流れ、破壊する恐れがあるので、そのような場合に、そのサブ出力にこのような過電流保護回路52を独立して用いると効果的である。さらにまた、サブ出力の過電流時は、サブ出力だけダウンするので、メイン出力は残ってほしい場合にも有効である。
【0110】
また、本発明のシリーズレギュレータは、以上のように、出力端間に平滑コンデンサC11を設けるとともに、前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成される放電回路55をさらに有する。
【0111】
それゆえ、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33が出力をシャットダウンするとともに、この放電回路55の短絡トランジスタQ31が平滑コンデンサC11の端子間を放電抵抗R40を介して緩やかに短絡し、該平滑コンデンサC11の電荷を瞬時に抜取るので、出力の安定化のために平滑コンデンサC11を設けても、この放電回路55を設けることで、瞬時に出力をシャットダウンさせることができる。
【0112】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には開閉用のスイッチ部を含む出力回路61およびその出力シャットダウン用の制御信号回路66を備え、前記制御信号回路66を、トランスの主巻き線62からの電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61のゲートを制御する制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成する。
【0113】
それゆえ、第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、サブ出力側では出力は速やかにシャットダウンされるのに対して、メイン出力側では、コンデンサC65の充電電圧がトランジスタQ65のon電圧以上となってから該トランジスタQ65がonして制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間を短絡し、FETQ61をoffするので、前記サブ出力から時間差を持ってシャットダウンすることができる、シーケンスの必要な場合に有効である。
【0114】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には、出力電圧VOUT MAINの1次側へのフィードバック用の分圧抵抗R62をさらにR621,R622に分割するとともに、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続され、前記分圧抵抗R621と並列に設けられるトランジスタQ72とを備えて構成される出力電圧設定回路71を設ける。
【0115】
それゆえ、前記第1の制御信号が非アクティブのローレベルである間は、トランジスタQ71がoffし、これによってトランジスタQ72のベースはバイアス抵抗R70でバイアスされてハイレベルとなって該トランジスタQ72はonして、前記分圧抵抗R621の端子間が短絡されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622で分圧した比較的低い電圧となり、通常通りの動作が行われるのに対して、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記制御信号回路33によってサブ出力が速やかにシャットダウンされるとともに、トランジスタQ71がonし、これによってトランジスタQ72のベース−エミッタ間が短絡されて該トランジスタQ72はoffし、前記分圧抵抗R621の端子間が開放されて、1次側にフィードバックされる電圧は、前記出力電圧VOUT MAINを分圧抵抗R61,R622,R621で分圧した比較的高い電圧となり、前記出力電圧VOUT MAINは前記通常動作時よりも低い待機時の電圧に低下するので、待機時には、サブ出力のシャットダウンとともに、メイン出力の出力電圧VOUT
MAINを低下することができる。
【0116】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、メイン出力の出力端に介在される抵抗R89およびフォトダイオードD82の直列回路と、前記フォトダイオードD82とフォトカプラPC3を構成し、主スイッチング素子Q81のスイッチングを制御する制御IC85において発振周波数を決定する並列抵抗R87、R88の一方と直列に設けられるフォトトランジスタQ83とを備えて構成される発振周波数変換回路80をさらに備える。
【0117】
それゆえ、通常出力時は前記フォトダイオードD82が点灯し、フォトトランジスタQ83によって抵抗R87が抵抗R88に並列に接続されて、制御IC85の発振周波数f1は、前記並列抵抗R87、R88の抵抗値で決定されるのに対して、出力がシャットダウンされると、前記フォトダイオードD82が消灯し、フォトトランジスタQ83によって前記並列抵抗R87、R88の一方が開放されて、前記発振周波数f2は、他方の並列抵抗で決定されるので、前記第1の制御信号がアクティブのハイレベルとなると、前記シリーズレギュレータ31bによるサブ出力が速やかにシャットダウンされ、時間差を持って前記の出力回路61によるメイン出力がシャットダウンされた後、さらに発振周波数を低下することができる。
