JP2004193592A - レーザ照射装置、レーザ照射方法及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

レーザ照射装置、レーザ照射方法及び半導体装置の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ビームスポットの面積を飛躍的に広げ、結晶性の劣る領域の占める割合を低減することができるレーザ照射装置の提供を課題とする。また連続発振のレーザ光を用いつつ、スループットをも高めることができる、レーザ照射装置の提供を課題とする。さらに本発明は、該レーザ照射装置を用いたレーザ照射方法及び半導体装置の作製方法の提供を課題とする。
【解決手段】 高調波のパルス発振の第1のレーザ光により溶融した領域に、連続発振の第2のレーザ光を照射する。具体的に第1のレーザ光は、可視光線と同程度かそれより短い波長(780nm以下程度)を有する。第1のレーザ光によって半導体膜が溶融することで、第2のレーザ光の半導体膜への吸収係数が飛躍的に高まり、第2のレーザ光が半導体膜に吸収されやすくなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は半導体膜の結晶化に用いられるレーザ照射装置に関する。また該レーザ照射装置を用いたレーザ照射方法及び半導体装置の作製方法に関する。
多結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(多結晶TFT)は、非晶質半導体膜を用いたTFTに比べて移動度が2桁以上高く、半導体表示装置の画素部とその周辺の駆動回路を同一基板上に一体形成できるという利点を有している。多結晶半導体膜は、レーザアニール法を用いることで、安価なガラス基板上に形成することができる。
レーザはその発振方法により、パルス発振と連続発振の2種類に大別される。エキシマレーザに代表されるパルス発振のレーザは、連続発振のレーザと比べて、単位時間あたりのレーザ光の出力エネルギーが3〜6桁程度高い。よって、ビームスポット(被処理物の表面において実際にレーザ光が照射される領域)を数cm角の矩形状や、長さ100mm以上の線状となるように光学系にて成形し、半導体膜へのレーザ光の照射を効率的に行い、スループットを高めることができる。そのため、半導体膜の結晶化には、パルス発振のレーザを用いるのが主流となりつつあった。
なお、ここでいう「線状」は、厳密な意味で「線」を意味しているのではなく、アスペクト比の大きい長方形(もしくは長楕円形)を意味する。例えば、アスペクト比が2以上(好ましくは10〜10000)のものを線状と呼ぶが、線状が矩形状に含まれることに変わりはない。
しかし、このようにパルス発振のレーザ光を用いて結晶化された半導体膜は、複数の結晶粒が集合して形成されており、その結晶粒の位置と大きさはランダムなものである。結晶粒内と比較して、結晶粒の界面(結晶粒界)は非晶質構造や結晶欠陥などに起因する再結合中心や捕獲中心が無数に存在している。この捕獲中心にキャリアがトラップされると、結晶粒界のポテンシャルが上昇し、キャリアに対して障壁となるため、キャリアの輸送特性が低下するという問題がある。
上記問題が背景にあり、連続発振のレーザを一方向に走査させながら半導体膜に照射することで、走査方向に向かって結晶を連続的に成長させ、該走査方向に沿って長く延びた単結晶からなる結晶粒の集まりを形成する技術が、近年注目されている。上記方法を用いることで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜が形成できると考えられている。
ところで、半導体膜に対するレーザ光の吸収係数は、大きいほど半導体膜の結晶化を効率良く行なうことができるので、好ましい。吸収係数は半導体膜の材料及び膜厚によっても異なる。半導体装置に通常用いられる数十〜数百nm厚の珪素膜をYAGレーザやYVO4レーザで結晶化させる場合、基本波よりも波長が短い第2高調波の方が吸収係数が高く、効率良く結晶化を行なうことができる。
しかし高調波に変換されたレーザ光は、基本波の場合に比べてエネルギーが低く、ビームスポットの面積を広げてスループットを高めることが難しい。特に連続発振のレーザは、パルス発振のレーザに比べて、単位時間あたりのレーザ光の出力エネルギーが低いため、この傾向が顕著である。例えばNd:YAGレーザの場合、基本波(波長:1064nm)から第2高調波(波長:532nm)への変換効率は50%前後である。また、高調波に変換する非線形光学素子のレーザ光に対する耐性が著しく低いため、例えば連続発振のYAGレーザは、基本波を10kW出力できるのに対し、第2高調波の出力エネルギーは10W程度しか得られない。そのため、半導体膜の結晶化に必要なエネルギー密度を得るためにはビームスポットの面積を10-3mm2程度と小さくしなければならず、スループットの面でパルス発振のエキシマレーザと比べ劣っている。
また、走査方向に対して垂直方向におけるビームスポットの両端には、ビームスポットの中心と比較して結晶粒が著しく小さく、結晶性の劣っている領域が形成される。この領域に半導体素子を形成しても高い特性は期待できない。よって、半導体素子のレイアウト上の制約を緩和するために、レーザ光が照射された領域全体に占める、該結晶性の劣っている領域の割合を減らすことが重要である。
本発明は上述した問題に鑑み、ビームスポットの面積を飛躍的に広げ、結晶性の劣る領域の占める割合を低減することができるレーザ照射装置の提供を課題とする。また連続発振のレーザ光を用いつつ、スループットをも高めることができる、レーザ照射装置の提供を課題とする。さらに本発明は、該レーザ照射装置を用いたレーザ照射方法及び半導体装置の作製方法の提供を課題とする。
本発明のレーザ照射方法は、高調波のパルス発振の第1のレーザ光により溶融した領域に、連続発振の第2のレーザ光を照射する。具体的に第1のレーザ光は、可視光線と同程度かそれより短い波長(830nm、好ましくは780nm以下程度)を有する。第1のレーザ光によって半導体膜が溶融することで、第2のレーザ光の半導体膜への吸収係数が飛躍的に高まり、第2のレーザ光が半導体膜に吸収されやすくなる。
図8(A)に、レーザ光の波長(nm)に対する、非晶質珪素膜の吸収係数(cm-1)の値を示す。また図8(B)に、レーザ光の波長(nm)に対する、多結晶珪素膜の吸収係数(cm-1)の値を示す。なお、測定は分光エリプソメーターで得られる消衰係数から求めた。図8(A)、図8(B)から、吸収係数が1×104cm-1以上であれば、第1のレーザ光により半導体膜を十分溶融させることができると考えられる。この数値範囲の吸収係数を得るためには、非晶質珪素膜の場合、第1のレーザ光の波長を780nm以下とするのが望ましいと考えられる。なお、第1のレーザ光の波長と吸収係数の関係は、半導体膜の材料および結晶性等などによって異なる。よって第1のレーザ光の波長はこれに限定されず、吸収係数が1×104cm-1以上となるように適宜第1のレーザ光の波長を設定すれば良い。
また本発明のレーザ照射装置は、可視光線以下の波長である第1のレーザ光をパルス発振する第1のレーザ発振器と、基本波である第2のレーザ光を連続発振する第2のレーザ発振器を有している。第1のレーザ光のビームスポットと第2のレーザ光のビームスポットは、それぞれ対応する第1及び第2の光学系によって、その形状及び位置が制御される。そして第1のレーザ光と第2のレーザ光は、上記2つの光学系によってビームスポットが互いに重なっている。さらに本発明のレーザ照射装置は、第1のレーザ光のビームスポット及び第2のレーザ光のビームスポットの被処理物に対する相対的な位置を制御する手段を有している。
これにより、第1のレーザ光により溶融した部分が、連続発振である第2のレーザ光の照射により溶融状態が維持されたまま半導体膜中で移動するので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒が形成される。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
