JP2004195821A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る記録装置を提供すること。
【解決手段】記録シートPに画像を記録する記録ヘッド100を搭載し主走査方向に往復するキャリッジ101と、前記キャリッジ101をガイドするガイド軸103及びガイドレール104と、前記キャリッジ101を駆動するCRモータ102及びアイドルプーリ106と、前記CRモータ及びアイドルプーリ106から前記キャリッジ101に駆動を伝達するタイミングベルト105と、前記CRモータ102及びアイドルプーリ106、および前記ガイド軸及びガイドレール104を支持する第一フレーム110と、前記第一フレーム110を支持する第二フレーム112と、を有し、前記第一フレーム110と前記第二フレーム112の間に粘弾性体113を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】記録シートPに画像を記録する記録ヘッド100を搭載し主走査方向に往復するキャリッジ101と、前記キャリッジ101をガイドするガイド軸103及びガイドレール104と、前記キャリッジ101を駆動するCRモータ102及びアイドルプーリ106と、前記CRモータ及びアイドルプーリ106から前記キャリッジ101に駆動を伝達するタイミングベルト105と、前記CRモータ102及びアイドルプーリ106、および前記ガイド軸及びガイドレール104を支持する第一フレーム110と、前記第一フレーム110を支持する第二フレーム112と、を有し、前記第一フレーム110と前記第二フレーム112の間に粘弾性体113を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録シート上に記録を行う記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録シートの搬送方向(副走査方向)と交差する方向に記録ヘッドを往復移動(その移動方向を主走査方向という)することにより、記録シートに画像を記録するシリアルタイプの記録装置においては、キャリッジに搭載した記録ヘッドによって画像を記録し、その1走査分(1行分)の記録を終了する度ごとに所定量だけ記録シートを搬送し、その後に搬送を停止した記録シートに対して、次の走査分の画像を記録するという動作を繰り返すことにより、記録シート全体に対して記録が行われる。
【0003】
一般にキャリッジは、板金を折り曲げて形成した左右の本体フレームに支持されたガイド部材に沿って移動され、その駆動源としてモータが用いられる。モータも同様に本体フレームに固定され、モータの回転運動はベルトあるいはワイヤ等の伝達手段を介して、記録ヘッドを搭載したキャリッジを定常速度で往復運動をさせ、記録ヘッドからインクを吐出させることで画像を形成している。一般的にキャリッジは、等加速度あるいは、徐々に加速度を減少して所定の定常速度で移動するよう制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、停止しているキャリッジが移動し始めると進行方向に対する周期的な振動が発生し、その振動を伴って定常速度まで加速していくので、振動は徐々に減衰するが、駆動モータが定常速度になってもキャリッジの振動は完全には減衰しきれない。
【0005】
したがって、記録走査の度に同様のキャリッジ駆動を繰り返し行って記録するため、走査の度にほぼ同様な振動が生じてしまうことになる。その結果、記録位置のズレは走査毎に同程度の位置ズレとなるため、記録された画像にムラを生じさせることになる。特に記録画像に周期性のある場合には、画像のムラは顕著になり目視でも識別できるような周期的なうねり状の濃度ムラとなって現れるため、画像の品位を低下させる大きな要因となっている。
【0006】
この周期的に生じる画像ムラや色ズレの要因は、例えば、キャリッジのガイド部材が記録シートに対して相対的に変動する場合がある。
【0007】
この要因にする対策として、従来は、(a)特開平9−234927号公報のように本体フレームおよびガイド部材の剛性をアップし、振動エネルギーに対する各部材の絶対的変化量を小さくする、または、(b)キャリッジの加速度を下げて、振動源のエネルギーを減少させる、等が考えだされている。しかし、これらは、総重量のアップ、装置の大型化、記録速度の低下を招いてしまう問題がある。
【0008】
またこれらとは別に、(c)特開平7−273478号公報のようにシャーシを防振部材を介して筐体にビス固定することで、振動を減衰させることが考えだされている。しかし、防振部材のビスを介在した支持は、ビスからの振動エネルギーの伝達があるため、必ずしも最適な構成であるとはいえない。
【0009】
そこで、本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る記録装置を提供することである。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−234927号公報
【特許文献2】
特開平7−273478号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、ガイド手段を支持するフレームの変動が減少し、高精細な画像を記録可能な記録装置を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る記録装置について詳しく説明する。図1は、本発明の実施形態に係る記録装置を示す斜視図である。
【0015】
本実施形態の記録装置は、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド100をキャリッジ101に搭載しこれを往復走査することによって記録シートへ記録を行う、インクジェット記録装置である。
【0016】
