JP2004193091A - 水性イオン発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水性イオンを気中に効率よく供給する装置及び水性イオンの利用方法が得られていない。効率よい発生方法とその利用を発明する。
【解決手段】効率よく水性イオンを発生するためにはイオンを発生空間から速やかに搬出すればよい。気流または水流でイオンを発生空間から搬出し、イオンの反作用を除去した。
【効果】室内空気の滝イオン化、ビル火災の消煙、高速道路等の消霧、炭酸ガスの資源化等が可能となった。
【選択図】図1
【解決手段】効率よく水性イオンを発生するためにはイオンを発生空間から速やかに搬出すればよい。気流または水流でイオンを発生空間から搬出し、イオンの反作用を除去した。
【効果】室内空気の滝イオン化、ビル火災の消煙、高速道路等の消霧、炭酸ガスの資源化等が可能となった。
【選択図】図1
Description
【0001】発明の属する技術分野
本発明は水性イオンを気中に発生させる装置に関する
【0002】従来の技術
水性イオンの学術的定義は与えられていないが、一般には、帯電した水滴、帯電した霧粒子、帯電した水蒸気は勿論のこと、OH−やH+のような水を構成する原子または基がイオン化したものに至るまでの荷電粒子の総称で、研究者によっては対象とする粒子に特定の名称を付して研究を特色づけている人もいる。 本発明は、水性イオンを効率よく気中に発生させる装置とその応用に関するもので、これらに類するものとしては以下のようなものがある。
電気集塵機またはその原理を利用した霧消散装置のように、コロナ放電により電離した気体と排煙粒子または霧粒子とを結合させて、電気力で集塵または凝集させるものが古くから研究されてきた。これらの中で、水性イオンを利用しているものに関してその方法と目的は下記の論文でその意が尽くされている。
大分大学荒木氏他5名による1995年度静電気学会講演論文集245頁「吸水性放電極を用いた空調用電気集塵機の放電特性」や、大分大学岡村氏他5名による1996年度静電気学会講演論文集5頁「通水性放電極を用いた空調用電気集塵機」のように、水を含んだ放電極からコロナ放電によりガス中に水蒸気または微粒化した水滴を放出する、さらに、CaCl2を含ませた紙を集塵電極上にしいて、とあるように、ガス中に別に設けた水分供給装置によりガスを加湿する代わりに、放電極から水分をガス中に供給し、乾式集塵機であれば、集塵電極に生じる再飛散という現象を粉塵を加湿することにより防止する、湿式集塵機であれば集塵電極に生じる泥状粉塵と泥水処理の困難性を減少させることが目的で、電圧電流特性の向上があるか否かをあわせて検討するもので、本発明のように、水性イオンを効率よくイオン発生空間の外側に供給することを目的としていない。
つぎに、除電装置またはアイオナイザーと称される静電気対策用の機器がある。針または細線に高電圧を印加し、生じたコロナイオンを利用する装置である。除電装置を使用するところは半導体・電気製品のように湿度を嫌うので、送風型除電装置では脱湿がおこなわれている。一方、送風型除電装置の原理を室内空気のイオン調整に利用したマイナスイオン供給装置が家電関係で供給されている。これは、コロナでマイナスイオンを発生させ、別に発生させた空気中水分と結合させて、結果として水性イオン化したもので、水性イオン発生用電極を使用していない。一方、このようなマイナスイオン発生装置の構造を除電装置に逆に利用するという研究がある。2002年EOS/ESD/EMCシンポジウム論文集253頁に(株)テクノ菱和の鈴木氏他4名が「イオン搬送式イオナイザーの開発」としてこの種のものについて述べている。それによると、液滴分裂俗称静電霧化で帯電粒子をつくる方法では水に高電圧を印加する。一方、超音波利用とは微粒化した水滴と別に発生させた空気イオンを結合させるもので、通水性イオン発生電極を使用するという発想までには至っていない。
つぎに、水性イオンを利用して化学反応を促進させる方法が幾つかの学会で発表されている。これらの情報に共通することは、イオンの発生効率をよくするために、水中または、水蒸気空間でプラズマを発生させ、反応させる物質と反応させるもので、水性イオンを窒素、空気、炭酸ガスなどの気中に発生させるという方法を採用していない、すなわち、本発明のように、水の膜または細い水柱と対向電極との間に電界を形成し、水の膜または細い水柱上に水性イオンを発生させそれと直交する気流の作用を利用するという方法については着手されていない。