溶融状態の維持できる時間はパルス発振のレーザと連続発振のレーザの出力のバランスにより決まる。溶融状態の維持できる時間内で、次のパルス発振のレーザが半導体膜に照射されれば、前記溶融状態は保持されたまま半導体膜のアニールを続けることができる。極端な場合、一旦パルスレーザで半導体膜を溶融させれば、その後は、基本波の照射のみで、溶融状態が維持できる条件もあり得る。この場合、パルスレーザは1ショットのみ照射し、その後は連続発振のレーザで溶融状態を維持させればよい。
なお高次の高調波ほどエネルギーが低くなるため、第1のレーザ光は、その基本波の波長が1μm程度である場合、第2高調波が最も望ましい。しかし本発明はこれに限定されず、第1のレーザ光は可視光線以下の波長を有していれば良い。また第2のレーザ光は、第1のレーザ光に対するエネルギーの補助という目的からして、半導体膜への吸収係数よりも出力されるパワーが重要視される。よって、第2のレーザ光は基本波を用いるのが最も望ましい。しかし本発明はこれに限定されず、第2のレーザ光は基本波であっても高調波であってもよい。
第2のレーザ光に基本波を用いる場合、波長を変換する必要がないので、非線形光学素子の劣化を考慮してエネルギーを抑えなくともよい。例えば第2のレーザ光は、連続発振の可視光線以下のレーザと比較して出力が100倍以上(例えば出力1000W以上)の出力とすることも可能である。よって非線形光学素子のメンテナンスの煩雑さをなくし、半導体膜に吸収されるレーザ光のトータルのエネルギーを高めることができ、より大粒径の結晶を得ることができる。
またパルス発振は連続発振に比べて、発振されるレーザ光の、単位時間あたりのエネルギーが高い。また高調波と基本波では、高調波の方がエネルギーは低く、基本波の方がエネルギーは高い。本発明では、高調波または可視光線以下の波長を有するレーザ光はパルス発振とし、基本波のレーザ光は連続発振とすることで、高調波と基本波を共に連続発振とする構成や、高調波を連続発振とし基本波をパルス発振とする構成に比べて、高調波のビームスポットと基本波のビームスポットが互いに重なり合う領域の広さを確保することができる。
連続発振のYAGレーザとパルス発振のエキシマレーザを例に挙げて、2つのレーザによって形成される2つのビームスポットの重なりについて説明する。
図1(A)に、基本波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット10と、第2高調波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット11を重ねている様子を示す。基本波のYAGレーザは10kW程度の出力エネルギーを得ることができ、また、第2高調波のYAGレーザは、10W程度の出力エネルギーを得ることができる。
そして、レーザ光のエネルギーは100%半導体膜に吸収されるものと仮定すると、各レーザ光のエネルギー密度を0.01〜100MW/cm2とすることで、半導体膜の結晶性の向上を図ることができる。よってここでは、エネルギー密度を1MW/cm2とする。
そして基本波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット10の形状を矩形と仮定し、その短軸方向の長さをLX1、長軸方向の長さをLY1とすると、上記エネルギー密度を満たすためには、LX1は20μm〜100μmとし、例えばLX1=20μmの場合だとLY1=50mm程度、LX1=30μmの場合だとLY1=30mm程度とするのが適当である。
また高調波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット11の形状を矩形と仮定し、その短軸方向の長さをLX2、長軸方向の長さをLY2とすると、上記エネルギー密度を満たすためには、LX2は20μm〜100μmとし、例えばLX2=10μmの場合だとLY2=100μm程度とするのが適当である。
基本波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット10と、第2高調波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット11とが重なる領域の面積は、ビームスポット11が完全にビームスポット10に重なっていると仮定すると、ビームスポット11の面積に相当する。
次に、図1(B)に、基本波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット10と、パルス発振のエキシマレーザのビームスポット12を重ねている様子を示す。パルス発振のエキシマレーザは、1パルスあたり1J程度の出力エネルギーを得ることができる。また、パルス幅を30ns程度とすると、単位時間あたりの出力は30MWとなる。よって、パルス発振のエキシマレーザのビームスポット12の形状を矩形と仮定し、その短軸方向の長さをLX3、長軸方向の長さをLY3とすると、上記エネルギー密度を満たすためには、LX3は20μm〜500μmとし、例えばLX3=400μmの場合だとLY3=300mm程度とするのが適当である。
基本波を有する連続発振のYAGレーザのビームスポット10と、パルス発振のエキシマレーザのビームスポット12とが重なる領域の面積は、ビームスポット10が完全にビームスポット12に重なっていると仮定すると、ビームスポット10の面積に相当する。
よって、図1(A)のように第1のレーザ光と第2のレーザ光を共に連続発振とするよりも、本発明のように第1のレーザ光を連続発振、第2のレーザ光をパルス発振としたほうが、2つのレーザ光の重なる領域を大幅に広げることが可能であり、スループットをより高めることができる。
なおレーザ光は2つに限定されず、2つ以上であれば良い。高調波を有する第1のレーザ光を複数用いたり、第2のレーザ光を複数用いたりしていても良い。
なおビームスポットを線状とすることで、走査方向に結晶化された結晶粒が集まっている領域の、前記ビームスポットの長軸方向における幅を、できるだけ広くとることができる。つまり、長軸の両端に形成される結晶性の劣った領域の、全ビームスポットに占める面積の割合を、低減させることができると言える。しかし本発明においてビームスポットの形状は線状に限定されず、矩形状や面状であっても被照射体に対して十分なアニールを行なえるのであれば問題はない。
なお第1のレーザ光は、パルス発振のArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YalO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることで得られる。
また第2のレーザ光は、連続発振のArレーザ、Krレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YalO3レーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザまたはヘリウムカドミウムレーザを用いることで得られる。
なお連続発振のレーザによる半導体膜の結晶化工程において、ビームスポットを一方向に長い楕円状または矩形状に加工し、該ビームスポットの短軸方向に走査させて半導体膜を結晶化させるとスループットを高めることができる。加工後のレーザビームの形状が楕円状になるのは、元のレーザ光の形状が円形もしくはそれに近い形状であるからである。レーザ光の元の形状が長方形状であれば、それをシリンドリカルレンズなどで1方向に拡大することでさらに長軸がさらに長くなるように加工してから、用いても良い。また複数のレーザビームをそれぞれ一方向に長い楕円状または矩形状に加工し、それらをつなげて一方向にさらに長いビームを作って、スループットをより高めるようにしても良い。
