JP2004196489A - 牽引用ワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】係止具で係止された先端部分の牽引作業に伴う破断を防止することができる牽引用ワイヤの提供。
【解決手段】牽引用ワイヤ4の先端部分5が、他の部分4aよりも大きな強度を有する強度部材、例えばチェーン8から成り、このチェーン8の端部にフック6を連結させてある。木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5、すなわちチェーン8を巻き回し、このチェーン8の端部に設けられるフック6をチェーン8に係止させる。このように木材7をチェーン8とフック6で締結させた状態で、ウインチ2を駆動、あるいは油圧ショベル1を走行させることにより、木材7の牽引が効率よく実施される。
【選択図】 図2
【解決手段】牽引用ワイヤ4の先端部分5が、他の部分4aよりも大きな強度を有する強度部材、例えばチェーン8から成り、このチェーン8の端部にフック6を連結させてある。木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5、すなわちチェーン8を巻き回し、このチェーン8の端部に設けられるフック6をチェーン8に係止させる。このように木材7をチェーン8とフック6で締結させた状態で、ウインチ2を駆動、あるいは油圧ショベル1を走行させることにより、木材7の牽引が効率よく実施される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行可能な本体に設けられるウインチに巻き回され、木材等の被牽引対象物を牽引する牽引用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウインチを備えたアーム式作業機が提案されている。この従来技術は、走行可能な本体を形成するアーム式作業機、例えば油圧ショベルに、ウインチと、このウインチに巻き回されるワイヤとを備えるとともに、ワイヤの先端に杭打ちをおこなうバイブロハンマが備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、上述したようなウインチを備えた油圧ショベルにおいて、バイブロハンマに代えて、ワイヤの先端部分に係止可能な係止具、例えばフックを設け、被牽引対象物、例えば木材を牽引する牽引作業機として活用されるものが知られている。
【0004】
図7は上述した従来の牽引作業機を示す側面図、図8は図7に示す牽引作業機を用いて実施される牽引作業に際し、牽引用ワイヤの先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0005】
図7に示す牽引作業機は、本体を形成する油圧ショベル1と、この油圧ショベル1に設けられるウインチ2と、この油圧ショベル1のフロント部に設けたシーブ3と、ウインチ2に巻き回されるとともに、シーブ3に掛けられる牽引用ワイヤ4とを備えている。牽引用ワイヤ4の端部には図8に示すように、牽引用ワイヤ4の先端部分5に係止される係止具、例えばフック6が連結されている。
【0006】
このように構成される牽引作業機では、牽引用ワイヤ4の先端部分5を被牽引対象物、すなわち木材7に巻き回し、図8に示すようにフック6を牽引用ワイヤ4の先端部分5に係止させた状態で、ウインチ2を駆動して牽引用ワイヤ4を巻き取ることにより、あるいは油圧ショベル1を走行させることにより、木材7が牽引される。例えば図7に示すように坂道を登るように吊り上げられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−17426号公報(段落番号0002、図8参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した図7,8に示す牽引作業機に備えられる牽引用ワイヤ4にあっては、図8に示すように、木材7に先端部分5を巻き回し、フック6を先端部分5に係止させて牽引がおこなわれるが、フック6が係止される先端部分5は折れ曲がり、いわゆるキンクを形成する。このために、繰り返し牽引作業がおこなわれる間、このキンクを形成する先端部分5が引っ張られることに伴ってこの先端部分5が損傷し、ついには破断に至ることがある。
【0009】
このようにして牽引用ワイヤ4が破断すると、その都度、牽引用ワイヤ4にフック6を締結し直す煩雑な作業が必要となってしまう。また、牽引用ワイヤ4の長さが破断した分だけ短くなり、これにより牽引に本来必要な長さを確保できなくなり、所望の牽引作業に支障をきたすことがある。
【0010】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、係止具で係止された先端部分の牽引作業に伴う破断を防止することができる牽引用ワイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、走行可能な本体に設けられるウインチに巻き回され、端部に係止具を備え、先端部分が被牽引対象物に巻き回され、上記係止具を上記先端部分に係止させた状態で、上記被牽引対象物を牽引する牽引用ワイヤにおいて、上記係止具が係止される先端部分が、他の部分よりも大きな強度を有する強度部材から成ることを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、被牽引対象物の牽引作業に際しては、被牽引対象物に先端部分を巻き回し、端部に設けられる係止具を先端部分に含まれる強度部材に係止させ、この状態においてウインチを駆動、あるいは本体を走行させればよい。被牽引対象物は強度部材を含む先端部分及び係止具によって締結されるので、本体の方向へ牽引される。この間、係止具が係止されるワイヤ先端部分の強度部材は、当該牽引用ワイヤの他の部分に比べて大きな強度を有するので、この強度部材における損傷を抑制でき、これにより破断を防止できる。