【0003】発明が解決しようとする課題
コロナ放電、電気集塵、イオンと微粒子の衝突、静電凝集等に関する資料は多いが、水性イオンを効率よく発生利用することを目的とした研究資料は少ない。水性イオンの利用に関する成功例がないこと、気中水分が多くなる程放電時の電圧電流特性が悪くなること、電気機器類には湿度が好ましくないこと等が原因と思われる。
【0004】課題を解決するための手段
水性イオンの比重は一般の気体イオンよりも大きいので、コロナ空間におけるイオン発生を阻止する反作用は他のガスイオンよりも大きいので電圧電流特性が悪くなる。それゆえに、発生した空間から水性イオンを速やかにイオン発生空間から別の場所に気流で移動させるとイオンの発生効率が向上する。また、イオン発生空間から別の場所に気流で移動させることが難しい場合には、水性イオンとガス分子とが化学反応して生成した物質を水膜に吸収溶解させてイオン発生空間外に速やかに排出させることによって効率を向上させることが可能となる。
【0005】発明の実施の形態
【0006】第一の実施の形態実施例1
図1はマイナスイオン空間を醸成するためのマイナスイオン発生装置の説明図で、放電極で発生するマイナスイオンは水性イオンすなわち滝近傍または渓谷に存在するイオンと同種のイオンを発生させるところに本装置の特長がある。
図1で、1は多孔質の通水性材料たとえばアサヒ繊維工業(株)製のファイバーロッドでできた水性イオン発生用電極、2は1への給水とイオン発生用電極1の支持とを兼ねたパイプで、イオン発生用電極と接合するところには通水用の細孔4が多数穿孔され水3を1に給水する。5はイオン発生用電極1に対向する高電圧電極で、電源6に接続され、1の表面に強電界を形成する。7は高電圧電極を絶縁するための絶縁物で、5と7は電極保持と気流の通路構成を兼ねた気流用パイプ8で支持される。9は別に設けた空気ポンプから送風された気流で、イオン発生電極1で生じたイオンを気流にのせて装置外に搬出する。
本装置の動作は下記のように機能する。給水されたイオン発生用電極1の表面は薄い水の膜で覆われ、高電圧を印加された電極5の作用で水膜表面は強電界に曝され、水性イオンを生じる。生じた水性イオンは高電圧電極5の方向に吸引される。ただし、本装置では別に設けた空気ポンプからの気流がイオン発生用電極の長さ方向と平行に存在するので、イオンはこの気流によって装置外に搬送される。
【0007】効果
強い気流の場合には高電圧電極5に到達する前に装置外にイオンが搬出される。したがって、電源6は電圧を高電圧電極に供給するが電流を殆ど供給する必要がない、すなわち、高電圧電源ではあるが感電の危険がなく安定して滝近傍に依存するマイナスイオンを供給できるという特長を有する。
【0008】実施例2
図2は図1よりも多くのイオン発生が必要で、かつイオンの搬送範囲の大きさが要求される大型の空気清浄機やハウス栽培における農薬散布などに使用する水性イオン発生装置の説明図で、1は先端に水柱発生用の細孔10のあるイオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、4は通水用細孔、5は高電圧電極、6は電源、7は高電圧電極5を絶縁するための絶縁物、8は高電圧電極5の保持と気流通路を構成するためのパイプ、9は気流、10はイオン発生用電極1の項部にあけられた水柱発生用細孔、11は針状水柱である。
装置の動作は下記のように機能する。本装置で使用される気流及び水流は別に設けられた空気用コンプレッサーおよび水ポンプで供給されるがいずれも図1の場合に比べると空気圧及び水圧は格段に強い。そのために、細孔10から噴出した水柱はその外側気流にのって発生装置から相当に離れた場所まで微細水滴となって到達する。細孔から噴出した水柱は高電圧電極5がつくる強い電界によって水柱は強く荷電される。
【0009】効果
気流により水柱側面は負圧となり、水柱は分裂霧化しながら水性イオン化した状態で気流で搬送される。したがって、静止状態であればイオン発生用電極1と高電圧電極5との間は電弧となるが、生じたイオンが気流ですべて外部に搬出されるので火花や電弧を生ぜず大量のイオンを気中に供給できる。