この記録手段としての記録ヘッド100は、インクジェット記録方式の中でも、特に、熱エネルギーを用いて液滴を吐出エレメントから吐出させることにより高精細の文字、画像の形成を達成しているものである。記録ヘッド100はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の4色の吐出エレメントを有し、各々の吐出エレメントが記録シートPの搬送方向(副走査方向)と直交する方向に沿って配列された状態、即ち走査手段としてのキャリッジ101の移動方向(主走査方向)に沿った状態でキャリッジ101に搭載されている。
【0017】
図1において、記録ヘッド1は図示下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ101に搭載されている。キャリッジ101は記録シートPの搬送方向(副走査方向)に対して直角方向(主走査方向)に往復運動させるため、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104にて支持されている。そして、キャリッジ101は、駆動手段としてのCRモータ102の駆動力が駆動伝達手段としてのタイミングベルト105を介して伝達される。
【0018】
なお、CRモータ102にはDCモータが用いられ、タイミングベルト105はアイドルプーリ106によって支持されている。キャリッジ101の往復運動は前記駆動伝達手段によりガイド軸103およびガイドレール104に沿って行われる。
【0019】
記録シートPに画像を形成するときはLFモータ109が駆動されて搬送ローラ115が回転し、記録シートPがキャリッジ101の移動方向に対して直交する方向(副走査方向)に所定量だけ搬送されるとともに、CRモータ102によりキャリッジ101を主走査方向に移動させる。
【0020】
また、キャリッジ101はエンコーダスケール107およびエンコーダセンサ(不図示)を備えており、エンコーダスケール107の位置情報をエンコーダセンサにより読み取ることでキャリッジ101の位置が検出されて、画像形成位置に到達すると、ヘッドドライバからの信号により記録ヘッド100の吐出エレメントよりインク液滴を吐出することによって記録シートP上に1走査分の画像を形成していく。
【0021】
記録ヘッド100による1走査分の記録が終了すると、記録ヘッド100は記録動作を中断し、再びLFモータ109が駆動されて、記録シートPが副走査方向へ所定量だけ搬送される。次いで、キャリッジ101をガイド軸103に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。これらの動作を繰り返すことにより、記録シートPの全体に画像が記録される。
【0022】
記録装置のフレーム110には、キャリッジ101をガイドするガイド軸103がばね111によって支持され、またガイドレール104がビス固定されており、CRモータ102およびアイドルプーリ106もビス固定されている。
【0023】
上記各部材は、装置本体のフレームである本体フレームに支持されている。本実施形態では、前記本体フレームは、前述のCRモータ102やガイド軸103及びガイドレール104などを支持する第一フレームとしてのフレーム110と、第一フレーム110を支持する第二フレーム112とにより構成されている。
【0024】
更に、前記フレーム110は第二フレーム112に支持されているが、フレーム110と第二フレーム112の間には、図2に示すように、粘弾性体113が介在した構成となっている(実施態様1対応)。
【0025】
図2はフレーム110と第二フレーム112へのフレーム110の支持構成を示した簡略図である。フレーム110と第二フレーム112の間には粘弾性体113が介在しており、粘弾性体113とフレーム110および第二フレーム間は接着部材である接着層114よって固定された構成となっている(実施態様4対応)。
【0026】
次に前記の如く構成した記録装置を使用して記録を行った場合の、振動減衰作用について説明する。記録を開始する場合、キャリッジ101を図1の右端にあるホームポジションから矢印A方向に移動させて記録を行うが、停止しているキャリッジ101が移動し始める瞬間、キャリッジ101の慣性力およびキャリッジ101とガイド手段(ガイド軸103およびガイドレール104)との摩擦力が働き、CRモータ102を回転させてもキャリッジ101が動かない状態が発生する。
【0027】
そしてCRモータ102およびアイドルプーリ106がフレーム110にビス固定されているため、CRモータ102の回転と共にフレーム110が矢印A方向とは逆方向へと変形する。
【0028】
そして更にCRモータ102が回転するとキャリッジ101は記録領域へと動きだすが、キャリッジ101は定常域まで加速していくため、速度変動に伴うキャリッジの慣性力の作用により、タイミングベルト105を介してフレーム100は矢印A方向および逆方向の周期的な変形が生じる。フレーム110の周期的な変形は、キャリッジ101の加速度を定速域に達するまでに徐々に下げていくことで減衰していくが、減衰しきれずに定速域の記録領域まで達すると記録画像のムラとして発生する場合がある。この記録画像のムラの発生は、まずフレーム110にキャリッジ101のガイド手段であるガイド軸103およびガイドレール104が支持されているために、フレーム110の変形に伴ってガイド手段も変動する。そして、そのガイド手段にガイドされているキャリッジ101が結果として周期的に記録シートに対して相対的に変動する。このためにキャリッジ101に搭載された記録ヘッド100から記録シートに吐出されるインクの着弾位置が周期的にずれる。このインク着弾位置の周期的なズレによって画像の乱れが発生することのである。
【0029】
