JP2004198778A - 2波長反射防止膜及び2波長反射防止膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設計波長(532nm及び1064nm)を中心として十分に広い波長反射防止帯域を有する2波長防止膜及び2波長反射防止膜形成方法を提供する。
【構成】基板の表面に積層された5層の薄膜から成る多層膜を有し、5層の薄膜のうち基板表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されており、設計主波長をλ0としたときに、第1層の膜厚は0.12λ0乃至0.20λ0、第2層の膜厚は0.04λ0乃至0.13λ0、第3層の膜厚は0.03λ0乃至0.11λ0、第4層の膜厚は0.17λ0乃至0.30λ0、第5層の膜厚は0.41λ0乃至0.84λ0となるように積層された。
【選択図】 図1
【構成】基板の表面に積層された5層の薄膜から成る多層膜を有し、5層の薄膜のうち基板表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されており、設計主波長をλ0としたときに、第1層の膜厚は0.12λ0乃至0.20λ0、第2層の膜厚は0.04λ0乃至0.13λ0、第3層の膜厚は0.03λ0乃至0.11λ0、第4層の膜厚は0.17λ0乃至0.30λ0、第5層の膜厚は0.41λ0乃至0.84λ0となるように積層された。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2波長反射防止膜及び2波長反射防止膜形成方法に係り、特に各種レーザの基本波とその第2次高調波のように波長の異なる2つの光の反射を防止する2波長反射防止膜及び2波長反射防止膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、発振波長1064nmのNd:Y3Al5O12レーザや発振波長1053nmのNd:LiYF4レーザ等のNdドープ固体レーザの第2次高調波発生素子(SHG素子)として、KTP結晶(KTiOPO4結晶)が用いられている。
【0003】
この場合、KTP結晶のレーザ入出射面には、反射損失減少のためにレーザ基本波長とSH波長に対する反射防止膜が施される。例えば、基本波長を1064nmとした場合、KTP結晶のレーザ入出射面には、波長1064nm及び波長532nmの光の反射を防止し、これらを選択的に透過させる2波長反射防止膜が施される。
【0004】
上記KTP結晶を基板として形成された2波長反射防止膜として、屈折率が異なる2種類の誘電体膜(Al2O3,SiO2)を交互に積層(例えば、6層)し、各層の膜厚を基本波長の0.25倍以下とする技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、屈折率1.47〜1.78の基板上に屈折率1.7以下の材料で3層以上の所定厚の薄膜を形成する技術がある。この膜構成においては、各薄膜は、基本波長をλ1、SHG波長をλ2としたときに、2/λ0=1/λ1+1/λ2の関係で導かれる中心波長λ0の1/4又はその整数倍に等しいものとなっている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、KTP結晶に低屈折率材料としてSiO2,高屈折率材料としてHfO2又はZrO2を用いて3層膜を形成したものが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−333834号公報(第4−7頁、第2−3図)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−77601号公報(第3−5頁、第1−8図)
【0009】
【非特許文献1】
The Optical Society of America、J.Opt.Technol.66(2),February 1999、p.157−158
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような膜構成においては、設定主波長(532nm,1064nm)の極近傍域では反射防止効果が概ね得られている。しかし、実際にこのような薄膜をKTP結晶表面に形成する場合、一般に膜厚制御誤差によって±1〜2%の膜厚誤差が生じる。
【0011】
この結果、上記膜構成を製造する場合、分光反射率曲線はターゲットとする設計主波長に対して±1〜2%程度の波長ズレが生じてしまう。さらに、環境試験等により経時変化等が生じて、設定主波長の中心から分光反射率曲線がずれてしまう場合があった。
【0012】
すなわち、設計通りに精度よく薄膜形成すれば設計主波長において十分な反射防止効果を得ることができる場合であっても、上記のような製造誤差によってズレが生じてしまうことにより、必要とする十分な反射防止効果を得られない不良品が発生してしまう場合があるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、薄膜形成時に製造誤差が生じても必要な波長の光に対して十分な反射防止効果を確保することができるように、設計波長(532nm及び1064nm)を含む十分に広い波長反射防止帯域を有する2波長防止膜及び2波長反射防止膜形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された5層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記5層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5がそれぞれ以下の条件式、0.12λ0≦D1≦0.20λ0、0.04λ0≦D2≦0.13λ0、0.03λ0≦D3≦0.11λ0、0.17λ0≦D4≦0.30λ0、0.41λ0≦D5≦0.84λ0、を満足することにより解決される。
【0015】
また、請求項2のように前記第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0又は1.00λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0016】
また、前記課題は、請求項3に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された7層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記7層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.14λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.28λ0、0.45λ0≦D5≦0.58λ0、0.03λ0≦D6≦0.06λ0、0.49λ0≦D7≦0.58λ0、を満足することにより解決される。
【0017】
また、請求項4のように、請求項3において前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.13λ0≦D1≦0.20λ0、0.02λ0≦D2≦0.07λ0、0.04λ0≦D3≦0.14λ0、0.17λ0≦D4≦0.30λ0、0.90λ0≦D5≦1.12λ0、0.02λ0≦D6≦0.04λ0、0.48λ0≦D7≦0.64λ0、を満足するように形成することができる。
【0018】
また、請求項5のように、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.14λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.27λ0、0.45λ0≦D5≦0.58λ0、0.03λ0≦D6≦0.06λ0、0.92λ0≦D7≦1.16λ0、を満足するように形成することができる。
【0019】
また、請求項6のように前記第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0020】
また、前記課題は、請求項7に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された9層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記9層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層の薄膜が高屈折率材料、第9層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7と、前記第8層の薄膜の光学膜厚D8と、前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、0.15λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.25λ0、0.30λ0≦D5≦0.57λ0、0.02λ0≦D6≦0.07λ0、0.43λ0≦D7≦0.64λ0、0.42λ0≦D8≦0.54λ0、0.42λ0≦D9≦0.56λ0、を満足することにより解決される。
【0021】
また、請求項8のように、請求項7において前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、0.17λ0≦D1≦0.25λ0、0.02λ0≦D2≦0.06λ0、0.04λ0≦D3≦0.13λ0、0.10λ0≦D4≦0.17λ0、0.93λ0≦D5≦1.12λ0、0.04λ0≦D6≦0.07λ0、0.45λ0≦D7≦0.55λ0、0.41λ0≦D8≦0.49λ0、0.42λ0≦D9≦0.53λ0、を満足するように形成することができる。
【0022】
また、請求項9のように前記第9層の薄膜の光学膜厚D9,第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5のいずれかが、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0023】
また、請求項10のように前記基板は、KTiOPO4結晶とすることができる。そして、請求項11のように前記波長λ0を1064nmとし波長1064nm及び波長532nmの2波長の反射防止膜とすることができる。
【0024】
また、請求項12のように前記低屈折率材料がMgF2,SiO2,YF3,AlF3のいずれか、前記中間屈折率材料がAl2O3,Al2O3とLa2O3の混合物,NdF3,LaF3のいずれか、前記高屈折率材料がHfO2,Al2O3とLa2O3の混合物,ZrO2,Y2O3のいずれかで形成することが可能である。
【0025】
また、請求項13に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.84λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.11λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.12λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0026】
また、請求項14に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.49λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.28λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0027】
