JP2004198322A - 距離検出用の変換テーブルの作成方法および変位センサ - Google Patents

距離検出用の変換テーブルの作成方法および変位センサ Download PDF

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Abstract

【課題】実際にセンサを使用する環境で作成処理を行うとともに、使用環境や使用条件に適合した変換テーブルを作成する。
【解決手段】メモリ4には、被検出物体と検出距離との標準的な関係を示す元テーブルが記憶されている。CPU3は、入力部5より、3つの計測点にかかる距離の入力を受け付けるとともに、この入力時の振幅電圧を計測点における実測値として認識する。さらに、CPU3は、元テーブルから、最も大きい距離と最も小さい距離との差に応じた距離範囲であって、各計測点に対応する電圧間の比率が各実測値間の比率に近似するような範囲を、使用範囲として抽出し、この抽出範囲内の電圧を補正して、変換テーブルを作成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発振回路により物体検出用の交流磁界を発生させる検出部を具備し、前記発振回路の発振状態の変化を用いて、被検出物体との距離を検出する変位センサに関する。特に、この発明は、この種の変位センサ(以下、「変位センサ」を、単に「センサ」という場合がある。)において、発振回路の発振状態から検出距離を導き出すための変換テーブルを作成する技術に関連する。
【0002】
【従来の技術】
金属体を検出対象とする近接式の変位センサでは、一般に、検出コイルからの高周波磁界を被検出物体に作用させ、この被検出物体からの渦電流磁界の作用によるインダクタンスの変化に伴い、発振回路の発振振幅が変化する現象を利用して、被検出物体までの距離を検出するようにしている(以下、この検出された距離を「検出距離」という。)。
【0003】
従来の変位センサでは、発振回路の発振振幅と検出距離との関係を示す変換テーブルが保存されたメモリやマイクロコンピュータによる制御部が組み込まれている。制御部は、発振回路に対する測定値により前記変換テーブルを照合することによって、被検出物体との距離を求め、これを、距離に比例する電圧信号として出力するようにしている。
【0004】
従来の変位センサのメモリには、被検出物体の種毎に、発振振幅と検出距離との標準的な関係を示すテーブルが設定されている(以下、このテーブルを「元テーブル」と呼び、元テーブルの示す曲線を「基準曲線」と呼ぶ。なお、発振振幅は電圧として検出されるので、以下、必要に応じて「振幅電圧」または単に「電圧」という。)。しかしながら、振幅電圧と検出距離との関係は、被検出物体の大きさや検出コイルのばらつきなどによって変化するため、精度の高い計測処理を行う必要がある場合には、実際の被検出物体を用いたティーチングにより、元テーブルを補正し、設置条件に応じた変換テーブルを作成するようにしている。
【0005】
この変換テーブルの作成にかかる公知技術を開示するものとして、下記の特許文献1が存在する。この特許文献1では、コイルを含むセンサヘッドを、被検出物体に接する点(以下、このときの距離を「最小距離」という)、被検出物体の検出が可能な最大の距離(以下、「最大距離」という。)を隔てた点、およびこれら2点間の中間点にそれぞれ配置して、振幅電圧の測定を行う。また、これらの計測とは別に、被検出物体の影響を受けない状態下の電圧(特許文献1では「開放状態の電圧」と呼ぶ。)を測定し、前記3点における実測値をこの開放状態での電圧により正規化している。そして、元テーブルから前記最小距離から最大距離までの範囲に相当する基準曲線において、前記3点に対応する電圧が前記正規化された実測値に等しくなるように曲線を補正し、補正結果を、変換テーブルとしてメモリに保存するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−165603号 公報
【0007】
特許文献1の方法によれば、開放状態での電圧により各実測値を正規化することにより、各実測値からセンサヘッドの特性のばらつきによる影響を除去することができるので、精度の高い変換テーブルを作成することが可能となる。
【0008】
また、つぎに示す特許文献2でも、最小距離、最大距離に相当する各計測点、およびこれらの中間点の3点で電圧を測定し、これらの実測値を用いて、振幅電圧を直線状に補正するための補正値を求めるようにしている。この公報では、まず、最小距離および最大距離にかかる計測点での電圧を測定し、これらの電圧がそれぞれ所定の値に達するように、シフト補正、回転補正を実行する。さらに、中間点での計測を実行し、この実測値に前記シフト補正、回転補正を施した後、補正後の3箇所の実測値に最も適した補正値を記憶回路から呼び出して、設定するようにしている。
【0009】
【特許文献2】
特開平7−131321号 公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1,2の方法によれば、いずれも、センサヘッドが、被検出物体に対して定められた3個の点に位置するように、被検出物体またはセンサヘッドを動かしながら電圧を測定することになる。
