JP2004199242A - 保険管理システム、保険管理方法、及び、そのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】保険対象に係る教育の実施により保険会社と被保険者の双方がその利益を享受でき、リスク回避または低減できる保険管理システムを提供する。
【解決手段】被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定手段1と、被保険者の属性情報及び保険金の支払い実績、保険金支払い期待値、被保険者が用いた教育コンテンツに関する教育コンテンツ情報を、夫々検索可能に記憶した被保険者情報データベース6と、支払い実績が保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定手段3と、支払い実績が一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者Aと属性が共通または類似し、且つ、支払い実績が一定限度範囲を超えていない他の被保険者Bが用いた教育コンテンツ中から、被保険者Aが実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定手段4と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定手段1と、被保険者の属性情報及び保険金の支払い実績、保険金支払い期待値、被保険者が用いた教育コンテンツに関する教育コンテンツ情報を、夫々検索可能に記憶した被保険者情報データベース6と、支払い実績が保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定手段3と、支払い実績が一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者Aと属性が共通または類似し、且つ、支払い実績が一定限度範囲を超えていない他の被保険者Bが用いた教育コンテンツ中から、被保険者Aが実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定手段4と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保険契約の被保険者の実績を管理する保険管理システム及び保険管理方法に関し、より詳細には、被保険者の保険対象に係る教育の実施を含む保険管理システム及び保険管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、保険料は、被保険者となる者の年齢や病歴といった被保険者の属性情報や、過去における交通事故の回数や労働災害発生率等といった実績等の統計的情報を基に、各保険会社(保険者)が独自の算定方法で計算している。
【0003】
一方、保険の対象になるような交通事故や労働災害、訴訟等のリスクに対して、被保険者たる企業や個人にリスク回避の教育を行うことによって、そのリスクの低減することが定性的事実として知られている。
【0004】
かかる保険対象に関する教育を行うことによって、その実施回数や成績に応じて保険料を下げるというビジネスモデルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−117236号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特許文献1に開示されている従来技術は、教育を実施することにより必ずリスクが低減できることを前提として、被保険者が受講した教育の回数や成績を保険料に反映させるものである。しかしながら、当該従来技術は、その教育によって本当にリスク回避がなされているかどうかの確認やその確認結果の保険料へのフィードバックがなされていない。また、教育効果は、その教育コンテンツ(内容)によって大きく左右され、同じ保険対象に係る教育コンテンツでも実際にリスク回避に有効なものとそうでないものが存在し得るが、当該従来技術ではかかる事実も考慮されていない。また、同じ教育コンテンツでも、女性が多いとか外勤者の割合が高い等の受講者の属性によってもその教育効果の異なることが普通である。当該従来技術は、このような実態を無視して、単に教育によりリスク回避ができるという定性的事実を具体的な保険料値下げに繋げているため、その保険料算定方法は実用化するとなれば非常な困難を伴うものと予想される。
【0007】
また、当該従来技術では、保険会社が教育によりリスク回避できるという定性的な前提に基づいて教育の実施回数等に応じた保険料算定(保険料低減)を求められるという負担増加がある。被保険者には保険料低減という利益があるものの、保険会社にとっては保険料算定が複雑化する上、契約金が下がるという不利益しかないため、保険会社が実際に当該従来技術のモデルを採用するとは考えられない。保険会社としては、被保険者が教育によりリスク低減できるか否かに拘わらず、従来のように被保険者の実績に応じた契約をすれば、特段の問題が生じないわけである。更に、リスク回避の実績と結びつかない教育の実施回数や成績等を基に保険料を算定することにより、保険料低減のための教育自体が目的化する虞が高くなるという弊害も十分に予想される。
【0008】
他方、被保険者側の企業等においては、通常従業員に対して交通安全教育やコンプライアンス教育等を定期的に行っており、別途保険料低減のためだけの教育は受け入れられにくい。また、教育を単に実施しないことによる保険料の値上げは受け入れ難い。更には、コンピュータネットワークを利用した教育コンテンツの作成には、通常の教材作成よりも時間とコストがかかるため、被保険者がかかる教育コンテンツを作成、改定するのに、保険料低減だけでは十分な動機付けとなり得ない。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記問題点を解消し、保険会社と被保険者の双方が共に保険対象に係る教育を実施することで利益を享受でき、リスク回避または低減の図れる保険管理システムまたは方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理システムの特徴構成は、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定手段と、前記被保険者の属性情報、前記被保険者への保険金の支払い実績、前記保険料に対応する保険金支払い期待値、前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツに関する教育コンテンツ情報を、夫々検索可能に記憶した被保険者情報データベースと、前記保険契約または被保険者毎に、前記支払い実績が前記保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定手段と、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が前記保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定手段と、を備えてなる点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、ある被保険者に対し、支払い実績判定手段が、支払い実績が保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたと判断した場合に、リスク回避効果の実証されているその被保険者に最適な教育コンテンツが教育コンテンツ選定手段によって選定されるので、例えば保険契約において当該選定された教育コンテンツの受講を義務付けることにより、保険会社は、保険金の支払いが更に増加するというリスクの低減が期待される。また、保険会社は、単なる教育の実施回数や成績といったリスク回避効果の不明なものではなく、従来通りに被保険者の属性や過去の実績等を基に保険料を算定でき、不必要な保険料の値下げを回避でき収入の維持が図られる。
【0012】
一方、被保険者の立場から見れば、保険契約時に保険対象に係る教育を実施していない場合に、そのことだけを以って相対的に高額な保険料の支払いを求められる不利益を避けることができ、しかも、実際に教育の不実施によりリスクが高くなった場合に、最適なリスク回避効果の高い教育を受けることができるので、最初から効果の不確定な教育に時間とコストを費やす不利益も回避できる。また、実際に効果のある教育を受けることで、その後の実績を改善でき、次回契約更改時に保険料算定の基準となる実績を不必要に悪くするのを回避できる利益がある。更に、既に何らかの教育を実施してリスク低減効果の実効を上げている被保険者は、自己の行った教育コンテンツを所有している場合は、保険会社或はそれを実施する他の被保険者に対し有償で実施させることで、教育コンテンツの作成に要した費用などの回収が図れるとともに、かかる実績が次回契約更改時に実績として反映される可能性もある。
