JP2004197822A - Backlash eliminator, gear type rotation transmission device, and camera turning device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックラッシュ除去装置に関し、特に、歯車式回転伝達装置に設けられるバックラッシュ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バックラッシュ除去装置としては、特許文献1に記載されているように、光ディスクプレーヤのピックアップ送り装置に設けられるものが知られている。ピックアップ送り装置はラックアンドピニオンで構成される。ラックが2つに分割され、それらが反対方向へとばねにより付勢される。2つのラックの歯によりピニオンの歯が挟まれるので、ラックとピニオンのガタがなくなり、バックラッシュが除去される。
【0003】
また、従来の別のバックラッシュ除去装置は、円形のギアに設けられるタイプであり、単純にギアを一方向にばねで付勢する構成を有する。
【0004】
また、バックラッシュを生じないギアとして、ハーモニックギアが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−63070号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来装置のうち、光ディスクプレーヤのピックアップ装置のバックラッシュ除去装置は、ラックにしか適用できず、円形またはそれに類似する形状のギアには適用できない。
【0007】
また、ギアをばねで一方向に付勢するバックラッシュ除去装置は、構成が単純である点で有利である。しかし、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界が低く、すなわち、ギアの精度が低いときにはバックラッシュを除去できない場合がある。
【0008】
また、ハーモニックギアには、コストが高いという難点がある。
【0009】
ここで、歯車式回転伝達装置の適用対象として、監視カメラ等のカメラ旋回装置が考えられる。モータの回転がギアにより伝達され、カメラが旋回する。複数のギアで構成される減速機構を備えることも好適である。ステッピングモータなどの構成によりカメラ方向(旋回位置)を制御することも好適である。
【0010】
カメラに広角レンズが備えられている場合、旋回装置のバックラッシュの影響は比較的小さい。しかし、ズームレンズなどの高倍率のレンズが備えられる場合には、バックラッシュの影響が強くなる。カメラががたつき、狙った方向を撮影できず、被写体が撮影範囲から外れる可能性がある。そこで、カメラ旋回装置にもバックラッシュ除去装置を設けることが好適である。
【0011】
この場合に、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界が高いことが望ましい。これにより、樹脂成型品等の比較的精度の低いギアが用いられる場合でもカメラ方向制御の精度を高くできると考えられる。
【0012】
本発明はこのような背景の下でなされたものであり、その目的は、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界が高いバックラッシュ除去装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のバックラッシュ除去装置は、回転伝達装置を構成し、同一中心軸を有する1対のギアと、前記1対のギアを周方向に沿って相対的に反対向きに付勢する付勢手段と、を備える。この構成により、1対のギアが周方向に反対方向に付勢されるので、単純に一方向にギアを付勢する従来のバックラッシュ除去装置と比べて、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界を向上できる。
【0014】
また、本発明のバックラッシュ除去装置では、前記1対のギアは組み合わされて1枚のギアとして機能し、かつ、組合わされた状態で内部空間を形成し、前記付勢手段は前記内部空間に設けられている。この構成により、1枚のギアの内部にバックラッシュ除去装置を設けることができるので、バックラッシュ除去装置を設けるためのスペースを削減できる。ギア内部にバックラッシュ除去装置を納めて専用のスペースを実質的になくすことも可能になる。
【0015】
また、本発明のバックラッシュ除去装置では、前記付勢手段がねじりばねを含み、前記1対のギアのそれぞれには前記内部空間に面してばね取付部が設けられ、前記ねじりばねの両端が前記1対のギアの前記ばね取付部にそれぞれ取り付けられている。ねじりばねは、例えば弾性線材で構成される円弧形状のばねである。この構成により、バックラッシュ除去装置が、ねじりばねを内部空間に納めることで構成されるので、内部空間の軸方向の高さを小さくすることができる。
【0016】
また、本発明の歯車式回転伝達装置は、上述のバックラッシュ除去装置を有する。
【0017】
また、本発明のカメラ旋回装置は、上述のバックラッシュを備えた歯車式回転伝達装置を、カメラを旋回させるモータの回転力を伝えるために有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態のバックラッシュ除去装置を示しており、図4および図5は、本発明の第2の実施の形態のバックラッシュ除去装置を示している。そして、図6は、図1および図4のバックラッシュ除去装置付きのギアが備えられるカメラ旋回装置を示している。
【0020】
以下、まず、図6のカメラ旋回装置10について説明し、それから、図1に戻り、本実施の形態のスリップ装置について説明する。
【0021】
「カメラ旋回装置」
図6は、本実施の形態のカメラ旋回装置10(カメラ搭載状態)を示し、図7は、カメラ旋回装置10の分解組立図である。
【0022】
カメラ旋回装置10は例えば監視カメラに適用される。カメラ旋回装置10は、コンピュータシステムで用いられてもよい。カメラ旋回装置10を備えた小型カメラをネットワークカメラとして用いて、カメラの映像をLANまたはインターネット等のネットワークを経由して提供することができる。カメラ旋回装置10は、その他の任意の用途のカメラに適用できる。
【0023】
カメラ旋回装置10は、パン軸Yを中心としてパン方向に旋回可能であり、かつ、チルト軸Xを中心としてチルト方向に旋回可能である。以下の説明では、図6の配置を基準にして、パン軸Yに沿った方向を上下方向といい、チルト軸Xに沿った方向を左右方向といい、水平面内でチルト軸Xに垂直な方向を前後方向という。
【0024】
なお、これら方向は、カメラ使用時の方向とは異なっていてよいことはもちろんである。例えばカメラ旋回装置10を監視カメラに適用した場合において、カメラが倒置された状態で使用されるときは、上下が逆さまになる。
【0025】
図6および図7に示されるように、カメラ旋回装置10は、下方から上方へ向けて、ベース部を構成する据付けフレーム12およびメインベース14と、パン部を構成するパンベース16と、チルト部を構成するレンズフレーム18とを有し、さらにカメラ旋回装置10は、図7で両側に示されるパン旋回ユニット20およびチルト旋回ユニット22を有する。
【0026】
据付けフレーム12は、プレスおよび折り曲げ成形された鉄製部材であり、リング部24と、リング部24から折り曲げられたメインベース取付部26とを有する。リング部24は3つのフランジ部を有し、これら3つのフランジ部を利用して図示されないハウジングにリング部24が取り付けられる。また、メインベース取付部26には、カメラ、モータなどのコードを保持するコード保持具28が取り付けられる。
【0027】
メインベース取付部26の上には、3つのねじ30を用いてメインベース14が固定される。メインベース14は樹脂製であり、図示のように略円板形状を有する。メインベース14には、パン軸Yを中心とするパン末端ギア32が一体に設けられている。パン末端ギア32は、平歯車であり、パン旋回機構における旋回側の固定歯車に相当する。
【0028】
ここで、本実施の形態において、旋回側および被旋回側は、それぞれ、他の部材を旋回させる側および他の部材により旋回される側を意味する。
【0029】
図示のように、パン末端ギア32は、メインベース14の全周に渡って設けられていなくてよい。パン末端ギア32は、必要なパン方向旋回範囲をカバーしていればよい。本実施の形態では、パン方向旋回角(水平旋回角)が140度であり、したがってパン末端ギア32は140度以上の範囲に設けられていればよい。
【0030】
メインベース14の上には、パンベース16が、ねじ34および平座金36を用いて、パン軸Yを中心として旋回可能に取り付けられている。パンベース16は樹脂製であり、平坦な円板形状のパンベースボディ38と、パンベースボディ38の左右にそれぞれ立設される左壁部40および右壁部42を有し、これらは一体成形されている。
【0031】