【0011】
この種のセンサでは、周囲金属や電磁波などの影響によっても発振状態が変化する可能性があるので、精度の高い計測処理を行うためには、実際にセンサを使用する環境にセンサを位置決めした上で、変換テーブルを作成するのが望ましい。しかしながら、特許文献1,2のように、計測点が固定されていると、センサの使用環境によっては、計測点に相当する位置での測定が困難になる場合がある(たとえば、計測点に対応する場所に何らかの部材が配備されているなど)。また、引用文献1のように、開放状態の電圧を測定するには、周囲金属などの影響を受けない環境下で測定を行うのが望ましいが、センサの設置場所でそのような測定を行うことは、きわめて困難である。
【0012】
このように、センサの設置場所で各計測点に対応する測定を行えない場合や、開放状態の電圧を正しく測定するためには、センサを取り付ける前に、またはセンサを取り外して、他の場所で測定を行う必要がある。したがって、変換テーブルの精度を確保するのは困難になる。
【0013】
また、引用文献2の方法では、まず、最小距離および最大距離にかかる計測点での測定により、シフト補正量、回転補正量を求めた後、中間点での計測を行っていることから、計測の順序が固定されてしまい、操作性が悪い、という問題もある。
【0014】
この発明は上記問題に着目してなされたもので、実際の使用環境にセンサを設置した状態で、ユーザーにより任意に定められた計測点での測定値を用いて変換テーブルを作成できるようにすること、および、実際の使用環境や使用条件に適合した変換テーブルを作成できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる方法は、発振回路により物体検出用の交流磁界を発生させる検出部を具備する変位センサにおいて、前記発振回路の発振状態を被検出物体までの距離に変換する処理に使用する変換テーブルを作成する方法である。この発明にかかる変換テーブルの作成方法では、前記変位センサからの距離が既知の任意の3点を計測点として、被検出物体を各計測点に任意の順序で配置してその計測点における発振回路の発振状態を測定するステップと、発振回路に対する測定値と被検出物体までの距離との標準的な関係を示す元テーブルから、検出部に最も近い計測点から最も遠い計測点までの距離に相当する範囲であって、各計測点に対応する測定値間の比率が各計測点で得た実測値間の比率に近似する範囲を抽出するステップと、前記各計測点に対応する測定値がそれぞれ実測値に適合する値になるように、前記元テーブルから抽出した範囲に含まれる各測定値を補正するステップと、補正後の各測定値と距離との関係を示すテーブルを、前記変換テーブルとして設定するステップとを実行するようにしている。
【0016】
上記方法は、検出コイルと、この検出コイルに高周波磁界を発生させる発振回路とを含む検出部を有し、金属体を検出対象とするタイプの近接スイッチに適用することができる。また、電極と発振回路とを含む検出部を具備し、電極と被検出物体との静電容量の変化に伴う発振状態の変化から距離を検出する静電容量型の変位センサにも、この方法を適用することができる。なお、静電容量型の変位センサは、金属体、非金属体をともに検出対象とすることができる。
【0017】
上記方法において、発振回路の発振状態は、一般には振幅電圧であるが、これに限らず、たとえば、発振回路の発振周波数や位相を使用することもできる。また、各計測点などを規定する距離は、厳密には、検出コイルや電極に対する距離とするのが望ましいが、これに代えて、センサの検出面(前端面)からの距離として表してもよい。
【0018】
元テーブルは、標準的な検出部を用いて、所定の規格に応じた被検出物体のモデルを一定の距離ずつ移動させながら発振状態を計測し、得られた計測値と距離との関係を対応づけすることによって得ることができる。なお、この元テーブルは、あらかじめ変位センサ内のメモリに保存されるのが望ましいが、これに限らず、たとえば、変換テーブルの作成を行う際に、センサをパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続し、この外部機器からセンサに元テーブルのデータを送信するようにしてもよい。
【0019】
元テーブルに対する抽出処理のステップは、同じ規格のセンサであっても、被検出物体やセンサの特性によるばらつきや周囲環境の影響によって、検出距離にばらつきが発生する、との考えに基づくものである。たとえば、あるセンサAにおいて、センサからの距離が既知の点で得た発振状態は、他のセンサBでは、前記センサAの計測点から所定距離Lだけずれた位置で得られるものと同等になる、と考えることができる。
【0020】
よって、元テーブルの示す基準曲線においては、前記3個の計測点に対応する点は、被検出物体やセンサの特性に応じたばらつきの分だけ、実際の計測点からずれている、と考えることができる。
【0021】
