JP2004198582A - 光ケーブル群の製造方法及び光ケーブル群 - Google Patents

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博 永井
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耕治 新倉
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茂 末森
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Abstract

【課題】通常の融着接続でMFDの差に起因する接続損失成分を低減するとともに、OTDR法による片側測定で実際の接続損失とズレの少ない光ケーブル群の製造方法及び光ケーブル群を提供する。
【解決手段】光ファイバ2a〜dを融着接続して一連の光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線2を用いた複数本の光ケーブル1,1’からなる光ケーブル群の製造方法であって、複数本の光ケーブルにテープ化して収納するために集められた多数の光ファイバを、テープ化される光ファイバ心線数に対応する数の小集団に分け、かつ小集団内における光ファイバの設定されたモードフィールド径の公差がそれぞれ所定の範囲内となるように分け、複数本の光ケーブルにおいて同じ配列位置となる光ファイバは、全て同じ小集団から選別してテープ化し収納するようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の光ケーブルで光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線を用いた光ケーブル群の製造方法及び光ケーブル群に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信網の発展により、光ファイバ伝送線路を敷設するのに、複数の光ファイバをテープ状に一体化した光ファイバテープ心線(以下、テープ心線という)を収納した光ケーブルの使用が増大している。光ファイバ伝送線路の敷設には、通常、複数本の光ケーブルを接続して敷設されるが、これに使用される複数本の光ケーブルは、それぞれが同一の生産ロットで製造されるとは限らず、異なる生産ロットで製造された光ケーブルと組合せて用いられることもある。また、複数本の光ケーブルは、同一の生産ロットで生産される場合であっても、起源の同じもの(1つの光ファイバ母材)から生産された一連長の光ファイバを使用するとは限らず、長手方向に起源の異なる光ファイバを使用することがある。
【0003】
また、複数本の光ケーブルのそれぞれの長さは、製造上の制限に加えて敷設されるとう道の構造等の敷設形態によって異なり、接続を行なうマンホールの配設位置によって異ならせることもある。なお、1つの光ファイバ伝送線路を敷設するに際して、その敷設に要する複数本の光ケーブルが選択され、選択された複数本の光ケーブルは、接続順序等を含めて1つの単位体と見なされ、光ケーブル群として扱われる。
【0004】
光ケーブルの敷設で、テープ心線を用いた光ケーブル間の接続は、通常、テープ心線単位で多心一括融着接続で行なわれ、光ケーブル内の相対的に同じ位置にある光ファイバ同士が接続される。光ケーブルは、それぞれの光ケーブル内に収納される光ファイバの特性が一定範囲内に入るように規定されており、この規定の範囲内であれば、光ファイバ間のバラツキは任意とされている。光信号が光ファイバ内部を伝搬する際の光の広がり直径を意味するモードフィールド径(以下、MFDという)についても、「JIS C 6835 表3注(3)」によれば、「中心値±10%」が許容値として規定されている。
【0005】
通常、光ケーブルの接続損失は、1接続あたり0.6dB以下を要求されることが多い。(例えば、国土交通省施工基準「光ファイバケーブル施工要領・同解説」)。また、光ファイバ伝送線路の接続損失を測定する方法として、光ファイバの一方から光パルスを入射し、そのレイリー後方散乱光を利用するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)法がよく知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
図5は、OTDR法を用いた損失測定の概略を示す図である。この図に示すように、ファイバAとファイバBの2本の光ファイバを接続したとき、その接続点で段差のある波形が観測される。この段差は、接続点での接続損失を表しているが、実際には接続損失Sのみではなく、ファイバAとファイバBの後方散乱係数の違いによるレベル差Rも含んだ形で観測される。
【0007】