また、請求項15に記載のように、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.48λ0乃至0.64λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.04λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.90λ0乃至1.12λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.14λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.13λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0028】
また、請求項16に記載のように、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.92λ0乃至1.16λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.27λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0029】
また、請求項17に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.56λ0となるように形成し、前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.54λ0となるように形成し、前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.43λ0乃至0.64λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.30λ0乃至0.57λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.25λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0030】
また、請求項18に記載のように、基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.53λ0となるように形成し、前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.49λ0となるように形成し、前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.55λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.93λ0乃至1.12λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.10λ0乃至0.17λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.25λ0となるように形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1乃至図6,図26及び図27は実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフ、図7乃至図18及び図28は実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフ、図19乃至図25及び図29は実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。以下に説明する構成等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0032】
本実施例ではKTP結晶(波長532nmにおいて屈折率約1.78、波長1064nmにおいて屈折率約1.71)を基板として光入射側(空気側)より順に第1層,第2層,・・・と薄膜を5層,7層又は9層積層して多層膜から成る2波長反射防止膜を構成している。対象とする2波長の光は、波長1064nmの光及びKTP結晶により発生される当該波長の第2次高調波である波長532nmの光である。
【0033】
本実施の形態の5層膜構成の場合は、光入射側(空気側)から基板側へ低屈折率材料から成る第1層の光学膜厚D1を設計主波長λ0(1064nm)に対して0.12λ0〜0.20λ0、高屈折率材料から成る第2層の光学膜厚D2を0.04λ0〜0.13λ0、低屈折率材料又は中間屈折率材料から成る第3層の光学膜厚D3を0.03λ0〜0.11λ0、高屈折率材料から成る第4層の光学膜厚D4を0.17λ0〜0.30λ0、低屈折率材料又は中間屈折率材料から成る第5層の光学膜厚D5を0.41λ0〜0.84λ0としている。
【0034】
また、本実施の形態の7層膜構成の場合は、光入射側から基板側へかけて第1層膜は低屈折率材料、第2層膜は高屈折率材料、第3層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層膜は高屈折率材料、第5層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層膜は高屈折率材料、基板に接する第7層膜は中間屈折率材料で形成されている。
【0035】
本例の第1の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.14λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.28λ0、第5層の光学膜厚D5を0.45λ0〜0.58λ0、第6層の光学膜厚D6を0.03λ0〜0.06λ0、第7層の光学膜厚D7を0.49λ0〜0.58λ0としている。
【0036】
また、第2の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.13λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.02λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.04λ0〜0.14λ0、第4層の光学膜厚D4を0.17λ0〜0.30λ0、第5層の光学膜厚D5を0.90λ0〜1.12λ0、第6層の光学膜厚D6を0.02λ0〜0.04λ0、第7層の光学膜厚D7を0.48λ0〜0.64λ0としている。
【0037】
また、第3の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.14λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.27λ0、第5層の光学膜厚D5を0.45λ0〜0.58λ0、第6層の光学膜厚D6を0.03λ0〜0.06λ0、第7層の光学膜厚D7を0.92λ0〜1.16λ0としている。
【0038】
上記第1の7層膜構成では、各層の光学膜厚D1乃至D7が1.00λ0を超えないものとなっている。また、第2の7層膜構成では第5層の光学膜厚D5が1.00λ0程度となっており、第3の7層膜構成では第7層の光学膜厚D7が1.00λ0程度となっていることを特徴としている。
【0039】
また、本実施の形態の9層膜構成の場合は、光入射側から基板側へかけて第1層膜は低屈折率材料、第2層膜は高屈折率材料、第3層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層膜は高屈折率材料、第5層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層膜は高屈折率材料、第7層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層膜は高屈折率材料、基板に接する第9層膜は中間屈折率材料で形成されている。
【0040】
本例の第1の9層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.15λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.25λ0、第5層の光学膜厚D5を0.30λ0〜0.57λ0、第6層の光学膜厚D6を0.02λ0〜0.07λ0、第7層の光学膜厚D7を0.43λ0〜0.64λ0、第8層の光学膜厚D8を0.42λ0〜0.54λ0、第9層の光学膜厚D9を0.42λ0〜0.56λ0としている。
【0041】
また、第2の9層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.17λ0〜0.25λ0、第2層の光学膜厚D2を0.02λ0〜0.06λ0、第3層の光学膜厚D3を0.04λ0〜0.13λ0、第4層の光学膜厚D4を0.10λ0〜0.17λ0、第5層の光学膜厚D5を0.93λ0〜1.12λ0、第6層の光学膜厚D6を0.04λ0〜0.07λ0、第7層の光学膜厚D7を0.45λ0〜0.55λ0、第8層の光学膜厚D8を0.41λ0〜0.49λ0、第9層の光学膜厚D9を0.42λ0〜0.53λ0としている。
【0042】
上記第1の9層膜構成では、各層の光学膜厚D1乃至D9が1.00λ0を超えないものとなっている。また、第2の9層膜構成では第5層の光学膜厚D5が1.00λ0程度となっていることを特徴としている。
【0043】
また、上記実施の形態の5層,7層,9層膜構成において第1層は低屈折率材料、偶数層は高屈折率材料で形成されていることを共通の特徴としている。なお、基板に接する層は、5層膜構成では低屈折率材料又は中間屈折率材料、7層及び9層膜構成では中間屈折率材料で形成されている。これら以外の奇数層は低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されている。
【0044】
ここで、低屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.30から1.47の材料、特に望ましくは屈折率1.38から1.47の材料(例えば、MgF2,SiO2,YF3,AlF3)である。中間屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.60から1.68の材料(例えば、Al2O3,Al2O3とLa2O3の混合物,NdF3,LaF3)である。高屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.80から2.20の材料(例えば、HfO2,Al2O3とLa2O3の混合物,ZrO2,Y2O3)である。
【0045】
なお、本例の膜構成ではAl2O3とLa2O3の混合物として中間屈折率材料M2,高屈折率材料M3(登録商標Patinal、MERCK社製真空蒸着材料)が用いられている。
【0046】
また、光学膜厚は、各層材料の屈折率(n)に物理的膜厚(d)を乗じた数であって、設計主波長λ0(1064nm)に対する厚さとして表している。
【0047】
次に、本実施の形態の2波長反射防止膜の具体的な膜構成を表1乃至表25に示す。表1乃至表6は、KTP結晶表面に形成した実施例に係る5層膜構成を示している。また、表7乃至表18は、同じく実施例に係る7層膜構成を示している。なお、表7及び表8,表9乃至表14,表15乃至表18は、それぞれ第1,第2,第3の7層膜構成に対応している。表19乃至表25は、同じく実施例に係る9層膜構成を示している。なお、表19乃至表22,表23乃至表25は、それぞれ第1,第2の9層膜構成に対応している。
【0048】
表中、各層に用いた材料の屈折率,光学膜厚は、通常の大気中での値を示している。また、表1乃至表25の膜構成における分光反射率特性をそれぞれ図1乃至図25に示す。
【0049】
本実施例の5層膜構成を表1乃至表6に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0050】
図1乃至図6に示すように、表1乃至表6の5層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近において同様な分光反射率特性を有する。
【0051】
そして、波長532nm付近で少なくとも波長510nmから波長565nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。また、波長1064nm付近で少なくとも波長1030nmから波長1100nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0052】
