JP2004197119A

JP2004197119A - Hot-rolled steel sheet superior in uniformity of material quality, hot-dipped steel sheet, and manufacturing method therefor

Info

Publication number: JP2004197119A
Application number: JP2002363733A
Authority: JP
Inventors: Akio Tosaka; 章男登坂
Original assignee: JFE Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 2002-12-16
Filing date: 2002-12-16
Publication date: 2004-07-15
Anticipated expiration: 2022-12-16
Also published as: JP4300793B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hot-rolled steel sheet having uniform qualities of a material such as tensile characteristics and a structure close to a ferrite single phase, and to provide a hot-dipped steel sheet. <P>SOLUTION: This hot-rolled steel sheet comprises, by mass%, 0.03-0.2% C, 0.6-2.0% Mn, 0.02-0.15% Al, 1.0% or less Si, 0.04% or less P, 0.003% or less S, 0.010% or less N, 0.2% or less in total of Cu, Ni, Cr and Mo, 0.01% or less in total of Nb, V andTi, 0.01% or less B, and the balance Fe with unavoidable impurities; and has a structure having the ferrite phase controlled to 90% or more by area rate, and further the fluctuating values of tensile strength in the longitudinal direction of a coil controlled within a range of ±15 MPa. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として自動車・家電用の種々の部品およびその要素部品に適用して好適な材質均一性に優れた熱延鋼板および溶融めっき鋼板ならびにそれらの製造方法に間するものである。
本発明の鋼板は、種々の形状に塑性加工される際に、降伏応力（ＹＳ）、引張り強さ（ＴＳ）が均一であることから、形状凍結の再現性に優れ、またスプリングバック等の量が再現性よく見込めるため、良好な部品形状を維持することができる。強度的には、軟鋼レベルから、引張り強さ（ＴＳ）が 590 MPa程度までの高強度鋼板を含む。
【０００２】
【従来の技術】
自動車・家電用の部品には比較的厚物の熱延鋼板および冷延薄鋼板が使用されている。表面の美麗さ、板厚公差の小ささおよび材質の安定性等の観点からは、冷延鋼板の方が熱延鋼板に比べて有利であるが、冷延工程と焼鈍工程が不可欠であることから、製造コストは逆に不利となる。
しかしながら、最近では、熱延鋼板に対して種々の改善がなされてきたため、徐々に熱延鋼板の適用範囲が拡大されつつある。
【０００３】
また、無塗装の熱延鋼板や冷延鋼板では耐食性が不足する場合には、溶融亜鉛めっきや電気亜鉛めっきに代表される防鋳鋼板が使用される。
さらに、昨今の自動車車体の軽量化に対する要求が高まっていることから、鋼板の強度を増加させることで薄肉化を達成すべく種々の研究がなされている。
【０００４】
しかしながら、鋼板の高強度化、薄肉化により形状凍結性は著しく低下する。これに対応するため、プレス成形時に、離型後の形状変化を予め予測し、形状変化量を見込んで型を設計することが広く行われているが、鋼板のＹＳやＴＳが変化すると、これらを一定とした見込み量からのズレが大きくなり、形状不良が発生し、プレス成形後に一個一個形状を板金加工する等の手直しが不可欠となり、量産効率を著しく低下させる。従って、鋼板のＹＳ，ＴＳのバラツキは可能な限り小さくすることに対する要求が強い。
【０００５】
従来、材質バラツキの小さい加工用高張力熱延鋼板として、例えば化学成分が重量％で、Ｃ：0.04〜0.15％、Mn：0.５〜2.0 ％、Si：0.5 〜2.0 ％、Ｐ：0.1％以下、Ｓ：0.005 ％以下、Al：0.1 ％以下、Ｎ：0.1 ％以下を含み、不純物としてのＢ：0.0005％以下が存在し、特性的には、強度−延性バランス（引張強さ×全伸び）が 18000 MPa・％以上で、かつそのコイル内変動量が3000 MPa・％未満であり、降伏比ＹＲが65％以下である鋼板が提案されている（例えば特許文献１）。
この技術は、Ａr₃点以下のフェライト−オーステナイト２相域で熱間圧延を終了し、引き続き急冷・低温巻取りを行うことにより、フェライトとマルテンサイトおよび残留オーステナイトの均質な複合組織を安定して生成しようとするものである。
しかしながら、このような複合組織化によって高強度鋼板を得ようとする技術では、自ずと材質バラツキが大きくなり、また目標とする組織の作り込みも難しい。
このため、よりフェライト単相に近い組織で材質バラツキを抑えて高強度を達成できる技術が求められていた。
【０００６】
また、最近では、冷延鋼板の代替となり得る薄物で広幅の熱延鋼板について、引張り特性の変動を抑えることが行われている。
例えば、質量％でＣ：0.10％以下、Si：0.50％以下、Mn：1.0 ％以下、Ｐ：0.04％以下、Ｓ：0.02％以下、Al：0.150 ％以下、Ｎ：0.0050〜0.020 ％でかつ、固溶状態としてのＮを0.0030％以上含有する組成とし、板厚が1.8 mm以下かつ板厚／板幅の比を 0.0015 以下として、圧延時の負荷を抑える技術が提案されていて、仕上げ圧延機の入側で被圧延材の幅方向端部を加熱するエッジヒーターなどを用いることにより被圧延材の引張り特性のバラツキを小さくして、材質変動を小さくすることが開示されている（例えば特許文献２）。
【０００７】
また、Ｃ：0.10wt％以下、Si：0.10wt％以下、Mn：0.8 wt％以下、Ｐ：0.04wt％以下、Ｓ：0.02wt％以下、Al：0.150 wt％以下、Ｎ：0.0050〜0.0200wt％でかつ、固溶状態としてのＮを0.0030wt％以上含有する組成とし、板厚が1.4 mm以下で、ＴＳが 340 MPa以上である薄物熱延鋼板について、連続圧延を行ったりあるいはシートバーヒーターやエッジヒーターを使用して、引張り特性のバラツキを抑える技術が提案されている（例えば特許文献３）。
なお、このような組成の鋼板においては、連続圧延やエッジヒーターなどの使用を行わない場合でも、引張り強さが 360 MPa程度で引張り強さの標準偏差を16MPa 程度にできることが開示されてはいるが、上記のようにシートバーヒーターやエッジヒーター等を使用しない場合、材質均一性が十分に確保できない場合がある。
このため、上記のような装置を使用しなくても材質均一性を確保できる技術が望まれていた。
【０００８】
【特許文献１】
特開2000−204435号公報（特許請求の範囲）
【特許文献２】
特開2001−279379号公報（特許請求の範囲、段落〔００４１〕）
【特許文献３】
特開2000−54071 号公報（特許請求の範囲、段落〔００４１〕〜〔００４５〕）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の要請に有利に応えるもので、フェライト単相に近い組織で、しかも特別な加熱装置などを必要とすることなしに、引張り特性を代表とする材質が均一な熱延鋼板（熱延鋼帯ともいう）およびこの熱延鋼板を原板とする溶融めっき鋼板を、それらの有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【００１０】
なお、均一性については、同一の規格目標で製造した各コイル毎および各コイル内の長手方向を対象とする。
換言すると、転炉から連続鋳造を経て製造される１チャージ分は約 200数十トンであり、これから１コイルの重量が約10〜20トンの熱延コイルが複数個製造されるので、これらが、いずれもコイル内で均一な引張り特性を有するような鋼板を提供することである。
【００１１】
特に熱延鋼板の引張り特性は、スラブとして加熱炉に入り、熱延が終了するまでの加工熱処理過程における変動の影響を直接受けるが、これらが変動しても安定した引張り特性を維持できることが重要である。また、熱延巻取り後の冷却は、コイルの内巻き部に比べて外巻き部は速い速度で冷却されるため、冷却速度の変動に関しては鈍感である必要がある。
