JP2004194376A - 直流電源装置 - Google Patents

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英州 菅原
Naoki Wakao
直樹 若生
Tomoji Arai
智次 荒井
Yoshihiko Saiki
義彦 斎木
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Abstract

【課題】大電流容量を維持して、一層の軽量化、薄型化および小型化を図った直流電源装置を提供すること。
【解決手段】電源用半導体21、機能性高分子電解コンデンサ1、ヘリカル構造のインダクタ22を含む電力変換用部品およびフィルム状基板20を有する直流電源装置とする。また、機能性高分子アルミ電解コンデンサ1は、内部に1つ以上の機能性高分子電解コンデンサの要素を有し、各要素の全ての端子は機能性高分子アルミ電解コンデンサ1の一平面に集約して配置される。また、機能性高分子アルミ電解コンデンサ1は、絶縁被覆を有し、厚みが500μm以下である。また、機能性高分子アルミ電解コンデンサ1は、陽極金属箔の貫通孔に配設された導電材を用いてなる陰極端子を有する。また、フィルム状基板20の総厚は150μm以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯機器等に使用される小型で薄型の直流電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型・薄型・高性能化が急速に進んでいる。特に、半導体メモリーの高速化、大容量処理化の急速な進展に対応してLSIの発熱が問題となり発熱を押さえるため、この駆動電圧をいかに低くするかが各メーカのターゲットになっている。同時に、携帯用機器に使用するために小型化・薄型化が課題となっている。低電圧LSIを使用するデバイスは、電池電圧を2V以下の電圧に降圧する方法としてドロッパー抵抗を入れて電圧を降下する方法あるいはDC−DCコンバータを使用して降圧する方法などが用いられている。特に低電圧化、高密度化するLSIの電圧の高精度化要求により、DC−DCコンバータを用いた電源は必要不可欠となっている。
【0003】
最近では、小容量品の電力変換素子の多くがIC化されており、わずかな点数の外付け部品でDC−DCコンバータや直流電源が構成できるようになっている。これらを構成する部品は非常に小型化されたとはいえ、多くの電源はパターニングした配線を有するエポキシ樹脂やセラミックスの類の硬質回路基板上に、各々個別の部品として制御用のパワーICやコンデンサ部品、インダクタ部品といった表面実装部品単体を2次元的に実装してハイブリッド型直流電源を形成している。
【0004】
しかし、ハイブリッド基板がある厚みを有すること、さらにこの上に電源用半導体やコンデンサといった部品を平面的に配置することが、小型化を阻む要因となっている。このとき、一般的に使われる積層セラミックチップコンデンサやタンタルチップコンデンサの小型、高容量化の勢いは目を見張るものがあるが、それでも4.7μF以上を有する高容量コンデンサの厚みは機械的強度も考慮に入れ、0.8mmの厚みが限界となっている。まして、大電流容量を確保するために必要な22μF等の高容量コンデンサでは前述のコンデンサより2.5倍以上の厚みを有するのが一般的である。
【0005】
高容量のコンデンサを用いる場合は、このような厚みに律速され、DC−DCコンバータの厚みが厚くなることが避けられない。そこで、携帯機器を小型化するために、更なるコンデンサの薄膜化の要求が強くなりつつある。また、アルミ電解コンデンサも、非常に小型化されてきているが、対向する端面にL字型の端子を有する形態の表面実装用チップコンデンサであり、厚みが1.2mm以上と要求とは乖離が見られるのが現状である。
【0006】
ところで、平面コンデンサを用いた薄型電源としては、特許文献1に開示された例がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−232772号公報
【0008】