例えば、表1の膜構成においては、図1に示すように、波長532nm付近では波長500nmから波長570nm程度、波長1064nm付近では波長995nmから波長1140nm程度において0.2%以下の極めて良好な反射防止特性が得られている。
【0053】
一般に、真空槽内で基板に膜形成する場合、膜厚制御の困難さによる製造誤差によって±1〜2%の膜厚誤差が生じるが、この製造誤差によって、ターゲットとする波長に対して分光反射率曲線が波長ズレしてしまう。±2%の膜厚誤差が生じた場合、波長532nm,波長1064nmにおいては、それぞれ±10nm程度,±20nm程度、波長ズレが生じてしまう。
【0054】
本実施例では、上述のように波長532nmにおいては±20nm程度以上、波長1064nmにおいては±30nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。このように各波長反射防止帯域において膜厚製造誤差に対する許容量が大きいため、実際に膜形成する場合に上述のような製造誤差が生じても、上記2波長において十分な波長反射防止効果が得られないとして不良品となることがなく、全体として製造コストを低減することが可能となる。
【0055】
次に、本実施例の第1の7層膜構成を表7及び表8に示す。
【表7】
【表8】
【0056】
また、本実施例の第2の7層膜構成を表9乃至表14に示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0057】
また、本実施例の第3の7層膜構成を表15乃至表18に示す。
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【0058】
図7乃至図18に示すように、表7乃至表18に示す第1,第2及び第3の7層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近においてそれぞれ同様な分光反射率特性を有する。
【0059】
そして、波長532nm付近,波長1064nm付近で、それぞれ少なくとも波長500nmから波長560nm,波長1000nmから波長1120nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0060】
特に広い波長反射防止帯域が得られる好適な実施例として、第1の7層膜構成では、図7及び図8に示すように、波長532nm付近では波長490nmから波長570nm程度、波長1064nm付近では波長980nmから波長1150nm程度において0.2%以下の極めて良好な反射防止特性が得られている。
【0061】
本実施例の第1の7層膜構成では、波長532nmにおいては±40nm程度以上、波長1064nmにおいては±80nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。
【0062】
また、本実施例の第2の7層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±60nm程度以上の波長反射防止帯域、第3の7層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±70nm程度以上の波長反射防止帯域が得られている。
【0063】
次に、本実施例の第1の9層膜構成を表19乃至表22に示す。
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【0064】
また、本実施例の第2の9層膜構成を表23乃至表25に示す。
【表23】
【表24】
【表25】
【0065】
図19乃至図25に示すように、表19乃至表25に示す第1及び第2の9層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近においてそれぞれ同様な分光反射率特性を有する。
【0066】
そして、波長532nm付近,波長1064nm付近で、それぞれ少なくとも波長505nmから波長565nm,波長1000nmから波長1130nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0067】
本実施例の第1及び第2の9層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±60nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。
【0068】
このように本実施例の7層及び9層膜構成でも上記2波長付近において十分に広い波長反射防止帯域が得られており、膜厚製造誤差に対する許容量が大きく、上記2波長において十分な波長反射防止効果が得られないとして不良品となることがなく、全体として製造コストを低減することが可能となる。
【0069】
次に、表1に示した5層膜構成において、第5層膜の光学膜厚を0.500λ0(設計主波長λ0の半波長),1.000λ0(設計主波長λ0の一波長)だけ増加させた場合の分光反射率特性を図26に示す。同図においてaは表1と同じ膜構成の分光反射率曲線、bは第5層膜の光学膜厚を0.980とした場合の分光反射率曲線、cは第5層膜の光学膜厚を1.480とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0070】
このように、KTP結晶基板に隣接する第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させると、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、波長532nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まるものとなる。一方、波長1064nm付近では波長反射防止帯域がむしろ広がるものとなる。
【0071】
また、表2に示した5層膜構成において、第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長,一波長だけ増加させた場合の分光反射率特性を図27に示す。同図においてdは表2と同じ膜構成の分光反射率曲線、eは第5層膜の光学膜厚を0.990とした場合の分光反射率曲線、fは第5層膜の光学膜厚を1.490とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0072】
この場合も表1の第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させた場合と同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、増加させるに従い波長532nm付近では波長反射防止帯域が狭まり、波長1064nm付近においても波長反射防止帯域が狭まるものとなることが分かる。
【0073】
また、表9に示した7層膜構成において、第7層膜又は第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長だけ増加させた場合の分光反射率特性を図28に示す。同図においてgは表9と同じ膜構成の分光反射率曲線、hは第7層膜の光学膜厚を1.035とした場合の分光反射率曲線、iは第5層膜の光学膜厚のみを1.510とした場合(第7層膜は表9と同一膜厚)の分光反射率曲線を示す。
【0074】
この場合も同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、膜厚を増加させると波長532nm付近及び波長1064nm付近において波長反射防止帯域が僅かに狭まるのみであることが分かる。
【0075】
また、表19に示した9層膜構成において、第9層膜,第7層膜又は第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長だけそれぞれ独立に増加させた場合の分光反射率特性を図29に示す。同図においてjは表19と同じ膜構成の分光反射率曲線、kは第9層膜の光学膜厚を0.980とした場合の分光反射率曲線、lは第7層膜の光学膜厚を0.975とした場合の分光反射率曲線、mは第5層膜の光学膜厚を0.995とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0076】
この場合も同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、膜厚を増加させると波長532nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まり、波長1064nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まるか広がるものとなることが分かる。
【0077】
このように、本実施例においてKTP結晶基板に近い側の奇数層膜を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させても、得られる反射率特性は同様のものとなる。
【0078】
本実施例における成膜処理としては、周知の真空蒸着法が用いられている。つまり、真空槽内にKTP結晶を配置して、表1乃至表25等における蒸着材料を所定条件下で光学膜厚を制御しながら順次所定膜厚となるように蒸着している。成膜処理としては、真空蒸着法が望ましいが、これに限らず、スパッタリング法,イオンアシスト蒸着法等であってもよい。
【0079】
以上のように本発明に係る2波長反射防止膜の実施例として、表1乃至表6の5層膜構成を示したが、本実施例において膜構成が5層の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層の光学薄膜は、それぞれ0.12λ0〜0.20λ0,0.04λ0〜0.13λ0,0.03λ0〜0.11λ0,0.17λ0〜0.30λ0,0.41λ0〜0.84λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0080】
また、上記5層膜構成において第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0、1.00λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0081】
また、本実施例において第1の7層膜構成の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層,高屈折率材料の第6層,中間屈折率材料の第7層の光学薄膜は、それぞれ0.14λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.28λ0,0.45λ0〜0.58λ0,0.03λ0〜0.06λ0,0.49λ0〜0.58λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0082】
また、第2の7層膜構成の場合、第1層から第7層の光学膜厚は、それぞれ0.13λ0〜0.20λ0,0.02λ0〜0.07λ0,0.04λ0〜0.14λ0,0.17λ0〜0.30λ0,0.90λ0〜1.12λ0,0.02λ0〜0.04λ0,0.48λ0〜0.64λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0083】
また、第3の7層膜構成の場合、第1層から第7層の光学膜厚は、それぞれ0.14λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.27λ0,0.45λ0〜0.58λ0,0.03λ0〜0.06λ0,0.92λ0〜1.16λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0084】