引張り特性の変動量の目安は、引張り強さに代表させてコイルの長手方向で±15 MPa程度であり、この範囲におさめるこれにより、成形品の形状不良を有利に回避することができる。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、成分系や製造法を種々に変更して多数の鋼板を製造し、多くの材質評価実験を行った。
その結果、Mnを 0.6mass％以上含有させると共に、他の含有成分を適正な範囲に制限し、さらに熱延条件特に熱間圧延終了後の巻取りまでの冷却、およびその後の冷却速度を適正化することにより、鋼板の長手方向のバラツキを最小にすることができることの知見を得た。
また、熱間圧延終了後のコイルを、徐冷装置（通常のバッチ焼鈍炉にても同等な効果を得ることができる）に投入して、冷却速度を低減することによってもバラツキの低減が可能であることが明らかになった。
さらに、熱間圧延鋼板を酸洗した後に、連続焼鈍炉にて適正な温度範囲で加熱処理を施すことも有効な手段であることが明らかになった。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【００１３】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
１．質量％で
Ｃ：0.03〜0.2 ％、
Mn：0.6 〜2.0 ％、
Al：0.02〜0.15％
を含有すると共に、
Si：1.0 ％以下、
Ｐ：0.04％以下、
Ｓ：0.003 ％以下、
Ｎ：0.010 ％以下、
Cu, Ni, Cr，Moを合計で 0.2％以下、
Nb，Ｖ, Tiを合計で0.01％以下、
Ｂ：0.01％以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、かつフェライト相が面積率で90％以上の組織を有し、さらにコイル長手方向における引張り強さの変動量が±15 MPaの範囲内であることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板。
【００１４】
２．上記１において、鋼板が、さらに質量％で、CaおよびREM のうちから選んだ１種または２種を合計で0.0010〜0.010 ％含有する組成になることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板。
【００１５】
３．上記１または２記載の熱延鋼板の表面に、溶融めっき層をそなえることを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板。
【００１６】
４．質量％で
Ｃ：0.03〜0.2 ％、
Mn：0.6 〜2.0 ％、
Al：0.02〜0.15％
を含有すると共に、
Si：1.0 ％以下、
Ｐ：0.04％以下、
Ｓ：0.003 ％以下、
Ｎ：0.010 ％以下、
Cu, Ni, Cr，Moを合計で 0.2％以下、
Nb，Ｖ, Tiを合計で0.01％以下、
Ｂ：0.01％以下
を含有する組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度：（Ａr₃変態点−20℃）以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも１秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ってコイルとしたのち、該コイルの平均温度が 200℃以下になるまで該コイルを空冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【００１７】
５．上記４において、巻き取ったコイルを、その平均温度が 200℃以下になるまで空冷することに代えて、コイルに巻き取ったのち、徐冷装置内にて少なくとも200℃まで50℃/h以下の速度で徐冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【００１８】
６．質量％で
Ｃ：0.03〜0.2 ％、
Mn：0.6 〜2.0 ％、
Al：0.02〜0.15％
を含有すると共に、
Si：1.0 ％以下、
Ｐ：0.04％以下、
Ｓ：0.003 ％以下、
Ｎ：0.010 ％以下、
Cu, Ni, Cr，Moを合計で 0.2％以下、
Nb，Ｖ, Tiを合計で0.01％以下、
Ｂ：0.01％以下
を含有する組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度：（Ａr₃変態点−20℃）以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも１秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、加熱温度が 700〜900 ℃の再加熱処理を行うことを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【００１９】
７．質量％で
Ｃ：0.03〜0.2 ％、
Mn：0.6 〜2.0 ％、
Al：0.02〜0.15％
を含有すると共に、
Si：1.0 ％以下、
Ｐ：0.04％以下、
Ｓ：0.003 ％以下、
Ｎ：0.010 ％以下、
Cu, Ni, Cr，Moを合計で 0.2％以下、
Nb，Ｖ, Tiを合計で0.01％以下、
Ｂ：0.01％以下
を含有する組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度：（Ａr₃変態点−20℃）以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも１秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、酸洗し、ついで加熱温度が 700〜900 ℃の連続焼鈍を行ったのち、溶融めっき処理を施すことを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼材の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「％」表示は特に断らない限り質量％を意味するものとする。
【００２１】
Ｃ：0.03〜0.2 ％
Ｃ量が 0.2％を超えると、鋼中の炭化物の量が増加することに起因して鋼板の延性さらには成形性が著しく劣化し、成形性の観点から好ましくない。また、熱間圧延後の冷却時に変態が遅れ、巻取り後に変態が多く起るようになり、材質のバラツキを減少させるという本発明の目的を達成することが困難となる。さらに、Ｃ量が 0.2％を超えると、スポット溶接性、アーク溶接性などが著しく低下する。従って、Ｃ量は 0.2％以下とするが、成形性の向上という観点からは0.15％以下が好適である。特に良好な延性が重要となる用途に対しては、0.08％以下がさらに好適である。
一方、Ｃ量が0.03％に満たないと、Ａr₃変態点が高温化して、薄鋼板の熱間圧延を変態点以上で終了させることが困難となり、材質の変動の要因となる。従って、Ｃ量は0.03％以上 0.2％以下とした。
【００２２】
Mn：0.6 〜2.0 ％
Mnは、Ｓによる熱間割れを防止するのに有効な元素であり、含有するＳ量に応じて含有させる必要がある。またMnは、結晶粒を微細化する効果も有し、材質上望ましい元素である。
Ｓを安定して固定するという観点および結晶粒を微細化するという観点からは、Mnは 0.6％以上含有させることが必要である。Mn含有量を高めることで、仕上げ圧延温度をはじめとする熱延条件の変動に対する鋼板の機械的性質の敏感性が格段に改善されるという大きな利点があり、上記した結晶粒の微細化と相まって、材質均質性の確保に大きな効果を発揮する。上記の観点からMn含有量は 0.6％以上とした。より好ましくは0.85％以上である。しかしながら、Mnを過度に含有させると、熱間圧延終了後の冷却時の変態が著しく遅延して、巻取りまでに所定量の変態を完了させることができず、巻取り後に変態することで、材質バラツキの要因となる。以上のことから、Mn量の上限を 2.0％とした。また、熱間圧延後の冷却パターン依存性を軽減するためには 1.5％以下とすることが望ましい。
【００２３】
Al：0.02〜0.15％
Alは、鋼の脱酸元素として添加され、鋼の清浄度を向上させるのに有用な元素であり、また鋼の組織微細化のためにも望ましい元素である。本発明では、変態前のγ（オーステナイト）組織を均一・微細化するために0.02％以上のAlを含有させるものとした。しかしながら、Al量が多くなると表面性状の悪化、スラブ冷却時の割れ発生などの点で工程を不安定化する。このためAl量の上限は0.15％とした。材質の安定性という観点からは0.04〜0.10％の範囲が特に好ましい。
【００２４】
Si：1.0 ％以下
Siは強化元素の一つで、本発明においては、熱間圧延後の変態を早めるという望ましい効果を示すが、 1.0％を超えて含有させた場合には、熱間変形抵抗が顕著に増加することに加え、変態点が上昇することでＡr₃変態点以上の温度で熱間圧延を終了することが困難となり、材質のバラツキの要因となるため、1.0 ％以下に制限する。鋼板厚みが薄い場合特に1.6 mm以下の場合には 0.5％以下に低減することが変形抵抗、変態点の適正化という観点からは望ましい。