【0013】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材がチェーンから成ることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記発明において、一端部を上記チェーンに連結され、他端部を上記係止具に連結される補助ワイヤを設け、この補助ワイヤの強度を牽引用ワイヤの上記他の部分の強度と同等に設定したことを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、先端部分の一部をチェーンよりも重量の軽い補助ワイヤで形成してあることから、この先端部分の重量を軽減させることができる。
【0016】
また本発明は、上記発明において、上記チェーンと上記他の部分とを連結する連結具を設けたことを特徴としている。
【0017】
このように構成した本発明は、チェーンと、補助ワイヤと、係止具を含む先端部分の長さ寸法の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、被牽引対象物の大きさに合わせて最適な長さの先端部分を選択し、その先端部分を連結具を介して他の部分に連結すればよい。これにより被牽引対象物に堅固に締結させることができる。
【0018】
また本発明は、上記発明において、上記チェーンと上記補助ワイヤとを連結する連結具を設けたことを特徴としている。
【0019】
このように構成した本発明は、補助ワイヤと、係止具とを含む一体物の長さ寸法の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、被牽引対象物の大きさに合わせて最適な長さの上記一体物を選択し、その一体物を連結具を介してチェーンに連結させればよい。これにより被牽引対象物に堅固に締結させることができる。
【0020】
また本発明は、上記発明において、上記連結具がシャックルから成ることを特徴としている。
【0021】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材が、上記他の部分の径寸法よりも大きい径寸法を有するワイヤ部分から成ることを特徴としている。
【0022】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材が金具から成ることを特徴としている。
【0023】
また本発明は、上記発明において、上記係止具がフックから成ることを特徴としている。
【0024】
また本発明は、上記発明において、上記被牽引対象物が木材であることを特徴としている。
【0025】
また本発明は、上記発明において、上記本体が油圧ショベルから成ることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の牽引用ワイヤの実施形態を図に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明の牽引用ワイヤの第1実施形態の要部である先端部分を示す図、図2は図1に示す第1実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0028】
これらの図1,2に示す要部を有するこの第1実施形態も、例えば前述した図7に示す牽引作業機のウインチ2に巻き回されるものである。したがって、必要に応じてこの図7に示した符号を用いて以下の説明をおこなう。
【0029】
この第1実施形態も図1,2に示すように、牽引用ワイヤ4の端部に係止具、例えばフック6を備えているが、このフック6が係止される先端部分5が、寸法Lに設定され、他のワイヤ部分4aよりも大きな強度を有する強度部材、例えばチェーン8から成っている。このチェーン8の端部に上述したフック6を連結させてある。
【0030】
被牽引対象物、例えば木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5、すなわちチェーン8を巻き回し、このチェーン8の端部に設けられるフック6をチェーン8に係止させる。このようにして木材7をチェーン8とフック6で締結させた状態で、図7に示すウインチ2を駆動、あるいは本体を形成する油圧ショベル1を走行させればよい。これにより木材7は牽引される。
【0031】
このように構成した第1実施形態によれば、フック6が係止されるチェーン8部分は、牽引用ワイヤ4の他の部分に比べて大きな強度を有するので、牽引作業の間、チェーン8のフック6が係止される部分における損傷を抑制でき、これによりチェーン8の破断を防止できる。したがって、破断に伴うフック6の締結し直し作業を招くことがなく、優れた耐久性を確保できる。また、上述のように破断せず、優れた耐久性を確保できることから、木材7の牽引作業の中断等を生じさせることがなく、牽引作業能率の向上に貢献する。
【0032】
図3は本発明の第2実施形態の要部である先端部分を示す図、図4は図3に示す第2実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0033】