ここで、フレーム110の変形は、上述したエネルギー伝達とは別にガイド手段からの伝達でも生じる。すなわち、キャリッジ101をガイドするガイド軸103およびガイドレール104は、キャリッジ101が動き出す瞬間に静摩擦力により矢印A方向に動く力が働く。このガイド軸103とガイドレール104はフレーム110に支持されているため、そのエネルギーはフレーム110に伝達され変形を生じることとなる。
【0030】
本構成においては、キャリッジ101の主走査方向(矢印Aおよびその逆方向)と平行な位置にあり、かつフレーム110を支持する第二フレーム112との間に粘弾性体113を設け(実施態様1及び7対応)、フレーム110と第二フレーム112間をビス等の固定手段を使わずに接着層114を用いて固定したので、フレーム110の変形エネルギーが最も粘弾性体に作用する位置、方向および支持方法により、粘弾性体113が効果的に変形エネルギーを吸収でき、これによって周期的なフレーム110の変形を小さくかつ早く減衰することが可能となり、記録画像のムラや色ズレを抑えることができる。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすことはない。
【0031】
なお、本実施形態においては、走査手段であるキャリッジ101を駆動する駆動手段であるCRモータ102およびアイドルプーリ106と、キャリッジ101のガイド手段であるガイド軸103とガイドレール104は同一フレーム104に支持された構成となっているが、複数のフレームによって支持されている場合もあり、その構成においては、駆動手段およびガイド手段を支持する複数の第一フレーム群と、第一フレーム群を支持する複数の第二フレーム群との間に粘弾性体を配置すればよい(実施態様1対応)。
【0032】
また、粘弾性体113は、制振シート、防振ゴムや一般のゴム類、或いは粘弾性を有する高分子材料等の粘弾性および防振材料として分類できるものであれば使用可能である。
【0033】
更に、フレームと粘弾性体とを固定する接着層114には、両面テープに代表される粘着剤を有するテープ類の他、粘弾性体とフレームを固定できる接着部材であれば使用可能である。または、接着層を設けずに粘弾性体とフレームを直接溶着させてもよい(実施態様5対応)。あるいはフレーム間接続をインサート成形によって形成した粘弾性体で保持した構成にしてもよい(実施態様6対応)。
【0034】
〔第2実施形態〕
図3を用いて本発明の第2実施形態を説明する。図3は、図1に示す記録装置における、CRモータ102およびアイドルプーリ106のフレーム110への支持形態を示したものである。
【0035】
前述した実施形態では、フレーム110と第二フレーム112の間に粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本実施形態では、駆動手段としてのCRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間であって、キャリッジ101の走査方向と平行した位置に、それぞれ粘弾性体113が接着層(不図示)を介して設けられている(実施態様2対応)。
【0036】
本構成においては、CRモータ102およびアイドルプーリ106から伝達されるフレーム110の変形エネルギーを粘弾性体113によって遮断することが可能である。これによって、前述した実施形態と同様に、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすこともない。
【0037】
〔第3実施形態〕
図4を用いて本発明の第3実施形態を説明する。図4は、図1に示す記録装置における、ガイド軸103およびガイドレール104のフレーム110への支持形態を示したものである。
【0038】
前述した実施形態では、フレーム110と第二フレーム112の間、或いは、CRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間に、粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本実施形態では、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104とフレーム110の間であって、キャリッジ101の走査方向と平行した位置に、それぞれ粘弾性体113が接着層114を介して設けられている(実施態様2対応)。
【0039】
本構成においては、ガイド軸103およびガイドレール104から伝達されるフレーム110の変形エネルギーを粘弾性体113によって遮断することが可能である。これによって、前述した実施形態と同様に、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすこともない。
【0040】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、第一フレーム110と第二フレーム112の間、或いは、駆動手段としてのCRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間に、或いは、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104とフレーム110の間に、粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた構成としても良い(実施態様2及び3対応)。
【0041】
また前述した実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の4色の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の場合を例示して説明したが、記録ヘッドの種類や数はこれに限定されるものではなく、例えば1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置、異なる色のインクで記録する複数個の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、或いは同一色彩で濃度の異なるインクで記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置など、記録ヘッドの種類や数に関係なく適用ができ、前述した作用効果を達成し得る。
