JP2004192912A - 直下型バックライト - Google Patents
直下型バックライト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004192912A JP2004192912A JP2002358265A JP2002358265A JP2004192912A JP 2004192912 A JP2004192912 A JP 2004192912A JP 2002358265 A JP2002358265 A JP 2002358265A JP 2002358265 A JP2002358265 A JP 2002358265A JP 2004192912 A JP2004192912 A JP 2004192912A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diffusion plate
- upper frame
- liquid crystal
- light
- crystal panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】直下型バックライトにおいて、拡散板を変形しにくくし、発光品位を保持する。
【解決手段】拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを一体成形した拡散板一体型上フレーム15を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを一体成形した拡散板一体型上フレーム15を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直下型バックライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等に用いられるバックライトは、サイドライト型のバックライトと、直下型のバックライトに大別される。このうち、直下型のバックライトは、大型化に適しており、高輝度を得やすい特徴がある等のため、特に大型平面発光装置として広く用いられている。また、液晶表示装置にあっては、例えば15インチ以上の大型画面に用いられる平面発光装置として、直下型のバックライトが用いられる場合が増えている。
【0003】
従来の一般的な直下型バックライトを図面により説明する。ここでは、液晶パネル等の表示部や光学シートが用いられる場合を例として説明する。図5は、線状の光源1の長手方向と直交する平面における断面図である。図5に示すように、光源(ランプ)1、開口部を有し内部に光源1を有するケーシングである下フレーム2、下フレームの内面に設けられた反射層3、液晶パネル等の表示部が設置される枠状の上フレーム4、上フレーム4と下フレーム2に挟持された光学シート5及び拡散板6、より構成される。光源1は冷陰極管タイプの蛍光灯が用いられる。上フレーム4には、液晶パネル等の表示部を保持するため樹脂製のガイドリブ7が設けられている。拡散板6には、白色系のアクリル樹脂やガラス等が用いられる。光学シート5は、拡散板6を透過した光の特性を変化させるためのものであり、拡散シート、レンズシート、偏光シート等が用いられる。下フレーム2の材質には、放熱性や軽量化、コスト等を考慮しアルミニウムあるいはアルミニウム系金属が主として用いられる。上フレーム4の材質には、樹脂、またはアルミニウムやステンレス等の金属が用いられる。特に上フレーム4が金属製の場合、光源からの熱により上フレーム4が高温となるので、特に液晶パネルを用いる場合には、液晶パネルに熱が伝達されないように遮熱用樹脂8を設けている。また、ガイドリブ7は、液晶パネル等の表示部の側面に当接しており、表示部の位置決めと固定のために設けられている。なお20は、液晶パネルを設けた場合の当該液晶パネルの想像線である。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−106342号公報
【特許文献2】
特開2002−182184号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
拡散板は、自重の影響、経時変化、反射シートからの熱の影響等によりたわみ(変形)を生ずる。拡散板が光源側に凸となるようにたわむと、光の拡散の均一性が低下するため、バックライトとしての発光品位が低下することになる。拡散板が光源側に凹となるようにたわむ場合も同様に光の拡散の均一性が低下する。またこの場合、例えば液晶パネルの様な表示部や光学シートを用いる場合に、光学シートに拡散板が当接し、さらには該光学シートが液晶パネルに当接することになって、液晶表示ムラが発生してしまう。
【0006】
また、上フレームと拡散板が別体であるため、バックライトの部品点数が増加し、部品の管理コストやバックライトの組立工程数の増加による組立コストが大きくなるという問題もあった。
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、拡散板の変形を抑制して発光品位の劣化を抑えるとともに、部品点数の少ない直下型バックライトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。即ち、光源と、前記光源から光が透過拡散しかつ発光面となる拡散板状部と、前記拡散板状部の周縁部に設けられ、前記拡散板状部よりも面厚さ方向の厚みが大であってかつ下フレームとの連結部を有する上フレーム周縁部と、前記拡散板状部が配置される開口部を有し前記光源が内部に配置されかつ前記上フレーム周縁部との連結部を有する下フレームと、を備え、前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部とを一体成形し拡散板一体型上フレームとすることを特徴する直下型バックライトである(請求項1)。このような直下型バックライトは、従来品において別個の部材であった拡散板の役割を担う発光面としての拡散板状部が、拡散板状部よりも面厚さ方向の厚みが大である上フレーム周縁部と一体成形されているので、従来にいう拡散板の周縁部に比較的変形しにくい構造物が一体化されることとなり、拡散板状部の周縁部の変形が抑制されるとともにバックライトの部品点数が減少する。さらに、一体化が一体成形により行われるため、拡散板状部と上フレーム周縁部が強固に一体化されるため、拡散板の変形がより効果的に抑制される。さらに、一体成形であるから拡散板一体型上フレームが容易に作製できる。
【0009】
ここで、前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部が同一の樹脂により形成されていることが好ましい(請求項2)。ここで、同一の樹脂とは、着色用の色粉成分を除き、樹脂成分が同一あるいは樹脂成分のうちの主成分が同一である樹脂をいう。このようにすると、拡散板状部と上フレーム周縁部の間に材料物性、とくに物理的物性の差が少ないため、収縮率の差から生ずるひずみが抑制されるため、該ひずみより生ずる拡散板状部または上フレーム周縁部の変形がより効果的に抑えられる。また、同一の樹脂とすることにより、拡散板一体型上フレームを一体成形することが容易となる。さらに、樹脂による断熱効果により液晶パネルと上フレーム周縁部が直接当接しても熱が伝わりにくくなるので、上フレーム周縁部に液晶パネルを直接配置することが可能となる。
【0010】
前記上フレーム周縁部が、前記光源から前記拡散板状部を透過した光を受ける液晶パネルを配置するための液晶パネル配置部を有する直下型バックライトとした場合(請求項3)には、拡散板状部の変形による液晶画面の品位劣化を抑制することができる。
【0011】