ファイバAの後方散乱係数よりファイバBの後方散乱係数が小さい場合、図5(A)に示すように、ファイバA側から光パルスを入射すると、ファイバBから戻ってくる光のレベルが低下してしまい、実際の接続損失Sより見かけ上の接続損失が大きくなってしまう。反対に、図5(B)に示すように、ファイバB側から光パルスを入射すると、ファイバAから戻ってくる光のレベルが高くなり、実際の接続損失Sより見かけ上の接続損失が小さくなってしまうという現象が生じる。このため、ファイバA側からの測定値とファイバB側からの測定値との接続損失の和をとり、その値を2で割ることにより、後方散乱係数の違いによるレベル差Rを相殺し、実際の接続損失Sを求めている。
【0008】
【非特許文献1】
貝淵俊二監修,電気通信協会偏,「光ファイバ技術200のポイント」,初版,オーム社,平成2年5月25日,p.304−305
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバ特性の中で、MFDは光ファイバを融着接続した際に、接続損失に関係してくる。MFDの差が大きい光ファイバ同士を融着接続すると、MFDの差に起因する接続損失成分が大きくなり、他の要因と合わせると接続部の損失がかなり大きくなる。従来は、MFDが規格の範囲内にあれば、バラツキは任意であるためMFDの差が大きくてもそのまま接続されていた。このため、光ファイバ伝送線路の伝送損失が大きくなり、伝送特性の低下を招いていた。
【0010】
MFDのバラツキの許容値を「中心値±10%」とすると、最悪の場合は20%のMFDの差をもつ光ファイバ同士が接続されることになる。この場合、MFDの差に起因する接続損失成分だけで、0.1dBとなり、伝送線路全体の損失を大きくする要因となる。この光ファイバのMFDの差による接続損失成分は、光ケーブルの敷設において無視できないものとなる。
【0011】
また、接続損失の測定は、光ファイバ伝送線路の両端からOTDRを行ない、後方散乱係数の違いによるレベル差を相殺させればよいが、光ファイバ伝送線路の両端側からの測定はで大変であり、実際上は片側からの測定しか行なわれないことがある。このため、測定値が実際の値と相違するような場合もある。後方散乱係数は、光ファイバのモードフィールド径の2乗に反比例していることから、接続される光ファイバでのモードフィールド径の差が大きいと、片側測定の場合、その測定値も実際の損失値から大幅にずれたものとなる。
【0012】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、通常の融着接続でMFDの差に起因する接続損失成分を低減するとともに、OTDR法による片側測定で実際の接続損失とズレの少ない光ケーブル群の製造方法及び光ケーブル群の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ケーブル群の製造方法は、光ファイバを融着接続して一連の光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線を用いた複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群の製造方法であって、複数本の光ケーブルにテープ化して収納するために集められた多数の光ファイバを、テープ化される光ファイバ心線数に対応する数の小集団に分け、かつ小集団内における光ファイバの設定されたモードフィールド径の公差がそれぞれ所定の範囲内となるように分け、複数本の光ケーブルにおいて同じ配列位置となる光ファイバは、全て同じ小集団から選別してテープ化し収納するようにする。
【0014】
また、本発明による光ケーブル群は、光ファイバを融着接続して一連の光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線を用いた複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群であって、複数本の光ケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の同じ配列位置にある光ファイバは、設定されたモードフィールド径の公差が±0.2μm以下となるように選定されているようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図により本発明の実施の形態を説明する。図1(A)は光ファイバ伝送線路を構成するための複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群を示す図、図1(B)は接続する光ケーブル間の接続状態を示す図、図2は光ファイバテープ心線を収納した光ケーブルの他の例を示す図である。図中、1,1’は光ケーブル、2は光ファイバテープ心線(テープ心線)、2a〜2dは光ファイバ、3は接続部、4は外被、5はテンションメンバ、6は緩衝材、7はスロットロッド、7aはスロットを示す。
【0016】