この第2実施形態は、牽引用ワイヤ4の先端部分5が、寸法Lに設定され、強度部材を構成するチェーン9と、補助ワイヤ10とから成っている。すなわち、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部に寸法が略L2のチェーン9の一端部を連結させてあり、このチェーン9の他端部に寸法L1の補助ワイヤ10の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ10の他端部にフック6を連結させてある。L1+L2=Lとなっている。補助ワイヤ10の径寸法は、先端部分5を除くワイヤ部分である他の部分4aの径寸法と、例えば同等に設定してある。すなわち、補助ワイヤ10の強度を他の部分4aの強度と同等に設定してある。
【0034】
このように構成した第2実施形態も、木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5が巻き回され、このように巻き回された状態でフック6が強度部材を構成するチェーン9に係止される。したがって、上述した第1実施形態におけるのと同様に、チェーン9部分における損傷を抑制でき、これによりチェーン9の破断を防止でき、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0035】
また特に、先端部分5の全体でなく、一部をチェーンよりも重量の軽い補助ワイヤ10で形成してあることから、この先端部分5の重量を第1実施形態に比べて軽減させることができ、取扱いの利便性を向上させることができる。
【0036】
図5は本発明のさらに別の実施形態の要部である先端部分を示す図、図6は図5に示す別の実施形態に備えられるシャックルを拡大して示した図である。
【0037】
図5の(a)(b)図で示す別の実施形態も、先端部分5が寸法Lに設定され、この先端部分5が強度部材を構成する寸法が略L2のチェーン12と、寸法がL1の補助ワイヤ13とから成っているL1+L2=Lである。
【0038】
同図5の(a)図に示すものは、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部に連結具、例えば図6に示すシャックル11を取り付けてあり、このシャックル11にチェーン12の一端部を連結させてある。このチェーン12の他端部に補助ワイヤ13の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ13の他端部にフック6を連結させてある。この(a)図に示すものも、例えば木材7に巻き回した際に、フック6がチェーン12に係止されるようになっている。
【0039】
図5の(b)図に示すものは、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部にチェーン12の一端部を連結させてあり、このチェーン12の他端部に連結具、例えば図6に示すシャックル11を連結させてある。このシャックル11に補助ワイヤ13の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ13の他端部にフック6を連結させてある。この(b)図に示すものも、例えば木材7に巻き回した際に、フック6がチェーン12に係止されるようになっている。
【0040】
また、上述した(a)(b)に示す補助ワイヤ13の径寸法は、前述した第2実施形態におけるのと同様に、先端部分5を除くワイヤ部分である他の部分4aの径寸法と、例えば同等に設定してある。したがって、補助ワイヤ13の強度は他の部分4aの強度と同等になっている。
【0041】
このように構成した別の実施形態も、先端部分5が強度部材を構成するチェーン12と、補助ワイヤ13とから成ることから、前述した第2実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる。
【0042】
また特に、同図5の(a)図に示すものは、シャックル11と、チェーン12と、補助ワイヤ13と、フック6とを含む先端部分5の寸法Lの異なるものをあらかじめ複数用意しておき、その中から牽引する木材7の径寸法に合う長さを有するものを選択して、他の部分4aに連結させるようにすることにより、木材7に堅固に締結できる。同様に同図5の(b)図に示すものは、シャックル11と、補助ワイヤ13と、フック6とを含む一体物の寸法L1の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、その中から牽引する木材7の径寸法に合う長さを有するものを選択して、チェーン12に連結させるようにすることにより、木材7に堅固に締結できる。このように、複数用意したものの中から、木材7の径寸法に適合する長さのものを選択することにより、牽引作業を安全におこなうことができ、また、牽引作業の能率向上に貢献する。
【0043】
なお、上記各実施形態では、強度部材としてチェーン8,9,12を設けた構成にしてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、チェーンを設ける代りに、強度部材として当該牽引ワイヤ4の他の部分4aの径寸法よりも径寸法が大きく強度の大きいワイヤを設けてもよい。
【0044】
また、チェーンを設ける代りに、剛性を有し、強度の大きい金具を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、連結可能な本体が油圧ショベルから成っているが、本発明は、このような油圧ショベルに備えられるウインチに巻き回される牽引用ワイヤに適用させることには限られない。例えば、走行可能なクレーンに備えられるウインチに巻き回される牽引用ワイヤに適用させてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の構成にしてあることから、本発明の各請求項に係る発明は、係止具で係止された先端部分の牽引作業に伴う破断を防止することができ、従来に比べて優れた耐久性を確保できる。また、このように優れた耐久性を確保できることから、牽引作業を従来に比べて能率よくおこなうことができる。