前記拡散板状部の外側表面に光学シートが配置され、前記光学シートは、前記拡散板一体型上フレームに固着されていることを特徴とする直下型バックライト(請求項4)とした場合には、拡散板一体型上フレームに光学シートが固着しているので、特にランプ等の交換をする際に、光学シートや上フレーム、拡散板といった個々の部材を別々に扱う必要がなく一体的に取り扱いでき、ランプ交換が円滑に行われる。さらに、光学シートと拡散板状部の間、あるいは光学シートが複数の場合は光学シート相互間、に異物が入ることを防止できる。
【0012】
また、前記上フレーム周縁部の少なくとも一部に遮光手段を設けても良い(請求項5)。このようにすると、発光面となる拡散板状部以外の部分、即ち上フレーム周縁部における光の透過が抑えられるため、上フレーム周縁部の透過光が拡散板状部の透過光に混入することが抑制される。よって、拡散板状部の透過光がより均一になり、発光品位が向上する。
【0013】
前記光学シートが複数である場合、前記上フレーム周縁部は、前記拡散板状部の周囲に光学シート固定用段差部が設けられていることが好ましい(請求項6)。この場合は、複数の光学シートを拡散板一体型上フレームに固着することが容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態である液晶表示装置用のバックライトを図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態の概略構成を展開斜視的に示した模式図である。下フレーム2は上方に開口を有する箱状の形状であり、線状の光源1を内部に備えている。拡散板一体型上フレーム15の上に光学シート13bが配置され、さらにその上に他の光学シート13aが配置される。2枚の光学シート13a、13bのうち上側の光学シート13aが両面テープ14により拡散板一体型上フレーム15に接着されている。下フレームの材質は、放熱性や機械的強度、形状安定性に優れたアルミニウム等の金属が用いられる。
【0015】
図4は、本発明の実施形態の液晶用バックライトに液晶パネル20を装着した状態での断面図(図2の平面図におけるA−A線の断面図)である。箱蓋状の拡散板一体型上フレーム15が、上方開口した箱状の下フレーム2に覆い被せるように組み合わされている。そして、下フレーム2と拡散板一体型上フレームは、それぞれ互いに近接する適宜の部位において連結部(図示省略)が設けられ相互に連結している。下フレーム2と拡散板一体型上フレーム15はネジ、カシメ、テープによる貼着等の方法で適宜連結される。また、下フレーム2の内側表面には、光源1の光を反射させるための反射層3が設けられている。光源1は、冷陰極管タイプの蛍光灯が一般に用いられる。光学シートは、拡散シート、レンズシート、偏光シート等が、1枚又は複数枚用いられる。拡散板一体型上フレームと下フレームの間は隙間がないようにすると下フレーム内に異物が混入しなくなり、発光品位を維持できるので好ましい。
【0016】
図2は、本実施形態のバックライトにおける拡散板一体型上フレーム15の概略を示す平面図であり、図3は、図2のA−A線における断面図である。拡散板一体型上フレーム15は、上フレーム周縁部15aと拡散板状部15bよりなる。図3に示すように、拡散板一体型上フレーム15のうち、中央に位置し面厚さ方向の厚みが略均一であり発光面となる部分が拡散板状部15bであり、その周囲全体が上フレーム周縁部15aである。上フレーム周縁部15aは、液晶パネル配置部15a2,光学シート固定用段差部15a3を備え、液晶パネル配置部15a2はガイドリブ15a1を有している。
【0017】
図2及び図3にしめすように、拡散板一体型上フレーム15は、最も内側の拡散板状部15bから外側にむかって主たる段差を3段有している。図2の平面図において長方形の線が4重になっているが、これが前記主たる段差3段に対応した線である。なお図3は、液晶パネルを中央に位置決めするためのガイドリブ15a1を含んだ位置(A−A線)における断面図であるため、当該ガイドリブ15a1の分の1段が加わり計4段の段差となっている。最も内側の拡散板状部15bから外側に向かって順に光学シート固定用段差部15a3、液晶パネル配置部15a2が設けられ、当該液晶パネル配置部15a2には、図2に示すように、液晶パネルを位置決めするための小段差であるサイドリブ15a1が適宜間隔をおいて設置されている。
【0018】
図3にあるように、光学パネル固定用段差部15a3は、略平面である拡散板状部15bの周縁より立ち上がり面厚み方向の段差を形成する拡散板周縁段差30と、当該段差と連続する光学シート固定面31からなる。当該光学パネル固定用段差15a3の外側周囲の段差部が液晶パネル配置部15a2であり、前記光学シート固定面31の周縁より立ち上がり面厚み方向の段差を形成する段差35と、液晶パネル接触面36からなる。液晶パネル接触面36にガイドリブ15a1が設けられている。
【0019】
図4は、本実施形態のバックライトに液晶パネル20を装着した状態におけるA−A線の概略断面図である。図4に示すように、拡散板状部15bの上には2枚の光学シート13a及び13bが配置されている。図4において下側(拡散板状部側)の光学シート13bは、熱による伸縮を考慮しつつ、光学パネル固定用段差部15a3における拡散板周縁段差30の段差内に収まるように収納されている。そして、最上の位置(拡散板上部から最も遠い位置)の光学シート13aは、光学シート13bよりも面積が大となっており、光学シート固定段差部15a3における光学パネル固定面31と、最上位置の光学シート13aが、両面テープ14によりその四辺のうち短辺側の2辺が固着されている。このようにすると、最上位置(拡散板状部から遠い位置)の光学シートが蓋として機能し下側の他の光学シート(最上位置の光学シート以外の光学シート)を覆い、また当該下側の他の光学シートは光学パネル固定用段差部15a3の拡散板周縁段差30内に収容されているため、複数の光学シートを拡散板一体型上フレームに固着することが容易になる。このように、複数の光学シートのうち最上位置(最も拡散板状部から遠い位置)の光学シートを、それ以外の(拡散板状部側の)光学シートよりも大とし、該最上位置の光学シートの周囲を光学シート固定用段差部の光学パネル固定面と両面テープ等で固着させ、該最上位置の光学シート以外の光学シートは光学パネル固定用段差部の拡散板周縁段差内に収納し、該最上位置の光学シートが他の光学シートを覆うようにすることで、光学シートをその周縁端部に拡散板一体型上フレームに固着することが容易となる。なお、複数の光学シートを、従来の拡散板(別体)と固着することは困難である。なぜなら、拡散板が平板であり、かつ端部にて糊や接着剤などで固定すると、拡散板の変形(たわみ)が光学シートのたわみを招来してしまうためであり、また、端部を糊や接着剤で固定した固定部分を発光エリア外に置く必要があるため、バックライトの額縁が大きくなる等の弊害があったからである。
【0020】
図4に示すように、液晶パネル20は、2枚の光学シート13a、13bの上方に配置されている。液晶パネルは、その底面(拡散板状部側の面)において液晶パネル配置部15a2の液晶パネル接触面36において上フレーム周縁部15aと当接しており、かつ、当該液晶パネル配置部15a2に設けられたガイドリブ15a1が液晶パネルの側面と当接することにより、液晶パネルが中央に位置決めされている。本実施形態では、拡散板一体型上フレームが樹脂製であるため、液晶パネル20を拡散板一体型上フレーム15とが当接しても、光源からの熱の影響が少なくなる。即ち、光源等からの熱が液晶パネル20に伝達されることが抑えられるため、液晶パネルの温度分布を均一にすることにより、液晶画面の品位劣化を抑制する。このように、本発明は液晶表示用の直下型バックライトとした場合により好適である。
【0021】