また、上記7層膜構成において第7層又は第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0085】
また、本実施例において第1の9層膜構成の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層,高屈折率材料の第6層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第7層,高屈折率材料の第8層,中間屈折率材料の第9層の光学薄膜は、それぞれ0.15λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.25λ0,0.30λ0〜0.57λ0,0.02λ0〜0.07λ0,0.43λ0〜0.64λ0,0.42λ0〜0.54λ0,0.42λ0〜0.56λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0086】
また、第2の9層膜構成の場合、第1層から第9層の光学膜厚は、それぞれ0.17λ0〜0.25λ0、0.02λ0〜0.06λ0、0.04λ0〜0.13λ0、0.10λ0〜0.17λ0、0.93λ0〜1.12λ0、0.04λ0〜0.07λ0、0.45λ0〜0.55λ0、0.41λ0〜0.49λ0、0.42λ0〜0.53λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0087】
また、上記9層膜構成において第9層,第7層又は第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0088】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、KTP結晶表面上に形成された2波長の光(波長532nm,波長1064nm)に対する2波長反射防止膜は、これらの波長において良好な反射防止効果を有すると共に、これらの波長を含み十分に広い波長反射防止帯域を有するものとすることができる。
【0089】
これにより、KTP結晶表面上に形成される薄膜の膜厚製造誤差の許容値が大きくなり膜厚製造誤差が生じたとしても、反射率はターゲットとする上記2波長において所定の良好な反射率を確保することができる。したがって、不良品の発生率が低減され、生産性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図2】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図3】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図4】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図5】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図6】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図7】実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図8】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図9】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図10】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図11】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図12】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図13】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図14】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図15】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図16】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図17】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図18】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図19】実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図20】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図21】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図22】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図23】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図24】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図25】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図26】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図27】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図28】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図29】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は2波長反射防止膜及び2波長反射防止膜形成方法に係り、特に各種レーザの基本波とその第2次高調波のように波長の異なる2つの光の反射を防止する2波長反射防止膜及び2波長反射防止膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、発振波長1064nmのNd:Y3Al5O12レーザや発振波長1053nmのNd:LiYF4レーザ等のNdドープ固体レーザの第2次高調波発生素子(SHG素子)として、KTP結晶(KTiOPO4結晶)が用いられている。
【0003】
この場合、KTP結晶のレーザ入出射面には、反射損失減少のためにレーザ基本波長とSH波長に対する反射防止膜が施される。例えば、基本波長を1064nmとした場合、KTP結晶のレーザ入出射面には、波長1064nm及び波長532nmの光の反射を防止し、これらを選択的に透過させる2波長反射防止膜が施される。
【0004】
上記KTP結晶を基板として形成された2波長反射防止膜として、屈折率が異なる2種類の誘電体膜(Al2O3,SiO2)を交互に積層(例えば、6層)し、各層の膜厚を基本波長の0.25倍以下とする技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、屈折率1.47〜1.78の基板上に屈折率1.7以下の材料で3層以上の所定厚の薄膜を形成する技術がある。この膜構成においては、各薄膜は、基本波長をλ1、SHG波長をλ2としたときに、2/λ0=1/λ1+1/λ2の関係で導かれる中心波長λ0の1/4又はその整数倍に等しいものとなっている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、KTP結晶に低屈折率材料としてSiO2,高屈折率材料としてHfO2又はZrO2を用いて3層膜を形成したものが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−333834号公報(第4−7頁、第2−3図)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−77601号公報(第3−5頁、第1−8図)
【0009】
【非特許文献1】
The Optical Society of America、J.Opt.Technol.66(2),February 1999、p.157−158
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような膜構成においては、設定主波長(532nm,1064nm)の極近傍域では反射防止効果が概ね得られている。しかし、実際にこのような薄膜をKTP結晶表面に形成する場合、一般に膜厚制御誤差によって±1〜2%の膜厚誤差が生じる。
【0011】
この結果、上記膜構成を製造する場合、分光反射率曲線はターゲットとする設計主波長に対して±1〜2%程度の波長ズレが生じてしまう。さらに、環境試験等により経時変化等が生じて、設定主波長の中心から分光反射率曲線がずれてしまう場合があった。
【0012】
すなわち、設計通りに精度よく薄膜形成すれば設計主波長において十分な反射防止効果を得ることができる場合であっても、上記のような製造誤差によってズレが生じてしまうことにより、必要とする十分な反射防止効果を得られない不良品が発生してしまう場合があるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、薄膜形成時に製造誤差が生じても必要な波長の光に対して十分な反射防止効果を確保することができるように、設計波長(532nm及び1064nm)を含む十分に広い波長反射防止帯域を有する2波長防止膜及び2波長反射防止膜形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された5層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記5層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5がそれぞれ以下の条件式、0.12λ0≦D1≦0.20λ0、0.04λ0≦D2≦0.13λ0、0.03λ0≦D3≦0.11λ0、0.17λ0≦D4≦0.30λ0、0.41λ0≦D5≦0.84λ0、を満足することにより解決される。
【0015】
また、請求項2のように前記第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0又は1.00λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0016】
また、前記課題は、請求項3に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された7層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記7層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.14λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.28λ0、0.45λ0≦D5≦0.58λ0、0.03λ0≦D6≦0.06λ0、0.49λ0≦D7≦0.58λ0、を満足することにより解決される。
【0017】
また、請求項4のように、請求項3において前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.13λ0≦D1≦0.20λ0、0.02λ0≦D2≦0.07λ0、0.04λ0≦D3≦0.14λ0、0.17λ0≦D4≦0.30λ0、0.90λ0≦D5≦1.12λ0、0.02λ0≦D6≦0.04λ0、0.48λ0≦D7≦0.64λ0、を満足するように形成することができる。
【0018】