この例では、同形状の平面コンデンサと平面リアクトルとを一体化したLCユニットを複数個並列接続した薄型電源で、カード型電池上に形成できる非常に薄い電源が提案されている。
【0009】
しかし、これは比誘電率が約3000のスカンジウムタンタル酸鉛の強誘電体セラミックスからなる積層セラミックコンデンサの上に電解めっきにより作製したスパイラル型のコイルを形成した平面リアクトルを複数個用いることで、DC−DCコンバータの容量の増大を図っている。しかし、セラミックスを使う以上、前述の抗折強度の問題があり、セラミック面積が広くなると、厚みをさほど薄くできないという欠点を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
携帯機器等に使用される直流電源には半導体メモリーの高速化に呼応した小型電源の開発が求められている。こうした状況下で、最近では電源用半導体以外の外付け部品点数が少なくて済む電源コンバータ用ICやレギュレータの開発が進んでいる。これらの電源用半導体を用いて、小容量電力変換装置としての直流電源装置の大電流容量化のためには、できる限り静電容量が大きく、低ESR(低い等価直列抵抗)のコンデンサを使用することが肝要である。
【0011】
また、このコンデンサの電極端子に新たに外部接続用の個片金属端子を接合することなく基板に接続して、軽量かつ小型の電源を効率良く製造することが肝要である。
【0012】
さらに、高容量セラミックコンデンサを用いたときに見られる抗折強度の低下の問題を解決し、より一層の軽量化および小型化を図ることが肝要である。
【0013】
すなわち、本発明の課題は、大電流容量を維持して、一層の軽量化、薄型化および小型化を図った直流電源装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の直流電源装置は、電源用半導体、コンデンサ、インダクタを含む電力変換用部品および基板を有する直流電源装置において、前記コンデンサとして高容量で薄型の機能性高分子電解コンデンサを用いたことを特徴とする。
【0015】
また、前記機能性高分子電解コンデンサは、内部に1つ以上の機能性高分子電解コンデンサの要素を有し、各要素の全ての端子は前記機能性高分子電解コンデンサの一平面に集約して配置されているとよい。
【0016】
また、前記機能性高分子電解コンデンサは、絶縁被覆を有し、厚みが500μm以下であるとよい。
【0017】
また、前記機能性高分子電解コンデンサは陽極金属箔の貫通孔に配設された導電材を用いてなる陰極端子を有するとよい。
【0018】
また、前記機能性高分子電解コンデンサの一平面に集約された端子は、陽極端子と陰極端子の対が対称の位置に配設されているとよい。
【0019】
また、前記機能性高分子電解コンデンサの各端子の実装面の高さは、ほぼ一定であるとよい。
【0020】
そして、前記基板はフィルム状基板の上に金属等のパターンが配設されてなり、総厚が150μm以下であるとよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の直流電源装置は、電源用半導体、高容量コンデンサ、インダクタ等を含む電力変換用部品を用いた直流電源装置であり、(1)端子電極を1つの面に集積させ、かつ端子電極として個別の金属端子を接合することなしに端子電極を形成した高容量の機能性高分子電解コンデンサを用いること、(2)コンデンサの1つの面に配置された端子電極を薄いフィルム状基板に接続し用いることで軽量化および小型化を図ったコンデンサおよび基板を用いること、(3)薄いフィルム状基板の機能性高分子電解コンデンサ以外の部分には、自由に電源用半導体やインダクタ等の必要な電力変換用部品を選定し接続すること等で得られる。
【0022】
ここで使用される平板型の機能性高分子電解コンデンサは、1つもしくは複数のコンデンサ要素を内蔵し、この数に比例した複数の端子を有し、基板上の入力側や出力側の回路に接続される。この機能性高分子電解コンデンサは、弁金属にアルミニウムやタンタルやニオブを用いたものがあるが、一例として、抗折強度特性に優れたアルミニウムを用いた機能性高分子アルミ電解コンデンサが推奨される。
【0023】