図3に示すように、拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを一体とした拡散板一体型上フレーム15を一体成型により作製した。ここでは、枠体である上フレーム周縁部15aが、拡散板状部15bの周囲と一体成形により一体化されている。また、図3の断面図で明らかなように、上フレーム周縁部15aは拡散板状部15bよりも面厚さ方向の厚みが大であるため、拡散板状部15bが変形しにくくなる。なお面厚さ方向の厚みとは、図3に矢印Yで図示した方向の厚みである。このように上フレーム周縁部と拡散板状部を一体成形とすることにより、自重や経時変化等による拡散板状部の変形を抑制することができ、発光品位を保持することができる。一体成型であるから、強固な一体構造となり、また、従来、拡散板と上フレームを別個に生産していた場合と比較して生産工程を省略でき、またバックライトとしての部品点数も減ることからコスト的にも有利である。ここで、射出成型による一体成型とする場合には、拡散板一体型上フレームの生産性がより高くなりさらに好ましい。
【0022】
さらに、上フレーム周縁部15aと拡散板状部15bが同一の樹脂により形成されていると、拡散板状部と上フレーム周縁部の間の材料物性、とくに物理的物性の差が少なくなるので好ましい。両者の収縮率の差から生ずるひずみが抑制され、該ひずみより生ずる拡散板状部または上フレーム周縁部の変形がより効果的に抑えられる。
【0023】
拡散板一体型上フレーム15の材料としては、拡散板状部15bが拡散板としての機能を果たす必要があり、また成型の容易性及び液晶パネルに対する遮熱特性をも考慮すると、白色系(乳白色)のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好ましい。また、拡散板状部15bの面厚さ方向の厚みは、0.5mm以上4mm以下、更には1mm以上2mm以下が好ましい。この厚みが厚すぎると、コスト高となり、製品重量が増加し、さらに、明るさのロスや発光色の黄ばみの原因となりやすい。また厚みが薄すぎると、発光の均一性を確保することが難しくなり、また、厚みのばらつきが発光の均一性のばらつきあるいは輝度のばらつきに直結するため、製品品質の均一化が難しくなる。
【0024】
さらに、拡散板一体型上フレーム15の材料特性としては以下が好ましい。まず、吸水率が0.5%以下、好ましくは0.3%以下であることが好ましい。吸水率が0.5%より大であると、バックライトの内外で湿度等の環境が異なる場合に反り等の変形の原因となる。また、線膨張係数は1.5×10−4/℃以下、更には、0.7×10−4/℃以下であることが好ましい。線膨張率が大きいと、下フレーム等の他の部品との遊び寸法が大きくなってしまうという問題がある。光透過率は20〜80%が好ましく、さらには40〜65%が好ましい。大きすぎると発光の均一性を確保することが難しい場合があり、小さすぎると発光の明るさを確保できず、発光効率が低下する。荷重たわみ温度は、100℃以上が好ましく、さらに120℃以上がより好ましい。たわみ温度が小さすぎるとランプやインバータからの生じる熱により、歪みや変形が発生する。ビカット軟化温度は120℃以下が好ましい。
【0025】
従来技術のように上フレーム、拡散板、光学シートがそれぞれ別個独立であり、光学シートが拡散板に固着されていない場合、これら部材を一体的に取り扱えないので面倒であり、さらに、拡散板と光学シートの間、あるいは、光学シート相互間(光学シートが複数の場合)に異物が侵入する恐れがある。とくに、光源のランプを交換する際には、上フレーム、拡散板、光学シートがそれぞれ別々に取り出されることになるので、面倒である上に、異物が侵入する可能性が極めて高くなる。よってこの場合には、ランプ交換をクリーンルームで行うという手間が生じた。本実施形態のように、拡散板一体型上フレームに光学シートを固着することにより、特に光源のランプを交換する際に、光学シート間あるいは光学シートと拡散板状部間に異物が侵入することがない。
【0026】
また、フレームの材質として、コスト等を考慮しステンレスやアルミニウム等の金属を使用する場合があるが、この場合、光源、特に電極からの放熱により、比較的熱伝導率の良い金属製フレームの温度が高くなる。液晶パネルがこの金属フレームに接している場合、その部分における液晶パネルの温度が部分的に高くなり、液晶パネルの温度分布が不均一となるため、液晶画面に色ずれ等の品位劣化が生ずることになる。よってこの場合には、金属性フレームと液晶パネルとの間に遮熱用樹脂を設けるとともに、液晶パネルを固定位置決めするガイドリブも樹脂製とする必要があった。本実施態様のように、上フレーム周縁部15aが樹脂により作製されている場合には、金属と比較して熱伝導率が小さいため、液晶パネルを拡散板一体型上フレームに直接配置した液晶表示装置とすることが可能となる。よって、前記拡散板一体型上フレームに直接液晶パネルを設置した液晶表示装置においては、液晶パネルの温度分布による液晶画面に品位劣化を抑えることができる。したがって、拡散板一体型上フレームを樹脂により形成されている場合は、液晶表示用の直下型バックライトとしてより好適である。
【0027】
本実施形態のように、拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを同一の樹脂で形成する場合、上フレーム周縁部15aが、光透過性を有する拡散板状部15bと近似した材料で作製されるため、その形状や材料組成次第では上フレーム周縁部15aも透光性を有する場合が生じうる。この場合、上フレーム周縁部15aからの透過光により発光の均一性が阻害され、発光品位を劣化させてしまう恐れがある。この場合は、上フレーム周縁部の少なくとも一部に遮光手段を設けることにより、発光を均一化し、発光品位の劣化を防止するができる。この遮光手段の例としては、遮光塗料の塗布、蒸着等による金属薄膜処理、あるいは遮光テープを用いること等、上フレーム周縁部の表面を遮光処理してもよいし、上フレーム周縁部の材料を遮光性の材料としてもよい。上フレーム周縁部の表面に遮光手段を設ける場合、その位置は、前記光学パネル固定面に設けるのがこのましい。なぜなら、拡散板状部以外で上フレームを透過する透過光は、光源に比較的近い光学パネル固定面において特に強くなっており、また、発光面としての拡散板状部の領域の境界部分でありかつ拡散板状部と最も近い位置において遮光することにより、拡散板状部に透過光が漏れるのを効果的に防止できるからである。また、最上位置の光学シート13aを固定するための両面テープ14を、遮光性を有する両面テープとすると、別途遮光テープを用いることを省略することができる。
【0028】
また、遮光手段として、上フレーム周縁部の材料を遮光性の材料とし、上フレーム周縁部15aの少なくとも一部の光透過率を、拡散板状部15bの光透過率よりも高くすることも可能である。例えば、拡散板状部15bを白色とし、上フレーム周縁部15aを黒色とすることが考えられる。この場合、両者の材料組成は、着色用の色粉を除いて共通の樹脂とすると、拡散板状部と上フレーム周縁部が同一の樹脂となり好ましい。このように拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aの色を別々にする場合、2色成型または多色成形の方法をとることが出来る。この2色成形または多色成形も、本願にいう一体成形に該当する。
【0029】
なお、本実施形態では、液晶パネル及び光学シートを用いたが、これらを用いないライトボックスやシャウカステン等であっても、拡散板状部の変形抑制や部品点数の減少等の効果が得られることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
本発明では、拡散板状部が上フレーム周縁部と一体成形されている拡散板一体型上フレームとすることにより、拡散板状部の周縁部の変形が抑制され、発光品位の劣化を防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を展開斜視的に示した模式図である。
【図2】本発明の実施形態における拡散板一体型上フレームの概略を示す平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線における断面図である。