【0042】
更に記録手段(記録ヘッド)としては、記録ヘッドとインクタンクを一体化したカートリッジタイプのもの、或いは記録ヘッドとインクタンクを別体としこれらをインク供給チューブで接続する構成のものなど、記録手段及びインクタンクの構成がどのようなものであっても、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得る。
【0043】
尚、本発明をインクジェット記録装置に適用する場合には、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0044】
更に、シート搬送方向と直交する方向に走査しつつ記録を行うシリアルタイプの記録ヘッドでも、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0045】
また、前述したインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末装置として用いられるものの他、キャリッジに記録ヘッド以外のスキャナ等を装着することが可能なインクジェット入出力装置、リーダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態をとるもの等であっても良い。
【0046】
また前述した実施形態では、記録方式としてインクジェット記録方式を例示したが、これに限定する必要はなく、他にも熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードット記録方式等のインパクト記録方式、或いはそれ以外の電子写真方式等の記録方式であっても適用し得る。
【0047】
なお、本発明の様々な実施形態を示し説明したが、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるものではない。以下、本発明の実施態様の例を列挙する。
【0048】
〔実施態様1〕
記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする記録装置。
【0049】
〔実施態様2〕
記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上のフレーム群と、を有し、前記駆動手段、前記ガイド手段の何れか一方又は両方と前記フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする記録装置。
【0050】
〔実施態様3〕
前記フレーム群は、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、更に、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする実施態様2に記載の記録装置。
【0051】
〔実施態様4〕
前記各部材間に介在する粘弾性体と各部材とを接着部材によって固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0052】
〔実施態様5〕
前記各部材間に介在する粘弾性体と各部材とを溶着によって固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0053】
〔実施態様6〕
インサート成形によって形成された粘弾性体によって該粘弾性体が介在する各部材を固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0054】
〔実施態様7〕
粘弾性体を走査手段の主走査方向と略平行位置に配置したことを特徴とする実施態様1から6の何れか1項に記載の記録装置。
【0055】
〔実施態様8〕
前記記録装置は、記録手段が信号に応じてインクを吐出して記録することを特徴とする実施態様1から7の何れか1項に記載の記録装置。
【0056】
〔実施態様9〕
前記記録装置は、記録手段が信号に応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する熱エネルギーによってインクを吐出することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッド搭載されたキャリッジを移動させる際にフレームの変形エネルギーを粘弾性体によって効率的に吸収可能となり、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また本発明は、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】フレーム間に設けられた粘弾性体の支持構成を示す簡略図である。
【図3】本発明の記録装置の第2の実施形態を示す簡略図である。
【図4】本発明の記録装置の第3の実施形態を示す簡略図である。
【符号の説明】
P …記録シート
100 …記録ヘッド
101 …キャリッジ
102 …CRモータ
103 …ガイド軸
104 …ガイドレール
105 …タイミングベルト
106 …アイドルプーリ
107 …エンコーダスケール
109 …LFモータ
110 …フレーム
111 …ばね
112 …第二フレーム
113 …粘弾性体
114 …接着層
115 …搬送ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録シート上に記録を行う記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録シートの搬送方向(副走査方向)と交差する方向に記録ヘッドを往復移動(その移動方向を主走査方向という)することにより、記録シートに画像を記録するシリアルタイプの記録装置においては、キャリッジに搭載した記録ヘッドによって画像を記録し、その1走査分(1行分)の記録を終了する度ごとに所定量だけ記録シートを搬送し、その後に搬送を停止した記録シートに対して、次の走査分の画像を記録するという動作を繰り返すことにより、記録シート全体に対して記録が行われる。