本発明では、半導体膜に吸収されやすい可視光線以下の波長を有する、パルス発振の第1のレーザ光を照射することで半導体膜を溶融し、基本波の吸収係数を高める。第1のレーザ光をパルス発振とすることで、連続発振のときよりもビームスポットの面積を飛躍的に広く取ることができる。そしてその溶融した状態で基本波を有する第2のレーザ光を照射することで、基本波の吸収係数が高められた半導体膜に第2のレーザ光が効率良く吸収される。よって、ビームスポットの長軸を長く取ることができるため、レーザ結晶化のスループットを高めることができ、またデザインルールの緩和に有効である。
また第1のレーザ光によって溶融し、吸収係数が高められた領域を、第2のレーザ光を走査することで移動させることができ、該走査方向に結晶成長した結晶粒が敷き詰められた領域を形成することができる。さらに、第1のレーザ光の照射が途絶えた後も、その溶融して吸収係数が高められた領域を、第2のレーザ光の走査によりある程度一方向に移動させることができる。
また第2のレーザ光を基本波とすることで、高調波への変換に用いる非線形光学素子の耐性を考慮する必要はなく、第2のレーザ光として、非常に大出力のレーザ、例えば高調波の100倍以上のエネルギーのものを用いることができる。そして、非線形光学素子の変質によるメンテナンスの煩雑さがなくなる。特に、メンテフリーの状態を長く保てるという固体レーザの利点を、生かすことができる。
(実施の形態1)
図2を用いて、本発明のレーザ照射装置の構成について説明する。
101はパルス発振のレーザ発振器であり、本実施の形態では、6WのNd:YLFレーザを用いる。レーザ発振器101は、TEM00の発振モードで、非線形光学素子により第2高調波に変換されている。特に第2高調波に限定する必要はないがエネルギー効率の点で、第2高調波の方が、さらに高次の高調波と比較して優れている。周波数は1kHz、パルス幅は60ns程度である。本実施の形態では、出力が6W程度の固体レーザを使用するが、出力が300Wに達するような大型レーザ、例えばXeClエキシマレーザなどを用いてもよい。
なお非線形光学素子は、発振器が有する共振器内に設けていても良いし、基本波の共振器の外に別途非線形光学素子を備えた共振器を設けていても良い。前者は装置が小型になり、共振器長の精密制御が不要になるという利点を有し、後者は基本波と高調波の相互作用を無視できるという利点を有する。
非線形光学素子には、非線形光学定数の比較的大きいKTP(KTiOPO4)、BBO(β−BaB24)、LBO(LiB35)、CLBO(CsLiB610)、GdYCOB(YCa4O(BO33)、KDP(KD2PO4)、KB5、LiNbO3、Ba2NaNb515等の結晶が用いられており、特にLBOやBBO、KDP、KTP、KB5、CLBO等を用いることで基本波から高調波への変換効率を高めることができる。
レーザ光は通常水平方向に射出されることから、レーザ発振器101から発振された第1のレーザ光は、反射ミラー102にて、鉛直方向からの角度(入射角)がθ1となる方向に、その進行方向が変換される。本実施の形態では、θ1=21°とする。進行方向が変換された第1のレーザ光は、レンズ103によりそのビームスポットの形状が加工され、被処理物104に照射される。図2では、反射ミラー102とレンズ103とが第1のレーザ光のビームスポットの形状及び位置を制御する光学系に相当する。
図2では、レンズ103として平凹シリンドリカルレンズ103aと、平凸シリンドリカルレンズ103bを用いている。
平凹シリンドリカルレンズ103aは、曲率半径10mm、厚さ2mmであり、第1のレーザ光の進行方向を光軸としたときに、被処理物104の表面から光軸に沿って29mmの位置に配置されている。そして平凹シリンドリカルレンズ103aの母線と被処理物104に入射する第1のレーザ光の入射面とを垂直とする。
平凸シリンドリカルレンズ103bは、曲率半径15mm、厚さ2mmであり、被処理物104の表面から光軸に沿って24mmの位置に配置されている。そして平凸シリンドリカルレンズ103bの母線は、被処理物104に入射する第1のレーザ光の入射面と平行とする。
これにより、被処理物104において3mm×0.2mmのサイズの第1のビームスポット106が形成される。
また110は、連続発振のレーザ発振器であり、本実施の形態では2kW、基本波のNd:YAGレーザを用いる。レーザ発振器110から発振された第2のレーザ光は、φ300μmの光ファイバー111により伝送される。光ファイバー111は、鉛直方向に対する射出口の向きが角度θ2となるように配置されている。本実施の形態ではθ2=45°とする。また光ファイバー111の射出口は、レーザ発振器110から射出する第2のレーザ光の光軸に沿って被処理物104から105mmの位置に配置されており、該光軸は入射面に含まれるようにする。
光ファイバー111から出射した第2のレーザ光は、レンズ112によりそのビームスポットの形状が加工され、被処理物104に照射される。図2では、光ファイバー111とレンズ112とが第2のレーザ光のビームスポットの形状及び位置を制御する光学系に相当する。
図2では、レンズ112として平凸シリンドリカルレンズ112aと、平凸シリンドリカルレンズ112bを用いている。
平凸シリンドリカルレンズ112aは、曲率半径15mm、厚さ4mmであり、被処理物104の表面から第2のレーザ光の光軸に沿って85mmの位置に配置されている。平凸シリンドリカルレンズ112aの母線の方向は入射面と垂直とする。
平凸シリンドリカルレンズ112bは、曲率半径10mm、厚さ2mmであり、被処理物104の表面から第2のレーザ光の光軸に沿って25mmの位置に配置されている。
これにより、被処理物104において、3mm×0.1mmのサイズの第2のビームスポット105が形成される。
本実施の形態では、被処理物104として半導体膜が成膜された基板を、水平面と平行になるように設置する。半導体膜は例えば、ガラス基板の表面に成膜する。半導体膜が成膜された基板は、厚さ0.7mmのガラス基板であり、レーザ照射の際に基板が落ちないように、吸着ステージ107に固定されている。
吸着ステージ107は、X軸用の一軸ロボット108とY軸用の一軸ロボット109により、被処理物104に平行な面内においてXY方向に移動が可能である。
なお、レーザ光に対して透光性を持つ基板上に成膜された半導体膜をアニールする場合、均一なレーザ光の照射を実現するためには、照射面に垂直な平面であって、かつビームの形状を長方形と見立てたときの短辺を含む面または長辺を含む面のいずれか一方を入射面と定義すると、前記レーザ光の入射角φは、入射面に含まれる前記短辺または前記長辺の長さがW、前記照射面に設置され、かつ、前記レーザ光に対して透光性を有する基板の厚さがdであるとき、φ≧arctan(W/2d)を満たすのが望ましい。複数のレーザ光を使用する場合、この議論は個々のレーザ光について成り立つ必要がある。なお、レーザ光の軌跡が、前記入射面上にないときは、該軌跡を該入射面に射影したものの入射角度をφとする。この入射角度φでレーザ光が入射されれば、基板の表面での反射光と、前記基板の裏面からの反射光とが干渉せず、一様なレーザ光の照射を行なうことができる。以上の議論は、基板の屈折率を1として考えた。実際は、基板の屈折率が1.5前後のものが多く、この数値を考慮に入れると上記議論で算出した角度よりも大きな計算値が得られる。しかしながら、ビームスポットのエネルギーはビームスポットの端に近づくに従い減衰があるため、この部分での干渉の影響は少なく、上記の算出値で十分に干渉減衰の効果が得られる。この議論は、第1のレーザ光に対しても、第2のレーザ光に対しても成り立ち両方とも上記不等式を満たしているほうが好ましいが、エキシマレーザのように極端にコヒーレント長の短いレーザに関しては、上記不等式を満たさなくても問題はない。上記のφに対する不等式は、基板がレーザ光に対して透光性を有する場合にのみ適用される。
一般に、ガラス基板は波長が1μm程度の基本波や緑色の第2高調波に対して透光性を有する。本レンズが不等式を満たすためには、平凸シリンドリカルレンズ103bと平凸シリンドリカルレンズ112bの位置を入射面と垂直な方向にずらしてビームスポットの短軸を含む被処理物104の表面に垂直な面内において入射角度φ1、φ2を持たせ、不等式を満たすようにすればよい。この場合、第1のビームスポット106においては、φ1=10°、第2のビームスポット105においてはφ2=5°程度の傾きがあれば、干渉は起こらない。