【図4】図4は、本実施形態のバックライトに液晶パネル20を装着した状態におけるA−A線の概略断面図である
【図5】従来の一般的な直下型バックライトの断面図である
【符号の説明】
1 光源
2 下フレーム
3 反射層
4 上フレーム
5 光学シート
6 拡散板
7 ガイドリブ
13a 光学シート
13b 光学シート
14 両面テープ
15 拡散板一体型上フレーム
15a 上フレーム周縁部
15b 拡散板状部
15a1 ガイドリブ
15a2 液晶パネル配置部
15a3 光学シート固定用段差部
20 液晶パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、直下型バックライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等に用いられるバックライトは、サイドライト型のバックライトと、直下型のバックライトに大別される。このうち、直下型のバックライトは、大型化に適しており、高輝度を得やすい特徴がある等のため、特に大型平面発光装置として広く用いられている。また、液晶表示装置にあっては、例えば15インチ以上の大型画面に用いられる平面発光装置として、直下型のバックライトが用いられる場合が増えている。
【0003】
従来の一般的な直下型バックライトを図面により説明する。ここでは、液晶パネル等の表示部や光学シートが用いられる場合を例として説明する。図5は、線状の光源1の長手方向と直交する平面における断面図である。図5に示すように、光源(ランプ)1、開口部を有し内部に光源1を有するケーシングである下フレーム2、下フレームの内面に設けられた反射層3、液晶パネル等の表示部が設置される枠状の上フレーム4、上フレーム4と下フレーム2に挟持された光学シート5及び拡散板6、より構成される。光源1は冷陰極管タイプの蛍光灯が用いられる。上フレーム4には、液晶パネル等の表示部を保持するため樹脂製のガイドリブ7が設けられている。拡散板6には、白色系のアクリル樹脂やガラス等が用いられる。光学シート5は、拡散板6を透過した光の特性を変化させるためのものであり、拡散シート、レンズシート、偏光シート等が用いられる。下フレーム2の材質には、放熱性や軽量化、コスト等を考慮しアルミニウムあるいはアルミニウム系金属が主として用いられる。上フレーム4の材質には、樹脂、またはアルミニウムやステンレス等の金属が用いられる。特に上フレーム4が金属製の場合、光源からの熱により上フレーム4が高温となるので、特に液晶パネルを用いる場合には、液晶パネルに熱が伝達されないように遮熱用樹脂8を設けている。また、ガイドリブ7は、液晶パネル等の表示部の側面に当接しており、表示部の位置決めと固定のために設けられている。なお20は、液晶パネルを設けた場合の当該液晶パネルの想像線である。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−106342号公報
【特許文献2】
特開2002−182184号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
拡散板は、自重の影響、経時変化、反射シートからの熱の影響等によりたわみ(変形)を生ずる。拡散板が光源側に凸となるようにたわむと、光の拡散の均一性が低下するため、バックライトとしての発光品位が低下することになる。拡散板が光源側に凹となるようにたわむ場合も同様に光の拡散の均一性が低下する。またこの場合、例えば液晶パネルの様な表示部や光学シートを用いる場合に、光学シートに拡散板が当接し、さらには該光学シートが液晶パネルに当接することになって、液晶表示ムラが発生してしまう。
【0006】
また、上フレームと拡散板が別体であるため、バックライトの部品点数が増加し、部品の管理コストやバックライトの組立工程数の増加による組立コストが大きくなるという問題もあった。
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、拡散板の変形を抑制して発光品位の劣化を抑えるとともに、部品点数の少ない直下型バックライトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。即ち、光源と、前記光源から光が透過拡散しかつ発光面となる拡散板状部と、前記拡散板状部の周縁部に設けられ、前記拡散板状部よりも面厚さ方向の厚みが大であってかつ下フレームとの連結部を有する上フレーム周縁部と、前記拡散板状部が配置される開口部を有し前記光源が内部に配置されかつ前記上フレーム周縁部との連結部を有する下フレームと、を備え、前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部とを一体成形し拡散板一体型上フレームとすることを特徴する直下型バックライトである(請求項1)。このような直下型バックライトは、従来品において別個の部材であった拡散板の役割を担う発光面としての拡散板状部が、拡散板状部よりも面厚さ方向の厚みが大である上フレーム周縁部と一体成形されているので、従来にいう拡散板の周縁部に比較的変形しにくい構造物が一体化されることとなり、拡散板状部の周縁部の変形が抑制されるとともにバックライトの部品点数が減少する。さらに、一体化が一体成形により行われるため、拡散板状部と上フレーム周縁部が強固に一体化されるため、拡散板の変形がより効果的に抑制される。さらに、一体成形であるから拡散板一体型上フレームが容易に作製できる。
【0009】
ここで、前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部が同一の樹脂により形成されていることが好ましい(請求項2)。ここで、同一の樹脂とは、着色用の色粉成分を除き、樹脂成分が同一あるいは樹脂成分のうちの主成分が同一である樹脂をいう。このようにすると、拡散板状部と上フレーム周縁部の間に材料物性、とくに物理的物性の差が少ないため、収縮率の差から生ずるひずみが抑制されるため、該ひずみより生ずる拡散板状部または上フレーム周縁部の変形がより効果的に抑えられる。また、同一の樹脂とすることにより、拡散板一体型上フレームを一体成形することが容易となる。さらに、樹脂による断熱効果により液晶パネルと上フレーム周縁部が直接当接しても熱が伝わりにくくなるので、上フレーム周縁部に液晶パネルを直接配置することが可能となる。
【0010】
前記上フレーム周縁部が、前記光源から前記拡散板状部を透過した光を受ける液晶パネルを配置するための液晶パネル配置部を有する直下型バックライトとした場合(請求項3)には、拡散板状部の変形による液晶画面の品位劣化を抑制することができる。
【0011】
前記拡散板状部の外側表面に光学シートが配置され、前記光学シートは、前記拡散板一体型上フレームに固着されていることを特徴とする直下型バックライト(請求項4)とした場合には、拡散板一体型上フレームに光学シートが固着しているので、特にランプ等の交換をする際に、光学シートや上フレーム、拡散板といった個々の部材を別々に扱う必要がなく一体的に取り扱いでき、ランプ交換が円滑に行われる。さらに、光学シートと拡散板状部の間、あるいは光学シートが複数の場合は光学シート相互間、に異物が入ることを防止できる。
【0012】
また、前記上フレーム周縁部の少なくとも一部に遮光手段を設けても良い(請求項5)。このようにすると、発光面となる拡散板状部以外の部分、即ち上フレーム周縁部における光の透過が抑えられるため、上フレーム周縁部の透過光が拡散板状部の透過光に混入することが抑制される。よって、拡散板状部の透過光がより均一になり、発光品位が向上する。
【0013】