【0003】
一般にキャリッジは、板金を折り曲げて形成した左右の本体フレームに支持されたガイド部材に沿って移動され、その駆動源としてモータが用いられる。モータも同様に本体フレームに固定され、モータの回転運動はベルトあるいはワイヤ等の伝達手段を介して、記録ヘッドを搭載したキャリッジを定常速度で往復運動をさせ、記録ヘッドからインクを吐出させることで画像を形成している。一般的にキャリッジは、等加速度あるいは、徐々に加速度を減少して所定の定常速度で移動するよう制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、停止しているキャリッジが移動し始めると進行方向に対する周期的な振動が発生し、その振動を伴って定常速度まで加速していくので、振動は徐々に減衰するが、駆動モータが定常速度になってもキャリッジの振動は完全には減衰しきれない。
【0005】
したがって、記録走査の度に同様のキャリッジ駆動を繰り返し行って記録するため、走査の度にほぼ同様な振動が生じてしまうことになる。その結果、記録位置のズレは走査毎に同程度の位置ズレとなるため、記録された画像にムラを生じさせることになる。特に記録画像に周期性のある場合には、画像のムラは顕著になり目視でも識別できるような周期的なうねり状の濃度ムラとなって現れるため、画像の品位を低下させる大きな要因となっている。
【0006】
この周期的に生じる画像ムラや色ズレの要因は、例えば、キャリッジのガイド部材が記録シートに対して相対的に変動する場合がある。
【0007】
この要因にする対策として、従来は、(a)特開平9−234927号公報のように本体フレームおよびガイド部材の剛性をアップし、振動エネルギーに対する各部材の絶対的変化量を小さくする、または、(b)キャリッジの加速度を下げて、振動源のエネルギーを減少させる、等が考えだされている。しかし、これらは、総重量のアップ、装置の大型化、記録速度の低下を招いてしまう問題がある。
【0008】
またこれらとは別に、(c)特開平7−273478号公報のようにシャーシを防振部材を介して筐体にビス固定することで、振動を減衰させることが考えだされている。しかし、防振部材のビスを介在した支持は、ビスからの振動エネルギーの伝達があるため、必ずしも最適な構成であるとはいえない。
【0009】
そこで、本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る記録装置を提供することである。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−234927号公報
【特許文献2】
特開平7−273478号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、ガイド手段を支持するフレームの変動が減少し、高精細な画像を記録可能な記録装置を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る記録装置について詳しく説明する。図1は、本発明の実施形態に係る記録装置を示す斜視図である。
【0015】
本実施形態の記録装置は、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド100をキャリッジ101に搭載しこれを往復走査することによって記録シートへ記録を行う、インクジェット記録装置である。
【0016】
この記録手段としての記録ヘッド100は、インクジェット記録方式の中でも、特に、熱エネルギーを用いて液滴を吐出エレメントから吐出させることにより高精細の文字、画像の形成を達成しているものである。記録ヘッド100はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の4色の吐出エレメントを有し、各々の吐出エレメントが記録シートPの搬送方向(副走査方向)と直交する方向に沿って配列された状態、即ち走査手段としてのキャリッジ101の移動方向(主走査方向)に沿った状態でキャリッジ101に搭載されている。
【0017】
図1において、記録ヘッド1は図示下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ101に搭載されている。キャリッジ101は記録シートPの搬送方向(副走査方向)に対して直角方向(主走査方向)に往復運動させるため、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104にて支持されている。そして、キャリッジ101は、駆動手段としてのCRモータ102の駆動力が駆動伝達手段としてのタイミングベルト105を介して伝達される。
【0018】
なお、CRモータ102にはDCモータが用いられ、タイミングベルト105はアイドルプーリ106によって支持されている。キャリッジ101の往復運動は前記駆動伝達手段によりガイド軸103およびガイドレール104に沿って行われる。
【0019】
記録シートPに画像を形成するときはLFモータ109が駆動されて搬送ローラ115が回転し、記録シートPがキャリッジ101の移動方向に対して直交する方向(副走査方向)に所定量だけ搬送されるとともに、CRモータ102によりキャリッジ101を主走査方向に移動させる。
【0020】
また、キャリッジ101はエンコーダスケール107およびエンコーダセンサ(不図示)を備えており、エンコーダスケール107の位置情報をエンコーダセンサにより読み取ることでキャリッジ101の位置が検出されて、画像形成位置に到達すると、ヘッドドライバからの信号により記録ヘッド100の吐出エレメントよりインク液滴を吐出することによって記録シートP上に1走査分の画像を形成していく。