機能性高分子アルミ電解コンデンサは厚みが300μm以下のアルミニウム金属箔の表面に酸化皮膜を作り、酸化皮膜の上に機能性高分子層、カーボン層、導電ペースト層を形成する。アルミニウム金属を陽極に、また導電ペースト層を陰極として接続することで利用できる。このコンデンサは高容量であり、また、電気を通すプラスチックである機能性高分子の電気伝導度が高く非常に小さなESRが得られ、さらに周波数特性に優れる等の利点がある。
【0024】
コンデンサとしての構造の特徴は、アルミ酸化皮膜上の機能性高分子、カーボン導電層、導電ペーストの導電層を順次形成して得られるコンデンサ構造の端子において、全ての陽極端子と陰極端子とを同一平面に引き出す端子電極構造を取ることにある。また、この引き出した陽極または陰極の電極にコンデンサが自立するためのリード金属端子や回路接続用のリードフレーム等の個片金属端子のいずれも用いない構造を有することにある。
【0025】
また、今回の構造例は、単層のアルミニウム金属箔を用いた例を示しているが、容量を大きくするためには、陽極金属箔を多層にした構造のコンデンサを用いることもできる。
【0026】
同一面に陰極を引き出す方法としては、アルミニウム金属箔を境として端子形成面の反対側に形成された陰極から、端子形成面の導電ペースト部分への引き出しには、スルーホールや薄い金属箔を用いて、端子形成面への電極の引き回しを行うことで、同一面へ端子電極を集合させる。
【0027】
陽極端子電極は、陽極のアルミニウム金属上にさらに導電性物質をスパッタ等の乾式法にて薄膜を形成したり、導電性物質を使用して盛り上げたりして接続し易くしてもよいが、そのまま陽極端子として利用することもできる。
【0028】
また、陰極の導電ペースト部分も同様に薄膜を形成してもよいが、そのまま陰極端子として利用することもできる。この理由としては、銀ペースト上への絶縁性皮膜が非常に薄く形成されていることで被接続部分との段差が小さいため、導電樹脂やはんだやワイヤーボンディング法を用い基板にスムーズに接続することができる。但し、はんだ接続を行う場合は、端子形成部分に前述の金属スパッタ等の処理を施すとよい。
【0029】
ここで、陽極端子はアルミニウム金属箔の面上に形成してあり、陰極端子はアルミニウム金属箔上に形成した最上層の銀ペースト導電層の面上に形成されている。このことから両端子の実装面高さが整合されずに利用されていることが分る。必要であれば、陽極端子を導電ペースト等で盛り上げることにより高さを一定に整合することが可能である。ただし、ギャップは100μm程度なので、わざわざ追加加工をして高さを揃えなくてもコンデンサの接続不良発生という問題は生じない場合が多い。
【0030】
こうして出来上がった接続用電極端子以外の部分には絶縁皮膜を形成するが、本発明では機能性高分子電解コンデンサからなる高容量コンデンサの厚みが500μm以下のものを使用する。この厚みとすることにより、携帯機器等において小型で薄型の直流電源装置として好適に使用できる。また、このコンデンサは、各々陽極端子と陰極端子をもつ複数の高容量コンデンサ(機能性高分子電解コンデンサ)を内蔵することができる。
【0031】
さらに、機能性高分子電解コンデンサと電源用半導体やインダクタ等の電力変換用部品を用いて小型直流電源を形成するために必要な技術は回路配線技術にある。そこで、コンデンサの樹脂コーティング上に直に回路導体転写フィルムを使用して配線する方法や、銅箔を圧延もしくは電解処理により回路配線を形成したポリイミド等のフィルム状で、厚みが150μm以下の基板を利用することで更に軽量化・小型化が達成できる。
【0032】
この基板に実装される電源用半導体については、パッケージタイプでもベアチップタイプでも利用できるが、電力変換装置としての直流電源装置の全体を薄型にするには電源用半導体のベアチップタイプを利用してもよい。必要があれば、電流監視用、温度管理用などの半導体部品が内蔵されている各種の電源用ICを利用することもできる。
【0033】