なお第1のレーザ光と第2のレーザ光は、安定形共振器から得られるTEM00モード(シングルモード)であることが望ましい。TEM00モードの場合、レーザ光はガウス形の強度分布を持ち、集光性に優れているため、ビームスポットの加工が容易となる。
被処理物104として半導体膜が成膜された基板を用いる場合、例えば、厚さ0.7mmのガラス基板の片面に、厚さ200nmの酸化窒化珪素を成膜し、その上に半導体膜として、厚さ70nmの非晶質珪素(a-Si)膜を、プラズマCVD法を用いて成膜する。さらに半導体膜のレーザに対する耐性を高めるために、500℃、1時間の熱アニールを該非晶質珪素膜に対して行なう。熱アニールの他に、触媒金属を用いた結晶化を施していてもよい。熱アニールを施した半導体膜でも、触媒金属を用いて結晶化された半導体膜でも、最適なレーザ光の照射条件はほぼ同様である。
そして、Y軸用の一軸ロボット109を用いて第2のビームスポット105の短軸方向に、被処理物104(半導体膜が成膜された基板)を走査する。このとき各レーザ発振器101、102の出力は仕様値とする。この被処理物104の走査により、第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105が、被処理物104の表面に対して相対的に走査されることになる。
第1のビームスポット106が当たっている領域において半導体膜が溶融することで、連続発振の第2のレーザ光の半導体膜への吸収係数が飛躍的に高まる。よって、走査方向に延びた、第2のビームスポット105の長軸に相当する幅1mm〜2mmの領域に、該走査方向に結晶成長した単結晶の結晶粒が敷き詰められた状態で形成される。
なお半導体膜のうち、第1ビームスポット106及び第2のビームスポット105が重なって照射される領域は、第2高調波の第1のレーザ光によって吸収係数が高められた状態が、基本波である第1のレーザ光によって維持されていることになる。よって、たとえ第2高調波の第1のレーザ光の照射が途絶えたとしても、その後基本波である第1のレーザ光によって、半導体膜が溶融して吸収係数が高められた状態が維持される。したがって、第2高調波の第1のレーザ光の照射が途絶えた後も、その溶融して吸収係数が高められた領域を、走査によりある程度一方向に移動させることができ、これにより走査方向に向かって成長した結晶粒が形成されることとなる。そして、吸収係数が高められた領域を、走査の過程において連続して維持しつづけるために、第2高調波の第1のレーザ光を再び照射し、エネルギーを補充するのが望ましい。
なお第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105の走査速度は、数cm/s〜数百cm/s程度が適当であり、ここでは50cm/sとする。
次に図3に、第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105の、被処理物104表面における走査経路を示す。被処理物104である半導体膜全面に第2のレーザ光を照射する場合、Y軸用の一軸ロボット109を用いて一方向への走査を行なった後、X軸用の一軸ロボット108を用いて、Y軸用の一軸ロボット109による走査方向に対して垂直の方向に、第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105をスライドさせる。
例えば、Y軸用の一軸ロボット109により走査速度50cm/sにて、半導体膜を一方向に走査する。図3において、該走査経路をA1で示す。次に、X軸用の一軸ロボット108を用いて、走査経路をA1に対して垂直の方向に第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105をスライドさせる。該スライドによる走査経路をB1で示す。次に、走査経路A1とは反対方向に向かって、Y軸用の一軸ロボット109により半導体膜を一方向に走査する。該走査経路をA2で示す。次に、X軸用の一軸ロボット108を用いて、走査経路をA2に対して垂直の方向に第1のビームスポット106及び第2のビームスポット105をスライドさせる。該スライドによる走査経路をB2で示す。このように、Y軸用の一軸ロボット109による走査とX軸用の一軸ロボット108による走査とを順に繰り返すことで、被処理物104全面に第2のレーザ光または第1のレーザ光を照射することができる。
なお、走査経路B1、B2…の長さは、第2のビームスポット105の長軸に相当する幅1mm〜2mm分とするのが望ましい。
第2のレーザ光が照射され、走査方向に成長した結晶粒が形成されている領域は、結晶性に非常に優れている。そのため、該領域をTFTのチャネル形成領域に用いることで、極めて高い電気移動度や、オン電流を期待できる。しかし半導体膜のうち、そのような高い結晶性が必要とされない部分が存在する場合、該部分にはレーザ光を照射しないようにしても良い。もしくは、走査の速度を増加させるなど、高い結晶性が得られないような条件でレーザ光の照射を行なうようにしても良い。例えば、2m/s程度の速度で走査させると、a-Si膜を結晶化させることができるが、上述したような走査方向に連続して結晶化されているような領域は形成されにくい。そして、走査速度を部分的に高めることで、スループットを更に高めることができる。
なおレーザ光の走査は、被処理物である基板を固定してレーザ光の照射位置を移動させる照射系移動型と、レーザ光の照射位置を固定して基板を移動させる被処理物移動型と、上記2つの方法を組み合わせた方法とがある。本発明のレーザ照射装置は、第1のレーザ光と第2のレーザ光の少なくとも2つのレーザ光を用いるので、光学系の構成が最も単純にすることができる被処理物移動型とするのが適している。しかし本発明のレーザ照射装置はこれに限定されず、光学系を工夫することで、照射系移動型としたり、被処理物移動型と照射系移動型を組み合わせたりすることも不可能ではない。いずれの場合においても、各ビームスポットの半導体膜に対する相対的な移動方向を制御できることが前提である。
なお本発明のレーザ照射装置における、光学系は、本実施の形態で示した構成に限定されない。
(実施の形態2)
次に図4を用いて、本発明のレーザ光の照射方法及び半導体装置の作製方法について説明する。
まず図4(A)に示すように、基板500上に下地膜501を成膜する。基板500には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、SUS基板等を用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
下地膜501は基板500中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。本実施の形態では、プラズマCVD法を用いて窒化酸化珪素膜を10〜400nm(好ましくは50〜300nm)の膜厚になるように成膜した。
なお下地膜501は単層であっても複数の絶縁膜を積層したものであっても良い。またガラス基板、SUS基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が多少なりとも含まれている基板を用いる場合、不純物の拡散を防ぐという観点から下地膜を設けることは有効であるが、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、必ずしも設ける必要はない。
次に下地膜501上に半導体膜502を形成する。半導体膜502の膜厚は25〜100nm(好ましくは30〜60nm)とする。なお半導体膜502は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01atomic%〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