【0010】実施例3
図3は図2のイオン発生量よりも更に強力に水性イオン発生が要求される消煙、消霧、消エアロゾル用水性イオン発生装置の動作の説明図で、水性イオンが発生装置から遠距離まで搬送するための工夫が施されている。図3で、1は通水性材料でできた水性イオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、4は通水用細孔、5は高電圧電極、6は電源、7は高電圧を印加した電極5を絶縁するための絶縁物、8は高電圧電極の保持を兼ねた気流用パイプ、9は気流、10は短繊維束水柱用細孔、12は吸水性の繊維でできた長さの短い繊維束、13は繊維束をまきつけてあるボビン、14はボビンから引き出された繊維束、15は繊維束を水流方向に引き出しながら短繊維束に切断する誘導リング兼カッターで、気流と水流は図面には記載されていない高圧水ポンプと高圧コンプレッサーから供給される。この装置の動作原理は図2の場合と同じであるが、水圧・空気圧がともに高圧で、かつ、短繊維束12が連続して短繊維束水柱用細孔から高速で噴出される。
【0011】効果
多量の水性イオンが慣性力の大きな短繊維束に捕集された状態で数十mまで飛翔し、強い空間電荷雲を形成する。したがって、正イオン空間用と負イオン空間用のイオン発生装置を並列運転することによって、無電極の広い粒子凝集空間が形成され、従来の消煙、消霧の実験では成功しなかった性能が実現できた。
【0012】実施例4第二の実施形態
図4は、NOx、SOx、CO2、PCB、ダイオキシン等の処置の難しいガスを活性の水性イオンで化学反応させて無害化または資源化するための装置の説明図で、1は水性イオン発生用電極で通水性がよく、かつ化学的に安定な物質たとえば多孔質のセラミック筒で、電極支持棒17で支持される。3は水で、注水管16により下方に水が流下し、バルブ24で水量が調整され、適度な水の膜がイオン発生用電極表面を覆いながら流下する。5は高電圧電極で高電圧電源6により荷電され、1と5の間に強電界が生じ、電極表面で水性イオンが発生する。7は高電圧電極5を絶縁するための絶縁物である。8は高電圧電極その他を保持するとともに流入孔23から流入するガス流の通路を形成するパイプである。9はガス流で、1で発生した水性イオンと化学反応しながら流下する。なお、イオン発生用電極1とそれの支持棒17は電極支持棒支柱18で外壁パイプ8に固定される。イオン発生用電極を流下する水の受け皿21は8に固定される。受け皿中の水は排水パイプ22を通り、外部に取り出される。ただし、ここで、排水と称するのは装置外に取り出すという意味で、この排水中には化学反応した水溶性物質が溶解している。
水性イオンと化学反応して高電圧電極側に吸引された物質は高電圧電極5に捕集され、水溶性のものは水溶液となり排出口20から外部に排出される。ただし、ここで排出とは槽外に排出するという意味で、反応生成物が溶解している。なお、反応生成物で水に難溶性のものは排気孔19から外部に排出する。
【0013】効果
CO2を炭水化物等、NOxを硝酸等、SOxを硫酸等に、その他のガスも変化させることができた。
【0014】実施例5 第3の実施の形態
図5は除電装置またはアイオナイザーに本発明を実施した場合の説明図で、水性イオンであるがために無発塵性という従来にない特長が得られる。図5で、1は通水性の多孔質材料たとえばアサヒ繊維工業(株)製のファイバーロッドでできた水性イオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、5は高電圧電極、6は高電圧電源、7は高電圧電極の絶縁物、25は静電気である。給水パイプ中の水は通水性のイオン発生用電極表面に浸出し、交流高電圧電極の作用で表面に強電界が生じ、水性イオンが生じる。生じたイオンのうち静電気25と反対極性のイオンは静電気がつくる電界の作用で25に到達し、静電気を中和消滅させる。なお、高電圧電極は絶縁物で絶縁してあるから、感電の恐れはない。また、交流であるから、絶縁物で表面が被覆されていても1の電極表面に強電界を形成することができるので、静電気が正であっても負であっても必要な反対極性のイオンが静電気のつくる電界の作用で除電することになる。なお、図1の装置を除電装置に流用することは、図5の動作原理からみて、きわめて容易である。