さらに、この基板に実装されるインダクタについては、コアや磁性体への巻線チップタイプ、積層チップタイプ、ヘリカルタイプ、ミアンダタイプ、スパイラルタイプ、フレキシブル配線板上にコイルを形成し磁性体で覆うタイプ等の各種タイプのインダクタが利用できる。さらに、電力変換装置を構成する他の部品としては、抵抗等の部品が必要となる場合もあるが、十分に小型化が進んだ抵抗等のチップ部品を利用すればよく、特に限定されるものではない。
【0034】
また、基板への上記電力変換用部品の実装に関しては、立体的配置として、最下層に、コンデンサ、中間層に基板、最上層に電源用半導体やインダクタの部品を配置することができる。また、平面的配置として、コンデンサや電力用半導体やインダクタといった電力変換用部品を基板上に並べるよう配置してもよく、要求された電源の厚みに対応する方法で実装することができる。
【0035】
これらの電力変換装置(直流電源装置)は携帯電話等の電源として使用される際に、使用環境上、不安のある場合は、耐湿性や耐侯性を高めるために、樹脂コーティングや樹脂モールド外装、ケーシング等を施す必要がある。この外装方法も、樹脂厚みが厚くなってしまう高圧インジェクションモールドや高圧トランスファーモールド等の外装処理は薄型化には望ましくはないが、特に限定されるものではない。さらに、電源装置の放熱性および薄型化を考慮した場合は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂に硬化剤や難燃化剤等を加えた液状封止材料でのコーティングやポッティングによる封止が望ましい。
【0036】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0037】
(実施例1)図1は、本発明の実施例1による出力電圧固定型の直流電源装置の構成を模式的に示し、図1(a)はその平面図であり、図1(b)はその正面断面図である。1は機能性高分子アルミ電解コンデンサ、12はフィルム状基板へのコンデンサの接続位置、20はフィルム状基板、21は電源用半導体、22はヘリカル構造のインダクタ、24は入力端子、25は出力端子、そして26は絶縁コーティングである。
【0038】
図2は、本実施例1に用いた機能性高分子アルミ電解コンデンサを示し、図2(a)はその端子電極の位置を模式的に示す平面図、図2(b)はその断面図である。2はアルミニウム金属箔、3はアルミ酸化皮膜、4は機能性高分子層、5はカーボン導電層、6は銀ペースト導電層、7は絶縁皮膜、8は陽極端子、9は陰極端子、10はアルミニウム金属箔に設けられた貫通孔である。
【0039】
図3は、本実施例1の直流電源装置における回路の概略図である。
【0040】
まず、2つの高容量コンデンサを内蔵する長さ6mm、幅3mm、総厚400μmの機能性高分子アルミ電解コンデンサを作製し、このコンデンサの接続端子以外を有機物で絶縁コーティングして用いた。このとき、図2(b)に示したように、陽極端子と陰極端子の対が対称の位置に配設されている。
【0041】
図1に基づいて説明する。フィルム状基板20は25μm厚みのポリイミド系ベース材料上に圧延法により30μm銅箔でパターニングを施した。その後、はんだ付け用ランド以外をポリイミド系カバー材で15μmの厚みになるようにカバーコートした。
【0042】
次に、電源用半導体21である同期整流型降圧DC−DCコンバータ用ICのベアチップや、0.4mm厚みの薄膜磁性体の上に絶縁被覆された80μmの銅細線コイルを巻線したヘリカル構造のインダクタ22と共に、はんだ付けした。さらに、部品が実装されたフレキシブル基板上を50μm厚の液状封止材料でコーティングし耐湿性を向上させた構造の薄型電源とした。
【0043】
次に、ここで使用した機能性高分子アルミ電解コンデンサの詳細を図2に基づいて説明する。アルミニウム純度が99.9%以上の高純度のアルミニウム金属箔2(厚み200μm)の所定位置に1mm径の貫通孔10をあけ、端子形成部分に銅を3μmの厚みでスパッタした。貫通孔10の端面を含む所定個所を陰極と陽極との絶縁分離のために絶縁コーティングして、その後、表面をエッチングで粗面化し100倍以上に実効面積を拡大し、直流電解法により陽極酸化することで誘電体皮膜であるアルミ酸化皮膜3を形成した。
【0044】