【0047】
また特に、請求項3に係る発明は、先端部分の重量を軽減させることができ、取扱いの利便性を向上させることができる。
【0048】
また請求項4,5に係る発明は、被牽引対象物に堅固に締結させることができ、牽引作業を安全におこなうことができるとともに、牽引作業の能率向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の牽引用ワイヤの第1実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図2】図1に示す第1実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図4】図3に示す第2実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【図5】本発明のさらに別の実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図6】図5に示す別の実施形態に備えられるシャックルを拡大して示した図である。
【図7】従来の牽引用作業機を示す側面図である。
【図8】図7に示す牽引用作業機を用いて実施される牽引作業に際し、牽引用ワイヤの先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(本体)
2 ウインチ
3 シーブ
4 牽引用ワイヤ
4a 他の部分
5 先端部分
6 フック(係止具)
7 木材(被牽引対象物)
8 チェーン(強度部材)
9 チェーン(強度部材)
10 補助ワイヤ
11 シャックル(連結具)
12 チェーン(強度部材)
13 補助ワイヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行可能な本体に設けられるウインチに巻き回され、木材等の被牽引対象物を牽引する牽引用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウインチを備えたアーム式作業機が提案されている。この従来技術は、走行可能な本体を形成するアーム式作業機、例えば油圧ショベルに、ウインチと、このウインチに巻き回されるワイヤとを備えるとともに、ワイヤの先端に杭打ちをおこなうバイブロハンマが備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、上述したようなウインチを備えた油圧ショベルにおいて、バイブロハンマに代えて、ワイヤの先端部分に係止可能な係止具、例えばフックを設け、被牽引対象物、例えば木材を牽引する牽引作業機として活用されるものが知られている。
【0004】
図7は上述した従来の牽引作業機を示す側面図、図8は図7に示す牽引作業機を用いて実施される牽引作業に際し、牽引用ワイヤの先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0005】
図7に示す牽引作業機は、本体を形成する油圧ショベル1と、この油圧ショベル1に設けられるウインチ2と、この油圧ショベル1のフロント部に設けたシーブ3と、ウインチ2に巻き回されるとともに、シーブ3に掛けられる牽引用ワイヤ4とを備えている。牽引用ワイヤ4の端部には図8に示すように、牽引用ワイヤ4の先端部分5に係止される係止具、例えばフック6が連結されている。
【0006】
このように構成される牽引作業機では、牽引用ワイヤ4の先端部分5を被牽引対象物、すなわち木材7に巻き回し、図8に示すようにフック6を牽引用ワイヤ4の先端部分5に係止させた状態で、ウインチ2を駆動して牽引用ワイヤ4を巻き取ることにより、あるいは油圧ショベル1を走行させることにより、木材7が牽引される。例えば図7に示すように坂道を登るように吊り上げられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−17426号公報(段落番号0002、図8参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した図7,8に示す牽引作業機に備えられる牽引用ワイヤ4にあっては、図8に示すように、木材7に先端部分5を巻き回し、フック6を先端部分5に係止させて牽引がおこなわれるが、フック6が係止される先端部分5は折れ曲がり、いわゆるキンクを形成する。このために、繰り返し牽引作業がおこなわれる間、このキンクを形成する先端部分5が引っ張られることに伴ってこの先端部分5が損傷し、ついには破断に至ることがある。
【0009】
このようにして牽引用ワイヤ4が破断すると、その都度、牽引用ワイヤ4にフック6を締結し直す煩雑な作業が必要となってしまう。また、牽引用ワイヤ4の長さが破断した分だけ短くなり、これにより牽引に本来必要な長さを確保できなくなり、所望の牽引作業に支障をきたすことがある。