【0021】
記録ヘッド100による1走査分の記録が終了すると、記録ヘッド100は記録動作を中断し、再びLFモータ109が駆動されて、記録シートPが副走査方向へ所定量だけ搬送される。次いで、キャリッジ101をガイド軸103に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。これらの動作を繰り返すことにより、記録シートPの全体に画像が記録される。
【0022】
記録装置のフレーム110には、キャリッジ101をガイドするガイド軸103がばね111によって支持され、またガイドレール104がビス固定されており、CRモータ102およびアイドルプーリ106もビス固定されている。
【0023】
上記各部材は、装置本体のフレームである本体フレームに支持されている。本実施形態では、前記本体フレームは、前述のCRモータ102やガイド軸103及びガイドレール104などを支持する第一フレームとしてのフレーム110と、第一フレーム110を支持する第二フレーム112とにより構成されている。
【0024】
更に、前記フレーム110は第二フレーム112に支持されているが、フレーム110と第二フレーム112の間には、図2に示すように、粘弾性体113が介在した構成となっている(実施態様1対応)。
【0025】
図2はフレーム110と第二フレーム112へのフレーム110の支持構成を示した簡略図である。フレーム110と第二フレーム112の間には粘弾性体113が介在しており、粘弾性体113とフレーム110および第二フレーム間は接着部材である接着層114よって固定された構成となっている(実施態様4対応)。
【0026】
次に前記の如く構成した記録装置を使用して記録を行った場合の、振動減衰作用について説明する。記録を開始する場合、キャリッジ101を図1の右端にあるホームポジションから矢印A方向に移動させて記録を行うが、停止しているキャリッジ101が移動し始める瞬間、キャリッジ101の慣性力およびキャリッジ101とガイド手段(ガイド軸103およびガイドレール104)との摩擦力が働き、CRモータ102を回転させてもキャリッジ101が動かない状態が発生する。
【0027】
そしてCRモータ102およびアイドルプーリ106がフレーム110にビス固定されているため、CRモータ102の回転と共にフレーム110が矢印A方向とは逆方向へと変形する。
【0028】
そして更にCRモータ102が回転するとキャリッジ101は記録領域へと動きだすが、キャリッジ101は定常域まで加速していくため、速度変動に伴うキャリッジの慣性力の作用により、タイミングベルト105を介してフレーム100は矢印A方向および逆方向の周期的な変形が生じる。フレーム110の周期的な変形は、キャリッジ101の加速度を定速域に達するまでに徐々に下げていくことで減衰していくが、減衰しきれずに定速域の記録領域まで達すると記録画像のムラとして発生する場合がある。この記録画像のムラの発生は、まずフレーム110にキャリッジ101のガイド手段であるガイド軸103およびガイドレール104が支持されているために、フレーム110の変形に伴ってガイド手段も変動する。そして、そのガイド手段にガイドされているキャリッジ101が結果として周期的に記録シートに対して相対的に変動する。このためにキャリッジ101に搭載された記録ヘッド100から記録シートに吐出されるインクの着弾位置が周期的にずれる。このインク着弾位置の周期的なズレによって画像の乱れが発生することのである。
【0029】
ここで、フレーム110の変形は、上述したエネルギー伝達とは別にガイド手段からの伝達でも生じる。すなわち、キャリッジ101をガイドするガイド軸103およびガイドレール104は、キャリッジ101が動き出す瞬間に静摩擦力により矢印A方向に動く力が働く。このガイド軸103とガイドレール104はフレーム110に支持されているため、そのエネルギーはフレーム110に伝達され変形を生じることとなる。
【0030】
本構成においては、キャリッジ101の主走査方向(矢印Aおよびその逆方向)と平行な位置にあり、かつフレーム110を支持する第二フレーム112との間に粘弾性体113を設け(実施態様1及び7対応)、フレーム110と第二フレーム112間をビス等の固定手段を使わずに接着層114を用いて固定したので、フレーム110の変形エネルギーが最も粘弾性体に作用する位置、方向および支持方法により、粘弾性体113が効果的に変形エネルギーを吸収でき、これによって周期的なフレーム110の変形を小さくかつ早く減衰することが可能となり、記録画像のムラや色ズレを抑えることができる。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすことはない。
【0031】
なお、本実施形態においては、走査手段であるキャリッジ101を駆動する駆動手段であるCRモータ102およびアイドルプーリ106と、キャリッジ101のガイド手段であるガイド軸103とガイドレール104は同一フレーム104に支持された構成となっているが、複数のフレームによって支持されている場合もあり、その構成においては、駆動手段およびガイド手段を支持する複数の第一フレーム群と、第一フレーム群を支持する複数の第二フレーム群との間に粘弾性体を配置すればよい(実施態様1対応)。
【0032】
また、粘弾性体113は、制振シート、防振ゴムや一般のゴム類、或いは粘弾性を有する高分子材料等の粘弾性および防振材料として分類できるものであれば使用可能である。
【0033】
更に、フレームと粘弾性体とを固定する接着層114には、両面テープに代表される粘着剤を有するテープ類の他、粘弾性体とフレームを固定できる接着部材であれば使用可能である。または、接着層を設けずに粘弾性体とフレームを直接溶着させてもよい(実施態様5対応)。あるいはフレーム間接続をインサート成形によって形成した粘弾性体で保持した構成にしてもよい(実施態様6対応)。