【００２５】
Ｐ：0.04％以下
Ｐは、鋼の固溶強化元素であるが、過剰の含有は鋼を脆化させ、さらにスポット溶接性を悪化させるだけでなく、鋼中において偏析する傾向が強く、それに起因した内部割れをもたらすため、0.04以下に制限する。これらの特性低下が特に重視される場合は、Ｐの含有量は少ない方が好ましく0.01％以下として極力低減することが望ましい。
【００２６】
Ｓ：0.003 ％以下
Ｓは、介在物として存在し、鋼板の延性を減少させ、さらに耐食性の劣化を招く元素なので、極力低減することが望ましく、その含有量は 0.003％以下に制限するものとした。特に良好な加工性が要求される用途においては 0.002％以下とすることが望ましい。
【００２７】
Ｎ：0.010 ％以下
固溶状態のＮとして多量に存在すると、固溶強化に加え、顕著な歪み時効硬化を示し、これが鋼板の長手方向の位置で安定しないため、引張り特性のバラツキの要因となる。しかしながら、含有量を 0.010％以下と制限することで熱延鋼板の段階では安定して窒化アルミとして固定され、機械的性質に及ぼす悪影響はほとんどなくなるので、Ｎ量は 0.010％以下に規制する。より好ましくは0.0050％未満である。なお、窒化アルミとして析出すると結晶の微細化に寄与するので、この観点からは 0.002％以上含有させることが好ましい。
【００２８】
また不純物として混入する以下の元素については、所定の範囲に抑制する必要がある。
Ａ群：Cu, Ni, Cr，Moを合計で 0.2％以下
Ｂ群：Nb，Ｖ, Tiを合計で0.01％以下
Ｂ：0.01％以下
Ａ群の元素はいずれも、変態点を低下させる元素であり、本発明のように熱間圧延後の変態速度を高めて、機械的性質の安定化を図る観点からは、その混入は望ましくない。しかしながら、合計で 0.2％以下程度であれば上記の弊害は小さい。
【００２９】
Ｂ群の元素は炭窒化物形成元素であり、組織の微細化という望ましい効果はあるが、反面、熱延巻取り後の微細析出物による析出強化効果が大きく、この析出強化は、加熱温度の変動、仕上げ圧延温度さらには熱延巻取り後の冷却速度の影響を顕著に受けるため、本発明で目的とする引張り特性の安定化という点では望ましくない。さらに、熱間変形抵抗の増加も顕著であり、熱延薄鋼板の製造に当たっては形状・板厚の点で問題を生じる。しかしながら、単独添加、複合添加の如何にかかわらずこれらの合計が0.01％以下であれば上記の問題を生じない。
【００３０】
Ｂは、低い巻取り温度条件で結晶粒を微細化する元素であるが、含有量が0.01％を超えると鋼板の面内異方性が増大する傾向にあり、加工性鋼板としては好ましくない。従って、Ｂ含有量は0.01％以下とした。特に加工性を重視する場合には、Ｂは極力低減することが好ましく、その場合には 0.002％以下に制限することが望ましい。
【００３１】
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
CaおよびREM のうちから選んだ１種または２種を合計で0.0010〜0.010 ％
用途的に特に伸びフランジ成形性が要求される場合には、Ca，REM を添加して介在物の形態制御を行うことが有効である。単独添加または複合添加いずれの場合においても、含有量を上記の範囲とすることで、表面欠陥の発生などを伴うことなしに伸びフランジ特性を改善することができる。なお、これらの元素の添加が熱間圧延後の変態挙動に及ぼす影響は小さい。
なお、本発明の鋼板は、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
【００３２】
ついで鋼板の組織および機械的特性の限定理由について述べる。
フェライト相の面積率：90％以上
本発明は、高度な加工性が要求される薄鋼板を対象としており、フェライトが面積率で90％未満では必要な延性を確保することが困難となる。また、第２相の混入によるいわゆる変態組織強化が過度に増すと必然的にバラツキの要因となる。従って、第２相の混入率が10％未満すなわち、母相であるフェライトの分率を90％以上とすることで材質の変動を小さくすることができる。
【００３３】
ここで、フェライトとしては、いわゆるポリゴナルフェライトの他、炭化物の析出を含まないベイニティックフェライト、アシキュラーフェライトも含むものとする。従って、第２相としては、それ以外のパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトおよびセメンタイトを指す。
【００３４】
引張り強さのバラツキ：コイル長手方向のＴＳの変動量が±15 MPaの範囲内
最も問題となるコイル長手方向のバラツキの尺度としてＴＳ（引張り強さ）を採用した。実際、多くの特性値の調査を行った結果、コイル長手方向のＴＳの変動量は鋼板の機械的性質のバラツキを示す安定した尺度となる。これは、ＴＳが引張り試験において最も再現性の良いパラメータであり、鋼板の微視組織、固溶元素の状態などの差異を最も敏感に反映するためと推定している。最も重要な実生産上の特性という観点でも、ＴＳのバラツキが成形品のスプリングバックをはじめとする成形不良に最も相関が強い。
そこで、発明者らは、ＴＳのバラツキ量と成形不良との関係について検討を重ねた結果、ＴＳの変動、特に鋼板の長手方向での変動が±15 MPa以下であれば、プレス成形した後の部品の形状不良を実用上問題のないレベルにすることが可能であることが明らかになった。特に厳しい部品形状の精度が要求される場合は±10MPa 以下にすることが好ましいことも判明した。
【００３５】
ここで、コイル長手方向とは、コイル状に巻き取られた鋼板の長手方向を意味し、コイル長手方向の最先端部および最後端部、すなわちコイルの最外巻き部および最内巻き部に相当するそれぞれ７ｍ程度を除外するものとする。というのは、この部分は多くの場合、コイルの運送時に入る疵などのために実際には使用されない場合が多く、鋼板の形状・板厚精度の問題から切り捨て処理を行って出荷されることによる。本発明では、長手方向のＴＳの変動を規定するが、幅方向のＴＳの変動もこれに準じて規定される。
【００３６】
なお、引張り強さについては、特に制限されるものではないが、良好な形状凍結性が要求される強度レベルはほとんどが 370 MPa以下の鋼板である。これは、かような強度レベルの鋼板の多くが強度部材として広く利用されるためであり、高強度化と薄肉化を組み合わせて、車体の軽量化を狙うためである。
【００３７】
また、鋼板の厚みについては特に限定する必要はない。鋼板が厚い場合でも薄い場合でも本発明の効果は発揮される。しかしながら、形状不良防止の観点からは、板厚が薄いほど、また鋼板の強度が高いほど、困難化する。板厚が概ね 2.6mm以下の鋼板で特にプレス加工後の形状精度の低下が問題となることが多い。
従って、本発明は、板厚が概ね 2.6mm以下の鋼板に適用することにより、これを超える厚みの鋼板に適用する場合よりも、大きな効果が発揮される。
【００３８】
次に、本発明の製造方法について説明する。
鋼スラブとしては、前記した好適範囲に成分調整した鋼スラブを用いる。
この鋼スラブは、成分のマクロな偏析を防止するために、連続鋳造法で製造することが望ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法によっても可能である。
また、鋼スラブを製造したのち、一旦室温まで冷却し、その後再度加熱する従来法に加え、冷却しないで、温片のままで加熱炉に装入するあるいはわずかの保熱を行った後に直ちに圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
【００３９】
熱延条件については、以下のように規定される。
スラブ加熱温度（SRT)：1000℃以上
スラブ加熱温度は、初期状態として加工前の組織を均一化するという観点から下限が規定され、1000℃以上とする。上限は特に規制されないが、酸化重量の増加に伴うロスの増大などから1280℃以下とすることが望ましい。
【００４０】
熱延時の仕上げ圧延温度（FT）：（Ａr₃変態点−20℃）以上
仕上げ圧延温度を（Ａr₃変態点−20℃）以上とすることで、均一微細な熱延鋼板を得ることができ、多くの用途に対して問題なく使用することができる。しかしながら、仕上げ圧延温度が（Ａr₃変態点−20℃）を下回ると、部分的に加工組織が残留するようになって、鋼板が不均一になり、プレス成形時に種々の不具合が発生する危険性が増大する。また、これより低い圧延温度の場合には加工組織の残留を回避すべく高い巻取り温度を採用しても、この場合は粗大粒の発生に伴う同様の不具合を生じる。従って、仕上げ圧延温度は（Ａr₃変態点−20℃）以上とした。特に機械的性質を向上させるためには、Ａr₃変態点以上であることが望まれる。
なお、上限温度については特に規制されることはないが、過度に高い温度で圧延した場合には、スケール疵などの原因となるので、1000℃以下程度とするのが好適である。
【００４１】
なお、本発明では、Ａr₃点は加工フォーマスターなどによる実験室でのデータ、実機圧延設備での圧延データから決定できる。また、これらのデータからＡr₃変態点の予測式を求めることができ、例えば以下の式が有効である。