【0010】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、係止具で係止された先端部分の牽引作業に伴う破断を防止することができる牽引用ワイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、走行可能な本体に設けられるウインチに巻き回され、端部に係止具を備え、先端部分が被牽引対象物に巻き回され、上記係止具を上記先端部分に係止させた状態で、上記被牽引対象物を牽引する牽引用ワイヤにおいて、上記係止具が係止される先端部分が、他の部分よりも大きな強度を有する強度部材から成ることを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、被牽引対象物の牽引作業に際しては、被牽引対象物に先端部分を巻き回し、端部に設けられる係止具を先端部分に含まれる強度部材に係止させ、この状態においてウインチを駆動、あるいは本体を走行させればよい。被牽引対象物は強度部材を含む先端部分及び係止具によって締結されるので、本体の方向へ牽引される。この間、係止具が係止されるワイヤ先端部分の強度部材は、当該牽引用ワイヤの他の部分に比べて大きな強度を有するので、この強度部材における損傷を抑制でき、これにより破断を防止できる。
【0013】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材がチェーンから成ることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記発明において、一端部を上記チェーンに連結され、他端部を上記係止具に連結される補助ワイヤを設け、この補助ワイヤの強度を牽引用ワイヤの上記他の部分の強度と同等に設定したことを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、先端部分の一部をチェーンよりも重量の軽い補助ワイヤで形成してあることから、この先端部分の重量を軽減させることができる。
【0016】
また本発明は、上記発明において、上記チェーンと上記他の部分とを連結する連結具を設けたことを特徴としている。
【0017】
このように構成した本発明は、チェーンと、補助ワイヤと、係止具を含む先端部分の長さ寸法の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、被牽引対象物の大きさに合わせて最適な長さの先端部分を選択し、その先端部分を連結具を介して他の部分に連結すればよい。これにより被牽引対象物に堅固に締結させることができる。
【0018】
また本発明は、上記発明において、上記チェーンと上記補助ワイヤとを連結する連結具を設けたことを特徴としている。
【0019】
このように構成した本発明は、補助ワイヤと、係止具とを含む一体物の長さ寸法の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、被牽引対象物の大きさに合わせて最適な長さの上記一体物を選択し、その一体物を連結具を介してチェーンに連結させればよい。これにより被牽引対象物に堅固に締結させることができる。
【0020】
また本発明は、上記発明において、上記連結具がシャックルから成ることを特徴としている。
【0021】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材が、上記他の部分の径寸法よりも大きい径寸法を有するワイヤ部分から成ることを特徴としている。
【0022】
また本発明は、上記発明において、上記強度部材が金具から成ることを特徴としている。
【0023】
また本発明は、上記発明において、上記係止具がフックから成ることを特徴としている。
【0024】
また本発明は、上記発明において、上記被牽引対象物が木材であることを特徴としている。
【0025】
また本発明は、上記発明において、上記本体が油圧ショベルから成ることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の牽引用ワイヤの実施形態を図に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明の牽引用ワイヤの第1実施形態の要部である先端部分を示す図、図2は図1に示す第1実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0028】
これらの図1,2に示す要部を有するこの第1実施形態も、例えば前述した図7に示す牽引作業機のウインチ2に巻き回されるものである。したがって、必要に応じてこの図7に示した符号を用いて以下の説明をおこなう。
【0029】
この第1実施形態も図1,2に示すように、牽引用ワイヤ4の端部に係止具、例えばフック6を備えているが、このフック6が係止される先端部分5が、寸法Lに設定され、他のワイヤ部分4aよりも大きな強度を有する強度部材、例えばチェーン8から成っている。このチェーン8の端部に上述したフック6を連結させてある。
【0030】
被牽引対象物、例えば木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5、すなわちチェーン8を巻き回し、このチェーン8の端部に設けられるフック6をチェーン8に係止させる。このようにして木材7をチェーン8とフック6で締結させた状態で、図7に示すウインチ2を駆動、あるいは本体を形成する油圧ショベル1を走行させればよい。これにより木材7は牽引される。
【0031】
このように構成した第1実施形態によれば、フック6が係止されるチェーン8部分は、牽引用ワイヤ4の他の部分に比べて大きな強度を有するので、牽引作業の間、チェーン8のフック6が係止される部分における損傷を抑制でき、これによりチェーン8の破断を防止できる。したがって、破断に伴うフック6の締結し直し作業を招くことがなく、優れた耐久性を確保できる。また、上述のように破断せず、優れた耐久性を確保できることから、木材7の牽引作業の中断等を生じさせることがなく、牽引作業能率の向上に貢献する。