次に図4(B)に示すように、本発明のレーザ照射装置を用いて半導体膜502に第1及び第2のレーザ光を照射し、結晶化を行なう。
本実施の形態では第1のレーザ光として、エネルギー6W、1パルスのエネルギー6mJ/p、TEM00の発振モード、第2高調波(527nm)、発振周波数1kHz、パルス幅60nsのYLFレーザを用いる。なお、第1のレーザ光を光学系により加工することで半導体膜502の表面に形成される第1のビームスポットは、短軸200μm、長軸3mmの矩形状とし、エネルギー密度を1000mJ/cm2とする。
また本実施の形態では、第2のレーザ光としてエネルギー2kW、基本波(1.064μm)のYAGレーザを用いる。なお、第2のレーザ光を光学系により加工することで半導体膜502の表面に形成される第2のビームスポットは、短軸100μm、長軸3mmの矩形状とし、エネルギー密度を0.7MW/cm2とする。
そして、半導体膜502の表面において、第1のビームスポットと第2のビームスポットを重ね合わせるように照射し、上記2つのビームを図4(B)に示した白抜きの矢印の方向に向かって走査する。第1のレーザ光により溶融することで、基本波の吸収係数が高められ、第2のレーザ光のエネルギーが半導体膜に吸収されやすくなる。そして連続発振である第2のレーザ光の照射により溶融した領域が半導体膜中で移動するので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒が形成される。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値のばらつきを抑えることができる。
上述した半導体膜502へのレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜503が形成される。
次に、図4(C)に示すように半導体膜503をパターニングし、島状の半導体膜507〜509が形成され、該島状の半導体膜507〜509を用いてTFTに代表される各種の半導体素子が形成される。
例えばTFTを作製する場合、次に図示しないが、島状の半導体膜507〜509を覆うようにゲート絶縁膜を成膜する。ゲート絶縁膜には、例えば酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用いることができる。また成膜方法は、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いることができる。
次に、ゲート絶縁膜上に導電膜を成膜しパターニングすることでゲート電極を形成する。そして、ゲート電極や、あるいはレジストを成膜しパターニングしたものをマスクとして用い、島状の半導体膜507〜509にn型またはp型の導電性を付与する不純物を添加し、ソース領域、ドレイン領域、さらにはLDD領域等を形成する。
上記一連の工程によってTFTを形成することができる。なお本発明の半導体装置の作製方法は、島状の半導体膜の形成以降の、上述したTFTの作製工程に限定されない。本発明のレーザ光の照射方法を用いて結晶化された半導体膜をTFTの活性層として用いることで、素子間の移動度、閾値及びオン電流のばらつきを抑えることができる。
なお第1のレーザ光と第2のレーザ光は、本実施の形態で示した照射条件に限定されない。
例えば第1のレーザ光として、エネルギー4W、1パルスのエネルギー2mJ/p、TEM00の発振モード、第2高調波(532nm)、発振周波数1kHz、パルス幅30nsのYAGレーザを用いることもできる。また例えば、第1のレーザ光として、エネルギー5W、1パルスのエネルギー0.25mJ/p、TEM00の発振モード、第3高調波(355nm)、発振周波数20kHz、パルス幅30nsのYVO4レーザを用いることもできる。また例えば、第1のレーザ光として、エネルギー3.5W、1パルスのエネルギー0.233mJ/p、TEM00の発振モード、第4高調波(266nm)、発振周波数15kHz、パルス幅30nsのYVO4レーザを用いることもできる。
そして、第2のレーザ光として、例えばエネルギー500W、基本波(1.064μm)のNd:YAGレーザを用いることができる。また例えば第2のレーザ光として、エネルギー2000W、基本波(1.064μm)のNd:YAGレーザを用いることができる。
また、レーザ光による結晶化の前に、触媒元素を用いた結晶化工程を設けても良い。触媒元素としては、ニッケル(Ni)を用いているが、その以外にも、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)といった元素を用いることができる。触媒元素を用いた結晶化工程の後に、レーザ光による結晶化工程を行なうと、触媒元素による結晶化の際に形成された結晶が、基板により近い側においてレーザ光の照射により溶融されずに残存し、該結晶を結晶核として結晶化が進む。よってレーザ光の照射による結晶化は基板側から半導体膜の表面に向かって均一に進みやすく、レーザ光による結晶化工程のみの場合に比べて、より半導体膜の結晶性を高めることができ、レーザ光による結晶化後の半導体膜表面の荒れが抑えられる。よって後に形成される半導体素子、代表的にはTFTの特性のばらつきがより抑えられ、オフ電流を抑えることができる。
なお、触媒元素を添加してから加熱処理を行なって結晶化を促進してから、レーザ光の照射により結晶性をより高めていても良いし、加熱処理の工程を省略しても良い。具体的には、触媒元素を添加してから加熱処理の代わりにレーザ光を照射し、結晶性を高めるようにしても良い。
なお本実施の形態では、半導体膜の結晶化に本発明のレーザ照射方法を用いた例を示したが、半導体膜にドーピングした不純物元素の活性化を行なうのに用いても良い。
本発明の半導体装置の作製方法は、集積回路や半導体表示装置の作製方法に用いることができる。特に、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等の半導体表示装置の画素部に設けられたトランジスタ等の半導体素子に用いた場合、画素部において照射されたレーザ光のエネルギーの分布に起因する横縞が、視認されるのを抑えることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、本発明のレーザ照射装置の一形態について説明する。
図5に本実施例のレーザ照射装置の構成を示す。本実施例では、パルス発振の可視光線以下の波長を有する第1のレーザ光が、レーザ発振器1520から発振される。また連続発振の第2のレーザ光が、2つのレーザ発振器1500、1501から発振されている。
なお本実施例では、レーザ発振器1520にエキシマレーザを用い、1パルスあたりの出力エネルギーを1J、パルス幅を30ns程度、従って単位時間あたりの出力を30MWとする。またレーザ発振器1500、1501には共にYAGレーザを用い、それぞれ出力エネルギーを10kWとする。
レーザ発振器1520から発振される第1のレーザ光は、ミラー1523において反射された後、光学系1524において矩形状、楕円形状または線状に集光され、被処理物1514に照射される。なお本実施例では、レーザ発振器1520とミラー1523との間に、第1のレーザ光を遮るシャッター1521が設けられているが、必ずしも設ける必要はない。また光学系1524は、線状、矩形状または楕円形状にビームスポットを集光し、エネルギー分布を均一にできるものであれば良い。
一方、レーザ発振器1500、1501から発振された第2のレーザ光は、それぞれビームエキスパンダー1508、1560に入射する。本実施例では、レーザ発振器1500、1501とビームエキスパンダー1508、1560との間に、第2のレーザ光を遮るシャッター1502、1503がそれぞれ設けられているが、必ずしも設ける必要はない。
そして、ビームエキスパンダー1508、1560によって、入射してきた第2のレーザ光の広がりを抑え、なおかつ、ビームの断面形状の大きさを調整することができる。