ただし、[%Ｍ] はＭ元素の含有量（質量％）
【００４２】
熱間圧延終了後の冷却：少なくとも１秒間の空冷
熱間圧延終了後、少なくとも１秒間の空冷の後に、水による強制冷却を実施することが、幅方向の材質の均一性を確保する上で重要である。というのは、この空冷の間に種々の不均一性（温度、加工歪み、加工速度など）が平準化されるためである。空冷時間については、下限の他には特に制限はなく、冷却テーブルの長さや鋼板の冷却速度等から決定すればよい。
【００４３】
強制冷却中における平均冷却速度：100 ℃/s以下
熱間圧延後の冷却は、空冷および強制冷却を組み合わせて、所定の巻取り温度となるように行われるが、このような冷却において、鋼板の強制冷却中における冷却速度は 100℃/s以下とすることで冷却速度の差に起因する材質の変動を回避することができる。この調整は、多くの場合、鋼板の上面、下面に噴射する冷却水の量により制御される。さらに、高精度の材質均一性が要求される用途では平均冷却速度は50℃/s以下にすることがより好適である。なお、ここで強制冷却中の平均冷却速度とは、水冷あるいはガス冷却等、積極的に冷却を行い、単なる空冷以上の速度で冷却する際の冷却中における平均冷却速度であり、概ね30℃/s以上となる。
【００４４】
また、上記の狙いをさらに高精度で達成するために、鋼板の幅方向のエッジ部に対していわゆる冷却水のマスキングを行うことは有効である。幅方向のエッジ部は冷却水が流れ落ちる効果や突起部であるエッジ部でより有効に熱が放散されるいわゆるフィン効果等で一般に冷却速度が幅方向の中央部よりも増加する傾向にある。そこで、鋼板上に直撃する冷却水は、局部的に大きな冷却能を有することに注目し、幅方向のエッジ部では冷却水が鋼板を直撃しないように冷却水をマスキングして鋼板の幅方向中央部の冷却速度とのバランス化を図ろうとするものである。
【００４５】
そして、本発明の熱延鋼板では、熱間圧延終了後、巻取り前の冷却中に、オーステナイトからの変態がほぼ85％以上完了し、材質均一性を確保している。
【００４６】
熱延巻取り温度：450 〜750 ℃
熱延巻取り温度が 450℃未満では、巻取り後の保熱に由来する材質の均一化効果が発揮されず、それまでの工程条件の変動がそのまま材質変動に反映される。また、巻取り温度が 750℃を超えると、巻取り完了時の変態量が少なく、巻取り完了後に変態が進行するため、巻取り後の冷却速度の不均一による材質変動が避けられない。このため、巻取り温度は 450〜750 ℃の範囲とした。より一層材質均一性が要求される用途に対しては 500〜700 ℃の範囲がさらに好適である。
【００４７】
巻取り後の冷却：コイルの平均温度が 200℃以下になるまで空冷
近年、製造に要する日数を短縮するため、巻取り後のコイルを水槽内で冷却したりスプレー冷却することが行われている。しかしながら、この工程は、熱延巻取り後の材質の均一化にとって重要な工程の一つである。
すなわち、少なくとも 200℃の温度までは空冷（持に強制的な冷却を行わずに放置して冷却する）することが材質の均一化のためには必要である。これは 200℃より高い温度で水冷を開始すると冷却速度の差により、製品の固溶Ｃ量が変化し、これが引張り特性のＹＳ，ＴＳのバラツキとなって現われるためである。より一層材質の均一性が要求される用途では 100℃以下まで徐冷することが望ましい。室温まで空冷により徐冷するのが最も望ましいが、製品製造に要する時間が長くなるという欠点、問題点が生じることはいうまでもない。
従って、200 ℃以下あるいは100 ℃以下まで空冷後、水冷することが好ましい。なお、ここでコイルの平均温度とは、コイルの中央部すなわちコイルを形成する鋼板の長手方向中央部、幅方向中央部の温度である。
【００４８】
この状態のままのスケールが付着したいわゆる黒皮の状態でも製品として適用することができる。また、これに対して酸洗を行うことも可能である。この場合、酸洗は常法に従って行えばよい。
なお、本発明では、上述したとおり、巻取り前までにオーステナイトからの変態が85％以上完了している。これにより、コイル巻取り後の冷却速度の変動の影響はほぼ解消され、ＴＳに代表される引張り特性の均一化が達成される。巻取り前の変態率が低い場合、同一の巻取り温度で巻き取った場合でも変態発熱量の変動などから複雑にコイル内での変態挙動の差異となり、これは直接、引張り特性の変動に結び付くことから、さらに高い精度の制御が必要となる。このような観点から、より一層引張り特性の変動を小さくするためには変態の完了率を90％以上とする必要がある。
ここに、変態の完了率を大きくするためには、例えば仕上げ圧延率を高めることや、成分的に変態を遅らす元素を低減することが好ましい。
【００４９】
巻取り後、徐冷装置内で徐冷：
巻取り後、直ちに（約30分以内に）徐冷装置内に移送して、その中で徐冷し、少なくとも 200℃以下までボックス内で保持する。その間の冷却速度としては、50℃/h以下の速度で徐冷することがコイル内の材質のバラツキ発生を抑制するために有利である。これは、徐冷装置内で徐冷することでコイル内の温度の均一化が徐々に進行し、それに伴って引張り特性が均一化されることによる。この効果を達成するためには、少なくとも 200℃まで徐冷を行う必要がある。徐冷装置としては特に限定しないが、断熱性のある箱状のものの他、バッチ焼鈍炉を加熱しない状態で用いてもよい。
【００５０】
熱延鋼板の再加熱処理：
巻取り後に加熱温度が 700℃以上、900 ℃以下の再加熱処理を行う。設備的には、いわゆる連続焼鈍炉にて実施するのが最も効率的であるが、箱焼鈍での対応も可能である。コイルに巻取り・冷却した鋼板に対して、再度、加熱処理を行うことは、熱延直後から巻取り・冷却までの過程で生じた種々の要因による材質の不均一を解消するために有効である。加熱温度は 700℃以上とすることが、主として固溶Ｃ量の差異による材質バラツキ軽減のためには必要である。しかしながら、900 ℃を上回って加熱・冷却した場合には、この熱処理自体のバラツキが大きくなるという問題等を生じ好ましくない。
【００５１】
熱延鋼板を原板とした溶融めっき鋼板；
鋼板コイルを巻戻して酸洗を行ったのち、加熱温度が 700℃以上、900 ℃以下の連続焼鈍を行い、さらにインラインの処理で連続的に溶融めっき鋼板を製造する。熱延鋼板に対し、酸洗後に、連続溶融めっきラインにて溶融めっきを行うことも材質の均一化に有効である。すなわち、熱延鋼板を原板とした材質均一性に優れためっき鋼板が製造可能である。
【００５２】
この際の溶融めっきは、亜鉛の他、亜鉛をベースにしたAl等の合金さらにはAlめっきに対して適用可能である。また、合金化溶融亜鉛めっきのように溶融めっきの後、合金化処理を施してもよい。
なお、材質均一性を図る上からは、従来から知られているような、仕上げ圧延機の入側でシートバー同志を接合して連続的に圧延することや、仕上圧延機入側でシートバーヒーターやエッジヒーターにより板長手方向端部や板幅方向端部を加熱したり、潤滑圧延を行うことが好ましいのはいうまでない。
【００５３】
【実施例】
実施例１
表１に示す成分組成になる溶鋼を、転炉で溶製し、スラブとしたのち、表２に示す条件で、熱間圧延を施し、熱延後巻き取ってコイルとしたのち、同じく表２に示すコイル平均温度までコイルを空冷し、その後、水冷した。また、一部のコイル（表２のNo.3）については、徐冷装置内でコイルを30℃/hで平均温度：200℃となるまで徐冷し、酸洗して熱延鋼板とした。
かくして得られた熱延鋼板の組織および引張り特性について調べた結果を表３に示す。
なお、引張り特性は、圧延方向を長手方向とするJIS ５号試験片を用いた引張り試験により測定した。調査対象材は、鋼板の長手方向に先端を含む５分割の位置から採取し、これらの引張り強さ（ＴＳ）の平均値とその変動量について調査した。ＴＳの変動量はＴＳの標準偏差で示す。なお、ここでコイルの先端とは、コイルの最外巻き部および最内巻き部のそれぞれ７ｍ程度を除外した上での、先端を意味する。
【００５４】
【表１】