【0015】効果
水性イオン発生用電極電極を使用しているので、従来の除電装置のような電極消耗による発塵がなく、無発塵除電装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性イオン発生装置の構造説明図
【図2】水柱を利用した強力な水性イオン発生装置の構造説明図
【図3】短繊維束水柱を使用した消煙・消霧用水性イオン発生装置の構造説明図
【図4】CO2、NOx、SOx、ダイオキシン等を活性水性イオンの化学反応力で無害化・資源化する装置の構造説明図
【図5】水性イオンを利用した除電装置
【符号の説明】
1・・・水性イオン発生用電極、 2・・・給水兼電極支持パイプ、
3・・・水、 4・・・通水用細孔、 5・・・高電圧用電極
6・・・電源、 7・・・絶縁物、
8・・・高電圧電極保持兼気流用パイプ、
9・・・気流、 10・・・水柱(短繊維束水柱)用細孔
11・・・針状水柱、 12・・・短繊維束、 13・・・短繊維束ボ細孔、
14・・・繊維束、 15・・・誘導リング兼カッター、
16・・・注水管、 17・・・電極支持棒
18・・・電極支持棒支柱、 19・・・ガス排気孔、
20・・・排水孔、 21・・・イオン発生電極水受皿、
22・・・イオン発生電極水排水パイプ、 23・・・ガス流入孔、
24・・・水流調整バルブ、 25・・・静電気
本発明は水性イオンを気中に発生させる装置に関する
【0002】従来の技術
水性イオンの学術的定義は与えられていないが、一般には、帯電した水滴、帯電した霧粒子、帯電した水蒸気は勿論のこと、OH−やH+のような水を構成する原子または基がイオン化したものに至るまでの荷電粒子の総称で、研究者によっては対象とする粒子に特定の名称を付して研究を特色づけている人もいる。 本発明は、水性イオンを効率よく気中に発生させる装置とその応用に関するもので、これらに類するものとしては以下のようなものがある。
電気集塵機またはその原理を利用した霧消散装置のように、コロナ放電により電離した気体と排煙粒子または霧粒子とを結合させて、電気力で集塵または凝集させるものが古くから研究されてきた。これらの中で、水性イオンを利用しているものに関してその方法と目的は下記の論文でその意が尽くされている。
大分大学荒木氏他5名による1995年度静電気学会講演論文集245頁「吸水性放電極を用いた空調用電気集塵機の放電特性」や、大分大学岡村氏他5名による1996年度静電気学会講演論文集5頁「通水性放電極を用いた空調用電気集塵機」のように、水を含んだ放電極からコロナ放電によりガス中に水蒸気または微粒化した水滴を放出する、さらに、CaCl2を含ませた紙を集塵電極上にしいて、とあるように、ガス中に別に設けた水分供給装置によりガスを加湿する代わりに、放電極から水分をガス中に供給し、乾式集塵機であれば、集塵電極に生じる再飛散という現象を粉塵を加湿することにより防止する、湿式集塵機であれば集塵電極に生じる泥状粉塵と泥水処理の困難性を減少させることが目的で、電圧電流特性の向上があるか否かをあわせて検討するもので、本発明のように、水性イオンを効率よくイオン発生空間の外側に供給することを目的としていない。
つぎに、除電装置またはアイオナイザーと称される静電気対策用の機器がある。針または細線に高電圧を印加し、生じたコロナイオンを利用する装置である。除電装置を使用するところは半導体・電気製品のように湿度を嫌うので、送風型除電装置では脱湿がおこなわれている。一方、送風型除電装置の原理を室内空気のイオン調整に利用したマイナスイオン供給装置が家電関係で供給されている。これは、コロナでマイナスイオンを発生させ、別に発生させた空気中水分と結合させて、結果として水性イオン化したもので、水性イオン発生用電極を使用していない。一方、このようなマイナスイオン発生装置の構造を除電装置に逆に利用するという研究がある。2002年EOS/ESD/EMCシンポジウム論文集253頁に(株)テクノ菱和の鈴木氏他4名が「イオン搬送式イオナイザーの開発」としてこの種のものについて述べている。それによると、液滴分裂俗称静電霧化で帯電粒子をつくる方法では水に高電圧を印加する。一方、超音波利用とは微粒化した水滴と別に発生させた空気イオンを結合させるもので、通水性イオン発生電極を使用するという発想までには至っていない。