パンベースボディ38の上には、パン旋回ユニット20がねじ66で固定されており、パン旋回ユニット20を構成するギアが後述するようにパンベースボディ38の円形開口部を貫通してメインベース14のパン末端ギア32と噛み合っている。
【0032】
また、パンベース16の左壁部42の外側には、チルト軸Xと中心を位置合わせして、樹脂製のチルト末端ギア44が回転不能に固定されている。ここでは、左壁部42の六角形の開口に、図示されないチルト末端ギア44の六角形の突出部が嵌合し、これによりチルト末端ギア44の回転が阻止される。チルト末端ギア44は平歯車であり、チルト旋回機構における旋回側の固定歯車に相当する。
【0033】
パンベース16の右壁部40および左壁部42の間には、チルト軸Xを中心として回転可能に、樹脂製のレンズフレーム18が取り付けられている。レンズフレーム18は、フレームボディ50と、その両側から下方に延びる左垂下壁部52および右垂下壁部54を有し、これらは一体に成形されている。そして、左垂下壁部52および右垂下壁部54は、それぞれ、パンベース16の左壁部40および右壁部42と、チルト軸Xを中心に回転可能に取り付けられる。右垂下壁部54から外側に突出するチルト軸X上のボスは、チルト旋回ユニット22の孔を通って、パンベース16の右壁部42に固定されたチルト末端ギア44の中央の孔に、ねじ46および平座金48を用いて、回転可能に支持される。
【0034】
図示のように、レンズフレーム18には、カメラ56およびカメラ押え58が、この順番で、係合爪を用いて組み付けられる。この組付け状態でレンズフレーム18がパンベース16に取り付けられる。
【0035】
カメラ56は、CMOS、CCD等で構成された小型カメラである。携帯電話用の小型カメラを用いることも好適である。カメラ56により、レンズフレーム18のフレームボディ50の中央に設けられた撮影用の円形開口を通して撮影が行われる。カメラ押え58は、カメラ56との間に、保護用のクッションを有する。
【0036】
レンズフレーム18の右垂下壁部54の外側には、チルト旋回ユニット22がねじ96で固定されている。そして、チルト旋回ユニット22を構成するギアが、後述するように、パンベース16に固定されたチルト末端ギア44に噛み合っている。
【0037】
次に、パン旋回ユニット20の構成を説明する。図8および図9は、それぞれ、パン旋回ユニット20の平面図および側面図であり、図10はパン旋回ユニット20の斜視図であり、図11はパン旋回ユニット20の分解組立図である。
【0038】
パン旋回ユニット20は、樹脂製の下側プレート60および上側プレート62を有する。上側プレート62から下向きに1組のボスが突出している。各ボスに対して、下型プレート60を介して下側からねじ64が締め付けられる。これにより、上側プレート60および下側プレート62は、ボスの高さに相当する間隔をおいて設けられる。そして、下側プレート62が、パンベース16のパンベースボディ38の上面にねじ66を用いて固定される。
【0039】
上側プレート62の上面には、パンモータ68が2本のねじ70を用いて固定されている。図示のように、上側プレート62と一体に、上方に延びるようにして筒状の壁部(円筒壁)が設けられており、この筒状の壁部にパンモータ68が覆われる。筒状の壁部は、パンモータ68を外部から見えにくくする機能をもつ。筒部を設けることで、例えば、チルトモータ68の外部が銀色等であるときに、黒色樹脂製の筒でモータを隠すことができる。
【0040】
パンモータ68はステッピングモータである。パンモータ68の回転軸には樹脂製のパン駆動ギア72が固定されており、パン駆動ギア72は平歯車であり、上側プレート62の円形開口を通って、上側プレート62および下側プレート60の間に突き出している。
【0041】
上側プレート62および下側プレート60の間には、さらに、第1パン減速ギア74、第2パン減速ギア76、第3パン減速ギア78および第4パン減速ギア80が、それぞれギアシャフト82、84、86、88を用いて回転可能に支持されている。第1パン減速ギア74〜第4パン減速ギア80の各々は、樹脂製であり、かつ、大径ギアおよび小径ギアを有する。これらギアはすべて平歯車である。そして、第2パン減速ギア76と第3パン減速ギア78は同一部品である。また、ギアシャフト82、86も同一部品である。
【0042】
パンモータ68のパン駆動ギア72は、第1パン減速ギア74の大径ギアと噛み合い、第1パン減速ギア74の小径ギアは第2パン減速ギア76の大径ギアと噛み合っている。以下同様に、第2パン減速ギア76の小径ギアは第3パン減速ギア78の大径ギアと噛み合い、第3パン減速ギア78の小径ギアは第4パン減速ギア80の大径ギアと噛み合っている。
【0043】
第4パン減速ギア80の小径ギアは、下側プレート60の円形開口を通って下方に突出している。パン旋回ユニット20がパンベース16に固定されるとき、第4パン減速ギア80の小径ギアは、パンベース16のパンベースボディ38の円形開口を貫通して、メインベース16のパン末端ギア32と噛み合う。
【0044】
このようにして、パン駆動ギア72、第1パン減速ギア74〜第4パン減速ギア80およびパン末端ギア32により歯車減速機構が構成されている。パン駆動ギア72の歯数は10であり、第1パン減速ギア74〜第3パン減速ギア78の歯数は、大径ギアが20、小径ギアが10である。さらに、第4パン減速ギア80の歯数は、大径ギアが50、小径ギアが12である。そして、歯車減速機構の減速比は、(2/4)×(2/4)×(2/4)×(2/10)×(4.8/17.2)=1/143.33である。
【0045】
次に、チルト旋回ユニット22の構成を説明する。図12および図13は、それぞれ、チルト旋回ユニット22の平面図および側面図であり、図14はチルト旋回ユニット22の斜視図であり、図15はチルト旋回ユニット22の分解組立図である。
【0046】
チルト旋回ユニット22は原理的にはパン旋回ユニット20と同様である。ただし、パン旋回ユニット20がパンベース16に固定され、メインベース14(旋回側)に対してパンベース16(被旋回側)を旋回させるのに対して、チルト回転ユニット22はレンズフレーム18に固定されて、パンベース16(旋回側)に対してレンズフレーム18(被旋回側)を旋回させる。
【0047】
チルト旋回ユニット22は、樹脂製の内側プレート90および外側プレート92を有する。内側プレート90から外側プレート92へ向けて1組のボスが突出している。各ボスに対して、外側プレート92を介してねじ94が締め付けられる。これにより、内側プレート90および外側プレート92は、ボスの高さに相当する間隔をおいて設けられる。そして、内側プレート90が、レンズフレーム18の左垂下壁部54の外側にねじ96を用いて固定される。
【0048】
内側プレート90のパン軸Y側の面には、チルトモータ98が2本のねじ100を用いて固定されている。図示のように、内側プレート90と一体に、外側プレート92と反対方向へと延びるように、筒状の壁部(円筒壁)が設けられており、この筒状の壁部にチルトモータ98の外周面が覆われる。筒状の壁部は、チルトモータ98を外部から見えにくくする機能をもつ。筒部を設けることで、例えば、チルトモータ98の外部が銀色等であるときに、黒色樹脂製の筒でモータを隠すことができる。
【0049】
チルトモータ98はステッピングモータである。チルトモータ98の回転軸には樹脂製のチルト駆動ギア102が固定されており、チルト駆動ギア102は平歯車であり、内側プレート90の円形開口を通って、内側プレート90および外側プレート92の間に突き出している。
【0050】
内側プレート90および外側プレート92の間には、さらに、第1チルト減速ギア104、第2チルト減速ギア106、第3チルト減速ギア108および第4チルト減速ギア110が、それぞれギアシャフト112、114、116、118を用いて回転可能に支持されている。第1チルト減速ギア104〜第4チルト減速ギア110の各々は、樹脂製であり、かつ、大径ギアおよび小径ギアを有する。これらギアはすべて平歯車である。そして、第2チルト減速ギア106と第3チルト減速ギア108は同一部品である。また、ギアシャフト112、116、118も同一部品である。
【0051】
チルトモータ98のチルト駆動ギア102は、第1チルト減速ギア104の大径ギアと噛み合い、第1チルト減速ギア104の小径ギアは第2チルト減速ギア106の大径ギアと噛み合っている。以下同様に、第2チルト減速ギア106の小径ギアは第3チルト減速ギア108の大径ギアと噛み合い、第3チルト減速ギア108の小径ギアは第4チルト減速ギア110の大径ギアと噛み合っている。
【0052】
そして、第4チルト減速ギア110の小径ギアは、以下のようにチルト末端ギア44に噛み合う。すなわち、チルト旋回ユニット22がレンズフレーム18に、内側プレート90が右垂下壁部54の外側と接するようにして固定されるとき、パンベース16の右壁部42に固定されたチルト末端ギア44が、内側プレート90と外側プレート92の間に位置する。このチルト末端ギア44に、第4チルト減速ギア110の小径ギアが噛み合う。