前記光学シートが複数である場合、前記上フレーム周縁部は、前記拡散板状部の周囲に光学シート固定用段差部が設けられていることが好ましい(請求項6)。この場合は、複数の光学シートを拡散板一体型上フレームに固着することが容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態である液晶表示装置用のバックライトを図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態の概略構成を展開斜視的に示した模式図である。下フレーム2は上方に開口を有する箱状の形状であり、線状の光源1を内部に備えている。拡散板一体型上フレーム15の上に光学シート13bが配置され、さらにその上に他の光学シート13aが配置される。2枚の光学シート13a、13bのうち上側の光学シート13aが両面テープ14により拡散板一体型上フレーム15に接着されている。下フレームの材質は、放熱性や機械的強度、形状安定性に優れたアルミニウム等の金属が用いられる。
【0015】
図4は、本発明の実施形態の液晶用バックライトに液晶パネル20を装着した状態での断面図(図2の平面図におけるA−A線の断面図)である。箱蓋状の拡散板一体型上フレーム15が、上方開口した箱状の下フレーム2に覆い被せるように組み合わされている。そして、下フレーム2と拡散板一体型上フレームは、それぞれ互いに近接する適宜の部位において連結部(図示省略)が設けられ相互に連結している。下フレーム2と拡散板一体型上フレーム15はネジ、カシメ、テープによる貼着等の方法で適宜連結される。また、下フレーム2の内側表面には、光源1の光を反射させるための反射層3が設けられている。光源1は、冷陰極管タイプの蛍光灯が一般に用いられる。光学シートは、拡散シート、レンズシート、偏光シート等が、1枚又は複数枚用いられる。拡散板一体型上フレームと下フレームの間は隙間がないようにすると下フレーム内に異物が混入しなくなり、発光品位を維持できるので好ましい。
【0016】
図2は、本実施形態のバックライトにおける拡散板一体型上フレーム15の概略を示す平面図であり、図3は、図2のA−A線における断面図である。拡散板一体型上フレーム15は、上フレーム周縁部15aと拡散板状部15bよりなる。図3に示すように、拡散板一体型上フレーム15のうち、中央に位置し面厚さ方向の厚みが略均一であり発光面となる部分が拡散板状部15bであり、その周囲全体が上フレーム周縁部15aである。上フレーム周縁部15aは、液晶パネル配置部15a2,光学シート固定用段差部15a3を備え、液晶パネル配置部15a2はガイドリブ15a1を有している。
【0017】
図2及び図3にしめすように、拡散板一体型上フレーム15は、最も内側の拡散板状部15bから外側にむかって主たる段差を3段有している。図2の平面図において長方形の線が4重になっているが、これが前記主たる段差3段に対応した線である。なお図3は、液晶パネルを中央に位置決めするためのガイドリブ15a1を含んだ位置(A−A線)における断面図であるため、当該ガイドリブ15a1の分の1段が加わり計4段の段差となっている。最も内側の拡散板状部15bから外側に向かって順に光学シート固定用段差部15a3、液晶パネル配置部15a2が設けられ、当該液晶パネル配置部15a2には、図2に示すように、液晶パネルを位置決めするための小段差であるサイドリブ15a1が適宜間隔をおいて設置されている。
【0018】
図3にあるように、光学パネル固定用段差部15a3は、略平面である拡散板状部15bの周縁より立ち上がり面厚み方向の段差を形成する拡散板周縁段差30と、当該段差と連続する光学シート固定面31からなる。当該光学パネル固定用段差15a3の外側周囲の段差部が液晶パネル配置部15a2であり、前記光学シート固定面31の周縁より立ち上がり面厚み方向の段差を形成する段差35と、液晶パネル接触面36からなる。液晶パネル接触面36にガイドリブ15a1が設けられている。
【0019】
図4は、本実施形態のバックライトに液晶パネル20を装着した状態におけるA−A線の概略断面図である。図4に示すように、拡散板状部15bの上には2枚の光学シート13a及び13bが配置されている。図4において下側(拡散板状部側)の光学シート13bは、熱による伸縮を考慮しつつ、光学パネル固定用段差部15a3における拡散板周縁段差30の段差内に収まるように収納されている。そして、最上の位置(拡散板上部から最も遠い位置)の光学シート13aは、光学シート13bよりも面積が大となっており、光学シート固定段差部15a3における光学パネル固定面31と、最上位置の光学シート13aが、両面テープ14によりその四辺のうち短辺側の2辺が固着されている。このようにすると、最上位置(拡散板状部から遠い位置)の光学シートが蓋として機能し下側の他の光学シート(最上位置の光学シート以外の光学シート)を覆い、また当該下側の他の光学シートは光学パネル固定用段差部15a3の拡散板周縁段差30内に収容されているため、複数の光学シートを拡散板一体型上フレームに固着することが容易になる。このように、複数の光学シートのうち最上位置(最も拡散板状部から遠い位置)の光学シートを、それ以外の(拡散板状部側の)光学シートよりも大とし、該最上位置の光学シートの周囲を光学シート固定用段差部の光学パネル固定面と両面テープ等で固着させ、該最上位置の光学シート以外の光学シートは光学パネル固定用段差部の拡散板周縁段差内に収納し、該最上位置の光学シートが他の光学シートを覆うようにすることで、光学シートをその周縁端部に拡散板一体型上フレームに固着することが容易となる。なお、複数の光学シートを、従来の拡散板(別体)と固着することは困難である。なぜなら、拡散板が平板であり、かつ端部にて糊や接着剤などで固定すると、拡散板の変形(たわみ)が光学シートのたわみを招来してしまうためであり、また、端部を糊や接着剤で固定した固定部分を発光エリア外に置く必要があるため、バックライトの額縁が大きくなる等の弊害があったからである。
【0020】
図4に示すように、液晶パネル20は、2枚の光学シート13a、13bの上方に配置されている。液晶パネルは、その底面(拡散板状部側の面)において液晶パネル配置部15a2の液晶パネル接触面36において上フレーム周縁部15aと当接しており、かつ、当該液晶パネル配置部15a2に設けられたガイドリブ15a1が液晶パネルの側面と当接することにより、液晶パネルが中央に位置決めされている。本実施形態では、拡散板一体型上フレームが樹脂製であるため、液晶パネル20を拡散板一体型上フレーム15とが当接しても、光源からの熱の影響が少なくなる。即ち、光源等からの熱が液晶パネル20に伝達されることが抑えられるため、液晶パネルの温度分布を均一にすることにより、液晶画面の品位劣化を抑制する。このように、本発明は液晶表示用の直下型バックライトとした場合により好適である。
【0021】
図3に示すように、拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを一体とした拡散板一体型上フレーム15を一体成型により作製した。ここでは、枠体である上フレーム周縁部15aが、拡散板状部15bの周囲と一体成形により一体化されている。また、図3の断面図で明らかなように、上フレーム周縁部15aは拡散板状部15bよりも面厚さ方向の厚みが大であるため、拡散板状部15bが変形しにくくなる。なお面厚さ方向の厚みとは、図3に矢印Yで図示した方向の厚みである。このように上フレーム周縁部と拡散板状部を一体成形とすることにより、自重や経時変化等による拡散板状部の変形を抑制することができ、発光品位を保持することができる。一体成型であるから、強固な一体構造となり、また、従来、拡散板と上フレームを別個に生産していた場合と比較して生産工程を省略でき、またバックライトとしての部品点数も減ることからコスト的にも有利である。ここで、射出成型による一体成型とする場合には、拡散板一体型上フレームの生産性がより高くなりさらに好ましい。
【0022】
