JP2004195426A - 液状物散布装置 - Google Patents

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JP2004195426A JP2002370208A JP2002370208A JP2004195426A JP 2004195426 A JP2004195426 A JP 2004195426A JP 2002370208 A JP2002370208 A JP 2002370208A JP 2002370208 A JP2002370208 A JP 2002370208A JP 2004195426 A JP2004195426 A JP 2004195426A
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正久 根本
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Abstract

【課題】液状物の散布を簡単に、かつ、正確な濃度と量で連続して行うこと。
【解決手段】液状物散布装置10は、装置本体12と、液状の薬剤を貯留するタンク14と、タンク14を装置本体12に固定させるホルダ16と、ホルダ16に固定された携帯用の吊紐18から構成されている。装置本体12は、水道水の流通を制御し、水圧を調節する手動弁(調節器)22と、調節された水道水の圧力を検出する圧力計(検出器)26と、圧力計26で圧力が確認された水道水の流量を調整する噴射ノズル(流量調整器)とを備えている。また、装置本体12は、散布の時間間隔を作業者に認識させるタイマー(時間間隔伝達器)27と、噴射ノズルによって流量調整された水道水とタンク14内の薬剤とを混合して散布物を生成するエジェクタ部30とを備える構成とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、稲作の苗の育成時等において、液状の薬剤、肥料などを散布する際に用いられる液状物散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
稲作において、苗の発芽から水田への植付けまでは、次のような手順で行われるのが一般的である。まず、ビニールハウス内に一定の大きさを有する苗床を設けた複数の育苗箱を並べ、この育苗箱の中に種籾をまいて発芽させ、一定の大きさになるまで育てる。
次に、この苗を、水田に植え付ける。近年、田植えは機械化されていて田植機で行われる場合がほとんどであるが、育苗箱はこの田植機への搭載を考慮した大きさに構成されている。
【0003】
ところで、育苗箱内の苗は、密集して植え付けられていることもあって、病害虫の被害を受けやすい。そこで、これを防ぐために病害虫駆除用の農薬が散布される。このとき、農薬はその散布濃度及び散布量が決められているため、所定の濃度のものを所定の量だけ散布する必要がある。そこで、従来から所定の濃度で希釈された薬剤を散布する散布器が用いられてきた。
【0004】
従来の散布器は、水道水を導入して、この水道水の圧力を利用する圧力伝達膨張機構にて薬剤に圧力を加えてエジェクタ部にて農薬を混入させて、噴射ノズルから散布するものや(例えば、特許文献1参照)、同様の構成にて散水管から育苗箱全体へ散布するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−242362号公報(第3図)
【特許文献2】
実開平3−54112号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の散布器においては、水道水の圧力を利用した圧力伝達膨張機構の圧力によって薬剤をエジェクタ部に押し出す一方、混入させる水は水道水の圧力のまま導入しているため、水道水圧が変動した場合、一定濃度で薬剤を混入して放出することができないという問題があった。
【0007】
また、育苗箱全体に散布する場合は、育苗箱に固定した状態で一度に散布するため、各苗株ごとに適正量の農薬が必ずしも行き渡らない可能性があった。そして、複数の育苗箱に散布させる場合には散布器の移動等が重労働となって、作業者への負担が大きくなるという問題があった。
【0008】