【0013】
更に、本発明に係る保険管理システムは、保険金支払い事象が発生した場合に、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
本特徴構成によれば、教育コンテンツ選定手段が教育コンテンツを選定する際に、同じ被保険者の実績と教育コンテンツであっても、実際に当該教育コンテンツで教育を実施した結果としての実績を区別して正確に評価することができる。更に、教育コンテンツ自体を評価する指標として、対応付けられた実績(支払い実績)の合計を教育実績として用いることで、どの教育コンテンツがリスク回避に効果があるかを判定できる。従って、教育コンテンツの提供を行う業者は、当該指標をセールスポイントとして営業活動することができる。
【0015】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に通信ネットワークを介してデータ送受信可能なデータ送受信手段を備えていることを特徴とする。そして、前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツに係る情報を、前記リスク超過被保険者の情報処理端末に送信する。更に、前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツとその教育コンテンツを実施予定の前記リスク超過被保険者に係る情報を、前記教育コンテンツを所有する前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に送信し、前記教育コンテンツの前記リスク超過被保険者への提供を依頼する。
【0016】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記教育コンテンツが、電子データとして通信ネットワークを介して前記リスク超過被保険者の情報処理端末に提供されることを特徴とする。
【0017】
上記特徴構成によれば、本発明に係る保険管理システムと被保険者や教育コンテンツ提供者の情報処理端末間で、通信ネットワークを介して電子データの送受信が可能となり、リスク超過被保険者に対し受講すべき教育コンテンツに係る情報を迅速且つ正確に送信でき、特に教育コンテンツが電子データとして通信ネットワークを介して提供される場合には、送信された教育コンテンツに係る情報に基づいて教育コンテンツを簡便に入手でき、教育の実施を開始できる。
【0018】
また、教育コンテンツを所有する被保険者または教育コンテンツ提供者は、自己の所有する教育コンテンツを必要としている被保険者の情報を入手できるので、その教育コンテンツを当該被保険者に提供することで、何らかの対価が得られることになる。
【0019】
更に、教育コンテンツを専門に提供する教育コンテンツ提供者の場合、保険内容と被保険者の属性との関係でリスク低減効果の実証された教育コンテンツを、一般の被保険者に対しても提供できるようになる。
【0020】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記被保険者の一部または全部が、複数の構成員を有する団体であって、前記教育コンテンツは前記構成員の教育用であることを特徴とする。
【0021】
上記特徴構成によれば、複数の構成員を有する企業等の団体が被保険者の場合は、各構成員の事故等に起因して保険金の支払いが発生するため、保険金支払い期待値に対して支払い実績が段階的に増加する場合が想定され、例えば、支払い実績が保険金支払い期待値に近づいて超過してしまう前に、各構成員に対しリスク低減効果の実証された教育の実施を行うことにより、保険会社に対しては保険金の支払いの増加を抑制でき、被保険者である企業にすれば、更なる実績の悪化を防止できることになる。
【0022】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理方法の特徴構成は、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定工程と、前記保険契約または被保険者毎に、前記被保険者への保険金の支払い実績が前記保険料に対応する保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定工程と、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定工程と、を実行する点にある。
【0023】
更に、本発明に係る保険管理方法は、保険金支払い事象が発生した場合、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存工程を実行することを特徴とする。
【0024】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理プログラムの特徴構成は、上記保険管理方法における各工程をコンピュータ上で夫々実行するコンピュータプログラムを有する点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、上記保険管理方法を実行することにより、本発明に係る保険管理システムと同様の上記作用効果を奏する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る保険管理システム(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0027】
本発明システム100は、コンピュータのソフトウェア処理によって、被保険者に対する保険金の支払い実績を監視し、当該支払い実績が所定のリスク値を超えて或は近づいて悪化(増加)してきた場合に、リスク低減効果の実証された保険対象に係る教育コンテンツでその被保険者に適したものを提供できる保険管理システムであって、図1に示すように、保険料算定手段1、実績保存手段2、支払い実績判定手段3、教育コンテンツ選定手段4、データ送受信手段5、及び、被保険者情報データベース6を備えて構成される。そして、本発明に係る保険契約では、後述するように、被保険者に対する保険金の支払い実績がリスク値に対して一定限度範囲を超えた場合に、保険対象に関してリスク回避のための教育を、上記教育コンテンツを用いて実施する旨の付帯条件が設けられる。
【0028】
更に、被保険者情報データベース6は、被保険者の属性情報を検索可能に格納した被保険者属性データベース7、被保険者への保険金の支払い実績等の被保険者の過去及び現在の実績データ(実績情報)を検索可能に格納した被保険者実績データベース8、保険対象に係る各種統計情報を格納した統計情報データベース9、及び、被保険者の個々の保険契約についての契約情報を格納した被保険者契約情報データベース10から構成されている。被保険者実績データベース8には、被保険者の実績データと、その実績データに対応する保険対象について被保険者において実施された教育コンテンツの識別情報が、実績保存手段2によって紐付けされ格納されている。
【0029】
また、本発明システム100は、データ送受信手段5を介してインターネット等の通信ネットワーク20に接続して外部とのデータ送受信可能に構成されている。また、本発明システム100に係る保険契約の複数の被保険者のパソコン等の情報処理端末30,40が同じく通信ネットワーク20に接続して外部とのデータ送受信可能に構成されていて、本発明システム100と被保険者の情報処理端末30,40が相互にデータ送受信可能に構成されている。尚、図1では説明の便宜上、2つの被保険者A,Bの情報処理端末30,40が本発明システム100とデータ送受信可能に接続している構成を例示しているが、本発明システム100に接続する被保険者の情報処理端末はこれらに限定されるものではない。
【0030】
次に、本発明システム100の各手段及び各データベースの機能並びに動作につき、本発明システム100を用いて実行される保険管理方法とともに説明する。図2に保険契約の申し込みから契約更改(再契約)までの流れを示す。
【0031】
先ず、被保険者となる者が保険会社に対し保険の加入申し込みを行う(ステップ#10)。その申し込みに応じて、保険会社では、本発明システム100の保険料算定手段1により保険料の算定を行う(保険料算定工程:ステップ#11)。
【0032】