また、請求項5のように、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、0.14λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.27λ0、0.45λ0≦D5≦0.58λ0、0.03λ0≦D6≦0.06λ0、0.92λ0≦D7≦1.16λ0、を満足するように形成することができる。
【0019】
また、請求項6のように前記第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0020】
また、前記課題は、請求項7に記載の2波長反射防止膜によれば、基板の表面に積層された9層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、前記9層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層の薄膜が高屈折率材料、第9層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7と、前記第8層の薄膜の光学膜厚D8と、前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、0.15λ0≦D1≦0.20λ0、0.03λ0≦D2≦0.07λ0、0.05λ0≦D3≦0.12λ0、0.15λ0≦D4≦0.25λ0、0.30λ0≦D5≦0.57λ0、0.02λ0≦D6≦0.07λ0、0.43λ0≦D7≦0.64λ0、0.42λ0≦D8≦0.54λ0、0.42λ0≦D9≦0.56λ0、を満足することにより解決される。
【0021】
また、請求項8のように、請求項7において前記第1層の薄膜の光学膜厚D1乃至前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、0.17λ0≦D1≦0.25λ0、0.02λ0≦D2≦0.06λ0、0.04λ0≦D3≦0.13λ0、0.10λ0≦D4≦0.17λ0、0.93λ0≦D5≦1.12λ0、0.04λ0≦D6≦0.07λ0、0.45λ0≦D7≦0.55λ0、0.41λ0≦D8≦0.49λ0、0.42λ0≦D9≦0.53λ0、を満足するように形成することができる。
【0022】
また、請求項9のように前記第9層の薄膜の光学膜厚D9,第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5のいずれかが、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されても良好な反射防止効果を得ることができる。
【0023】
また、請求項10のように前記基板は、KTiOPO4結晶とすることができる。そして、請求項11のように前記波長λ0を1064nmとし波長1064nm及び波長532nmの2波長の反射防止膜とすることができる。
【0024】
また、請求項12のように前記低屈折率材料がMgF2,SiO2,YF3,AlF3のいずれか、前記中間屈折率材料がAl2O3,Al2O3とLa2O3の混合物,NdF3,LaF3のいずれか、前記高屈折率材料がHfO2,Al2O3とLa2O3の混合物,ZrO2,Y2O3のいずれかで形成することが可能である。
【0025】
また、請求項13に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.84λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.11λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.12λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0026】
また、請求項14に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.49λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.28λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0027】
また、請求項15に記載のように、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.48λ0乃至0.64λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.04λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.90λ0乃至1.12λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.14λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.13λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0028】
また、請求項16に記載のように、基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.92λ0乃至1.16λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.27λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0029】
また、請求項17に記載のように、前記2波長反射防止膜は、基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.56λ0となるように形成し、前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.54λ0となるように形成し、前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.43λ0乃至0.64λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.30λ0乃至0.57λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.25λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.20λ0となるように形成することができる。
【0030】
また、請求項18に記載のように、基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.53λ0となるように形成し、前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.49λ0となるように形成し、前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.55λ0となるように形成し、前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.07λ0となるように形成し、前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.93λ0乃至1.12λ0となるように形成し、前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.10λ0乃至0.17λ0となるように形成し、前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.06λ0となるように形成し、前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.25λ0となるように形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1乃至図6,図26及び図27は実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフ、図7乃至図18及び図28は実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフ、図19乃至図25及び図29は実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。以下に説明する構成等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0032】
本実施例ではKTP結晶(波長532nmにおいて屈折率約1.78、波長1064nmにおいて屈折率約1.71)を基板として光入射側(空気側)より順に第1層,第2層,・・・と薄膜を5層,7層又は9層積層して多層膜から成る2波長反射防止膜を構成している。対象とする2波長の光は、波長1064nmの光及びKTP結晶により発生される当該波長の第2次高調波である波長532nmの光である。
【0033】
本実施の形態の5層膜構成の場合は、光入射側(空気側)から基板側へ低屈折率材料から成る第1層の光学膜厚D1を設計主波長λ0(1064nm)に対して0.12λ0〜0.20λ0、高屈折率材料から成る第2層の光学膜厚D2を0.04λ0〜0.13λ0、低屈折率材料又は中間屈折率材料から成る第3層の光学膜厚D3を0.03λ0〜0.11λ0、高屈折率材料から成る第4層の光学膜厚D4を0.17λ0〜0.30λ0、低屈折率材料又は中間屈折率材料から成る第5層の光学膜厚D5を0.41λ0〜0.84λ0としている。
【0034】
また、本実施の形態の7層膜構成の場合は、光入射側から基板側へかけて第1層膜は低屈折率材料、第2層膜は高屈折率材料、第3層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層膜は高屈折率材料、第5層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層膜は高屈折率材料、基板に接する第7層膜は中間屈折率材料で形成されている。
【0035】
本例の第1の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.14λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.28λ0、第5層の光学膜厚D5を0.45λ0〜0.58λ0、第6層の光学膜厚D6を0.03λ0〜0.06λ0、第7層の光学膜厚D7を0.49λ0〜0.58λ0としている。
【0036】
また、第2の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.13λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.02λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.04λ0〜0.14λ0、第4層の光学膜厚D4を0.17λ0〜0.30λ0、第5層の光学膜厚D5を0.90λ0〜1.12λ0、第6層の光学膜厚D6を0.02λ0〜0.04λ0、第7層の光学膜厚D7を0.48λ0〜0.64λ0としている。
【0037】
また、第3の7層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.14λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.27λ0、第5層の光学膜厚D5を0.45λ0〜0.58λ0、第6層の光学膜厚D6を0.03λ0〜0.06λ0、第7層の光学膜厚D7を0.92λ0〜1.16λ0としている。
【0038】
上記第1の7層膜構成では、各層の光学膜厚D1乃至D7が1.00λ0を超えないものとなっている。また、第2の7層膜構成では第5層の光学膜厚D5が1.00λ0程度となっており、第3の7層膜構成では第7層の光学膜厚D7が1.00λ0程度となっていることを特徴としている。
【0039】