【0034】
〔第2実施形態〕
図3を用いて本発明の第2実施形態を説明する。図3は、図1に示す記録装置における、CRモータ102およびアイドルプーリ106のフレーム110への支持形態を示したものである。
【0035】
前述した実施形態では、フレーム110と第二フレーム112の間に粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本実施形態では、駆動手段としてのCRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間であって、キャリッジ101の走査方向と平行した位置に、それぞれ粘弾性体113が接着層(不図示)を介して設けられている(実施態様2対応)。
【0036】
本構成においては、CRモータ102およびアイドルプーリ106から伝達されるフレーム110の変形エネルギーを粘弾性体113によって遮断することが可能である。これによって、前述した実施形態と同様に、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすこともない。
【0037】
〔第3実施形態〕
図4を用いて本発明の第3実施形態を説明する。図4は、図1に示す記録装置における、ガイド軸103およびガイドレール104のフレーム110への支持形態を示したものである。
【0038】
前述した実施形態では、フレーム110と第二フレーム112の間、或いは、CRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間に、粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本実施形態では、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104とフレーム110の間であって、キャリッジ101の走査方向と平行した位置に、それぞれ粘弾性体113が接着層114を介して設けられている(実施態様2対応)。
【0039】
本構成においては、ガイド軸103およびガイドレール104から伝達されるフレーム110の変形エネルギーを粘弾性体113によって遮断することが可能である。これによって、前述した実施形態と同様に、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすこともない。
【0040】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、第一フレーム110と第二フレーム112の間、或いは、駆動手段としてのCRモータ102およびアイドルプーリ106とフレーム110の間に、或いは、ガイド手段としてのガイド軸103およびガイドレール104とフレーム110の間に、粘弾性体113を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた構成としても良い(実施態様2及び3対応)。
【0041】
また前述した実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の4色の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の場合を例示して説明したが、記録ヘッドの種類や数はこれに限定されるものではなく、例えば1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置、異なる色のインクで記録する複数個の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、或いは同一色彩で濃度の異なるインクで記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置など、記録ヘッドの種類や数に関係なく適用ができ、前述した作用効果を達成し得る。
【0042】
更に記録手段(記録ヘッド)としては、記録ヘッドとインクタンクを一体化したカートリッジタイプのもの、或いは記録ヘッドとインクタンクを別体としこれらをインク供給チューブで接続する構成のものなど、記録手段及びインクタンクの構成がどのようなものであっても、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得る。
【0043】
尚、本発明をインクジェット記録装置に適用する場合には、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0044】
更に、シート搬送方向と直交する方向に走査しつつ記録を行うシリアルタイプの記録ヘッドでも、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0045】
また、前述したインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末装置として用いられるものの他、キャリッジに記録ヘッド以外のスキャナ等を装着することが可能なインクジェット入出力装置、リーダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態をとるもの等であっても良い。
【0046】
また前述した実施形態では、記録方式としてインクジェット記録方式を例示したが、これに限定する必要はなく、他にも熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードット記録方式等のインパクト記録方式、或いはそれ以外の電子写真方式等の記録方式であっても適用し得る。
【0047】
なお、本発明の様々な実施形態を示し説明したが、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるものではない。以下、本発明の実施態様の例を列挙する。