【0053】
このようにして、チルト駆動ギア102、第1チルト減速ギア104〜第4チルト減速ギア110およびチルト末端ギア44により歯車減速機構が構成されている。チルト駆動ギア102の歯数は10であり、第1チルト減速ギア104〜第3チルト減速ギア108の歯数は、大径ギアが20、小径ギアが10である。さらに、第4チルト減速ギア110の歯数は、大径ギアが32、小径ギアが10である。そして、歯車減速機構の減速比は、(2/4)×(2/4)×(2/4)×(2/6.4)×(3/15.9)=1/135.68である。
【0054】
以上にチルト旋回ユニット22の構成を説明した。チルト旋回ユニット22のチルトモータ98は、パン旋回ユニット20のパンモータ68と同一部品である。以下同様に、チルト駆動ギア102とパン駆動ギア72、第1チルト減速ギア104と第1パン減速ギア74は同一部品である。さらに、第2、3チルト減速ギア106、108および第2、3パン減速ギア76、78は同一部品であり、ギアシャフト112、116、118およびギアシャフト82、86は同一部品であり、ギアシャフト114とギアシャフト84は同一部品である。
【0055】
次に、本実施の形態のカメラ旋回装置10の組立順序の一例を説明する。まず、レンズフレーム18にカメラ56およびカメラ押え58を組み付けておく。また、パン旋回ユニット20およびチルト旋回ユニット22を、前出の分解組立図に従って組み立てておく。そして、チルト旋回ユニット22は、レンズフレーム18の右垂下壁部54に取り付けられる。
【0056】
据付けフレーム12に、メインベース14、パンベース16およびパン旋回ユニット20が順次組み付けられる。パン旋回ユニット20は、第4パン減速ギア80がメインベース16のパン末端ギア32と噛み合うようにして、パンベース16に固定される。
【0057】
さらに、レンズフレーム18がパンベース16に取り付けられると共に、チルト末端ギア44がパンベース16に固定される。このとき、レンズフレーム18に取り付けられたチルト旋回ユニット22の内側プレート90が、レンズフレーム18の右垂下壁部54とパンベース16の右壁部42との隙間に嵌り込む。また、チルト末端ギア44が、チルト旋回ユニット22の内側プレート90と外側プレート92の間に嵌り込み、チルト旋回ユニット22の第4チルト減速ギア110に噛み合わせられる。
【0058】
次に、本実施の形態のカメラ旋回装置10の動作を説明する。
【0059】
カメラ56をパン方向に旋回させるときは、パン旋回ユニット20のパンモータ68に電流を供給して、これを回転させる。カメラ56を旋回させる向きに応じてモータ回転方向を異ならせることはもちろんである。
【0060】
パン旋回機構においては、パン旋回ユニット20のパンモータ68および第1パン減速ギア74〜第4パン減速ギア80が、被旋回側であるパンベース16に搭載されている。また、パン末端ギア32が、旋回側であるメインベース14に固定されている。
【0061】
したがって、パンモータ68の回転力は、第1パン減速ギア74〜第4パン減速ギア80を経由し、かつ、これらのギアで減速されて、被旋回側のパン末端ギア32に伝達される。パン末端ギア32が固定されているので、パン末端ギア32からの反力で、パンモータ68自身およびそれを含むパン旋回ユニット20が旋回し、これに伴ってパンベース16が旋回する。そして、パンベース16上のレンズフレーム18に配置されたカメラ56も旋回する。旋回の中心はパン軸Yである。
【0062】
一方、カメラ56をチルト方向に旋回させるときは、チルト旋回ユニット22のチルトモータ98に電流を供給して、これを回転させる。カメラ56を旋回させる向きに応じてモータ回転方向を異ならせることはもちろんである。
【0063】
チルト旋回機構においては、チルト旋回ユニット22のチルトモータ98および第1チルト減速ギア104〜第4チルト減速ギア110が、被旋回側であるレンズフレーム18に搭載されている。また、チルト末端ギア44が、旋回側であるパンベース16に固定されている。
【0064】
チルトモータ98の回転力は、第1チルト減速ギア104〜第4チルト減速ギア110を経由し、かつ、これらのギアで減速されて、被旋回側のチルト末端ギア44に伝達される。チルト末端ギア44が固定されているので、チルト末端ギア44からの反力で、チルトモータ98自身およびそれを含むチルト旋回ユニット22が旋回し、これに伴ってレンズフレーム18が旋回する。そして、レンズフレーム18上のカメラ56も旋回する。旋回の中心はチルト軸Xである。
【0065】
以上に説明したように、本実施の形態のカメラ旋回装置10は、カメラを旋回させる旋回側に対してカメラと共に旋回する被旋回側に設けられたモータと、モータの回転力を旋回側に伝達することにより、旋回側のからの反力でもってモータとともに被旋回側のカメラを旋回させる回転力伝達手段と、を備える。
【0066】
すなわち、パン旋回機構に着目すると、パンモータ68が被旋回側のパンベース(パン部を構成)に設けられている。パンモータ68の回転力が、パン回転力伝達手段に相当する減速歯車機構を介して、旋回側のメインベース14(ベース部を構成)に伝えられ、その反力でパンモータ68がパンベース16およびその上のカメラ56と共にパン方向に旋回する。
【0067】
同様に、チルト旋回機構に着目すると、チルトモータ98が被旋回側のレンズフレーム(チルト部を構成)に設けられている。チルトモータ98の回転力が、チルト回転力伝達手段に相当する減速歯車機構を介して、旋回側のパンベース14に伝えられ、その反力でチルトモータ98がレンズフレーム18およびその上のカメラ56と共にチルト方向に旋回する。
【0068】
上記のようにモータを被旋回側に搭載する構成を採用したので、モータを旋回機構と別に設ける従来装置と比較して、モータ設置スペースを削減でき、旋回装置の小型化が可能となり、小型化に伴い軽量化も可能となっている。
【0069】
上記構成は、旋回機能が機構メカニズム自身で完結しているということもできる。そして、上記構成は、小型化を可能とするとともに、デザインの応用性を高くしている。すなわち、旋回機能がコンパクトに被旋回側にまとめられているので、それを囲むケース等の形状を自由に設定することができる。
【0070】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置10においては、上記の回転力伝達手段が平歯車で構成される。平歯車はトルク伝達機構としての可逆性を有し、すなわち、カメラを人間が手で回したときでも、駆動側と被駆動側の平歯車は相互に回転する。したがって、上記構成によれば、いたずらなどで不用意に人間がカメラを手で回したような場合でも、無理な力が回転伝達機構に作用するのを回避でき、これにより、旋回装置の故障回避を図ることができる。
【0071】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置10においては、回転力伝達手段が、旋回側に固定される末端歯車と、モータおよび末端歯車の間に介在する中間減速歯車を備える。末端歯車はパン末端ギア32およびチルト末端ギア44であり、中間減速歯車は、第1パン減速ギア74〜第4パン減速ギア80および第1チルト減速ギア104〜第4チルト減速ギア110である。この構成によれば、減速歯車機構を設けることで、適切な旋回速度が得られる。また、上述のように減速歯車機構を平歯車で構成すれば、平歯車の可逆性を利用して、旋回装置の故障を防止できる。
【0072】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置10においては、上記の中間減速歯車が、モータと同じく被旋回側(パンベース側およびレンズフレーム側)に搭載されている。この構成により、駆動源のモータと従動側の減速機構が同じベース上に配置され、旋回機能が自身で完結する。中間減速歯車を旋回側に設ける場合と比べてスペースが節約でき、その結果、さらなる小型化が可能となっている。
【0073】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置10では、パン旋回とチルト旋回の双方に歯車減速機構が採用され、そして、パン側とチルト側に同一の減速ギアが設けられている。同一部品を用いることで、部品の共用化によるコスト削減が可能となる。また、部品共用化は、組立時の部品判別の作業者負担を軽減するので、組立が容易になり、生産性の向上も可能にしている。
【0074】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置は、ドーム付きケースに好適に収容される。このとき、明るい撮影画像を得るためには、ドームは透明であることが好ましい。ただし、ドームが透明であると、中のカメラ旋回装置が透けて見える。この点を考慮し、上記の実施の形態では、好ましくは、メインベース14、パンベース16、レンズフレーム18、各種歯車、プレート60、62、90、92が黒色(または濃い色、以下、同様)の樹脂で構成される。また、上述のように、パンモータ68およびチルトモータ98が、プレート62、90と一体化された黒色樹脂製の筒部で覆われる。このような黒色樹脂を用いる構成により、カメラ装置を外部から見えにくくできている。