また、本実施の形態の9層膜構成の場合は、光入射側から基板側へかけて第1層膜は低屈折率材料、第2層膜は高屈折率材料、第3層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層膜は高屈折率材料、第5層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層膜は高屈折率材料、第7層膜は低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層膜は高屈折率材料、基板に接する第9層膜は中間屈折率材料で形成されている。
【0040】
本例の第1の9層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.15λ0〜0.20λ0、第2層の光学膜厚D2を0.03λ0〜0.07λ0、第3層の光学膜厚D3を0.05λ0〜0.12λ0、第4層の光学膜厚D4を0.15λ0〜0.25λ0、第5層の光学膜厚D5を0.30λ0〜0.57λ0、第6層の光学膜厚D6を0.02λ0〜0.07λ0、第7層の光学膜厚D7を0.43λ0〜0.64λ0、第8層の光学膜厚D8を0.42λ0〜0.54λ0、第9層の光学膜厚D9を0.42λ0〜0.56λ0としている。
【0041】
また、第2の9層膜構成では、第1層の光学膜厚D1を0.17λ0〜0.25λ0、第2層の光学膜厚D2を0.02λ0〜0.06λ0、第3層の光学膜厚D3を0.04λ0〜0.13λ0、第4層の光学膜厚D4を0.10λ0〜0.17λ0、第5層の光学膜厚D5を0.93λ0〜1.12λ0、第6層の光学膜厚D6を0.04λ0〜0.07λ0、第7層の光学膜厚D7を0.45λ0〜0.55λ0、第8層の光学膜厚D8を0.41λ0〜0.49λ0、第9層の光学膜厚D9を0.42λ0〜0.53λ0としている。
【0042】
上記第1の9層膜構成では、各層の光学膜厚D1乃至D9が1.00λ0を超えないものとなっている。また、第2の9層膜構成では第5層の光学膜厚D5が1.00λ0程度となっていることを特徴としている。
【0043】
また、上記実施の形態の5層,7層,9層膜構成において第1層は低屈折率材料、偶数層は高屈折率材料で形成されていることを共通の特徴としている。なお、基板に接する層は、5層膜構成では低屈折率材料又は中間屈折率材料、7層及び9層膜構成では中間屈折率材料で形成されている。これら以外の奇数層は低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されている。
【0044】
ここで、低屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.30から1.47の材料、特に望ましくは屈折率1.38から1.47の材料(例えば、MgF2,SiO2,YF3,AlF3)である。中間屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.60から1.68の材料(例えば、Al2O3,Al2O3とLa2O3の混合物,NdF3,LaF3)である。高屈折率材料とは波長λ0(1064nm)における屈折率が1.80から2.20の材料(例えば、HfO2,Al2O3とLa2O3の混合物,ZrO2,Y2O3)である。
【0045】
なお、本例の膜構成ではAl2O3とLa2O3の混合物として中間屈折率材料M2,高屈折率材料M3(登録商標Patinal、MERCK社製真空蒸着材料)が用いられている。
【0046】
また、光学膜厚は、各層材料の屈折率(n)に物理的膜厚(d)を乗じた数であって、設計主波長λ0(1064nm)に対する厚さとして表している。
【0047】
次に、本実施の形態の2波長反射防止膜の具体的な膜構成を表1乃至表25に示す。表1乃至表6は、KTP結晶表面に形成した実施例に係る5層膜構成を示している。また、表7乃至表18は、同じく実施例に係る7層膜構成を示している。なお、表7及び表8,表9乃至表14,表15乃至表18は、それぞれ第1,第2,第3の7層膜構成に対応している。表19乃至表25は、同じく実施例に係る9層膜構成を示している。なお、表19乃至表22,表23乃至表25は、それぞれ第1,第2の9層膜構成に対応している。
【0048】
表中、各層に用いた材料の屈折率,光学膜厚は、通常の大気中での値を示している。また、表1乃至表25の膜構成における分光反射率特性をそれぞれ図1乃至図25に示す。
【0049】
本実施例の5層膜構成を表1乃至表6に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0050】
図1乃至図6に示すように、表1乃至表6の5層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近において同様な分光反射率特性を有する。
【0051】
そして、波長532nm付近で少なくとも波長510nmから波長565nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。また、波長1064nm付近で少なくとも波長1030nmから波長1100nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0052】
例えば、表1の膜構成においては、図1に示すように、波長532nm付近では波長500nmから波長570nm程度、波長1064nm付近では波長995nmから波長1140nm程度において0.2%以下の極めて良好な反射防止特性が得られている。
【0053】
一般に、真空槽内で基板に膜形成する場合、膜厚制御の困難さによる製造誤差によって±1〜2%の膜厚誤差が生じるが、この製造誤差によって、ターゲットとする波長に対して分光反射率曲線が波長ズレしてしまう。±2%の膜厚誤差が生じた場合、波長532nm,波長1064nmにおいては、それぞれ±10nm程度,±20nm程度、波長ズレが生じてしまう。
【0054】
本実施例では、上述のように波長532nmにおいては±20nm程度以上、波長1064nmにおいては±30nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。このように各波長反射防止帯域において膜厚製造誤差に対する許容量が大きいため、実際に膜形成する場合に上述のような製造誤差が生じても、上記2波長において十分な波長反射防止効果が得られないとして不良品となることがなく、全体として製造コストを低減することが可能となる。
【0055】
次に、本実施例の第1の7層膜構成を表7及び表8に示す。
【表7】
【表8】
【0056】
また、本実施例の第2の7層膜構成を表9乃至表14に示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0057】
また、本実施例の第3の7層膜構成を表15乃至表18に示す。
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【0058】
図7乃至図18に示すように、表7乃至表18に示す第1,第2及び第3の7層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近においてそれぞれ同様な分光反射率特性を有する。
【0059】
そして、波長532nm付近,波長1064nm付近で、それぞれ少なくとも波長500nmから波長560nm,波長1000nmから波長1120nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0060】
特に広い波長反射防止帯域が得られる好適な実施例として、第1の7層膜構成では、図7及び図8に示すように、波長532nm付近では波長490nmから波長570nm程度、波長1064nm付近では波長980nmから波長1150nm程度において0.2%以下の極めて良好な反射防止特性が得られている。
【0061】
本実施例の第1の7層膜構成では、波長532nmにおいては±40nm程度以上、波長1064nmにおいては±80nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。
【0062】
また、本実施例の第2の7層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±60nm程度以上の波長反射防止帯域、第3の7層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±70nm程度以上の波長反射防止帯域が得られている。
【0063】
次に、本実施例の第1の9層膜構成を表19乃至表22に示す。
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【0064】
また、本実施例の第2の9層膜構成を表23乃至表25に示す。
【表23】
【表24】
【表25】
【0065】
図19乃至図25に示すように、表19乃至表25に示す第1及び第2の9層膜構成は、波長532nm及び波長1064nm付近においてそれぞれ同様な分光反射率特性を有する。
【0066】
そして、波長532nm付近,波長1064nm付近で、それぞれ少なくとも波長505nmから波長565nm,波長1000nmから波長1130nmにわたって、分光反射率が0.2%以下となる波長反射防止帯域が得られている。
【0067】
本実施例の第1及び第2の9層膜構成では、波長532nmにおいては±30nm程度以上、波長1064nmにおいては±60nm程度以上の広い波長反射防止帯域が得られている。
【0068】
このように本実施例の7層及び9層膜構成でも上記2波長付近において十分に広い波長反射防止帯域が得られており、膜厚製造誤差に対する許容量が大きく、上記2波長において十分な波長反射防止効果が得られないとして不良品となることがなく、全体として製造コストを低減することが可能となる。
【0069】
次に、表1に示した5層膜構成において、第5層膜の光学膜厚を0.500λ0(設計主波長λ0の半波長),1.000λ0(設計主波長λ0の一波長)だけ増加させた場合の分光反射率特性を図26に示す。同図においてaは表1と同じ膜構成の分光反射率曲線、bは第5層膜の光学膜厚を0.980とした場合の分光反射率曲線、cは第5層膜の光学膜厚を1.480とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0070】
このように、KTP結晶基板に隣接する第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させると、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、波長532nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まるものとなる。一方、波長1064nm付近では波長反射防止帯域がむしろ広がるものとなる。
【0071】
また、表2に示した5層膜構成において、第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長,一波長だけ増加させた場合の分光反射率特性を図27に示す。同図においてdは表2と同じ膜構成の分光反射率曲線、eは第5層膜の光学膜厚を0.990とした場合の分光反射率曲線、fは第5層膜の光学膜厚を1.490とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0072】
この場合も表1の第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させた場合と同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、増加させるに従い波長532nm付近では波長反射防止帯域が狭まり、波長1064nm付近においても波長反射防止帯域が狭まるものとなることが分かる。
【0073】
また、表9に示した7層膜構成において、第7層膜又は第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長だけ増加させた場合の分光反射率特性を図28に示す。同図においてgは表9と同じ膜構成の分光反射率曲線、hは第7層膜の光学膜厚を1.035とした場合の分光反射率曲線、iは第5層膜の光学膜厚のみを1.510とした場合(第7層膜は表9と同一膜厚)の分光反射率曲線を示す。