図1(A)に示すように、一連の光ファイバ伝送線路a,b,c・・・・を敷設するに際して、その敷設に要する複数本の光ケーブルA、B、C、D・・・・が選択され、選択されたこれらの複数本の光ケーブルは、接続順序等を含めて1つの単位体と見なされる。本発明で「光ケーブル群」とは、所定距離の範囲内で、複数本の光ケーブルを連続的に接続して一連の光ファイバ伝送線路とする場合に、これに使用する複数本の光ケーブルを集合させた単位を意味するものとする。また、長距離の光ファイバ伝送線路においては、始端から終端までを、いくつかの区間で区切り、区切られた範囲で使用する複数本の光ファイバを1つの光ケーブル群とする場合もある。
【0017】
図1(B)に示すように、光ケーブル群で互いに接続される光ケーブルを、光ファイバテープ心線2(以下、テープ心線という)を収納した光ケーブル1,1’とする。テープ心線2は、例えば、4心の光ファイバ2a〜2dを平行一列に並べ、これを共通被覆で一体化してテープ化したものが用いられる。テープ心線2としては、この他、2心、8心、12心のものがある。このテープ心線2を必要な枚数積層し、緩衝材6等を介して外被4で覆い、また、テンションメンバ5を添わせて光ケーブルとする。
【0018】
また、図2(A)に示すように、中央にテンションメンバ5を有するスロッドロッド7の複数のスロット7aに複数枚のテープ心線2を積層収納し、数十〜数百心の光ファイバを収納し、外被4で覆った光ケーブルも多く用いられている。
この他、図2(B)に示すように、1枚のテープ心線2を緩衝材6等を介して外被4で覆ったコード型の光ケーブルもある。本発明で対象とする光ケーブルは、これらのテープ心線を用いた多心の光ケーブルを用いて光ケーブル群を構成する全てを含むものとする。
【0019】
図1(A)に示すように、複数本の光ケーブルA,B,C,D・・・・を順次接続して光ファイバ伝送線路a,b,c・・・・を敷設する場合、通常、図1(B)に示すように、同じ形状の光ケーブルが使用される。また、接続する光ケーブル1と1’との接続は、通常、同じ位置にあるテープ心線2同士を一括融着接続機を用いて一括接続され、共通の補強部材を用いて接続部3を形成している。
このため、光ケーブル1,1’内の同じ配列位置にあるテープ心線2及びその各光ファイバ2a〜2d同士が相互に接続される。
【0020】
複数本の光ケーブルを接続して光ファイバ伝送線路を形成する場合、光ケーブル内に収納される光ファイバは、通常、シングルモードの光ファイバで、MFDが7μm〜14μm、クラッド外径が125μmの光ファイバが用いられ、本発明においても、この範囲の光ファイバを用いた光ケーブルを対象とするものである。しかし、これらの光ファイバを融着接続した場合、MFDの差が大きいと、課題の解決手段の項で説明したように、MFDの差に起因する接続損失成分が大きくなると共に、OTDR法を用いた損失測定で実際の接続損失とは異なる見かけ上の損失が測定されてしまう。
【0021】
図1(B)で示したように、光ケーブルを接続する場合、同じ配列位置にある光ファイバ同士が接続されるということから、光ケーブル群を構成する複数本の光ケーブルで、少なくとも同じ配列位置にある光ファイバのMFDの差が小さければよいということになる。本発明は、この点に着目して、光ケーブル群を製造する場合、光ケーブル内での配列位置が同じである光ファイバ間のMFDの差が、最小になるように割付けて光ケーブルの製造を行なうようする。
【0022】
次に、図3により、光ケーブル群の製造に用いる光ファイバの割付方法の一例を説明する。同じプリフォームから製造された光ファイバは、多少のMFDのバラツキはあるものの大きくバラツクことは少ないと考えられる。したがって、上述した光ケーブル群を得るには、同一のプリフォームから製造した起源が同じ光ファイバを収納して光ケーブルを製造し、さらに、これを複数の光ケーブルに分割して1つに光ケーブル群とするのが好ましい。
【0023】
しかし、光ファイバの心数が多かったり、光ケーブル群で敷設する総距離が長くなったり、また、納期上の問題から、在庫中の光ファイバから選んで光ケーブルを製造し、光ケーブル群を構成することも多い。この場合、異なるプリフォームから製造又は異なる条件で製造された、いわゆる起源が異なる光ファイバを組合せて光ケーブルが製造され、この光ケーブルを複数本集合させて光ケーブル群とされる。この場合、光ファイバの組合せ形態や光ケーブルの接続順序によっては、接続される光ファイバ同士のMFDの差が大きくなってしまう。
【0024】
そこで、本発明においては、図3に示すように、光ケーブルに収納する候補となる多数の光ファイバを集め、MFDの値と度数(数量)の分布をとる。そして、MFDの中心値±10%の範囲で、複数の小集団(例えば、E〜H)に分ける。小分けする小集団の数は、例えば、4心のテープ心線を用いる場合は4つの小集団に分け、8心のテープ心線を用いる場合は8以下の小集団に分ける。また、図1(B)のように4心のテープ心線を5枚積層する場合は、20の小集団に分けてもよいが、分ける小集団の数が多くなると管理が難しくなる。そこで、使用するテープ心線の心数以下の小集団に分けるのが好ましい。