【0075】
また、本実施の形態のカメラ旋回装置10は、パン旋回機構とチルト旋回機構の双方に、モータを被駆動側に設けた構成を採用している。しかし、そのような本実施の形態の構成は、パン旋回機構およびチルト旋回機構の一方に採用されてもよい。
【0076】
また、本実施の形態では、パン方向およびチルト方向は、図6の配置における水平方向および垂直方向であった。しかし、パン方向およびチルト方向は、これらに限定されなくてよい。
【0077】
さらには、本実施の形態は、任意の2つの旋回方向の旋回機構を備える装置へと応用可能である。この観点で上記実施の形態を見ると、カメラ旋回装置は、ベース部と、ベース部に対して第一の方向に旋回可能に設けられた第一旋回部と、第一旋回部をベース部に対して旋回させる第一旋回駆動手段と、第一旋回部に対して第二の方向に旋回可能に設けられた第二旋回部と、第二旋回部を第一旋回部に対して旋回させる第二旋回駆動手段と、を備え、第一旋回駆動手段および第二旋回駆動手段の少なくとも一方が(上記実施の形態の場合には両方が)、被旋回側に設けられたモータと、被旋回側のモータの回転力を旋回側に伝達することにより、旋回側のからの反力でもってモータとともに被旋回側を旋回させる回転力伝達手段と、を備える構成を有している。そして、第一旋回方向と第二旋回方向が上記実施の形態ではパン方向およびチルト方向であった。この観点で見たときも、上述した小型化という本実施の形態の利点が得られる。
【0078】
さらに、本実施の形態では、モータと旋回側の間に複数の中間減速歯車が設けられている。これら歯車の数および歯数等の設定は、必要な減速比に応じて適宜変更されてよい。中間減速歯車が設けられなくてもよい。また、1又は複数の歯車を、消音用の柔らかい樹脂材料で構成してもよい。さらには、本発明の範囲内で、歯車減速機構以外の回転伝達機構、例えば巻掛ベルト(歯付きベルトを含む)またはチェーンが採用されてもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、上述のように、各種部品を黒色等の樹脂で構成することで、外部からカメラを見えにくくする利点が得られている。この点に関して、内部の構成部品が隠れるように、フェルト等の黒色または濃い色のカバーでカメラ旋回装置の適当な部分が覆われてもよい。このカバーは、カメラ旋回に応じて適宜変形する。蛇腹等の構成を適宜設けてもよい。
【0080】
「バックラッシュ除去装置(チルト方向)」
ここでは、まず、チルト方向の歯車式回転伝達装置に備えられるバックラッシュ除去装置を説明する。
【0081】
上述のカメラ旋回装置10では、チルト旋回機構が、円形ギアを組み合わせた減速機構で構成されている。この機構において、バックラッシュはカメラのがたつきの原因になるので、除去されることが望まれる。
【0082】
バックラッシュを除去するために、単純にギアをばねで一方向に付勢する従来の構成を設けることも考えられる。しかし、この従来構成では、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界が低い。
【0083】
これに対し、カメラ旋回装置10のギアは、比較的精度が低い樹脂成形品である。このようなギアでも確実にバックラッシュを除去できることが望まれる。精度の低いギアの使用は、コスト面からも望まれる。
【0084】
また、上述のカメラ旋回装置10の特徴の一つは小型なことである。小型化に寄与するために、バックラッシュ除去装置を極力少ないスペースで設置することが望まれる。
【0085】
また、上述のカメラ旋回装置10にズームレンズを搭載することも好適である。例えばカメラ旋回装置10をネットワークカメラとして用いるとき、ズームレンズの装着によってカメラの用途を広げられる。しかし、ズームレンズを搭載すると、高倍率の撮影が行われるので、バックラッシュの影響が強くなる。カメラががたつき、狙った方向が撮影できず、被写体が撮影範囲から外れる可能性がある。望遠レンズを搭載した場合にも同様の問題がある。
【0086】
本実施の形態は、上記のようなカメラ旋回装置10に好適に適用可能なバックラッシュ除去装置を提供する。
【0087】
図1は、本実施の形態のギア組立体1を2方向から見た分解組立図を示しており、このギア組立体1に本実施の形態のバックラッシュ除去装置が設けられる。ギア組立体1の仕様は、上述のカメラ旋回装置10のチルト末端ギア44と同じである。すなわち、ギア組立体1は、チルト末端ギア44と同じく平歯車であり、同一の直径を有し、歯数および歯形も同一である。チルト末端ギア44に代えてギア組立体1を取り付けることで、本実施の形態のバックラッシュ除去装置がカメラ旋回装置10に備えられる。図1は模式化されており、例えば、ギアの歯が省略されている。
【0088】
ギア組立体1は、概略的には、チルト末端ギア44を2つの薄いギア、すなわち、第一ギア150および第二ギア152に分割した構造を有する。これらがリング154を用いて組み合わされ、1枚のギアとして機能する。そして、第一ギア150および第二ギア152が形成する内部空間に、ねじりばね156で構成されるバックラッシュ除去装置が設けられている。
【0089】
第一ギア150は樹脂製であり、全体としては円板形状を有しており、一体に構成された円板部158と環部160で構成されている。環部160は円板部158の外周の縁に沿って配置されており、環部160の外周面に歯162が設けられている。環部160の軸方向の幅が円板部158より大きいので、環部160と円板部158の間には段差があり、これにより円形の凹部164が形成されている。凹部164は第二ギア152の方向を向いており、凹部164と第一ギア150の中心は同一である。また、環部160の半径方向の幅が狭いので、凹部164は比較的大きな直径を有する。
【0090】
凹部164には円形のばね取付ボス166が設けられている。ばね取付ボス166は、第二ギア152に向けて円板部158から突設されている。ばね取付ボス166の周方向の隣には取付ボス受入溝168が設けられている。取付ボス受入溝168は、円板部158に形成された凹部である。また、第一ギア150の中央には円形の開口170が設けられている。
【0091】
第二ギア152も概略的には第一ギア150と同様の構成を有する。すなわち、第二ギア152は樹脂製であり、全体としては円板形状を有する。第二ギア152は、一体に構成された円板部172と環部174を有し、環部174の外周面に歯176が設けられている。環部174と円板部172の間には段差があり、これにより円形の凹部178が形成されている。凹部178は第一ギア150の方向を向いている。第二ギア152と第一ギア150の直径は同一であり、歯数および歯形も同一である。また、第二ギア152の凹部178と第一ギア150の凹部164の直径も同一である。
【0092】
また、第二ギア152は、第一ギア150と同様に、凹部178にばね取付ボス180および取付ボス受入溝182を有している。取付ボス受入溝182のギア中心からの距離は、第一ギア150のばね取付ボス166と同じである。取付ボス受入溝182の半径方向の幅は、ばね取付ボス166の直径より少し大きい。取付ボス受入溝182は長穴形状を有し、この長穴は円周方向に沿って湾曲している。さらに第一ギア150と第二ギア152が重ね合わされたときに、ばね取付ボス166の上端が取付ボス受入溝182の中に位置するように、ばね取付ボス166の高さと取付ボス受入溝182の深さが設定されている。詳細な説明は省略するが、第一ギア150の取付ボス受入溝168と第二ギア152のばね取付ボス180も同様の構成を有している。
【0093】
また、第二ギア152は、中央に貫通ボス184を有する。貫通ボス184は円板部172を貫通して軸方向に両側に突き出しており、第一ギア150に向かって突き出した内側ボス186と、反対方向に突き出した外側ボス188で構成される。
【0094】
内側ボス186は円筒形であり、その高さは、組立状態で内側ボス186が第一ギア150の反対側に突き出すように設定されている。内側ボス186の外周面にはリング取付溝189が設けられている。リング取付溝189の位置は、組立状態で第一ギア150の反対まで届くように設定されている。
【0095】
外側ボス188は六角形の断面形状を有し、この断面形状は、既に説明したカメラ旋回装置10のパンベース16に設けられた六角形の穴に対応している。また、外側ボス188は筒状であり、内側ボス186の円形開口が外側ボス188の中まで続いている。
【0096】
リング154は樹脂製であって、環状の薄板であり、その一部が切れている。リング154は、第一ギア150が第二ギア152から外れるのを防止する留め具である。
【0097】