【００５５】
【表２】

【００５６】
【表３】

【００５７】
表３から明らかなように、発明例はいずれも、フェライト相が面積率で90％以上で、かつコイル長手方向における引張り強さの標準偏差が15 MPa以下すなわち引張り強さの変動量が±15 MPaの範囲内という要件を満足している。
また、各位置から採取した鋼板を、プレス成形した時のスプリングバックについても調査したが、発明鋼板は、比較鋼板に比べてスプリングバックの角度バラツキが小さく、成形品の形状不良率を大幅に低減できることが確認された。
【００５８】
実施例２
Ｃ：0.051 ％、Si：0.01％、Mn：1.25％、Ｐ：0.009 ％、Ｓ：0.002 ％、Al：0.045 ％、Ｎ：0.0035％、Cu：0.01％、Ni：0.005 ％、Cr：0.003 ％、Mo：0.005 ％、Nb：0.003 ％、Ti：0.002 ％、Ｖ：0.003 ％およびＢ：0.0002％を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材とし、表４に示すように、製造条件を幅広く変化させて熱延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
得られた熱延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の組織および引張り特性について調べた結果を表５に示す。
【００５９】
【表４】

【００６０】
【表５】

【００６１】
表５に示したとおり、発明例はいずれも、フェライト相が面積率で90％以上およびコイル長手方向における引張り強さの変動量が±15 MPaの範囲内という要件を満足している。
【００６２】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、フェライト単相に近い組織で、しかも特別な加熱装置などを必要とすることなしに、引張り特性などの材質が均一な熱延鋼板および溶融めっき鋼板を、安定して得ることができる。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a hot-rolled steel sheet and a hot-dip coated steel sheet excellent in material uniformity, which are preferably applied to various parts for automobiles and home appliances and element parts thereof, and a method for producing them.
Since the steel sheet of the present invention is uniform in yield stress (YS) and tensile strength (TS) when being plastically worked into various shapes, it is excellent in reproducibility of shape freezing, and has an amount of springback and the like. Can be maintained with good reproducibility, so that a good part shape can be maintained. In terms of strength, it includes high-strength steel sheets with a tensile strength (TS) of about 590 MPa from the mild steel level.
[0002]
[Prior art]
For parts for automobiles and home appliances, relatively thick hot-rolled steel sheets and cold-rolled thin steel sheets are used. Cold rolled steel sheet is more advantageous than hot rolled steel sheet from the viewpoints of surface beauty, small thickness tolerance and material stability, but the cold rolling and annealing steps are indispensable. Therefore, the production cost is disadvantageous.
However, recently, since various improvements have been made to the hot-rolled steel sheet, the application range of the hot-rolled steel sheet is gradually expanding.
[0003]
When the corrosion resistance of an unpainted hot-rolled steel sheet or cold-rolled steel sheet is insufficient, an anti-cast steel sheet represented by hot-dip galvanizing or electrogalvanizing is used.
Furthermore, with the recent increasing demand for weight reduction of automobile bodies, various studies have been made to achieve a reduction in thickness by increasing the strength of a steel sheet.
[0004]
However, the shape freezing property is significantly reduced due to the increase in strength and thinning of the steel sheet. To cope with this, it is widely practiced to predict the shape change after mold release in press forming and design the mold in consideration of the amount of shape change. The deviation from the expected amount where the constant is constant becomes large, the shape defect occurs, and it is indispensable to rework such as sheet metal processing of the shape one by one after press molding, which significantly lowers the mass production efficiency. Therefore, there is a strong demand for minimizing YS and TS variations of the steel sheet.
[0005]
Conventionally, as a high-tensile hot-rolled steel sheet for processing having small material variation, for example, the chemical components are expressed by weight%, C: 0.04 to 0.15%, Mn: 0.5 to 2.0%, Si: 0.5 to 2.0%, P: 0.1% In the following, S: 0.005% or less, Al: 0.1% or less, N: 0.1% or less, B: 0.0005% or less as an impurity, and characteristically, strength-ductility balance (tensile strength × total elongation) ) Is 18000 MPa ·% or more, the variation in the coil is less than 3000 MPa ·%, and the yield ratio YR is 65% or less (for example, Patent Document 1).
This technology is _Three It is intended to stably generate a homogeneous composite structure of ferrite, martensite, and retained austenite by ending hot rolling in the ferrite-austenite two-phase region below the point, followed by rapid cooling and low-temperature winding. is there.
However, in the technique of obtaining a high-strength steel sheet by such a composite structure, the variation in the material is naturally increased, and it is difficult to form a target structure.
For this reason, there has been a demand for a technique capable of achieving high strength by suppressing material variation in a structure closer to a ferrite single phase.
[0006]
Recently, fluctuations in tensile properties of a thin, wide, hot-rolled steel sheet that can be used as a substitute for a cold-rolled steel sheet have been performed.
For example, in mass%, C: 0.10% or less, Si: 0.50% or less, Mn: 1.0% or less, P: 0.04% or less, S: 0.02% or less, Al: 0.150% or less, N: 0.0050 to 0.020% and A technology has been proposed in which a composition containing 0.0030% or more of N in a solid solution state, a sheet thickness of 1.8 mm or less, and a ratio of sheet thickness / sheet width of 0.0015 or less to suppress the load during rolling is proposed. It is disclosed that the variation in the tensile properties of the material to be rolled is reduced by using an edge heater or the like that heats the width direction end of the material to be rolled on the entry side of the material to reduce the material fluctuation (for example, Patent Document 1). 2).
[0007]
Also, C: 0.10 wt% or less, Si: 0.10 wt% or less, Mn: 0.8 wt% or less, P: 0.04 wt% or less, S: 0.02 wt% or less, Al: 0.150 wt% or less, N: 0.0050 to 0.0200 wt % And a hot-rolled thin steel sheet with a thickness of 1.4 mm or less and a TS of 340 MPa or more by continuous rolling or sheet bar heating. There has been proposed a technique of using an edge heater to suppress variations in tensile properties (for example, Patent Document 3).
It is disclosed that a steel sheet having such a composition can have a tensile strength of about 360 MPa and a standard deviation of the tensile strength of about 16 MPa even without using continuous rolling or an edge heater. However, when the sheet bar heater, the edge heater, and the like are not used as described above, the material uniformity may not be sufficiently ensured.
For this reason, there has been a demand for a technique capable of ensuring material uniformity without using the above-described apparatus.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-204435 (Claims)
[Patent Document 2]
JP-A-2001-279379 (claims, paragraph [0041])
[Patent Document 3]
JP-A-2000-54071 (Claims, paragraphs [0041] to [0045])
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention advantageously satisfies the above-mentioned requirements, and has a structure close to a single-phase ferrite, and does not require a special heating device or the like. A hot-rolled steel strip) and a hot-dip coated steel sheet using the hot-rolled steel sheet as an original sheet, together with an advantageous production method thereof.
[0010]
Note that the uniformity covers the longitudinal direction in each coil manufactured in the same standard target and in each coil.
In other words, one charge produced from the converter through continuous casting is about 200 and several tens tons, and from this, a plurality of hot rolled coils weighing about 10 to 20 tons are produced. It is an object of the present invention to provide a steel sheet having a uniform tensile property in a coil.
[0011]
In particular, the tensile properties of hot-rolled steel sheets are directly affected by fluctuations in the thermomechanical treatment process until the end of hot-rolling after entering the heating furnace as a slab, but it is important to maintain stable tensile properties even if these fluctuations occur. It is. Further, in cooling after hot rolling and winding, the outer winding portion is cooled at a higher speed than the inner winding portion of the coil, and therefore, it is necessary to be insensitive to fluctuations in the cooling speed.
The standard of the variation of the tensile properties is about ± 15 MPa in the longitudinal direction of the coil as represented by the tensile strength. By keeping the range within this range, it is possible to advantageously avoid the defective shape of the molded product.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
By the way, in order to achieve the above-mentioned object, the present inventors manufactured many steel plates by changing various component systems and manufacturing methods, and performed many material evaluation experiments.
As a result, Mn is contained in an amount of 0.6 mass% or more, the other components are restricted to an appropriate range, and the hot rolling conditions, particularly the cooling until winding after the completion of hot rolling, and the cooling rate after that are optimized. By doing so, it has been found that the variation in the longitudinal direction of the steel sheet can be minimized.
Also, the variation can be reduced by putting the coil after hot rolling into a slow cooling device (an equivalent effect can be obtained with a normal batch annealing furnace) and reducing the cooling rate. It became clear that it was.
Furthermore, after pickling the hot-rolled steel sheet, heat treatment in an appropriate temperature range in a continuous annealing furnace was also found to be an effective means.
The present invention is based on the above findings.
[0013]
That is, the gist configuration of the present invention is as follows.
1. By mass%
C: 0.03 to 0.2%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: 0.01% or less
With the balance being Fe and unavoidable impurities, and the ferrite phase having a structure with an area ratio of 90% or more, and a variation in tensile strength in the longitudinal direction of the coil within a range of ± 15 MPa. A hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity, characterized in that:
[0014]
2. 2. The hot-rolled steel having excellent material uniformity according to 1 above, wherein the steel sheet further has a composition containing, in mass%, one or two selected from Ca and REM in total of 0.0010 to 0.010%. steel sheet.
[0015]
3. 3. A hot-dip steel sheet having excellent material uniformity, characterized in that the hot-rolled steel sheet according to the above 1 or 2 is provided with a hot-dip coating layer.
[0016]
4. By mass%
C: 0.03 to 0.2%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: 0.01% or less
After heating a steel slab having a composition containing at least 1000 ° C., the finish-rolling exit temperature: (Ar _Three The hot rolling is completed under the condition of (transformation point -20 ° C) or more, then air-cooled for at least 1 second, then forcibly cooled at a rate of 100 ° C / s or less, and wound up at a temperature of 450 to 750 ° C to form a coil. Thereafter, the coil is air-cooled until the average temperature of the coil becomes 200 ° C. or lower, a method for producing a hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity.
[0017]
5. In the above item 4, in place of air-cooling the wound coil until its average temperature becomes 200 ° C. or less, after winding the coil, the coil is cooled to at least 200 ° C. in a slow cooling device at 50 ° C./h or less. A method for manufacturing a hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity, characterized by gradually cooling at a high speed.
[0018]
6. By mass%
C: 0.03 to 0.2%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: 0.01% or less
After heating a steel slab having a composition containing at least 1000 ° C., the finish-rolling exit temperature: (Ar _Three Hot rolling is completed under the above condition (transformation point -20 ° C), then air-cooled for at least 1 second, then forcibly cooled at a rate of 100 ° C / s or less, wound up at a temperature of 450 to 750 ° C, and then heated. A method for producing a hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity, comprising performing a reheating treatment at a temperature of 700 to 900 ° C.
[0019]
7. By mass%
C: 0.03 to 0.2%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: 0.01% or less
After heating a steel slab having a composition containing at least 1000 ° C., the finish-rolling exit temperature: (Ar _Three Hot rolling is completed under the above conditions (transformation point -20 ° C), then air-cooled for at least 1 second, then forcibly cooled at a rate of 100 ° C / s or less, wound at a temperature of 450 to 750 ° C, and acidified. A method for producing a hot-dip coated steel sheet having excellent material uniformity, comprising washing, followed by continuous annealing at a heating temperature of 700 to 900 ° C., and then performing hot-dip plating.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
First, the reason why the composition of the steel material is limited to the above range in the present invention will be described. In addition, "%" display about a component shall mean the mass% unless there is particular notice.
[0021]
C: 0.03 to 0.2%
If the C content exceeds 0.2%, the ductility and the formability of the steel sheet are significantly deteriorated due to the increase in the amount of carbide in the steel, which is not preferable from the viewpoint of the formability. In addition, the transformation is delayed during cooling after hot rolling, and a large amount of transformation occurs after winding, which makes it difficult to achieve the object of the present invention of reducing the variation in the material. Further, when the C content exceeds 0.2%, spot weldability, arc weldability, etc. are significantly reduced. Therefore, the C content is set to 0.2% or less, but from the viewpoint of improving the moldability, 0.15% or less is preferable. For applications in which good ductility is particularly important, 0.08% or less is more preferable.
On the other hand, if the C content is less than 0.03%, Ar _Three The transformation point becomes high temperature, and it becomes difficult to complete the hot rolling of the thin steel sheet at a temperature equal to or higher than the transformation point, which causes a change in the material. Therefore, the C content is set to 0.03% or more and 0.2% or less.