つぎに、水性イオンを利用して化学反応を促進させる方法が幾つかの学会で発表されている。これらの情報に共通することは、イオンの発生効率をよくするために、水中または、水蒸気空間でプラズマを発生させ、反応させる物質と反応させるもので、水性イオンを窒素、空気、炭酸ガスなどの気中に発生させるという方法を採用していない、すなわち、本発明のように、水の膜または細い水柱と対向電極との間に電界を形成し、水の膜または細い水柱上に水性イオンを発生させそれと直交する気流の作用を利用するという方法については着手されていない。
【0003】発明が解決しようとする課題
コロナ放電、電気集塵、イオンと微粒子の衝突、静電凝集等に関する資料は多いが、水性イオンを効率よく発生利用することを目的とした研究資料は少ない。水性イオンの利用に関する成功例がないこと、気中水分が多くなる程放電時の電圧電流特性が悪くなること、電気機器類には湿度が好ましくないこと等が原因と思われる。
【0004】課題を解決するための手段
水性イオンの比重は一般の気体イオンよりも大きいので、コロナ空間におけるイオン発生を阻止する反作用は他のガスイオンよりも大きいので電圧電流特性が悪くなる。それゆえに、発生した空間から水性イオンを速やかにイオン発生空間から別の場所に気流で移動させるとイオンの発生効率が向上する。また、イオン発生空間から別の場所に気流で移動させることが難しい場合には、水性イオンとガス分子とが化学反応して生成した物質を水膜に吸収溶解させてイオン発生空間外に速やかに排出させることによって効率を向上させることが可能となる。
【0005】発明の実施の形態
【0006】第一の実施の形態実施例1
図1はマイナスイオン空間を醸成するためのマイナスイオン発生装置の説明図で、放電極で発生するマイナスイオンは水性イオンすなわち滝近傍または渓谷に存在するイオンと同種のイオンを発生させるところに本装置の特長がある。
図1で、1は多孔質の通水性材料たとえばアサヒ繊維工業(株)製のファイバーロッドでできた水性イオン発生用電極、2は1への給水とイオン発生用電極1の支持とを兼ねたパイプで、イオン発生用電極と接合するところには通水用の細孔4が多数穿孔され水3を1に給水する。5はイオン発生用電極1に対向する高電圧電極で、電源6に接続され、1の表面に強電界を形成する。7は高電圧電極を絶縁するための絶縁物で、5と7は電極保持と気流の通路構成を兼ねた気流用パイプ8で支持される。9は別に設けた空気ポンプから送風された気流で、イオン発生電極1で生じたイオンを気流にのせて装置外に搬出する。
本装置の動作は下記のように機能する。給水されたイオン発生用電極1の表面は薄い水の膜で覆われ、高電圧を印加された電極5の作用で水膜表面は強電界に曝され、水性イオンを生じる。生じた水性イオンは高電圧電極5の方向に吸引される。ただし、本装置では別に設けた空気ポンプからの気流がイオン発生用電極の長さ方向と平行に存在するので、イオンはこの気流によって装置外に搬送される。
【0007】効果
強い気流の場合には高電圧電極5に到達する前に装置外にイオンが搬出される。したがって、電源6は電圧を高電圧電極に供給するが電流を殆ど供給する必要がない、すなわち、高電圧電源ではあるが感電の危険がなく安定して滝近傍に依存するマイナスイオンを供給できるという特長を有する。
【0008】実施例2
図2は図1よりも多くのイオン発生が必要で、かつイオンの搬送範囲の大きさが要求される大型の空気清浄機やハウス栽培における農薬散布などに使用する水性イオン発生装置の説明図で、1は先端に水柱発生用の細孔10のあるイオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、4は通水用細孔、5は高電圧電極、6は電源、7は高電圧電極5を絶縁するための絶縁物、8は高電圧電極5の保持と気流通路を構成するためのパイプ、9は気流、10はイオン発生用電極1の項部にあけられた水柱発生用細孔、11は針状水柱である。
装置の動作は下記のように機能する。本装置で使用される気流及び水流は別に設けられた空気用コンプレッサーおよび水ポンプで供給されるがいずれも図1の場合に比べると空気圧及び水圧は格段に強い。そのために、細孔10から噴出した水柱はその外側気流にのって発生装置から相当に離れた場所まで微細水滴となって到達する。細孔から噴出した水柱は高電圧電極5がつくる強い電界によって水柱は強く荷電される。