【0032】
図3は本発明の第2実施形態の要部である先端部分を示す図、図4は図3に示す第2実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【0033】
この第2実施形態は、牽引用ワイヤ4の先端部分5が、寸法Lに設定され、強度部材を構成するチェーン9と、補助ワイヤ10とから成っている。すなわち、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部に寸法が略L2のチェーン9の一端部を連結させてあり、このチェーン9の他端部に寸法L1の補助ワイヤ10の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ10の他端部にフック6を連結させてある。L1+L2=Lとなっている。補助ワイヤ10の径寸法は、先端部分5を除くワイヤ部分である他の部分4aの径寸法と、例えば同等に設定してある。すなわち、補助ワイヤ10の強度を他の部分4aの強度と同等に設定してある。
【0034】
このように構成した第2実施形態も、木材7の牽引作業に際しては、木材7に先端部分5が巻き回され、このように巻き回された状態でフック6が強度部材を構成するチェーン9に係止される。したがって、上述した第1実施形態におけるのと同様に、チェーン9部分における損傷を抑制でき、これによりチェーン9の破断を防止でき、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0035】
また特に、先端部分5の全体でなく、一部をチェーンよりも重量の軽い補助ワイヤ10で形成してあることから、この先端部分5の重量を第1実施形態に比べて軽減させることができ、取扱いの利便性を向上させることができる。
【0036】
図5は本発明のさらに別の実施形態の要部である先端部分を示す図、図6は図5に示す別の実施形態に備えられるシャックルを拡大して示した図である。
【0037】
図5の(a)(b)図で示す別の実施形態も、先端部分5が寸法Lに設定され、この先端部分5が強度部材を構成する寸法が略L2のチェーン12と、寸法がL1の補助ワイヤ13とから成っているL1+L2=Lである。
【0038】
同図5の(a)図に示すものは、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部に連結具、例えば図6に示すシャックル11を取り付けてあり、このシャックル11にチェーン12の一端部を連結させてある。このチェーン12の他端部に補助ワイヤ13の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ13の他端部にフック6を連結させてある。この(a)図に示すものも、例えば木材7に巻き回した際に、フック6がチェーン12に係止されるようになっている。
【0039】
図5の(b)図に示すものは、牽引用ワイヤ4の他の部分4aの端部にチェーン12の一端部を連結させてあり、このチェーン12の他端部に連結具、例えば図6に示すシャックル11を連結させてある。このシャックル11に補助ワイヤ13の一端部を連結させてあり、この補助ワイヤ13の他端部にフック6を連結させてある。この(b)図に示すものも、例えば木材7に巻き回した際に、フック6がチェーン12に係止されるようになっている。
【0040】
また、上述した(a)(b)に示す補助ワイヤ13の径寸法は、前述した第2実施形態におけるのと同様に、先端部分5を除くワイヤ部分である他の部分4aの径寸法と、例えば同等に設定してある。したがって、補助ワイヤ13の強度は他の部分4aの強度と同等になっている。
【0041】
このように構成した別の実施形態も、先端部分5が強度部材を構成するチェーン12と、補助ワイヤ13とから成ることから、前述した第2実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる。
【0042】
また特に、同図5の(a)図に示すものは、シャックル11と、チェーン12と、補助ワイヤ13と、フック6とを含む先端部分5の寸法Lの異なるものをあらかじめ複数用意しておき、その中から牽引する木材7の径寸法に合う長さを有するものを選択して、他の部分4aに連結させるようにすることにより、木材7に堅固に締結できる。同様に同図5の(b)図に示すものは、シャックル11と、補助ワイヤ13と、フック6とを含む一体物の寸法L1の異なるものをあらかじめ複数用意しておき、その中から牽引する木材7の径寸法に合う長さを有するものを選択して、チェーン12に連結させるようにすることにより、木材7に堅固に締結できる。このように、複数用意したものの中から、木材7の径寸法に適合する長さのものを選択することにより、牽引作業を安全におこなうことができ、また、牽引作業の能率向上に貢献する。
【0043】
なお、上記各実施形態では、強度部材としてチェーン8,9,12を設けた構成にしてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、チェーンを設ける代りに、強度部材として当該牽引ワイヤ4の他の部分4aの径寸法よりも径寸法が大きく強度の大きいワイヤを設けてもよい。
【0044】