[0022]
Mn: 0.6 to 2.0%
Mn is an element effective for preventing hot cracking due to S, and must be contained in accordance with the amount of S contained. Further, Mn also has an effect of refining crystal grains, and is a desirable element in terms of material.
From the viewpoint of stably fixing S and miniaturizing crystal grains, it is necessary to contain Mn at 0.6% or more. By increasing the Mn content, there is a great advantage that the sensitivity of the mechanical properties of the steel sheet to changes in the hot rolling conditions including the finish rolling temperature is significantly improved, and in combination with the above-described refinement of the crystal grains. It has a great effect on ensuring material homogeneity. From the above viewpoint, the Mn content is set to 0.6% or more. It is more preferably at least 0.85%. However, when excessively containing Mn, the transformation at the time of cooling after the end of hot rolling is significantly delayed, and a predetermined amount of transformation cannot be completed by winding, and by transformation after winding, This may cause material variation. From the above, the upper limit of the amount of Mn was set to 2.0%. Further, in order to reduce the cooling pattern dependence after hot rolling, it is desirable that the content be 1.5% or less.
[0023]
Al: 0.02 to 0.15%
Al is an element added as a deoxidizing element of steel and is useful for improving the cleanliness of steel, and is also a desirable element for refining the structure of steel. In the present invention, 0.02% or more of Al is contained in order to make the γ (austenite) structure before transformation uniform and fine. However, an increase in the amount of Al destabilizes the process in terms of deterioration of surface properties and occurrence of cracks during slab cooling. Therefore, the upper limit of the amount of Al is set to 0.15%. The range of 0.04 to 0.10% is particularly preferable from the viewpoint of material stability.
[0024]
Si: 1.0% or less
Si is one of the strengthening elements, and in the present invention, exhibits a desirable effect of accelerating the transformation after hot rolling. However, when the content exceeds 1.0%, the hot deformation resistance is significantly increased. In addition, as the transformation point rises, _Three Since it becomes difficult to complete hot rolling at a temperature higher than the transformation point, which causes a variation in the material, the content is limited to 1.0% or less. When the thickness of the steel sheet is thin, especially when it is 1.6 mm or less, it is desirable to reduce it to 0.5% or less from the viewpoint of optimizing deformation resistance and transformation point.
[0025]
P: 0.04% or less
P is a solid solution strengthening element of steel, but excessive content not only embrittles the steel and further deteriorates spot weldability, but also has a strong tendency to segregate in the steel, resulting in internal cracking due to it. Therefore, it is limited to 0.04 or less. When the deterioration of these characteristics is particularly important, the content of P is preferably as small as possible, and it is desirable to reduce the content as much as possible to 0.01% or less.
[0026]
S: 0.003% or less
S is an element that exists as an inclusion and reduces ductility of the steel sheet and further causes deterioration of corrosion resistance. Therefore, it is desirable to reduce S as much as possible, and its content is limited to 0.003% or less. For applications requiring particularly good workability, the content is preferably 0.002% or less.
[0027]
N: 0.010% or less
If N is present in a large amount in a solid solution state, in addition to solid solution strengthening, remarkable strain age hardening is exhibited, and this is not stable at a position in the longitudinal direction of the steel sheet, which causes a variation in tensile properties. However, by limiting the content to 0.010% or less, it is stably fixed as aluminum nitride at the stage of the hot-rolled steel sheet, and there is almost no adverse effect on the mechanical properties. Therefore, the N content is restricted to 0.010% or less. More preferably, it is less than 0.0050%. In addition, since precipitation as aluminum nitride contributes to refinement of the crystal, it is preferable to contain 0.002% or more from this viewpoint.
[0028]
In addition, the following elements mixed as impurities need to be suppressed to a predetermined range.
Group A: Cu, Ni, Cr, Mo total 0.2% or less
Group B: Nb, V, Ti 0.01% or less in total
B: 0.01% or less
All of the elements in Group A are elements that lower the transformation point, and from the viewpoint of increasing the transformation speed after hot rolling and stabilizing the mechanical properties as in the present invention, their inclusion is not desirable. . However, if the total is about 0.2% or less, the above adverse effects are small.
[0029]
The elements of group B are carbonitride forming elements and have a desirable effect of making the structure finer, but on the other hand, the precipitation strengthening effect by fine precipitates after hot rolling and winding is large, and this precipitation strengthening is performed at the heating temperature. It is notably desirable from the viewpoint of stabilizing the tensile properties aimed at in the present invention, because it is significantly affected by the fluctuation, the finish rolling temperature and the cooling rate after hot rolling and winding. Furthermore, the increase in hot deformation resistance is remarkable, and a problem arises in the production of a hot-rolled thin steel sheet in terms of shape and thickness. However, the above problem does not occur if the total of these is 0.01% or less irrespective of the single addition or the composite addition.
[0030]
B is an element that refines crystal grains under low winding temperature conditions. However, if the content exceeds 0.01%, the in-plane anisotropy of the steel sheet tends to increase, which is not preferable as a workable steel sheet. Therefore, the B content is set to 0.01% or less. Particularly, when workability is emphasized, it is preferable to reduce B as much as possible, and in that case, it is desirable to limit B to 0.002% or less.
[0031]
As described above, the basic components have been described. However, in the present invention, other elements described below can be appropriately contained.
One or two selected from Ca and REM in total 0.0010-0.010%
If stretch flange formability is particularly required for the application, it is effective to add Ca and REM to control the morphology of inclusions. In either case of single addition or composite addition, by setting the content within the above range, the stretch flange properties can be improved without occurrence of surface defects and the like. The effect of the addition of these elements on the transformation behavior after hot rolling is small.
In the steel sheet of the present invention, the balance other than the above components is Fe and unavoidable impurities.
[0032]
Next, the reasons for limiting the structure and mechanical properties of the steel sheet will be described.
Area ratio of ferrite phase: 90% or more
The present invention is directed to a thin steel sheet requiring high workability, and it is difficult to secure necessary ductility when the area ratio of ferrite is less than 90%. In addition, if the so-called transformation structure strengthening due to the incorporation of the second phase is excessively increased, it necessarily causes a variation. Therefore, the variation in the material can be reduced by setting the mixing ratio of the second phase to less than 10%, that is, setting the fraction of ferrite as the mother phase to 90% or more.
[0033]
Here, the ferrite includes so-called polygonal ferrite, as well as bainitic ferrite and acicular ferrite which do not contain carbide precipitation. Therefore, the second phase refers to other pearlite, bainite, martensite, retained austenite, and cementite.
[0034]
Variation in tensile strength: fluctuation of TS in coil longitudinal direction is within ± 15 MPa
TS (tensile strength) was adopted as a measure of the most problematic variation in the coil longitudinal direction. In fact, as a result of investigating many characteristic values, the variation of TS in the longitudinal direction of the coil becomes a stable measure of the variation in mechanical properties of the steel sheet. This is presumed that TS is the parameter with the highest reproducibility in the tensile test, and reflects the difference in the microstructure of the steel sheet, the state of the solute element, and the like most sensitively. In terms of the most important characteristics in actual production, the variation in TS is most strongly correlated with molding defects such as springback of molded products.
Therefore, the inventors have repeatedly studied the relationship between the variation in TS and the molding failure, and as a result, if the variation of TS, especially the variation in the longitudinal direction of the steel sheet is ± 15 MPa or less, the press forming after press forming is performed. It has become clear that it is possible to reduce the shape defect of a part to a level that does not cause any practical problem. It was also found that it is preferable to set the pressure to ± 10 MPa or less when particularly strict component shape accuracy is required.
[0035]
Here, the coil longitudinal direction means the longitudinal direction of the steel sheet wound in a coil shape, and corresponds to the foremost part and the last end part in the coil longitudinal direction, that is, the outermost and innermost winding parts of the coil. About 7 m each. This is because, in many cases, this part is not actually used due to flaws entering the coil during transportation, etc., and is cut off before shipping due to problems with the shape and thickness accuracy of the steel sheet. . In the present invention, the variation of the TS in the longitudinal direction is defined, but the variation of the TS in the width direction is also defined accordingly.
[0036]
The tensile strength is not particularly limited, but most of the steel sheets are required to have a good shape freezing property at a strength level of 370 MPa or less. This is because many steel plates having such a strength level are widely used as strength members, and are intended to reduce the weight of the vehicle body by combining high strength and thinning.
[0037]
Further, it is not necessary to particularly limit the thickness of the steel sheet. The effect of the present invention is exhibited regardless of whether the steel plate is thick or thin. However, from the viewpoint of preventing shape defects, it becomes more difficult as the plate thickness is smaller and the strength of the steel plate is higher. In the case of a steel plate having a thickness of approximately 2.6 mm or less, a problem often arises particularly in the reduction of shape accuracy after press working.
Therefore, when the present invention is applied to a steel sheet having a thickness of about 2.6 mm or less, a greater effect is exhibited than when applied to a steel sheet having a thickness greater than 2.6 mm.
[0038]
Next, the manufacturing method of the present invention will be described.
As the steel slab, a steel slab whose components have been adjusted to the above-described preferable range is used.
This steel slab is desirably manufactured by a continuous casting method in order to prevent macro segregation of components, but can also be performed by an ingot casting method or a thin slab casting method.
In addition to the conventional method in which a steel slab is manufactured and then cooled once to room temperature and then heated again, the steel slab is rolled immediately after being placed in a heating furnace as it is without cooling or after a slight heat retention. Energy saving processes such as direct rolling and direct rolling can be applied without any problem.
[0039]
The hot rolling conditions are defined as follows.
Slab heating temperature (SRT): 1000 ℃ or more
The lower limit of the slab heating temperature is specified from the viewpoint of homogenizing the structure before processing as an initial state, and is set to 1000 ° C. or more. The upper limit is not particularly limited, but is desirably set to 1280 ° C. or lower due to an increase in loss due to an increase in oxidation weight.
[0040]
Finish rolling temperature during hot rolling (FT): (Ar _Three Transformation point -20 ℃) or higher
Finish rolling temperature (Ar _Three By setting the transformation point to −20 ° C. or more, a uniform and fine hot-rolled steel sheet can be obtained, and can be used for many applications without any problem. However, the finish rolling temperature is (Ar _Three If the temperature falls below the transformation point (−20 ° C.), the work structure partially remains, the steel sheet becomes uneven, and the risk of various problems occurring during press forming increases. In the case of a lower rolling temperature, even if a higher winding temperature is used to avoid the remaining of the processed structure, in this case, the same problem occurs due to the generation of coarse grains. Therefore, the finish rolling temperature is (Ar _Three (Transformation point -20 ° C) or higher. In particular, in order to improve mechanical properties, Ar _Three It is desired that the temperature be above the transformation point.
The upper limit temperature is not particularly limited, but rolling at an excessively high temperature may cause scale flaws and the like.
[0041]
In the present invention, Ar _Three The points can be determined from data in a laboratory using a processing for master or the like and rolling data in actual rolling equipment. From these data, Ar _Three A prediction equation for the transformation point can be obtained. For example, the following equation is effective.