次に、高電導度を有する機能性高分子層4を形成し、誘電体皮膜を形成した部分に所定形状のカーボン導電層5を形成、さらにその上に所定形状の銀ペースト導電層6を形成した。この途中工程での出来上り厚みは300μmであった。貫通孔10は22μFのコンデンサの陰極を10μF側に引き出すために用いるものであり、前述の銀ペースト導電層形成時に貫通孔10にも銀ペーストを充填した。
【0045】
1つの機能性高分子電解コンデンサの中に2つの高容量コンデンサ素子を製造する方法は、片側の10μFコンデンサが形成された銀ペースト上の接続部分を露出させ10μF用の陰極とし、10μFのコンデンサの反対側に形成された22μFが形成された側の銀ペーストをコンデンサの貫通孔10を通して10μF側の所定位置に露出させ22μF用の陰極とした。陽極端子8は誘電体皮膜が形成されていないアルミニウム金属箔2の素材部分を用いた。但し、既述のようにアルミニウム金属箔素材端部の所定位置に銅スパッタした部分を10μF用の陽極および22μF用の陽極とした。
【0046】
内蔵する高容量コンデンサのうち10μFという容量が小さい方のコンデンサの容量調整はカーボン導電層5および銀ペースト導電層6を形成する部分の面積を小さくすることで行った。
【0047】
最後に、端子として使用する部分を除く全てを、40μmの厚みで絶縁コーティングして用いた。出来上がり厚みが既述の通り400μmであった。
【0048】
次に、他の電力変換用部品の形状等について詳細を述べる。インダクタには、上述のようにヘリカル構造の薄膜磁心インダクタを用いた。このインダクタは長さ5mm、幅2mm、厚み0.4mmの薄膜磁心に80μm径の絶縁被覆した銅細線を100ターン巻きつけた構造とし、インダクタンスが10μHになるよう作製し用いた。
【0049】
電源用半導体21については、市販の出力電圧固定用の同期整流型DC−DCコンバータ用IC(リコー製)を用いた。DC−DCコンバータ用ICのベアチップ形状は長さ3.0mm、幅2.9mm、高さ0.6mmのものである。
【0050】
出来上がった高容量コンデンサと基板とを含めた厚みが500μmであり、また最終的な電源の形状は長さ9.5mm、幅7mm、高さ800μmの薄型であり、電気的には4V入力、1.5Vの単出力電圧電源であった。この小型電源は、85%の高効率の電源として駆動した。後述する比較例と比べると、特性的には従来製品とほぼ同等の効率を示しながら、形状も小さく、厚みが十分に薄い電源が得られた。
【0051】
(実施例2)以下、本発明の実施例2を説明する。
【0052】
図4は、本発明による出力電圧可変型の直流電源装置の構成を模式的に示す図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面断面図である。ここで、23は積層チップインダクタ、27は低容量積層チップコンデンサ、28は印刷チップ抵抗であり、他の符号は、既に説明した図面と共通である。
【0053】
図5は、本実施例2に用いた機能性高分子アルミ電解コンデンサを示し、図5(a)は端子電極の位置を模式的に示す平面図、図5(b)は模式的断面図である。
【0054】
図6は、本実施例2の直流電源装置における回路の概略図である。
【0055】
まず、長さ4mm、幅2mm、総厚300μmで静電容量10μF、および、長さ4mm、幅3mm、総厚300μmで静電容量22μFの2種類の高容量機能性高分子アルミ電解コンデンサを作製して、これらのコンデンサの接続端子以外を有機物で絶縁コーティングして用いた。
【0056】
図4を基に説明する。フィルム状基板20は、25μm厚みのポリイミド系ベース材料上に圧延法により30μm銅箔でパターニングを施し、コンデンサを接続するランド部分に3mm径のスルーホールをあけた。その後、はんだ付け用ランド以外をポリイミド系カバー材で15μmの厚みになるようにカバーコートした。
【0057】
次に、機能性高分子アルミ電解コンデンサ1をフィルム状基板20に接着層の厚みが約10μmになるように絶縁接着剤で固定して、コンデンサの端子電極と基板のスルーホールを有するランド部分とを導電接着剤を用いて接合した。
【0058】