保険料算定手段1は、保険料算定工程において、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する。図3の保険料算定フローチャートに示すように、保険料算定手段1は、本発明システム100の入力端末からオペレータによる被保険者の属性情報(例えば、個人被保険者の場合は、年齢、性別、職業、家族構成等、また、団体被保険者の場合は、業種、構成員の職種、構成員の数、勤務形態、構成員の年齢構成、構成員の性別等)の入力が行われる(ステップ#20)。新規に登録された属性情報は被保険者属性データベース7に保存される。尚、既に属性情報の登録がされている場合は、被保険者の氏名や識別番号等の入力により被保険者属性データベース7から属性情報の読み出しが行われる。
【0033】
次に、保険料算定手段1は、被保険者実績データベース8の検索を行い、被保険者に対する過去の実績データがあるか否かを判定する(ステップ#21)。ここで、過去の実績データが存在する場合は、保険料算定に必要な実績データを取得する(ステップ#22)。逆に過去の実績データが存在しない場合は、被保険者属性データベース7から保険料算定対象の被保険者の属性情報と類似する他の被保険者の抽出を行い、抽出された被保険者の保険料算定に必要な実績データを取得する(ステップ#23)。この場合、他の被保険者の抽出は過去の実績データが存在する被保険者を抽出するようにする。
【0034】
次に、保険料算定手段1は、統計情報データベース9の検索を行い、保険料算定の保険対象に係る各種統計情報を取得する(ステップ#24)。次に、ステップ#20、#22または#23、及び、#24で取得した各情報に基づいて、保険会社で既に使用している算定方法によりリスク値(保険金の支払い期待値)を算定する(ステップ#25)。そして、算定されたリスク値に基づいて、保険料を算定する(ステップ#26)。
【0035】
図2に示すように、保険料算定手段1が上記要領で算定した保険料が保険会社から被保険者に対し提示され、契約交渉が行われる(ステップ#12)。被保険者が保険料その他の契約内容に合意して契約が成立する(ステップ#13)。ここで、当該保険契約の契約情報として、保険料算定手段1が算定した保険料、保険料算定のために算定したリスク値、契約期間等が、本発明システム100の入力端末から入力され、被保険者契約情報データベース10に保存される。また、入力端末から契約が成立した旨の入力を行い、保険料算定手段1内に一時的に保存されている上記契約情報を被保険者契約情報データベース10に保存するようにしても構わない。或は、契約交渉中に上記契約情報を被保険者契約情報データベース10に仮保存して、契約成立後に保存を確定するようにしてもよい。
【0036】
契約成立後、契約期間中に発生した保険金支払い事象(保険対象の事故等)の発生、及び、それに対する保険金の支払い等の被保険者の実績データが本発明システム100の入力端末から逐次入力され、実績保存手段2により、被保険者実績データベース8に保存される。契約更改前に、次期契約期間の保険料がステップ#11と同じ要領で再算定される(ステップ#14)。ここで、保険料の再算定に当たっては、現行契約期間中に被保険者実績データベース8に蓄積された実績データも参酌される。そして、ステップ#12と同様に被保険者に新たな保険料が提示され、契約更改の交渉を行い(ステップ#15)、被保険者がこれに同意すれば、再契約となる(ステップ#16)。以後、同様に契約の更改がなされる。
【0037】
次に、契約期間中に発生した保険金支払い事象の発生に伴う、本発明システムの処理について、図4に基づいて説明する。
【0038】
被保険者Aにおいて、保険金支払い事象が発生すると(ステップ#30)、被保険者がその旨を保険会社に報告する。保険会社は当該報告を受けて、保険契約に基づき保険金を被保険者Aに支払うとともに(ステップ#31)、実績保存工程で、発生した保険金支払い事象と支払った保険金額がその被保険者Aの実績データとして被保険者実績データベース8に蓄積保存される(ステップ#32)。この実績保存工程(ステップ#32)において、実績保存手段2が、例えば、保険金支払い処理(保険金の計算等)を実行する支払い処理手段(図示せず)から実績データを受け取り、被保険者実績データベース8に蓄積保存する。このとき、当該被保険者Aが既に何らかの教育コンテンツにより保険対象の教育を実施している場合は、その教育コンテンツに関する情報が被保険者Aより報告されており、被保険者契約情報データベース10に記憶されているので、その教育コンテンツの識別情報と実績データは、相互に紐付けされて被保険者実績データベース8に保存される。
【0039】
引き続き、支払い実績判定手段3が、被保険者実績データベース8にアクセスし、保存されている現行保険契約の保険金支払い実績の累積額を読み出すか或は保険金支払い実績から計算するとともに、被保険者契約情報データベース10にアクセスし、保存されている現行保険契約のリスク値を読み出し、当該累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する(実績判定工程:ステップ#33)。例えば、累積額がリスク値の例えば100%値(またはそれ未満の90%値等)を超過したか否かを判定する(ステップ#33)。ここで、累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えていなければ、一端処理を終了し、次に保険金支払い事象が発生するまで待機する。
【0040】
逆に、ステップ#33の実績判定工程において累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えている場合は、教育コンテンツ選定手段4が教育コンテンツ選定工程を実行する(ステップ#34、#35)。先ず、当該被保険者A(リスク超過被保険者)と属性が共通または類似し、且つ、支払い実績が自己の保険契約のリスク値を超えていない他の被保険者Bの抽出を行う(ステップ#34)。具体的には、被保険者属性データベース7から属性が共通または類似する他の被保険者を検索し、検索した被保険者Bに対してステップ#33と同様の判定処理を行う。但し、この判定処理では、保険対象に係る教育に用いる教育コンテンツの識別情報が紐付けされている実績データのみを判定対象とする。尚、ステップ#34で抽出された被保険者が複数の場合には、保険対象に係る教育に用いる教育コンテンツに対応する支払い実績の累積値が最小となっている被保険者Bを選択する。
【0041】
次に、教育コンテンツ選定手段4は、ステップ#34で抽出した被保険者Bの実績データに紐付けされている識別情報から教育コンテンツを特定し、その教育コンテンツをリスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツとして選定し、被保険者A(リスク超過被保険者)に提示する(ステップ#35)。具体的には、データ送受信手段5がリスク超過被保険者の情報処理端末30に通信ネットワーク20を介して、選定した教育コンテンツに係る情報を送信する。これにより、選定した教育コンテンツに係る情報を受け取った被保険者A(リスク超過被保険者)は、当該情報から、保険契約の付帯条件で規定された教育を実施すべき教育コンテンツを特定し、その教育コンテンツを電子データとして保有する被保険者Bの情報処理端末40から通信ネットワーク20を介して当該教育コンテンツをダウンロードして教育を開始することができる(ステップ#37)。
【0042】
尚、ステップ#35と平行して、選定された教育コンテンツを保有する被保険者Bの情報処理端末40に対しても、選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報を送信する(ステップ36)。この結果、被保険者Bは、リスク超過被保険者Aからのアクセスに対し、当該教育コンテンツのダウンロードを許可することができる(ステップ#38)。
【0043】
尚、上記被保険者Bの情報処理端末40への選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報の送信は必ず行わなくてもよい。予め保険会社との契約により、リスク超過被保険者Aからのアクセスを許可しておいてもよい。
【0044】
リスク超過被保険者Aが一端教育を開始すると(ステップ#37)、それ以降の契約期間内に発生した保険金支払い事象は、ステップ#32と同様に、実績保存手段2が上記教育コンテンツの識別情報と紐付けを行い、被保険者Aの実績データとして被保険者実績データベース8に蓄積保存する(実績保存工程:ステップ#39)。
【0045】
ここで、保険料算定手段1、実績保存手段2、支払い実績判定手段3、教育コンテンツ選定手段4は機能的手段であり、本発明システム100を構成するコンピュータ装置のハードウェア資源を利用して、各機能を実現する各コンピュータプログラムを当該コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することによってソフトウェア的に実現されるものである。ここで、本発明システム100をソフトウェア的に実現する本発明に係る保険管理プログラムは、上記各プログラムを具備して構成される。また、本発明に係る保険管理プログラムを構成する各コンピュータプログラムを上記コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することにより、本発明に係る保険管理方法の保険料算定工程、実績保存工程、支払い実績判定工程、教育コンテンツ選定工程の各工程を夫々実行される。