ねじりばね156は、図示のように、円弧部190と取付輪192を有する。ねじりばね156は、ばね用の線材を曲げることで形成されている。円弧部190の両端が曲げられて取付枝が形成され、そして取付枝の端部に取付輪192が形成されている。
【0098】
本実施の形態のバックラッシュ除去装置では、ねじりばね156の円弧部190が有するねじり方向(円周方向)の弾性力が利用される。そこで、上記のようにねじりばね156という用語が用いられている。
【0099】
次に、組立方法の例を説明する。第二ギア152の上に第一ギア150が、ねじりばね156を挟むようにして、重ねられる。ねじりばね156は、第一ギア150の凹部158と第二ギア152の凹部172が合わさって作る内部空間の隙間に挿入される。ねじりばね156の円弧部190は、第二ギア152の内側ボス186に嵌められる。また、ねじりばね156の2つの取付輪192は、それぞれ、第一ギア150のばね取付ボス166および第二ギア152のばね取付ボス180に嵌められる。
【0100】
第一ギア150を第二ギア152に重ねると、第二ギア152の内側ボス186が第一ギア150の開口170を貫通して突き出し、内側ボス186のリング取付溝189が露出する。このリング取付溝189にリング154が取り付けられる。
【0101】
図2は、ギア組立体1の断面図を示している。図2(a)は第二ギア152のばね取付ボス180を通る断面図であり、図2(b)は第一ギア150のばね取付ボス166を通る断面図である。
【0102】
図示のように、第一ギア150と第二ギア152が組み合わされ、軸方向の動きがリング154により拘束されている。第一ギア150と第二ギア152は一つのギアを構成している。言い換えれば、一つのギアを分割することにより、第一ギア150と第二ギア152が構成されている。
【0103】
ねじりばね156は内部空間194に収納され、内側ボス184を囲んでいる。ねじりばね156の取付輪192がばね取付ボス166、180に嵌まっている。ばね取付ボス166、180は、それぞれ、取付ボス受入溝182、168に嵌っており、ねじりばね156の脱落が防止されている。
【0104】
本実施の形態では、組立状態において、ねじりばね156がねじり方向の弾性力によって第一ギア150のばね取付ボス166と第二ギア152のばね取付ボス180を引き寄せるように、ねじりばね156および他の構成の寸法等の仕様が設定されている。したがって、第一ギア150と第二ギア152は、円周方向に沿って相対的に反対向きに付勢される。ばね取付ボス166、180は、それぞれ取付ボス受入溝182、168の端部に突き当たる。
【0105】
次に、ギア組立体1の使用形態と共にバックラッシュ除去装置の動作を説明する。
【0106】
ギア組立体1は、前述したように、カメラ旋回装置10のチルト末端ギアとしてパンベース16に組み付けられる。第二ギア152の外側ボス186が、パンベース16の六角形の穴に挿入されて係合するので、ギア組立体1は回転不能に保持される。そして、レンズフレーム18をパンベース16に取り付けるためのねじが、ギア組立体1の中央の穴に通される。
【0107】
ギア組立体1は、相手ギア(カメラ旋回装置10のチルト旋回ユニット22の第4チルト減速ギア110)と、以下のようにして、噛み合わせられる。
【0108】
噛合せの前に、まず、ねじりばね156の付勢力と反対方向の力が第一ギア150に加えられ、第一ギア150が第二ギア152に対して相対的に回される。このとき、ばね取付ボス166、180の先端は、取付ボス受入溝182、168の中を移動する。
【0109】
この状態で、ギア組立体1が相手ギアと噛み合わされ、第一ギア150に加えられている力が開放される。ねじりばね156が、ばね取付ボス166、180を円周方向に引き寄せ、第一ギア150および第二ギア152が相対的に反対方向に回る。第一ギア150の歯と第二ギア152の歯は、予圧がかかった状態で、相手ギアの歯を挟み込み、これによりバックラッシュが除去される。2つのギアの歯で相手ギアを挟み込んでいるので、ギアの精度が低い場合でも確実にバックラッシュが除去される。バックラッシュの除去によりカメラのがたつきが低減し、カメラの向きの誤差が減って、カメラ方向の精度が向上する。
【0110】
以上のように、本発明の実施の形態のバックラッシュ除去装置は、同一中心軸を有する1対のギアを周方向に沿って相対的に反対向きに付勢する付勢手段を設けているので、単純に一方向にギアを付勢する従来のバックラッシュ除去装置と比べて、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界を向上できる。
【0111】
また、本実施の形態のバックラッシュ除去装置は、1対のギアが組合わされた状態で形成する内部空間に付勢手段を設けているので、1枚のギアの内部にバックラッシュ除去装置を設けることができ、バックラッシュ除去装置を設けるためのスペースを削減できる。
【0112】
図1の例では、バックラッシュ除去装置がギア内部に納められているので、バックラッシュ除去装置を持たないギアと比べてギア組立体1のサイズが同じである。したがって、実質的にスペースを使わずにバックラッシュ除去装置が備えられている。
【0113】
この点に関し、バックラッシュ除去装置の全体がギア内部に納められることがスペース削減の観点から好ましいが、本発明はこれに限定されない。また、内部空間という用語は、本発明では、密閉された空間には限定されない。空間は外部に露出してよい。例えば、上述の実施の形態において、付勢手段を設けられる構造を確保した上で、第一ギアまたは第二ギアの円板部の一部または全部が削除されてもよい。
【0114】
また、本実施の形態のバックラッシュ除去装置は、付勢手段としてねじりばねを設けており、また、1対のギアのそれぞれには内部空間に面してばね取付部を設けており、そして、ねじりばねの両端を上記ばね取付部に取り付けている。このようにして、バックラッシュ除去装置が薄型のねじりばねで構成されている。この構成は、内部空間の軸方向の高さを小さくすることができ、バックラッシュ除去装置の小型化とスペース削減にとって有利である。
【0115】
また、上述した本実施の形態のバックラッシュ除去装置は、部品点数が少なく、構造が簡単であり、低コストである。
【0116】
上記の実施の形態では、ねじりばね156は、2つのばね取付ボス166、180を引き寄せている。これに対し、ねじりばね156は、2つのばね取付ボス166、180を突き放すように構成されてもよい。この場合も、第一ギア150と第二ギア152は相対的に反対方向に付勢される。したがって、バックラッシュ除去装置としては同様の機能が得られる。
【0117】
図3は、別の変形例を模式的に示している。この構成では、ギア196、197の間にばね198が挿入される。ばね198の円弧部が長く、部分的に重なっており、巻数が約1回半である。この構成では、より大きな弾性力をばね198が発生できるので、バックラッシュ除去効果の安定性と確実性を向上できる。
【0118】
別の変形例では、コイルばねが、第一ギア150と第二ギア152のばね取付ボス166、168の間に掛け渡される。コイルばねの長手方向の弾性力で第一ギア150と第二ギア152が付勢される。コイルばねは、2つのボスを引き寄せるように設けられてもよく、あるいは、突き放すように設けられてもよい。この構成では、コイルばねの弾性力の方向は半径方向に垂直であるが、この方向の弾性力でも1対のギアは周方向に反対向きに付勢される。
【0119】
なお、上記の変形例では、ギアの内部空間の軸方向寸法をコイルばねの直径以上に設定する必要がある。この点においては、図1の実施の形態のねじりばね156の方が内部空間を小さくできるので有利である。
【0120】
さらに、本実施の形態のバックラッシュ除去装置には、種々の形状のばねを適用可能である。付勢手段は、ばね以外の構成でもよい。付勢手段は、例えばゴム等の弾性部材でもよい。
【0121】
さらに、上記の実施の形態ではバックラッシュ除去装置がチルト末端ギアに設けられており、すなわち固定ギアに設けられているが、バックラッシュ除去装置は回転するギアに設けられてもよい。
【0122】
「バックラッシュ除去装置(パン方向)」
次に、パン方向の歯車式回転伝達装置に備えられるバックラッシュ除去装置を説明する。
【0123】
図4は、カメラ旋回装置10のメインベース14とパンベース16を示している。カメラ旋回装置10の説明で述べたように、メインベース14には、パン旋回機構を構成するパン末端ギアが備えられている。このパン末端ギアにバックラッシュ除去装置が好適に設けられる。
【0124】
なお、図4は適当に模式化されており、例えば、ギアの歯が省略されている。また、本実施の形態のバックラッシュ除去装置は、原理的には、上述のチルト方向のバックラッシュ除去装置と同様である。そこで、以下では、チルト方向のバックラッシュ除去装置と共通する事項の説明を適宜省略する。
【0125】
図4に示されるように、バックラッシュ除去装置は、第一ギア200、第二ギア202およびねじりばね204を有する。