さらに、苗の生長に伴って使用する農薬及び希釈したときの濃度が異なるため、農薬散布の都度、最適な濃度に調整する手間がかかっていた。しかも、一定量を散布するためには、農薬の濃度とともに散布時間も正確にする必要があるが、これらを正確に把握して散布するためには作業の習熟と熟練度とが必要とされ、散布器を用いても依然として正確な散布が行われない可能性が多大にあった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、液状物の散布を簡単に、かつ、正確な濃度と量で連続して行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明は、液状の薬剤と液状の媒体とを混合させるエジェクタ部と、該エジェクタ部に前記液状の媒体を導入する流路が形成された流量調整器とを備え、該流量調整器が、前記エジェクタ部に対して脱着可能であるとともに、前記流路の断面積がそれぞれ異なって形成されたものが複数用意され、択一的に装着されていることを特徴とする。
【0011】
この液状物散布装置によれば、エジェクタ部と流量調整器が備えられているので、液状の媒体が流量調整器の流路を通じてエジェクタ部に導入される際、エジェクタ部に対する流路の断面積比によって決まる流量損失量に応じた流量に調整される。この媒体がエジェクタ部に導入されると、エジェクタ部に供給される薬剤と混合され、最適な濃度の混合物が生成される。
また、流路の断面積が異なる流量調整器が複数用意されているので、エジェクタ部に供給される液状媒体の流量が液状媒体と混合すべき液状薬剤の仕様に見合う流量となる流量調整器を適宜選択して装着することによって、液状薬剤が適切に混合される。
【0012】
本発明は、請求項1記載の液状物散布装置であって、前記流量調整器に供給される液状の媒体の圧力又は流量を検出する検出器を備えていることを特徴とする。
【0013】
この液状物散布装置によれば、圧力又は流量の検出器を備えているので、エジェクタ部に装着された流量調整器へ適切な圧力又は流量の媒体が流入しているかどうかがこの検出器によって明らかになる。したがって、エジェクタ部に供給される液体媒体の流量を確認することによって、結果的に液状薬剤がエジェクタ部内で適切な濃度に混合されるかどうかが確認される。
【0014】
本発明は、請求項2に記載の液状物散布装置であって、前記流量調整器に供給される液状の媒体の圧力又は流量を調節する調節器を備えていることを特徴とする。
【0015】
この液状物散布装置によれば、圧力又は流量を調節する調節器を備えているので、この調節器によって液状の媒体の供給圧力又は供給流量が調節される。したがって、検出器を参照しながら調節器を操作して液状媒体の供給圧力又は供給流量を所望の大きさに調節することにより、エジェクタ部に供給される液状媒体の流量が安定し、結果的に液状薬剤が適切に混合される。
【0016】
本発明は、請求項1から3の何れかに記載の液状物散布装置であって、予め設定された時間間隔を作業者に認識させる時間間隔伝達器を備えていることを特徴とする。
【0017】
この液状物散布装置によれば、時間間隔伝達器によってあらかじめ設定された時間間隔を作業者に認識させるので、この間隔に作業者の散布作業を合わせることによって一定間隔で散布作業を実施させることとなる。したがって、散布作業の速度が安定するので、正確な量の液状薬剤散布がなされる。
【0018】
本発明は、請求項1から4の何れかに記載の液状物散布装置であって、携帯用の吊紐が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この液状物散布装置によれば、携帯用の吊紐を備えているので、この吊紐を肩などに掛けると作業エリアが十分に確保できない場所でも液状物散布装置を携帯して移動することができ、散布作業を効率よく行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示す液状物散布装置10は、装置本体12と、液状の薬剤を貯留するタンク14と、このタンク14を装置本体12に固定させるホルダ16と、ホルダ16に固定された携帯用の吊紐18とから構成されている。
【0021】
装置本体12は、ケーシング20と、ケーシング20内部に水道水(媒体)を導入するホース21が取り付けられる導入口22と、この水道水の流通を制御し、水圧を調節する手動弁(調節器)24と、調節された水道水の圧力を検出する圧力計(検出器)26と、散布の時間間隔をブザー音にて作業者に知らせるタイマー(時間間隔伝達器)27とを備えている。
【0022】
また、この装置本体12は、図3に示すように、導入口22から導入された水道水の流量を調整する噴射ノズル(流量調整器)28と、流量調整された水道水とタンク14内の薬剤とを混合して散布物を生成するエジェクタ部30と、この散布物が排出される散布物排出口32とを備えている。これらの機器は、配管34によってそれぞれ連通されている。
【0023】
エジェクタ部30の上流部のティー配管34aには、媒体入口42と、噴射ノズル28を装着する噴射ノズル装着口44とが形成されている。