However, [% M] is the content of element M (% by mass).
[0042]
Cooling after hot rolling: Air cooling for at least 1 second
After completion of hot rolling, it is important to perform forced cooling with water after air cooling for at least one second in order to ensure uniformity of the material in the width direction. This is because various non-uniformities (temperature, processing strain, processing speed, etc.) are leveled during the air cooling. The air cooling time is not particularly limited other than the lower limit, and may be determined from the length of the cooling table, the cooling speed of the steel plate, and the like.
[0043]
Average cooling rate during forced cooling: 100 ° C / s or less
Cooling after hot rolling is performed by combining air cooling and forced cooling so as to reach a predetermined winding temperature.In such cooling, the cooling rate during forced cooling of the steel sheet is 100 ° C / s or less. By doing so, it is possible to avoid a change in material due to a difference in cooling rate. This adjustment is often controlled by the amount of cooling water injected on the upper and lower surfaces of the steel sheet. Further, in applications requiring high-precision material uniformity, it is more preferable that the average cooling rate be 50 ° C./s or less. Here, the average cooling rate during forced cooling is an average cooling rate during cooling when cooling is performed at a rate higher than mere air cooling by actively cooling such as water cooling or gas cooling, and is approximately 30 ° C. / s or more.
[0044]
In order to achieve the above aim with higher accuracy, it is effective to perform so-called masking of cooling water on the widthwise edge of the steel sheet. Generally, the cooling speed tends to increase at the edge in the width direction more than at the center in the width direction due to the effect of cooling water flowing down or the so-called fin effect in which heat is more effectively dissipated at the edge which is a projection. Therefore, paying attention to the fact that the cooling water that hits directly on the steel plate has a large cooling capacity locally, the cooling water is masked at the edges in the width direction so that the cooling water does not directly hit the steel plate, It is intended to balance with the cooling rate of the section.
[0045]
Then, in the hot-rolled steel sheet of the present invention, transformation from austenite is completed by about 85% or more during cooling before winding after completion of hot rolling, thereby ensuring uniformity of the material.
[0046]
Hot rolling winding temperature: 450 to 750 ° C
If the hot-rolling winding temperature is lower than 450 ° C, the uniformity of the material derived from heat retention after winding is not exhibited, and the change in process conditions up to that point is directly reflected in the change in material. On the other hand, if the winding temperature exceeds 750 ° C., the amount of transformation at the completion of winding is small, and the transformation proceeds after the completion of winding, so that the material variation due to uneven cooling rate after winding is inevitable. For this reason, the winding temperature was set in the range of 450 to 750 ° C. The range of 500 to 700 ° C. is more suitable for applications requiring even more uniform material.
[0047]
Cooling after winding: Air cooling until the average temperature of the coil becomes 200 ° C or less
In recent years, in order to reduce the number of days required for manufacturing, cooling the wound coil in a water tank or spray cooling has been performed. However, this step is one of the important steps for uniformizing the material after hot rolling and winding.
In other words, it is necessary to cool to a temperature of at least 200 ° C by air cooling (leaving without forced cooling). This is because, when water cooling is started at a temperature higher than 200 ° C., the amount of solid solution C of the product changes due to a difference in cooling rate, and this appears as variation in YS and TS in tensile properties. In applications that require even more uniform material, it is desirable to gradually cool to 100 ° C or less. It is most preferable to gradually cool to room temperature by air cooling. However, it goes without saying that the disadvantage that the time required for product production is long and a problem arises.
Therefore, it is preferable to air-cool to 200 ° C. or lower or 100 ° C. or lower and then water-cool. Here, the average temperature of the coil is the temperature of the central portion of the coil, that is, the central portion in the longitudinal direction and the central portion in the width direction of the steel sheet forming the coil.
[0048]
The so-called black scale state with the scale attached in this state can be applied as a product. Further, it is also possible to perform pickling on this. In this case, the pickling may be performed according to a conventional method.
In the present invention, as described above, transformation from austenite is completed by 85% or more before winding. Thereby, the influence of the fluctuation of the cooling rate after coil winding is almost eliminated, and the uniformity of the tensile characteristics represented by TS is achieved. When the transformation rate before winding is low, even when winding at the same winding temperature, the transformation behavior in the coil becomes complicated due to fluctuations in the transformation heat value, etc., which directly leads to fluctuations in tensile properties Therefore, higher-precision control is required. From such a viewpoint, in order to further reduce the fluctuation of the tensile properties, it is necessary to set the transformation completion rate to 90% or more.
Here, in order to increase the completion rate of the transformation, it is preferable to increase, for example, the finish rolling rate, or to reduce the elements that delay the transformation as a component.
[0049]
After winding, slow cooling in the slow cooling device:
Immediately after winding, transfer (within about 30 minutes) to a slow cooling device where it is slowly cooled and kept in a box to at least 200 ° C or less. As the cooling rate during that time, it is advantageous to gradually cool at a rate of 50 ° C./h or less in order to suppress the occurrence of variation in the material inside the coil. This is because the temperature in the coil is gradually made uniform by slow cooling in the slow cooling device, and the tensile properties are thereby made uniform. In order to achieve this effect, it is necessary to cool slowly to at least 200 ° C. The slow cooling device is not particularly limited, but may be used in a state in which the batch annealing furnace is not heated, in addition to a box shape having heat insulating properties.
[0050]
Reheating of hot rolled steel sheet:
After winding, reheat at a heating temperature between 700 ° C and 900 ° C. In terms of equipment, it is most efficient to carry out in a so-called continuous annealing furnace, but it is also possible to use box annealing. Performing heat treatment again on the steel sheet wound and cooled on the coil is effective to eliminate unevenness in the material due to various factors that occurred in the process from immediately after hot rolling to winding and cooling. is there. It is necessary to set the heating temperature to 700 ° C. or higher in order to reduce the material variation mainly due to the difference in the amount of solid solution C. However, when the heating and cooling are performed at a temperature exceeding 900 ° C., there is a problem that the variation of the heat treatment itself becomes large, which is not preferable.
[0051]
Hot-dip coated steel sheet made from hot-rolled steel sheet;
After unwinding the steel sheet coil and performing pickling, continuous annealing at a heating temperature of 700 ° C or more and 900 ° C or less is performed, and further, a hot-dip coated steel sheet is continuously manufactured by in-line processing. Hot-rolled steel sheet is subjected to hot-dip plating in a continuous hot-dip plating line after pickling, which is also effective in making the material uniform. That is, it is possible to manufacture a plated steel sheet having excellent material uniformity using a hot-rolled steel sheet as an original sheet.
[0052]
The hot-dip plating at this time is applicable to not only zinc but also an alloy such as Al based on zinc and further to Al plating. Further, an alloying treatment may be performed after hot-dip galvanizing such as galvannealing.
In addition, from the viewpoint of achieving uniformity of the material, as is conventionally known, the sheet bars are joined and continuously rolled at the entrance side of the finish rolling mill, or the sheet bar is joined at the entrance side of the finishing rolling mill. Needless to say, it is preferable to heat the longitudinal end or the lateral end of the sheet by a heater or an edge heater, or to perform lubrication rolling.
[0053]
【Example】
Example 1
Molten steel having the composition shown in Table 1 was smelted in a converter to form a slab, hot-rolled under the conditions shown in Table 2, rolled after hot rolling to form a coil. The coil was air-cooled to the average coil temperature shown in Table 2 and then water-cooled. For some of the coils (No. 3 in Table 2), the coils were gradually cooled in a slow cooling device at 30 ° C./h until the average temperature reached 200 ° C., and pickled to obtain hot-rolled steel sheets. .
Table 3 shows the results obtained by examining the structure and tensile properties of the thus obtained hot-rolled steel sheet.
The tensile properties were measured by a tensile test using a JIS No. 5 test piece whose longitudinal direction was the rolling direction. The material to be investigated was sampled from five divided positions including the tip in the longitudinal direction of the steel sheet, and the average value of these tensile strengths (TS) and the variation thereof were investigated. The variation of TS is indicated by the standard deviation of TS. Here, the tip of the coil means the tip after excluding each of the outermost winding part and the innermost winding part of the coil by about 7 m.
[0054]
[Table 1]