【0126】
第一ギア200は平歯車であり、メインベース14の樹脂製の本体と一体化されている。第一ギア200は環部206を有し、環部206の外周面に歯208が設けられている。カメラ旋回装置10の説明で既に述べたようにパン方向の旋回範囲は140度に設定されており、この旋回範囲をカバーするように第一ギア200が構成されている。
【0127】
環部206の内側には凹部210が設けられており、凹部210には、ばね取付ボス212および取付ボス受入溝214が設けられている。ばね取付ボス212は円形であり、メインベース14から第二ギア202に向けて突設されている。取付ボス受入溝214は、メインベース14に形成された長穴形状の凹部であり、ギアの円周方向に沿って湾曲している。また、凹部210の中央にはボス216が第二ギア202に向けて突設されている。
【0128】
第二ギア202は第一ギア200と対応する形状を有し、直径、歯数および歯形が同一である。第二ギア202は板状であり、中央の凹部は設けられていない。また、図面では隠れているが、第二ギア202の裏側には、ばね取付ボスと取付ボス受入溝が設けられている。また、第二ギア202の中央には円形の開口218が設けられている。
【0129】
ねじりばね204は、円弧部220と取付輪222を有し、図1のねじりばね156と同様に構成されている。
【0130】
次に、組立方法の例を説明する。第一ギア200の上に第二ギア202が、ねじりばね204を挟むようにして、重ねられる。ねじりばね206は、円弧部220が第一ギア200のボス216と重なるように配置され、2つの取付輪222が、第一ギア200のばね取付ボス212と第二ギア202のばね取付ボス(図示せず)に嵌められる。
【0131】
第二ギア202の上にはさらにパンベース16が重ねられる。このとき、パンベース16のパン旋回軸224が、第二ギア202の開口218、ねじりばね206の円弧部220および第一ギア200のボス216に通される。これによりパンベース16がメインベース14に回転可能に取り付けられ、かつ、ねじりばね206がパン旋回軸224に嵌る。
【0132】
図5は、バックラッシュ除去装置の断面図を示している。図5(a)は第一ギア200のばね取付ボス212を通る断面図であり、図5(b)は第二ギア202のばね取付ボス226を通る断面図である。図5(b)は、図4で示されなかった第二ギア202のばね取付ボス226および取付ボス受入溝228を示している。
【0133】
図示のように、第一ギア200と第二ギア202が組み合わされ、両者が一つのギアを構成している。第二ギア202は第一ギア200の凹部210の蓋の役割を担っており、凹部210が内部空間に相当している。そして、ねじりばね206は凹部210に位置し、ねじりばね206の取付輪222がばね取付ボス212、226に嵌っている。ばね取付ボス212、226は、それぞれ、取付ボス受入溝228、214に嵌っており、これによりねじりばね206の脱落が防止されている。
【0134】
また、図5に示されるように、本実施の形態では、内部空間が閉じられてはいない。このような構成も、既にチルト方向のバックラッシュ除去装置の説明で述べたように、本発明の内部空間に含まれる。
【0135】
図5の組立状態では、ねじりばね206がねじり方向の弾性力によって第一ギア200のばね取付ボス212と第二ギア202のばね取付ボス226を引き寄せるように、ねじりばね206および他の構成の寸法等の仕様が設定されている。したがって、第一ギア200と第二ギア202は、円周方向に沿って相対的に反対向きに付勢される。ばね取付ボス212、226は、それぞれ取付ボス受入溝228、214の端部に突き当たる。
【0136】
次に、使用形態と共にバックラッシュ除去装置の動作を説明する。
【0137】
第一ギア200および第二ギア202で構成されるギア組立体は、相手ギア(カメラ旋回装置10のパン旋回ユニット20の第4パン減速ギア80)と、以下のようにして噛み合わせられる。
【0138】
噛合せの前に、ねじりばね206の付勢力と反対方向の力が第二ギア202に加えられ、第二ギア202が第一ギア200に対して相対的に回される。このとき、ばね取付ボス216、228の先端は、取付ボス受入溝214、228の中を円周方向に沿って移動する。
【0139】
この状態で、ギア組立体が相手ギアと噛み合わされ、第二ギア202に加えてられている力が開放される。ねじりばね206が、ばね取付ボス212、226を円周方向に引き寄せる。第一ギア200および第二ギア202が相対的に反対方向に回る。第一ギア200の歯と第二ギア202の歯は、予圧がかかった状態で、相手ギアの歯を挟み込み、これによりバックラッシュが除去される。2つのギアの歯で相手ギアを挟み込んでいるので、ギアの精度が低い場合でも確実にバックラッシュが除去される。
【0140】
以上に、本実施の形態のバックラッシュ除去装置について説明した。このパン方向のバックラッシュ除去装置は、上記の説明から明らかなように、チルト方向のバックラッシュ除去装置と原理的に同様の構成を有している。したがって、上記のチルト方向のバックラッシュ除去装置と同様の利点が、パン方向のバックラッシュ除去装置によっても得られる。そして、上述のチルト方向およびパン方向のバックラッシュ除去装置を設けることで、パン方向とチルト方向のカメラのがたつき、すなわち垂直作動時と水平作動時のがたつきを両方とも効果的に軽減できる。
【0141】
また、チルト方向のバックラッシュ除去装置に関して説明した各種の変形は、パン方向のバックラッシュ除去装置に対しても同様に適用可能である。
【0142】
その他、上記の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により適宜変形および応用が可能なことはもちろんである。本発明がカメラ旋回装置に限定されず、他の歯車機構に適用可能なことももちろんである。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、同一中心軸を有する1対のギアを周方向に沿って相対的に反対向きに付勢する付勢手段を設けているので、バックラッシュを除去可能なギア精度の限界が高いというすぐれた効果を有するバックラッシュ除去装置を提供することができるものである。
【0144】
また、本発明のバックラッシュ除去装置は、1枚のギアとして機能する1対のギアが組合わされた状態で形成する内部空間に付勢手段を設けているので、1枚のギアにバックラッシュ除去装置を設けることができ、したがって小さなスペースで設置可能というすぐれた効果を有するバックラッシュ除去装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバックラッシュ除去装置を示す分解組立図
【図2】第1の実施の形態のバックラッシュ除去装置の断面図
【図3】第1の実施の形態のバックラッシュ除去装置の変形例を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態のバックラッシュ除去装置を示す分解組立図
【図5】第2の実施の形態のバックラッシュ除去装置の断面図
【図6】本発明の実施の形態のカメラ旋回装置を示す図
【図7】カメラ旋回装置の分解組立図
【図8】カメラ旋回装置に設けられるパン旋回ユニットの平面図
【図9】カメラ旋回装置に設けられるパン旋回ユニットの側面図
【図10】カメラ旋回装置に設けられるパン旋回ユニットの斜視図
【図11】カメラ旋回装置に設けられるパン旋回ユニットの分解組立図
【図12】カメラ旋回装置に設けられるチルト旋回ユニットの平面図
【図13】カメラ旋回装置に設けられるチルト旋回ユニットの側面図
【図14】カメラ旋回装置に設けられるチルト旋回ユニットの斜視図
【図15】カメラ旋回装置に設けられるチルト旋回ユニットの分解組立図
【符号の説明】
1 ギア組立体
150 第一ギア
152 第二ギア
154 リング
156 ねじりばね
158,172 円板部
164,178 凹部
166,180 ばね取付ボス
168,182 取付ボス受入溝[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a backlash removing device, and more particularly, to a backlash removing device provided in a gear-type rotation transmission device.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as described in
[0003]
Another conventional backlash removing device is a type provided on a circular gear, and has a configuration in which the gear is simply biased in one direction by a spring.