次に、機能性高分子アルミ電解コンデンサ1を固定してある反対面の所定個所に250μmの厚みではんだペーストを印刷し、電源用半導体21である同期整流型降圧DC−DCコンバータ用ICのベアチップ、10μHの積層チップインダクタ23、低容量積層チップコンデンサ27、印刷チップ抵抗28をリフロー炉にてはんだ付けした。さらに、部品が実装されたフレキシブル基板上を100μm厚の液状封止材料でコーティングし、耐湿性を向上させた構造の薄型直流電源とした。
【0059】
引き続き、ここで使用した機能性高分子アルミ電解コンデンサの詳細を図5に基づいて説明する。このコンデンサは、平板型である。アルミニウム純度が99.9%以上を有する高純度アルミニウム金属箔2の所定個所の表面をエッチングで粗面化し100倍以上に実効面積を拡大し、直流電解法により陽極酸化することで誘電体皮膜であるアルミ酸化皮膜3を形成した。
【0060】
次に、高電導度の機能性高分子層4を形成し、所定部分をカーボン導電層5および銀ペースト導電層6でコーティングした。アルミニウム金属箔2を挟んで両側に形成された2つの陰極を、厚み10μmの片面を絶縁被覆したアルミ箔11の絶縁被覆側をアルミニウム金属箔2の側に向けて導電接着剤を用いて固着した。その後、所定の端子部分以外を絶縁コーティングした。
【0061】
次に、機能性高分子電解コンデンサ以外に使用する電力変換用部品の形状等の詳細を示す。積層チップインダクタ23の形状は、長さ1.6mm、幅0.8mm、高さ0.8mmである。電源用半導体については、市販の出力電圧可変用の同期整流型DC−DCコンバータ用IC(リコー製)を用いた。DC−DCコンバータ用ICのベアチップ形状は、長さ3.0mm、幅2.9mm、高さ0.6mmのものである。その他に、長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmの低容量積層チップコンデンサ27を1個と印刷チップ抵抗28を3個用いた。
【0062】
出来上がった高容量コンデンサと基板との総厚は400μmであり、また最終的な電源の形状は長さ7mm、幅5mm、高さ1.3mmの小型電源であった。電気的には4V入力、1.2〜4Vの可変電圧が得られ、この小型電源は90%の高効率の電源として駆動した。後述する比較例と比べると、特性的には従来製品とほぼ同等の効率を示しながら、形状も小さく、厚みも十分に小さい電源が得られた。
【0063】
(比較例)比較例として、従来型の直流電源装置である作製例を図7に示す。図7(a)はその平面図、図7(b)はその断面図である。この比較例に使用した回路は、実施例2の回路(図6参照)と同等である。この比較例では、実施例2の直流電源装置と同等の回路を一般に市販されている電子部品で構成した。
【0064】
高容量積層チップコンデンサ29としては低背型高容量積層セラミックコンデンサを利用し、22μF/6.3V、および10μF/6.3V品の2種類のコンデンサを用いた。形状は両者ともに長さ3.2mm、幅2.5mm、高さ2.0mmである。積層チップインダクタ23には表面実装型の積層チップインダクタを採用し、10μH品を用いた。形状は長さ1.6mm、幅0.8mm、高さ0.8mmである。
【0065】
電源用半導体21は、実施例2と同じ出力電圧可変用の同期整流型DC−DCコンバータ用ICのパッケージ品を用いた。パッケージ形状は長さ3.0mm、幅2.9mm、高さ0.9mmのものである。
【0066】
その他に、長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmの低容量積層チップコンデンサ27を1個と、印刷チップ抵抗28を3個用いた。基板としては、回路パターンが形成されている長さ9mm、幅8mm、高さ0.6mmのものを用いた。
【0067】