ビームエキスパンダー1508、1560から出射した第2のレーザ光は、シリンドリカルレンズ1509、1561において、そのビームの断面形状が矩形状、楕円形状または線状になるようにそれぞれ伸長される。そして、該伸長された第2のレーザ光は、ミラー1510、1562においてそれぞれ反射し、共にレンズ1511に入射する。入射したレーザ光はレンズ1511によって線状に集光され、レーザ照射室1513内の被処理物1514に照射される。本実施例ではレンズ1511としてシリンドリカルレンズを用いたが、ビームスポットを矩形状、楕円形状または線状にすることができるレンズであれば良い。
本実施例においては、ミラー1523、光学系1524が第1のレーザ光に対応する光学系に相当する。またビームエキスパンダー1508、1560、シリンドリカルレンズ1509、1561、ミラー1510、1562が、第2のレーザ光に対応する光学系に相当する。これら2つの光学系によって、第1のレーザ光により被処理物1514の表面に形成される第1のビームスポットと、第2のレーザ光により被処理物1514の表面に形成される第2のビームスポットとを重ね合わせることができる。
図7に、図5に示すレーザ照射装置において用いられる各ビームスポットの形状及びその配置の一例を示す。図7において、1570は第1のビームスポットに相当し、1571、1572はそれぞれ第2のビームスポットに相当する。図7では、第2のビームスポット1571と1572を、その長軸が一致するように、互いに一部重ね合わされている。そして、第2のビームスポット1571、1572を完全に覆うように、第1のビームスポット1570が重なっている。
本実施例では、第1のビームスポット1570の短軸方向の長さLX1570を400μm、長軸方向の長さLY1570を110mmとし、エネルギー密度を25MW/cm2程度とする。1パルスあたりのエネルギー密度に換算すると100〜1000mJ/cm2程度が適当である。また第2のビームスポット1571の短軸方向の長さLX1571を200μm、長軸方向の長さLY1571を60mmとし、エネルギー密度を0.1MW/cm2とする。また第2のビームスポット1571の短軸方向の長さLX1571を200μm、長軸方向の長さLY1571を60mmとし、エネルギー密度を0.1MW/cm2とする。そして第2のビームスポット1571、1572は、互いに20mm分重なっており、第2のビームスポット1571、1572の長軸を連ねた長さが100mmとなるようにする。
このように第2のレーザ光を複数合成することで、第1のレーザ光と第2のレーザ光が重なる領域を広げることができ、レーザ光が照射された領域全体に占める、該結晶性の劣っている領域の割合を減らすことができる。
なお本実施例では2つのレーザ発振器を用いて、2系統の第2のレーザ光を被処理物に照射しているが、本発明はこれに限定されず、3以上の複数の系統の第2のレーザ光を用いるようにしても良い。また第1のレーザ光も複数の系統としても良い。
レーザ照射室1513内において、被処理物1514はステージ1515上に載置されており、該ステージ1515は3つの一軸ロボット1516〜1518によってその位置が制御されている。具体的には、φ軸用の一軸ロボット1516により、水平面内においてステージ1515を回転させることができる。また、X軸用の一軸ロボット1517により、水平面内においてステージ1515をX軸方向に移動させることができる。また、Y軸用の一軸ロボット1518により、水平面内においてステージ1515をY軸方向に移動させることができる。各位置制御手段の動作は、中央処理装置1519において制御されている。
Y軸方向に長く伸ばされた線状のビームスポットを照射しながら被処理物をX方向に走査させることで、走査方向に沿って長く伸びた結晶粒の集まりを形成できる。走査の速度は例えば10〜2000mm/s、好ましくは100〜1000mm/sとすれば良いが、半導体膜の膜厚、材料等の条件により、走査速度の最適な範囲は前後する。これにより、走査方向に延びた幅100mmの領域に、該走査方向に結晶成長した単結晶の結晶粒を敷き詰めるように形成することができる。この走査方向に結晶成長した結晶粒が敷き詰められた領域は、単に連続発振のレーザ光のみを用いて結晶化を行なう従来技術の場合と比較して、その幅が100倍程度と飛躍的に広い。
なお本実施例のように、CCD等の受光素子を用いたモニター1512を設け、被処理物1514の位置を正確に把握できるようにしても良い。
(実施例2)
図6を用いて、本発明のレーザ照射装置を用いて形成される半導体装置の1つである、発光装置の画素の構成について説明する。
図6において、基板6000に、下地膜6001が形成されており、該下地膜6001上にトランジスタ6002が形成されている。トランジスタ6002は活性層6003と、ゲート電極6005と、活性層6003とゲート電極6005の間に挟まれたゲート絶縁膜6004と、を有している。
活性層6003は、本発明のレーザ照射装置を用いることで結晶化された多結晶半導体膜が用いられている。なお、活性層は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムを用いるようにしても良い。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。また窒化炭素が添加された珪素を用いていても良い。
またゲート絶縁膜6004は、酸化珪素、窒化珪素または酸化窒化珪素を用いることができる。またそれらを積層した膜、例えばSiO2上にSiNを積層した膜を、ゲート絶縁膜として用いても良い。またゲート電極6005として、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また単層の導電膜ではなく、複数の層からなる導電膜を積層したものであっても良い。
またトランジスタ6002は、第1の層間絶縁膜6006で覆われており、第1の層間絶縁膜6006上には第2の層間絶縁膜6007と、第3の層間絶縁膜6008とが積層されている。第1の層間絶縁膜6006は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、酸化珪素、窒化珪素または酸化窒化珪素膜を単層でまたは積層して用いることができる。
また第2の層間絶縁膜6007は、有機樹脂膜、無機絶縁膜、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O結合とSi−CHx結合手を含む絶縁膜等を用いることができる。本実施例では非感光性のアクリルを用いる。第3の層間絶縁膜6008は、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。
また図6において6010は陽極、6011は電界発光層、6012は陰極である。トランジスタ6002の一つは、発光素子6013に供給する電流を制御する駆動用トランジスタであり、発光素子6013と直接、または他の回路素子を介して直列に接続されている。電界発光層6011は、発光層単独かもしくは発光層を含む複数の層が積層された構成を有している。
陽極6010は第3の層間絶縁膜6008上に形成されている。また第3の層間絶縁膜6008上には隔壁として用いる有機樹脂膜6014が形成されている。なお本実施例では隔壁として有機樹脂膜を用いているが、無機絶縁膜、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O結合とSi−CHx結合手を含む絶縁膜等を隔壁として用いることができる。有機樹脂膜6014は開口部6015を有しており、該開口部において陽極6010と電界発光層6011と陰極6012が重なり合うことで発光素子6013が形成されている。
そして有機樹脂膜6014及び陰極6012上に、保護膜6016が成膜されている。保護膜6016は第3の層間絶縁膜6008と同様に、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法で形成された窒化珪素膜等を用いる。