【0009】効果
気流により水柱側面は負圧となり、水柱は分裂霧化しながら水性イオン化した状態で気流で搬送される。したがって、静止状態であればイオン発生用電極1と高電圧電極5との間は電弧となるが、生じたイオンが気流ですべて外部に搬出されるので火花や電弧を生ぜず大量のイオンを気中に供給できる。
【0010】実施例3
図3は図2のイオン発生量よりも更に強力に水性イオン発生が要求される消煙、消霧、消エアロゾル用水性イオン発生装置の動作の説明図で、水性イオンが発生装置から遠距離まで搬送するための工夫が施されている。図3で、1は通水性材料でできた水性イオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、4は通水用細孔、5は高電圧電極、6は電源、7は高電圧を印加した電極5を絶縁するための絶縁物、8は高電圧電極の保持を兼ねた気流用パイプ、9は気流、10は短繊維束水柱用細孔、12は吸水性の繊維でできた長さの短い繊維束、13は繊維束をまきつけてあるボビン、14はボビンから引き出された繊維束、15は繊維束を水流方向に引き出しながら短繊維束に切断する誘導リング兼カッターで、気流と水流は図面には記載されていない高圧水ポンプと高圧コンプレッサーから供給される。この装置の動作原理は図2の場合と同じであるが、水圧・空気圧がともに高圧で、かつ、短繊維束12が連続して短繊維束水柱用細孔から高速で噴出される。
【0011】効果
多量の水性イオンが慣性力の大きな短繊維束に捕集された状態で数十mまで飛翔し、強い空間電荷雲を形成する。したがって、正イオン空間用と負イオン空間用のイオン発生装置を並列運転することによって、無電極の広い粒子凝集空間が形成され、従来の消煙、消霧の実験では成功しなかった性能が実現できた。
【0012】実施例4第二の実施形態
図4は、NOx、SOx、CO2、PCB、ダイオキシン等の処置の難しいガスを活性の水性イオンで化学反応させて無害化または資源化するための装置の説明図で、1は水性イオン発生用電極で通水性がよく、かつ化学的に安定な物質たとえば多孔質のセラミック筒で、電極支持棒17で支持される。3は水で、注水管16により下方に水が流下し、バルブ24で水量が調整され、適度な水の膜がイオン発生用電極表面を覆いながら流下する。5は高電圧電極で高電圧電源6により荷電され、1と5の間に強電界が生じ、電極表面で水性イオンが発生する。7は高電圧電極5を絶縁するための絶縁物である。8は高電圧電極その他を保持するとともに流入孔23から流入するガス流の通路を形成するパイプである。9はガス流で、1で発生した水性イオンと化学反応しながら流下する。なお、イオン発生用電極1とそれの支持棒17は電極支持棒支柱18で外壁パイプ8に固定される。イオン発生用電極を流下する水の受け皿21は8に固定される。受け皿中の水は排水パイプ22を通り、外部に取り出される。ただし、ここで、排水と称するのは装置外に取り出すという意味で、この排水中には化学反応した水溶性物質が溶解している。
水性イオンと化学反応して高電圧電極側に吸引された物質は高電圧電極5に捕集され、水溶性のものは水溶液となり排出口20から外部に排出される。ただし、ここで排出とは槽外に排出するという意味で、反応生成物が溶解している。なお、反応生成物で水に難溶性のものは排気孔19から外部に排出する。
【0013】効果
CO2を炭水化物等、NOxを硝酸等、SOxを硫酸等に、その他のガスも変化させることができた。
【0014】実施例5 第3の実施の形態
図5は除電装置またはアイオナイザーに本発明を実施した場合の説明図で、水性イオンであるがために無発塵性という従来にない特長が得られる。図5で、1は通水性の多孔質材料たとえばアサヒ繊維工業(株)製のファイバーロッドでできた水性イオン発生用電極、2は給水兼電極支持パイプ、3は水、5は高電圧電極、6は高電圧電源、7は高電圧電極の絶縁物、25は静電気である。給水パイプ中の水は通水性のイオン発生用電極表面に浸出し、交流高電圧電極の作用で表面に強電界が生じ、水性イオンが生じる。生じたイオンのうち静電気25と反対極性のイオンは静電気がつくる電界の作用で25に到達し、静電気を中和消滅させる。なお、高電圧電極は絶縁物で絶縁してあるから、感電の恐れはない。また、交流であるから、絶縁物で表面が被覆されていても1の電極表面に強電界を形成することができるので、静電気が正であっても負であっても必要な反対極性のイオンが静電気のつくる電界の作用で除電することになる。なお、図1の装置を除電装置に流用することは、図5の動作原理からみて、きわめて容易である。