【0046】
また、上記本発明に係る保険管理プログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等のデータ伝送媒体を介して、本発明システム100をハードウェア的に構成するコンピュータ装置がアクセス可能な記録装置内にインストールされて実用に供される。具体的には、インストールされた当該プログラムが当該記憶装置からコンピュータが実行可能な主記憶上へ読み込まれて実行される。
【0047】
以下に、別の実施形態につき説明する。
〈1〉上記実施形態(第1実施形態)では、教育コンテンツは保険契約にかかる何れかの被保険者が所有している場合を想定したが、教育コンテンツは、教育コンテンツの作成会社等の教育コンテンツを専門に提供する教育コンテンツ提供者から、第1実施形態のリスク超過被保険者Aに提供される形態であっても構わない。本別実施形態(第2実施形態)につき、図5及び図6を用いて説明する。
【0048】
第2実施形態では、図5に示すように、本発明システム100は第1実施形態と同じであり、本発明システム100及び被保険者の情報処理端末30が、通信ネットワーク20を介して教育コンテンツ提供者Cの教育コンテンツ提供用の情報処理端末50とデータ送受信可能に構成されている。従って、本発明システム100及び本発明システム100が実行する保険管理方法は第1実施形態と基本的に同じである。具体的に言えば、本発明システム100における保険料算定工程(ステップ#11、#14)、実績保存工程(ステップ#32、#39)、実績判定工程(ステップ#33)、教育コンテンツ選定工程(ステップ#34、#35)は同じであるが、図4に示す教育コンテンツ選定工程に続くステップ#36、#38以降が異なる。第2実施形態では、教育コンテンツ選定手段4は、教育コンテンツ提供者Cの情報処理端末50に対し、選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報を送信する。この結果、教育コンテンツ提供者Cは、リスク超過被保険者Aからのアクセスに対し、当該教育コンテンツのダウンロードを許可することができる。リスク超過被保険者Aはステップ#37以降において、例えば、図6に示す要領で、情報処理端末50にアクセスして教育を実施することになる。
【0049】
リスク超過被保険者A(被保険者が団体の場合は、その各構成員)が情報処理端末30から、教育コンテンツ提供者Cの情報処理端末50において提供されるWBT(Web Based Training)等の教育システムへログインする(ステップ#40)。被保険者Aは、例えば保険契約時に予め当該教育システムへ会員登録を済ませているものとする。情報処理端末50側では、当該ログインに対してユーザ認証等を行い(ステップ#41)、ログインを確認すると、情報処理端末30に対して、そのユーザ(被保険者)に対する教育メニューの表示用データを例えば所定のデータ形式(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)等で記述されたデータ)と所定の通信プロトコル(例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol))によるWEB形式等で送信する(ステップ#42)。情報処理端末30側で、当該メニュー表示用データを受信し、当該教育メニュー表示用のHTMLデータを情報処理端末30で所定のWEBブラウザを用いて表示させる(ステップ#43)。被保険者Aは、表示された教育メニューから、教育コンテンツ選定手段4が教育コンテンツ選定工程で選定し、指定してきた教育コンテンツを選択する(ステップ#44)。その選択データが情報処理端末30から情報処理端末50に送信され、情報処理端末50は教育コンテンツ選定工程で選定された教育コンテンツを上記WEB形式で情報処理端末30に送信する(ステップ#45)。
【0050】
情報処理端末30では送信された教育コンテンツを、上記WEBブラウザを用いて表示させる(ステップ#46)。被保険者Aは、表示された教育コンテンツに沿って学習を開始し(ステップ#47)、終了する(ステップ#48、中途終了を含む)。学習が終了すると、学習の進捗状況や成績が、学習を行ったユーザ及び教育コンテンツの各識別情報と紐付けされて所定のデータベースに記録される(ステップ#49)。
【0051】
尚、図6に示した教育実施フローは、第1実施形態においては説明を省略したが、基本的に第2実施形態と同様である。
【0052】
〈2〉上記各実施形態では、教育コンテンツを被保険者に対し、通信ネットワーク20を介して電子データとして提供する場合を説明したが、教育コンテンツの提供は必ずしも電子的に行わなくても構わない。また教育コンテンツ自体も電子化できるものに限らず、実地訓練のようなコンテンツでもよい。例えば、効果の高い運転講習をリスク超過被保険者に提供するような形態でもよい。
【0053】
〈3〉また、保険料算定手段1が実行する保険料算定工程は、上記実施形態の処理手順や処理内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保険管理システムの一実施形態を示すブロック構成図
【図2】本発明に係る保険管理システムの対象となる保険契約の申し込みから契約更改(再契約)までの流れを示すフロー図
【図3】本発明に係る保険管理方法の保険料算定工程を説明するフロー図
【図4】本発明に係る保険管理方法の処理の流れを説明するフロー図
【図5】本発明に係る保険管理システムの他の応用例を示すブロック構成図
【図6】本発明に係る保険管理システムで選定された教育コンテンツを用いた教育実施要領の一例を示すフロー図
【符号の説明】
100:本発明に係る保険管理システム
1: 保険料算定手段
2: 実績保存手段
3: 支払い実績判定手段
4: 教育コンテンツ選定手段
5: データ送受信手段
6: 被保険者情報データベース
7: 被保険者属性データベース
8: 被保険者実績データベース
9: 統計情報データベース
10: 被保険者契約情報データベース
20: 通信ネットワーク
30、40:被保険者の情報処理端末
50: 教育コンテンツ提供者の情報処理端末
A、B:被保険者
C: 教育コンテンツ提供者
【発明の属する技術分野】
本発明は、保険契約の被保険者の実績を管理する保険管理システム及び保険管理方法に関し、より詳細には、被保険者の保険対象に係る教育の実施を含む保険管理システム及び保険管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、保険料は、被保険者となる者の年齢や病歴といった被保険者の属性情報や、過去における交通事故の回数や労働災害発生率等といった実績等の統計的情報を基に、各保険会社(保険者)が独自の算定方法で計算している。
【0003】
一方、保険の対象になるような交通事故や労働災害、訴訟等のリスクに対して、被保険者たる企業や個人にリスク回避の教育を行うことによって、そのリスクの低減することが定性的事実として知られている。
【0004】
かかる保険対象に関する教育を行うことによって、その実施回数や成績に応じて保険料を下げるというビジネスモデルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−117236号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特許文献1に開示されている従来技術は、教育を実施することにより必ずリスクが低減できることを前提として、被保険者が受講した教育の回数や成績を保険料に反映させるものである。しかしながら、当該従来技術は、その教育によって本当にリスク回避がなされているかどうかの確認やその確認結果の保険料へのフィードバックがなされていない。また、教育効果は、その教育コンテンツ(内容)によって大きく左右され、同じ保険対象に係る教育コンテンツでも実際にリスク回避に有効なものとそうでないものが存在し得るが、当該従来技術ではかかる事実も考慮されていない。また、同じ教育コンテンツでも、女性が多いとか外勤者の割合が高い等の受講者の属性によってもその教育効果の異なることが普通である。当該従来技術は、このような実態を無視して、単に教育によりリスク回避ができるという定性的事実を具体的な保険料値下げに繋げているため、その保険料算定方法は実用化するとなれば非常な困難を伴うものと予想される。