また有機樹脂膜6014の開口部6015における端部は、有機樹脂膜6014上に一部重なって形成されている電界発光層6011に、該端部において穴があかないように、丸みを帯びさせることが望ましい。具体的には、開口部における有機樹脂膜の断面が描いている曲線の曲率半径が、0.2〜2μm程度であることが望ましい。上記構成により、後に形成される電界発光層や陰極のカバレッジを良好とすることができ、陽極6010と陰極6012が電界発光層6011に形成された穴においてショートするのを防ぐことができる。また電界発光層6011の応力を緩和させることで、発光領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができ、信頼性を高めることができる。
なお図6では、有機樹脂膜6014として、ポジ型の感光性のアクリル樹脂を用いた例を示している。感光性の有機樹脂には、光、電子、イオンなどのエネルギー線が露光された箇所が除去されるポジ型と、露光された箇所が残るネガ型とがある。本発明ではネガ型の有機樹脂膜を用いても良い。また感光性のポリイミドを用いて有機樹脂膜6014を形成しても良い。ネガ型のアクリルを用いて有機樹脂膜6014を形成した場合、開口部6015における端部が、S字状の断面形状となる。このとき開口部の上端部及び下端部における曲率半径は、0.2〜2μmとすることが望ましい。
陽極6010は透明導電膜を用いることができる。ITOの他、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いても良い。図6では陽極6010としITOを用いている。また陰極6012は、仕事関数の小さい導電膜であれば公知の他の材料を用いることができる。例えば、Ca、Al、CaF、MgAg、AlLi等が望ましい。
なお図6では、発光素子から発せられる光が基板6000側に照射される構成を示しているが、光が基板とは反対側に向かうような構造の発光素子としても良い。また図6ではトランジスタ6002と発光素子の陽極6010が接続されているが、本発明はこの構成に限定されず、トランジスタ6002と発光素子の陰極6001が接続されていても良い。この場合、陰極は第3の層間絶縁膜6008上に形成される。そしてTiN等を用いて形成される。
なお、実際には図6まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、カバー材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりするとOLEDの信頼性が向上する。
なお、本実施例では半導体装置の一例として発光装置を例に挙げたが、本発明の作製方法を用いて形成される半導体装置はこれに限定されない。
ビームスポットの大小関係を示す図。 本発明のレーザ照射装置の構成を示す図。 本発明のレーザ照射方法において、被処理物の走査経路を示す図。 半導体装置の作製方法を示す図。 本発明のレーザ照射装置の構成を示す図。 本発明のレーザ照射装置を用いて作製された発光装置の断面図。 図5に示すレーザ照射装置において用いられるビームスポットの形状を示す図。 レーザ光の波長と吸収係数の関係を示す図。

Claims (30)

  1. 被処理物に対する吸収係数が1×104cm-1以上の波長を有する第1のレーザ光をパルス発振する第1のレーザ発振器と、
    前記第1のレーザ光のビームスポットの形状及びその位置を制御する手段と、
    第2のレーザ光を連続発振する第2のレーザ発振器と、
    前記第2のレーザ光のビームスポットの形状及びその位置を、前記第1のレーザ光のビームスポットと重なるように制御する手段と、
    前記第1のレーザ光のビームスポット及び前記第2のレーザ光のビームスポットの被処理物に対する相対的な位置を制御する手段とを有することを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 可視光線に含まれる波長または可視光線より短い波長を有する第1のレーザ光をパルス発振する第1のレーザ発振器と、
    前記第1のレーザ光のビームスポットの形状及びその位置を制御する手段と、
    第2のレーザ光を連続発振する第2のレーザ発振器と、
    前記第2のレーザ光のビームスポットの形状及びその位置を、前記第1のレーザ光のビームスポットと重なるように制御する手段と、
    前記第1のレーザ光のビームスポット及び前記第2のレーザ光のビームスポットの被処理物に対する相対的な位置を制御する手段とを有することを特徴とするレーザ照射装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1のレーザ光は第2高調波を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光は基本波を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
    前記第1のレーザ光のビームスポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光のビームスポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記第1のレーザ発振器は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YalO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザであることを特徴とするレーザ照射装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項において、前記第2のレーザ発振器は、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザまたはヘリウムカドミウムレーザであることを特徴とするレーザ照射装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、
    前記被処理物は前記第1のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板を含んでおり、
    前記第1のレーザ光のビームスポットの、長軸または短軸の長さをW1とすると、前記第1のレーザ光の前記被処理物表面に対する入射角度φ1は、
    φ1≧arctan(W1/2d)
    を満たすことを特徴とするレーザ照射装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項において、
    前記被処理物は前記第2のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板を含んでおり、
    前記第2のレーザ光のビームスポットの、長軸または短軸の長さをW2とすると、前記第2のレーザ光の前記被処理物表面に対する入射角度φ2は、
    φ2≧arctan(W2/2d)
    を満たすことを特徴とするレーザ照射装置。
  11. 被処理物に対する吸収係数が1×104cm-1以上の波長を有するパルス発振された第1のレーザ光と、連続発振された第2のレーザ光とを被処理物に照射するレーザ照射方法であって、
    前記第1及び第2のレーザ光の照射の際に、前記第1のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットと、前記第2のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットとを重ねることを特徴とするレーザ照射方法。
  12. 可視光線に含まれる波長または可視光線より短い波長を有するパルス発振された第1のレーザ光と、連続発振された第2のレーザ光とを被処理物に照射するレーザ照射方法であって、