ここで、3個の計測点で得た実測値を、変位センサからの距離が近いものから順にVnear,Vmid,Vfarとし、元テーブル上で各実測値Vnear,Vmid,Vfarに対応する測定値をそれぞれTnear,Tmid,Tfarとすると、たとえ、距離にずれが生じていても、実際の計測点間における距離と測定値Tnear,Tfarに対応する各点間の距離とは、ほぼ同一になると考えることができる。また、元テーブルの示す基準曲線の傾きを直線に近似すると考えると、下記の式(a)(b)を用いて、測定値間の比率Dと実測値間の比率Dとを求めたとき、DはDに近似する値をとると考えられる。
【0022】
=(Tfar−Tnear)/(Tmid−Tnear) ・・・(a)
=(Vfar−Vnear)/(Vmid−Vnear) ・・・(b)
【0023】
したがって、たとえば、元テーブルからセンサに最も近い計測点から最も遠い計測点までの距離に相当する範囲を切り出すと、切り出し範囲の先頭の測定値がVnearに、最後の測定値がVfarに、それぞれ相当し、先頭から(Vmid−Vnear)の距離に対応する測定値がVmidに対応することになる。よって、切り出し位置を変更しながら、各切り出し位置において、その切り出し範囲の各計測点に対応する測定値を求め、その測定値間の比率Dが前記実測値の比率Dに近似するかどうかを判別する処理を行うことにより、前記実測値の信号変化に最も近い変化を示す範囲を抽出することができる。
【0024】
測定値を補正するステップでは、上記のようにして元テーブルから抽出した範囲において、各計測点に対応する測定値Tnear,Tmid,Tfarが、それぞれ実測値Vnear,Vmid,Vfarに適合する値になるように、前記元テーブルを補正する。この補正では、たとえば、まず、センサに最も近い計測点に対応する測定値Tnearが実測値Vnearに適合するように、抽出範囲の各値に対するオフセット補正を行い、このVnearへの適合状態を維持したまま、センサに最も遠い計測点に対応する測定値Tfarのオフセット後の補正値が、実測値Vfarに適合するように、抽出範囲の各値により示される曲線の傾きを補正する。
【0025】
さらに、このステップでは、前記最も近い計測点と最も遠い計測点との間に存在する各点に対応する測定値について、実測値に対する誤差を解消するための補正を実行するのが望ましい。なお、前記抽出範囲の端部(前記センサに最も近い計測点、および最も遠い計測点に対応する各測定値)の誤差は、前記2段階の補正で既に解消されているから、3回目の補正では、これら端部から離れるほど誤差が大きくなり、抽出範囲の中心位置で最も誤差が大きくなるものと想定して、各測定値に対する補正量を求めることができる。
【0026】
なお、上記の補正においては、3個の計測点に対応する測定値は、最終的にそれぞれ対応する実測値に一致させるのが望ましいが、これに限らず、実測値に対して若干の誤差が生じてもよい。また、補正の前に、補正の精度を確保するために、元テーブルから抽出した範囲、および各実測値を、それぞれ最も大きい値Tfar,Vfarにより正規化しておくのが望ましい。
【0027】
上記の方法によれば、前記3個の計測点について得た実測値に基づき、元テーブルから被検出物体や処理対象のセンサの特性に適合した範囲を抽出し、この抽出範囲を中心とする各測定値について、実測値との誤差を修正するための補正処理を実行するので、被検出物体やセンサの特性によるばらつきを取り除いた補正値を得ることができる。
【0028】
ところで、上記方法に使用する3個の計測点は、いずれも任意に設定することが可能であるから、処理対象のセンサによって実際に検出しようとしている範囲(以下、「検出範囲」という。)が規定されるように、計測点を選択することができる。すなわち、ユーザーが定めた検出範囲の中でセンサに最も近い点、センサに最も遠い点、およびこれらの点の間の任意の1点を計測点とすることができる。このようにすれば、この検出範囲に含まれる各距離を検出するのに必要なデータが元テーブルから抽出された後、そのデータをセンサの実測値に適合する値に補正して、変換テーブルを設定することができるので、前記検出範囲に適合した変換テーブルを簡単に作成することができる。しかも、先にセンサを使用環境に設置した上で変換テーブルの作成処理にかかることができるので、周囲環境の影響によるばらつきも吸収でき、使用条件に適合した精度の高い変換テーブルを得ることができる。
【0029】
なお、この方法では、3個の計測点についての測定処理が終了してから、元テーブルに対する抽出処理や元テーブルの補正処理を行うので、各計測点における測定処理は、ランダムな順序で行うことができる。また、既に測定を終えた計測点についても、再測定を行うことができる。また、必要に応じて、計測点の設定位置を変更して、再測定を行うこともできる。
【0030】
つぎに、この発明にかかる変位センサは、検出コイルと、この検出コイルに高周波磁界を発生させるための発振回路と、前記発振回路の発振状態を示す信号を入力して被検出物体までの距離を検出する制御部と、前記距離検出用の変換テーブルを保存するためのメモリと、被検出物体に対する距離を示すデータを入力するための操作部とを備える。
【0031】
なお、この変位センサは、前記検出コイルを、センサヘッドとして他の回路から分離させることができる。もしくは、このセンサヘッド内に、発振回路内の共振コンデンサなど、一部回路まで含めるようにしてもよい。