【0007】
また、当該従来技術では、保険会社が教育によりリスク回避できるという定性的な前提に基づいて教育の実施回数等に応じた保険料算定(保険料低減)を求められるという負担増加がある。被保険者には保険料低減という利益があるものの、保険会社にとっては保険料算定が複雑化する上、契約金が下がるという不利益しかないため、保険会社が実際に当該従来技術のモデルを採用するとは考えられない。保険会社としては、被保険者が教育によりリスク低減できるか否かに拘わらず、従来のように被保険者の実績に応じた契約をすれば、特段の問題が生じないわけである。更に、リスク回避の実績と結びつかない教育の実施回数や成績等を基に保険料を算定することにより、保険料低減のための教育自体が目的化する虞が高くなるという弊害も十分に予想される。
【0008】
他方、被保険者側の企業等においては、通常従業員に対して交通安全教育やコンプライアンス教育等を定期的に行っており、別途保険料低減のためだけの教育は受け入れられにくい。また、教育を単に実施しないことによる保険料の値上げは受け入れ難い。更には、コンピュータネットワークを利用した教育コンテンツの作成には、通常の教材作成よりも時間とコストがかかるため、被保険者がかかる教育コンテンツを作成、改定するのに、保険料低減だけでは十分な動機付けとなり得ない。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記問題点を解消し、保険会社と被保険者の双方が共に保険対象に係る教育を実施することで利益を享受でき、リスク回避または低減の図れる保険管理システムまたは方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理システムの特徴構成は、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定手段と、前記被保険者の属性情報、前記被保険者への保険金の支払い実績、前記保険料に対応する保険金支払い期待値、前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツに関する教育コンテンツ情報を、夫々検索可能に記憶した被保険者情報データベースと、前記保険契約または被保険者毎に、前記支払い実績が前記保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定手段と、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が前記保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定手段と、を備えてなる点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、ある被保険者に対し、支払い実績判定手段が、支払い実績が保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたと判断した場合に、リスク回避効果の実証されているその被保険者に最適な教育コンテンツが教育コンテンツ選定手段によって選定されるので、例えば保険契約において当該選定された教育コンテンツの受講を義務付けることにより、保険会社は、保険金の支払いが更に増加するというリスクの低減が期待される。また、保険会社は、単なる教育の実施回数や成績といったリスク回避効果の不明なものではなく、従来通りに被保険者の属性や過去の実績等を基に保険料を算定でき、不必要な保険料の値下げを回避でき収入の維持が図られる。
【0012】
一方、被保険者の立場から見れば、保険契約時に保険対象に係る教育を実施していない場合に、そのことだけを以って相対的に高額な保険料の支払いを求められる不利益を避けることができ、しかも、実際に教育の不実施によりリスクが高くなった場合に、最適なリスク回避効果の高い教育を受けることができるので、最初から効果の不確定な教育に時間とコストを費やす不利益も回避できる。また、実際に効果のある教育を受けることで、その後の実績を改善でき、次回契約更改時に保険料算定の基準となる実績を不必要に悪くするのを回避できる利益がある。更に、既に何らかの教育を実施してリスク低減効果の実効を上げている被保険者は、自己の行った教育コンテンツを所有している場合は、保険会社或はそれを実施する他の被保険者に対し有償で実施させることで、教育コンテンツの作成に要した費用などの回収が図れるとともに、かかる実績が次回契約更改時に実績として反映される可能性もある。
【0013】
更に、本発明に係る保険管理システムは、保険金支払い事象が発生した場合に、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
本特徴構成によれば、教育コンテンツ選定手段が教育コンテンツを選定する際に、同じ被保険者の実績と教育コンテンツであっても、実際に当該教育コンテンツで教育を実施した結果としての実績を区別して正確に評価することができる。更に、教育コンテンツ自体を評価する指標として、対応付けられた実績(支払い実績)の合計を教育実績として用いることで、どの教育コンテンツがリスク回避に効果があるかを判定できる。従って、教育コンテンツの提供を行う業者は、当該指標をセールスポイントとして営業活動することができる。
【0015】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に通信ネットワークを介してデータ送受信可能なデータ送受信手段を備えていることを特徴とする。そして、前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツに係る情報を、前記リスク超過被保険者の情報処理端末に送信する。更に、前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツとその教育コンテンツを実施予定の前記リスク超過被保険者に係る情報を、前記教育コンテンツを所有する前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に送信し、前記教育コンテンツの前記リスク超過被保険者への提供を依頼する。
【0016】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記教育コンテンツが、電子データとして通信ネットワークを介して前記リスク超過被保険者の情報処理端末に提供されることを特徴とする。
【0017】
上記特徴構成によれば、本発明に係る保険管理システムと被保険者や教育コンテンツ提供者の情報処理端末間で、通信ネットワークを介して電子データの送受信が可能となり、リスク超過被保険者に対し受講すべき教育コンテンツに係る情報を迅速且つ正確に送信でき、特に教育コンテンツが電子データとして通信ネットワークを介して提供される場合には、送信された教育コンテンツに係る情報に基づいて教育コンテンツを簡便に入手でき、教育の実施を開始できる。
【0018】
また、教育コンテンツを所有する被保険者または教育コンテンツ提供者は、自己の所有する教育コンテンツを必要としている被保険者の情報を入手できるので、その教育コンテンツを当該被保険者に提供することで、何らかの対価が得られることになる。
【0019】
更に、教育コンテンツを専門に提供する教育コンテンツ提供者の場合、保険内容と被保険者の属性との関係でリスク低減効果の実証された教育コンテンツを、一般の被保険者に対しても提供できるようになる。
【0020】
更に、本発明に係る保険管理システムは、前記被保険者の一部または全部が、複数の構成員を有する団体であって、前記教育コンテンツは前記構成員の教育用であることを特徴とする。
【0021】
上記特徴構成によれば、複数の構成員を有する企業等の団体が被保険者の場合は、各構成員の事故等に起因して保険金の支払いが発生するため、保険金支払い期待値に対して支払い実績が段階的に増加する場合が想定され、例えば、支払い実績が保険金支払い期待値に近づいて超過してしまう前に、各構成員に対しリスク低減効果の実証された教育の実施を行うことにより、保険会社に対しては保険金の支払いの増加を抑制でき、被保険者である企業にすれば、更なる実績の悪化を防止できることになる。
【0022】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理方法の特徴構成は、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定工程と、前記保険契約または被保険者毎に、前記被保険者への保険金の支払い実績が前記保険料に対応する保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定工程と、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定工程と、を実行する点にある。