[0055]
[Table 2]

[0056]
[Table 3]

[0057]
As is clear from Table 3, in all of the invention examples, the area ratio of the ferrite phase is 90% or more, and the standard deviation of the tensile strength in the longitudinal direction of the coil is 15 MPa or less, that is, the variation of the tensile strength is ± 15. It satisfies the requirement of being in the range of MPa.
In addition, we also investigated the springback when press-forming steel sheets collected from each position, but the invention steel sheet has a smaller springback angle variation than the comparison steel sheet, and significantly reduces the shape defect rate of molded products. It was confirmed that it was possible.
[0058]
Example 2
C: 0.051%, Si: 0.01%, Mn: 1.25%, P: 0.009%, S: 0.002%, Al: 0.045%, N: 0.0035%, Cu: 0.01%, Ni: 0.005%, Cr: 0.003%, Mo: 0.005%, Nb: 0.003%, Ti: 0.002%, V: 0.003% and B: 0.0002%, the remainder being made of steel slabs having the composition of Fe and unavoidable impurities, as shown in Table 4. Then, hot-rolled steel sheets and hot-dip galvanized steel sheets were manufactured by changing manufacturing conditions widely.
Table 5 shows the results of examining the structure and tensile properties of the obtained hot-rolled steel sheet and hot-dip galvanized steel sheet.
[0059]
[Table 4]

[0060]
[Table 5]

[0061]
As shown in Table 5, each of the invention examples satisfies the requirement that the area ratio of the ferrite phase is 90% or more and the variation in tensile strength in the coil longitudinal direction is within ± 15 MPa.
[0062]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, a hot-rolled steel sheet and a hot-dip coated steel sheet having a structure similar to a ferrite single phase, and having uniform properties such as tensile properties, and without requiring a special heating device, can be stably formed. Obtainable.

Claims

C: 0.03 to 0.2% by mass%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: contains 0.01% or less, the balance has a composition of Fe and unavoidable impurities, and the ferrite phase has a structure with an area ratio of 90% or more, and the variation in tensile strength in the coil longitudinal direction is ± Hot rolled steel sheet with excellent material uniformity characterized by being within 15 MPa.

2. The heat-excellent material according to claim 1, wherein the steel sheet further has a composition containing, in mass%, one or two selected from Ca and REM in total of 0.0010 to 0.010%. Rolled steel sheet.

A hot-dip coated steel sheet having excellent material uniformity, characterized in that a hot-dip coated layer is provided on the surface of the hot-rolled steel sheet according to claim 1.

C: 0.03 to 0.2% by mass%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: After the steel slab having a composition containing 0.01% or less is heated to 1000 ° C. or more, hot rolling is completed under the condition of finish rolling discharge temperature: (Ar ₃ transformation point −20 ° C.) or more, and then at least After air cooling for one second, forcibly cool at a rate of 100 ° C / s or less, wind up at a temperature of 450 to 750 ° C to form a coil, and air-cool the coil until the average temperature of the coil becomes 200 ° C or less. A method for producing a hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity.

5. The method according to claim 4, wherein the wound coil is air-cooled to an average temperature of 200 ° C. or less. A method for producing a hot-rolled steel sheet having excellent material uniformity, characterized by gradually cooling at a constant speed.

C: 0.03 to 0.2% by mass%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: After the steel slab having a composition containing 0.01% or less is heated to 1000 ° C. or more, hot rolling is completed under the condition of finish rolling discharge temperature: (Ar ₃ transformation point −20 ° C.) or more, and then at least After air cooling for 1 second, forcibly cool at a rate of 100 ° C / s or less, wind up at a temperature of 450 to 750 ° C, and then reheat at a heating temperature of 700 to 900 ° C. For producing hot rolled steel sheets with excellent heat resistance.

C: 0.03 to 0.2% by mass%,
Mn: 0.6-2.0%,
Al: 0.02 to 0.15%
Containing
Si: 1.0% or less,
P: 0.04% or less,
S: 0.003% or less,
N: 0.010% or less,
Cu, Ni, Cr, Mo in total 0.2% or less,
Nb, V, Ti in total 0.01% or less,
B: After the steel slab having a composition containing 0.01% or less is heated to 1000 ° C. or more, hot rolling is completed under the condition of finish rolling discharge temperature: (Ar ₃ transformation point −20 ° C.) or more, and then at least After air cooling for 1 second, it is forcibly cooled at a rate of 100 ° C / s or less, wound up at a temperature of 450 to 750 ° C, pickled, and then continuously annealed at a heating temperature of 700 to 900 ° C. A method for producing a hot-dip coated steel sheet having excellent material uniformity, characterized by performing a hot-dip coating process.