さらに、この変位センサには、発振回路の発振状態を量子化して取り出すために、検波回路やA/D変換回路を組みこむ必要がある。前記メモリは、制御回路の内部メモリであっても良いが、別途、変換テーブル保存用の専用メモリを組みこんでも良い。また、このメモリには、あらかじめ元テーブルを保存しておくことができる。
【0032】
操作部は、距離を示す数値そのものを入力するほか、所定の距離を1単位とする度数データ(たとえば、10mmを1度とするなど)を入力するように設定することもできる。なお、この操作部は、ユーザーに数値を直接入力させる構成に限らず、入力対象の数値を表示し、選択操作を受け付けるような構成にすることもできる。また、この操作部は、センサ本体の表面に設けることができるが、これに限らず、センサ本体から分離した遠隔操作部としてもよい。
【0033】
前記制御部は、前記操作部からのデータ入力に対応するタイミングで前記発振回路の発振状態を示す信号を入力し、取得した信号が示す値を前記入力データの示す距離に対応する実測値として認識する実測値認識手段と、任意の3つの距離についての前記実測値認識手段の認識結果に基づき、発振回路に対する測定値と被検出物体までの距離との標準的な関係を示す元テーブルから、最も大きい距離と最も小さい距離との差の大きさに相当する範囲であって、前記3つの距離に対応する測定値間の比率が各実測値間の比率に近似する範囲を抽出する抽出手段と、前記各距離に対応する測定値がそれぞれ実測値に適合する値になるように、前記抽出手段により抽出された範囲に含まれる各測定値を補正する補正手段と、補正後の各測定値と距離との関係を、前記変換テーブルとして前記メモリに保存する保存手段とを具備する。
【0034】
上記の制御部は、上記各手段の処理を実行するためのプログラムが組み込まれたコンピュータにより構成するのが望ましい。ただし、これに限らず、各手段または一部の手段を、ASIC(特定用途向けIC)のような専用部品により構成することもできる。
【0035】
実測値認識手段は、たとえば、振幅電圧、周波数などの発振状態を示す信号を、操作部からのデータ入力が行われた直後に取り込み、その信号の示す値を入力データが示す距離に対応する実測値であると認識する。なお、信号を取り込むタイミングはデータ入力の後に限らず、先に信号を取り込んでからデータ入力を受け付けるようにしてもよい。
【0036】
抽出手段が処理対象とする3つの距離および各距離に対応する実測値は、前記した3個の計測点に対応する距離および実測値に相当するものである。抽出手段は、これらの距離および実測値に基づき、前記した元テーブルに対する抽出処理を実行し、元テーブルから変換テーブルの作成に使用する範囲を抽出する。さらに、この抽出範囲に対し、補正手段により、前記補正処理が実行された後、保存手段により、補正後の各測定値と距離との関係を示すテーブルが変換テーブルとして設定され、メモリに保存される。
【0037】
上記の変位センサによれば、ユーザーは、センサの設置を完了した後、自身の設定した検出範囲の中で、センサに最も近い点、センサに最も遠い点、およびこれら2点間の任意の1点に、それぞれ被検出物体を設置して、各点からセンサまでの距離を示すデータを入力することができる。制御部は、3点における距離の入力を受ける都度、発振回路の発振状態を示す信号を入力し、この信号により認識した実測値と距離とを用いて前記した変換テーブルの作成方法を実行することにより、被検出物体やセンサの特性、および使用条件に適合した変換テーブルを自動作成することができる。よって、以後は、この変換テーブルを用いて、高精度の計測処理を行うことが可能となる。
【0038】
なお、この変位センサによれば、距離の入力に応じて発振状態が測定され、各計測点の距離および実測値が個別に対応づけて認識されるので、計測順序をランダムに設定することができ、設定処理の際の操作性を向上することができる。
【0039】
なお、操作部からのデータ入力は、前記3個の計測点に限らず、4点以上の計測点にかかる距離を入力することもできる。この場合、制御回路は、各距離の中から最も大きい距離と最も小さい距離との差に基づき、元テーブルに対する抽出範囲の大きさを認識し、これらの距離に対応する実測値と、他の任意の距離に対応する実測値の3個を用いて、元テーブルに対する抽出処理を実行することができる(ただし、4個以上の実測値間の比率に基づく抽出処理を行うことも可能である。)。また、補正処理においては、前記3個の実測値以外の実測値も用いて、より精度の高い補正を行うことができる。
【0040】
さらに好ましい態様の変位センサでは、前記操作部は、確定操作を行うことが可能に設定される。また前記制御部の実測値認識手段は、前記確定操作が行われるまで、既に認識した実測値または距離に対する再入力を受け付けて認識結果を修正する修正手段を具備する。
【0041】
上記の態様によれば、各計測点について、確定操作があるまで、何度でも発振状態の再測定やデータ入力を行うことができるから、被検出物体の位置決めに失敗したり、データ入力を誤った場合にも、誤りが生じた計測点についての修正処理を簡単に行うことができ、利便性、操作性をともに高めることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明が適用された変位センサの電気構成を示す。