[0004]
As a gear that does not cause backlash, a harmonic gear is known.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-9-63070
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Among the above conventional devices, the backlash removing device of the pickup device of the optical disk player can be applied only to a rack, and cannot be applied to a gear having a circular or similar shape.
[0007]
The backlash removing device that biases the gear in one direction with a spring is advantageous in that the configuration is simple. However, there is a case where the backlash cannot be removed when the limit of the gear accuracy that can remove the backlash is low, that is, when the accuracy of the gear is low.
[0008]
Harmonic gears also have the disadvantage of high cost.
[0009]
Here, as a target to which the gear-type rotation transmission device is applied, a camera turning device such as a monitoring camera can be considered. The rotation of the motor is transmitted by the gear, and the camera turns. It is also preferable to provide a speed reduction mechanism composed of a plurality of gears. It is also preferable to control the camera direction (turning position) by a configuration such as a stepping motor.
[0010]
If the camera is equipped with a wide-angle lens, the effect of the backlash of the swivel device is relatively small. However, when a high-magnification lens such as a zoom lens is provided, the influence of backlash becomes strong. There is a possibility that the camera rattles and cannot shoot in the aimed direction, and the subject goes out of the shooting range. Therefore, it is preferable to provide the camera turning device with a backlash removing device.
[0011]
In this case, it is desirable that the gear accuracy at which backlash can be removed has a high limit. Accordingly, it is considered that the accuracy of the camera direction control can be improved even when a relatively inaccurate gear such as a resin molded product is used.
[0012]
The present invention has been made in view of such a background, and an object of the present invention is to provide a backlash removing device capable of removing backlash and having a high gear accuracy limit.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The backlash removing device of the present invention constitutes a rotation transmitting device, and includes a pair of gears having the same central axis, and biasing means for biasing the pair of gears in opposite directions along a circumferential direction. And. According to this configuration, the pair of gears are urged in the circumferentially opposite direction, and therefore, compared to a conventional backlash eliminator in which the gears are simply urged in one direction, the accuracy of the gear that can eliminate the backlash is improved. Limits can be improved.
[0014]
Further, in the backlash removing device of the present invention, the pair of gears are combined to function as one gear, and form an internal space in a combined state, and the urging means is provided in the internal space. Is provided. With this configuration, the backlash removing device can be provided inside one gear, so that the space for providing the backlash removing device can be reduced. It is also possible to house a backlash removing device inside the gear, thereby substantially eliminating a dedicated space.
[0015]
In the backlash removing device of the present invention, the biasing means includes a torsion spring, and each of the pair of gears is provided with a spring mounting portion facing the internal space, and both ends of the torsion spring are provided. The pair of gears are respectively attached to the spring attachment portions. The torsion spring is, for example, an arc-shaped spring made of an elastic wire. According to this configuration, since the backlash removing device is configured by housing the torsion spring in the internal space, the height of the internal space in the axial direction can be reduced.
[0016]
Further, a gear type rotation transmission device of the present invention includes the above-described backlash removing device.
[0017]
Further, the camera turning device of the present invention has the gear-type rotation transmitting device having the above-mentioned backlash for transmitting the torque of the motor for turning the camera.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0019]
1 to 3 show a backlash removing device according to a first embodiment of the present invention, and FIGS. 4 and 5 show a backlash removing device according to a second embodiment of the present invention. I have. FIG. 6 shows a camera turning device provided with a gear with a backlash removing device shown in FIGS. 1 and 4.
[0020]
Hereinafter, first, the
[0021]
"Camera turning device"
FIG. 6 shows the camera turning device 10 (in a state where the camera is mounted) of the present embodiment, and FIG. 7 is an exploded view of the
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
Of course, these directions may be different from the direction when the camera is used. For example, when the
[0025]
As shown in FIG. 6 and FIG. 7, the
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
Here, in the present embodiment, the turning side and the turned side mean a side on which the other member is turned and a side on which the other member is turned, respectively.
[0029]
As illustrated, the
[0030]
The
[0031]
On the
[0032]
A tilt end gear 44 made of resin is fixed to the outside of the
[0033]
A
[0034]
As shown, the
[0035]
The
[0036]
The
[0037]
Next, the configuration of the
[0038]
The
[0039]
A
[0040]
The
[0041]
Between the
[0042]
The
[0043]
The small diameter gear of the fourth
[0044]
In this way, the
[0045]
Next, the configuration of the
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
A
[0049]
The
[0050]
Between the
[0051]
The
[0052]
The small-diameter gear of the fourth
[0053]
Thus, the gear drive mechanism is constituted by the
[0054]
The configuration of the
[0055]
Next, an example of an assembling order of the
[0056]
The
[0057]
Further, the
[0058]
Next, the operation of the
[0059]
When turning the
[0060]
In the pan rotation mechanism, the
[0061]
Therefore, the rotational force of the
[0062]
On the other hand, when the
[0063]
In the tilt turning mechanism, the
[0064]
The rotational force of the
[0065]
As described above, the
[0066]
That is, when focusing on the pan turning mechanism, the
[0067]
Similarly, focusing on the tilt turning mechanism, the
[0068]
Since the motor is mounted on the swivel side as described above, the motor installation space can be reduced, and the size of the swivel device can be reduced, as compared to a conventional device in which the motor is provided separately from the swivel mechanism. With this, weight reduction is also possible.
[0069]
In the above configuration, it can be said that the turning function is completed by the mechanism mechanism itself. In addition, the above configuration enables miniaturization and enhances design applicability. That is, since the turning function is compactly arranged on the turning side, the shape of a case or the like surrounding the turning function can be freely set.
[0070]
Further, in the
[0071]
Further, in the
[0072]
Further, in the
[0073]
Further, in the
[0074]
In addition, the camera turning device according to the present embodiment is suitably accommodated in a case with a dome. At this time, in order to obtain a bright captured image, the dome is preferably transparent. However, if the dome is transparent, the camera turning device inside can be seen through. In consideration of this point, in the above-described embodiment, preferably, the
[0075]
Further, the
[0076]
Further, in the present embodiment, the pan direction and the tilt direction are the horizontal direction and the vertical direction in the arrangement of FIG. However, the pan direction and the tilt direction need not be limited to these.
[0077]
Further, the present embodiment is applicable to an apparatus having a turning mechanism in any two turning directions. Looking at the above embodiment from this viewpoint, the camera turning device includes a base portion, a first turning portion provided to be able to turn in a first direction with respect to the base portion, and a first turning portion provided in the base portion. First turning drive means for turning with respect to the first turning portion, a second turning portion provided to be turnable in a second direction with respect to the first turning portion, and a second turning portion for turning the second turning portion with respect to the first turning portion. A second rotation drive unit, at least one of the first rotation drive unit and the second rotation drive unit (both in the case of the above-described embodiment), And a rotational force transmitting means for rotating the swivel side together with the motor by a reaction force from the swivel side by transmitting the rotational force of the motor to the swivel side. The first turning direction and the second turning direction are the pan direction and the tilt direction in the above embodiment. From this point of view, the advantage of the present embodiment of miniaturization described above is obtained.
[0078]
Further, in the present embodiment, a plurality of intermediate reduction gears are provided between the motor and the turning side. The settings such as the number of gears and the number of teeth may be appropriately changed according to the required reduction ratio. The intermediate reduction gear need not be provided. One or more gears may be made of a soft resin material for noise reduction. Furthermore, a rotation transmission mechanism other than the gear reduction mechanism, for example, a winding belt (including a toothed belt) or a chain may be employed within the scope of the present invention.
[0079]
Further, in the present embodiment, as described above, the advantage that the camera is hardly seen from the outside is obtained by configuring various components with black resin or the like. In this regard, appropriate portions of the camera swivel may be covered with a black or dark colored cover, such as felt, to hide the internal components. This cover is appropriately deformed according to the turning of the camera. A configuration such as a bellows may be appropriately provided.