【0023】
更に、本発明に係る保険管理方法は、保険金支払い事象が発生した場合、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存工程を実行することを特徴とする。
【0024】
この目的を達成するための本発明に係る保険管理プログラムの特徴構成は、上記保険管理方法における各工程をコンピュータ上で夫々実行するコンピュータプログラムを有する点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、上記保険管理方法を実行することにより、本発明に係る保険管理システムと同様の上記作用効果を奏する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る保険管理システム(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0027】
本発明システム100は、コンピュータのソフトウェア処理によって、被保険者に対する保険金の支払い実績を監視し、当該支払い実績が所定のリスク値を超えて或は近づいて悪化(増加)してきた場合に、リスク低減効果の実証された保険対象に係る教育コンテンツでその被保険者に適したものを提供できる保険管理システムであって、図1に示すように、保険料算定手段1、実績保存手段2、支払い実績判定手段3、教育コンテンツ選定手段4、データ送受信手段5、及び、被保険者情報データベース6を備えて構成される。そして、本発明に係る保険契約では、後述するように、被保険者に対する保険金の支払い実績がリスク値に対して一定限度範囲を超えた場合に、保険対象に関してリスク回避のための教育を、上記教育コンテンツを用いて実施する旨の付帯条件が設けられる。
【0028】
更に、被保険者情報データベース6は、被保険者の属性情報を検索可能に格納した被保険者属性データベース7、被保険者への保険金の支払い実績等の被保険者の過去及び現在の実績データ(実績情報)を検索可能に格納した被保険者実績データベース8、保険対象に係る各種統計情報を格納した統計情報データベース9、及び、被保険者の個々の保険契約についての契約情報を格納した被保険者契約情報データベース10から構成されている。被保険者実績データベース8には、被保険者の実績データと、その実績データに対応する保険対象について被保険者において実施された教育コンテンツの識別情報が、実績保存手段2によって紐付けされ格納されている。
【0029】
また、本発明システム100は、データ送受信手段5を介してインターネット等の通信ネットワーク20に接続して外部とのデータ送受信可能に構成されている。また、本発明システム100に係る保険契約の複数の被保険者のパソコン等の情報処理端末30,40が同じく通信ネットワーク20に接続して外部とのデータ送受信可能に構成されていて、本発明システム100と被保険者の情報処理端末30,40が相互にデータ送受信可能に構成されている。尚、図1では説明の便宜上、2つの被保険者A,Bの情報処理端末30,40が本発明システム100とデータ送受信可能に接続している構成を例示しているが、本発明システム100に接続する被保険者の情報処理端末はこれらに限定されるものではない。
【0030】
次に、本発明システム100の各手段及び各データベースの機能並びに動作につき、本発明システム100を用いて実行される保険管理方法とともに説明する。図2に保険契約の申し込みから契約更改(再契約)までの流れを示す。
【0031】
先ず、被保険者となる者が保険会社に対し保険の加入申し込みを行う(ステップ#10)。その申し込みに応じて、保険会社では、本発明システム100の保険料算定手段1により保険料の算定を行う(保険料算定工程:ステップ#11)。
【0032】
保険料算定手段1は、保険料算定工程において、保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する。図3の保険料算定フローチャートに示すように、保険料算定手段1は、本発明システム100の入力端末からオペレータによる被保険者の属性情報(例えば、個人被保険者の場合は、年齢、性別、職業、家族構成等、また、団体被保険者の場合は、業種、構成員の職種、構成員の数、勤務形態、構成員の年齢構成、構成員の性別等)の入力が行われる(ステップ#20)。新規に登録された属性情報は被保険者属性データベース7に保存される。尚、既に属性情報の登録がされている場合は、被保険者の氏名や識別番号等の入力により被保険者属性データベース7から属性情報の読み出しが行われる。
【0033】
次に、保険料算定手段1は、被保険者実績データベース8の検索を行い、被保険者に対する過去の実績データがあるか否かを判定する(ステップ#21)。ここで、過去の実績データが存在する場合は、保険料算定に必要な実績データを取得する(ステップ#22)。逆に過去の実績データが存在しない場合は、被保険者属性データベース7から保険料算定対象の被保険者の属性情報と類似する他の被保険者の抽出を行い、抽出された被保険者の保険料算定に必要な実績データを取得する(ステップ#23)。この場合、他の被保険者の抽出は過去の実績データが存在する被保険者を抽出するようにする。
【0034】
次に、保険料算定手段1は、統計情報データベース9の検索を行い、保険料算定の保険対象に係る各種統計情報を取得する(ステップ#24)。次に、ステップ#20、#22または#23、及び、#24で取得した各情報に基づいて、保険会社で既に使用している算定方法によりリスク値(保険金の支払い期待値)を算定する(ステップ#25)。そして、算定されたリスク値に基づいて、保険料を算定する(ステップ#26)。
【0035】
図2に示すように、保険料算定手段1が上記要領で算定した保険料が保険会社から被保険者に対し提示され、契約交渉が行われる(ステップ#12)。被保険者が保険料その他の契約内容に合意して契約が成立する(ステップ#13)。ここで、当該保険契約の契約情報として、保険料算定手段1が算定した保険料、保険料算定のために算定したリスク値、契約期間等が、本発明システム100の入力端末から入力され、被保険者契約情報データベース10に保存される。また、入力端末から契約が成立した旨の入力を行い、保険料算定手段1内に一時的に保存されている上記契約情報を被保険者契約情報データベース10に保存するようにしても構わない。或は、契約交渉中に上記契約情報を被保険者契約情報データベース10に仮保存して、契約成立後に保存を確定するようにしてもよい。
【0036】
契約成立後、契約期間中に発生した保険金支払い事象(保険対象の事故等)の発生、及び、それに対する保険金の支払い等の被保険者の実績データが本発明システム100の入力端末から逐次入力され、実績保存手段2により、被保険者実績データベース8に保存される。契約更改前に、次期契約期間の保険料がステップ#11と同じ要領で再算定される(ステップ#14)。ここで、保険料の再算定に当たっては、現行契約期間中に被保険者実績データベース8に蓄積された実績データも参酌される。そして、ステップ#12と同様に被保険者に新たな保険料が提示され、契約更改の交渉を行い(ステップ#15)、被保険者がこれに同意すれば、再契約となる(ステップ#16)。以後、同様に契約の更改がなされる。
【0037】
次に、契約期間中に発生した保険金支払い事象の発生に伴う、本発明システムの処理について、図4に基づいて説明する。
【0038】
被保険者Aにおいて、保険金支払い事象が発生すると(ステップ#30)、被保険者がその旨を保険会社に報告する。保険会社は当該報告を受けて、保険契約に基づき保険金を被保険者Aに支払うとともに(ステップ#31)、実績保存工程で、発生した保険金支払い事象と支払った保険金額がその被保険者Aの実績データとして被保険者実績データベース8に蓄積保存される(ステップ#32)。この実績保存工程(ステップ#32)において、実績保存手段2が、例えば、保険金支払い処理(保険金の計算等)を実行する支払い処理手段(図示せず)から実績データを受け取り、被保険者実績データベース8に蓄積保存する。このとき、当該被保険者Aが既に何らかの教育コンテンツにより保険対象の教育を実施している場合は、その教育コンテンツに関する情報が被保険者Aより報告されており、被保険者契約情報データベース10に記憶されているので、その教育コンテンツの識別情報と実績データは、相互に紐付けされて被保険者実績データベース8に保存される。
【0039】