この変位センサは、高周波磁界を用いて金属製の物体を検出し、この被検出物体までの距離を計測するためのもので、検出部1、A/D変換回路2、CPU3、メモリ4、入力部5、D/A変換回路6、出力部7、表示部8などを構成として含む。
【0043】
前記検出部1は、検出コイル、この検出コイルに高周波磁界を発生させるための発振回路、および発振回路の発振電圧を検出するための検波回路などを含む。A/D変換回路2は、前記検波回路が検出した発振電圧をディジタル変換して、CPU3に入力する。
【0044】
前記メモリ4は、EEPROMのような不揮発性のメモリである。製造元から出荷された直後のセンサのメモリ4には、CPU3の処理に必要なプログラムや各種設定データのほか、振幅電圧と検出距離との標準的な関係を示す元テーブルが格納されている。なお、元テーブルは一種類に限らず、被検出物体の種類に応じて、複数の元テーブルを設けることができる。
【0045】
前記入力部5は、センサ本体部を構成するケース体の上面に配備された所定数の操作キーにより構成される。この入力部5には、前記変換テーブルの作成処理の開始を指定する操作や、各計測点に対応する距離を入力する操作や、測定処理の終了操作などを行うための機能などが付与されている。
【0046】
CPU3は、A/D変換回路2から入力した振幅電圧を用いて、各種処理を実行する。まず、センサの初期設定時には、後記する3個の計測点にかかる振幅電圧を取り込み、これら実測の振幅電圧と前記元テーブルとを用いて、センサの設置環境や計測の目的に適した変換テーブルを作成する。作成された変換テーブルは、前記メモリ4に格納される。
【0047】
変換テーブルの作成が完了すると、CPU3は、計測処理を開始する。この計測処理では、A/D変換回路2から入力した電圧を前記変換テーブルと照合して、被検出物体までの距離を求める。この検出距離は、表示部8に表示されるほか、D/A変換回路6によりアナログ変換され、出力部7より図示しない外部機器に出力される。なお、出力部7には、アナログ変換後の検出距離を増幅するための増幅回路や、外部出力のためのインターフェース回路などが含まれる。
【0048】
図2は、前記元テーブルの具体例を示す基準曲線である。この基準曲線は、この実施例の変位センサと同規格の代表的な変位センサにおいて、被検出物体の位置を一定の間隔をもって変更しながら振幅電圧を測定することにより得られたもので、定格の距離範囲における検出距離と振幅電圧との標準的な関係を示すものとなる。
【0049】
なお、この実施例の元テーブルは、このセンサの規格による最大検出距離を100%として、距離が1%変換する毎の振幅電圧を示したものである。図2では、元テーブルの内容を基準曲線の形態にして示しているが、データ上の元テーブルは、各距離xに対応する電圧値の配列T0(x)として作成されている(以下の変換後の元テーブルも同様である。)。
【0050】
ユーザーが使用する変位センサにおける検出距離は、被検出物体の大きさや形状の違い、検出コイルの特性のばらつきなどによって、元テーブルの示す距離軸からずれた状態にある。したがって、元テーブルの作成に使用されたセンサと同規格のセンサA,Bを同じ条件で設置して、同じ検出範囲を設定した場合でも、図2に示すように、元テーブル上でこれらのセンサA,Bにより得られる検出距離は、それぞれ異なる範囲に対応づけられる。したがって、各センサA,Bでは、元テーブルに対する検出距離のずれを是正した変換テーブルを作成する必要がある。
【0051】
この実施例では、前記変位センサを使用環境に設置した後、このセンサが実際に処理対象とする検出範囲に対応するデータを元テーブルから抽出し、この抽出データを加工して、前記検出範囲に適合した変換テーブルを作成するようにしている。
以下、図3〜6を参照しつつ、この実施例における変換テーブルの作成処理の詳細な内容について説明する。
【0052】
(1)元テーブルに対する使用範囲の抽出
この実施例では、ユーザーは、前記検出範囲において、センサに最も近い点、センサに最も遠い点、および検出範囲内の任意の1点の計3点を計測点として、これらの計測点に任意の順序で被検出物体を配置つつ、その計測点にかかる距離を入力する。CPU3は、この入力に応じて振幅電圧の測定処理を実行し、各電圧の実測値および距離に基づき、元テーブルから実際の検出範囲に適合する範囲(以下、これを「使用範囲」という。)を抽出し、以後の補正処理を実行する。
【0053】
図3は、前記元テーブルに対する使用範囲の抽出処理の具体例を示す。この図3を含む以下の図および説明では、前記3個の計測点にかかる距離を、センサに近いものから順に、Dnear,Dmid,Dfarとして示す(以下、必要に応じて、Dnearを最短距離、Dmidを中間距離、Dfarを最遠距離という。)。また、これらの距離Dnear,Dmid,Dfarにおける振幅電圧の実測値を、それぞれVnear,Vmid,Vfarとする。
【0054】
なお、最短距離Dnear、最遠距離Dfarは、前記特許文献1,2における最小距離、最大距離とは異なり、ユーザーの定めた任意の検出範囲の先端位置、後端位置に対応するものであることを、重ねて強調しておく。
【0055】