[0080]
"Backlash removal device (tilt direction)"
Here, first, a backlash removing device provided in a tilt-type gear type rotation transmission device will be described.
[0081]
In the
[0082]
In order to eliminate the backlash, it is conceivable to provide a conventional configuration in which the gear is simply biased in one direction by a spring. However, in this conventional configuration, the limit of gear accuracy that can remove backlash is low.
[0083]
On the other hand, the gear of the
[0084]
One of the features of the above-described
[0085]
It is also preferable to mount a zoom lens on the above-described
[0086]
The present embodiment provides a backlash removing device that can be suitably applied to the
[0087]
FIG. 1 is an exploded view of the
[0088]
The
[0089]
The
[0090]
The
[0091]
The
[0092]
Further, the
[0093]
The
[0094]
The
[0095]
The
[0096]
The
[0097]
As shown, the
[0098]
In the backlash removing device of the present embodiment, the elastic force in the torsion direction (circumferential direction) of the
[0099]
Next, an example of an assembling method will be described. The
[0100]
When the
[0101]
FIG. 2 shows a sectional view of the
[0102]
As shown, the
[0103]
The
[0104]
In the present embodiment, in the assembled state, the
[0105]
Next, the operation of the backlash removing device together with the usage pattern of the
[0106]
The
[0107]
The
[0108]
Prior to the engagement, first, a force in a direction opposite to the biasing force of the
[0109]
In this state, the
[0110]
As described above, the backlash removing device according to the embodiment of the present invention is provided with the urging means for urging the pair of gears having the same central axis in the opposite directions along the circumferential direction. Compared with a conventional backlash removing device that simply biases a gear in one direction, the limit of gear accuracy that can remove backlash can be improved.
[0111]
Further, in the backlash removing device of the present embodiment, since the biasing means is provided in an internal space formed by combining a pair of gears, the backlash removing device is provided inside one gear. Therefore, the space for providing the backlash removing device can be reduced.
[0112]
In the example of FIG. 1, since the backlash removing device is housed inside the gear, the size of the
[0113]
In this regard, it is preferable from the viewpoint of space reduction that the entire backlash removing device be housed inside the gear, but the present invention is not limited to this. Also, the term internal space is not limited to a closed space in the present invention. The space may be exposed to the outside. For example, in the above-described embodiment, part or all of the disk portion of the first gear or the second gear may be deleted after securing the structure in which the urging means is provided.
[0114]
Further, the backlash removing device of the present embodiment is provided with a torsion spring as an urging means, and each of the pair of gears is provided with a spring mounting portion facing the internal space, and Both ends of the torsion spring are mounted on the spring mounting portion. Thus, the backlash removing device is constituted by a thin torsion spring. This configuration can reduce the axial height of the internal space, which is advantageous for downsizing and space reduction of the backlash removing device.
[0115]
Further, the above-described backlash removing apparatus of the present embodiment has a small number of parts, a simple structure, and low cost.
[0116]
In the above embodiment, the
[0117]
FIG. 3 schematically shows another modification. In this configuration, a spring 198 is inserted between the gears 196 and 197. The arc portion of the spring 198 is long, partially overlapped, and has about one and a half turns. In this configuration, the spring 198 can generate a larger elastic force, so that the stability and reliability of the backlash removing effect can be improved.
[0118]
In another variation, a coil spring is bridged between the
[0119]
In the above modification, the axial dimension of the internal space of the gear needs to be set to be equal to or larger than the diameter of the coil spring. In this regard, the
[0120]
Furthermore, various shapes of springs can be applied to the backlash removing device of the present embodiment. The biasing means may have a configuration other than a spring. The urging means may be an elastic member such as rubber.
[0121]
Further, in the above embodiment, the backlash removing device is provided on the tilt end gear, that is, on the fixed gear, but the backlash removing device may be provided on the rotating gear.
[0122]
"Backlash removal device (pan direction)"
Next, a backlash removing device provided in the pan-direction gear type rotation transmission device will be described.
[0123]
FIG. 4 shows a
[0124]
FIG. 4 is appropriately schematic, for example, in which gear teeth are omitted. The backlash removing device of the present embodiment is in principle the same as the above-described tilt direction backlash removing device. Therefore, in the following, description of items common to the tilt direction backlash removing device will be omitted as appropriate.
[0125]
As shown in FIG. 4, the backlash removing device has a
[0126]
The
[0127]
A
[0128]
The
[0129]
The
[0130]
Next, an example of an assembling method will be described. A
[0131]
The
[0132]
FIG. 5 shows a cross-sectional view of the backlash removing device. FIG. 5A is a cross-sectional view of the
[0133]
As shown, the
[0134]
Further, as shown in FIG. 5, in the present embodiment, the internal space is not closed. Such a configuration is also included in the internal space of the present invention, as already described in the description of the tilt-backlash removing device.
[0135]
In the assembled state of FIG. 5, the dimensions of the
[0136]
Next, the operation of the backlash removing device together with the usage pattern will be described.
[0137]
The gear assembly including the
[0138]
Prior to the engagement, a force in a direction opposite to the biasing force of the
[0139]
In this state, the gear assembly is engaged with the mating gear, and the force applied to the
[0140]
The backlash removing device of the present embodiment has been described above. As is clear from the above description, the pan-direction backlash removing device has the same configuration as the tilt-direction backlash removing device in principle. Therefore, the same advantages as the above-described tilt-direction backlash removing device can be obtained by the pan-direction backlash removing device. By providing the above-described tilt and pan backlash elimination devices, the camera rattling in the pan and tilt directions, that is, both the vertical operation and the horizontal operation, are effectively reduced. it can.
[0141]
The various modifications described with respect to the tilt-backlash removing device can be similarly applied to the pan-direction backlash removing device.
[0142]
In addition, it is needless to say that those skilled in the art can appropriately modify and apply the above embodiments within the scope of the present invention. It is needless to say that the present invention is not limited to the camera turning device, but can be applied to other gear mechanisms.
[0143]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the biasing means for biasing the pair of gears having the same central axis in the opposite directions along the circumferential direction is provided, the gear capable of eliminating backlash is provided. An object of the present invention is to provide a backlash removing device having an excellent effect that the accuracy limit is high.
[0144]
Further, in the backlash removing device of the present invention, since the biasing means is provided in the internal space formed by combining a pair of gears functioning as one gear, the backlash removing device is provided on one gear. It is possible to provide a backlash removing device having an excellent effect that a device can be provided and thus can be installed in a small space.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded view showing a backlash removing device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of the backlash removing device according to the first embodiment;
FIG. 3 is a diagram showing a modification of the backlash removing device according to the first embodiment;
FIG. 4 is an exploded view showing a backlash removing device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a sectional view of a backlash removing device according to a second embodiment;
FIG. 6 is a diagram showing a camera turning device according to the embodiment of the present invention;
FIG. 7 is an exploded view of the camera turning device.
FIG. 8 is a plan view of a pan rotation unit provided in the camera rotation device.
FIG. 9 is a side view of a pan turning unit provided in the camera turning device.
FIG. 10 is a perspective view of a pan turning unit provided in the camera turning device.
FIG. 11 is an exploded view of a pan rotation unit provided in the camera rotation device.
FIG. 12 is a plan view of a tilt turning unit provided in the camera turning device.
FIG. 13 is a side view of a tilt turning unit provided in the camera turning device.
FIG. 14 is a perspective view of a tilt turning unit provided in the camera turning device.
FIG. 15 is an exploded view of a tilt rotation unit provided in the camera rotation device.
[Explanation of symbols]
1 Gear assembly
150 1st gear
152 Second gear
154 ring
156 torsion spring
158,172 Disc part
164,178 recess
166,180 Spring mounting boss
168,182 Mounting boss receiving groove
Claims (5)
前記1対のギアを周方向に沿って相対的に反対向きに付勢する付勢手段と、
を備えることを特徴とするバックラッシュ除去装置。A pair of gears constituting a rotation transmission device and having the same central axis;
Biasing means for biasing the pair of gears relatively in opposite directions along a circumferential direction;
A backlash removing device comprising:
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002366577A JP2004197822A (en) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | Backlash eliminator, gear type rotation transmission device, and camera turning device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=32763741
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- 2002-12-18 JP JP2002366577A patent/JP2004197822A/en not_active Withdrawn
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