さらに、上フレーム周縁部15aと拡散板状部15bが同一の樹脂により形成されていると、拡散板状部と上フレーム周縁部の間の材料物性、とくに物理的物性の差が少なくなるので好ましい。両者の収縮率の差から生ずるひずみが抑制され、該ひずみより生ずる拡散板状部または上フレーム周縁部の変形がより効果的に抑えられる。
【0023】
拡散板一体型上フレーム15の材料としては、拡散板状部15bが拡散板としての機能を果たす必要があり、また成型の容易性及び液晶パネルに対する遮熱特性をも考慮すると、白色系(乳白色)のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好ましい。また、拡散板状部15bの面厚さ方向の厚みは、0.5mm以上4mm以下、更には1mm以上2mm以下が好ましい。この厚みが厚すぎると、コスト高となり、製品重量が増加し、さらに、明るさのロスや発光色の黄ばみの原因となりやすい。また厚みが薄すぎると、発光の均一性を確保することが難しくなり、また、厚みのばらつきが発光の均一性のばらつきあるいは輝度のばらつきに直結するため、製品品質の均一化が難しくなる。
【0024】
さらに、拡散板一体型上フレーム15の材料特性としては以下が好ましい。まず、吸水率が0.5%以下、好ましくは0.3%以下であることが好ましい。吸水率が0.5%より大であると、バックライトの内外で湿度等の環境が異なる場合に反り等の変形の原因となる。また、線膨張係数は1.5×10−4/℃以下、更には、0.7×10−4/℃以下であることが好ましい。線膨張率が大きいと、下フレーム等の他の部品との遊び寸法が大きくなってしまうという問題がある。光透過率は20〜80%が好ましく、さらには40〜65%が好ましい。大きすぎると発光の均一性を確保することが難しい場合があり、小さすぎると発光の明るさを確保できず、発光効率が低下する。荷重たわみ温度は、100℃以上が好ましく、さらに120℃以上がより好ましい。たわみ温度が小さすぎるとランプやインバータからの生じる熱により、歪みや変形が発生する。ビカット軟化温度は120℃以下が好ましい。
【0025】
従来技術のように上フレーム、拡散板、光学シートがそれぞれ別個独立であり、光学シートが拡散板に固着されていない場合、これら部材を一体的に取り扱えないので面倒であり、さらに、拡散板と光学シートの間、あるいは、光学シート相互間(光学シートが複数の場合)に異物が侵入する恐れがある。とくに、光源のランプを交換する際には、上フレーム、拡散板、光学シートがそれぞれ別々に取り出されることになるので、面倒である上に、異物が侵入する可能性が極めて高くなる。よってこの場合には、ランプ交換をクリーンルームで行うという手間が生じた。本実施形態のように、拡散板一体型上フレームに光学シートを固着することにより、特に光源のランプを交換する際に、光学シート間あるいは光学シートと拡散板状部間に異物が侵入することがない。
【0026】
また、フレームの材質として、コスト等を考慮しステンレスやアルミニウム等の金属を使用する場合があるが、この場合、光源、特に電極からの放熱により、比較的熱伝導率の良い金属製フレームの温度が高くなる。液晶パネルがこの金属フレームに接している場合、その部分における液晶パネルの温度が部分的に高くなり、液晶パネルの温度分布が不均一となるため、液晶画面に色ずれ等の品位劣化が生ずることになる。よってこの場合には、金属性フレームと液晶パネルとの間に遮熱用樹脂を設けるとともに、液晶パネルを固定位置決めするガイドリブも樹脂製とする必要があった。本実施態様のように、上フレーム周縁部15aが樹脂により作製されている場合には、金属と比較して熱伝導率が小さいため、液晶パネルを拡散板一体型上フレームに直接配置した液晶表示装置とすることが可能となる。よって、前記拡散板一体型上フレームに直接液晶パネルを設置した液晶表示装置においては、液晶パネルの温度分布による液晶画面に品位劣化を抑えることができる。したがって、拡散板一体型上フレームを樹脂により形成されている場合は、液晶表示用の直下型バックライトとしてより好適である。
【0027】
本実施形態のように、拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aを同一の樹脂で形成する場合、上フレーム周縁部15aが、光透過性を有する拡散板状部15bと近似した材料で作製されるため、その形状や材料組成次第では上フレーム周縁部15aも透光性を有する場合が生じうる。この場合、上フレーム周縁部15aからの透過光により発光の均一性が阻害され、発光品位を劣化させてしまう恐れがある。この場合は、上フレーム周縁部の少なくとも一部に遮光手段を設けることにより、発光を均一化し、発光品位の劣化を防止するができる。この遮光手段の例としては、遮光塗料の塗布、蒸着等による金属薄膜処理、あるいは遮光テープを用いること等、上フレーム周縁部の表面を遮光処理してもよいし、上フレーム周縁部の材料を遮光性の材料としてもよい。上フレーム周縁部の表面に遮光手段を設ける場合、その位置は、前記光学パネル固定面に設けるのがこのましい。なぜなら、拡散板状部以外で上フレームを透過する透過光は、光源に比較的近い光学パネル固定面において特に強くなっており、また、発光面としての拡散板状部の領域の境界部分でありかつ拡散板状部と最も近い位置において遮光することにより、拡散板状部に透過光が漏れるのを効果的に防止できるからである。また、最上位置の光学シート13aを固定するための両面テープ14を、遮光性を有する両面テープとすると、別途遮光テープを用いることを省略することができる。
【0028】
また、遮光手段として、上フレーム周縁部の材料を遮光性の材料とし、上フレーム周縁部15aの少なくとも一部の光透過率を、拡散板状部15bの光透過率よりも高くすることも可能である。例えば、拡散板状部15bを白色とし、上フレーム周縁部15aを黒色とすることが考えられる。この場合、両者の材料組成は、着色用の色粉を除いて共通の樹脂とすると、拡散板状部と上フレーム周縁部が同一の樹脂となり好ましい。このように拡散板状部15bと上フレーム周縁部15aの色を別々にする場合、2色成型または多色成形の方法をとることが出来る。この2色成形または多色成形も、本願にいう一体成形に該当する。
【0029】
なお、本実施形態では、液晶パネル及び光学シートを用いたが、これらを用いないライトボックスやシャウカステン等であっても、拡散板状部の変形抑制や部品点数の減少等の効果が得られることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
本発明では、拡散板状部が上フレーム周縁部と一体成形されている拡散板一体型上フレームとすることにより、拡散板状部の周縁部の変形が抑制され、発光品位の劣化を防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を展開斜視的に示した模式図である。
【図2】本発明の実施形態における拡散板一体型上フレームの概略を示す平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線における断面図である。
【図4】図4は、本実施形態のバックライトに液晶パネル20を装着した状態におけるA−A線の概略断面図である
【図5】従来の一般的な直下型バックライトの断面図である
【符号の説明】
1 光源
2 下フレーム
3 反射層
4 上フレーム
5 光学シート
6 拡散板
7 ガイドリブ
13a 光学シート
13b 光学シート
14 両面テープ
15 拡散板一体型上フレーム
15a 上フレーム周縁部
15b 拡散板状部
15a1 ガイドリブ
15a2 液晶パネル配置部
15a3 光学シート固定用段差部
20 液晶パネル
Claims (6)
- 光源と、
前記光源から光が透過拡散しかつ発光面となる拡散板状部と、
前記拡散板状部の周縁部に設けられ、前記拡散板状部よりも面厚さ方向の厚みが大であって、かつ、下フレームとの連結部を有する、上フレーム周縁部と、
前記拡散板状部が配置される開口部を有し、前記光源が内部に配置され、かつ前記上フレーム周縁部との連結部を有する下フレームと、