一般に、変位センサでは、検出精度を確保するために、基準曲線上で大きな変化を示す部分が使用範囲として定められており、ユーザーは、この範囲内で検出範囲を設定する。したがって、各計測点にかかる距離Dnear,Dmid,Dfarが、元テーブルの距離軸上の対応点から所定量ずつずれているとしても、これらの点は、大きな変化の範囲にほぼ含まれると考えられる。よって、この大きな変化に対応する基準曲線の傾きを直線に近似するものとすると、各距離Dnear,Dmid,Dfarに対応する測定値間の比率は、実測値Vnear,Vmid,Vfar間の比率にほぼ等しくなると、考えることができる。
【0056】
そこで、この実施例では、前記元テーブルから、前記検出範囲に相当する長さ範囲((Dfar−Dnear)に相当する幅を持つ範囲)であって、各計測点に対応する電圧間の比率が前記各実測値Vnear,Vmid,Vfar間の比率に近似する範囲を、使用範囲として抽出する。具体的には、つぎの(1)式におけるiの値を0を含む所定の範囲内で1ずつ動かしながら、k(i)が最小となる点を検索するようにしている。
【0057】
【数1】
Figure 2004198322
【0058】
上記(1)式においてk(i)が最小となるときのiの値は、このセンサにおける検出距離のずれ量に相当することになる。よって、(1)式におけるk(i)が最小となるiの値が確定すると、このiの値により、元テーブル側の距離を補正する(具体的には、各距離xを、それぞれ現在の値からiを差し引いた値に更新する。)。この処理により、前記図3の距離軸は、処理対象のセンサに適合したものとなり、DnearからDfarまでの範囲を使用範囲として抽出することができる。
【0059】
この後の処理では、距離補正後のDnearからDfarにかかる範囲を使用範囲として、以下の各処理の対象とする。なお、図4〜6に示すテーブルT1(x)〜T4(x)は、この処理の過程で生成されるもので、実際には、前記使用範囲に対応する電圧のみを要素とするものであるが、図示では、便宜上、最初の元テーブルT0(x)に対応させて、使用範囲の前後に対応する電圧を含めた基準曲線として表している。
【0060】
(2)正規化処理
元テーブルから使用範囲が抽出されると、つぎに、この使用範囲に対応する基準曲線の曲率を、この実施例のセンサでの測定結果に合わせるために、実測値Vnear,Vmid,Vfar、および元テーブルの前記使用範囲に含まれる各電圧を、それぞれ正規化する。この実施例では、実測値Vnear,Vmid,Vfarについては、最遠距離Dfarにかかる電圧Vfarにより正規化し、元テーブルの各電圧についても、最遠距離Dfarにかかる電圧T0(Dfar)により正規化するようにしている。
【0061】
以後は、この正規化された電圧を用いて、前記元テーブルから抽出した電圧間の変化が3個の実測値が示す変化の特性に適合するように、順に補正を行う。なお、つぎの図4以下では、電圧軸を正規化後の電圧(図中、「正規化電圧」として示す。)にするとともに、元テーブルにかかる各電圧に加えて、各距離Vnear,Vmid,Vfarに対応させて、正規化された実測値V1near,V1mid,V1farを示す(以下の説明では、これら正規化後の実測値V1near,V1mid,V1farをもって、「実測値」と呼ぶ。)。
【0062】
(3)オフセット補正
この補正は、前記正規化処理後の元テーブルT1(x)において、最短距離Dnearにかかる電圧T1(Dnear)を実測値V1nearに合わせるためのものである。図4は、この補正の具体例を示すもので、前記電圧T1(Dnear)と実測値V1nearとの差分演算を行い、得られた差ΔVnear(図示例では負値になる。)をオフセット値として、テーブルT1(x)内の各電圧に加算する。これにより、元テーブルの示す基準曲線は、電圧軸に沿って平行移動し、オフセット処理後の元テーブルT2(x)として設定される。この元テーブルT2(x)によれば、最小距離Dnearにかかる電圧T2(Dnear)が実測値V1nearに一致した状態となる。
【0063】
(4)傾き補正
この補正は、前記オフセット補正後の元テーブルT2(x)を対象として、最遠距離Dfarにかかる電圧T2(Dfar)が実測値V1farに合うように、基準曲線の傾きを補正するものである。なお、最短距離Dnearにかかる電圧T2(Dnear)については、既にオフセット補正により、実測値V1nearに等しい状態に補正されているため、この値を維持する必要がある。
【0064】
そこで、2番目の補正では、つぎの(2)式により、距離の変化に応じて一定の割合で変動する補正量Δt(x)を設定するようにしている。なお、(2)式において、ΔVfarは、T2(Dfar)とV1farとの差である。
【0065】
Δt(x)={1−(Dfar−x)/(Dfar-Dnear)}*ΔVfar ・・・(2)
【0066】
上記(2)式によれば、補正量Δt(x)は、x=Dnearのときに0であり、以下、xが大きくなるほど大きくなり、x=Dfarのとき最大値ΔVfarとなる。
図5は、前記オフセット補正後の元テーブルT2(x)に傾き補正を行った具体例を示す。前記テーブルT2(x)において、前記抽出範囲内の各電圧T2(x)に補正量Δt(x)を加えることにより、距離Dnearにかかる電圧T1(Dnear)が実測値V1nearに一致し、距離Dfarにかかる電圧T2(Dfar)が実測値V1farに一致するような元テーブルT3(x)が設定される。