    前記第1及び第2のレーザ光の照射の際に、前記第1のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットと、前記第2のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットとを重ねることを特徴とするレーザ照射方法。
  13. 請求項11または請求項12において、
    前記第1のレーザ光は第2高調波を有することを特徴とするレーザ照 射方法。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光は基本波を有することを特徴とするレーザ照射方法。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれか1項において、
    前記第1のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビーム スポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とするレ ーザ照射方法。
  16. 請求項11乃至請求項15のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とするレーザ照射方法。
  17. 請求項11乃至請求項16のいずれか1項において、前記第1のレーザ光は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いたレーザ発振器から発振されることを特徴とするレーザ照射方法。
  18. 請求項11乃至請求項17のいずれか1項において、前記第2のレーザ光は、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザまたはヘリウムカドミウムレーザを用いたレーザ発振器から発振されることを特徴とするレーザ照射方法。
  19. 請求項11乃至請求項18のいずれか1項において、
    前記被処理物は前記第1のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板を含んでおり、
    前記第1のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットの、長軸または短軸の長さをW1とすると、前記第1のレーザ光の前記被処理物表面に対する入射角度φ1は、
    φ1≧arctan(W1/2d)
    を満たすことを特徴とするレーザ照射方法。
  20. 請求項11乃至請求項19のいずれか1項において、
    前記被処理物は前記第2のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板を含んでおり、
    前記第2のレーザ光によって前記被処理物の表面に形成されるビームスポットの、長軸または短軸の長さをW2とすると、前記第2のレーザ光の前記被処理物表面に対する入射角度φ2は、
    φ2≧arctan(W2/2d)
    を満たすことを特徴とするレーザ照射方法。
  21. 絶縁表面上に形成された半導体膜に、前記半導体膜に対する吸収係数が1×104cm-1以上の波長を有するパルス発振された第1のレーザ光と、連続発振された第2のレーザ光とを照射することで、前記半導体膜を結晶化する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1及び第2のレーザ光の照射の際に、前記第1のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットと、前記第2のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットとを重ねることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 絶縁表面上に形成された半導体膜に、可視光線に含まれる波長または可視光線より短い波長を有するパルス発振された第1のレーザ光と、連続発振された第2のレーザ光とを照射することで、前記半導体膜を結晶化する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1及び第2のレーザ光の照射の際に、前記第1のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットと、前記第2のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットとを重ねることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 請求項21または請求項22において、
    前記第1のレーザ光は第2高調波を有することを特徴とする半導体装 置の作製方法。
  24. 請求項21乃至請求項23のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光は基本波を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  25. 請求項21乃至請求項24のいずれか1項において、
    前記第1のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビーム スポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とする半 導体装置の作製方法。
  26. 請求項21乃至請求項25のいずれか1項において、
    前記第2のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットは、楕円形状、矩形状または線状を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  27. 請求項21乃至請求項26のいずれか1項において、前記第1のレーザ光は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いたレーザ発振器から発振されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  28. 請求項21乃至請求項27のいずれか1項において、前記第2のレーザ光は、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザまたはヘリウムカドミウムレーザを用いたレーザ発振器から発振されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  29. 請求項21乃至請求項28のいずれか1項において、
    前記半導体膜は、前記絶縁表面を有し、なおかつ前記第1のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板上に形成されており、
    前記第1のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットの、長軸または短軸の長さをW1とすると、前記第1のレーザ光の前記半導体膜表面に対する入射角度φ1は、
    φ1≧arctan(W1/2d)
    を満たすことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  30. 請求項21乃至請求項29のいずれか1項において、
    前記半導体膜は、前記絶縁表面を有し、なおかつ前記第2のレーザ光に対して透光性を有する厚さdの基板上に形成されており、
    前記第2のレーザ光によって前記半導体膜の表面に形成されるビームスポットの、長軸または短軸の長さをW2とすると、前記第2のレーザ光の前記半導体膜表面に対する入射角度φ2は、
    φ2≧arctan(W2/2d)
    を満たすことを特徴とする半導体装置の作製方法。

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