【0074】
この場合も同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、膜厚を増加させると波長532nm付近及び波長1064nm付近において波長反射防止帯域が僅かに狭まるのみであることが分かる。
【0075】
また、表19に示した9層膜構成において、第9層膜,第7層膜又は第5層膜の光学膜厚を設計主波長λ0の半波長だけそれぞれ独立に増加させた場合の分光反射率特性を図29に示す。同図においてjは表19と同じ膜構成の分光反射率曲線、kは第9層膜の光学膜厚を0.980とした場合の分光反射率曲線、lは第7層膜の光学膜厚を0.975とした場合の分光反射率曲線、mは第5層膜の光学膜厚を0.995とした場合の分光反射率曲線を示す。
【0076】
この場合も同様に、波長532nm及び波長1064nm付近の分光反射率特性は同じようなものとなるが、膜厚を増加させると波長532nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まり、波長1064nm付近では波長反射防止帯域が僅かに狭まるか広がるものとなることが分かる。
【0077】
このように、本実施例においてKTP結晶基板に近い側の奇数層膜を設計主波長λ0の半波長の整数倍だけ増加させても、得られる反射率特性は同様のものとなる。
【0078】
本実施例における成膜処理としては、周知の真空蒸着法が用いられている。つまり、真空槽内にKTP結晶を配置して、表1乃至表25等における蒸着材料を所定条件下で光学膜厚を制御しながら順次所定膜厚となるように蒸着している。成膜処理としては、真空蒸着法が望ましいが、これに限らず、スパッタリング法,イオンアシスト蒸着法等であってもよい。
【0079】
以上のように本発明に係る2波長反射防止膜の実施例として、表1乃至表6の5層膜構成を示したが、本実施例において膜構成が5層の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層の光学薄膜は、それぞれ0.12λ0〜0.20λ0,0.04λ0〜0.13λ0,0.03λ0〜0.11λ0,0.17λ0〜0.30λ0,0.41λ0〜0.84λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0080】
また、上記5層膜構成において第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0、1.00λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0081】
また、本実施例において第1の7層膜構成の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層,高屈折率材料の第6層,中間屈折率材料の第7層の光学薄膜は、それぞれ0.14λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.28λ0,0.45λ0〜0.58λ0,0.03λ0〜0.06λ0,0.49λ0〜0.58λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0082】
また、第2の7層膜構成の場合、第1層から第7層の光学膜厚は、それぞれ0.13λ0〜0.20λ0,0.02λ0〜0.07λ0,0.04λ0〜0.14λ0,0.17λ0〜0.30λ0,0.90λ0〜1.12λ0,0.02λ0〜0.04λ0,0.48λ0〜0.64λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0083】
また、第3の7層膜構成の場合、第1層から第7層の光学膜厚は、それぞれ0.14λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.27λ0,0.45λ0〜0.58λ0,0.03λ0〜0.06λ0,0.92λ0〜1.16λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0084】
また、上記7層膜構成において第7層又は第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0085】
また、本実施例において第1の9層膜構成の場合、低屈折率材料の第1層,高屈折率材料の第2層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第3層,高屈折率材料の第4層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第5層,高屈折率材料の第6層,低屈折率材料又は中間屈折率材料の第7層,高屈折率材料の第8層,中間屈折率材料の第9層の光学薄膜は、それぞれ0.15λ0〜0.20λ0,0.03λ0〜0.07λ0,0.05λ0〜0.12λ0,0.15λ0〜0.25λ0,0.30λ0〜0.57λ0,0.02λ0〜0.07λ0,0.43λ0〜0.64λ0,0.42λ0〜0.54λ0,0.42λ0〜0.56λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0086】
また、第2の9層膜構成の場合、第1層から第9層の光学膜厚は、それぞれ0.17λ0〜0.25λ0、0.02λ0〜0.06λ0、0.04λ0〜0.13λ0、0.10λ0〜0.17λ0、0.93λ0〜1.12λ0、0.04λ0〜0.07λ0、0.45λ0〜0.55λ0、0.41λ0〜0.49λ0、0.42λ0〜0.53λ0の範囲内で膜厚製造誤差が生じても、少なくとも波長532nm,波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることができる。
【0087】
また、上記9層膜構成において第9層,第7層又は第5層の膜厚範囲をさらに0.50λ0だけシフトさせて厚く形成しても波長532nm及び波長1064nmにおいて良好な反射防止効果を得ることが可能である。
【0088】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、KTP結晶表面上に形成された2波長の光(波長532nm,波長1064nm)に対する2波長反射防止膜は、これらの波長において良好な反射防止効果を有すると共に、これらの波長を含み十分に広い波長反射防止帯域を有するものとすることができる。
【0089】
これにより、KTP結晶表面上に形成される薄膜の膜厚製造誤差の許容値が大きくなり膜厚製造誤差が生じたとしても、反射率はターゲットとする上記2波長において所定の良好な反射率を確保することができる。したがって、不良品の発生率が低減され、生産性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図2】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図3】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図4】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図5】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図6】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図7】実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図8】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図9】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図10】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図11】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図12】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図13】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図14】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図15】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図16】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図17】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図18】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図19】実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図20】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図21】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図22】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図23】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図24】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図25】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図26】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図27】別実施例の5層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図28】別実施例の7層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
【図29】別実施例の9層膜構成の2波長反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
Claims (18)
- 基板の表面に積層された5層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記5層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5がそれぞれ以下の条件式、
0.12λ0≦D1≦0.20λ0
0.04λ0≦D2≦0.13λ0
0.03λ0≦D3≦0.11λ0
0.17λ0≦D4≦0.30λ0
0.41λ0≦D5≦0.84λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 前記第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0又は1.00λ0厚く形成されたことを特徴とする請求項1に記載の2波長反射防止膜。
- 基板の表面に積層された7層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記7層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、
0.14λ0≦D1≦0.20λ0
0.03λ0≦D2≦0.07λ0
0.05λ0≦D3≦0.12λ0
0.15λ0≦D4≦0.28λ0
0.45λ0≦D5≦0.58λ0
0.03λ0≦D6≦0.06λ0