【0025】
また、それぞれの小集団内の光ファイバのMFD値の公差は、その小集団内で設定された設定値から所定の範囲内となるように分けられる。小集団(E〜H)は、図3(A)に示すように、それぞれの小集団のMFDが重ならないように分けてもよく、図3(B)に示すように、それぞれの小集団のMFDが部分的に重なるように分けてもよい。そして、複数本の光ケーブルにおいて、同じ配列位置(テープ心線の配列位置)となる光ファイバは、全て同じ小集団の中から選別してテープ化する。
【0026】
具体的には、図3(A)の例で、光ケーブル群を製造するために用意された光ファイバのMFDの中心値が、例えば、9.3μmであったとする。この場合、各小集団(E〜H)内での公差が設定値の±0.2μmとなるように分ける。すなわち、小集団Eは設定値(8.7μm)±0.2μm、小集団Fは設定値(9.2μm)±0.2μm、小集団Gは設定値(9.5μm)±0.2μm、小集団Hは設定値(9.9μm)±0.2μmとする。小集団E〜Hの全体としては、8.5μm〜10.1μmで1.6μmの幅があるが、各小集団では±0.2μmの公差(0.4μmの幅)となる。なお、この範囲を外れる両端のMFD値の光ファイバは、使用範囲からは除外する。
【0027】
また、図3(B)の例では、光ケーブル群を製造するために用意された光ファイバのMFDの中心値が、例えば、9.25μmであったとする。そして、各小集団(E〜H)内での公差を図3(A)の場合と同様に設定値の±0.2μmとし、重なり部分を0.1μmする。この場合、小集団Eは設定値(8.8μm)±0.2μm、小集団Fは設定値(9.1μm)±0.2μm、小集団Gは設定値(9.4μm)±0.2μm、小集団Hは設定値(9.7μm)±0.2μmとなる。
小集団E〜Hの全体としては、8.6μm〜9.9μmで1.3μmの幅があるが、各小集団では±0.2μmの公差(0.4μmの幅)となる。
【0028】
以上のように、光ケーブル群を製造するための多数の光ファイバを小集団に分けた後、これをケーブル化するに際して、図1(B)に示す光ケーブル1,1’のテープ心線2の所定の配列位置にある光ファイバ(2a,2b,2c,2d)は、それぞれ同じ小集団から選別して各光ケーブルに割付ける。例えば、光ファイバ2aは小集団Eから割付し、光ファイバ2bは小集団Gから割付し、光ファイバ2cは小集団Hから割付し、光ファイバ2dは小集団Fから割付する。
【0029】
図3の割付方法を用いることにより、図1(A)に示した複数本の光ケーブルA,B,C,D・・・により形成される一連の光ファイバ伝送線路a,b,c・・・は、互いに接続される光ファイバ同士のMFDの差は全て±0.2μm以下(約4%以下)となり、MFDによる接続損失成分を実質的にゼロとすることができる。また、OTDRによる損失測定において、散乱係数の差を小さくでき、散乱係数によるレベル差Rを実質的に無視できる程度に低減することができ、損失測定を光ファイバ線路の一方の側から行なうだけで済ますことができる。
【0030】
次に、図4により、本発明による光ケーブル群を製造する他の割付方法の例を説明する。図3の割付け方法で光ケーブル群を製造する場合、光ケーブルの敷設距離が長くなったりすると、特定小集団の光ファイバの度数(数量)が不足し、選別が難しくなることがある。このような場合、図3(B)で示した隣接する小集団のMFDの重なり部分を独立の小集団とする。
【0031】
すなわち、図4に示すように、光ファイバのMFDの差が最も近接する小集団の間(小集団EとFの間、小集団FとGの間、小集団GとHの間)に、双方の小集団の公差内にある小集団(i,j,k)を作る。この小集団(i,j,k)の光ファイバは、そのMFDが両側の小集団の何れにも含めることができる範囲である。この場合、小集団(E〜G)の公差を±0.2μmとすると、小集団(i,j,k)は前記の公差より半分以下の±0.1μm以下とするのが望ましい。
【0032】
図4のような形態で小集団を分けることにより、例えば、小集団Eの光ファイバが不足する場合は、小集団Eとしては小集団iを含めた(E+i)で選定する。また。小集団EとFの間、小集団FとGの間でも同様にして、光ファイバの数量の調整を行なう。これにより、光ケーブル群を構成する全体の光ファイバの数量を、所定のMFDの公差範囲内で確保することが可能となる。
【0033】
また、MFDの値で小集団に分けられた光ファイバを、テープ心線の配列位置で割付けるにあたって、テープ心線の両端側(外側)に割付ける光ファイバをMFDの値が小さい小集団から選定するのが好ましい。テープ心線は、一般に厚さ方向からの荷重に対しては、それぞれの光ファイバが外力を分担するので比較的強いが、幅方向からの荷重に対しては、テープ心線の外側に配列される光ファイバに直接外力が加わるので、厚さ方向からの荷重に比べると弱い。このため、光ケーブル製造時に、外側に配列される光ファイバは、内側に配列される光ファイバより幅方向の側圧を受けやすく、伝送損失が増加しやすい。