を備え、
前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部とを一体成形し、拡散板一体型上フレームとすることを特徴する直下型バックライト - 前記拡散板状部と前記上フレーム周縁部が同一の樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直下型バックライト
- 前記上フレーム周縁部は、前記光源から前記拡散板状部を透過した光を受ける液晶パネルを配置するための液晶パネル配置部を有する請求項1または2のいずれかに記載の直下型バックライト
- 前記拡散板状部の外側表面に光学シートが配置され、前記光学シートは、前記拡散板一体型上フレームに固着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直下型バックライト
- 前記上フレーム周縁部の少なくとも一部に遮光手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の直下型バックライト
- 前記光学シートが複数であり、かつ、前記上フレーム周縁部は、前記拡散板状部の周囲に光学シート固定用段差部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の直下型バックライト
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358265A JP2004192912A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 直下型バックライト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358265A JP2004192912A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 直下型バックライト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004192912A true JP2004192912A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32758033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002358265A Pending JP2004192912A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 直下型バックライト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004192912A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066074A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-09 | Nippon Zeon Co Ltd | 直下型バックライト装置 |
JP2006080067A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-23 | Samsung Electronics Co Ltd | 強度を向上させたバックライトアセンブリー及びそれを備えた表示装置 |
WO2006137459A1 (ja) * | 2005-06-24 | 2006-12-28 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 光拡散板及びそれを用いた照明装置 |
WO2007148444A1 (ja) * | 2006-06-21 | 2007-12-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光源ユニットおよび表示装置 |
JP2008003313A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | Epson Imaging Devices Corp | 照明装置 |
JP2008519302A (ja) * | 2004-11-09 | 2008-06-05 | エレメント ディスプレーズ ドクトル ヴィーマー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 液晶表示装置 |
WO2008068935A1 (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光源ユニット及び表示装置 |
JP2008309907A (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-25 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 液晶表示装置 |
US7726826B2 (en) | 2004-08-24 | 2010-06-01 | Zeon Corporation | Direct-type backlight device |
EP2259130A2 (en) | 2009-06-05 | 2010-12-08 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid Crystal Module |
JP2011003506A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Casio Computer Co Ltd | 面光源 |
US8026994B2 (en) | 2006-02-20 | 2011-09-27 | Lg Display Co., Ltd. | Liquid crystal display device having members for preventing shifting of the light guide plate and method of assembling the same |
JP2012003279A (ja) * | 2004-10-15 | 2012-01-05 | Three M Innovative Properties Co | 積層ディフューザープレートを備えた液晶ディスプレイ |
CN104676354A (zh) * | 2013-11-28 | 2015-06-03 | 富泰华精密电子(郑州)有限公司 | 背光模组 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002358265A patent/JP2004192912A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7726826B2 (en) | 2004-08-24 | 2010-06-01 | Zeon Corporation | Direct-type backlight device |
JP2006066074A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-09 | Nippon Zeon Co Ltd | 直下型バックライト装置 |
JP4552563B2 (ja) * | 2004-08-24 | 2010-09-29 | 日本ゼオン株式会社 | 直下型バックライト装置 |
JP2006080067A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-23 | Samsung Electronics Co Ltd | 強度を向上させたバックライトアセンブリー及びそれを備えた表示装置 |