また、チェーンを設ける代りに、剛性を有し、強度の大きい金具を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、連結可能な本体が油圧ショベルから成っているが、本発明は、このような油圧ショベルに備えられるウインチに巻き回される牽引用ワイヤに適用させることには限られない。例えば、走行可能なクレーンに備えられるウインチに巻き回される牽引用ワイヤに適用させてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の構成にしてあることから、本発明の各請求項に係る発明は、係止具で係止された先端部分の牽引作業に伴う破断を防止することができ、従来に比べて優れた耐久性を確保できる。また、このように優れた耐久性を確保できることから、牽引作業を従来に比べて能率よくおこなうことができる。
【0047】
また特に、請求項3に係る発明は、先端部分の重量を軽減させることができ、取扱いの利便性を向上させることができる。
【0048】
また請求項4,5に係る発明は、被牽引対象物に堅固に締結させることができ、牽引作業を安全におこなうことができるとともに、牽引作業の能率向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の牽引用ワイヤの第1実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図2】図1に示す第1実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図4】図3に示す第2実施形態の先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【図5】本発明のさらに別の実施形態の要部である先端部分を示す図である。
【図6】図5に示す別の実施形態に備えられるシャックルを拡大して示した図である。
【図7】従来の牽引用作業機を示す側面図である。
【図8】図7に示す牽引用作業機を用いて実施される牽引作業に際し、牽引用ワイヤの先端部分を木材に巻き回した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(本体)
2 ウインチ
3 シーブ
4 牽引用ワイヤ
4a 他の部分
5 先端部分
6 フック(係止具)
7 木材(被牽引対象物)
8 チェーン(強度部材)
9 チェーン(強度部材)
10 補助ワイヤ
11 シャックル(連結具)
12 チェーン(強度部材)
13 補助ワイヤ
Claims (11)
- 走行可能な本体に設けられるウインチに巻き回され、端部に係止具を備え、先端部分が被牽引対象物に巻き回され、上記係止具を上記先端部分に係止させた状態で、上記被牽引対象物を牽引する牽引用ワイヤにおいて、
上記係止具が係止される先端部分が、他の部分よりも大きな強度を有する強度部材から成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記強度部材がチェーンから成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項2記載の発明において、
一端部を上記チェーンに連結され、他端部を上記係止具に連結される補助ワイヤを設け、この補助ワイヤの強度を上記他の部分の強度と同等に設定したことを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項3記載の発明において、
上記チェーンと上記他の部分とを連結する連結具を設けたことを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項3記載の発明において、
上記チェーンと上記補助ワイヤとを連結する連結具を設けたことを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項4または5記載の発明において、
上記連結具がシャックルから成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記強度部材が、上記他の部分の径寸法よりも大きい径寸法を有するワイヤ部分から成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記強度部材が金具から成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記係止具がフックから成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記被牽引対象物が木材であることを特徴とする牽引用ワイヤ。 - 上記請求項1記載の発明において、
上記本体が油圧ショベルから成ることを特徴とする牽引用ワイヤ。
Priority Applications (1)
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JP2002367123A JP2004196489A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | 牽引用ワイヤ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101444327B1 (ko) | 2013-08-29 | 2014-09-26 | 삼성중공업 주식회사 | 케이블 그리퍼 |
KR101821337B1 (ko) * | 2016-04-28 | 2018-01-25 | (주)엠에스코리아 | 복합 배관재 조립방법 |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002367123A patent/JP2004196489A/ja active Pending
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