【0034】
一方、光ファイバのMFDが小さい方が大きい方より側圧に強いといわれている。したがって、本発明においては、上述したように、テープ心線の外側の配列位置に配される光ファイバは、MFDの小さい側の小集団E及びFから選別し、内側の配列位置に配される光ファイバは、MFDの大きい側の小集団G及びHから選別するようにする。
【0035】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群で光ファイバ伝送線路を敷設した場合、互いに接続される光ファイバ同士のMFDの差を所定値以下とすることができる。このため、融着接続したときに、MFDに起因する接続損失成分はゼロないしは無視できる程度のものとなり、伝送線路全体での伝送損失を低減することができる。
【0036】
また、OTDRによる損失測定において、散乱係数の差を小さくでき、散乱係数による見かけ上の損失発生を無視できる程度に低減することができ、損失測定を光ファイバ伝送線路の一方の側から行なうだけで済ますことが可能となり、敷設コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を説明するための図である。
【図2】本発明の対象とする光ケーブルの他の例を示す図である。
【図3】本発明における光ファイバの割付方法を説明する図である。
【図4】本発明における光ファイバの他の割付方法を説明する図である。
【図5】従来のOTDR法による光ファイバ伝送線路の損失測定を説明する図である。
【符号の説明】
1,1’…光ケーブル、2…光ファイバテープ心線(テープ心線)、2a〜2d…光ファイバ、3…接続部、4…外被、5…テンションメンバ、6…緩衝材、7はスロットロッド、7aはスロット。

Claims (6)

  1. 光ファイバを融着接続して一連の光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線を用いた複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群の製造方法であって、
    前記複数本の光ケーブルにテープ化して収納するために集められた多数の光ファイバを、前記テープ化される光ファイバ心線数に対応する心数に応じた小集団に分け、かつ前記小集団内における光ファイバの設定されたモードフィールド径の公差がそれぞれ所定の範囲内となるように分け、前記複数本の光ケーブルにおいて同じ配列位置となる光ファイバは、全て同じ小集団から選別してテープ化し収納することを特徴とする光ケーブル群の製造方法。
  2. 前記小集団内における前記光ファイバの設定されたモードフィールド径の公差を±0.2μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル群の製造方法。
  3. 前記光ファイバの設定されたモードフィールド径が最も接近する前記小集団同士の間に、双方の小集団における前記光ファイバのモードフィールド径の公差内にある光ファイバを、さらに小集団として分けることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ケーブル群の製造方法。
  4. テープ化される複数本の光ファイバの内、外側に配列される光ファイバのモードフィールド径が、内側に配列される光ファイバのモードフィールド径より小さくなるように選定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ケーブル群の製造方法。
  5. 光ファイバを融着接続して一連の光ファイバ伝送線路を構成するための光ファイバテープ心線を用いた複数本の光ケーブルからなる光ケーブル群であって、
    前記複数本の光ケーブルにおいて、前記光ファイバテープ心線の同じ配列位置にある光ファイバは、設定されたモードフィールド径の公差が±0.2μm以下となるように選定されていることを特徴とする光ケーブル群。
  6. 前記光ファイバテープ心線の外側に配列される光ファイバのモードフィールド径は、内側に配列される光ファイバのモードフィールド径より小さくなるように選定されていることを特徴とする請求項5に記載の光ケーブル群。
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JP2013064825A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Viscas Corp フォルダ、光複合電力ケーブル、光ケーブル接続方法

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