引き続き、支払い実績判定手段3が、被保険者実績データベース8にアクセスし、保存されている現行保険契約の保険金支払い実績の累積額を読み出すか或は保険金支払い実績から計算するとともに、被保険者契約情報データベース10にアクセスし、保存されている現行保険契約のリスク値を読み出し、当該累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する(実績判定工程:ステップ#33)。例えば、累積額がリスク値の例えば100%値(またはそれ未満の90%値等)を超過したか否かを判定する(ステップ#33)。ここで、累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えていなければ、一端処理を終了し、次に保険金支払い事象が発生するまで待機する。
【0040】
逆に、ステップ#33の実績判定工程において累積額がリスク値に対して一定限度範囲を超えている場合は、教育コンテンツ選定手段4が教育コンテンツ選定工程を実行する(ステップ#34、#35)。先ず、当該被保険者A(リスク超過被保険者)と属性が共通または類似し、且つ、支払い実績が自己の保険契約のリスク値を超えていない他の被保険者Bの抽出を行う(ステップ#34)。具体的には、被保険者属性データベース7から属性が共通または類似する他の被保険者を検索し、検索した被保険者Bに対してステップ#33と同様の判定処理を行う。但し、この判定処理では、保険対象に係る教育に用いる教育コンテンツの識別情報が紐付けされている実績データのみを判定対象とする。尚、ステップ#34で抽出された被保険者が複数の場合には、保険対象に係る教育に用いる教育コンテンツに対応する支払い実績の累積値が最小となっている被保険者Bを選択する。
【0041】
次に、教育コンテンツ選定手段4は、ステップ#34で抽出した被保険者Bの実績データに紐付けされている識別情報から教育コンテンツを特定し、その教育コンテンツをリスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツとして選定し、被保険者A(リスク超過被保険者)に提示する(ステップ#35)。具体的には、データ送受信手段5がリスク超過被保険者の情報処理端末30に通信ネットワーク20を介して、選定した教育コンテンツに係る情報を送信する。これにより、選定した教育コンテンツに係る情報を受け取った被保険者A(リスク超過被保険者)は、当該情報から、保険契約の付帯条件で規定された教育を実施すべき教育コンテンツを特定し、その教育コンテンツを電子データとして保有する被保険者Bの情報処理端末40から通信ネットワーク20を介して当該教育コンテンツをダウンロードして教育を開始することができる(ステップ#37)。
【0042】
尚、ステップ#35と平行して、選定された教育コンテンツを保有する被保険者Bの情報処理端末40に対しても、選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報を送信する(ステップ36)。この結果、被保険者Bは、リスク超過被保険者Aからのアクセスに対し、当該教育コンテンツのダウンロードを許可することができる(ステップ#38)。
【0043】
尚、上記被保険者Bの情報処理端末40への選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報の送信は必ず行わなくてもよい。予め保険会社との契約により、リスク超過被保険者Aからのアクセスを許可しておいてもよい。
【0044】
リスク超過被保険者Aが一端教育を開始すると(ステップ#37)、それ以降の契約期間内に発生した保険金支払い事象は、ステップ#32と同様に、実績保存手段2が上記教育コンテンツの識別情報と紐付けを行い、被保険者Aの実績データとして被保険者実績データベース8に蓄積保存する(実績保存工程:ステップ#39)。
【0045】
ここで、保険料算定手段1、実績保存手段2、支払い実績判定手段3、教育コンテンツ選定手段4は機能的手段であり、本発明システム100を構成するコンピュータ装置のハードウェア資源を利用して、各機能を実現する各コンピュータプログラムを当該コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することによってソフトウェア的に実現されるものである。ここで、本発明システム100をソフトウェア的に実現する本発明に係る保険管理プログラムは、上記各プログラムを具備して構成される。また、本発明に係る保険管理プログラムを構成する各コンピュータプログラムを上記コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することにより、本発明に係る保険管理方法の保険料算定工程、実績保存工程、支払い実績判定工程、教育コンテンツ選定工程の各工程を夫々実行される。
【0046】
また、上記本発明に係る保険管理プログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等のデータ伝送媒体を介して、本発明システム100をハードウェア的に構成するコンピュータ装置がアクセス可能な記録装置内にインストールされて実用に供される。具体的には、インストールされた当該プログラムが当該記憶装置からコンピュータが実行可能な主記憶上へ読み込まれて実行される。
【0047】
以下に、別の実施形態につき説明する。
〈1〉上記実施形態(第1実施形態)では、教育コンテンツは保険契約にかかる何れかの被保険者が所有している場合を想定したが、教育コンテンツは、教育コンテンツの作成会社等の教育コンテンツを専門に提供する教育コンテンツ提供者から、第1実施形態のリスク超過被保険者Aに提供される形態であっても構わない。本別実施形態(第2実施形態)につき、図5及び図6を用いて説明する。
【0048】
第2実施形態では、図5に示すように、本発明システム100は第1実施形態と同じであり、本発明システム100及び被保険者の情報処理端末30が、通信ネットワーク20を介して教育コンテンツ提供者Cの教育コンテンツ提供用の情報処理端末50とデータ送受信可能に構成されている。従って、本発明システム100及び本発明システム100が実行する保険管理方法は第1実施形態と基本的に同じである。具体的に言えば、本発明システム100における保険料算定工程(ステップ#11、#14)、実績保存工程(ステップ#32、#39)、実績判定工程(ステップ#33)、教育コンテンツ選定工程(ステップ#34、#35)は同じであるが、図4に示す教育コンテンツ選定工程に続くステップ#36、#38以降が異なる。第2実施形態では、教育コンテンツ選定手段4は、教育コンテンツ提供者Cの情報処理端末50に対し、選定された教育コンテンツの識別情報とその教育コンテンツを実施予定のリスク超過被保険者に係る情報を送信する。この結果、教育コンテンツ提供者Cは、リスク超過被保険者Aからのアクセスに対し、当該教育コンテンツのダウンロードを許可することができる。リスク超過被保険者Aはステップ#37以降において、例えば、図6に示す要領で、情報処理端末50にアクセスして教育を実施することになる。
【0049】
リスク超過被保険者A(被保険者が団体の場合は、その各構成員)が情報処理端末30から、教育コンテンツ提供者Cの情報処理端末50において提供されるWBT(Web Based Training)等の教育システムへログインする(ステップ#40)。被保険者Aは、例えば保険契約時に予め当該教育システムへ会員登録を済ませているものとする。情報処理端末50側では、当該ログインに対してユーザ認証等を行い(ステップ#41)、ログインを確認すると、情報処理端末30に対して、そのユーザ(被保険者)に対する教育メニューの表示用データを例えば所定のデータ形式(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)等で記述されたデータ)と所定の通信プロトコル(例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol))によるWEB形式等で送信する(ステップ#42)。情報処理端末30側で、当該メニュー表示用データを受信し、当該教育メニュー表示用のHTMLデータを情報処理端末30で所定のWEBブラウザを用いて表示させる(ステップ#43)。被保険者Aは、表示された教育メニューから、教育コンテンツ選定手段4が教育コンテンツ選定工程で選定し、指定してきた教育コンテンツを選択する(ステップ#44)。その選択データが情報処理端末30から情報処理端末50に送信され、情報処理端末50は教育コンテンツ選定工程で選定された教育コンテンツを上記WEB形式で情報処理端末30に送信する(ステップ#45)。
【0050】
情報処理端末30では送信された教育コンテンツを、上記WEBブラウザを用いて表示させる(ステップ#46)。被保険者Aは、表示された教育コンテンツに沿って学習を開始し(ステップ#47)、終了する(ステップ#48、中途終了を含む)。学習が終了すると、学習の進捗状況や成績が、学習を行ったユーザ及び教育コンテンツの各識別情報と紐付けされて所定のデータベースに記録される(ステップ#49)。