また、エジェクタ部30内には、装着された噴射ノズル28の先端部位置に薬剤入口46が形成されている。噴射ノズル装着口44には、噴射ノズル28の装着後にこの噴射ノズル28を固定する蓋47が取り付けられている。
図4に示すように、この薬剤出口40と薬剤入口46とを連結する配管34Aには、薬剤をタンク14からエジェクタ部30へ供給する開閉弁48が設けられている。
【0024】
噴射ノズル28は、図5に示すように、本体50と、噴射ノズル装着口44と係合して位置決めされるフランジ52とから構成されている。この本体50は一定長さを有する円筒形状を有しており、中心部には本体の延在する方向に流路54が形成されている。
【0025】
薬剤を所定の濃度に希釈するためには、手動弁24によって一定の圧力に調節されて流路54内に流入した水道水が、一定長さの流路54を流通してエジェクタ部30内へ導出される際に、薬剤を所定の濃度に希釈するのに必要な流量となるようにする必要がある。そのため、流路54の断面積は、配管34の断面積よりも小さい値で予め決められた大きさに形成されている。
噴射ノズル28は、所定の流量に対応してそれぞれ異なる断面積に形成された流路54を有するものが複数個用意されている。
【0026】
タイマー27は、図1に示すように、タイマー本体56と、スイッチ58とから構成されている。タイマー本体56は、2種類の時間間隔をブザーにて認識させる電気回路が構成されており、ケーシング12の表面に突出して配設されているスイッチ58を上下に操作することによって、この2種類の時間間隔が設定される。
【0027】
次に、以上の構成からなる本実施形態の液状物散布装置10による散布物の散布方法について説明する。
まず、液状の薬剤を薬剤挿入口38からタンク14内へ挿入して貯留しておく。このとき、開閉弁48は閉じられているので、薬剤はタンク14内に貯留されたままの状態となっている。
【0028】
続いて、水道水等の水源に連通するホース21等を導入口22に取り付けて、閉状態とした手動弁24まで水道水を供給する。さらに、散布する薬剤濃度に基づいて選択された噴射ノズル28を噴射ノズル装着口44からエジェクタ部30に挿入し、蓋47で固定する。そして、図示しない散布ホース等を散布物排出口32に取り付ける。
以上により、散布作業の準備が終了する。
その後、吊紐18を介して液状物散布装置10を散布場所まで持って移動する。移動後、手動弁24を操作して水道水を配管34内に導入させる。
【0029】
配管34内を流れる水が圧力計26の配設された場所を流れる際、圧力計26によって、その場所における水道水圧が計測される。このときの値が、装着した噴射ノズル28に対応する導入圧力から外れている場合には、所定の圧力となるように圧力計26で確認しながら手動弁24を操作して、所定の圧力の水を噴射ノズル28に導入する。水道水圧が変動した場合でも手動弁24の操作によって一定圧力となるように同様に調節する。
【0030】
噴射ノズル28に導入された水道水は、流路54にて流路面積が急激に減少することによって流速と圧力が増加するが、エジェクタ部30に至って再び流路面積が拡大されることによって流速が減少し圧力が低下する。このときに、エジェクタ部30の断面積と、流路54の断面積及び長さとの関係によって決まる流量損失が発生するので、所定の流量に調整された水がエジェクタ部30に流入する。
【0031】
このときに、開閉弁48を開として薬剤がエジェクタ部30内部に流入できるように操作する。すると、薬剤入口46近傍を水が通過する際に、水の流量、圧力、及びエジェクタ部30の形状とに応じて発生する吸引力によって、適切な量の薬剤が薬剤入口46からエジェクタ部30内に吸入される。これによって、薬剤と水が混合されて、所定の濃度に希釈された薬剤が散布物として生成される。この散布物は散布物排出口32から図示しない散布ホースを介して育苗箱等に植えられた苗に散布される。
【0032】
一方、散布物の薬剤濃度に応じて散布量も決められているので、濃度とともに散布時間も正確を期する必要がある。このとき、タイマー27のスイッチ58を上下何れかに設定して所定の時間間隔に合わせることによって、タイマー27が時間間隔をブザー音によって作業者に認識させる。この時間間隔内に必要な量が散布される。次のブザー音が鳴ったら散布場所を変更する。
薬剤出口40がタンク14の下側にあるので、貯留された薬剤を使い切るまで水道水を供給し続けることによって、薬剤補充回数を節約しつつ散布作業が継続される。
【0033】
散布物の薬剤濃度を変化させる必要が生じた場合には、手動弁24及び開閉弁48とを閉として散布を中止した後、蓋47を開けて噴射ノズル28を取り出し、異なる断面積の流路54aを有する別の噴射ノズル28aと交換して、再び蓋47にて固定して取り付ける。