【0015】効果
水性イオン発生用電極電極を使用しているので、従来の除電装置のような電極消耗による発塵がなく、無発塵除電装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性イオン発生装置の構造説明図
【図2】水柱を利用した強力な水性イオン発生装置の構造説明図
【図3】短繊維束水柱を使用した消煙・消霧用水性イオン発生装置の構造説明図
【図4】CO2、NOx、SOx、ダイオキシン等を活性水性イオンの化学反応力で無害化・資源化する装置の構造説明図
【図5】水性イオンを利用した除電装置
【符号の説明】
1・・・水性イオン発生用電極、 2・・・給水兼電極支持パイプ、
3・・・水、 4・・・通水用細孔、 5・・・高電圧用電極
6・・・電源、 7・・・絶縁物、
8・・・高電圧電極保持兼気流用パイプ、
9・・・気流、 10・・・水柱(短繊維束水柱)用細孔
11・・・針状水柱、 12・・・短繊維束、 13・・・短繊維束ボ細孔、
14・・・繊維束、 15・・・誘導リング兼カッター、
16・・・注水管、 17・・・電極支持棒
18・・・電極支持棒支柱、 19・・・ガス排気孔、
20・・・排水孔、 21・・・イオン発生電極水受皿、
22・・・イオン発生電極水排水パイプ、 23・・・ガス流入孔、
24・・・水流調整バルブ、 25・・・静電気
Claims (3)
- 水の膜または細い水柱でできた電極とそれに対向する電極との間に電圧を印加して水性イオンを発生させる装置であって、電界の方向と交叉する方向の気流でイオンを発生装置の外部に搬出することを特長とする装置
- 水の膜または細い水柱でできた電極とそれに対向する電極との間に電圧を印加して水性イオンを発生させる装置であって、生じる水性イオンと化学反応させる気体を電界の方向と交叉する方向に流動させて反応効率を高めることを特長とする装置
- 水の膜または細い水柱でできた電極とそれに対向する電極との間に電圧を印加して水性イオンを発生させる装置であって、外部電界の作用でイオンが発生装置外に搬出されることを特長とする装置
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002383045A JP2004193091A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 水性イオン発生装置 |
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JP2002383045A JP2004193091A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 水性イオン発生装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008039207A (ja) * | 2006-08-01 | 2008-02-21 | Daikin Ind Ltd | 空気調和システム |
KR102311553B1 (ko) * | 2020-10-22 | 2021-10-13 | 주식회사 피아이앤이 | 살균 장치 |
CN114340129A (zh) * | 2022-01-06 | 2022-04-12 | 成都万物之成科技有限公司 | 水合等离子发生器、空气消杀装置、空气消杀控制系统及控制方法 |
KR102510847B1 (ko) * | 2022-05-11 | 2023-03-16 | 주식회사 한새 | 모듈식 살균장치 |
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-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002383045A patent/JP2004193091A/ja active Pending
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