【0118】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備える。
【0119】
それゆえ、スイッチング電源装置のメイン出力は1次側へのフィードバック制御によってその出力電圧が安定化されているのに対して、さらにサブ出力の出力電圧も安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図2】本発明の実施の第2の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図3】本発明の実施の第3の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図4】本発明の実施の第4の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図5】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図6】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図7】本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図8】
本発明の実施の第5の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図9】本発明の実施の第6の形態のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図10】図9で示すシリーズレギュレータにおける放電回路の動作を説明するための波形図である。
【図11】図9で示すシリーズレギュレータを備えるスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。
【図12】図11で示すスイッチング電源装置の動作を説明するための波形図である。
【図13】図9で示すシリーズレギュレータを備える他のスイッチング電源装置の2次側回路の電気回路図である。
【図14】図9で示すシリーズレギュレータを備えるさらに他のスイッチング電源装置の電気回路図である。
【図15】スイッチング電源装置における別巻き線のサブ出力回路として用いられる典型的な従来技術のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【図16】他の従来技術のシリーズレギュレータの電気回路図である。
【符号の説明】
21,31,41,51 シリーズレギュレータ
21a,31a,41a,51a;31b シリーズレギュレータ
22 別巻き線
23,53,63 電源ライン
24,64,64a 電圧検出部
25,65 出力制御部
33 制御信号回路
43 制御信号回路
52 過電流保護回路
54 コンパレータ
55 放電回路
61 出力回路
62 主巻き線
66 制御信号回路
71 出力電圧設定回路
72 出力回路
80 発振周波数変換回路
81 1次側回路
82 1次巻き線
83 制御巻き線
84 制御回路
85 制御IC
C1,C11,C61,C62,C81 平滑コンデンサ
C63,C64 直列コンデンサ
C65;C82〜C87 コンデンサ
D1,D61,D81 ダイオード
D2,D62,D82 フォトダイオード
IC1,IC2 シャントレギュレータ
PC1〜PC3 フォトカプラ(制御伝達経路)
Q1,Q61 P型のFET
Q2,Q82,Q83 フォトトランジスタ
Q3,Q63 N型の制御トランジスタ
Q11,Q21,Q65 N型のトランジスタ
Q31 N型の短絡トランジスタ
Q71,Q72 トランジスタ
Q81 主スイッチング素子
R1,R2;R31,R32;R61,R62;R621,R622 分圧抵抗
R3〜R6 抵抗
R11,R12;R20〜R22;R41,R42 抵抗
R33,R81 電流検知抵抗
R40 放電抵抗
R60,R63〜R69;R71,R72;R81〜R86 抵抗
R70 バイアス抵抗
R82,R83 分圧抵抗
R85 起動抵抗
R87〜R89 抵抗
Claims (10)
- ディスクリート部品から成り、電圧検出部で検出された出力電圧に対応して、出力制御部が出力ラインに直列に介在されたパワー素子の制御端子を制御することで、前記出力電圧を安定化するようにしたドロッパ式のシリーズレギュレータにおいて、
前記電圧検出部と出力制御部との間に、フォトカプラを含む制御伝達経路を有することを特徴とするシリーズレギュレータ。 - 前記パワー素子は、P型のFETQ1から成り、
前記電圧検出部は、前記出力電圧を分圧する分圧抵抗R1,R2と、その分圧値と内部の基準電圧との差に応じてインピーダンスが変化するシャントレギュレータIC1と、前記FETQ1の出力側で、電源ライン間に前記シャントレギュレータIC1とともに直列に接続されるフォトダイオードD2および抵抗R3とを備えて構成され、
前記出力制御部は、前記フォトダイオードD2とともに前記制御伝達経路となるフォトカプラを構成するフォトトランジスタQ2と、前記FETQ1の入力側で、電源ライン間に前記フォトトランジスタQ2とともに直列に接続される抵抗R4と、前記フォトトランジスタQ2のコレクタがベースに接続されるN型の制御トランジスタQ3と、前記制御トランジスタQ3のコレクタを前記FETQ1の制御端子に接続する抵抗R5と、前記FETQ1のゲート−ソース間に介在される抵抗R6とを備えて構成されることを特徴とする請求項1記載のシリーズレギュレータ。 - 前記制御トランジスタQ3のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ11と、外部からの第1の制御信号を前記トランジスタQ11のベースに与える抵抗R11,R12とを備えて構成される制御信号回路33をさらに有することを特徴とする請求項2記載のシリーズレギュレータ。