この状態で、手動弁24によって水道水を上記一定圧力に調節し、噴射ノズル28aに供給する。このとき、エジェクタ部30への水道水の供給圧力は一定であるから、流路54の断面積の大小によって、流量減少率が調整される。すると、上述と同様の作用によって、流路54aの断面積に応じた流量に調整された水がエジェクタ部30内に流入する。このとき、開閉弁48を開とすると薬剤の吸引力も異なるものとなるので新たな量の薬剤が水に混入され、所定の濃度に希釈された薬剤が散布される。
散布時間も異なる場合は、スイッチ58を別の時間間隔値に設定する。
【0034】
この液状物散布装置10によれば、手動弁24による操作と噴射ノズル28の脱着によって一定の濃度の薬剤を安定して生成するとともに、散布物の濃度を変化させて散布する際は、噴射ノズル28を交換することによって対応することができるので、薬剤散布を無駄なく最適な量で正確に散布できる。
また、圧力計26を見ながら手元で水道水圧を調節できるとともに、時間間隔がタイマー27によってわかるので、一定量の薬剤を散布することができる。
さらに、吊紐18によって携帯できるので、作業エリアが十分に確保できない場合であっても散布作業を効率よく行うことができる。
【0035】
なお、本実施形態の変形例として、以下の構成としてもよい。
すなわち、圧力計26は、噴射ノズル28に導入される水道水量を確認するものであるから、圧力計に限定されるものではなく流量計であってもよい。
また、液状の媒体は水道水に限られず、供給源から連続的に供給されるもので構わない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した本発明の液状物散布装置においては以下の効果を奏する。
本発明によれば、異なる断面積の流量調整器を複数備えているので、この流量調整器の交換によって薬剤散布を無駄なく最適な量で正確にできる。
また、本発明は、検出器を見て媒体の圧力又は流量が把握でき、また、時間間隔伝達器によって散布時間が認識できるので、正確な量の散布とともに作業の簡易化を図ることができる。
さらに、本発明は、携帯用の吊紐が備えられているので、液状散布装置を携帯して移動でき、散布作業範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における液状散布装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における液状物散布装置の断面を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における液状散布装置の配管主要部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における液状散布装置の背面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における液状散布装置のエジェクタ部を示す図である。
【符号の説明】
10 液状物散布装置
18 吊紐
24 手動弁(調節器)
26 圧力計(検出器)
27 タイマー(時間間隔伝達器)
28 噴射ノズル(流量調整器)
30 エジェクタ部
54 流路

Claims (5)

  1. 液状の薬剤と液状の媒体とを混合させるエジェクタ部と、該エジェクタ部に前記液状の媒体を導入する流路が形成された流量調整器とを備え、
    該流量調整器が、前記エジェクタ部に対して脱着可能であるとともに、前記流路の断面積がそれぞれ異なって形成されたものが複数用意され、択一的に装着されていることを特徴とする液状物散布装置。
  2. 前記流量調整器に供給される液状の媒体の圧力又は流量を検出する検出器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液状物散布装置。
  3. 前記流量調整器に供給される液状の媒体の圧力又は流量を調節する調節器を備えていることを特徴とする請求項2に記載の液状物散布装置。
  4. 予め設定された時間間隔を作業者に認識させる時間間隔伝達器を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液状物散布装置。
  5. 携帯用の吊紐が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液状物散布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011523852A (ja) * 2008-06-06 2011-08-25 ニシムラ,タカシ 安全操作噴霧機器
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