【0067】
(5)中間点補正
このようにして、最短距離Dnearおよび最遠距離Dfarにおける電圧のずれが解消されると、DnearとDfarとの間の各点に対応する電圧を実測値に適合させるための補正を実行する(以下、この補正を「中間点補正」と呼ぶ。)。図6は、前記傾き補正後の元テーブルT3(x)に対する中間点補正の具体例を示すもので、実線で示すT4(x)が、中間点補正後の元テーブルである。
【0068】
この補正は、前記使用範囲に含まれる各距離について、それぞれその距離における電圧の実測値に対する誤差を推定し、この誤差分の補正を行うものである。ここでは、最遠距離Dfarおよび最短距離Dnearにかかる電圧については、既に実測値に合わせられているため、誤差はゼロであるとし、Dnear,Dfarの位置から離れるほど、誤差が大きくなるとして、その誤差を反映した補正量を求めるようにしている。この実施例では、前記使用範囲の中心点(すなわち、距離が(Dnear+Dfar)/2となる点)において、補正量が最大値fmaxになり、この中心点から離れるほど補正量が小さくなり、距離DnearおよびDfarにおける補正量が0となるものと推定して、使用範囲に含まれる各点xについて、前記中心点からの距離の3乗に応じた値をとる関数f(x)を設定し、このf(x)により得た値を、その点における補正量とする。なお、この場合には、中間距離Dmidに対応する補正量f(Dmid)については、前記傾き補正後の電圧T3(Dmid)と実測値V1midとの差ΔVmidに等しくなるように、関数f(x)のパラメータを設定するのが望ましい。
【0069】
図6において、テーブルT4(x)中の太線で示す部分は、最初の元テーブルT0(x)から抽出した使用範囲に含まれる各電圧に、正規化処理および前記3段階の補正を施した最終結果に相当する。CPU3は、この太線部分の各電圧をそれぞれ距離に対応づけたテーブルを作成し、これを変換テーブルとして、メモリ4に保存する。
【0070】
図7は、上記の変位センサにおいて、変換テーブルの作成にかかる一連の手順を示す。なお、この処理に先立ち、ユーザーは、センサを実際の使用環境に設置しておく必要がある。
【0071】
センサの設置が終了すると、ユーザーは、自身が定めた検出範囲において、センサに最も近い点、最も遠い点、および前記検出範囲内の任意の1点の計3点のいずれかに被検出物体を配置し、その計測点にかかる距離を入力する(ST1)。CPU3は、この入力に応じたタイミングで前記A/D変換回路2からの入力を取り込み、これを前記入力された距離に対応する振幅電圧の実測値として認識する(ST2〜4)。
【0072】
上記の距離入力および電圧の測定処理は、前記3個の計測点に対して実行される。なお、各計測点に対する処理は、ランダムな順序で行うことができる。また、この実施例では、距離入力の際に、センサに近いものから順に1,2,3というように、対応する計測点を識別するデータを距離とともに入力するようにしており、既に入力した計測点についても、その識別データを指定することにより、距離を再入力できるようにしている。よって、ユーザーは、計測点の位置を確認しながら、入力作業を何度でも繰り返すことが可能である。
【0073】
3個の計測点にかかる距離入力が終了すると、ユーザーは、所定の測定終了操作を行う。この操作を受けて、ST5が「YES」となると、CPU3は、つぎのST6で、3個の計測点に対する電圧測定が終了しているか否かを確認する。ここで、3点に対する電圧測定処理が完了していない場合には、ST6が「NO」となり、前記測定終了操作を無視してST1に戻る。
【0074】
3点の電圧測定が終了している場合には、ST7に進み、入力された距離と識別データとに基づき、前記最短距離Dnear,中間距離Dmid,最遠距離Dfarを設定し、また、取得した電圧の測定値から、各距離に対応する実測値Vnear,Vmid,Vfarを認識する。そして、これらの値を前記(1)式にあてはめて、元テーブルに対する使用範囲の抽出処理を実行する。なお、抽出した使用範囲に含まれる各電圧に対しては、前記ずれ量iに基づき、対応する距離を修正する処理を行う。
【0075】
つぎのST8では、抽出した使用範囲に含まれる各電圧、および前記実測値Vnear,Vmid,Vfarの正規化処理を実行する。この後は、正規化された各電圧を用いて、前記したオフセット補正、傾き補正、中間点補正を順に実行する(ST9〜11)。そして、最後のST12では、これらの補正を経た後の使用範囲内の各電圧について、それぞれ距離と対応づけた変換テーブルを作成し、これをメモリ4に保存する。
【0076】
上記手順によれば、ユーザーが、被検出物体を配置する処理とその配置位置に対応する距離を入力する処理とを3回行うことにより、センサ内で変換テーブルが自動作成され、メモリ4に保存されることになる。すなわち、ユーザーは、自身の使用条件に応じて検出範囲を定め、この検出範囲に適合する3個の計測点に、任意の順序で被検出物体を配置して距離入力を行うだけで、前記検出範囲に適合した変換テーブルを作成することができる。