【0048】
〔実施態様1〕
記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする記録装置。
【0049】
〔実施態様2〕
記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、前記走査手段をガイドするガイド手段と、前記走査手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上のフレーム群と、を有し、前記駆動手段、前記ガイド手段の何れか一方又は両方と前記フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする記録装置。
【0050】
〔実施態様3〕
前記フレーム群は、前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、を有し、更に、前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする実施態様2に記載の記録装置。
【0051】
〔実施態様4〕
前記各部材間に介在する粘弾性体と各部材とを接着部材によって固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0052】
〔実施態様5〕
前記各部材間に介在する粘弾性体と各部材とを溶着によって固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0053】
〔実施態様6〕
インサート成形によって形成された粘弾性体によって該粘弾性体が介在する各部材を固定したことを特徴とする実施態様1から3の何れか1項に記載の記録装置。
【0054】
〔実施態様7〕
粘弾性体を走査手段の主走査方向と略平行位置に配置したことを特徴とする実施態様1から6の何れか1項に記載の記録装置。
【0055】
〔実施態様8〕
前記記録装置は、記録手段が信号に応じてインクを吐出して記録することを特徴とする実施態様1から7の何れか1項に記載の記録装置。
【0056】
〔実施態様9〕
前記記録装置は、記録手段が信号に応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する熱エネルギーによってインクを吐出することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッド搭載されたキャリッジを移動させる際にフレームの変形エネルギーを粘弾性体によって効率的に吸収可能となり、フレームの周期的な変形によって生じる画像ムラや色ズレを抑えた高精細画像を記録することが出来る。また本発明は、記録装置総重量の増加、装置の大型化、記録速度の低下等のユーザによって不利益となる作用をもたらすことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】フレーム間に設けられた粘弾性体の支持構成を示す簡略図である。
【図3】本発明の記録装置の第2の実施形態を示す簡略図である。
【図4】本発明の記録装置の第3の実施形態を示す簡略図である。
【符号の説明】
P …記録シート
100 …記録ヘッド
101 …キャリッジ
102 …CRモータ
103 …ガイド軸
104 …ガイドレール
105 …タイミングベルト
106 …アイドルプーリ
107 …エンコーダスケール
109 …LFモータ
110 …フレーム
111 …ばね
112 …第二フレーム
113 …粘弾性体
114 …接着層
115 …搬送ローラ
Claims (1)
- 記録シートに画像を記録する記録手段を搭載し主走査方向に往復する走査手段と、
前記走査手段をガイドするガイド手段と、
前記走査手段を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段から前記走査手段に駆動を伝達する駆動伝達手段と、
前記駆動手段および前記ガイド手段を支持する少なくとも1つ以上の第一フレーム群と、
前記第一フレーム群を支持する少なくと1つ以上の第二フレーム群と、
を有し、
前記第一フレーム群と前記第二フレーム群の間に粘弾性体を介して支持したフレーム構成であることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367664A JP2004195821A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367664A JP2004195821A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004195821A true JP2004195821A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002367664A Withdrawn JP2004195821A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 記録装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004195821A (ja) |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002367664A patent/JP2004195821A/ja not_active Withdrawn
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Effective date: 20051205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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