- 前記シャントレギュレータICのレファレンス端子とGNDとの間に介在される抵抗R20およびN型のトランジスタQ21の直列回路と、外部からの第2の制御信号を前記トランジスタQ21のベースに与える抵抗R21,R22とを備えて構成される制御信号回路43をさらに有することを特徴とする請求項2または3記載のシリーズレギュレータ。
- 前記出力電圧VOUTを分圧する分圧抵抗R31,R32と、ローレベル側の電源ライン53に直列に介在される電流検知抵抗R33と、前記電流検知抵抗R33の端子間に発生した電圧が前記分圧抵抗R31,R32による分圧値によって規定される過電流制限値と比較し、その比較結果に応じて前記制御トランジスタQ3のベース電流を制御するコンパレータ54とを備えて構成される過電流保護回路52をさらに有することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のシリーズレギュレータ。
- 出力端間に平滑コンデンサC11を設けるとともに、
前記平滑コンデンサC11の端子間に並列に設けられる放電抵抗R40およびN型の短絡トランジスタQ31の直列回路と、前記第1の制御信号を前記短絡トランジスタQ31のベースに与える抵抗R41,R42とを備えて構成される放電回路55をさらに有することを特徴とする請求項2または3記載のシリーズレギュレータ。 - 前記請求項6記載のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、メイン出力には開閉用のスイッチ部を含む出力回路61およびその出力シャットダウン用の制御信号回路66を備え、
前記制御信号回路66は、トランスの主巻き線62からの電源ライン63に直列に介在されたP型のFETQ61のゲートを制御する制御トランジスタQ63のベース−エミッタ間に介在されるN型のトランジスタQ65と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ65のベースに与える抵抗R67,R68と、前記抵抗R68と並列に設けられるコンデンサC65とを備えて構成されることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記請求項6記載のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備え、
メイン出力では、出力電圧VOUT MAINの1次側へのフィードバック用の分圧抵抗R62をさらにR621,R622に分割するとともに、電源ライン間に挿入されるバイアス抵抗R70およびトランジスタQ71の直列回路と、前記第1の制御信号を前記トランジスタQ71のベースに与える抵抗R71,R72と、前記トランジスタQ71のコレクタがベースに接続され、前記分圧抵抗R621と並列に設けられるトランジスタQ72とを備えて構成される出力電圧設定回路71を設けることを特徴とするスイッチング電源装置。 - メイン出力の出力端に介在される抵抗R89およびフォトダイオードD82の直列回路と、前記フォトダイオードD82とフォトカプラPC3を構成し、主スイッチング素子Q81のスイッチングを制御する制御IC85において発振周波数を決定する並列抵抗R87、R88の一方と直列に設けられるフォトトランジスタQ83とを備えて構成される発振周波数変換回路80をさらに備えることを特徴とする請求項7記載のスイッチング電源装置。
- 前記請求項1〜6の何れか1項に記載のシリーズレギュレータをトランス2次側のサブ出力に備えることを特徴とするスイッチング電源装置。
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JP2002368885A JP2004199509A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | シリーズレギュレータおよびそれを用いるスイッチング電源装置 |
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---|---|---|---|---|
WO2010106595A1 (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-23 | パナソニック株式会社 | 電源システム及び電源供給方法 |
KR101327063B1 (ko) | 2011-12-22 | 2013-11-07 | 엘지이노텍 주식회사 | 조명 구동 회로 |
JP2015211579A (ja) * | 2014-04-28 | 2015-11-24 | ニチコン株式会社 | スイッチング電源装置 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368885A patent/JP2004199509A/ja not_active Withdrawn
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