【0077】
以上、述べたように、この実施例の変位センサによれば、実際の使用環境にセンサを設置した状態で、ユーザー自身が設定した検出範囲に適合した変換テーブルを作成することができるので、高精度の距離検出処理が可能となる。
【0078】
また、この実施例では、各計測点に対する距離の入力や電圧の測定処理を、任意の順序で行うことができる上、入力や測定をやり直すことができるから、操作性を向上でき、設定処理における利便性を高めることができる。また、変換テーブルを設定した後も、検出範囲を変換する場合や、センサの設置状態を変更するような場合には、再度の設定処理を行って、新たな使用条件に応じた変換テーブルを作成することができる。
【0079】
なお、この実施例では、変換テーブルの作成のための計測点を3点としているが、これに限らず、最短距離Dnearおよび最遠距離Dfarに対応する2点で計測を行うとともに、これら2点の間に含まれる複数の点において、計測を行うようにしてもよい。このようにすれば、中間点補正の際に、複数の実測値に基づいてより精度の高い補正処理を行うことができる。同様に、元テーブルに対する使用範囲を抽出する際にも、4個以上の実測値間の比率を用いて、より精度の高い抽出処理を行うことができる。
【0080】
【発明の効果】
この発明によれば、任意の3個の計測点における距離と実測値とに基づき、センサの実際の使用環境や使用条件に適合した変換テーブルを作成することができる。また、センサの検出能力に対応する固定した距離に基づいて計測点を定める従来例とは異なり、センサを実際の使用環境に設置してから変換テーブルを作成することが可能であり、変換テーブルの精度を確保して高精度の計測処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる変位センサの電気構成を示すブロック図である。
【図2】元テーブルの例を、使用されるセンサ間での検出距離のばらつきとともに示す図である。
【図3】元テーブルから変換テーブルの作成に使用する範囲を抽出する処理の具体例を示す図である。
【図4】オフセット補正の具体例を示す図である。
【図5】傾き補正の具体例を示す図である。
【図6】中間点補正の具体例を示す図である。
【図7】変換テーブルの作成に関わる手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 検出部
3 CPU
4 メモリ
5 入力部
T0(x) 元テーブル

Claims (3)

  1. 発振回路により物体検出用の交流磁界を発生させる検出部を具備する変位センサにおいて、前記発振回路の発振状態を被検出物体までの距離に変換する処理に使用する変換テーブルを作成する方法であって、
    前記変位センサからの距離が既知の任意の3点を計測点として、被検出物体を各計測点に任意の順序で配置してその計測点における発振回路の発振状態を測定するステップと、
    発振回路に対する測定値と被検出物体までの距離との標準的な関係を示す元テーブルから、検出部に最も近い計測点から最も遠い計測点までの距離に相当する範囲であって、各計測点に対応する測定値間の比率が各計測点で得た実測値間の比率に近似する範囲を抽出するステップと、
    前記各計測点に対応する測定値がそれぞれ実測値に適合する値になるように、前記元テーブルから抽出した範囲に含まれる各測定値を補正するステップと、
    補正後の各測定値と距離との関係を示すテーブルを、前記変換テーブルとして設定するステップとを実行することを特徴とする距離検出用の変換テーブルの作成方法。
  2. 検出コイルと、この検出コイルに高周波磁界を発生させるための発振回路と、前記発振回路の発振状態を示す信号を入力して被検出物体までの距離を検出する制御部と、前記距離検出用の変換テーブルを保存するためのメモリと、被検出物体に対する距離を示すデータを入力するための操作部とを備え、
    前記制御部は、
    前記操作部からのデータ入力に対応するタイミングで前記発振回路の発振状態を示す信号を入力し、取得した信号が示す値を前記入力データの示す距離に対応する実測値として認識する実測値認識手段と、
    任意の3つの距離についての前記実測値認識手段の認識結果に基づき、発振回路に対する測定値と被検出物体までの距離との標準的な関係を示す元テーブルから、最も大きい距離と最も小さい距離との差の大きさに相当する範囲であって、前記3つの距離に対応する測定値間の比率が各実測値間の比率に近似する範囲を抽出する抽出手段と、
    前記各距離に対応する測定値がそれぞれ実測値に適合する値になるように、前記抽出手段により抽出された範囲に含まれる各測定値を補正する補正手段と、
    補正後の各測定値と距離との関係を、前記変換テーブルとして前記メモリに保存する保存手段とを具備して成る変位センサ。
  3. 前記操作部は、確定操作を行うことが可能に設定されており、前記制御部の実測値認識手段は、前記確定操作が行われるまで、既に認識した実測値または距離に対する再入力を受け付けて認識結果を修正する修正手段を具備して成る請求項2に記載された変位センサ。
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