JP2012003279A (ja) * | 2004-10-15 | 2012-01-05 | Three M Innovative Properties Co | 積層ディフューザープレートを備えた液晶ディスプレイ |
JP2008519302A (ja) * | 2004-11-09 | 2008-06-05 | エレメント ディスプレーズ ドクトル ヴィーマー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 液晶表示装置 |
US7878690B2 (en) | 2005-06-24 | 2011-02-01 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Light diffusing plate and lighting device using it |
WO2006137459A1 (ja) * | 2005-06-24 | 2006-12-28 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 光拡散板及びそれを用いた照明装置 |
JP4977021B2 (ja) * | 2005-06-24 | 2012-07-18 | 出光興産株式会社 | 光拡散板及びそれを用いた照明装置 |
US8026994B2 (en) | 2006-02-20 | 2011-09-27 | Lg Display Co., Ltd. | Liquid crystal display device having members for preventing shifting of the light guide plate and method of assembling the same |
WO2007148444A1 (ja) * | 2006-06-21 | 2007-12-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光源ユニットおよび表示装置 |
JP2008003313A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | Epson Imaging Devices Corp | 照明装置 |
WO2008068935A1 (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光源ユニット及び表示装置 |
JP2008309907A (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-25 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 液晶表示装置 |
EP2259130A2 (en) | 2009-06-05 | 2010-12-08 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid Crystal Module |
EP2259130A3 (en) * | 2009-06-05 | 2012-01-25 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid Crystal Module |
US8305521B2 (en) | 2009-06-05 | 2012-11-06 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid crystal module |
JP2011003506A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Casio Computer Co Ltd | 面光源 |
CN104676354A (zh) * | 2013-11-28 | 2015-06-03 | 富泰华精密电子(郑州)有限公司 | 背光模组 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7978282B2 (en) | Liquid crystal display | |
US7600908B2 (en) | Light source module and backlight system using the same | |
US10180534B2 (en) | Borderless display device including display module | |
JP5530620B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
US7929073B2 (en) | Liquid crystal display module and method for assembling the same | |
US20150212261A1 (en) | Lighting apparatus, display apparatus, and television receiver | |
TWI657293B (zh) | 背光模組 | |
US20060164858A1 (en) | Backlight assembly and display apparatus having the same | |
KR20090023395A (ko) | 광선 반사용 다층시트, 이것을 이용한 반사기, 조명장치 및액정 표시장치 | |
JP6186111B2 (ja) | バックライトユニット、これを用いるディスプレイ装置及びこれを含む照明システム | |
JP2004192912A (ja) | 直下型バックライト | |
WO2010038808A1 (ja) | 照明装置および液晶表示装置 | |
JP4890485B2 (ja) | バックライトユニットおよびこれを備えた液晶表示装置 | |
KR100676260B1 (ko) | 직하형 백라이트 | |
TWM613857U (zh) | 光源模組及顯示裝置 | |
US20120287352A1 (en) | Lighting device, display device and television receiver | |
JP5657727B2 (ja) | 液晶表示装置及びテレビ受信装置 | |
KR101632674B1 (ko) | 반사판 및 이를 포함하는 액정표시장치 | |
US8395719B2 (en) | Display device and light source block used therein | |
US20090160745A1 (en) | Liquid crystal display module having contact protrusion between top chassis and bottom chassis | |
JP2009104946A (ja) | 光源装置及び液晶表示装置 | |
WO2008068936A1 (ja) | 光源ユニット及び表示装置 | |
US20100142186A1 (en) | Light source holding device, illumination device, and display device | |
US20040223319A1 (en) | Back light module | |
KR102363841B1 (ko) | 반사판, 그를 가지는 백라이트 유닛 및 그 백라이트 유닛을 가지는 표시 모듈 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20061115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070627 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071024 |