0.49λ0≦D7≦0.58λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 基板の表面に積層された7層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記7層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、
0.13λ0≦D1≦0.20λ0
0.02λ0≦D2≦0.07λ0
0.04λ0≦D3≦0.14λ0
0.17λ0≦D4≦0.30λ0
0.90λ0≦D5≦1.12λ0
0.02λ0≦D6≦0.04λ0
0.48λ0≦D7≦0.64λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 基板の表面に積層された7層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記7層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7がそれぞれ以下の条件式、
0.14λ0≦D1≦0.20λ0
0.03λ0≦D2≦0.07λ0
0.05λ0≦D3≦0.12λ0
0.15λ0≦D4≦0.27λ0
0.45λ0≦D5≦0.58λ0
0.03λ0≦D6≦0.06λ0
0.92λ0≦D7≦1.16λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 前記第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5が、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の2波長反射防止膜。
- 基板の表面に積層された9層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記9層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層の薄膜が高屈折率材料、第9層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7と、前記第8層の薄膜の光学膜厚D8と、前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、
0.15λ0≦D1≦0.20λ0
0.03λ0≦D2≦0.07λ0
0.05λ0≦D3≦0.12λ0
0.15λ0≦D4≦0.25λ0
0.30λ0≦D5≦0.57λ0
0.02λ0≦D6≦0.07λ0
0.43λ0≦D7≦0.64λ0
0.42λ0≦D8≦0.54λ0
0.42λ0≦D9≦0.56λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 基板の表面に積層された9層の薄膜から成る多層膜を有し、波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
前記9層の薄膜のうち前記基板の表面から遠い順に第1層の薄膜が低屈折率材料、第2層の薄膜が高屈折率材料、第3層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第4層の薄膜が高屈折率材料、第5層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第6層の薄膜が高屈折率材料、第7層の薄膜が低屈折率材料又は中間屈折率材料、第8層の薄膜が高屈折率材料、第9層の薄膜が中間屈折率材料で形成されており、
前記第1層の薄膜の光学膜厚D1と、前記第2層の薄膜の光学膜厚D2と、前記第3層の薄膜の光学膜厚D3と、前記第4層の薄膜の光学膜厚D4と、前記第5層の薄膜の光学膜厚D5と、前記第6層の薄膜の光学膜厚D6と、前記第7層の薄膜の光学膜厚D7と、前記第8層の薄膜の光学膜厚D8と、前記第9層の薄膜の光学膜厚D9がそれぞれ以下の条件式、
0.17λ0≦D1≦0.25λ0
0.02λ0≦D2≦0.06λ0
0.04λ0≦D3≦0.13λ0
0.10λ0≦D4≦0.17λ0
0.93λ0≦D5≦1.12λ0
0.04λ0≦D6≦0.07λ0
0.45λ0≦D7≦0.55λ0
0.41λ0≦D8≦0.49λ0
0.42λ0≦D9≦0.53λ0
を満足することを特徴とする2波長反射防止膜。 - 前記第9層の薄膜の光学膜厚D9,第7層の薄膜の光学膜厚D7又は第5層の薄膜の光学膜厚D5のいずれかが、前記条件式を満足する範囲から選択された光学膜厚よりさらに0.50λ0厚く形成されたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の2波長反射防止膜。
- 前記基板は、KTiOPO4結晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の2波長反射防止膜。
- 前記波長λ0は1064nmであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の2波長反射防止膜。
- 前記低屈折率材料がMgF2,SiO2,YF3,AlF3のいずれか、前記中間屈折率材料がAl2O3,Al2O3とLa2O3の混合物,NdF3,LaF3のいずれか、前記高屈折率材料がHfO2,Al2O3とLa2O3の混合物,ZrO2,Y2O3のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の2波長反射防止膜。
- 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.84λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.11λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.12λ0乃至0.20λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。 - 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.49λ0乃至0.58λ0となるように形成し、
前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、
前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.28λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。 - 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.48λ0乃至0.64λ0となるように形成し、
前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.04λ0となるように形成し、
前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.90λ0乃至1.12λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.30λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.14λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.13λ0乃至0.20λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。 - 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第7層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.92λ0乃至1.16λ0となるように形成し、
前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.06λ0となるように形成し、
前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.58λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.27λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.14λ0乃至0.20λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。 - 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.56λ0となるように形成し、
前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.54λ0となるように形成し、
前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.43λ0乃至0.64λ0となるように形成し、
前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.30λ0乃至0.57λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.25λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.05λ0乃至0.12λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.03λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.15λ0乃至0.20λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。 - 基板の表面に波長λ0及び波長λ0/2の光に対する2波長反射防止膜を形成する方法であって、
波長λ0の光に対する屈折率が1.38乃至1.47である材料を低屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.60乃至1.68である材料を中間屈折率材料とし、波長λ0の光に対する屈折率が1.80乃至2.20である材料を高屈折率材料としたときに、
基板表面上に第9層薄膜を中間屈折率材料により光学膜厚が0.42λ0乃至0.53λ0となるように形成し、
前記第9層薄膜上に第8層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.41λ0乃至0.49λ0となるように形成し、
前記第8層薄膜上に第7層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.45λ0乃至0.55λ0となるように形成し、
前記第7層薄膜上に第6層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.07λ0となるように形成し、
前記第6層薄膜上に第5層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.93λ0乃至1.12λ0となるように形成し、
前記第5層薄膜上に第4層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.10λ0乃至0.17λ0となるように形成し、
前記第4層薄膜上に第3層薄膜を低屈折率材料又は中間屈折率材料により光学膜厚が0.04λ0乃至0.13λ0となるように形成し、
前記第3層薄膜上に第2層薄膜を高屈折率材料により光学膜厚が0.02λ0乃至0.06λ0となるように形成し、
前記第2層薄膜上に第1層薄膜を低屈折率材料により光学膜厚が0.17λ0乃至0.25λ0となるように形成することを特徴とする2波長反射防止膜形成方法。
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