【0051】
尚、図6に示した教育実施フローは、第1実施形態においては説明を省略したが、基本的に第2実施形態と同様である。
【0052】
〈2〉上記各実施形態では、教育コンテンツを被保険者に対し、通信ネットワーク20を介して電子データとして提供する場合を説明したが、教育コンテンツの提供は必ずしも電子的に行わなくても構わない。また教育コンテンツ自体も電子化できるものに限らず、実地訓練のようなコンテンツでもよい。例えば、効果の高い運転講習をリスク超過被保険者に提供するような形態でもよい。
【0053】
〈3〉また、保険料算定手段1が実行する保険料算定工程は、上記実施形態の処理手順や処理内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保険管理システムの一実施形態を示すブロック構成図
【図2】本発明に係る保険管理システムの対象となる保険契約の申し込みから契約更改(再契約)までの流れを示すフロー図
【図3】本発明に係る保険管理方法の保険料算定工程を説明するフロー図
【図4】本発明に係る保険管理方法の処理の流れを説明するフロー図
【図5】本発明に係る保険管理システムの他の応用例を示すブロック構成図
【図6】本発明に係る保険管理システムで選定された教育コンテンツを用いた教育実施要領の一例を示すフロー図
【符号の説明】
100:本発明に係る保険管理システム
1: 保険料算定手段
2: 実績保存手段
3: 支払い実績判定手段
4: 教育コンテンツ選定手段
5: データ送受信手段
6: 被保険者情報データベース
7: 被保険者属性データベース
8: 被保険者実績データベース
9: 統計情報データベース
10: 被保険者契約情報データベース
20: 通信ネットワーク
30、40:被保険者の情報処理端末
50: 教育コンテンツ提供者の情報処理端末
A、B:被保険者
C: 教育コンテンツ提供者
Claims (10)
- 保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定手段と、
前記被保険者の属性情報、前記被保険者への保険金の支払い実績、前記保険料に対応する保険金支払い期待値、前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツに関する教育コンテンツ情報を、夫々検索可能に記憶した被保険者情報データベースと、
前記保険契約または被保険者毎に、前記支払い実績が前記保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定手段と、
前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が前記保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定手段と、を備えてなる保険管理システム。 - 保険金支払い事象が発生した場合に、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の保険管理システム。
- 前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に通信ネットワークを介してデータ送受信可能なデータ送受信手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の保険管理システム。
- 前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツに係る情報を、前記リスク超過被保険者の情報処理端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の保険管理システム。
- 前記データ送受信手段は、前記教育コンテンツ選定手段が選定した教育コンテンツとその教育コンテンツを実施予定の前記リスク超過被保険者に係る情報を、前記教育コンテンツを所有する前記被保険者または教育コンテンツ提供者の情報処理端末に送信し、前記教育コンテンツの前記リスク超過被保険者への提供を依頼することを特徴とする請求項3または4に記載の保険管理システム。
- 前記教育コンテンツは、電子データとして通信ネットワークを介して前記リスク超過被保険者の情報処理端末に提供されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の保険管理システム。
- 前記被保険者の一部または全部が、複数の構成員を有する団体であって、前記教育コンテンツは前記構成員の教育用である請求項1〜6の何れか1項に記載の保険管理システム。
- 保険契約毎に、被保険者に関する所定のデータに基づいて保険料を算定する保険料算定工程と、
前記保険契約または被保険者毎に、前記被保険者への保険金の支払い実績が前記保険料に対応する保険金支払い期待値に対して一定限度範囲を超えたか否かを判定する支払い実績判定工程と、
前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えたリスク超過被保険者と属性が共通または類似し、且つ、前記支払い実績が前記一定限度範囲を超えていない他の前記被保険者が保険対象に係る教育に用いた教育コンテンツ中から、前記リスク超過被保険者が実施すべき教育の教育コンテンツを選定する教育コンテンツ選定工程と、を実行する保険管理方法。 - 保険金支払い事象が発生した場合、その支払い実績を、その時点で前記被保険者が既に実施または受講している保険対象に係る教育コンテンツの識別情報と対応付けて、前記被保険者情報データベースに保存する実績保存工程を実行することを特徴とする請求項8に記載の保険管理方法。
- 請求項8または9に記載の保険管理方法における各工程をコンピュータ上で夫々実行するコンピュータプログラムを有する保険管理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364973A JP2004199242A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 保険管理システム、保険管理方法、及び、そのプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002364973A JP2004199242A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 保険管理システム、保険管理方法、及び、そのプログラム |
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Family Applications (1)
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JP2002364973A Withdrawn JP2004199242A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 保険管理システム、保険管理方法、及び、そのプログラム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004199242A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1614574A2 (en) | 2004-07-06 | 2006-01-11 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle control system |
TWI686751B (zh) * | 2018-11-30 | 2020-03-01 | 台灣人壽保險股份有限公司 | 家戶保單資料整合系統及方法 |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364973A patent/JP2004199242A/ja not_active Withdrawn
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EP1614574A2 (en) | 2004-07-06 | 2006-01-11 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle control system |
TWI686751B (zh) * | 2018-11-30 | 2020-03-01 | 台灣人壽保險股份有限公司 | 家戶保單資料整合系統及方法 |
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