出来上がった高容量コンデンサと基板とを含めた厚みは2.7mmであり、電源装置としての形状はトランスファーモールド部および電源端子を含め長さ11mm、幅7mm、厚み4mmという形状の大きなものに仕上がった。電気的には4V入力、1.2〜4Vの可変電圧が得られ、90%の高効率の電源として駆動した。外形が大きくなった理由は、前述の部品の選定からも分るように高容量積層セラミックコンデンサや基板や外装の寸法によっていることが分る。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、高容量の機能性高分子電解コンデンサとフィルム状基板とを本発明のとおり構成することで薄型の構造体として形成でき、さらに他の電力変換用部品の搭載を自由に選定し実装することが可能となり、軽量化および小型化が促進された直流電源装置を効率良く生産できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の直流電源装置を模式的に示す図。図1(a)はその平面図、図1(b)はその正面断面図。
【図2】実施例1に用いた機能性高分子アルミ電解コンデンサを示す図。図2(a)はその端子電極の位置を模式的に示す平面図、図2(b)はその模式的断面図。
【図3】実施例1の直流電源装置における回路の概略図。
【図4】実施例2の直流電源装置を模式的に示す図。図4(a)は平面図、図4(b)は正面断面図。
【図5】実施例2に用いた機能性高分子アルミ電解コンデンサを示す図。図5(a)は端子電極の位置を模式的に示す平面図、図5(b)は模式的断面図。
【図6】実施例2の直流電源装置における回路の概略図。
【図7】比較例の直流電源装置を示す図。図7(a)は平面図、図7(b)はその断面図。
【符号の説明】
1 機能性高分子アルミ電解コンデンサ
2 アルミニウム金属箔
3 アルミ酸化皮膜
4 機能性高分子層
5 カーボン導電層
6 銀ペースト導電層
7 絶縁皮膜
8 陽極端子
9 陰極端子
10 貫通孔
11 片面を絶縁被覆したアルミ箔
12 コンデンサの接続位置
20 フィルム状基板
21 電源用半導体
22 ヘリカル構造のインダクタ
23 積層チップインダクタ
24 入力端子
25 出力端子
26 絶縁コーティング
27 低容量積層チップコンデンサ
28 印刷チップ抵抗
29 高容量積層チップコンデンサ

Claims (7)

  1. 電源用半導体、コンデンサ、インダクタを含む電力変換用部品および基板を有する直流電源装置において、前記コンデンサとして高容量で薄型の機能性高分子電解コンデンサを用いたことを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記機能性高分子電解コンデンサは、内部に1つ以上の機能性高分子電解コンデンサの要素を有し、各要素の全ての端子は前記機能性高分子電解コンデンサの一平面に集約して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記機能性高分子電解コンデンサは、絶縁被覆を有し、厚みが500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の直流電源装置。
  4. 前記機能性高分子電解コンデンサは、陽極金属箔の貫通孔に配設された導電材を用いてなる陰極端子を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の直流電源装置。
  5. 前記機能性高分子電解コンデンサの一平面に集約された端子は、陽極端子と陰極端子の対が対称の位置に配設されたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の直流電源装置。
  6. 前記機能性高分子電解コンデンサの各端子の実装面の高さは、ほぼ一定であることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の直流電源装置。
  7. 前記基板はフィルム状基板の上に金属等のパターンが配設されてなり、総厚が150μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の直流電源装置。
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JP2013089705A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Nec Tokin Corp 固体電解コンデンサ

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